本発明はエンコード装置及びエンコード処理方法に関し、例えば、アナログビデオデータをSD/HDフォーマットデータ等に変換するエンコード装置及びエンコード処理方法に関する。
現在、IEEE1394などの高速シリアルインターフェイスは、AV機器、パソコンなどに採用されている。これらの機器の中で、デジタルビデオカメラもIEEE1394インターフェイスが採用されている。その入出力データは、IEC61834で規定されているSDフォーマット・データが使用される。
一般的にSD/HDフォーマット・データをIEEE1394などのインターフェイスから出力するには、アナログビデオデータをREC656規格のデジタルデータに変換するアナログ/デジタル映像変換装置と、そのデジタルデータをSD/HDフォーマットに変換するエンコード装置とが用いられる。
また、IEC61834規格において、SD/HDフォーマット・データのフレーム間隔誤差は±1%と規定されているため、その誤差範囲のフレーム間隔でSD/HDフォーマットを出力する必要がある。
アナログ出力機器の中には、例えば、ビデオデッキで早送り再生や巻き戻し再生をした場合や、テープの劣化によるエラーなどの場合、フレーム間隔が±1%以上ずれたデータが出力される場合がある。通常のアナログ/デジタル映像変換装置では、アナログデータのフレーム間隔が±1%以上ずれたものが入力された場合、±1%以上ずれたままデジタルデータに変換する。更に、それを受けたエンコード装置も、±1%以上ずれたSD/HDフォーマットデータを出力する。このような場合、画像にノイズを発生する場合がある。
これを防止するために従来では、アナログ/デジタル映像変換装置に、フレームデータをバッファリングするための記憶装置と非標準信号を出力しないための同期装置(一般的にフレームシンクロナイザ機能と呼ばれている)とを備えたものがある。このフレームシンクロナイザ機能により、標準のフレーム間隔でデジタルデータが出力される。
ここで、従来のアナログビデオデータをSD/HDフォーマットデータに変換するフレームシンクロナイザ機能付きのデータ変換装置について説明する。
図1はアナログビデオデータをSD/HDフォーマットデータに変換するフレームシンクロナイザ機能付きのデータ変換装置のブロック図である。
図1を参照すると、従来のデータ変換装置は、フレームシンクロナイザ機能付きアナログ/デジタル映像変換装置4と、アナログ/デジタル映像変換装置4専用の記憶装置5と、エンコード装置6と、エンコード装置6専用の記憶装置3とから構成される。
フレームシンクロナイザ機能付きアナログ/デジタル映像変換装置4は、アナログデータ入力装置11と、アナログ/デジタル映像変換装置12と、フレームシンクロナイザ装置41と、インターフェイス装置42と、デジタルデータ出力装置13とから構成される。
アナログデータ入力装置11は、アナログビデオデータを入力し、アナログ/デジタル映像変換装置12に送信する。
アナログ/デジタル映像変換装置12は、受信したアナログビデオデータをデジタルデータに変換し、インターフェイス装置42に送信する。
インターフェイス装置42は、アナログ/デジタル映像変換装置12から受信するデジタルデータを記憶装置5に書き込む、また、フレームシンクロナイザ装置41の要求により、記憶装置5からデジタルデータを読み込む。
フレームシンクロナイザ装置41は、記憶装置5からデジタルデータを一定間隔で読み込み、規格通りのフレーム間隔で標準信号としてデジタルデータ出力装置13に送信する。
デジタルデータ出力装置13は、フレームシンクロナイザ装置41から受信するタイミングでREC656データを出力する。
エンコード装置6は、デジタルデータ入力装置21と、エンコード処理手段25と、SD/HDデータ出力装置26と、インターフェイス装置22とから構成される。
デジタルデータ入力装置21は、REC656データを入力し、インターフェイス装置22を通して、記憶装置3にREC656データを書き込む。また、フレームの先頭入力タイミングをエンコード処理手段25に通知する。
エンコード処理手段25は、REC656データを記憶装置3から読み込み、エンコードし、符号化したデータを記憶装置3に書き込む。
インターフェイス装置22は、記憶装置3を制御し、REC656データや符号化データの入出力を行う。
SD/HDデータ出力装置26は、インターフェイス装置22を介してエンコードされた符号化データを記憶装置3から読み込み、SD/HDフォーマット・データとして出力する。また、フレームの先頭タイミングをエンコード処理手段25に通知する。
次に、上述した構成のデータ変換装置の動作を説明する。
図2は、アナログビデオデータからSD/HDフォーマット・データに変換する上述した構成におけるデータ変換装置の動作フローチャートである。
まず、アナログデータ入力装置11にアナログビデオデータが外部信号に同期して入力される(ステップA1)。
アナログ/デジタル映像変換装置12によりアナログビデオデータはデジタルデータに変換される(ステップA2)。
変換したデジタルデータは、インターフェイス装置42経由で記憶装置5に書き込まれる(ステップA3)。
フレームシンクロナイザ装置41により、数フレーム分、記憶装置5にデジタルデータが書き込まれたかを判断する(ステップA4)。数フレーム分記憶されていない場合は、数フレーム分、記憶されるまで格納する。数フレーム分、記憶された場合、フレームシンクロナイザ装置41は、一定のフレーム間隔(内部信号に同期して)で、記憶装置5からデジタルデータを読出し、デジタルデータ出力装置13を経由して外部にREC656データとして出力する(ステップA5)。
このフレームシンクロナイザの機能により、アナログビデオデータの非標準信号が入力されても、記憶装置に書き込まれたフレーム分はずれが吸収され、標準信号のREC656データとして出力することができる。
エンコード装置6では、REC656データがデジタルデータ入力装置21により入力され、インターフェイス装置22を経由して記憶装置3に書き込まれる(ステップA6とA7)。
記憶装置3に書き込まれたデータは、エンコード処理手段25により読み出されてエンコード処理され、その符号化データが記憶装置3に書き込まれる(ステップA8)。
SD/HDデータ出力装置26より、エンコードされた符号化データが読み出され、SD/HDフォーマット・データが出力される(ステップA9)。
続いて、上述したステップA8におけるエンコード処理について、更に詳細に説明する。
図3は、ステップA8におけるエンコード処理、すなわち、エンコード処理手段25で行なわれるエンコード処理動作のフローチャートである。
尚、以下の説明において、入力のREC656データを2フレームとエンコード後の符号化データを2フレームとを格納する装置として記憶装置3を使用し、この記憶装置3においてREC656データを格納するバンクを2枚、エンコード後の符号化データを格納するバンクを2枚とした場合の例を説明する。
まず、エンコード処理手段25は、デジタルデータ入力装置21からREC656データの先頭入力タイミングの通知があるかを判断する(ステップA84)。先頭入力タイミングの通知がある場合、2つのREC656データの入力バンクを交互に設定する。設定したバンクにREC656データを入力する(ステップA82)。
エンコード処理手段25は、REC656データの入力バンクと反対のバンクに格納されているREC656データをエンコード処理する(ステップA83)。
エンコード処理手段25は、エンコードした符号化データを、SD/HDフォーマット・データを、現在、出力しているバンクと反対のバンクに格納する(ステップA84)。
エンコード処理手段25は、SD/HDデータ出力装置26からのフレームの先頭出力タイミング通知の有無を判断する(ステップA85)。通知がある場合、エンコード処理手段25はエンコードが完了したかを判断し、完了した場合にはエンコード完了通知をSD/HDデータ出力装置26に出力する(ステップA86)。
SD/HDデータ出力装置26は、エンコード完了通知がある場合、エンコードを完了したバンクの符号化データをSD/HDフォーマットデータとして出力する(ステップA87)。
続いて、上述した図3で説明したエンコード処理において、フレームiの入力から出力までの動作を具体的に説明する。
図4はフレームiの入力から出力までの動作を説明する為の図である。
デジタルデータ入力装置21は、フレームiのREC656データを入力バンク0に格納する。フレームiの入力が完了した、次フレームの先頭入力タイミング(1のタイミング)で、フレームiに対してエンコード処理を行う。
エンコード処理手段25においてエンコードされた符号化データは、現在i-1フレームを出力している出力バンク1と反対の出力バンク0に格納される。それと同時にフレームi+1のデータをもう一方の入力バンク1に格納する。
次に、2のタイミングで、エンコード後の符号化データとなったフレームiは、SD/HDデータ出力装置26によりバンク0から出力される。それと同時に、i+1フレームをエンコードし、i+2フレームの入力を開始する。エンコードは、このような並列処理を連続して行われる。
このように、フレームシンクロナイザ機能を設けることにより、非標準信号が出力されるのを防ぐことができる。しかし、フレームシンクロナイザ機能を搭載したアナログ/デジタル映像変換装置は、その機能がないものと比較して、LSIのチップ単価が高価なものとなる。また、フレームシンクロナイザ機能専用の記憶装置も必要となる。
一方、非標準信号は、特殊再生やテープが劣化した時に多く発生し、そのためだけに、高価な装置を使用することは非効率であった。
そこで、フレームシンクロナイザ機能で必要とされるメモリ(例えば、図1中のアナログ/デジタル映像変換装置4専用の記憶装置5)と、エンコーダのメモリ(例えば、図1中のエンコード装置6専用の記憶装置3)とを共有することにより、使用されるメモリ容量を少なくし、コストを低下させる技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2002−34040号 この技術は、図5に示される如く、映像信号は、NTSCデコーダ200、前処理部300を通ってフレームメモリ400に一旦記録される。
フレームメモリ400は、NTSCデコーダ200で入力映像信号から生成される外部同期信号800に同期して記録される。フレームメモリ400から読み出された画像データはMPEG−2エンコーダ600でエンコードされ、符号化出力端子700から出力される。
コントローラ500では内部の自走カウンタに従って内部同期信号100が生成される。前処理部300では外部同期信号800と内部同期信号100の相対関係から、フレームを繰り返しエンコードすることを示すリピート信号を生成し、コントローラ500に出力する。コントローラ500はリピート信号が発生した次のフレームの符号化タイプによって、符号化するフレームを適応的に切り替えて符号化するように制御する。
このように構成にすることにより、単一のフレームメモリでフレームシンクロナイザとMPEGのリオーダリング用メモリを共有することができるので、少ないフレームメモリ容量で非標準信号のエンコードが可能となる。
しかしながら、上述の従来技術は、フレームシンクロナイザ専用のメモリを用意する必要はなくなるが、やはり、外部信号と内部信号とに基づいた規定のフレーム間隔でデータを出力するフレームシンクロナイザの機能を設けなればならない。また、フレームシンクロナイザ機能が付いたアナログ/デジタル映像変換装置とエンコーダとを新規に設計する必要があり、汎用性に欠けるという課題があった。
一方、部品コストを削減する為に、フレームシンクロナイザ機能のないアナログ/デジタル映像変換装置を使用することも考えられるが、アナログビデオデータのフレーム間隔が小さくなると、出力されるREC656データのフレーム間隔も小さくなり、この場合、正常にエンコード処理ができない恐れが生じる。
例えば、アナログビデオデータのフレーム間隔が小さくなると、出力されるREC656データのフレーム間隔も小さくなり、そのときに図3、図4で説明したエンコード処理方法を使用した場合、エンコードの過程で、符号化されたデータが出力される前に、新たに符号化されたデータにより書き潰される恐れがあった。
この書き潰しが発生する状態を、図6を用いて説明する。
まず、i+2フレーム以降のフレーム間隔が、規定よりも小さい場合の例である。
4のタイミングにおいて、i+3フレームがバンク1に入力され、i+2フレームがエンコードされ、バンク0に格納されているエンコードされたiフレームが出力されるまでの動作は、図4で示した動作と同様である。
SD/HDデータ出力装置26は、標準信号のタイミングで常に出力しており、REC656データのフレーム間隔が規定よりも小さい場合、SD/HDフォーマット・データ出力とのずれが蓄積される。5のタイミングでは、i+3フレームをエンコードした符号化データを格納するバンクと、i+1フレームを出力するバンクとが重なり、エンコードした符号化データの格納が出力データを追い越して書きつぶす可能性が生じる。
また、6のタイミングでは、SD/HDフォーマット・データ出力よりもエンコード処理の方が早く終了するため、確実に書きつぶしが発生してしまう。
このように、フレームシンクロナイザ機能がない場合には、正常にエンコード処理ができないという課題があった。
そこで、本発明は上記課題に鑑みて発明されたものであって、その目的は、フレームシンクロナイザ機能がなくても、アナログビデオデータやREC656出力信号等が正規のフレーム間隔でない非標準信号であっても、エンコード処理された符号化データの出力を標準信号で出力することができるエンコード装置及びエンコード方法を提供することにある。
上記本発明の目的を達成する第1の発明は、外部の記憶装置に格納されたビデオデータを、所定のフォーマットのビデオデータに変換して前記記憶装置に格納するエンコード装置であって、新たにエンコードしたデータを前記記憶装置に格納することにより、エンコードを終了して前記記憶装置に格納されているデータを書き潰す恐れが発生したとき、新たなデータのエンコード処理を中止してデータの書き潰しを防ぎ、エンコード処理を中止したデータの代わりに、前記記憶装置に既に格納されているエンコードされたデータを出力することにより、前記所定のフォーマットで定められるフレーム間隔でエンコードしたデータを出力するように構成されていることを特徴とする。
上記本発明の目的を達成する第2の発明は、上記第1の発明のエンコード装置が、入力されるビデオデータのフレーム間隔と、そのビデオデータの予め定められたフレーム間隔との誤差を検出するフレーム間隔検出手段と、前記フレーム間隔検出手段がフレーム間隔の誤差を検出した場合には、ビデオデータのエンコード処理を所定フレーム数に1回停止し、このエンコード処理が中止されたデータの代わりに、既にエンコードされて前記記憶装置に格納されているデータを、前記所定のフォーマットで定められるフレーム間隔で出力するエンコード処理手段と
を有することを特徴とする。
上記本発明の目的を達成する第3の発明は、上記第2の発明のフレーム間隔検出手段は、入力されるビデオデータに同期した外部信号に基づいて、フレーム間隔を検出する手段であることを特徴とする。
上記本発明の目的を達成する第4の発明は、上記第1の発明のエンコード装置が、既にエンコードを終了して前記記憶装置に格納されているデータを出力する前に、新たにエンコードしたデータを格納することにより生じるバッファオーバランを検出するバッファオーバラン検出手段と、前記バッファオーバラン検出手段により、バッファオーバランが検出された場合、ビデオデータのエンコード処理を停止し、このエンコード処理が中止されたデータの代わりに、既にエンコードされて前記記憶装置に格納されているデータを、前記所定のフォーマットで定められるフレーム間隔で出力するエンコード処理手段とを有することを特徴とする。
上記本発明の目的を達成する第5の発明は、外部の記憶装置に格納されたビデオデータを、所定のフォーマットのビデオデータに変換して前記記憶装置に格納するビデオデータのエンコード処理方法であって、新たにエンコードしたデータを前記記憶装置に格納することにより、エンコードを終了して出力用に前記記憶装置に格納されているデータが書き潰される恐れを監視する監視ステップと、書き潰しの恐れが生じた場合、新たなデータのエンコード処理を中止してデータの書き潰しを防ぎ、エンコード処理を中止したデータの代わりに、前記記憶装置に既に格納されているエンコードされたデータを、前記所定のフォーマットで定められるフレーム間隔でデータを出力するエンコード処理ステップとを有することを特徴とする。
上記本発明の目的を達成する第6の発明は、上記第5の発明の監視ステップは、入力されるビデオデータのフレーム間隔と、そのビデオデータの予め定められたフレーム間隔との誤差を検出するステップであり、エンコード処理ステップは、フレーム間隔の誤差を検出した場合には、ビデオデータのエンコード処理を所定フレーム数に1回停止し、このエンコード処理が中止されたデータの代わりに、所定のフォーマットで定められるフレーム間隔で、既にエンコードされて前記記憶装置に格納されているデータを出力するステップであることを特徴とする。
上記本発明の目的を達成する第7の発明は、上記第5の発明の監視ステップは、既にエンコードを終了して前記記憶装置に格納されているデータを出力する前に、新たにエンコードしたデータを格納することにより生じるバッファオーバランを検出するステップであり、エンコード処理ステップは、バッファオーバランが検出された場合、ビデオデータのエンコード処理を停止し、このエンコード処理が中止されたデータの代わりに、所定のフォーマットで定められるフレーム間隔で、既にエンコードされて前記記憶装置に格納されているデータを出力するステップであることを特徴とする。
上述の構成の本発明は、以下の効果を有する。
本発明は、高価なフレームシンクロナイザ機能付きのアナログ/デジタル映像変換装置を使用する必要が無く、通常のアナログ/デジタル映像変換装置を使用することができるという優れた効果を有する。
また、本発明は、フレームシンクロナイザ機能がなくなることにより、専用の記憶装置も必要なくなり、コストを低減することができるという優れた効果を有する。
更に、フレームシンクロナイザ機能は、記憶装置の容量を越えるフレーム誤差に対応することができないが、本発明では、そのような制限も無い。
本発明は、データの書き潰し発生の原因となる、入力されるデータのフレーム間隔の誤差や、データが格納される記憶装置のバッファオーバラン等を監視し、これらの事情が発生した場合には、エンコード装置でエンコード処理を断続的に停止し、前フレームの画像を出力することで、所定のフォーマットデータを標準信号で出力することを特徴とする。
このような構成にすることにより、入力されるアナログやデジタルのビデオデータが非標準信号であっても、所定のフォーマットデータの標準信号で出力することができる。
以下、本発明の具体的な実施例を説明する。
本発明の実施例1を、図面を用いて説明する。尚、以下の実施例の説明において、変換する所定のフォーマットとしてSD/HDフォーマットを一例として説明するが、他のフォーマット形式、例えば、SDLや、HDL等のフォーマットでも良い。
図7は本発明の実施例1のアナログビデオデータからSD/HDフォーマット・データに変換するデータ変換装置のブロック図である。尚、図1に示した従来のデータ変換装置と同様な装置については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
実施例1のデータ変換装置は、アナログ/デジタル映像変換装置1と、エンコード装置2とから構成される。
アナログ/デジタル映像変換装置1は、図1の従来図で示したフレームシンクロナイザ機能付きアナログ/デジタル映像変換装置4から、フレームシンクロナイザ装置41と、インターフェイス装置42と、記憶装置5とを除いたものである。従って、アナログ/デジタル映像変換装置1は、入力されるアナログデータのフレーム間隔がずれると、出力するREC656データのフレーム間隔もずれる装置である。
エンコード装置2は、図1に示した従来図のエンコード装置6に、フレーム誤差検出装置23を追加し、従来のエンコード手段25の代わりに画像スキップ機能付きエンコード処理手段24を新たに設けたものである。
フレーム誤差検出装置23は、1フレームの間隔が規定よりも小さい時、フレーム誤差通知を画像スキップ機能付きエンコード処理手段24に行う。フレーム誤差の検出は、デジタルデータ入力装置21から通知されるフレームの先頭入力タイミングに基づいて、1フレームの間隔を判断する。すなわち、デジタルデータ入力装置21は、REC656データに同期した外部信号に基づいてフレームの先頭に同期したタイミング信号を出力し、これを受けて、フレーム誤差検出装置23は、予め記憶されている標準信号のフレーム間隔と比較し、1フレームの間隔が標準信号のフレーム間隔であるかを判断する。
画像スキップ機能付きエンコード処理手段24は、フレーム誤差通知がある場合、エンコード処理を2フレームに1回停止し、前フレームの画像を出力する。フレーム誤差通知がない場合には、従来と同様なエンコード処理を行う。
次に、上述の構成におけるデータ変換装置の動作を説明する。
図8は、実施例1におけるアナログビデオデータをSD/HDフォーマット・データに変換するデータ変換装置の動作フローチャートである。
まず、アナログデータ入力装置11から、アナログ/デジタル映像変換装置12にアナログビデオデータが入力される(ステップB1)。
アナログ/デジタル映像変換装置12は、アナログビデオデータをデジタルデータに変換し、デジタルデータ出力装置13に出力する(ステップB2)。
デジタルデータ出力装置13は、入力されたデジタルデータをREC656データとして、エンコード装置2に出力する(ステップB3)。
エンコード装置2では、REC656データがデジタルデータ入力装置21に入力され、インターフェイス装置22を経由して記憶装置3に格納される(ステップB4、B5)。
フレーム誤差検出装置23は、デジタルデータ入力装置21から通知された入力タイミング(外部信号に基づいたフレームの先頭タイミング)により、1フレームの間隔を判断する。1フレーム間隔が規定よりも小さい場合、画像スキップ機能付きエンコード処理手段24にフレーム誤差通知を行う(ステップB6、B7)。尚、1フレーム間隔が規定よりも小さい場合の判断方法であるが、フレーム誤差検出装置23は、予め規定されているフレーム間隔が設定されており、この設定されているフレーム間隔よりも短い間隔で、フレームの先頭タイミングが入力された場合には、1フレーム間隔が規定よりも小さいと判断する。
フレーム誤差通知を受信した画像スキップ機能付きエンコード処理手段24は、エンコード処理を2フレームに1回停止する。停止している間は、前フレームのエンコード画像を出力するように設定される(ステップB8)。一方、フレーム誤差通知を受信しない場合(フレームの間隔が規定通りの場合)には、画像スキップ機能付きエンコード処理手段24は、図3や図4で示した通常のエンコード処理を行う(ステップB9)。
最後に、SD/HDデータ出力装置26は、画像スキップ機能付きエンコード処理手段24でエンコードされた画像を、インターフェイス装置22を経由して読み出し、SD/HDフォーマット・データとして出力する(ステップB10)。
続いて、画像スキップ機能付きエンコード処理手段24の具体的な動作を説明する。
図9は画像スキップ機能付きエンコード処理手段24の具体的な動作のフローチャートである。
尚、本処理の動作において、入力のREC656データを2フレームと、エンコード後の符号化データを2フレームとを格納するものとして記憶装置3を使用し、この記憶装置3において、REC656データを格納するバンクが2枚、エンコード後の符号化データを格納するバンクが2枚としたときの例を示す。
まず、画像スキップ機能付きエンコード処理手段24は、デジタルデータ入力装置21からREC656データの先頭入力タイミングの通知があるかを判断する(ステップB61)。先頭入力タイミングの通知がある場合、インターフェイス装置22を経由して2つのREC656データ入力バンクを交互に設定し、設定したバンクにREC656データを書き込む(ステップB62)。
続いて、画像スキップ機能付きエンコード処理手段24は、フレーム誤差検出装置23からフレーム誤差通知があるかを判断する(ステップB63)。フレーム誤差通知が無い場合、現在入力しているREC656データのバンクと反対のバンクに書き込まれているREC656データをエンコードする(ステップB64)。フレーム誤差通知がある場合、エンコード処理を2フレームに1回停止する(ステップB65)。このとき、エンコードを行うときには現在入力しているREC656データのバンクと反対のバンクをエンコードする。エンコード処理を停止するときは、前フレームでエンコードした符号化データをエンコードしたものとして使用する。
エンコードした符号化データを格納するバンクを指定し、インターフェイス装置22を経由して記憶装置3に格納する。格納するバンクは、現在SD/HDフォーマットを出力しているバンクと反対のバンクを指定する(ステップB66)。
画像スキップ機能付きエンコード処理手段24は、SD/HDデータ出力装置26からのエンコードデータ出力先頭タイミング通知があるかを判断する(ステップB67)。エンコードデータ出力先頭タイミング通知があるとき、エンコードが完了しているかを判断する(ステップB68)。
エンコードが完了している場合、エンコード完了通知をSD/HDデータ出力装置に出力し、エンコード処理後の符号化データを格納しているバンクをSD/HDデータ出力装置26に指定して、SD/HDフォーマットデータを出力させる(ステップB69)。
図10に本発明の具体的なエンコード処理の動作図を示す。
i+2フレーム以降のフレーム間隔が規格よりも小さい場合の動作例である。4のタイミングでフレーム誤差検出通知が画像スキップ機能付きエンコード処理手段24に通知される。
フレーム誤差検出通知があると、図10に示すように画像スキップ機能付きエンコード処理手段24によりエンコード処理停止を2フレームに1回行う。その動作を行うことで、符号化データが出力しているデータを書きつぶすことを防ぐことができる。エンコード処理を停止している間で、新たにエンコードした符号化データの無い場合は、前フレームのエンコードした符号化データを繰り返し出力する。すなわち、i+3フレームのエンコードを停止した時は、i+2フレームのエンコードが完了しており、出力することができるためi+2フレームを出力する、i+6フレームをエンコードしているときには、新しくエンコードしたフレームがないためi+4フレームを繰り返し出力する。
SD/HDデータ出力装置26は、入力のREC656データのフレーム間隔に関係なく標準信号として、一定間隔でSD/HDフォーマットデータを出力する。
SD/HDフォーマットデータ出力は、フレームの繰り返しとフレームの飛ばしが発生するが、簡便な方法で、データを書きつぶすことなく、非標準のREC656データに対して、規格で規定されたフレーム間隔で出力することができる。フレーム誤差検出通知がなくなった時、通常のエンコード処理に復帰する。
尚、上述した実施例1では、入力のREC656データを2フレームと、エンコード後の符号化データを2フレームとを格納する装置として記憶装置3を使用し、REC656データを格納するバンクが2枚と、エンコード後の符号化データを格納するバンクが2枚としたときの例を示したが、バンク枚数は増減しても良い。
また、フレーム誤差検出時のエンコード処理を2フレームに1回停止するとしているが、2フレームに1回である必要はなく、3フレームや4フレーム、それ以上のフレームに1回停止するように構成しても良い。
また、画像スキップ機能付きエンコード処理手段24や、フレーム誤差検出装置23をプログラムで動作させるCPU等で構成しても良い。
本発明の実施例2を説明する。
従来技術の図5で説明した5のタイミングは、エンコードした符号化データを書き込むバンクと出力しているバンクが同じであるだけで、必ずしも書きつぶしが発生するとは限らない。そこで、実施例2では、書きつぶしが発生する恐れがある場合にのみエンコード処理を停止する発明を説明する。
図11に実施例2におけるアナログビデオデータからSD/HDフォーマットデータに変換するデータ変換装置のブロック図を示す。
尚、図7に示した実施例1のデータ変換装置と同様な構成のものについては、同じ番号を付し、詳細な説明は省略する。
エンコード装置7は、図7のエンコード装置2と比較して、フレーム誤差検出装置23の代わりにバッファオーバラン検出装置71を追加したものである。
このバッファオーバラン検出装置71は、エンコードした符号化データの書き込みが出力しているデータを追い越そうとした時に、後述する画像スキップ機能付きエンコード処理手段24にエンコード停止通知を送る装置である。すなわち、既にエンコードが終了したデータが格納されているバンクに、新たにエンコードを終了したデータを書き込もうとする際、書き込んでいるデータが未だ出力されていないデータをアドレス的に書き潰す手前で、バッファオーバランを検出し、エンコード停止を通知する。
具体的に説明すると、図13に示す如く、バッファオーバラン検出装置71は、新たにエンコードを終了したデータを書き込むアドレスと、出力用のデータの最終アドレスとを常に監視し、アドレスが同じなる手前の状態(図13では、書き込むアドレスが”xxxxxxx0”)で、バッファオーバランの検出を行う。
画像スキップ機能付きエンコード処理手段24は、実施例1とは異なり、エンコード停止通知をうけると、所定フレーム数に1回停止するのではなく、バンクに書き込みながらエンコード処理を行っているその処理を中止し、このデータをスキップする。すなわち、既に、出力バンクに格納されているデータを書き潰す符号化データのエンコード処理をスキップするのである。尚、エンコード処理を停止している間で、新たにエンコードした符号化データの無い場合は、前フレームのエンコードした符号化データを繰り返し出力する。
図12に実施例2のエンコード処理の動作フローチャートを示す。尚、図9で説明した本発明のエンコード処理の動作と異なる部分のみ以下に説明する。
バッファオーバラン検出装置71からデータの書きつぶしが起こるときのエンコード停止通知を判断する(ステップC1)。エンコード停止通知がある場合、画像スキップ機能付きエンコード処理手段24はエンコード処理を停止する(ステップC2)。
具体的に説明すると、図6において、5のタイミングではバッファオーバランが検出されず、6でバッファオーバランが検出される。従って、5のタイミングではエンコード処理を停止せず(スキップせず)、6のタイミングで、出力バンクに格納されているi+2フレームのデータを書き潰すi+4フレームのデータのエンコード処理をスキップするのである。そして、新たにエンコードされるi+5フレームのデータが出力されるまで、5のタイミングでエンコードされているi+3フレームのデータを出力する。
このような動作により、書きつぶしが発生した時にのみエンコードを停止することができ、実施例1と比較して、エンコードを停止する回数は少なく、フレームの繰り返し出力や、フレームを飛ばす回数も少なくなる。
図1は従来のアナログビデオデータをSD/HDフォーマットデータに変換するフレームシンクロナイザ機能付きのデータ変換装置のブロック図である。
図2は図1に示した従来のデータ変換装置の動作フローチャートである。
図3はステップA8におけるエンコード処理の動作フローチャートである。
図4は図3で説明したエンコード処理において、フレームiの入力から出力までの動作を具体的に示した図である。
図5は他の従来技術を説明する為の図である。
図6はデータの書き潰しが発生する状態を示した図である。
図7は本発明の実施例1のアナログビデオデータからSD/HDフォーマットデータに変換するデータ変換装置のブロック図である。
図8は実施例1のアナログビデオデータをSD/HDフォーマットデータに変換するデータ変換装置の動作フローチャートである。
図9は画像スキップ機能付きエンコード処理手段24の具体的な動作のフローチャートである。
図10は本発明の具体的なエンコード処理の動作示した図である。
図11は実施例2のアナログビデオデータからSD/HDフォーマットデータに変換するデータ変換装置のブロック図である。
図12は実施例2のエンコード処理の動作フローチャートである。
図13は実施例2におけるバッファオーバラン検出装置71の動作を説明する図である。
符号の説明
1 アナログ/デジタル映像変換装置
2,6 エンコード装置
23 フレーム誤差検出装置
24 画像スキップ機能付きエンコード処理手段
71 バッファオーバラン検出装置