JP2005178949A - エレベータの保守用操作装置 - Google Patents

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忠昭 千葉
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Abstract

【課題】接続先を変更することなく、エレベータの近傍の任意の場所で保守運転の操作を実施できるエレベータの保守用操作装置の提供。
【解決手段】操作スイッチ61を有する操作部6と、昇降路1内に設置され、エレベータの主制御を行なう制御盤2に接続され、操作部6から出力される無線信号RSを受信して、対応する保守運転受令信号を制御盤2に出力する受信部7とを備えている。操作部6は、操作スイッチ61の他に、パラレル/シリアル変換回路62a、及び無線回路62bを有する操作部制御回路62と、無線信号RSを出力するアンテナ63とを備え、受信部7は、無線信号RSを受信するアンテナ71と、無線回路72a、及びシリアル/パラレル変換回路72bを有する受信部制御回路72と、制御盤2に保守運転受令信号を出力する出力回路73とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、エレベータの保守時にかごを操作する保守運転指令信号を出力するエレベータの保守用操作装置に関する。
エレベータの保守点検の際には、昇降路内の機器、駆動機、制御盤などの動作状態の点検が必要であるために、一般に、かご上にペンダントスイッチなどの保守用操作装置を設け、これをかご上制御装置に電線で接続することで、例えば無電圧接点信号等をかご上制御装置に供給し、かごの保守運転を実施している。また近年、機械室を有さず、制御盤、駆動機等を昇降路内に配置したエレベータが提案されているが、このようなエレベータにおいては、例えば昇降路底部の制御盤、乗場操作盤等に保守用操作装置を接続して、同様の保守運転を実施している。
これらの保守運転、及び保守用操作装置に関して従来、特許文献1に、かご上に設置した保守用操作装置を移動できるようにして作業員の乗り込みを容易にした発明が提案されている。また、特許文献2に、乗場操作盤に保守用操作装置である携帯用端末と無線接続する通信用コネクタを設け、機械室を持たないエレベータの保守を容易にする発明が提案されている。
特開平9−30747号公報(段落番号0033,0034、図1,2) 特開平11−263546号公報(段落番号0010〜0016、図1,2,3)
ところで、上述した従来技術においては、保守用操作装置の操作場所が限定されている。すなわち、特許文献1に記載の発明では操作場所がかご上に限定され、特許文献2に記載の発明では操作場所が乗場に限定されている。しかしながら実際の保守点検作業においては、数時間の間に複数箇所の機器の点検が必要とされることが多い。例えば、かごドアの点検を実施する際にはかご上制御装置に保守用操作装置を接続し、その後に駆動機の点検のために保守用操作装置を制御盤や乗場操作盤に接続しなおす必要がある。すなわち、保守点検の対象部品によって接続先を変更しなければならない。このようなことから、上述した従来技術にあっても、保守点検の対象部品に応じて接続先を変更する必要があり、このために保守点検作業の能率が低下する懸念がある。
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、接続先を変更することなく、エレベータの近傍の任意の場所で保守運転の操作を実施できるエレベータの保守用操作装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は、機械室若しくは昇降路内に設置され、エレベータの主制御を行なう制御盤と、かご上に設置され、かごの制御を行なうかご上制御装置と、乗場に設置され、利用者によって操作される乗場操作盤とを備え、前記制御盤、かご上制御装置、乗場操作盤のいずれかに接続され、保守運転の操作を行なうエレベータの保守用操作装置において、操作スイッチを有し、この操作スイッチの操作に伴って保守運転指令信号に相応する無線信号を出力する操作部と、前記かごの保守運転を制御する前記制御盤、かご上制御装置、乗場操作盤のうちの該当するものに接続され、前記操作部から出力される無線信号を受信して保守運転受令信号を出力する受信部とを備えたことを特徴としている。
このように構成した本発明は、保守点検作業に際しては、受信部をかごの保守運転を制御する制御盤、かご上制御装置、乗場操作盤のうちの該当するものに接続し、操作部の操作スイッチを操作すればよく、この操作スイッチの操作によって保守運転指令信号に相応する無線信号が受信部に出力される。この無線信号を入力した受信部は、制御盤、かご上制御装置、乗場操作盤のうちの該当するものに保守点検受令信号を出力する。この保守運転受令信号に応じてかごの保守運転が実施される。ここで、操作部から出力される信号は無線信号であるので、エレベータ近傍の任意の場所で操作可能である。したがって、この保守用操作装置の接続先、すなわち受信部の接続先を変更することなく、保守運転を実施できる。
また本発明は前記発明において、前記操作部と前記受信部とが互いに同じ識別符号を保有すると共に、前記受信部は、前記操作部から出力される無線信号に含まれる前記識別符号と、自身が保有する前記識別符号とが合致しない場合には、前記保守運転受令信号の出力を停止させる処理を行なう処理手段を含むことを特徴としている。
また本発明は前記発明において、前記操作部は、自身の電気回路の電源を投入、遮断する電源スイッチを有すると共に、この電源スイッチにより電源が投入された際に、前記操作スイッチが操作されていた場合には、前記無線信号の出力を停止させる処理を行なう処理手段を含むことを特徴としている。
また本発明は前記発明において、前記受信部は、前記操作部から出力される前記無線信号が途絶した後、復帰した際に前記保守運転指令信号に相応する無線信号が発せられている場合には、これを無効とする処理を行なう処理手段を含むことを特徴としている。
本発明は、接続先を変更することなく、エレベータ近傍の任意の場所で保守運転の操作を実施することができ、従来に比べて保守点検作業の能率を向上させることができる。
以下,本発明に係るエレベータの保守用操作装置を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
図1は本発明に係るエレベータの保守用操作装置の一実施形態の全体構成を示す図、図2は図1に示す一実施形態の要部構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態が対象としているエレベータには、図示しない機械室、及び昇降路1が備えられ、例えば昇降路1内にエレベータの主制御を行なう制御盤2が配置されている。この昇降路1内には、制御盤2の制御により昇降するかご3も配置されている。このかご3の上には、かご3の制御が可能なかご上制御装置4が配置され、乗場にはエレベータの利用者によって操作される乗場操作盤5が配置されている。
本実施形態の保守用操作装置は、図2に示すように、操作スイッチ61を有し、この操作スイッチ61の操作に伴って保守運転指令信号に相応する無線信号を出力する操作部6と、かご3の保守運転を制御する前述の制御盤2、かご上制御装置4、乗場操作盤5のうちの該当するもの、例えば制御盤2に接続され、操作部6からの無線信号を受信して保守運転受令信号を制御盤2に出力する受信部7とを備えている。
前述した操作部6は、前述の操作スイッチ61の他に、この操作スイッチ61から出力される保守運転指令信号を入力し、パラレル/シリアル変換回路62a及び無線回路62bを有する操作部制御回路62と、無線回路62bに接続され、無線信号RSを出力するアンテナ63とを備えている。
また、この操作部6は、図示しないが自身の電気回路の電源を投入、遮断する電源スイッチを有し、この操作部6の操作部制御回路62は、前述した電源スイッチにより電源が投入された際に、操作スイッチ61が操作されていた場合には、無線信号RSの出力を停止させる処理を行なう処理手段を含んでいる。
前述した受信部7は、操作部6から出力された無線信号RSを受信するアンテナ71と、このアンテナ71に接続され、無線回路72a、及びシリアル/パラレル変換回路72bを有する受信部制御回路72と、制御盤2に保守運転受令信号を出力する出力回路73とを備えている。
前述した操作部6と受信部7は、互いに同じ識別符号を保有している。受信部7の受信部制御回路72は、操作部6から出力される無線信号RSに含まれる識別符号と、受信部7が保有する識別符号とが合致しない場合には、保守運転受令信号の出力を停止させる処理を行なう処理手段を含んでいる。また、この受信部7の受信部制御回路72は、操作部6から出力される無線信号RSが途絶した後、復帰した際に保守運転指令信号に相応する無線信号RSが発せられている場合には、これを無効とする処理を行なう処理手段も含んでいる。
なお、図2においては、操作スイッチ61が、かご3を上昇させる上昇スイッチUP、下降させる下降スイッチDNの2つのスイッチだけを有するようになっているが、他にも制御盤2の図示しない安全回路等を操作するスイッチや、受信部7の動作モードを設定するスイッチ等を備えた構成にしてもよい。
また、操作部6と受信部7との無線通信は、電波、音波、単一または複合波長の光などの伝達方式を利用して行なうことができる。
本実施形態にあっては、保守点検作業に際し、例えば受信部7を図1に示すように昇降路1内の制御盤2に接続した状態で、作業者が、かご3の上、乗場、あるいは昇降路1内などのエレベータ近傍の任意の場所で操作部6の操作スイッチ61を操作することが行なわれる。
操作スイッチ61の上昇スイッチUPが操作されると、上昇保守運転指令信号UPS1が操作部制御回路62のパラレル/シリアル変換回路62aに入力され、シリアル信号に変換される。このシリアル信号が無線回路62bで処理され、無線信号RSとしてアンテナ63から出力される。
この無線信号RSが受信部7のアンテナ71で受信され、受信部制御回路72の無線回路72aで処理され、さらにシリアル/パラレル変換回路72bで上昇保守運転受令信号UPS2に変換される。この上昇保守運転受令信号UPS2が出力回路73から昇降路1内の制御盤2に出力される。これにより、制御盤2は図示しない駆動機や制御装置を制御して、かご3の保守運転を実施させる。
なお、無線信号RSが受信部7に入力された際、無線信号RSに含まれる識別符号と受信部7が保有する識別符号とが受信部制御回路72において判別され、これらの識別符号が合致しないと判別された場合には、保守運転受令信号UPS2、あるいはDNS2の出力を停止させる処理がなされる。したがって、無線信号RSが保守点検を実施していない他のエレベータ、例えば隣接するエレベータの保守用操作装置を構成する受信部に受信されたとしても、そのエレベータが誤って保守運転されてしまうことがない。
また、操作部6の図示しない電源スイッチによって電源が投入された際、操作部6の操作スイッチ61が入力されていた場合には、操作部制御回路62の処理により無線信号RSの出力は停止する。したがって、操作スイッチ61が閉状態で故障を生じていた場合に、誤って保守運転が実施されてしまうことがない。
さらに、受信部7の受信部制御回路72は、操作部6から出力される無線信号RSが途絶した後、復帰した際に保守運転指令信号UPS1、またはDNS1が発せられている場合には、これを無効とする処理を行なう。したがって、操作部6と受信部7間の距離が、無線信号RSが到達する限界距離に達している場合に、かご3が断続的に運転されてしまうことがない。
このように構成した本実施形態によれば、操作部6から出力される保守運転指令信号は無線信号RSであるので、エレベータ近傍の任意の場所、例えばかご3の上、乗場、昇降路1内のいずれの場所でも操作可能である。したがって、受信部7の接続先を制御盤2から他のものに変更させることなく、保守運転を実施でき、所望の保守点検作業を行なうことができる。これにより、保守点検作業の能率を向上させることができる。
また、前述したように、操作部6から出力される無線信号RSに含まれる識別符号と、受信部7が保有する識別符号とが合致しないときには保守運転が実施されることがないので、優れた安全性を確保できる。
また前述したように、操作部6の操作スイッチ61が閉状態で故障している場合には、誤って保守運転が実施されてしまうことがないので、優れた安全性を確保できる。
また前述したように、操作部6と受信部7間の距離が無線信号RSの到達限界距離に達している場合に、かご3が断続運転されてしまうことがないので、これによっても優れた安全性が確保できる。
図3,4はそれぞれ本発明の別の実施形態の全体構成を示す図である。
図3に示すように、受信部7をかご3の上に配置されるかご上制御装置4に接続した構成にしてもよく、図4に示すように、受信部7を乗場に配置される乗場操作盤5に接続した構成にしてもよい。操作部6及び受信部7の構成は、前述した実施形態と同等である。このように構成した図3,4に示す別の実施形態も、前述した図1,2に示す実施形態と同等の作用効果が得られる。
本発明に係るエレベータの保守用操作装置の一実施形態の全体構成を示す図である。 図1に示す一実施形態の要部構成を示すブロック図である。 本発明の別の実施形態の全体構成を示す図である。 本発明のさらに別の実施形態の全体構成を示す図である。
符号の説明
1 昇降路
2 制御盤
3 かご
4 かご上制御装置
5 乗場制御盤
6 操作部
7 受信部
61 操作スイッチ
62 操作部制御回路
62a パラレル/シリアル変換回路
62b 無線回路
63 アンテナ
71 アンテナ
72 受信部制御回路
72a 無線回路
72b シリアル/パラレル変換回路
73 出力回路
UPS1 上昇保守運転指令信号
UPS2 上昇保守運転受令信号
RS 無線信号

Claims (4)

  1. 機械室若しくは昇降路内に設置され、エレベータの主制御を行なう制御盤と、かご上に設置され、かごの制御を行なうかご上制御装置と、乗場に設置され、利用者によって操作される乗場操作盤とを備え、前記制御盤、かご上制御装置、乗場操作盤のいずれかに接続され、保守運転の操作を行なうエレベータの保守用操作装置において、
    操作スイッチを有し、この操作スイッチの操作に伴って保守運転指令信号に相応する無線信号を出力する操作部と、
    前記かごの保守運転を制御する前記制御盤、かご上制御装置、乗場操作盤のうちの該当するものに接続され、前記操作部から出力される無線信号を受信して保守運転受令信号を出力する受信部とを備えたことを特徴とするエレベータの保守用操作装置。
  2. 前記請求項1記載の発明において、
    前記操作部と前記受信部とが互いに同じ識別符号を保有すると共に、
    前記受信部は、前記操作部から出力される無線信号に含まれる前記識別符号と、自身が保有する前記識別符号とが合致しない場合には、前記保守運転受令信号の出力を停止させる処理を行なう処理手段を含むことを特徴とするエレベータの保守用操作装置。
  3. 前記請求項1記載の発明において、
    前記操作部は、自身の電気回路の電源を投入、遮断する電源スイッチを有すると共に、
    この電源スイッチにより電源が投入された際に、前記操作スイッチが操作されていた場合には、前記無線信号の出力を停止させる処理を行なう処理手段を含むことを特徴とするエレベータの保守用操作装置。
  4. 前記請求項1記載の発明において、
    前記受信部は、前記操作部から出力される前記無線信号が途絶した後、復帰した際に前記保守運転指令信号に相応する無線信号が発せられている場合には、これを無効とする処理を行なう処理手段を含むことを特徴とするエレベータの保守用操作装置。
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