JP2005174694A - 燃料電池劣化診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 流量測定をすることなく、確実に燃料電池の劣化を診断する。
【解決手段】 燃料電池10における劣化を検出するための燃料電池劣化診断装置であって、燃料電池10への燃料ガス供給が遮断された状態における燃料電池ガス流通経路中の燃料ガス圧力を検出する検出手段、および、燃料ガス圧力の低下の度合いに基づいて燃料電池10の劣化の程度を判定する判定手段20を備えている。ガス流通経路における燃料ガス圧力の低下の度合いに基づいて燃料電池10が劣化しているか否かを判定するため、流量計のような大きく高価な測定器を省略することができ、容積的にまたコスト的に有利なシステムを提供できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池システムに係り、特に燃料電池の経年変化による電解質膜の劣化を診断するための燃料電池劣化診断装置に関する。
燃料電池システムにおいては、燃料電池の電解質膜が長期の使用によって劣化すると、燃料ガスが燃料極側から空気極側に漏れ出ていく、いわゆるクロスリークが増えることが知られている。従来、このような燃料電池の劣化を判定するシステムが研究されていた。
例えば、特開平11−283653号公報には、燃料電池の排ガス流量を検出し、当該排ガス流量が基準値に達する時間を推定して残存寿命を計算する技術が開示されている(特許文献1)。また、特開平8―329965号公報には、燃料電池の燃料ガスを封入し、燃料ガスの漏洩の発生を封入圧力の低下により検知する漏洩検知システムが開示されている(特許文献2)。その他、燃料電池のクロスリークを検出する方法として、特開平9―27336号公報(特許文献3)や特開平11―73983号公報(特許文献4)があった。
特開平11−283653号公報 特開平8―329965号公報 特開平9―27336号公報 特開平11―73983号公報
しかし、クロスリークを検出するために燃料ガスの流量を測定する方法では、流量計が大きいものとなるため、例えば車載用の燃料電池システムには向かず、また、コストを上昇させることになっていた。
また燃料電池システムの圧力の低下を検出する技術では、劣化の生じていない燃料電池の電解質膜でも若干ながらのクロスリークは発生しているものなので、圧力の低下が本当に燃料電池の劣化によるものなのかを正確に判定することができなかった。
そこで本発明は、流量測定をすることなく、確実に燃料電池の特性劣化を診断することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、燃料電池における特性劣化を検出するための燃料電池劣化診断装置であって、燃料電池への燃料ガス供給が遮断された状態における燃料電池ガス流通経路中の燃料ガス圧力を検出する検出手段と、単位時間当たりの燃料ガス圧力の低下の度合いに基づいて燃料電池の劣化の程度を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、検出手段は燃料ガス供給が停止している燃料電池のガス流通経路の圧力を測定する。判定手段は、このガス流通経路における所定の単位時間当たり燃料ガス圧力の低下の度合いを調べそれに基づいて燃料電池が劣化しているか否かを判定する。燃料ガスの流量計を使用することがないので、大きく高価な測定器を省略することができる。このため移動体に搭載する燃料電池システムに適する。また、燃料ガス圧力が低下したことではなく、低下の度合い、例えば低下速度や低下率、低下カーブの傾き等によって診断するので、燃料電池の電解質膜には性質上存在するクロストークの中で、劣化が進んだことによってクロストークが大きくなった場合を的確に判定できる。
ここで判定手段は、単位時間当たりの燃料ガス圧力の低下量が基準値より大きいか否かに基づいて燃料電池の劣化の程度を判定するようにすることが好ましい。上記構成によれば、基準値をしきい値として燃料ガス圧力の低下の度合いが診断されることになる。このしきい値となる基準値を、正常な燃料電池の電解質膜において発生するクロスリークよりおおきく、燃料電池の特性劣化に繋がると考えられるクロスリーク量に相当する値に設定しておくことで、確実に燃料電池の劣化を診断できることになる。
また判定手段は、燃料ガス圧力の低下量が基準値より大きいと判定された回数を記憶しておき、当該回数が所定の基準回数より大きい場合に燃料電池が劣化しているものと判定するようにしてもよい。この構成によれば、複数回クロスリークが発生して場合に初めて燃料電池が劣化しているものと判断される。クロスリーク量はその時々の条件(温度その他)によって刻々と変化するので、クロスリークの変化の度合いが一回のみ大きかったとしてもそのことが直接、燃料電池の電解質膜の劣化を示していない場合がある。この点、本発明によれば、一定の回数判定された場合に燃料電池が劣化したと判定するので、確実である。
ここで判定手段は、判定手段により燃料電池が劣化しているものと判定された場合に、当該燃料電池の劣化対応措置を行うことは好ましい。当該構成によれば、燃料電池が劣化していると確実に判定できた場合にそれに応じた適切な措置を行うことができる。この「劣化対応措置」には、ユーザに対する警告(警告ランプの表示や警告音の発生)が含まれる。経年変化は比較的ゆっくり進行するため、このような警告に留めることで十分である。ユーザは、次回のサービス対応時に燃料電池の電解質膜交換等を行えばよい。
また「劣化対応措置」として、運転時における燃料ガス圧力の上限を設ける(下げる)ように制御することも挙げられる。電解質膜劣化によってクロスリーク量は増えつつあるが、燃料ガスの圧力を下げて使用すれば、もう暫く適正に利用できる場合もあるからである。
さらに「劣化対応措置」として、燃料電池システムを停止させてしまうことも考えられる。例えば圧力変化の度合いを相対的に大きなものと判定した場合には、明らかに多量の燃料ガスが漏れていると考えられるため、徐々に進行する劣化というよりは、物理的な損傷が生じているとも考えられる。このため、圧力変化の度合いが大きい場合にはシステムを停止することが妥当なこともあるからである。
また本発明は、燃料電池における劣化を検出するための燃料電池劣化診断装置であって、燃料電池への燃料ガス供給が遮断された状態であることを検出する遮断検出手段と、燃料ガス供給が遮断されていることが検出された場合に、燃料ガス供給経路中の燃料ガス圧力の低下の度合いに基づいて燃料電池の劣化の程度を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。上記構成によれば、例えば燃料電池システムが間欠運転を行っている場合に、燃料電池の発電休止中であることを検出して当該発明の診断が行える。
以上本発明によれば、ガス流通経路における燃料ガス圧力の低下の度合いに基づいて燃料電池が劣化しているか否かを判定するため、流量計のような大きく高価な測定器を省略することができ、容積的にまたコスト的に有利なシステムを提供できる。また、単なる燃料ガス圧力の低下ではなく、低下の度合いによって劣化を診断するので、通常生じている燃料電池のクロストークのうち、特性劣化が明らかに進行している場合を的確に判定できる。
次に本発明を実施するための好適な実施形態を、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態は、電気自動車等の移動体に搭載する燃料電池システムに本発明の燃料電池劣化診断装置を適用したものである。
図1に本燃料電池システムのシステム全体図を示す。以下の実施形態は本発明の一形態に過ぎず、本発明はこれに限定されずに適用可能である。図1に示すように、当該燃料電池システムは、燃料電池スタック10に燃料である水素ガスを供給するための系統と、空気を供給するための系統と、燃料電池スタック10を冷却するための系統とを備えて構成されている。
燃料電池スタック10は本発明に係る燃料電池であり、水素ガス、空気、冷却水の流路を有するセパレータと、一対のセパレータで挟み込まれたMEA(Membrane Electrode Assembly;膜・電極接合体)とから構成されるセルとを複数積層したスタック構造を備えている。MEAは高分子電解質膜を燃料極及び空気極の二つの電極を挟み込んだ構造をしている。燃料極は燃料極用触媒層を多孔質支持層状に設けてあり、空気極は空気極用触媒層を多孔質支持層上に設けてある。
燃料電池スタック10に水素ガスを供給するための系統としては、水素ガスの供給源から順に、水素タンク101、遮断弁(シャットバルブ)102、調整弁103、燃料電池10の入口遮断弁104、燃料電池スタック10の出口遮断弁105、気液分離機106及び遮断弁107、水素ポンプ108、遮断弁109、逆止弁110、及び圧力センサ111を備えている。
水素タンク101は、圧縮された水素ガスが充填されている。なお水素貯蔵形態に限定はなく、圧縮水素の貯蔵の他、液体水素、水素吸蔵合金、炭素材吸着等を利用できる。遮断弁102は制御部20の制御に従ってこの水素タンク101の開栓・遮断を行うためのものである。調圧弁103は制御部20の制御に従って遮断弁104〜逆止弁110までのループで構成される循環経路における燃料ガスの圧力を決定するものである。
入口遮断弁104及び出口遮断弁105は、本発明の燃料電池劣化診断の前提として燃料電池スタック10への燃料ガス供給を制御部20の制御に従って遮断するためのものであり、運転時には開放されるが、発電停止時や間欠動作時の休止期間に双方とも遮断され、燃料電池スタック10への水素ガスの出入りが停止されるようになっている。遮断されている状態において、入口遮断弁104と出口遮断弁105との間に滞留する水素ガスは、高分子電解質膜を介してのみ流通することになる。
気液分離器106は、通常運転時において燃料電池スタック10の電気化学反応により発生した水分を除去し、遮断弁107を通じて外部に放出するようになっている。水素ポンプ108は、制御部20の制御に基づく回転数で駆動されるようになっており、循環経路中の水素ガスを強制循環させる。遮断弁109は、制御部20の制御に従ってパージ時に開放され、通常の運転状態時には遮断されている。逆止弁110は循環経路における水素ガスの逆流を防止するものである。圧力センサ111は、本発明の燃料ガス圧力を検出するための手段であり、燃料電池スタック10の燃料ガス入口圧力を検出する。
燃料電池スタック10に空気を供給するための系統としては、エアクリーナ201、コンプレッサ202、加湿器203を備えている。エアクリーナ201は、外気を浄化して当該燃料電システムに取り入れるものである。コンプレッサ202は、取り入れられた空気を制御部20の制御に従って圧縮し供給する空気量や空気圧を変更するようになっている。加湿器203は圧縮された空気に対し、空気オフガスと水分の交換を行って適度な湿度を加える。燃料電池スタック10から排出された空気は図示しない希釈器を含む排気系に排出されるようになっている。
また燃料電池スタック10の冷却系は、ラジエタ11、ファン12、及び冷却ポンプ13を備え、冷却水が燃料電池スタック10内部に循環供給されるようになっている。
制御部20は本発明に係る遮断検出手段や判定手段に相当し、ECU(Electric Control Unit)等の公知のコンピュータシステムとしての構成を備え、図示しないROM等に格納されている本発明の診断方法を実施させるためのソフトウェアプログラムを図示しないCPU(中央処理装置)が順次実行することにより、当該システムを本発明の遮断検出手段や判定手段として動作させることが可能になっている。
次に本実施形態1における動作を説明する。
燃料電池スタック10の高分子電解質膜はイオン交換膜であり、燃料極側で電子を放出しイオンとなった水素を空気極側に移動させ、空気極側で空気中の酸素と反応させて水を生成するという、電気化学反応を生じさせるものである。このため、燃料電池システムでは、本質的に運転中は燃料ガスのうちの一部が当該高分子電解質膜を通して空気極側に移動しているといえる。しかし、この高分子電解質膜は経年変化によって遮蔽性能が低下し、燃料極側に水素が空気極側へ移動する、いわゆるクロスリークが大きくなるという傾向がある。本発明では、このクロスリーク量の度合いを測定して、燃料電池の劣化を診断するものである。
本発明の診断方法を実施するためには、燃料電池スタック10への燃料ガス供給が停止されていることが好ましい。そのため、当該診断方法は、燃料電池システムの発電停止時または間欠動作における休止期間において実施されることが好ましい。間欠動作というのは、アイドリング状態など、負荷が比較的低く、継続的に発電する必要がないような状態のときに省エネルギーの観点から、断続的に運転状態と休止状態とを繰り返す動作をいう。
例えば、図3は、運転状態か休止状態かに応じてオン・オフされる間欠運転フラグの様子を示している。間欠動作フラグとは、この間欠動作を各種処理モジュールで認識するために制御部20の内部メモリに格納される指標である。この間欠運転フラグがオフ状態である場合、運転モードであるとして、税御部20は遮断弁102、104、105等燃料ガス供給に必要な弁を開放して、燃料ガスが水素タンク101から燃料電池スタック10に供給されるようにする。一方、間欠運転フラグがオン状態である場合、休止期間であるとして、制御部20は少なくとも入口遮断弁104及び出口遮断弁105を閉鎖して、燃料ガスの供給を停止させる。
本実施形態では、この間欠動作における休止期間に実行する診断処理に関する。この診断処理を、図2のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、制御部20は遮断検出手段に相当する動作として、間欠運転フラグを参照し、または、遮断弁104や105の開閉状態を検知して、燃料電池スタック10における発電が確実に停止状態に入っているかを判断する(S1)。発電中である場合(S1:NO)、燃料電池スタック10内部には継続的に燃料ガスを供給して電気化学反応を生じている。このような場合には劣化診断のためにわざわざ遮断弁104や105を遮断するには及ばないので、燃料電池スタック10が発電中である場合、燃料電池劣化診断は行わない。
一方、間欠動作モードであり、燃料電池の休止期間に入っている場合(図3の間欠運転フラグがオンである場合)(S1:YES)、本発明の燃料電池劣化診断を実施する。間欠運転の休止期間に入った直後は燃料電池スタック10内の燃料ガス圧力が安定していないので、所定時間t1(例えば1秒間)待つ(S2:NO)。そして、発電停止からt1秒経過後に(S2:YES)制御部20は圧力センサ111の燃料ガス圧力の検出信号を取り込み、その検出信号から特定できる圧力を基準圧力Psとして記憶する(S3)。
次いで、単位時間T(例えば10秒間)経過するまで待って(S4:NO)、単位時間T経過後に(S4:YES)制御部20は再度圧力センサ111の検出信号を取得し、その検出信号から特定される圧力を検出圧力Pdとして記憶する(S5)。そして制御部20は、記憶された基準圧力Psと検出圧力Pdとの差分ΔP、すなわち単位時間T当たりの圧力低下の度合いを計算する(S6)。
ここで、図3に示すように、燃料電池スタック内部の高分子電解質膜は、比較的新しい状態では、電解質膜間を通過する水素の量が少なくクロスリークが小さい。このため時間T経過後であっても燃料ガスの圧力差はΔP2であり僅かなものである。ところが交換後長時間が経過すると膜の遮蔽性能が低下しクロスリークが大きくなる。例えば図3では、クロスリークが大きい場合、時間T経過後に圧力差がΔP1(>ΔP2)にも達することになる。
そこで本実施形態ではこの燃料ガスの圧力低下の度合いに基づいて高分子電解質膜が劣化、すなわち燃料電池が劣化しているか否かを判定する。圧力低下の度合いが正常か異常かは、適切に定め基準値Pthとこの圧力差ΔPとの大小関係に基づいて判断する(S7)。この基準値Pthは、例えば時間T当たりにこれ以上ある力低下が大きい電解質膜を利用すると、燃料電池スタックの発電効率が低下してしまうことが予想されるようなしきい値に選ばれる。すなわち、図3では基準値Pthは、ΔP2<Pth<ΔP1を満たす所定の値である。
圧力差ΔPが基準値Pthより大きかった場合(S7:YES)、制御部20は高分子電解質膜のクロスリークが大きく、特性劣化の疑いがあるとして、クロスリーク発生回数カウンタNの値を一つ増加させる(S8)。このカウンタNは正常動作をしているときは常にリセットされる制御部20のメモリ内のソフトウェアカウンタである。
一方圧力差ΔPが基準値Pth以下であった場合(S7:NO)、クロスリーク量が正常な電気化学反応に由来する範囲であるとして、クロスリーク発生回数カウンタNの値をリセットする(S9)。
さて、燃料電池の電解質膜で発生するクロスリークは、負荷変動や空気極からの空気圧の影響で変動する。このため本来、電解質膜が劣化しているのでは無い場合でも一瞬、クロスリーク量が増大することがある。このような一時的なクロスリーク増大は、燃料電池の劣化診断の根拠にはするべきでない。そこで本実施形態では、このクロスリーク増大が一回計測されただけではなく、続けて所定回数観測された場合に特性劣化によるクロスリーク増大が発生しているものと判断することにしてある。
すなわち、制御部20は、メモリ中のクロスリーク発生回数カウンタNを参照して、適切に定められた基準回数Nsと比較する(S10)。この基準回数Nsは、連続してこの回数、クロスリーク増大が観測されるなら本当に電解質膜が劣化したものと判断することが適当な回数であり、例えば5回とする。この比較の結果、この基準回数Nsに達するまでは(S10:NO)、特に制御部20は特別措置を実施しない。一方、クロスリーク発生回数カウンタNがこの基準回数Nsを超えた場合には(S10:YES)、制御部20は電解質膜が劣化しているものと判断して、クロスリーク発生時の措置を実施する(S11)。
クロスリーク発生時の措置としては、例えばユーザに電解質膜の劣化を報せるための警告灯の点灯措置があげられる。クロスリーク増大は電解質膜の劣化という比較的緩慢に進行する事象に基づくものであるため、緊急性に乏しい場合が多い。そこでこのような警告表示に留め、次回のサービス点検時に、サービスステーションで燃料電池の高分子電解質膜を交換することを促す程度で十分だからである。
ただし、基準値Pthの設定値を高くした場合、すなわち多量の水素ガスのクロスリークが発生していることになる。例えば物理的な衝撃により電解質膜が損傷したような場合である。このような場合に長時間放置することは好ましいことではないため、このようなに基準値Pthを相対的に高く設定した場合には、例えばシステムの停止措置等をしてもよい。
また、クロスリークが多く発生している場合に、制御部20は、警告だけでなく、運転時における燃料ガス供給圧力の上限を変更するように制御してもよい。例えば、間欠運転モードにおける運転期間、または、通常運転期間に燃料ガス循環経路の圧力が余り高くならないよう、調圧弁103を調整して、循環経路の燃料ガス最大圧力を相対的に低下させることも可能である。このような措置により、燃料電池の電解質膜に劣化が始まったとしても、または、軽度の損傷が発生したとしても、燃料ガスの漏洩を増大させずに運転を継続することが可能である。
以上、本実施形態によれば、発電休止期間の燃料供給遮断時において、燃料ガスの圧力低下の度合いが基準値より大きいか否かによってクロスリークの発生を検出するので、単純に圧力低下を検出する場合に比べ、正常な運転か異常な運転かの判定を正確に行うことができる。
また本実施形態における燃料電池劣化診断方法は流量計を使用しないので、移動体に設ける燃料電池システムのように、容積的な、価格的な制約事項がある場合にも適する。
また本実施形態によれば、クロスリークの増大が複数回連続して発生した場合に初めて電解質膜が劣化したものと判断するので、一時的なクロスリークの増大に影響されず確実な燃料電池劣化の診断が可能である。
また本実施形態によれば、クロスリーク発生の開始時期を燃料ガス供給遮断時から一定時間t1経過後から始めるので、燃料ガス遮断直後の圧力変動に影響を受けずに正確なクロスリーク量測定が行える。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々に変更して実行することが可能である。
例えば上記実施形態では、間欠動作モードで本発明を実施したが、燃料電池の発電を長期間停止している場合に実施してもよい。燃料電池の劣化診断は定期的に行えば十分であるため、例えば燃料電池の発電が開始していないが制御部に電源が供給されているタイミングを見計らって行うことが可能である。
また、上記実施形態では燃料ガスの供給停止時に燃料電池劣化診断を実施していたが、特定の条件の場合には燃料電池の発電時に劣化診断をしてもよい。例えば、負荷が変動しない安定した運転状態では、燃料電池における燃料ガス使用料が一定している。このような場合であれば、基準値を変更することにより、発電時であっても発電に寄与している以外の水素のクロスリークを検出することが可能である。
本実施形態に係る燃料電池システムのシステム全体図。 本実施形態に係る燃料電池システムの動作を説明するフローチャート。 本実施形態にかかる燃料電池動作と圧力変化の関係を示す図。
符号の説明
10…燃料電池スタック、11…ラジエタ、12…ファン、13…冷却水ポンプ、20…制御部(遮断検出手段、判定手段)、101…水素吸蔵タンク、102…熱交換器、103、105、106、108、110…遮断弁、104…調圧弁、107…気液分離器、109…循環ポンプ、111…圧力センサ(検出手段)、201…エアクリーナ、202…コンプレッサ、203…加湿器

Claims (5)

  1. 燃料電池における特性劣化を検出するための燃料電池劣化診断装置であって、
    前記燃料電池への燃料ガス供給が遮断された状態における前記燃料電池ガス流通経路中の前記燃料ガス圧力を検出する検出手段と、
    単位時間当たりの前記燃料ガス圧力の低下の度合いに基づいて前記燃料電池の劣化の程度を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする燃料電池劣化診断装置。
  2. 前記判定手段は、
    前記単位時間当たりの前記燃料ガス圧力の低下量が基準値より大きいか否かに基づいて前記燃料電池の劣化の程度を判定する、請求項1に記載の燃料電池劣化診断装置。
  3. 前記判定手段は、
    前記燃料ガス圧力の低下量が基準値より大きいと判定された回数を記憶しておき、当該回数が所定の基準回数より大きい場合に前記燃料電池が劣化しているものと判定する、請求項2に記載の燃料電池劣化診断装置。
  4. 前記判定手段は、
    前記判定手段により前記燃料電池が劣化しているものと判定された場合に、当該燃料電池の特性劣化対応措置を行う、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の燃料電池劣化診断装置。
  5. 燃料電池における特性劣化を検出するための燃料電池劣化診断装置であって、
    前記燃料電池への燃料ガス供給が遮断された状態であることを検出する遮断検出手段と、
    前記燃料ガス供給が遮断されていることが検出された場合に、燃料ガス供給経路中の燃料ガス圧力の低下の度合いに基づいて前記燃料電池の劣化の程度を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする燃料電池劣化診断装置。
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