JP2005178642A - 耐熱性吸音部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高温雰囲気において良好な吸音性能を発揮するとともに、湿気、振動等が作用する過酷な環境に耐える耐久性を備えた吸音部材を提供する。
【解決手段】 無機系繊維の織物又は編物シート(2a)を二つ折りにした状態で両縁部を不燃性且つ耐熱性接合材料(4、5)で縫合又は接合して頂部開口形の袋状物を形成した後、袋状物を裏返して袋状物の表裏を反転させることにより、接合材料を内側に配置した頂部開口形の袋体(2)を形成し、無機系繊維からなる吸音材料(3)を袋体内に挿入して袋体の頂部開口(2b)を封止する。
【選択図】 図1
【解決手段】 無機系繊維の織物又は編物シート(2a)を二つ折りにした状態で両縁部を不燃性且つ耐熱性接合材料(4、5)で縫合又は接合して頂部開口形の袋状物を形成した後、袋状物を裏返して袋状物の表裏を反転させることにより、接合材料を内側に配置した頂部開口形の袋体(2)を形成し、無機系繊維からなる吸音材料(3)を袋体内に挿入して袋体の頂部開口(2b)を封止する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、耐熱性吸音材に関するものであり、より詳細には、吸音材料の外面を無機系繊維の表皮により被覆した耐熱性吸音部材に関するものである。
車両用エンジン等の内燃機関の騒音レベルを低減すべく、吸音材を内燃機関の排気系に配設する対策が従来より講じられてきた。この種の吸音材として、例えば、グラスウール(面密度 500〜1200g/m2 、厚さ 5〜20mm) 、レジンフェルト(面密度 500〜1200g/m2 、厚さ 5〜20mm) 、ポリエステルフェルト(面密度 500〜1200g/m2 、厚さ 5〜20mm)等の多孔質基材に対して、表皮材としてポリエステル不織布(面密度 80 〜200g/m2 、厚さ 0.3〜2mm)を接着した構造を有する吸音材が挙げられる。
車両用エンジンのエキゾースト・マニホールドの防音遮熱板として、金属基板、無機吸音材及び金網等を積層した構造のものが知られている(特開平 7−267018号公報及び特開平 7−277810号公報)。この遮熱板においては、無機吸音材の縁部が無機バインダーで硬化処理され、或いは、金網等が金属基板にハトメで固定される。この遮熱板では、金属基板は、エキゾースト・マニホールドの立体形状に相応した立体形状に予め成形しなければならない。
他の構造を有する吸音材として、不織布製袋体の内部に繊維質吸音材を収納した構成を有する吸音体が知られているが(特開2000−214134号公報)、この吸音体は、消音器のケーシング内に収納することを意図した構成のものであるにすぎない。
特開平 7−267018号公報
特開平 7−277810号公報
特開2000−214134号公報
近年の車両排ガス規制の厳格化や、市場ニーズの変化等の結果、車両用エンジンの出力は、増大する傾向にある。エンジン出力の増大に伴って、エンジン騒音及びエンジン発熱の対策が近年殊に重視されている。ここに、エンジンの騒音レベルを低下し且つエンジン周辺の電子機器等の過熱を有効に防止する上で現実的に採用し得る対策として、不燃・耐熱性吸音材を比較的高温のエキゾースト・パイプに近接して配設する対策が望ましいと考えられる。
しかしながら、エキゾースト・パイプの高温部位は、通常は、温度150 ℃を超え、このような高温部位の近傍に吸音材を配置すると、ガラス繊維のバインダーであるフェノール樹脂や、ポリエステル繊維が熱分解し、これにより、吸音材が一体性又は強度を失い、ボロボロと剥落する現象が発生し、この結果、吸音材は、本来の吸音機能を喪失してしまう。
また、図8に示す如く、高い耐熱性を有する無機系繊維(ガラス繊維等)の織物シートAを二つ折りにし、その端部及び縁部を単に縫製加工又はステップル固定等の縫合・接合手段Cによって縫合又は接合した袋体を形成し、この袋体内部に多孔質吸音材料Bを収納した吸音部材を製作した場合、温度、湿度及び振動等に関して比較的過酷な使用環境の下におかれる車両用吸音部材にあっては、袋体の端部又は縁部の織糸又はステップルがほつれ、弛み、分解又は解体する結果、袋体内部の吸音材料が外部に放出又は飛散する現象が発生し、吸音部品は、その吸音機能を喪失してしまう。
他方、高耐熱性を有する無機系不織布(ガラス繊維不織布等)と、高耐熱性を有するバインダーレス多孔質吸音材(ガラスウールマット、ロックウール等)とを無機系接着剤で接着した複合吸音材を用いた場合、吸音材が剛体化する結果、吸音材内部のエアーが共振し難くなり、吸音性能が著しく低下してしまう。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、温度150 ℃を超える高温雰囲気において良好な吸音性能を長期に亘って発揮するとともに、湿気、振動等が作用する過酷な環境に耐える耐久性を備えた吸音部材を提供することにある。
上記目的を達成すべく、本発明は、無機系繊維の織物又は編物シートにより形成した袋体の内部に無機系繊維の多孔質吸音材料を収容し、前記シートからなる表皮により前記吸音材料の外面を被覆した耐熱性吸音部材であって、
前記シートを二層に重ねた状態で両縁部を不燃性且つ耐熱性接合材料で縫合又は接合して頂部開口形の袋状物を形成した後、該袋状物を裏返して該袋状物の表裏を反転させることにより、前記接合材料を内側に配置した頂部開口形の前記袋体を形成し、
無機系繊維からなる前記吸音材料を前記袋体内に挿入して該袋体の頂部開口を封止したことを特徴とする耐熱性吸音部材を提供する。
前記シートを二層に重ねた状態で両縁部を不燃性且つ耐熱性接合材料で縫合又は接合して頂部開口形の袋状物を形成した後、該袋状物を裏返して該袋状物の表裏を反転させることにより、前記接合材料を内側に配置した頂部開口形の前記袋体を形成し、
無機系繊維からなる前記吸音材料を前記袋体内に挿入して該袋体の頂部開口を封止したことを特徴とする耐熱性吸音部材を提供する。
本発明の上記構成によれば、多孔質吸音材料は、袋体内に収納され、空気伝播音として吸音部材に伝播した音源機器の騒音は、表皮を通過して多孔質吸音材料に入射する。表皮の縁部を縫合又は接合する接合材料は、袋体の内部に配置され、表皮の外面に露出せず、従って、高温雰囲気、湿気、振動等の外部環境因子は、接合材料に直に作用し難い。このため、接合材料のほつれ、弛み、分解又は解体や、損傷又は熱劣化等が発生し難く、表皮は、多孔質吸音材料の放出又は飛散等を長期に亘って確実に防止することができる。
このように表皮の耐久性を向上した吸音部材においては、内部に収容可能な多孔質吸音材料として、不燃性・高耐熱性を有するバインダーレスの無機系繊維(例えば、ガラス繊維又はロックウール繊維)を積層した吸音材料を採用することができる。この種の吸音材料の使用は、樹脂バインダーの熱分解や、可燃繊維の熱分解による吸音材料自体の熱劣化又は吸音効果損失といった問題を生じさせないことから、150 ℃を超える高温部位に所望の如く配設することができる。また、この種の吸音材料は、異種材料(例えば、高耐熱性の無機系不織布と高耐熱性のバインダーレス多孔質吸音材など)を無機系接着材で相互接着した比較的高剛性の複合吸音材料と異なり、低剛性且つ軽量の吸音材料であり、良好な吸音性能を発揮することができる。しかも、このような低剛性且つ軽量の吸音材料を基材とした本発明の吸音部材によれば、吸音部材の組付け、取付け等の作業性が向上するとともに、複雑又は狭小な空間に吸音部材を配置可能な設計自由度が得られるので、実用的に有利である。
本発明は又、無機系繊維の織物又は編物シートにより形成した袋体の内部に無機系繊維の多孔質吸音材料を収容し、前記シートからなる表皮により前記吸音材料の外面を被覆した耐熱性吸音部材であって、
前記シートを二層に重ねた状態で両縁部を少なくとも2回折り返し、折り返し部を不燃性且つ耐熱性接合材料で縫合又は接合し、側縁を外界から隠蔽した頂部開口形の前記袋体を形成し、
無機系繊維からなる前記吸音材料を前記袋体内に挿入して該袋体の頂部開口を封止したことを特徴とする耐熱性吸音部材を提供する。
前記シートを二層に重ねた状態で両縁部を少なくとも2回折り返し、折り返し部を不燃性且つ耐熱性接合材料で縫合又は接合し、側縁を外界から隠蔽した頂部開口形の前記袋体を形成し、
無機系繊維からなる前記吸音材料を前記袋体内に挿入して該袋体の頂部開口を封止したことを特徴とする耐熱性吸音部材を提供する。
本発明の上記構成によれば、多孔質吸音材料を被覆する表皮は、両縁部が少なくとも2回折り返され、折り返し部は、不燃性且つ耐熱性接合材料で縫合又は接合される。接合材料のほつれ、弛み、分解、解体等の原因となり易い表皮の側縁は、2回以上の折り返しにより、表皮の内側に隠蔽され、外界に露出せず、従って、高温雰囲気、湿気、振動等の外部環境因子に依る接合材料のほつれ、弛み、分解等は、発生し難く、従って、多孔質吸音材料の外界放出又は飛散等を長期に亘って確実に防止することができる。前述の如く、このように表皮の耐久性を向上した吸音部材においては、内部に収容可能な多孔質吸音材料として、不燃性・高耐熱性を有するバインダーレスの無機系繊維を積層した吸音材料を採用することができる。
本発明によれば、温度150 ℃を超える高温雰囲気において良好な吸音性能を長期に亘って発揮するとともに、湿気、振動等が作用する過酷な環境に耐える耐久性を備えた吸音部材を提供することができる。
本発明の好適な実施形態によれば、上記袋体の開口縁は、少なくとも2回折り返され、折り返し部は、不燃性且つ耐熱性の無機系繊維糸又は係止具で縫合ないし接合される。
本発明の他の好適な実施形態によれば、上記袋体の頂部開口縁は折り返され、折り返し部は、金属製係止具からなる接合材料によって接合される。金属製係止具として、電気配線工事等に使用される金属製ステップル、例えば、ステンレス合金製ステップルなどが挙げられる。
本発明の吸音部材は、内燃機関のエキゾースト・パイプに近接して配置することができる。吸音部材は、エキゾースト・パイプの経路、例えば、トランスミッション装置から排気マフラーの間のエキゾースト・パイプ経路に沿ってエキゾースト・パイプに近接配置される。吸音部材は、エキゾースト・パイプから若干の距離を隔てて位置決めされ、高温のエキゾースト・パイプが放射する輻射熱を断熱するととともに、吸音部材に入射する空気伝播音を吸音し、エンジン及びその付属機器等の音源から発生する騒音のレベルを低下させる。
なお、本発明の吸音部材の用途は、車両用内燃機関のエキゾースト・パイプ用吸音部材としての用途に限定されるものではなく、吸音性、耐熱性、不燃性及び軽量性を要求され、しかも、湿気、振動等が作用する比較的過酷な環境の下で使用される吸音部材として、自動車以外の車両、例えば、鉄道輸送機械、海上輸送機械又は航空輸送機械の高温部位の吸音部材として使用することができる。本発明の吸音部材は又、建築、土木、石油化学プラント、発電プラント等の設備機器に関し、その高温部位に配設される吸音部材として、好ましく使用することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施例に係る吸音部材を示す部分破断断面図である。
吸音部材1は、不燃性及び高耐熱性を有する袋状表皮2と、表皮2内に収容した多孔質基材3とから構成される。表皮2は、織物又は編物シート2aの両縁部を無機系繊維糸4で縫合した構造を有し、表皮2の袋体内には、多孔質基材3を収納可能な内部領域が形成される。
表皮2を構成する織物又は編物シート2aは、ガラス繊維又はロックウール繊維のシート状物からなり、通気性を有する。シート2aの折り畳み及び縫製加工により形成された表皮2は、内部の多孔質基材3が外界に放出又は飛散するのを防止するとともに、入射音が表皮2の内部に進入するのに適した開口率を有する。表皮2を通過して多孔質基材3に入射した空気伝播音は、内部の細孔や空気粘性、繊維の振動等によって減衰する。この吸音部材1は、車両用エンジンの騒音を吸音するとともに、エンジンの発熱を断熱すべく、エンジンのエキゾースト・パイプ近傍に取付けられる。このため、多孔質基材3の吸音率、厚さ、周波数特性等は、吸音部材1を取付けるエンジンの騒音特性に適合するように設定される。
図2は、吸音部材1の製造過程を示す斜視図である。
図2(A)に示す如く、シート2aは、中心線2cを曲げ中心として二つ折りにすることにより、2層構造に重ねられる。シート2aの左右の縁部が、無機系繊維糸4を用いた縫製加工により縫合される。縫製後のシート2aは、図2(B)に示すように、袋状の形態を呈し、無機系繊維糸4の縫合部は、袋状物の外側面に露出する。
図2(C)に示すように袋状物を裏返し、シート2aを表裏反転させることにより、両側の縁部は、表皮2の内側に向かって折り返され、無機系繊維糸4の縫合部は、表皮2の内側に変移する。多孔質基材3が、図2(D)に示す如く、袋体の頂部開口2bから表皮2内に挿入される。多孔質基材3を袋体内に充填した後、頂部開口2bは、閉塞される。
図3(A)及び図3(B)は、頂部開口2bの閉塞方法を示す部分断面図である。
頂部開口2b廻りの開口縁は、図3(A)又は図3(B)に示すように折り返される。図3(A)に示す閉塞方法では、開口縁は2回折り返され、折り返した部分は、無機系繊維糸4又は金属製ステップルによって縫合又は接合され、閉じられる。図3(B)に示す閉塞方法では、開口縁は1回だけ折り返され、折り返した部分は、金属製ステップル5及び無機系接着剤を併用した開口縁の封止により、閉じられる。
かくして製作した吸音部材1(図1)の構成によれば、バインダーによる硬化処理を表皮2に施すことなく、多孔質基材3の飛散を防止し且つその吸音性能を損なわない表皮2が、多孔質基材3の外面全域に形成される。表皮2の縁部を縫合する無機系繊維糸4は、表皮2の内側に隠蔽され、表皮2の外面に露出しない。従って、エンジンのエキゾースト・パイプの輻射熱は、無機系繊維糸4に作用せず、しかも、周囲の高温雰囲気、湿気、振動等は、無機系繊維糸4に直に作用し難い。このため、表皮2の縫合部には、無機系繊維糸4のほつれや、損傷又は熱劣化等が生じ難く、表皮2は、多孔質基材3の外界放出又は飛散を長期に亘って確実に防止することができる。
このように表皮2の耐久性を向上した吸音部材1においては、多孔質基材3として、不燃性・高耐熱性を有するバインダーレスの無機系繊維(例えば、ガラス繊維又はロックウール繊維)を積層した吸音材料を使用することができる。この種の吸音材料の使用は、フェノール樹脂等のバインダーの熱分解や、可燃繊維の熱分解による吸音材料自体の劣化又は吸音効果損失といった問題を生じさせないことから、150 ℃を超える高温部位に所望の如く配設することができる。また、この種の吸音材料は、高耐熱性の無機系不織布と高耐熱性のバインダーレス多孔質吸音材(ガラスウールマット等)とを無機系接着材で接着した比較的高剛性の複合吸音材と異なり、入射音を内部の細孔、空気粘性、繊維の振動等によって効果的に減衰させる低剛性且つ軽量の吸音材料であるので、吸音部材1は、良好な吸音性能を長期に亘って発揮することができる。
図4、図5及び図6は、本発明の第2〜4実施例に係る吸音部材を示す部分破断断面図である。
図4〜図6に示す吸音部材1は、上記第1実施例と同じく、不燃性及び高耐熱性を有する織物又は編物シート2aの袋状表皮2と、表皮2内に収容した多孔質基材3とから構成される。
図7は、図4に示す吸音部材1の製造過程を示す斜視図である。
第2実施例(図4)の吸音部材1を製作すべく、シート2aは、中心線2cを曲げ中心として二つ折りにされ、2層構造に重ねられる(図7(A))。表皮2の両縁部は、図7(B)に示すように2回、折り返される。折り返し部は、図7(C)に示す如く、ステップル5により接合される。シート2aは、両縁部の接合により頂部開口形の袋体を形成し、多孔質基材3が、頂部開口2bから袋体内に挿入される(図7(D))。多孔質基材3を袋体内に充填した後、頂部開口2bは、無機系繊維糸4による縫合(図3(A))、或いは、ステップル5及び無機系接着剤を併用した接合(図3(B))により封止され、かくして、多孔質基材3を表皮2内に充填してなる吸音部材1が製作される。
第3実施例(図5)の吸音部材1も又、シート2aの両縁部を2回、折り返した後、ステップル5により両縁部を接合して表皮2の袋体を形成し、袋体内に多孔質基材3を充填した構造のものである。しかしながら、図5に示す吸音部材1では、両縁部の折り返し方法が上記第2実施例と異なり、表皮2の縁部は、シート2aの接合面9に対して面対称の断面形状に折り返されている。
図6に示す第4実施例の吸音部材1は、図2に示す製造過程と同様の過程で製造されたものである点において、第2及び第3実施例と相違する。第4実施例では、シート2aの両縁部は、2回折り返され、折り返し部は、ステップル5により接合される。図2(A)に示されるような頂部開口形の袋状物に加工されたシート2aは、袋状物を裏返すことにより表裏反転し、これにより、ステップル5は、袋体の内側に移動する。多孔質基材3が、袋体の頂部開口から袋体内に挿入され、頂部開口は、無機系繊維糸4による縫合(図3(A))、或いは、ステップル5及び無機系接着剤を併用した接合(図3(B))により封止され、かくして、多孔質基材3を表皮2内に充填してなる吸音部材1が製作される。
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能である。
例えば、シートの縁部は、3回以上折り返しても良い。
また、無機繊維糸又はステップルによる縁部の縫合又は接合に際し、縁部を接着可能な無機系接着剤を併用しても良い。
更に、上記実施例では、シートを二つ折りして2層構造に重ねているが、二枚のシートを二層に重ね、両縁部及び一端部を縫合又は接合しても良い。
本発明によれば、温度150 ℃を超える高温雰囲気において良好な吸音性能を発揮するとともに、湿気、振動等が作用する過酷な環境に耐える耐久性を備えた吸音部材が提供される。本発明の吸音部材は、軽量であり、湿気・振動等に対する耐久性を備え、しかも、比較的安価に製造し得るので、車両用内燃機関の高温部位、殊に、車両用内燃機関のエキゾースト・パイプの高温部位に好ましく使用され、良好な耐熱性・吸音性を発揮する。また、本発明の吸音部材は、吸音性、耐熱性、不燃性及び軽量性を要求され、しかも、湿気、振動等が作用する比較的過酷な環境の下で使用される吸音部材、例えば、鉄道輸送機械、海上輸送機械又は航空輸送機械の高温部位の吸音部材、或いは、建築、土木、石油化学プラント、発電プラント等の設備機器の高温部位に配設される吸音部材として好適に使用することができる。
1 吸音部材
2 表皮
2a 織物又は編物シート
3 多孔質基材
4 無機系繊維糸
5 金属製ステップル
2 表皮
2a 織物又は編物シート
3 多孔質基材
4 無機系繊維糸
5 金属製ステップル
Claims (7)
- 無機系繊維の織物又は編物シートにより形成した袋体の内部に無機系繊維の多孔質吸音材料を収容し、前記シートからなる表皮により前記吸音材料の外面を被覆した耐熱性吸音部材であって、
前記シートを二層に重ねた状態で両縁部を不燃性且つ耐熱性接合材料で縫合又は接合して頂部開口形の袋状物を形成した後、該袋状物を裏返して該袋状物の表裏を反転させることにより、前記接合材料を内側に配置した頂部開口形の前記袋体を形成し、
無機系繊維からなる前記吸音材料を前記袋体内に挿入して該袋体の頂部開口を封止したことを特徴とする耐熱性吸音部材。 - 無機系繊維の織物又は編物シートにより形成した袋体の内部に無機系繊維の多孔質吸音材料を収容し、前記シートからなる表皮により前記吸音材料の外面を被覆した耐熱性吸音部材であって、
前記シートを二層に重ねた状態で両縁部を少なくとも2回折り返し、折り返し部を不燃性且つ耐熱性接合材料で縫合又は接合し、側縁を外界から隠蔽した頂部開口形の前記袋体を形成し、
無機系繊維からなる前記吸音材料を前記袋体内に挿入して該袋体の頂部開口を封止したことを特徴とする耐熱性吸音部材。 - 前記両縁部を少なくとも2回折り返し、折り返し部を前記接合材料で縫合又は係止して前記袋状物を形成したことを特徴とする請求項1に記載の耐熱性吸音部材。
- 前記袋体の頂部開口縁を折り返し、折り返し部を前記接合材料で縫合又は接合したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の耐熱性吸音部材。
- 前記頂部開口縁を少なくとも2回折り返したことを特徴とする請求項4に記載の耐熱性吸音部材。
- 前記接合材料は、金属製係止具からなり、前記縁部は、該係止具と無機系接着剤とを併用して接合されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の耐熱性吸音部材。
- 請求項1乃至6に記載の吸音部材を内燃機関のエキゾースト・パイプに近接して配置し、該内燃機関又はその付属機器の騒音を吸音するとともに、前記エキゾースト・パイプを断熱することを特徴とする内燃機関のエキゾースト・パイプの吸音構造。
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Legal Events
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Effective date: 20090416 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20090929 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |