JP2005175139A - フッ素洗浄装置及びフッ素エッチング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 石英やシリコン基板について、フッ素ガスを用いて洗浄またはエッチングをする場合において、フッ素ガス、フッ素含有化合物を外部に殆ど放出することなく洗浄またはエッチングを行う方法を提供する。
【手段】 真空チャンバー内部に、洗浄するための基板を設置した後、金属フッ化物上でプラズマを発生させる。真空チャンバーはこの後密閉され、金属フッ化物上で発生したプラズマにより、フッ化物は分解され、発生したフッ素成分により基板の洗浄並びにエッチングを行う。プラズマ中ではフッ素はフッ素原子として存在しておりフッ素分子よりも活性である。基板をプラズマ近傍に設置することにより、効果的に基板の洗浄を行うことができる。
【選択図】 図2
【手段】 真空チャンバー内部に、洗浄するための基板を設置した後、金属フッ化物上でプラズマを発生させる。真空チャンバーはこの後密閉され、金属フッ化物上で発生したプラズマにより、フッ化物は分解され、発生したフッ素成分により基板の洗浄並びにエッチングを行う。プラズマ中ではフッ素はフッ素原子として存在しておりフッ素分子よりも活性である。基板をプラズマ近傍に設置することにより、効果的に基板の洗浄を行うことができる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、通常の基板または、マイクロメータ或いはナノメータ領域の構造を有する基板、シリコン、或いは石英等の基板表面の汚染物質をフッ素により除去し基板を洗浄する洗浄装置並びに洗浄方法に関する。また本発明は、マイクロメータまたはナノメータ領域の構造を有する基板、シリコン、或いは石英等の基板をフッ素によりエッチングし構造化するエッチング装置並びにエッチング方法に関する。
従来から、光学部材或いはその他の部材に成膜等を行う際には、基板の洗浄を行っている。最も一般的に行われている基板の洗浄方法としては、イソプロピルアルコール等の有機溶剤を用いた超音波洗浄がある。また、この他の光学部材等の洗浄方法として有機物を取除く為に、大気中で真空紫外光を照射してオゾンを生じさせ、その発生したオゾンにより基板に付着している有機物を取除く方法がある。しなしながら、これらの洗浄プロセスでは、双方とも大気中で行われ、大気中では有機物が浮遊しており、洗浄直後の基板に、これら不純物が付着し汚染されるという問題点があった。
また、このような大気中における汚染を防止すべく、成膜直前に真空中でプラズマ放電させて表面に付着している不純物である有機物を除去する洗浄方法がある。この方法を具体的に図1に基づき説明する。このプラズマ洗浄装置は、真空チャンバー1を有し、真空チャンバー1には真空チャンバー内部を排気するため真空ポンプ2が接続され、真空ポンプ2と真空チャンバー1との間に設けられた排気バルブ3の開閉により排気が制御される。また、真空チャンバー1には内部にガスを導入する為のガスボンベ4がガス導入バルブ5を介し接続され、更に、真空チャンバー1には圧力を測定する為に真空計6が接続されている。洗浄はチャンバー1内に洗浄する基板7を設置し、ガスボンベ4からAr等の希ガス或いは酸素等のガスを導入し、プラズマ放電させて基板の洗浄を行う。
しかし、Ar等の希ガスを導入した洗浄は物理的洗浄であり、また、酸素ガスを導入した洗浄ではプラズマによりオゾン等を発生させ洗浄を行うプロセスである。しかしながら、これらの洗浄では頑固に付着した有機物等の汚染物質は完全に除去することができず、また、ガスを流したままで洗浄を行うため経済的でないといった欠点を有していた。
一方、半導体装置の高密度化、高性能化の要求に伴い、半導体素子の微細化が図られており、半導体素子を形成する活性領域の狭面積化、薄膜化が進み、原子層オーダでの半導体素子形成技術が確立されつつある。このような微細加工の技術を実現するためには、製造工程におけるエッチング技術が非常に重要であり、エッチング技術により微細加工の精度が左右される。
従来からあるエッチング方法の代表的なものとして、シリコンや石英をエッチングする反応性イオンエッチングが挙げられる。この反応性イオンエッチングのプロセスでは、エッチングされる基板にフォトレジストを塗布した後、所望のパターンをフォトレジスト層に転写し、基板を現像することにより所望のレジストパターンを得る。この基板をドライエッチング装置のチャンバー内に設置しエッチング処理を行う。
このエッチング方法を具体的に図5に基づき説明する。ドライエッチング装置は、真空チャンバー61を有し、真空チャンバー61には真空チャンバー内部を排気するため真空ポンプ62が接続され、真空ポンプ62と真空チャンバー61との間に設けられた排気バルブ63の開閉により排気が制御される。また、真空チャンバー61には内部にガスを導入する為のガスボンベ64がガス導入バルブ65を介し接続され、更に、真空チャンバー61には圧力を測定する為に真空計66が接続されている。洗浄はチャンバー61内にエッチングされる基板67を設置し、ガスボンベ64からフッ素系有機化合物、例えばCF4を導入し、プラズマを発生させ、電極68に電界を印加することにより基板67上でレジストパターンが形成されていない領域のエッチングを行う。シリコン基板をエッチングする場合では、SiF4等が発生し、石英基板をフッ化炭化水素、フッ化炭素を用いてプラズマエッチングする場合には、SiF4、CO2等が発生する。
このエッチング方法では、フッ素成分を含む有機化合物が気体の状態でチャンバー61内部に導入されるが、反応に寄与しなかったガスは真空ポンプ62によりチャンバー外部に排気され、そのまま大気中に放出されると大気汚染の問題を発生させていた。又、導入ガスによりプラズマ状態により生成されたフッ化物の中には、毒性の高いもの可燃性や爆発危険性の高いものがあり、これらのガスも同様に排気される。以上のように排気されるガスの取扱について慎重を期すべく、排気されたガスを漏れなく回収するための回収費用が発生する等の問題点があった。
また、これらエッチングに用いるフッ素成分を含むガスは、炭素成分を含んだフッ素含有の有機化合物であるため、この炭素成分がエッチングされた基板の表面に付着し、基板を汚染してしまうという欠点もあった。
更に、新たなエッチングの手法として、フッ素成分の供給をフッ素含有有機化合物の固体ポリマーにより供給する方法が提案されているが、フッ素成分を含むポリマーがプラズマ中により分解されるため、チャンバー内で生成された物質が排気された場合、環境や人体に悪影響を与えるといった問題点やフッ素成分を含むポリマーが有機化合物であるため、エッチングされた基板表面を炭素等の元素により汚染されるという問題点は払拭されてはいない。
特開平5−175182号公報
本発明の目的は、上記問題点を鑑み、基板の洗浄或いは微細領域の基板のエッチングを行う際に、洗浄中或いはエッチング中に気体のフッ素系有機化合物を流すことなく、かつ、フッ素成分を含む環境汚染物質を排出することがない、基板の洗浄方法、エッチング方法を提供するものである。
本発明は上記課題を解決するためになされたものである。
第1の発明は、基板等の部材を洗浄する洗浄装置において、排気系が接続された真空チャンバー内に、前記基板等の部材と、固体のフッ素化合物とを設置し、前記真空チャンバーを密閉し、前記フッ素化合物に電界を印加して放電することによりプラズマを発生させ、前記基板等の部材を洗浄することを特徴とする洗浄装置である。
第1の発明は、基板等の部材を洗浄する洗浄装置において、排気系が接続された真空チャンバー内に、前記基板等の部材と、固体のフッ素化合物とを設置し、前記真空チャンバーを密閉し、前記フッ素化合物に電界を印加して放電することによりプラズマを発生させ、前記基板等の部材を洗浄することを特徴とする洗浄装置である。
第2の発明は、第1の発明の洗浄装置において、前記固体のフッ素化合物が金属フッ素化合物であることを特徴とする洗浄装置である。
第3の発明は、第1または第2の発明のいずれかの洗浄装置において、前記基板等の部材に電界を印加する機構を設けたことを特徴とする洗浄装置である。
第3の発明は、第1または第2の発明のいずれかの洗浄装置において、前記基板等の部材に電界を印加する機構を設けたことを特徴とする洗浄装置である。
第4の発明は、第3の発明の洗浄装置において、前記基板等の部材に印加される電界がRF電界であることを特徴とする洗浄装置である。
第5の発明は、第1から第4の発明のいずれかの洗浄装置において、
前記真空チャンバー内に放電させる為のガスを導入するガス導入バルブと、
前記真空チャンバー内のガスを外部に放出するための排気バルブとを備え、前記基板等の部材を洗浄する際、前記ガス導入バルブと前記排気バルブを閉じる制御をする制御機構を備えた洗浄装置である。
第5の発明は、第1から第4の発明のいずれかの洗浄装置において、
前記真空チャンバー内に放電させる為のガスを導入するガス導入バルブと、
前記真空チャンバー内のガスを外部に放出するための排気バルブとを備え、前記基板等の部材を洗浄する際、前記ガス導入バルブと前記排気バルブを閉じる制御をする制御機構を備えた洗浄装置である。
第6の発明は、第1から第5の発明のいずれかの洗浄装置において、前記基板等の部材の近傍に高周波印加の為のコイルが設けられたことを特徴とする洗浄装置である。
第7の発明は、第1から第6の発明のいずれかの洗浄装置の前記真空チャンバー内部で、前記フッ化物に電界を印加してプラズマ放電させ、前記プラズマ放電により発生したフッ素により、前記基板等の部材を洗浄することを特徴とする洗浄方法である。
第7の発明は、第1から第6の発明のいずれかの洗浄装置の前記真空チャンバー内部で、前記フッ化物に電界を印加してプラズマ放電させ、前記プラズマ放電により発生したフッ素により、前記基板等の部材を洗浄することを特徴とする洗浄方法である。
第8の発明は、第7の発明の洗浄方法において、
前記真空チャンバー内を排気することにより真空にするステップと、
前記真空チャンバー内にガスを導入し放電するステップと、
前記ガスの導入を停止し、かつ、前記真空チャンバー内の排気も停止した状態でプラズマ放電させてフッ素成分を発生させるステップと、
前記発生したフッ素により前記基板等の部材を洗浄することを特徴とする洗浄方法である。
前記真空チャンバー内を排気することにより真空にするステップと、
前記真空チャンバー内にガスを導入し放電するステップと、
前記ガスの導入を停止し、かつ、前記真空チャンバー内の排気も停止した状態でプラズマ放電させてフッ素成分を発生させるステップと、
前記発生したフッ素により前記基板等の部材を洗浄することを特徴とする洗浄方法である。
第9の発明は、第7または第8の発明のいずれかの洗浄方法において、前記放電に必要なガスが、希ガスであることを特徴とする洗浄方法である。
第10の発明は、第7から第9の発明のいずれかの洗浄方法において、前記基板等の部材にRF電界を印加しながら洗浄を行うことを特徴とする洗浄方法である。
第10の発明は、第7から第9の発明のいずれかの洗浄方法において、前記基板等の部材にRF電界を印加しながら洗浄を行うことを特徴とする洗浄方法である。
第11の発明は、第7から第10の発明のいずれかの洗浄方法において、前記基板等の部材が、Siウエハ又は石英や蛍石等からなる光学部材であることを特徴とする洗浄方法である。
第12の発明は、第7から第11の発明のいずれかの洗浄方法において、洗浄時の前記チャンバー内の圧力が、0.1から100Paの範囲にあることを特徴とする前記基板等の部材の洗浄方法である。
第13の発明は、基板等の部材をエッチングする装置において、排気系が接続された真空チャンバー内に、前記基板等の部材と、固体のフッ素化合物とを設置し、前記真空チャンバーを密閉し、前記フッ化物に電界を印加して放電することによりプラズマを発生させ、前記基板等の部材をエッチングすることを特徴とするエッチング装置である。
第14の発明は、第13の発明のエッチング装置において、前記フッ素化合物が金属フッ素化合物であることを特徴とするエッチング装置である。
第15の発明は、第13または第14の発明のいずれかのエッチング装置において、前記基板等の部材に電界を印加する機構を設けたことを特徴とするエッチング装置である。
第15の発明は、第13または第14の発明のいずれかのエッチング装置において、前記基板等の部材に電界を印加する機構を設けたことを特徴とするエッチング装置である。
第16の発明は、第15の発明のエッチング装置において、前記基板等の部材に印加される電界がRF電界であることを特徴とするエッチング装置である。
第17の発明は、第13から第16の発明のいずれかのエッチング装置において、前記真空チャンバー内に放電させる為のガスを導入するガス導入バルブと、
前記真空チャンバー内のガスを外部に放出するための排気バルブとを備え、
前記基板等の部材をエッチングする際、前記ガス導入バルブと前記排気バルブを閉じるように制御する制御機構を備えたエッチング装置である。
第17の発明は、第13から第16の発明のいずれかのエッチング装置において、前記真空チャンバー内に放電させる為のガスを導入するガス導入バルブと、
前記真空チャンバー内のガスを外部に放出するための排気バルブとを備え、
前記基板等の部材をエッチングする際、前記ガス導入バルブと前記排気バルブを閉じるように制御する制御機構を備えたエッチング装置である。
第18の発明は、第13から第17の発明のいずれかのエッチング装置において、前記基板等の部材の近傍に高周波印加の為のコイルが設けられたことを特徴とするエッチング装置である。
第19の発明は、第13から第18の発明のいずれかのエッチング装置における前記真空チャンバー内部において、前記フッ化物に電界を印加してプラズマ放電させ、このプラズマ放電により発生したフッ素により、前記基板等の部材をエッチングすることを特徴とするエッチング方法である。
第20の発明は、第19の発明のエッチング方法において、
前記真空チャンバー内を排気することにより真空にするステップと、
前記真空チャンバー内にガスを導入し放電するステップと、
前記ガスの導入を停止し、かつ、前記真空チャンバー内の排気も停止した状態でプラズマ放電によりフッ素を発生させるステップと、
前記発生したフッ素により前記基板等の部材をエッチングすることを特徴とするエッチング方法である。
前記真空チャンバー内を排気することにより真空にするステップと、
前記真空チャンバー内にガスを導入し放電するステップと、
前記ガスの導入を停止し、かつ、前記真空チャンバー内の排気も停止した状態でプラズマ放電によりフッ素を発生させるステップと、
前記発生したフッ素により前記基板等の部材をエッチングすることを特徴とするエッチング方法である。
第21の発明は、第19または第20の発明のいずれかのエッチング方法において、前記放電に必要なガスが、希ガスであることを特徴とするエッチング方法である。
第22の発明は、第19から第21の発明のいずれかのエッチング方法において、前記基板等の部材にRF電界を印加しながらエッチングを行うことを特徴とするエッチング方法である。
第22の発明は、第19から第21の発明のいずれかのエッチング方法において、前記基板等の部材にRF電界を印加しながらエッチングを行うことを特徴とするエッチング方法である。
第23の発明は、第19から第22の発明のいずれかのエッチング方法において、前記基板等の部材が、Siウエハ又は石英や蛍石等からなる光学部材であることを特徴とするエッチング方法である。
第24の発明は、第19から第23の発明のいずれかのエッチング方法において、エッチング時における前記チャンバー内の圧力が、0.1から100Paの範囲にあることを特徴とする前記基板等の部材のエッチング方法である。
本発明の洗浄方法、洗浄装置によれば、洗浄中にフッ素やフッ素成分含有の有機化合物からなるガスを導入することなく、かつ、排出することなく基板に付着している汚染物を除去することができる。よって、環境や人体に悪影響を与えず環境汚染の問題もなく、基板のフッ素洗浄を行うことができる効果がある。
また、本発明のエッチング方法、エッチング装置によれば、エッチング中にフッ素やフッ素成分含有の有機化合物からなるガス導入することなく、かつ、排出することなく基板のエッチング処理を行うことができる。よって、環境や人体に悪影響を与えることなく、また環境汚染の問題もなく、基板のエッチング処理を行うことができる効果がある。
本発明に係る洗浄装置の概略構成を図2に示す。
洗浄装置は、洗浄プロセスを行う真空チャンバー11と、真空チャンバー11内の排気を行う真空ポンプ12と、真空チャンバー11内にプラズマ放電用のガスを導入するガスボンベ14を備えている。真空チャンバー11と真空ポンプ12との間には、真空チャンバー11内の排気を制御する為の排気バルブ13が設けられており、排気バルブ駆動装置により駆動され開閉する。また、真空チャンバー11とガスボンベ14の間にはガス導入バルブ15が設けられており、ガス導入バルブ15はガス導入バルブ駆動装置により駆動されて開閉する。また、真空チャンバー11には内部の圧力が測定できるように真空計16が設けられている。
洗浄する基板19を真空チャンバー11内に設置する。真空チャンバー11内には、マグネトロンカソード17が設けられており、このマグネトロンカソード17には、金属フッ化物20であるフッ化マグネシウムが設置され、マグネトロンカソード17には電界を印加する為に高周波電源(RF)(不図示)が接続されている。また、基板19とマグネトロンカソード17の間には、遮蔽板18が設けられ、マグネトロンカソード17に設置された金属フッ化物20を放電させた際に発生するスパッタ粒子により基板19が汚染されることを防止している。
次に、この洗浄装置を用いて、石英基板19を洗浄するために必要な方法について説明する。
まず、石英基板19を真空チャンバー11内に設置した後、真空ポンプ12を起動させるとともに、排気バルブ13を開きチャンバー11内部を真空状態にする。このときの真空チャンバー11内部の圧力は1×10-4Pa以下となっている。
まず、石英基板19を真空チャンバー11内に設置した後、真空ポンプ12を起動させるとともに、排気バルブ13を開きチャンバー11内部を真空状態にする。このときの真空チャンバー11内部の圧力は1×10-4Pa以下となっている。
次いで、ガス導入バルブ15を開き、ガスボンベ14からアルゴンガスを真空チャンバー11内に導入する。この際、排気バルブ13とガス導入バルブ15を調整して、チャンバー11内部の圧力を1Paに調整する。
次いで、RF電源からの電力によりマグネトロンカソード17に電界を印加して、マグネトロンカソード17上に設置されたフッ化マグネシウム上でプラズマを発生させる。
次に、ガス導入バルブ15を閉じて真空チャンバー11内へのアルゴンガスの導入を停止する。次いで、プラズマ放電を維持させたままの状態で排気バルブ13を閉じる。この状態で、真空チャンバー11内部は密閉された状態となっており、このとき真空チャンバー11内部の圧力は1Paになっている。
次に、ガス導入バルブ15を閉じて真空チャンバー11内へのアルゴンガスの導入を停止する。次いで、プラズマ放電を維持させたままの状態で排気バルブ13を閉じる。この状態で、真空チャンバー11内部は密閉された状態となっており、このとき真空チャンバー11内部の圧力は1Paになっている。
この後、5分間この状態で石英基板19の洗浄を行う。
ここで、石英基板19の洗浄のメカニズムについて説明する。
マグネトロンカソード17にRF電界を印加することにより、マグネトロンカソード17に設置されたフッ化マグネシウム20上でプラズマ放電が生じる。この状態では、導入されたアルゴンガスがフッ化マグネシウム20に衝突するスパッタリングが行われているが、この際生じたスパッタ粒子は、プラズマ中ではフッ素とマグネシウムと分離した状態で存在しており、マグネトロンカソード17近傍に設けられた遮蔽板18により金属粒子であるMg粒子は付着するが、ガス成分であるフッ素成分はチャンバー11内を漂いプラズマ中から離れたところでも存在している。このフッ素成分はプラズマ中或いはプラズマ近傍ではフッ素原子の状態で存在しており、このフッ素原子は通常のフッ素分子と比べ極めて活性であり洗浄効果は大きい。石英基板19はプラズマの近傍に設置され、発生したフッ素原子により石英基板19に付着している有機汚染物を即時に効果的に除去することができる。
ここで、石英基板19の洗浄のメカニズムについて説明する。
マグネトロンカソード17にRF電界を印加することにより、マグネトロンカソード17に設置されたフッ化マグネシウム20上でプラズマ放電が生じる。この状態では、導入されたアルゴンガスがフッ化マグネシウム20に衝突するスパッタリングが行われているが、この際生じたスパッタ粒子は、プラズマ中ではフッ素とマグネシウムと分離した状態で存在しており、マグネトロンカソード17近傍に設けられた遮蔽板18により金属粒子であるMg粒子は付着するが、ガス成分であるフッ素成分はチャンバー11内を漂いプラズマ中から離れたところでも存在している。このフッ素成分はプラズマ中或いはプラズマ近傍ではフッ素原子の状態で存在しており、このフッ素原子は通常のフッ素分子と比べ極めて活性であり洗浄効果は大きい。石英基板19はプラズマの近傍に設置され、発生したフッ素原子により石英基板19に付着している有機汚染物を即時に効果的に除去することができる。
なお、チャンバー11内部は、1Paと低圧であることから、石英基板19自体がエッチングされることはない。また、石英基板19に電界を印加する機構を設け、エッチングされない程度の電力である20W程度のRF電界を印加することにより、基板の洗浄を更に促進することも可能である。
この後、排気バルブ13を開きチャンバー11内部を再び真空状態にした後に、同一チャンバー内あるいは、別の真空チャンバーに真空状態を保ったまま基板を移動させることにより、洗浄された基板表面に再度汚染物質が付着されることなく、その後の成膜等の処理を行うことができる。
本発明に係るエッチング装置の概略構成を図3に示す。エッチング装置は、エッチングプロセスを行う真空チャンバー21と、真空チャンバー21内の排気を行う真空ポンプ22と、真空チャンバー21内にプラズマ放電用のガスを導入するガスボンベ24を備えている。真空チャンバー21と真空ポンプ22との間には、真空チャンバー21内の排気を制御する為の排気バルブ23が設けられており、排気バルブ駆動装置により駆動され開閉する。また、真空チャンバー21とガスボンベ24の間にはガス導入バルブ25が設けられており、ガス導入バルブ25はガス導入バルブ駆動装置により駆動されて開閉する。また、真空チャンバー21には内部の圧力が測定できるように真空計26が設けられている。
エッチングされる基板29が真空チャンバー21内の電極30上に設置されている。真空チャンバー21内には、マグネトロンカソード27が設けられ、このマグネトロンカソード27には、金属フッ化物31であるフッ化マグネシウムが設置され、マグネトロンカソード27には電界を印加する為に高周波電源(RF)(不図示)が接続されている。また、基板29とマグネトロンカソード27の間には、遮蔽板28が設けられ、マグネトロンカソード27に設置された金属フッ化物31をプラズマ放電させた際に生じるスパッタ粒子によりシリコン基板29が汚染されることを防止している。
次に、このエッチング装置を用いて、シリコン基板29をエッチングするために必要な方法について説明する。
なお、シリコン基板29には、エッチングにより微細な構造を形成するためレジストパターンが形成されている。このレジストパターンは、シリコン基板上にレジストを塗布した後、露光装置を用いて所望の微細加工のパターンを露光し、レジスト部分を現像することにより形成する。
なお、シリコン基板29には、エッチングにより微細な構造を形成するためレジストパターンが形成されている。このレジストパターンは、シリコン基板上にレジストを塗布した後、露光装置を用いて所望の微細加工のパターンを露光し、レジスト部分を現像することにより形成する。
最初に、シリコン基板29を真空チャンバー21内の電極30上に設置した後、真空ポンプ22を起動させ、排気バルブ23を開きチャンバー内部を真空状態にする。このときの真空チャンバー21内部の圧力は1×10-4Pa以下となっている。
次いで、ガス導入バルブ25を開き、ガスボンベ24よりアルゴンガスを真空チャンバー内に導入する。この際、排気バルブ23とガス導入バルブ25を調整して、チャンバー21内部の圧力を1Paに調整する。
次いで、RF電源からの電力によりマグネトロンカソード27に電界を印加して、マグネトロンカソード27上に設置されたフッ化マグネシウム31上でプラズマを発生させる。次に、ガス導入バルブ25を閉じて真空チャンバー21内へのアルゴンガスの導入を停止する。
次いで、プラズマ放電を維持させたままの状態で排気バルブ23を閉じる。この状態で真空チャンバー21の内部は密閉された状態となっており、外部にフッ素やフッ素成分を含む物質が排出されることはない。このときの真空チャンバー21内部の圧力が1Paになっている。
この後、シリコン基板29は電極30上に設置されており、この電極30に100WのRF電界を印加することにより、シリコン基板29近傍にプラズマを発生させフッ素プラズマによるシリコン基板29のエッチングを行う。
所望のエッチング量のエッチングを行うために、必要時間シリコン基板29のエッチングを行う。このエッチングによりナノミクロンオーダの微細なパターンが形成される。
ここで、シリコン基板29のエッチングのメカニズムについて説明する。
ここで、シリコン基板29のエッチングのメカニズムについて説明する。
マグネトロンカソード27にRF電界を印加することにより、マグネトロンカソード27に設置されたフッ化マグネシウム31上でプラズマ放電を発生させる。この状態では、導入されたアルゴンガスがフッ化マグネシウム31に衝突し、スパッタリングが行われているが、この際生じたスパッタ粒子は、プラズマ中ではフッ素とマグネシウムと分離した状態で存在し、マグネトロンカソード27近傍に設けられた遮蔽板28に金属粒子であるMg粒子は付着するが、ガス成分であるフッ素成分はチャンバー21内を漂い、プラズマ中或いはプラズマ近傍ではフッ素原子の状態で存在している。このフッ素原子は、通常の気体のフッ素分子と比べ極めて活性でありエッチング効果も大である。シリコン基板29は、プラズマ近傍或いはプラズマに曝されるように設置されており、電極30にRF電界を印加することにより、発生したフッ素原子がシリコン基板29にひきよせられシリコン基板29のエッチングがなされる。
本発明に係るエッチング装置の概略構成を図4に示す。エッチング装置は、エッチングプロセスを行う真空チャンバー41と、真空チャンバー41内の排気を行う真空ポンプ42と、真空チャンバー41内にプラズマ放電用のガスを導入するガスボンベ44を備えている。真空チャンバー41と真空ポンプ42との間には、真空チャンバー41内の排気を制御する為の排気バルブ43が設けられており、排気バルブ駆動装置により駆動され開閉する。また、真空チャンバー41とガスボンベ44の間にはガス導入バルブ45が設けられており、ガス導入バルブ45はガス導入バルブ駆動装置により駆動されて開閉する。また、真空チャンバー41には内部の圧力が測定できるように真空計46が設けられている。
エッチングされる基板49を真空チャンバー41内の電極50上に設置する。真空チャンバー41には、マグネトロンカソード47が設けられ、このマグネトロンカソード47には、金属フッ化物51であるフッ化マグネシウムが設置され、マグネトロンカソード47には電界を印加する為に高周波電源(RF)(不図示)が接続されている。また、シリコン基板49とマグネトロンカソード47の間には、第1遮蔽板48、並びに第2遮蔽版52が設けられ、マグネトロンカソード47に設置された金属フッ化物51をプラズマ放電させた際に生じるスパッタ粒子によりシリコン基板49が汚染されることを防止している。また、フッ素原子を効果的に基板に接触させるべくシリコン基板49の近傍には高周波印加のためのコイル53が設けられている。
次に、このエッチング装置を用いたシリコン基板49のエッチング方法について説明する。
なおシリコン基板49には、エッチングにより微細な構造を形成するためレジストパターンが形成されている。このレジストパターンは、シリコン基板上にレジストを塗布した後、露光装置を用いて所望の微細加工のパターンを露光し、現像することにより形成する。
なおシリコン基板49には、エッチングにより微細な構造を形成するためレジストパターンが形成されている。このレジストパターンは、シリコン基板上にレジストを塗布した後、露光装置を用いて所望の微細加工のパターンを露光し、現像することにより形成する。
最初に、シリコン基板49を真空チャンバー41内に設置した後、真空ポンプ42を起動させ、排気バルブ43を開きチャンバー内部を真空状態にする。このときの真空チャンバー41内部の圧力は1×10-4Pa以下となっている。
次いで、ガス導入バルブ45を開き、ガスボンベ44よりアルゴンガスを真空チャンバー内に導入する。この際、排気バルブ43とガス導入バルブ45を調整して、チャンバー41内部の圧力を1Paに調整する。
次いで、RF電源からの電力によりマグネトロンカソード47に電界を印加して、マグネトロンカソード上に設置されたフッ化マグネシウム51上でプラズマを発生させる。次に、ガス導入バルブ45を閉じて真空チャンバー41内へのアルゴンガスの導入を停止する。
次いで、プラズマ放電を維持させたままの状態で排気バルブ43を閉じる。この状態で真空チャンバー41の内部は密閉された状態となっており、外部にフッ素やフッ素成分を含む物質が排出されることはない。このときの真空チャンバー41内部の圧力は1Paである。
シリコン基板49は電極50上に設置されており、この電極50に100WのRF電界を印加するとともに、高周波コイル53に高周波を印加して強いプラズマを発生させ活性なフッ素原子を供給して、効果的にシリコン基板49のエッチングを行う。
所望のエッチング量が得られるまでシリコン基板49のエッチングを行う。このエッチングによりナノミクロンオーダーの微細なパターンが形成される。
11・・・真空チャンバー
12・・・真空ポンプ
13・・・排気バルブ
14・・・ガスボンベ
15・・・ガス導入バルブ
16・・・真空計
17・・・マグネトロンカソード
18・・・シャッター
19・・・基板
20・・・フッ素化合物
12・・・真空ポンプ
13・・・排気バルブ
14・・・ガスボンベ
15・・・ガス導入バルブ
16・・・真空計
17・・・マグネトロンカソード
18・・・シャッター
19・・・基板
20・・・フッ素化合物
Claims (24)
- 基板等の部材を洗浄する洗浄装置において、排気系が接続された真空チャンバー内に、前記基板等の部材と、固体のフッ素化合物とを設置し、前記真空チャンバーを密閉し、前記フッ素化合物に電界を印加して放電することによりプラズマを発生させ、前記基板等の部材を洗浄することを特徴とする洗浄装置。
- 請求項1に記載された洗浄装置において、前記固体のフッ素化合物が金属フッ素化合物であることを特徴とする洗浄装置。
- 請求項1または2に記載されたいずれかの洗浄装置において、前記基板等の部材に電界を印加する機構を設けたことを特徴とする洗浄装置。
- 請求項3に記載された洗浄装置において、前記基板等の部材に印加される電界がRF電界であることを特徴とする洗浄装置。
- 請求項1から4に記載されたいずれかの洗浄装置において、
前記真空チャンバー内に放電させる為のガスを導入するガス導入バルブと、
前記真空チャンバー内のガスを外部に放出するための排気バルブとを備え、前記基板等の部材を洗浄する際、前記ガス導入バルブと前記排気バルブを閉じる制御をする制御機構を備えた洗浄装置。 - 請求項1から5に記載されたいずれかの洗浄装置において、前記基板等の部材の近傍に高周波印加の為のコイルが設けられたことを特徴とする洗浄装置。
- 請求項1から6に記載されたいずれかの洗浄装置における前記真空チャンバー内部で、前記フッ化物に電界を印加してプラズマ放電させ、前記プラズマ放電により発生したフッ素により、前記基板等の部材を洗浄することを特徴とする洗浄方法。
- 請求項7に記載された洗浄方法において、
前記真空チャンバー内を排気することにより真空にするステップと、
前記真空チャンバー内にガスを導入し放電するステップと、
前記ガスの導入を停止し、かつ、前記真空チャンバー内の排気も停止した状態でプラズマ放電させてフッ素成分を発生させるステップと、
前記発生したフッ素により前記基板等の部材を洗浄することを特徴とする洗浄方法。 - 請求項7または8に記載されたいずれかの洗浄方法において、前記放電に必要なガスが、希ガスであることを特徴とする洗浄方法。
- 請求項7から9に記載されたいずれかの洗浄方法において、前記基板等の部材にRF電界を印加しながら洗浄を行うことを特徴とする洗浄方法。
- 請求項7から10に記載されたいずれかの洗浄方法において、前記基板等の部材が、Siウエハ又は石英や蛍石等からなる光学部材であることを特徴とする洗浄方法。
- 請求項7から11に記載されたいずれかの洗浄方法において、洗浄時の前記チャンバー内の圧力が、0.1〜100Paの範囲にあることを特徴とする前記基板等の部材の洗浄方法。
- 基板等の部材をエッチングする装置において、排気系が接続された真空チャンバー内に、前記基板等の部材と、固体のフッ素化合物とを設置し、前記真空チャンバーを密閉し、前記フッ化物に電界を印加して放電することによりプラズマを発生させ、前記基板等の部材をエッチングすることを特徴とするエッチング装置。
- 請求項13に記載されたエッチング装置において、前記フッ素化合物が金属フッ素化合物であることを特徴とするエッチング装置。
- 請求項13または14に記載されたいずれかのエッチング装置において、前記基板等の部材に電界を印加する機構を設けたことを特徴とするエッチング装置。
- 請求項15に記載されたエッチング装置において、前記基板等の部材に印加される電界がRF電界であることを特徴とするエッチング装置。
- 請求項13から16に記載されたいずれかのエッチング装置において、前記真空チャンバー内に放電させる為のガスを導入するガス導入バルブと、
前記真空チャンバー内のガスを外部に放出するための排気バルブとを備え、
前記基板等の部材をエッチングする際、前記ガス導入バルブと前記排気バルブを閉じるように制御する制御機構を備えたエッチング装置。 - 請求項13から17に記載されたいずれかのエッチング装置において、前記基板等の部材の近傍に高周波印加の為のコイルが設けられたことを特徴とするエッチング装置。
- 請求項13から18に記載されたいずれかのエッチング装置における前記真空チャンバー内部で、前記フッ化物に電界を印加してプラズマ放電させ、このプラズマ放電により発生したフッ素により、前記基板等の部材をエッチングすることを特徴とするエッチング方法。
- 請求項19に記載されたエッチング方法において、
前記真空チャンバー内を排気することにより真空にするステップと、
前記真空チャンバー内にガスを導入し放電するステップと、
前記ガスの導入を停止し、かつ、前記真空チャンバー内の排気も停止した状態でプラズマ放電によりフッ素を発生させるステップと、
前記発生したフッ素により前記基板等の部材をエッチングすることを特徴とするエッチング方法。 - 請求項19または20に記載されたいずれかのエッチング方法において、前記放電に必要なガスが、希ガスであることを特徴とするエッチング方法。
- 請求項19から21に記載されたいずれかのエッチング方法において、前記基板等の部材にRF電界を印加しながらエッチングを行うことを特徴とするエッチング方法。
- 請求項19から22に記載されたいずれかのエッチング方法において、前記基板等の部材が、Siウエハ又は石英や蛍石等からなる光学部材であることを特徴とするエッチング方法。
- 請求項19から23に記載されたいずれかのエッチング方法において、エッチング時における前記チャンバー内の圧力が、0.1から100Paの範囲にあることを特徴とする前記基板等の部材のエッチング方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003411888A JP2005175139A (ja) | 2003-12-10 | 2003-12-10 | フッ素洗浄装置及びフッ素エッチング装置 |
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JP2003411888A JP2005175139A (ja) | 2003-12-10 | 2003-12-10 | フッ素洗浄装置及びフッ素エッチング装置 |
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JP2003411888A Pending JP2005175139A (ja) | 2003-12-10 | 2003-12-10 | フッ素洗浄装置及びフッ素エッチング装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20100065314A (ko) * | 2007-07-31 | 2010-06-16 | 코닝 인코포레이티드 | Duv 광학 소자의 수명을 확장하는 세정방법 |
KR20140087394A (ko) * | 2012-12-28 | 2014-07-09 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 빗각 코팅층 형성방법 및 빗각 증착 장치 |
-
2003
- 2003-12-10 JP JP2003411888A patent/JP2005175139A/ja active Pending
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