JP2005177533A - 有機薄膜製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、炭素数の少ない直鎖アルキル基であっても、緻密である単分子膜を製造できる方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 金属原子上に炭化水素基、加水分解性基または水酸基を有する金属化合物、金属系触媒、水を含む有機溶媒溶液を基板に接触させる工程を含む有機薄膜製造方法において、該溶液中の該金属化合物濃度を5〜15ミリモル/kgの範囲とし、金属系触媒を酸化物換算で該金属化合物に対して1〜20モル%の範囲とし、該溶液中の水の濃度を50〜500ppmの範囲とすることを特徴とする有機薄膜製造方法。

Description

本発明は、基板表面に有機薄膜を形成する製造方法に関する。
基板表面に有機薄膜を形成する方法として、例えば、活性水素を含む基材の表面上への化学吸着膜製造方法において、少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤を、有機溶媒中、金属酸化物、または金属アルコキシド部分加水分解生成物と水で処理した溶液を、前記基材表面に接触させる工程を有することを特徴とする化学吸着膜の製造方法が知られている。(特許文献1を参照)
国際公開公報03/076064号公報
しかしながら、上記方法においても炭素数の少ない直鎖アルキル基を有する金属系界面活性剤で、水、トルエン等に対する十分な接触角を有する単分子膜が得られているいないという問題があった。
本発明は、炭素数の少ない直鎖アルキル基であっても、緻密である単分子膜を製造できる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、用いる金属化合物、金属系触媒、水の量を特定の値の範囲に設定することにより、上記課題を解決することができることを見出し本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、
(1)金属原子上に炭化水素基、加水分解性基または水酸基を有する金属化合物、金属系触媒、水を含む有機溶媒溶液を基板に接触させる工程を含む有機薄膜製造方法において、該溶液中の該金属化合物濃度を5〜15ミリモル/kgの範囲とし、金属系触媒を酸化物換算で該金属化合物に対して1〜20モル%の範囲とし、該溶液中の水の濃度を50〜500ppmの範囲とすることを特徴とする有機薄膜製造方法に関し、
(2)炭化水素基が炭素数18未満のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜製造方法、
(3)炭化水素基が、炭素数12未満のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜製造方法、
(4)該金属化合物が、金属アルコキシドであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の有機薄膜製造方法、
(5)有機溶媒が、炭化水素系溶媒であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の有機薄膜製造方法、
(6)有機薄膜が、単分子膜であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の有機薄膜製造方法、
(7)有機薄膜が、化学吸着膜であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の有機薄膜製造方法、
(8)金属系触媒が、金属酸化物、金属水酸化物、金属アルコキシド類、金属アルコキシド部分加水分解生成物、シラノール縮合触媒、キレート化または配位化された金属化合物、及び金属アルコキシド類を該金属アルコキシド類の2倍モル以上の水で処理した加水分解生成物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の有機薄膜製造方法に関する。
(9)該有機溶媒溶液を基板に接触させる工程が、該有機溶媒溶液に基板を浸漬させる工程であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の有機薄膜製造方法に関する。
(10)炭素数が18未満の直鎖アルキル基を有する金属化合物からなること特徴とする単分子膜に関し、
(11)炭素数が12以下の直鎖アルキル基を有する金属化合物からなることを特徴とする単分子膜に関し、
(12)炭素数が18未満の直鎖アルキル基有する単分子膜であって、浸漬法により製造されることを特徴とする単分子膜に関し、
(13)炭素数が、12以下の直鎖アルキル基を有する単分子膜であって、浸漬法により製造されることを特徴とする単分子膜に関し、
(14)単分子膜が、化学吸着膜であることを特徴とする(10)〜(13)のいずれかに記載の単分子膜、
(15)単分子膜が、自己集合膜であることを特徴とする(10)〜(14)にいずれかに記載の単分子膜に関する。
本発明の方法を用いることにより、あらゆる炭素数の直鎖アルキル基を有する単分子膜を、簡便な浸漬法により製造することが可能となった。直鎖アルキル基からなる単分子膜は、その膜厚により、その表面の性状を制御することでき、その性状により様々な用途展開が考えられることから、本発明の産業上の利用可能性は大きいといえる。
本発明に用いられる金属化合物は、金属原子上に直鎖アルキル基、及び加水分解性基または水酸基を有する化合物であれば特に限定されないが、具体的には、下記式(I)で表される化合物を例示することができる。
Figure 2005177533
式(I)中、R1は、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表し、Xは、水酸基又は加水分解性基を表し、mはMの原子価を表す。nは1から(m−1)の整数を表し、nが2以上のとき、R1は同一でも相異なっていてもよく、(m−n)が2以上のとき、Xは同一でも相異なっていてもよい。
置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−へキシル基、イソへキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基等の炭素数1〜30のアルキル基;ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等の炭素数2〜30のアルケニル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;等が挙げられる。
緻密な単分子膜を形成する上では、直鎖アルキル基が好ましく、特に本発明の方法は、炭素数18未満のアルキル基、さらに好ましくは、炭素数12以下のアルキル基、さらに好ましく、それらの炭素数の直鎖アルキル基に適用するのが好ましい。
置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基のハロゲン化炭化水素基としては、炭素数1〜30のハロゲン化アルキル基、炭素数2〜30のハロゲン化アルケニル基、ハロゲン化アリール基等が挙げられる。具体的には、上記例示した炭化水素基中の水素原子の1個以上がフッ素原子、塩素原子又は臭素原子等のハロゲン原子に置換された基が挙げられる。これらの中でも、前記ハロゲン化炭化水素基としては、炭素数1〜30のアルキル基中の水素原子の2個以上がハロゲン原子に置換された基が好ましく、炭素数1〜30のアルキル基中の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換されたフッ素化アルキル基がより好ましい。また、フッ素化アルキル基が分岐構造を有する場合には、分岐部分は炭素数1〜4、好ましくは炭素数1〜2の短鎖であるのが好ましい。
フッ素化アルキル基としては、末端炭素原子にフッ素原子が1個以上結合した基が好ましく、末端炭素原子にフッ素原子が3個結合したCF3基部分を有する基がより好ましく、末端部分に、アルキル基の全ての水素原子がフッ素原子に置換されたペルフルオロアルキル部分を有し、かつ後述する金属原子Mとの間に、−(CH2h−(式中、hは1〜6の整数を表し、好ましくは2〜4の整数である。)で表されるアルキレン基を有する基が特に好ましい。
フッ素化アルキル基中のフッ素原子数は、[(フッ素化アルキル基中のフッ素原子数)/(フッ素化アルキル基に対応する同一炭素数のアルキル基中に存在する水素原子数)×100]%で表現したときに、60%以上であるのが好ましく、80%以上であるのがより好ましい。
前記置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基の置換基としては、カルボキシル基;アミド基;イミド基;エステル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;または水酸基等が挙げられる。これらの置換基の数は0〜3であるのが好ましい。
連結基を含む炭化水素基の炭化水素基としては、具体的には、前記置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
また、連結基を含むハロゲン化炭化水素基のハロゲン化炭化水素基としては、具体的には、前記置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基のハロゲン化炭化水素基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
前記連結基は、炭化水素基若しくはハロゲン化炭化水素基の炭素−炭素結合間、又は炭化水素基の炭素と後述する金属原子Mとの間に存在するのが好ましい。
連結基の具体例としては、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−C(=O)O−又は−C(=O)NR21−(式中、R21は、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基;を表す。)等が挙げられる。
これらの中でも、R1としては、炭素数1以上18未満のアルキル基であるのが好ましく、さらに、直鎖アルキル基であるのが好ましい。
1のより好ましい具体例としては、CH3−、CH3CH2−、CH3(CH22−、CH3(CH23−、CH3(CH24−、CH3(CH25−、CH3(CH26−、CH3(CH27−、CH3(CH28−、CH3(CH29−、CH3(CH210−、CH3(CH211−、CH3(CH212−、CH3(CH213−、CH3(CH214−、CH3(CH215−、
CF3−、CF3CF2−、CF3(CH22−、CF3(CF23(CH22−、CF3(CF25(CH22−、CF3(CF27(CH22−、CF3(CF23(CH23−、CF3(CF25(CH23−、CF3(CF27(CH23−、CF3(CF24O(CF22(CH22−、CF3(CF24O(CF22(CH23−、CF3(CF27O(CF22(CH22−、CF3(CF27CONH(CH22−、CF3(CF27CONH(CH23−、
CH3(CF27(CH22−、CH3(CF28(CH22−、CH3(CF29(CH22−、CH3(CF210(CH22−、CH3(CF211(CH22−、CH3(CF212(CH22−、CH3(CF27(CH23−、CH3(CF29(CH23−、CH3(CF211(CH23−、CH3CH2(CF26(CH22−、CH3CH2(CF28(CH22−、CH3CH2(CF210(CH22−、CH3(CF24O(CF22(CH22−、CH3(CF27(CH22O(CH23−、CH3(CF28(CH22O(CH23−、CH3(CF29(CH22O(CH23−、CH3CH2(CF26(CH22O(CH23−、CH3(CF26CONH(CH23−、CH3(CF28CONH(CH23−、CH3(CF23O[CF(CF3)CF(CF3)O]2CF(CF3)CO−NH(CH23−、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子、及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる1種の原子を表す。これらの中でも、原料の入手容易性、反応性等の観点からケイ素原子が特に好ましい。
Xは、水酸基又は加水分解性基を表す。加水分解性基としては、水と反応して分解する基であれば特に制約されない。例えば、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基;置換基を有していてもよいアシルオキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;イソシアネート基;シアノ基;アミノ基;又はアミド基等が挙げられる。
炭素数1〜6のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−へキシルオキシ基等が挙げられる。アシルオキシ基としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。これらの置換基としては、カルボキシル基、アミド基、イミド基、エステル基、水酸基等が挙げられる。これらの中でも、Xとしては、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、又はイソシアネート基が好ましく、炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシルオキシ基がより好ましい。
nは、1から(m−1)のいずれかの整数を表す。高密度の有機薄膜を製造する上では、nは1であるのが好ましい。
mは、後述する金属原子Mの原子価を表す。
また、nが2以上のとき、R1は同一であっても相異なっていてもよく、(m−n)が2以上のとき、Xは同一であっても相異なっていてもよい。
式(I)で表される化合物としては、下記に示すものを例示することができる。なお、以下においては金属原子Mがケイ素原子である化合物を代表例としているが、本発明はこれらに限定されるものではない。
CH3(CH25Si(OCH33、CH3(CH27Si(OCH33、CH3(CH29Si(OCH33、CH3(CH211Si(OCH33、CH3(CH213Si(OCH33、CH3(CH215Si(OCH33、、CH3(CH219Si(OCH33、CH3(CH221Si(OCH3)3、CH3(CH217Si(OCH2CH33、CH3(CH29Si(OCH2CH33、CH3(CH29Si(CH3)(OCH2CH32、CH3(CH29Si(CH3)(OCH32、CH3(CH29Si(CH32(OCH2CH3)、CH3(CH29Si(CH32(OCH3)、
CH3CH2O(CH215Si(OCH33、CF3CH2O(CH215Si(OCH33、CH3(CH22Si(CH32(CH215Si(OCH33、CH3(CH26Si(CH32(CH29Si(OCH33、CH3COO(CH215Si(OCH33、CF3(CF25(CH22Si(OCH33、CF3(CF27−(CH=CH)3−Si(OCH33、CH3CH2O(CH215Si(OC253、CH3(CH22Si(CH32(CH215Si(OC253、CH3(CH26Si(CH32(CH29Si(OC253、CF3(CH26Si(CH32(CH29Si(OC253、CH3COO(CH215Si(OC253、CF3COO(CH215Si(OC253、CF3COO(CH215Si(OCH33、CF3(CF29(CH22Si(OC253、CF3(CF27(CH22Si(OC253、CF3(CF25(CH22Si(OC253、CF3(CF27(CH=CH)3Si(OC253、CF3(CF29(CH22Si(OCH33、CF3(CF25(CH22Si(OCH33、CF3(CF27(CH22Si(CH3)(OC252、CF3(CF27(CH22Si(CH3)(OCH32、CF3(CF27(CH22Si(CH32(OC25)、CF3(CF27(CH22Si(CH32(OCH3)、
CH3(CF28(CH22Si(OCH33、CH3(CF28(CH22Si(NCO)3、CH3(CF29(CH22Si(OCH33、CH3(CF29(CH22Si(NCO)3、CH3CH2(CF26(CH22Si(OCH33、CH3CH2(CF26(CH22Si(NCO)3、CH3CH2(CF28(CH22Si(OCH33、CH3CH2(CF28(CH22Si(NCO)3
本発明に用いられる金属系触媒としては、特に、該金属化合物と何らかの相互作用し得る金属を含む化合物が好ましく、具体的には、金属酸化物、金属水酸化物、金属アルコキシド類、金属アルコキシド部分加水分解生成物、シラノール縮合触媒、キレート化または配位化された金属化合物、及び金属アルコキシド類を該金属アルコキシド類の2倍モル以上の水で処理した加水分解生成物を例示することができる。
金属酸化物は、特に限定されないが、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タンタル、亜鉛、タングステン、鉛からなる群から選ばれる1種の金属からなる酸化物を好ましく例示することができる。金属酸化物は、ゾル、ゲル、固体状のもの何れも使用することができる。ゲル、ゾルの製造方法は、特に限定されず、例えばシリカゾルを例にとると、珪酸ナトリウム溶液を陽イオン交換する方法、シリコンアルコキシドを加水分解する方法等を例示することができる。特に、有機溶媒中に安定に分散しているゾルが好ましく、さらに、ゾルの粒子径が10〜100nmの範囲、さらに好ましくは、10〜20nmの範囲であるものが好ましい。ゾルの形状は特に限定されず、球状であっても、細長い形状であってもいずれでも用いることができる。
具体的には、メタノールシリカゾル、IPA−ST、IPA−ST−UP、IPA−ST−ZL、NPC−ST−30、DMAC−ST、MEK−ST、MIBK−ST、XBA−ST、PMA−ST(以上、いずれも日産化学工業社製オルガノシリカゾルの商品名を表す。)等を例示することができる。
金属水酸化物としては、金属の水酸化物であれば、どのような製造方法で得られたものであってもよい。金属水酸化物の製造方法としては、後述する金属アルコキシド類を加水分解する方法、金属塩を金属水酸化物と反応させる方法等が挙げられる。また、金属水酸化物として市販されているものを、所望により精製して使用することもできる。
金属水酸化物の種類は特に限定されないが、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タンタル、亜鉛、タングステン及び鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属の水酸化物が好ましい。金属水酸化物は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
金属水酸化物の製造に用いる金属アルコキシド類としては、後述する金属アルコキシド類の加水分解生成物の製造に用いることができるものと同様のものが挙げられる。また、金属塩としては特に制限されず、例えば、塩化物、臭化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、シュウ酸塩等が挙げられる。
シラノール縮合触媒として、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート等を例示することができる。
具体的には、酢酸第一スズ、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクテート、ジブチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジオクテート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクタン酸第一スズ、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、2−エチルヘキセン酸鉄、ジオクチルスズビスオクチリチオグリコール酸エステル塩、ジオクチルスズマレイン酸エステル塩、ジブチルスズマレイン酸塩ポリマー、ジメチルスズメルカプトプロピオン酸塩ポリマー、ジブチルスズビスアセチルアセテート、ジオクチルスズビスアセチルラウレート、チタンテトラエトキサイド、チタンテトラブトキサイド、チタンテトライソプロポキシド、チタンビス(アセチルアセトニル)ジプロピポキサイド等を例示することができる。
金属アルコキシド類は、特に制限されないが、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タンタル、亜鉛、タングステン、または鉛を金属原子とするアルコキシドを好ましく例示することができる。
具体的には、Si(OCH34、Si(OC254、Si(OC37−i)4、Si(OC49−t)4などのケイ素アルコキサイド、Ti(OCH34、Ti(OC254、Ti(OC37−i)4、Ti(OC494、Ti(OSiMe34、Ti(OSiEt34などのチタンアルコキサイド、Zr(OCH34、Zr(OC254、Zr(OC374、Zr(OC494などのジルコニウムアルコキサイド、Al(OCH34、Al(OC254、Al(OC37−i)4、Al(OC493などのアルミニウムアルコキサイド、Ge(OC254などのゲルマニウムアルコキサイド、In(OCH33、In(OC253、In(OC37−i)3、In(OC493などのインジウムアルコキサイド、Sn(OCH34、Sn(OC254、Sn(OC37−i)4、Sn(OC494などのスズアルコキサイド、Ta(OCH35、Ta(OC255、Ta(OC37−i)5、Ta(OC495などのタンタルアルコキサイド、W(OCH36、W(OC256、W(OC37−i)6、W(OC496などのタングステンアルコキサイド、Zn(OC252などの亜鉛アルコキサイド、Pb(OC494などの鉛アルコキサイド等を例示することができる。
また、前記元素2種以上の金属アルコキシド類間での反応により得られた複合アルコキシド、あるいは、1種もしくは2種以上の金属アルコキシド類と1種もしくは2種以上の金属塩との反応により得られた複合アルコキシドであってもよい。さらには、これらを組み合わせて使用することも可能である。
2種以上の金属アルコキシド類間での反応により得られる複合アルコキシドとして具体的には、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコキシドと遷移金属のアルコキシドとの反応により得られた複合アルコキシドや、第3B族元素の組合せにより得られる錯塩としての複合アルコキシドを例示することができ、より具体的には、BaTi(OR)6、SrTi(OR)6、BaZr(OR)6、SrZr(OR)6、LiNb(OR)6、LiTa(OR)6、および、これらの組合せ、LiVO(OR)4、MgAl2(OR)8等を例示することができる。また、(RO)3SiOAl(OR’)2、(RO)3SiOTi(OR’)3、(RO)3SiOZr(OR’)3、(RO)3SiOB(OR’)2、(RO)3SiONb(OR’)4、(RO)3SiOTa(OR’)4等のシリコンアルコキシドとの反応物やその縮重合物をさらに例示することができる。ここで、RおよびR’は、アルキル基を示す。また、1種もしくは2種以上の金属アルコキシド類と1種もしくは2種以上の金属塩との反応により得られる複合アルコキシドとして、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、シュウ酸塩などの金属塩とアルコキシドとの反応により得られる化合物を例示することができる。
金属アルコキシド類のアルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、含有酸化物濃度、有機物の脱離の容易さ、入手の容易さ等から、炭素数1〜4がより好ましい。
金属アルコキシド類部分加水分解生成物は、金属アルコキシド類を完全に加水分解した高次の構造体になる前のオリゴマーの状態で存在する物であれば、特に制限されない。製造方法として、具体的には、有機溶媒中、酸、塩基、及び/または分散安定化剤の非存在下、上記例示した金属アルコキシド類に対し0.5〜2.0倍モル未満の水を用い、−100℃から有機溶媒還流温度範囲で加水分解する方法を好ましく例示することができる。
さらに、金属アルコキシド類部分加水分解生成物の好ましい製造方法としては、
(1)有機溶媒中、酸、塩基、及び/または分散安定化剤の非存在下、金属アルコキシド類に対し0.5〜1.0倍モル未満の水を添加する、
(2)有機溶媒中、酸、塩基、及び/または分散安定化剤の非存在下、加水分解が開始する温度以下、または0℃以下、好ましくは−50〜−100℃の範囲で、金属アルコキシド類に対し1.0〜2.0倍モル未満の水を添加する、
(3)有機溶媒中、酸、塩基、及び/または分散安定化剤の非存在下、水の添加速度を制御する、添加する水の濃度を水溶性溶媒等を用いて希薄にする等の方法により加水分解速度を制御しながら、金属アルコキシド類に対し0.5〜2.0倍モル未満の水を室温で添加する、
といういずれかの方法を例示することができる。また、上記(1)で設定した水の量を用いて任意の温度で処理を行った後、加水分解を開始する温度以下、または−20℃以下の温度条件下で、水の量をさらに追加して反応を行うこともできる。
用いる水は、中性であれば特に制限されないが純水または蒸留水を用いるのが好ましく、その量は、上記規定した範囲であれば特に制限されず、目的とする性質を有する分散質によって任意に選択することができる。
上記(1)における金属アルコキシド類と水との反応は、有機溶媒中で行うこともできるが、有機溶媒を用いずに直接金属アルコキシド類と水を混合することにより行うこともできる。
金属アルコキシド類と水との反応は、金属アルコキシド類の有機溶媒溶液に有機溶媒で希釈した水を添加する方法、水が懸濁または溶解した有機溶媒中に、金属アルコキシド類、または有機溶媒の希釈溶液を添加する方法、いずれの方法でも行うことができるが、水を後から添加する方法が好ましい。
用いる有機溶媒としては、その有機溶媒中で、金属アルコキシド類の加水分解生成物が、分散質となって分散できるものであるのが好ましく、金属界面活性剤を水で処理する反応を低温で行う上では、水の溶解度が大きく、低温で凝固しない溶媒がより好ましい。
用いる有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;メチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタンシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン(特開平9−208438号公報等)等;が挙げられる。
これらの溶媒は1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。混合溶媒として用いる場合には、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒と、メタノール、エタノール、イソプロパノ−ル、t−ブタノール等の低級アルコール溶媒系の組み合わせが好ましい。この場合の低級アルコール系溶媒としては、イソプロパノ−ル、t−ブタノール等の2級以上のアルコール系溶媒を用いるのがより好ましい。混合溶媒の混合比は特に制限されないが、炭化水素系溶媒と低級アルコール系溶媒を、体積比で、99/1〜50/50の範囲で用いるのが好ましい。
金属アルコキシド類の有機溶媒中の濃度は、急激な発熱を抑制し、撹拌が可能な流動性を有する範囲であれば特に限定されないが、通常、5〜30重量%の濃度範囲で行うのが好ましい。
上記(1)における金属アルコキシド類と水との反応において、その反応温度は特に制限されず、−100〜100℃の範囲で行うことができ、通常、−20℃〜用いた有機溶媒または加水分解によって脱離してくるアルコールの沸点の範囲で行われる。
上記(2)における水の添加温度は、金属アルコキシド類の安定性に依存するものであり、加水分解開始温度以下、または0℃以下の温度であれば特に限定されないが、金属アルコキシド類の種類によっては、金属アルコキシド類への水の添加を−50℃〜−100℃の温度範囲で行うことがより好ましい。低温で水を添加し、一定時間熟成した後、室温から用いた溶媒の還流温度で加水分解、脱水縮合反応をさらに行うこともできる。
上記(3)における金属アルコキシド類と水との反応は、特殊な冷却装置を用いなくても冷却可能な温度範囲、例えば、0℃〜室温の範囲で、水の添加速度を制御する等の温度以外の方法により加水分解速度を制御することにより行うことができる。一定時間熟成した後、室温から用いた溶媒の還流温度で加水分解、脱水縮合反応をさらに行うこともできる。
キレート化又は配位化された金属化合物の金属化合物として、例えば、金属水酸化物、金属アルコキシド類、及び/又は該金属アルコキシド類を水で処理して得られた加水分解生成物等を例示することができる。
キレート化又は配位化された金属化合物は、これらの金属化合物の溶液に、該金属化合物の金属と錯体を形成し得るキレート化剤又は配位化合物を添加することで、調製することができる。
キレート化剤又は配位化合物の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪族カルボン酸類;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、アレイン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸類;安息香酸、トルイル酸、フタル酸等の芳香族カルボン酸類;クロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等のハロゲノカルボン酸類;アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン等のβ−ジケトン類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のβ−ケトエステル類;テトラヒドロフラン、フラン、フランカルボン酸、チオフェン、チオフェンカルボン酸、ピリジン、ニコチン酸、イソニコチン酸等の複素環化合物類;等が挙げられる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
キレート化又は配位化された金属化合物は、単離したものを使用することもできるし、前記金属化合物の溶液にキレート化剤又は配位化合物を添加して得られたキレート化又は配位化された金属化合物の溶液として使用することもできる。
金属アルコキシド類の2倍モル以上の水で加水分解することによって得られた加水分解物における金属アルコキシド類は、先に例示したものと同様のもの例示することができる。加水分解する方法は、用いる水の量以外は、部分加水分解生成物を得る方法と同様の方法を例示することできる。その他の方法として例えば、金属アルコキシド類を該金属アルコキシド類の2倍当量未満の水で部分加水分解することによって、金属アルコキシド類の部分加水分解生成物を得た後、この部分加水分解生成物を、さらに所定量の水(先の部分加水分解に使用した水の量との合計で金属アルコキシド類の2倍当量以上となる量の水)で加水分解する方法を例示することができる。
また、金属アルコキシド類の水による加水分解反応においては、酸、塩基又は分散安定化剤を添加してもよい。酸及び塩基は、凝結してできた沈殿を再び分散させる解膠剤として、また、金属アルコキシド類を加水分解、脱水縮合させてコロイド粒子等の分散質を製造するための触媒として、及び生成した分散質の分散剤として機能するものであれば特に制限されない。
酸としては、例えば、塩酸、硝酸、ホウ酸、ホウフッ化水素酸等の鉱酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、炭酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸等;ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート等の光照射によって酸を発生する光酸発生剤;が挙げられる。
塩基としては、例えば、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、アンモニア、ジメチルホルムアミド、ホスフィン等が挙げられる。
分散安定化剤は、分散質を分散媒中に安定に分散させる効力を有する、解膠剤、保護コロイド、界面活性剤等の凝結防止剤等の剤をいう。例えば、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸等の多価カルボン酸;ヒドロキシカルボン酸;ピロ燐酸、トリポリ燐酸等の燐酸;アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−ブチル、アセト酢酸−t−ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘプタン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−オクタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチル−ヘキサンジオン等の金属原子に対して強いキレート能力を有する多座配位子化合物;スルパース3000、9000、17000、20000、24000(以上、ゼネカ社製)、Disperbyk−161、−162、−163、−164(以上、ビックケミー社製)等の脂肪族アミン系、ハイドロステアリン酸系、ポリエステルアミン;ジメチルポリシロキサン・メチル(ポリシロキシアルキレン)シロキサン共重合体、トリメチルシロキシケイ酸、カルボキシ変性シリコーンオイル、アミン変性シリコーン等(特開平9−208438号公報、特開平2000−53421号公報等)のシリコーン化合物;等が挙げられる。
本発明に用いられる有機薄膜形成溶液は、上記した金属化合物を溶液中の濃度として5〜15ミリモル/kgの範囲とし、金属系触媒を、酸化物換算で該金属化合物に対して1〜20モル%の範囲とし、これらを含む有機溶媒中の水の濃度を、50〜500ppmに、またさらに好ましくは300〜500ppmの範囲に調整することにより得ることができる。
尚、ここで示す水分量は、該有機溶媒溶液の一部を採取してカールフィッシャー法で測定した値を示し、その方法原理を用いた装置で測定した値であれば、測定装置については特に限定されない。尚、有機溶媒溶液として均一である場合には、均一な溶液を一部採取して測定し、有機溶媒層と水分層が2層となっている場合には、有機溶媒層より一部採取して測定し、有機溶媒中に水分層が分散し分離不可能な状態な場合には、その分散液をそのまま採取して測定した値を示す。
形成溶液を調製する方法は特に限定されないが、金属化合物、金属系触媒を含む有機溶媒溶液に水を添加して調製する方法を好ましく例示することができる。
有機薄膜形成溶液に用いられる有機溶媒として、具体的には炭化水素系溶媒、フッ化炭素系溶媒、またはシリコーン系溶媒等を例示することができ、特に沸点が100〜250℃のものが好ましく、さらに、炭化水素系溶媒を好ましく例示することができる。具体的には、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、石油ナフサ、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、工業ガソリン、灯油、リグロイン、ジメチルシリコーン、フェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテルシリコーン、CBr2ClCF3、CClF2CF2CCl3、CClF2CF2CHFCl、CF3CF2CHCl2、CF3CBrFCBrF2、CClF2CClFCF2CCl3、Cl(CF2CFCl)2Cl、Cl(CF2CFCl)2CF2CCl3、Cl(CF2CFCl)3Cl等フロン系溶媒や、フロリナート(3M社製品)、アフルード(旭ガラス社製品)等がある。なお、これらは1種単独で用いても良いし、良く混ざるものなら2種以上を組み合わせてもよい。
本発明の有機薄膜の製造方法は、上記した金属系界面活性剤及び触媒を含む有機溶媒溶液に、活性水素を含む基材を接触させる工程を含み、該有機溶媒溶液中の水分量を上記設定した範囲に維持するのが好ましい。。
有機薄膜形成溶液と基板に接触させる工程は、該基材表面に該形成溶液が接触できる方法で行えば特に制限されず、具体的には、ディップ法、スピンコート法、スプレー法、ローラコート法、メイヤバー法、スクリーン印刷法、刷毛塗り法等を例示することができるが、中でもでディップ法が特に好ましい。
該溶液を基板表面に接触させる温度は、該溶液が安定性を有する範囲であれば、特に制限されず、例えば、室温から溶液に用いた溶媒の還流温度範囲で行うことができる。温度は、該溶液を加熱しても、また、基板そのものを加熱することによっても行うことができる。また、膜形成を促進するために、超音波を用いることもできる。基板表面に接触させる工程は、1度に長い時間行うことも、短時間に数回に分けて行うこともできる。
分子間相互作用が弱いために単分子膜ができにくいとされている炭素数の短いアルキル鎖を有する金属化合物に本発明の方法を適用して基板上に成膜した場合においても、緻密な単分子膜を成膜することができる。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(1)金属系触媒の調製
窒素ガス置換した4つ口フラスコ中で、チタンテトライソプロポキシド(日本曹達(株)製A−1)530gをトルエン1960gに溶解し、エタノール/ドライアイスバスで−15℃に冷却した。別に、イオン交換水30.4g(モル比(H2O/Ti)=0.9)をイソプロパノール274gに混合し、上記4つ口フラスコ中へ攪拌しながら90分間で滴下し、加水分解を行なった。滴下中は、フラスコ内の液温を−15〜−10℃に維持した。滴下終了後、−10℃で30分間、室温まで昇温後1時間攪拌を続け、無色透明の液体を得た。この溶液をエタノール/ドライアイスバスで−80℃に冷却し、イオン交換水20.3g(モル比(H2O/Ti)=0.6)とイソプロパノール183gの混合溶液を90分間で滴下、攪拌した。滴下終了後、3時間かけて室温に戻し、この溶液を90〜100℃で2時間還流し、酸化チタン換算濃度で5重量%の無色透明な部分加水分解溶液(C−1)を得た。この溶液は、平均粒径が5.6nmでシャープな単分散性のゾルであった。
(2)有機薄膜形成溶液の調製
デシルトリメトキシシラン(信越化学社製)(以下DES−10と略す)0.26gをトルエン99gを用いてガラス製のマヨネーズ瓶に室温で混合し、同温度で30分撹拌し、上記調製したC−1を表1に示す量添加し、3時間撹拌した後、20時間静置した。この液に水蒸気を吹き込み、水分量を293ppmにして溶液(SA−1)を調製した。(表1)
(3)有機薄膜の形成
基板として、ナトリウムイオンを含まない洗剤で超音波洗浄し、さらにイオン交換水、エタノールで洗浄、60℃で30分乾燥後、185nmの光照射を10分間行ったソーダライムガラス基板(SLG)を用いた。室温(24℃)で68%の湿度下で、SA−1にSLGを5分間浸漬し、その後液から引き上げ、24℃のトルエンで20秒間超音波洗浄した後、60℃で10分間乾燥して有機薄膜(SAM−1)を形成した。
SAM−1のXPS分析(Quntum2000、アルバックファイ(株)製)において、基板由来のNaのピークが観測されることから、膜厚が、3nm以下であることが推察された。
SAM−1のエリプソメーター(SENTECH社製、SE800)による分析から、薄膜の厚みは1.1nmであった。
表1に示す金属化合物、または金属系触媒の量を用いる以外、実施例1と同様に有機薄膜形成剤(SA−2〜4)を調製し、同様の方法で有機薄膜(SA−2〜4)を形成した。
(比較例)
表1に示す金属化合物、または金属系触媒の量を用いる以外、同様に有機薄膜形成溶液(RSA−1〜4)を調製し、同様の方法で有機薄膜(RSAM−1〜4)を形成した。
有機薄膜の評価
下記に示す評価方法で測定した結果有機薄膜の評価結果を表2に示す。
<接触角測定>
各試料の表面にマイクロシリンジから水、テトラデカン(TD)2μlを滴下した後、60秒後に、接触角測定器(エルマ(株)社製、360S型)を用いて接触角を測定した。
Figure 2005177533
Figure 2005177533
DES−10の代わりに、ドデシルトリメトキシシラン(アズマックス社製)(DDS−12)、オクチルトリメトキシシラン(Aldrich社製)(OCS−8)、n−プロピルトリメトキシシラン(東京化成社製)(PRS−3)、フェニルトリメトキシシラン(信越化学社製)(PHS−6)を用い、実施例1のSA−2の比率と同様にし、ガラス製のマヨネーズ瓶に各金属化合物、トルエンを入れ、室温で3時間撹拌した後、C−1を所定量添加し、室温で1.5時間撹拌した後、20時間室温で静置し、その後、水蒸気を吹き込んで水分調製し、有機薄膜形成溶液(SA−5〜8)を調製した。
上記調製した有機薄膜形成溶液を用い実施例1と同様にして、有機薄膜(SAM−5〜8)成膜し、接触角を測定した。その結果をまとめて表3に示す。
Figure 2005177533

Claims (15)

  1. 金属原子上に炭化水素基、加水分解性基または水酸基を有する金属化合物、金属系触媒、水を含む有機溶媒溶液を基板に接触させる工程を含む有機薄膜製造方法において、該溶液中の該金属化合物濃度を5〜15ミリモル/kgの範囲とし、金属系触媒を酸化物換算で該金属化合物に対して1〜20モル%の範囲とし、該溶液中の水の濃度を50〜500ppmの範囲とすることを特徴とする有機薄膜製造方法。
  2. 炭化水素基が炭素数18未満のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜製造方法。
  3. 炭化水素基が、炭素数12未満のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜製造方法。
  4. 該金属化合物が、金属アルコキシドであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機薄膜製造方法。
  5. 有機溶媒が、炭化水素系溶媒であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の有機薄膜製造方法。
  6. 有機薄膜が、単分子膜であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有機薄膜製造方法。
  7. 有機薄膜が、化学吸着膜であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の有機薄膜製造方法。
  8. 金属系触媒が、金属酸化物、金属水酸化物、金属アルコキシド類、金属アルコキシド部分加水分解生成物、シラノール縮合触媒、キレート化または配位化された金属化合物、及び金属アルコキシド類を該金属アルコキシド類の2倍モル以上の水で処理した加水分解生成物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の有機薄膜製造方法。
  9. 該有機溶媒溶液を基板に接触させる工程が、該有機溶媒溶液に基板を浸漬させる工程であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の有機薄膜製造方法。
  10. 炭素数が18未満の直鎖アルキル基を有する金属化合物からなること特徴とする単分子膜。
  11. 炭素数が12以下の直鎖アルキル基を有する金属化合物からなることを特徴とする単分子膜。
  12. 炭素数が18未満の直鎖アルキル基有する単分子膜であって、浸漬法により製造されることを特徴とする単分子膜。
  13. 炭素数が、12以下の直鎖アルキル基を有する単分子膜であって、浸漬法により製造されることを特徴とする単分子膜。
  14. 単分子膜が、化学吸着膜であることを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の単分子膜。
  15. 単分子膜が、自己集合膜であることを特徴とする請求項10〜14にいずれかに記載の単分子膜。
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