JP2005173672A - 用紙、電子ペンおよびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】
従来の電子ペンにおいては、用紙の方向が簡単に分からず、電子ペン内部の情報処理量が膨大であるなどの問題があった。
【解決手段】
本発明は、用紙上のドットパターンを読み取り、当該ドットパターンから直線上に並ぶドット群を識別し、当該ドット群から前記用紙の方向を決定し、当該決定した方向に基づいてドットパターンの位置を補正し、当該補正したドットパターンの位置に基づいて位置情報を取得し、出力する電子ペンであり、かかる電子ペンにより、情報処理量が少なく、電力消費量が少なくなる。
【選択図】図4

Description

本発明は、手書きの文字等を電子的に取得する電子ペン、および電子ペン等に読み取られる文字や図形などを記載する用紙等に関するものである。
従来の手書きの文字やデータを電子化する技術として、以下の2つの従来技術がある。
第一の従来技術は、ディジタイザと呼ばれる装置と特殊な電子ペンを利用する技術である(特許文献1参照)。かかる技術によれば、ユーザは、ディジタイザの上に用紙を置き、特殊な電子ペンで用紙に手書きすると、当該手書きした文字やデータの軌跡を座標点の情報に変換し、当該座標点の情報の集合を解釈し、文字コード等に変換する。
第二の従来技術は、一般にANOTO社のANOTOペン、ANOTOパターン、ANOTOペーパーなどと呼ばれ商品化されている技術である(特許文献2等参照)。本従来技術において、用紙(ANOTOペーパー)に手書きの障害にならないように薄く、位置を表す情報を印刷しておく。電子ペン(ANOTOペン)は、特殊な電子カメラを具備する。ユーザが電子ペンを用いて、文字や図形等を用紙に手書きすると、電子ペンは、その軌跡を電子カメラにより取得する。
図41は、第二の従来技術における用紙に使われている4進数のドットパターンと同じドットパターンを示す。図41において、4進数を表わすため原点から上下左右に0.05mmずれた点にその中心が位置し、かつ半径が0.05mmより少し小さい円盤状のドットを基本パターンとする(特許文献2参照)。そして、仮想的なラスタと呼ぶ水平軸、垂直軸を取り、その交点である原点から垂直方向に上と下へ、水平方向に左と右へ少しずれた4種のドットを4進数に対応させる。その4種のドットと4進数の対応を図42に示す。図42において、原点より上にずれたドットをシンボル「1」とし、それを「X=0,Y=0」に分解する。同様にして、右にずれたドット、下にずれたドット等においても、図42に示すとおりである。本用紙は、用紙における仮想的な原点間を0.3mmにとって、手書きの障害にならないようにドットを薄く印刷されている。また、本用紙において、図41に示すドットを6×6のマトリクスを1つの単位として位置を表す。本技術は、特許文献3に記載されている。
また、図41に示すドットを電子ペンの電子カメラによって読み取り、位置情報(座標情報)に変換する技術に関しては、特許文献4に記載されている。
上記の用紙等に、例えば、図43(a)に示すようなドットパターンの配列が印刷されているとする。また、図43(a)に示すドットパターンに対応する4進数マトリクスは、図43(b)である。かかる場合、図43(a)のドットパターンの配列は、図42に従って、図44(b)に示すXマトリクスと図44(c)に示すYマトリクスに分解される。なお、図44(a)は、図43(b)と同様、図43(a)に示すドットパターンの配列に対応する4進数のマトリクスである。
ANOTO社の電子ペン、用紙の技術において、6×6のマトリクスを用いて位置情報を表す。したがって、6×6のマトリクスは、436通り存在する。しかし、436通りのすべてのマトリクスを用紙の上に印刷して、座標位置を表すようなことはしない。実際に利用するのは、436通りのマトリクスのうち、約1/10である。以下、説明を簡単にするために、6×6のマトリクスの代わりに4×4のマトリクスを用いて位置情報の表し方を説明する。
まず、図45に示す7ビットのシーケンスを使って、その最初の4ビット「0001」を値「0」とする。ここで、「最初の4ビット」とは、7ビットのシーケンスのうちの最上位ビットから4ビット、である。そして、最初の4ビット「0001」から1ビット右にずらした4ビット(上位から2ビット目から5ビット目まで)「0010」を値「1」という具合に、値「1」から値「6」を決定する(図45参照)。かかる7ビットシーケンスは、上記のように連続する4ビットを取り出した場合に、7種類の4ビットがすべて異なるシーケンスである。この7ビットシーケンスは、図46に示すように、サイクリックに使用したいとき、その先頭をずらせた2つの7ビットシーケンスの同じ位置の4ビットに対応する値(図45参照)の差に対して「modulo演算」を行った結果の絶対値をとれば、どの位置でも一定の値になる性質がある。つまり、図46において、上部のシーケンスの任意の4ビットに対応する値と、下部のシーケンス中の4ビットであって、上部のシーケンスの4ビットと対の4ビットに対応する値の差に対して「modulo演算」を行った結果の絶対値は、すべて「5」である。なお、かかる演算を、図46では、関数fで表す。かかる特徴を生かして、Xマトリクスの配列を作成する。
図47に、Xマトリクスの配列の原理を示す。まず、Xマトリクスの各列の最初の4ビットの配列を「a,a,a,・・・」とする。そして、図47のXマトリクスの列間の差分を「Si1,Si2,Si0(i=1,2,・・・)」とする。なお、列間の差分「Si1,Si2,Si0(i=1,2,・・・)」を代表して「S,S,S」と記載する。また、これらの値を図48のように定める。つまり、S、Sは、3,4,5,6のいずれかの値、Sは、1または2とする。このようにして、S、S、Sの組の値を図48にように、「3,3,1;3,3,2;3,4,1;・・・」という具合に定める。すると、Xマトリクスの各列の最初の4ビットは、図49に示すようになる。これらの4ビットは、図45に示す7ビットシーケンスのいずれかの4ビットになっているので、それ以降は、このシーケンスに従って、ビットを定めていく。以上のようにして、Xマトリクスが構成できる。このXマトリクスの構成方法において、Xマトリクスの隣接する列は一致しない。さらに、4×4のXマトリクスである本例では、オール0の列は現われるが、後述する実施の形態において、5×5のXマトリクスには、オール0の列が現れないように構成する。
次に、Yマトリスクの行は、以下のように構成する。つまり、値2,3,4,5,6をとるS、S、Sと、値0または1をとるSとを図50に示すように順序付ける。そうすれば、Yマトリクスの行は、図51のように構成される。図51において、Yマトリクスの最初の行の最初の4ビットは、値が2、つまり、「0101」となる。その後、Yマトリクスの最初の行は、7ビットシーケンス(図45参照)を繰り返す。上記のようにすると、最初の4行の最初の4ビットの値は、それぞれ2,2,2,0となる。次の4行は、図50に従って、2,2,2,1となる。
以上のようにして、XマトリクスとYマトリスクが決まると、次に、図50に従って、4進数のマトリクスが決まり、その結果、ドットパターン(図41のいずれかのドットの集合)が決まる。以上のようにすれば、4進数マトリクスにおける異なる配列の数は、図52に示すようになる。図47に示すように、Xマトリクスの最初の列は、最初の4ビットの値であり、全く自由にとれるのでaには7通りの取り方が存在する。従って、Xマトリクスの配列数96と配列Yマトリスクの数1000の積に、上記「7」を掛けた値が、7ビットシーケンスで4×4の4進数マトリクスを使用する場合の異なる配列の数になる。これは、特許文献2に記載されている。
実際の用紙上のドットパターンを電子ペンで読んだ際には、用紙と電子ペンの相対的な傾きや回転があり、手書き文字等を取得するためには、相対的な傾きや回転の補正が必要である。その補正方法は、特許文献5の18ページから30ページに記載されている。相対的な傾きや回転の補正の後に、ラスタと呼ばれる仮想的なX軸、Y軸を復元する必要があるが、かかる技術についても、特許文献4に記載されている。
特開昭61−228524号公報(第1頁、第1図等) 国際公開第01/26032号パンフレット 国際公開第01/16691号パンフレット 国際公開第01/26034号パンフレット 国際公開第01/71654号パンフレット
しかしながら、従来の電子ペンにおいては、以下のような問題があった。
まず、第一に、従来の用紙、従来の電子ペンによれば、用紙の方向が簡単に分からない。その結果、用紙の方向を得るために、電子ペンの情報処理量は極めて大きくなる、という問題である。以下、具体的に説明する。従来の電子ペンにおいて、どの方向が用紙の上方向であるかが容易に判別できない。図53に示すように、4進数を表すドットパターンは、ラスタの各原点に対して上下左右対称になっているので、図53に示す方向を上とすると、図53の左ドットパターンは、上から1,2,3,4という4進数シンボルとして読み取られる。しかし、用紙を時計方向に90度回転させると、これらのパターンは、4,1,2,3と読み取られる。180度、270度についても図53に示すとおりになる。従来技術において、特許文献2の19ページ、20ページに記載されている方法で上方向を決定するが、4通りの角度について、ドットの読み取り等の処理を試みなければ、用紙の方向は判断できない。したがって、従来技術における電子ペンの情報処理量は極めて大きくなる。具体的には、従来の電子ペン内部では、6×6マトリクスであり、7×7(6×6より一つ多いマトリクス)のパターンマトリクスを読み取り、それを傾き補正、回転補正、ラスタ復元、用紙の上下左右方向決定という、大きく4つのプロセスを経て、ようやく6×6マトリクスの位置を算出する、というプロセスに入ることになる。従って、従来技術における電子ペンの情報処理量は極めて大きい。
第二の課題は、電子ペンが取得した用紙上の位置座標から、用紙上のおける相対的な位置を算出するために、膨大な処理が必要である、という課題である。以下、具体的に説明する。第二の課題は、位置マトリクスの構成から起因する。従来技術において、6×6マトリクスで位置を定めるが、図48、図49、図50、図51で説明した配列では、異なる列の数が、約1.25×10、異なる行の数が約7.06×10通りになる。従来技術において、この巨大なアドレス体系の中から、例えば、1つのA4判の用紙を切り出して、その位置に相当する4進のドットパターンを印刷したものを1枚のA4判用紙として使うこととなる。したがって、1つの6×6マトリクスが分かっただけでは、巨大なアドレス体系のどの位置かが分かるが、A4判用紙内の相対的な位置は分からない。したがって、この6×6マトリクスが、巨大なアドレス体系の中のどのA4判に属するかを調べる手段が必要となる。よって、従来技術において、まず、6×6マトリクスからアドレス体系の中のどの位置かを調べ、次に、そのA4判の、例えば、左上隅のアドレスを調べて、はじめてA4判用紙内の相対的な位置が分かる。このように、認識した特定のドットパターンの、用紙内のおける相対的な位置を算出するために、膨大な処理が必要である。
第三の課題は、コマンドの取り扱いに関する課題である。以下、具体的に説明する。従来技術において、コマンドも用紙上の位置から判定する。かかる判定方法の詳細は、特許文献4に記載されている。つまり、従来技術において、コマンドであることを識別するために、その周囲にドットパターンが印刷されていない空白の領域を設ける。そして、その空白に囲まれたドットパターンをコマンドマトリクスとして解釈する。したがって、コマンドマトリクスのみから、コマンド領域か否かは分からず、コマンド処理のための処理量が増加し、コマンド処理に時間がかかる。また、位置マトリクスからコマンドマトリクスに移行する場合は、ユーザは、電子ペンを用紙上から離し、再びコマンドマトリクス上にペンを置かねばならない。つまり、コマンドを実行するために、ユーザにとって、電子ペン使用上の制約があり、非常に使いにくいものになっている。
第四の課題は、実時間性に乏しいことである。以下、具体的に説明する。従来技術において、上記に述べたように、従来の電子ペンにおいて、傾き補正、回転補正、ラスタ復元、用紙の上下左右方向決定、ドットの4進数の判定という具合に、多くの処理を電子ペン内部で行う。したがって、電子ペンにおいて、通常、手書きの進行に従ってドットパターンの取り込みと、上記処理を並行して行うとすれば、処理が膨大になる。そのため、例えば、電子ペン内の処理能力を高めると、電力消費が大きくなる。また、電子ペンの構成が高価な部品による構成となる。なお、電子ペンの電池の容量は、少なくとも2時間の連続使用に耐えうることが望ましいが、そのために、電子ペン内の処理能力を増加させることはできない。なお、2時間の連続使用が必要であるのは、ユーザが電子ペンを使用して、2時間ぐらいは、普通に作業を行うからである。
本第一の発明の電子ペンは、用紙上のドットパターンを読み取るイメージ読取部と、イメージ読取部が読み取ったドットパターンから1以上のドットを識別するドット識別部と、ドット識別部が識別した1以上のドットから、直線上に並ぶドット群を識別する垂直ラスタ識別部と、垂直ラスタ識別部が識別した直線上に並ぶドット群から前記用紙の方向を決定し、当該方向に基づいて1以上のドットの位置を補正する回転補正部と、ドット識別部が識別したドット群と回転補正部における位置の補正に基づいて、ラスタを復元するラスタ復元部と、ドット識別部が識別したドット群とラスタ復元部が復元したラスタに基づいて、4進マトリクスを得る4進マトリクス復元部と、4進マトリクス復元部が得た4進マトリクスに基づいて1以上の位置情報を取得するアドレスコマンド認識部と、アドレスコマンド認識部が取得した1以上の位置情報を蓄積する、または/および送信する送信蓄積処理部を具備する構成を有している。
この構成により、簡単に用紙の垂直方向を取得でき、その結果、用紙の傾き補正や回転補正、ラスタ復元などの処理が容易にできる。したがって、電子ペンにおける、データ処理量が少なくて済み、その結果、電子ペンが具備するCPUは、それほどの処理能力を要せず、電子ペンの電力消費量が少なくなったり、リアルタイムな手書き文字の処理も可能になったりする。
なお、第一の発明の電子ペンは、上記の構成が必須ではなく、用紙上のドットパターンを読み取り、当該ドットパターンから直線上に並ぶドット群を識別し、当該ドット群から前記用紙の方向を決定し、当該決定した方向に基づいて前記ドットパターンの位置を補正し、当該補正したドットパターンの位置に基づいて位置情報を取得し、出力する電子ペンであれば良い。
本第二の発明の電子ペンは、実時間位置マトリクスに対応するドットパターンおよび通常位置マトリクスに対応するドットパターンが、それぞれのドットパターンを識別するだけで、実時間位置マトリクスに対応するドットパターンであるか、通常位置マトリクスに対応するドットパターンであるかが区別できるドットパターンが印刷された用紙上のドットパターンを読み取り、処理する電子ペンであって、当該ドットパターンを読み取るイメージ読取部と、イメージ読取部が読み取ったドットパターンから1以上のドットを識別するドット識別部と、ドット識別部が識別した1以上のドットから、直線上に並ぶドット群を識別する垂直ラスタ識別部と、垂直ラスタ識別部が識別した直線上に並ぶドット群から前記用紙の方向を決定し、当該方向に基づいて前記1以上のドットの位置を補正する回転補正部と、ドット識別部が識別したドット群と回転補正部における位置の補正に基づいて、ラスタを復元するラスタ復元部と、ドット識別部が識別したドット群とラスタ復元部が復元したラスタに基づいて、4進マトリクスを得る4進マトリクス復元部と、4進マトリクス復元部が得た4進マトリクスに基づいて1以上の位置情報を取得し、かつ前記4進マトリクスが実時間位置マトリクスか通常位置マトリクスかを識別するアドレスコマンド認識部と、4進マトリクスが実時間位置マトリクスである場合に、1以上の位置情報を直ちに送信し、4進マトリクスが通常位置マトリクスである場合に、1以上の位置情報を蓄積する送信蓄積処理部を具備する構成を有している。
この構成により、電子ペンで用紙上に記載した情報をリアルタイムに、情報処理装置(例えば、パソコンなど)で確認できる。
なお、実時間位置マトリクスか通常位置マトリクスかを識別する具体的な方法は以下である。つまり、実時間位置マトリクスのXマトリクスの隣接する所定の数の列のうち、すべて0の値を有する列の数と、通常位置マトリクスのXマトリクスの隣接する前記所定の数の列のうち、すべて0の値を有する列の数が異なるように、実時間位置マトリクスに対応するドットパターンおよび通常位置マトリクスに対応するドットパターンが構成され、アドレスコマンド認識部は、4進マトリクス復元部が得た4進マトリクスに基づいて1以上の位置情報を取得し、かつ4進マトリクスのXマトリクスの隣接する所定の数の列のうち、すべて0の値を有する列の数を算出し、当該すべて0の値を有する列の数に基づいて、4進マトリクスが実時間位置マトリクスか通常位置マトリクスかを識別する。
また、第二の発明の電子ペンは、上記の構成が必須ではなく、実時間位置マトリクスに対応するドットパターンおよび通常位置マトリクスに対応するドットパターンが、それぞれのドットパターンを識別するだけで、実時間位置マトリクスに対応するドットパターンであるか、通常位置マトリクスに対応するドットパターンであるかが区別できるドットパターンが印刷された用紙上のドットパターンを読み取り、処理する電子ペンであって、用紙から当該ドットパターンを読み取り、読み取ったドットパターンが示すマトリクスが実時間位置マトリクスであるか通常位置マトリクスであるかを判断し、かつドットパターンから1以上の位置情報を取得し、実時間位置マトリクスであると判断した場合は1以上の位置情報を直ちに送信し、通常位置マトリクスであると判断した場合は1以上の位置情報を蓄積する電子ペンであれば良い。
本第三の発明の電子ペンは、ドットパターンを識別するだけで、位置マトリクスであるかコマンドマトリクスであるかを区別できるドットパターンが印刷された用紙上の当該ドットパターンを読み取るイメージ読取部と、イメージ読取部が読み取ったドットパターンから1以上のドットを識別するドット識別部と、ドット識別部が識別した1以上のドットから、直線上に並ぶドット群を識別する垂直ラスタ識別部と、垂直ラスタ識別部が識別した直線上に並ぶドット群から用紙の方向を決定し、当該方向に基づいて1以上のドットの位置を補正する回転補正部と、ドット識別部が識別したドット群と回転補正部における位置の補正に基づいて、ラスタを復元するラスタ復元部と、ドット識別部が識別したドット群とラスタ復元部が復元したラスタに基づいて、4進マトリクスを得る4進マトリクス復元部と、4進マトリクス復元部が得た4進マトリクスに基づいて1以上の位置情報を取得し、かつ4進マトリクスが位置マトリクスかコマンドマトリクスかを識別するアドレスコマンド認識部と、4進マトリクスが位置マトリクスである場合に、1以上の位置情報を蓄積または送信し、4進マトリクスがコマンドマトリクスである場合に、コマンドを識別する情報であるコマンド識別子を取得し、少なくとも当該コマンド識別子を蓄積または送信する送信蓄積処理部を具備する電子ペンである。
この構成により、用紙上のマトリクスを工夫して、コマンドを記入する領域であるコマンドマトリクスを、上述した通常位置マトリクスと区別する態様、および、コマンドマトリクスにおいても、2種類のコマンドマトリクスを用意することができる。その結果、一の用紙に種々の役割りを持たせることができる。かかる種々の役割りについては後述する。
なお、第三の発明の電子ペンは、上記の構成が必須ではなく、ドットパターンを識別するだけで、位置マトリクスとコマンドマトリクスを区別するドットパターンが印刷された用紙上の当該ドットパターンを読み取り、当該読み取ったドットパターンから位置マトリクスかコマンドマトリクスかを判断し、位置マトリクスと判断した場合に、読み取ったドットパターンから1以上の位置情報を取得し、かつ取得した1以上の位置情報を蓄積または送信し、コマンドマトリクスと判断した場合に、コマンドを識別する情報であるコマンド識別子を取得し、当該コマンド識別子を蓄積または送信する電子ペンであれば良い。
さらに、第三の発明の電子ペンにおいて、位置マトリクスは、実時間位置マトリクスと通常位置マトリクスの2種類であり、アドレスコマンド認識部は、位置マトリクスを、さらに細かく実時間位置マトリクスであるか通常位置マトリクスであるかを識別し、送信蓄積処理部は、4進マトリクスが実時間位置マトリクスである場合に、1以上の位置情報を直ちに送信し、4進マトリクスが通常位置マトリクスである場合に、1以上の位置情報を蓄積し、4進マトリクスがコマンドマトリクスである場合に、コマンドを識別する情報であるコマンド識別子を取得し、少なくとも当該コマンド識別子を蓄積または送信する電子ペンでも良い。
また、第三の発明の電子ペンにおいて、コマンドマトリクスは、複数種類あり、アドレスコマンド認識部は、4進マトリクスに基づいて、コマンドマトリクスを、予め決まられた複数種類のコマンドマトリクスのうちのいずれのコマンドマトリクスであるかを識別し、送信蓄積処理部は、4進マトリクスが位置マトリクスである場合に、1以上の位置情報を蓄積または送信し、4進マトリクスがコマンドマトリクスである場合に、識別したコマンドマトリクスの種類に応じた処理を行う電子ペンでも良い。
また、第三の発明の電子ペンにおいて、コマンドマトリクスは、IDマトリクスと通常コマンドマトリクスの2種類であり、アドレスコマンド認識部は、コマンドマトリクスを、IDマトリクスであるか通常コマンドマトリクスであるかを識別し、送信蓄積処理部は、4進マトリクスが位置マトリクスである場合に、1以上の位置情報を蓄積または送信し、4進マトリクスがIDマトリクスである場合に、4進マトリクスに基づいて識別子を取得し、当該識別子を蓄積または送信し、4進マトリクスが通常コマンドマトリクスである場合に、コマンド識別子を取得し、少なくとも当該コマンド識別子を蓄積または送信する電子ペンでも良い。
なお、4進マトリクスがIDマトリクスである場合に、4進マトリクスに基づいて取得される識別子を用紙属性として利用することも好適である。用紙属性とは、例えば、用紙のサイズ、ページ数、用紙ID(用紙の発行部署や用紙の所有者などを識別する情報)などである。
また、マトリクスの識別方法として以下の方法がある。つまり、各マトリクスのXマトリクスの隣接する所定の数の列のうち、すべて0の値を有する列の数が異なるように、各マトリクスのドットパターンが構成され、アドレスコマンド認識部は、4進マトリクス復元部が得た4進マトリクスのXマトリクスの隣接する所定の数の列のうち、すべて0の値を有する列の数を算出し、当該すべて0の値を有する列の数に基づいてマトリクスの種類を識別する方法である。
さらに、第三の発明の電子ペンは、上記の構成が必須ではなく、ドットパターンを識別するだけで、位置マトリクスとコマンドマトリクスを区別するドットパターンが印刷された用紙上の当該ドットパターンを読み取り、当該読み取ったドットパターンから位置マトリクスかコマンドマトリクスかを判断し、位置マトリクスと判断した場合に、読み取ったドットパターンから1以上の位置情報を取得し、かつ取得した1以上の位置情報を蓄積または送信し、コマンドマトリクスと判断した場合に、コマンドを識別する情報であるコマンド識別子を取得し、当該コマンド識別子を蓄積または送信する電子ペンであれば良い。
本第四の発明の電子ペンは、ドットパターンを識別するだけで、電子ペンで情報を処理しない領域であるコメント部と他の領域を区別するドットパターンが印刷された用紙上の当該ドットパターンを読み取るイメージ読取部と、イメージ読取部が読み取ったドットパターンから1以上のドットを識別するドット識別部と、ドット識別部が識別した1以上のドットから、直線上に並ぶドット群を識別する垂直ラスタ識別部と、垂直ラスタ識別部が識別した直線上に並ぶドット群から用紙の方向を決定し、当該方向に基づいて前記1以上のドットの位置を補正する回転補正部と、ドット識別部が識別したドット群と回転補正部における位置の補正に基づいて、ラスタを復元するラスタ復元部と、ドット識別部が識別したドット群とラスタ復元部が復元したラスタに基づいて、4進マトリクスを得る4進マトリクス復元部と、4進マトリクス復元部が得た4進マトリクスがコメント部を示すマトリクスであるか否かを判断し、少なくともコメント部を示すマトリクスでないと判断した場合に前記4進マトリクスに基づいて1以上の位置情報を取得するアドレスコマンド認識部と、アドレスコマンド認識部が、4進マトリクスがコメント部を示すマトリクスであると判断した場合に、識別した1以上のドットから得られる情報を破棄し、4進マトリクスが前記コメント部を示すマトリクスでないと判断した場合に、取得した1以上の位置情報を蓄積する、または/および送信する送信蓄積処理部を具備する電子ペンである。
この構成により、電子ペンや情報処理装置で情報を処理しない領域であるコメント部を用紙内に設けることができる。
なお、第四の発明の電子ペンは、上記の構成が必須ではなく、ドットパターンを識別するだけで、コメント部と他の領域を区別するドットパターンが印刷された用紙から、当該ドットパターンを読み取り、読み取ったドットパターンが示すマトリクスがコメント部であるか他の領域であるかを判断し、かつ少なくともコメント部を示すマトリクスでないと判断した場合にドットパターンから1以上の位置情報を取得し、コメント部であると判断した場合は識別した1以上のドットから得られる情報を破棄し、他の領域であると判断した場合は1以上の位置情報を蓄積する、または/および送信する電子ペンであれば良い。
本第五の発明の電子ペンは、コマンド識別子が所定の項目に記載された情報を特定する1以上の位置情報を送信する項目送信機能を実現するコマンドを識別する情報であり、送信蓄積処理部は、4進マトリクスがコマンドマトリクスである場合に、コマンドを識別する情報であるコマンド識別子を取得し、当該コマンド識別子と前記1以上の位置情報を対にして蓄積または送信する電子ペンである。
この構成により、項目ごとに記載される情報を項目ごとに処理することができる。かかる電子ペンや、電子ペンからの情報を受信して処理する情報処理装置によれば、スケジュールシステムや日記システムや経理システムなどを構築できる。
本第六の発明の電子ペンは、コマンド識別子が所定の項目に記載された情報を消去する消去箇所指定機能を実現するコマンドを識別する情報であり、送信蓄積処理部は、4進マトリクスがコマンドマトリクスである場合に、コマンド識別子を取得し、当該コマンド識別子と1以上の位置情報を対にして蓄積または送信する電子ペンである。
この構成により、項目の情報を消去する指示ができる。
本第七の発明の電子ペンは、コマンド識別子が所定の項目に記載された情報を修正する新たな情報を送信する修正送信機能を実現するコマンドを識別する情報であり、送信蓄積処理部は、4進マトリクスがコマンドマトリクスである場合に、コマンド識別子を取得し、当該コマンド識別子と前記1以上の位置情報を対にして蓄積または送信する電子ペンである。
この構成により、項目に記載された情報を修正する新たな情報を記載することができる。
本第八の発明の電子ペンは、用紙上の所定の矩形領域におけるドットパターンが、矩形領域の座標原点からの相対的位置が当該ドットパターンのみから得られように構成されたドットパターンであり、アドレスコマンド認識部が取得する位置情報は、矩形領域の座標原点からの相対的位置を示す情報である電子ペンである。
この構成により、矩形領域の座標原点からの相対的位置が当該ドットパターンのみから得られ、電子ペン内での処理が少なくて済む。
また、上記の電子ペンにおいて、電子ペンが一度に処理するドット群から構成されるマトリクスの単位は、5×5のマトリクスであることが好ましい。電子ペン内の情報処理量が少なくて済み、かつ上述した機能、効果が得られるからである。
なお、上記の電子ペンが読み取る用紙上のドットパターンは、ドットパターン中に、直線上に並ぶドット群を有する用紙が好適である。かかる用紙により、電子ペンは簡単に用紙の垂直方向を取得できる。
さらに、IDマトリクスを分解したXマトリクスのすべての0の値を有する列以外の特定の1または複数の列の値を、送信のためのコマンド識別子として利用し、前記値に応じて蓄積された位置マトリクスやコマンドマトリクスの予め定められた範囲の情報を送信するとともに、分解したXマトリクスの残りの列とYマトリクスの行が示すIDを送信する電子ペンも上記の課題の一部を解決する。まあ、かかる電子ペンとともに使用される用紙として以下の用紙がある。つまり、位置マトリクスやコマンドマトリクスに相当するドットパターンを予め印刷する際、予め一定の大きさ空白領域を確保して前記ドットパターンを印刷し、その後、送信のためのコマンド識別子を有するIDマトリクスを印刷した用紙である。また、位置マトリクスやコマンドマトリクスに相当するドットパターンを予め印刷する際、その一部に送信のためのコマンド識別子を有し、かつ、互いに異なるIDを有するIDマトリクスのみをページごとに変化させて印刷した一連の用紙群でも良い。
本発明において、上述したように、情報処理量が少ない等の効果を有する電子ペンを提供することができる。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本実施の形態において、同一の符号を用いた構成要素やフローチャートのステップなどは、同じ機能を果たすので、一度説明したものについて説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態において、用紙の垂直方向が容易に判断できる通常位置マトリクスのドットパターンマトリクス構成と、当該ドットパターンから位置情報を取得する電子ペン等について説明する。通常位置マトリクスとは、本実施の形態において、説明のために使用する5×5のマトリクスある。また、通常位置マトリクスとは、ユーザが電子ペンを用いて、手書き文字等を記載する領域に印刷されたマトリクスである。
図1は、用紙に印刷されたドットから位置情報を取得するための基本のマトリクスとシーケンスを示す。図1において、5×5のマトリクスを基本にする。また、用紙に印刷されたドットから位置情報を取得するために、図1(a)に示す23ビットシーケンスを利用する。この23ビットシーケンスにおいて、連続する5ビットは、図1(b)に示すようにすべて異なる。また、23ビットシーケンスにおいて、連続する0と1は、4ビット以下である。また、連続する5ビット配列は23通りあり、それぞれ図1(b)に示す値が対応する。このような性質の23ビットシーケンスは、多種類存在する。つまり、図1で用いるビットシーケンスは、言うまでもなく、一実施例である。シーケンスの長さも23ビット以外でも良い。さらに、マトリクスの大きさも5×5に限定するものではない。ただし、nビットシーケンス(nは整数)において、連続する任意のmビット(mはnより小さい整数)の配列は、すべて異なる必要はある。
図2は、用紙内の位置を示す5×5のマトリクス(このマトリクスを「通常位置マトリクス」という。)のXマトリクスの配列を示す。図2(a)は、Xマトリクスの各列の値を与える表である。このXマトリクスの列の配列は、図2(b)のようになる。すなわち、第1列T11から第4列T14は、図2(a)の最初の列の値とする。したがって、T11=0、T12=0、T13=0で、第5列はオール0とし、第6列から第9列は、図2(a)の2列目の値とする。したがって、T21=1、T22=0、T23=0である。このようにして、4列ごと(5列中の1列)にオール0の列を挿入し、他の4列は、図2(a)に示す列の値を順々に与えていって構成する。ここで、各Tの値は、0から22までの値とする。このようにして、各列の最初の5ビットが決まるが、あとは図1(a)の23ビットシーケンスに従って、各列の下位(下側)の値を決めていく。
一方、通常位置マトリクスのYマトリクスの配列を図3に示す。Yマトリクスの各行は、隣接する行の差分(なお、この差分は23を法として算出する)、すなわち、S=b−a,S=c−b,S=d−c,S=ai+1−dを与えることにより構成する。このとき、Sは0から5までの値、S,S,Sは6から22までの値とし、各行の配列は、図3(b)に示す通りにする。すなわち、S10,S11,S12,S12は、「0,6,6,6」とし、次いで、S20,S21,S22,S22は、「1,6,6,6」という具合に配列する。このようにすると、図3(a)の第1行aを決めればすべての行の値が決まる。これらの各行の最初の5ビットの値であるが、その後の値は、図1(a)の23ビットシーケンスに従って決めていく。
上記のように、XマトリクスとYマトリクスが決まれば、図42に従って、4進数マトリクスを構成する。
本実施の形態における、5×5の4進数マトリクスには、用紙上のドットが直線上に並ぶ列が必ず存在する。Xマトリクスがオール0の列を有しているので、図42から、その列に対応する4進数は、1または3に限られる。すると、このドットパターンは、仮想的な原点から上または下にずれたものに限られるので、その列のドットパターンは必ず仮想的な垂直軸上に並ぶことがその理由である。
逆に、用紙上のドットパターンが垂直方向に直線上に並び、かつ、ドットパターンが垂直方向以外の直線上に並ぶことはあり得ない。ドットパターンが水平方向の直線上にも並ぶ場合は、水平方向の5つの4進数が、すべて1の場合、またはすべて3の場合、または、すべてが2か4の場合である。すべてが1か3になるには、Yマトリクスの対応する行がすべて、0か1でなければならないが、図2から、かかることはあり得ない。
また、4進数のマトリクスの対応する行がすべて2か4になるためには、対応するXマトリクスの行がオール1でなければならない。上述したように、Xマトリクスの隣接する5列には、必ずオール0の列が挿入されているので、かかることもあり得ない。したがって、直線上に並ぶドットパターンが垂直方向を示していることが分かる。
図4は、本発明にかかる電子ペンのブロック図を示す。本電子ペンは、ペン軸401、第一のレンズ402、光源403、タイミング制御部404、第二のレンズ405、イメージセンサ406、イメージ読取部407、ドット識別部408、垂直ラスタ識別部409、回転補正部410、ラスタ復元部411、4進マトリクス復元部412、アドレスコマンド認識部413、送信蓄積処理部414を具備する。
電子ペンのペン軸401は、通常、ボールペンである。また、通常、このペン軸401をユーザの上腕から遠い方向にして使用するようにペンの形がデザインされている。なお、ペン軸401は、ボールペンである必要はない。ペン軸401は、万年筆のペン先などの他の筆記手段(筆記部)でも良い。
ペン軸401と上腕の間に電子ペンのカメラ部が位置する。つまり、第一のレンズ402を通して光源403から光が照射される。そして、光源403の光の照射のオン・オフの制御は、タイミング制御部404が行う。タイミング制御部404は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。タイミング制御部404が行う、光源403の光照射の制御処理の手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
第ニのレンズ405は、光源403から照射された反射光をイメージセンサ406上に像を結ぶ。
4進数を表すドットは、通常、カーボンブラックを含むインクで印刷されており、その部分は光を吸収する。したがって、イメージセンサ406には、ドットの部分は黒く写る。ドットの部分は、反射光がないためである。
イメージ読取部407は、イメージセンサ406に黒く写ったドットを読み取る。
ドット識別部408は、イメージ読取部407が読み取ったドットを識別する。
垂直ラスタ識別部409は、ドット識別部408が識別したドット群から、直線上に並ぶドット群を識別する。垂直ラスタ識別部409が直線上に並ぶドット群を識別する詳細な方法については、後述する。
回転補正部410は、垂直ラスタ識別部409が識別した直線上に並ぶドット群(ここでは、垂直の直線)から用紙の方向を決定し、当該方向に基づいて1以上のドットの位置を補正する。具体的には、用紙が回転している角度を算出し、1以上のドットの位置を補正する。回転補正部410の回転の補正方法の詳細についても後述する。
ラスタ復元部411は、ドット識別部408が識別したドット群と回転補正部410における補正に基づいて、ラスタを復元する。ラスタ復元部411のラスタ復元方法の詳細についても後述する。
4進マトリクス復元部412は、ドット識別部408が識別したドット群とラスタ復元部411が復元したラスタに基づいて、4進マトリクスを得る。
アドレスコマンド認識部413は、4進マトリクス復元部412が得た4進マトリクスに基づいて1以上の位置情報を取得する。アドレスコマンド認識部413の位置情報を取得する方法の詳細についても後述する。
イメージ読取部407、ドット識別部408は、垂直ラスタ識別部409、回転補正部410、ラスタ復元部411、4進マトリクス復元部412、アドレスコマンド認識部413は、通常、CPUと、ROM等に格納されているソフトウェアで実現され得るが、ハードウェア(電子回路)で実現されても良い。
送信蓄積処理部414は、アドレスコマンド認識部413が認識した1以上の位置情報を蓄積したり、送信したりする。送信蓄積処理部414は、例えば、位置情報を蓄積し、送信指示の受け付けにより、当該位置情報を送信する。なお、送信蓄積処理部414は、位置情報を蓄積するバッファを具備する。また、送信蓄積処理部414は、送信指示を受け付ける手段を具備する。送信指示を受け付ける手段とは、例えば、ユーザの送信指示を受け付けるボタンである。さらに、送信蓄積処理部414は、位置情報を送信するための送信手段を具備する。送信手段は、無線通信手段が好適である。
以下、電子ペンの具体的な処理について説明する。図5は、ユーザが、電子ペンを用紙上に走らせて、文字や図形等を手書きしている際に、ドット識別部408が識別したドットの例を示す。なお、ドット識別部408がドットを識別するまでには、上述したように、光源403から光を照射し、イメージセンサ406が写したドットをイメージ読取部407で読み取り、ドット識別部408がドットを識別する等の処理が行われる。
図5における破線は、電子ペンが有する仮想的な座標軸である。本座標軸の原点は、ペン軸401の先端であり、Y軸はペン先端から伸びるイメージセンサ406の垂直軸である。ペンから遠ざかる方向をY軸の正方向にする。そのY軸に直角な直線がX軸である。Y軸の正方向を見たときの右方向をX軸の正方向とする。電子ペンは用紙に対して傾き、かつ回転しているので、図5に示すように4進数ドットパターンは正方格子としてドット識別部408は認識しない。図5には、4進数ドットのラスタ原点からのずれが分かるように、仮想的なラスタを示している。4進数マトリクスは、当該マトリクスのXマトリクスがオール0の列を必ず有している。図41、図42から明らかなように、オール0の列の4進数ドットは一直線に並んでいる。オール0の列のドットは、必ず垂直方向のラスタ上にあるからである。図5に太線で示すラスタLが、4進数ドットが一直線上に並んでいることを示す直線である。
垂直ラスタ識別部409は、ドット識別部408が認識したドット群から、一直線に並んでいるドットを識別する。垂直ラスタ識別部409が一直線に並んでいるドットを識別するアルゴリズムは問わない。垂直ラスタ識別部409は、例えば、あるドットを第一の原点にして、ほぼ格子の幅(例えば、0.3mm)だけ離れたドットを探し、その点を第二の原点にして、さらにほぼ格子の幅だけ離れたドットを探す。そして、3つのドットが直線上に並んでいるかどうか判断し、直線上に並んでいれば、3点目のドットを原点にして直線上の次のドットを探す。そして、所定の数以上、ドットが直線上に並んでいることを確認した場合に、その直線はラスタLである。所定の数のドットが直線上に並んでいなければ、第一の原点を他のドットにして、上記の処理を繰り返す。以上により、必ず、ラスタLを識別できる。そして、電子ペンの座標原点からその直線Lに下ろした垂線の足の座標を(a,b)とする。
図6は、図5の電子ペンの座標軸と用紙の座標軸との関係を示す図である。(X,Y)座標軸は、図5に示した電子ペンの座標軸である。(x,y)座標軸は、用紙の座標軸である。用紙のx軸と、電子ペンのX軸が成す角度をSとすると、このSを0にするように、(x,y)座標軸を回転させると回転補正ができる。つまり、回転補正部410は、以下の処理を行う。
Figure 2005173672
回転補正部410は、数1の関係を利用し、
Figure 2005173672
回転補正部410は、数2に示す座標変換を行う。数2に示す座標変換処理により、回転補正ができる。
図7は、ラスタLとy軸との関係が、図6に示す関係とは異なる場合における座標回転を説明する図である。図7(a)は、ラスタLが電子ペンのペン軸401の先端を通る場合である。かかる場合、ペン軸401の先端、つまり、電子ペン座標軸(X,Y)の原点を通るラスタLの垂直線を引くと、かかる垂直線は、用紙座標のx軸になる。そのxの正の部分の適当な点を(a,b)とする。
図7(b)は、ラスタLが用紙座標のx軸の負の部分と交わる場合である。かかる場合、垂直の足を(−a.−b)とし、a,bを正にすれば良い。
一方、用紙と電子ペンの回転が図5と逆方向の場合は、図6、図7において、電子ペン座標のY軸の正の方向に見て、X軸の正の方向が左側にくるようにX軸の正の方向を採ることにより、図6に示す座標回転をそのまま使用できる。このとき、用紙座標のx軸も図6、図7と逆向きにとる。以上のように、回転補正部410が回転補正を行う。
次に、ラスタ復元部411は、ラスタ復元を行う。以下、その方法を図8から図12を用いて説明する。図8(a)は、回転補正後のラスタの状況を示す。図8(a)において、回転補正後の、Xマトリクスがオール0の列に相当するラスタL上で最もX軸に近い4進数ドットPと、それを足とする垂線の近傍でY軸に近い6ドットを示す。参考のため、図8(a)には仮想的なラスタを描いている。これらのラスタを復元する方法を、以下に説明する。まず、図8(b)に示すように、まずラスタLに垂直でX軸に最も近いラスタを復元する。このため、図9のフローチャートを用いて、ラスタ復元部411が、図8(b)の6つのドットを探す方法を説明する。
(ステップS901)電子ペン座標のY軸方向のラスタL上またはその近傍のドットPの中心のアドレスを(c,d)と置く。「ドットPの中心」とは、ドットには幅があることを示す。
(ステップS902)i,jに1をセットする。
(ステップS903)(c+i,d),(c+i,d+j),(c+i,d−j)に黒いドットがある(ドットの一部である)か否かを判断する。それが、ドットPの一部ではなく((c,d)から連続する黒いドットではなく)、黒いドットがあればステップS904に行き、黒いドットがなければステップS905に行く。
(ステップS904)黒いドットのアドレスを記憶する。
(ステップS905)iとjが等しいか否かを判断する。iとjが同じ値であればステップS906に行き、iとjが異なればステップS910に行く。
(ステップS906)iが10であるか否かを判断する。iが10であればステップS907、iが10でなければステップS911に行く。
(ステップS907)ステップS904で記憶したドットのアドレスから、jが最小のアドレスの中で、iが最小のアドレスを選択する。
(ステップS908)ステップS907で選択したアドレスに連続するアドレスを残し、他は棄却する。
(ステップS909)ステップS908で残したアドレス群の中心を、Pの一つ左側のドットのアドレスとしてセットする。
(ステップS910)jを1インクリメントする。ステップS903に戻る。
(ステップS911)iを1インクリメントする。jに1をセットする。ステップS903に戻る。
なお、図10に、基準点P(c,d)から次の点を探索する範囲を示す。探索する範囲は、(c,d),(c+10,d−10),(c+10,d+10)で形成される三角形の範囲である。
図9のフローにおける動作を、次は、Xの負方向に適用する。そのためには、図9のフローにおいて、「c+i」を「c−i」に変えればよい。そうすれば、Pの一つ右のドットを見つけることができる。次に、新たに見つけたドットを起点にして、その右側のドットを見つける。かかる操作を再帰的に繰り返して、図8(b)に示す6個のドットを見つける。
次に、この6個のドットのラスタを復元する処理に移行する。
図11は、ラスタ復元部411が、ラスタLに垂直な水平ラスタの復元を行う処理について説明するフローチャートである。
(ステップS1101)ラスタ復元部411は、ラスタL上でX軸に最も近い4進数ドットPを選ぶ。
(ステップS1102)ラスタ復元部411は、Pを足にラスタLの垂線の近傍の4進数ドットのうち、Y軸に近い6個(Pを含む)を見つける。なお、ラスタL上の4進数ドットPを選定(ステップS1101)し、それを足にした垂線に近い6ドットを見つける(ステップS1102)方法について、図9のフローチャートを用いて、既に説明した。
(ステップS1103)iに1を代入する。
(ステップS1104)ラスタ復元部411は、P(またはR)以外の5個のドットの一つであるi番目のドットをQとし、P(またはR)とi番目のQを結ぶ。
(ステップS1105)ラスタ復元部411は、他の4つのドットが直線PQ(またはRQ)の一方の側のみにあり、直線との距離が1種類であるか否かを判断する。直線との距離が1種類であればステップS1106に行き、直線との距離が1種類でなければステップS1107に飛ぶ。
(ステップS1106)ラスタ復元部411は、直線PQ(またはRQ)を仮のラスタとする。処理を終了する。
(ステップS1107)ラスタ復元部411は、直線との距離が2種類であるか否かを判断する。直線との距離が2種類であればステップS1108に行き、直線との距離が2種類でなければステップS1111に飛ぶ。
(ステップS1108)ラスタ復元部411は、距離の近いドットが2つ以上あるか否かを判断する。距離の近いドットが2つ以上あればステップS1109に行き、距離の近いドットが2つ以上なければステップS1110に飛ぶ。
(ステップS1109)ラスタ復元部411は、2つ以上のドットを結ぶ直線をラスタとする。処理を終了する。
(ステップS1110)ラスタ復元部411は、直線をそのドット上にくるまで平行移動し、ラスタを構成する。処理を終了する。
(ステップS1111)ラスタ復元部411は、iが「5」であるか否かを判断する。iが「5」であればステップS1112に行き、iが「5」でなければステップS1113に飛ぶ。
(ステップS1112)ラスタ復元部411は、PをラスタL上にない他のドットRにする。ステップS1104に戻る。
(ステップS1113)iを1インクリメントする。ステップS1104に戻る。
以上のように、ラスタ復元部411は、ラスタL、およびラスタLに垂直な水平ラスタまたは仮のラスタを見つける。そして、次に、ラスタ復元部411は、他の5本の水平方向のラスタまたは仮のラスタを復元する。つまり、ラスタ復元部411は、ラスタLに沿ってY軸の正方向に、次の4進数ドットを足にした水平方向ラスタ、さらにその次の4進数ドットを足にした水平方向ラスタ、という具合にラスタLを中心に水平方向の6本のラスタまたは仮ラスタを復元する。かかる方法は、すべて、図9や図11のフローチャートで説明した方法により行う。
図11のフローにおいて、水平方向の仮のラスタが存在する場合は、図12の2つの場合しかない。第一の場合は、ドットPの値が1または3のいずれかである。今、ドットPの値が1であると仮定する。P,Qが1で、他の4ドットの値が2または4の場合を図12(a)に示す。第二の場合は、PとQが1で、他の4ドットの値が1または3の場合である。Yマトリクスの行方向は、図1に示すように23ビットシーケンスに従うので、0にしても1にしても4連続が最長である。したがって、連続する6ドットの中には、Yが0の場合が2ドット、Yが1の場合が2ドット、必ず存在する。それらのXがすべて0であっても、値1のドットも値3のドットも2個は存在することになるので、それが図12(b)の場合に相当する。Xマトリクスの相当する行に1が存在すると、4進数ドットは値2か値4になるので、図12(b)の場合は生じない。したがって、仮のラスタであるとすれば、図12(a)の場合である。図12(a)において、値2、または値4のドットを結ぶ直線がラスタの候補になり、PおよびQへの距離が同じなので1種類になるが、実はこの場合は生じない。図11において、まず、Pを中心にして他の5ドットをQの候補にするので、先に図12(a)の場合が生じるからである。図12(a)(b)の場合は、この段階では、仮のラスタとして、次の垂直方向のラスタ復元の処理について説明する。
図13は、ラスタ復元部411が、ラスタL以外の垂直方向のラスタを復元する処理について説明するフローチャートである。
(ステップS1301)ラスタ復元部411は、X軸に最も近い水平方向のラスタまたは仮ラスタをMとする。そして、ラスタ復元部411は、ラスタMの上または近傍の4進数ドットUを選ぶ。
(ステップS1302)ラスタ復元部411は、4進数ドットUを足にしたラスタMの垂線上で、水平方向ではY軸に近い(垂直方向ではY軸の正側でX軸に近い)6個(Uを含む)の4進数ドットを見つける。
(ステップS1303)iに1を代入する。
(ステップS1304)ラスタ復元部411は、U(またはW)と他のドットのうちのi番目の一つのドットVを結ぶ。
(ステップS1305)ラスタ復元部411は、他の4つのドットが直線UV(またはWV)の一方の側のみにあり、直線との距離が1種類であるか否かを判断する。直線との距離が1種類であればステップS1306に行き、直線との距離が1種類でなければステップS1307に飛ぶ。
(ステップS1306)ラスタ復元部411は、直線UV(またはWV)を仮のラスタとする。処理を終了する。
(ステップS1307)ラスタ復元部411は、直線との距離が2種類であるか否かを判断する。直線との距離が2種類であればステップS1308に行き、直線との距離が2種類でなければステップS1311に飛ぶ。
(ステップS1308)ラスタ復元部411は、距離の近いドットが2つ以上あるか否かを判断する。距離の近いドットが2つ以上あればステップS1309に行き、距離の近いドットが2つ以上なければステップS1310に飛ぶ。
(ステップS1309)ラスタ復元部411は、2つ以上のドットを結ぶ直線をラスタとする。処理を終了する。
(ステップS1310)ラスタ復元部411は、直線Mをそのドット上にくるまで平行移動し、ラスタを構成する。処理を終了する。
(ステップS1311)ラスタ復元部411は、iが「5」であるか否かを判断する。iが「5」であればステップS1312に行き、iが「5」でなければステップS1313に飛ぶ。
(ステップS1312)ラスタ復元部411は、Uを直線M上にない他のドットWにする。ステップS1304に戻る。
(ステップS1313)iを1インクリメントする。ステップS1304に戻る。
以上のように、ラスタ復元部411は、水平方向、垂直方向の6本のラスタまたは仮ラスタを復元する。次に、電子ペンのカメラ部で読み取ったドットを値に変換するために、仮ラスタを真のラスタにすることが必要である。まず、復元された水平方向のラスタでLとの交点が4進数ドットでないものは真のラスタである。この真のラスタを一つ選び、それと復元された垂直方向ラスタの交点を調べる。交点が4進数ドットのものは、すべて仮ラスタである。かかる状況を図14に示す。図14において、対応するXマトリクスの列がオール1にはならないので、垂直方向のラスタに沿って必ず値1または値3のドット、つまり、ラスタ原点の上または下にずれたドットが存在する。したがって、垂直方向の仮のラスタ上にない点はすべて値2か値4であると結論できる。なぜなら、図12(a)では、交点は値1であるが、もし値3のドットがあれば、図13のフローが示す手順で、2種類の距離に分類されるので、真のラスタが見つかっているはずである。図14(b)の場合も同様である。図14(a)では仮のラスタを右に、図14(b)では仮のラスタを左に平行移動し、値1か3のドットの上を通るように修正すれば、真のラスタになる。このようにすべての垂直方向のラスタが真のラスタになる。次に、垂直方向の真のラスタの一つとの交点が4進数ドットになっている水平方向ラスタはすべて真でないことがわかる。その仮のラスタに沿うドットで垂直方向ラスタ上にないドット(それは値2か値4)を見つけ、そこまで仮のラスタを平行移動させると真のラスタを得ることができる。この方法が適用できないのが図12(b)の場合である。しかし、かかる場合、2つに分類されるドットを結ぶ直線のちょうど中間にある直線が真のラスタである。
最後に残るのは、復元されたすべての水平方向のラスタとLとの交点が4進数ドットになっている場合である。水平方向の仮ラスタ上の4進数ドットで、その上にない4進数ドットは、必ず、値2または値4である。その近傍の仮ラスタをそのドットの上にくるまで平行移動すれば、水平方向の真のラスタが得られる。
ラスタLまたはそのXマトリクスのオール0の列に対応する垂直方向のラスタについて、垂直方向のラスタをたどっても、真の水平方向ラスタが得られない場合がある。その例を図15に示す。図15において、4進数ドットは真の値を示すが、この状態で落ち着いてしまうと、値4が値3に化け、値3が値2または値4に化け、値2が値3に化けてしまうことになる。つまり、上から1番目、3番目、4番目、6番目の仮ラスタを値3のドット上まで平行移動し、2番目、5番目の仮ラスタを値2または値4のドットとの中間まで平行移動させて真のラスタを得るのである。これを脱却するには、1,3,4,6番目のラスタの移動が2,5番目のラスタの移動に対して、距離が1/2であるべきなのに、逆に2倍になっている。図8に示すように、傾き補正をせずに、ラスタ復元をするには、かかる距離の比較は避けるべきである。ただし、出現頻度は少ないが、距離の比較が必要な場合もあり、距離比較手段を用意しておく必要もある。
以上のように、ラスタ復元部411は、ドット識別部408が識別したドット群と回転補正部410における補正に基づいて、ラスタを復元する。
そして、4進マトリクス復元部412は、ドット識別部408が識別したドット群とラスタ復元部411が復元したラスタに基づいて、ドットがラスタに対してずれている方向を検知し、ドットの値を求め(図41参照)、かかる値から4進マトリクスを復元する。4進数マトリクスは、X軸、Y軸に近い5×5のマトリクスを選定する。
アドレスコマンド認識部413は、下記の実施の形態で詳細に説明するように、Xマトリクスのオール0の列の数により、通常位置マトリクス、実時間位置マトリクス、IDコマンドマトリクス、通常コマンドマトリクスを識別し、位置マトリクスの場合は、Xアドレス、Yアドレス(位置情報)を復元する。その後、通常位置マトリクスか実時間位置マトリクスかによって、送信蓄積処理部414は、位置情報を蓄積したり、直ちに送信したりする。なお、送信する場合、送信蓄積処理部414は、所定のバッファに蓄積されている位置情報やコマンドやIDなどをすべて送信し、所定のバッファの情報を消去する。
また、4進マトリクス復元部412がドット識別部408の識別したドット群とラスタ復元部411が復元したラスタに基づいて4進マトリクスを得て、アドレスコマンド認識部413が4進マトリクスに基づいて1以上の位置情報を取得する。そして、送信蓄積処理部414は、アドレスコマンド認識部413が認識した1以上の位置情報を蓄積したり、送信したりする。なお、1以上の位置情報を取得するまでの方法の詳細については、以下の実施の形態2において説明する。
以上、本実施の形態によれば、電子ペンは、簡単に当該用紙の垂直方向を取得でき、その結果、用紙の傾き補正や回転補正、ラスタ復元などの処理が容易にできる。したがって、電子ペンにおける、データ処理量が少なくて済み、その結果、電子ペンが具備するCPUは、それほどの処理能力を要せず、電子ペンの電力消費量が少なくなったり、リアルタイムな手書き文字の処理も可能になったりする。なお、リアルタイムな手書き文字の処理については、実施の形態2で詳述する。
なお、本実施の形態において、用紙の垂直方向にドットが直線上に並ぶ場合について説明したが、用紙の水平方向にドットが直線上に並ぶ態様に4進数ドットパターン、ドットに対応するX,Yの値、ビットシーケンス等を決めても良い。つまり、電子ペンでドットパターンを読み、直線上に並ぶドットパターンを検知し、用紙の方向を決定する電子ペンであれば良い。
また、本実施の形態において、ペン軸401、第一のレンズ402、光源403、タイミング制御部404、第二のレンズ405、イメージセンサ406、イメージ読取部407、ドット識別部408、垂直ラスタ識別部409、回転補正部410、ラスタ復元部411、4進マトリクス復元部412、アドレスコマンド認識部413、送信蓄積処理部414のすべての構成が必須ではない。実施の形態における電子ペンは、用紙上のドットパターンを読み取り、当該ドットパターンから直線上に並ぶドット群を識別し、当該ドット群から前記用紙の方向を決定し、当該決定した方向に対応するように前記ドットパターンの位置を補正し、当該補正したドットパターンの位置に基づいて位置情報を取得し、出力する電子ペンであれば良い。つまり、用紙上のドットパターンを読み取る手段は何でも良い。また、直線上に並ぶドット群は垂直であるとは限らない。一方向に並ぶドット群であれば良い。さらに、補正したドットパターンの位置に基づいて位置情報を取得するアルゴリズムや、位置情報を出力するタイミングや出力手段等は、問わない。また、出力手段は、通常は、送信手段であるが、情報を記録媒体に蓄積する蓄積手段であっても良い。出力手段が蓄積手段である場合は、例えば、記録媒体を経由して情報が他の情報処理装置で処理できる状態となる。なお、取得する位置情報は、通常、2以上の位置情報である。
さらに、本実施の形態における電子ペン内の一部の処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における電子ペン内の一部の処理を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータに、用紙上のドットパターンを読み取るステップと、当該ドットパターンから直線上に並ぶドット群を識別するステップと、当該ドット群から前記用紙の方向を決定するステップと、当該決定した方向に基づいて前記ドットパターンの位置を補正するステップと、当該補正したドットパターンの位置に基づいて位置情報を取得するステップと、当該取得した位置情報を出力するステップを実行させるためのプログラム、である。
(実施の形態2)
本実施の形態において、用紙上のマトリクスを工夫して、電子ペンが取得した情報をリアルタイムに他の情報処理装置に送信する場合と、情報を一時蓄積する場合の両方の場合がある態様について説明する。つまり、用紙は、第一ドットパターンと第二ドットパターンを有する。第一ドットパターンにより構成されるマトリクスを、通常位置マトリクスという。電子ペンは、用紙上の第一ドットパターンを読み込んだ場合、かかる領域に記載された情報から構成される位置情報を電子ペンに一時蓄積し、送信指示を受けることにより、他の情報処理装置に送信する。また、第二ドットパターンにより構成されるマトリクスを、実時間位置マトリクスという。電子ペンは、用紙上の第ニドットパターンを読み込んだ場合、かかる領域に記載された情報から構成される位置情報をリアルタイムに他の情報処理装置に送信する。
なお、通常位置マトリクスの例は、実施の形態1で述べた。本実施の形態では、実時間位置マトリクスの例を中心に説明する。
図16は、実時間位置マトリクスのXマトリクスの構成を示す。図16(a)は、実時間位置マトリクスのXマトリクスの列の配列である。図16(a)に示すように、Xマトリクスの隣接する5列には、オール0の列が必ず2つ入っている。図16(a)において、T,T,Tは、0から22までの値を採る。実時間位置マトリクスのYマトリクスは、通常位置マトリクスのYマトリクスと同じであり、図4に示す。
図16のように実時間位置マトリクスを構成すると、用紙上に、直線上に並ぶドットパターンの列があり、電子ペンは、その直線上に並ぶドットパターンによって用紙の垂直方向を容易に判断できる。
図17は、図16の実時間位置マトリクスと、通常位置マトリクスが混在した用紙上に記載された手書き文字等の情報を取得して、送信する電子ペンのブロック図である。
本電子ペンのイメージ読取部407は、用紙のドットパターンを読み取り、電子ペンのドット識別部408は、1以上のドットを識別する。そして、上述したように、垂直ラスタ識別部409は垂直のラスタを検知し、回転補正部410は回転補正を行い、ラスタ復元部411はラスタを復元する。次に、4進マトリクス復元部412は、4進マトリクスを復元する。そして、アドレスコマンド認識部1713は、4進マトリクス復元部412が復元した4進マトリクスからXマトリクスの値を取り出し、Xマトリクスのオール0の列の数に基づいて、実時間位置マトリクスであるか、通常位置マトリクスであるかを判断し、当該判断結果により、送信蓄積処理部1714に算出した位置情報を即座に送信するか、一時蓄積するか指示する。送信蓄積処理部1714は、当該指示に従った、位置情報の送信または、蓄積を行う。
詳細には、アドレスコマンド認識部1713は、4進マトリクス復元部が得た4進マトリクスに基づいて1以上の位置情報を取得し、かつ前記4進マトリクスが実時間位置マトリクスか通常位置マトリクスかを識別する。つまり、アドレスコマンド認識部1713は、4進マトリクス復元部412が得た4進マトリクスに基づいて、1以上の位置情報を取得し、当該位置情報が実時間位置マトリクスからの位置情報であるか、通常位置マトリクスからの位置情報であるかを判断する。アドレスコマンド認識部1713は、例えば、Xマトリクスの任意の連続する5列の中にオール0の列が2列存在すると判断した場合に、実時間位置マトリクスであると判断する。また、アドレスコマンド認識部1713は、例えば、Xマトリクスの任意の連続する5列の中にオール0の列が1列存在すると判断した場合に、通常位置マトリクスであると判断する。アドレスコマンド認識部1713は、通常、CPUと、ROM等に格納されているソフトウェアで実現され得るが、ハードウェア(電子回路)で実現されても良い。なお、アドレスコマンド認識部1713は、連続する5列の中にオール0の列の数に基づいて、マトリクスが実時間位置マトリクスか通常位置マトリクスかを判断すれば良い。オール0の列が1列存在すると判断した場合に通常位置マトリクスであると判断することは、判断方法の一例である。
送信蓄積処理部1714は、4進マトリクスが実時間位置マトリクスである場合に、前記1以上の位置情報を直ちに送信し、前記4進マトリクスが通常位置マトリクスである場合に、前記1以上の位置情報を蓄積する。なお、送信蓄積処理部1714が情報を送信する送信先を示す情報は予め保持している。かかる送信先を示す情報は、例えば、予め決められた情報処理装置のIPアドレスやメールアドレスや電話番号やMACアドレス等である。
以下、アドレスコマンド認識部1713がアドレスを復元する方法について説明する。かかるアドレス復元方法は、他の符号が付与されたアドレスコマンド認識部も同様の動作を行う。
位置マトリクスにおいて、アドレスの復元方法を説明する。まず、4進マトリクス復元部412により5×5の位置マトリクスが復元されると、それをXマトリクスとYマトリクスに分ける。そして、アドレスコマンド認識部1713は、以下のような処理を行う。なお、位置マトリクスをXマトリクスとYマトリクスに分ける方法については、上述した。
まず、Yマトリクスでは、後の行から前の行を引くやり方で行間の差分をとる。この差分の計算は、後の行から前の行を引いた差を23で割った余りを算出することにより求める(23を法として行う)。その結果、値は0から22までのいずれかの値となる。図3のYマトリクスの配列から明らかなように、4つの差分のうち1つは、0から5までの値をとるので、それがSである。すると、そのSを基準として、S,Sが取得できる。
用紙の大きさが、A4判、A3判またはA2判横位置の場合は、Yマトリクスから得られたS,S,Sが、その順序になっていない場合は、図3(b)の配列順からSを先頭に、S,S,Sとそれに続く3数字が計算できる。例えば、Yマトリクスから「S=7,S=w,S=0,S=6」が、その順序で得られた場合、「S=0」を先頭にすると、S,S,S,Sが、それぞれ「0,6,7,w」であることが、図3(b)から分かる。なお、「w」は無意味な数であることを示す。
次に、図3(b)から、最初の(0,6,6,w)の組を1と数えると、(0,6,7,w)は103番目になることが分かる。
この103番目という値は、式「S+(S−6)×6+(S−6)×17×6+1」から求めることができる。つまり、「(0+(6−6)×6+(7−6)×17×6+1)=103」である。
この数字「103」をPとすると、(0,6,7,w)に相当するYマトリクスの第1行は、図3(a)の配列において、第(4P−3)行に相当するので、この場合は、第409行になる。これから、元の行間差分(7,w,0,6)のときのYマトリクスの第1行は、第(4P−5)行、すなわち第407行であることが計算できる。かかる計算により、位置マトリクスのYアドレスが復元できる。
次に、アドレスコマンド認識部1713が、Xアドレスを復元する方法について説明する。
例えば、Xマトリクスが、「T=7,T=1,T=w,T=22」として、得られたとする。Xマトリクスの列の配列は、最初の5ビットの値が図2(a)に示す値になる。それに続く数字は、図1の23ビットシーケンスにしたがって並んでいる。逆に、この(7,1,w,22)を最初の5ビットに戻す必要がある。
これは、Yマトリクスの第1行が第407行である、と計算されているので、406(原点が0であるので、407ではなく、406である。)を23で割った余りを求める(23を法として差し引く)。この余りは、15であり、この15を(7,1,w,22)から引くとXマトリクスが求まる。すると、Xマトリクスは、(15,9,w,7)になる。すると、図2(a)のT,T,Tの組が7,15,9であることが分かり、その順番は、「T+T×23+T×23×23+1」により算出できる。この例では、アドレスコマンド認識部1713は、順番を5114番目と算出する。
この用紙がA4判の場合は、Tは0か1であるので、「T=9」は5ページ目を意味する。したがって、5ページ目の用紙内では、5114番目は、「(T+T×23+1×23×23+1)=882番目」となる。これは、(7,15,9、w)なるXマトリクスの第1行は、第{(882−1)×5+1}行、すなわち、第4405行になる。すると、元の(15,9,w,7)に対応するXマトリクスの第1行は4406行になり、これがXアドレスとなる。したがって、Xマトリクス「T=7,T=1,T=w,T=22」として得られた本例の場合、アドレスコマンド認識部1713は、Xアドレスを「4406」と復元する。
以上、A4判を中心にアドレス復元の方法について述べたが、他の大きさの用紙についても、A4判の復元方法と同様の方法で、アドレスを復元できることは言うまでもない。
また、かかる用紙、電子ペンのアドレス復元方法によれば、用紙の左上隅などの座標の原点からの相対位置情報が、直に取得でき、電子ペンにおける情報処理の負荷が少なくて済む。上述した用紙において、用紙上の所定の矩形領域におけるドットパターンが、矩形領域の座標原点からの相対的位置が当該ドットパターンのみから得られように構成されたドットパターンである。また、電子ペンのアドレスコマンド認識部が取得する位置情報は、矩形領域の座標原点からの相対的位置を示す情報である。
なお、通常位置マトリクスにおいて、Tの使い方は種々あり得る。紙の種類をできるだけ自動的に検出したいときは、Tの0から22の値ごとに、紙種別を指定する。
例えば、T=0,1,2は総務部の用紙、T=3,4,5,6,7は経理部の用紙という具合に割り当て、アドレスコマンド認識部1713は、Tの値により、用紙種別を取得する。なお、かかる場合、アドレスコマンド認識部1713は、Tの値と用紙種別を示す情報を対応付けて保持している。また、電子ペンでかかる処理をする必要もなく、電子ペンから、Tの値を含む情報を受信した情報処理装置が用紙の種別を識別しても良い。
また、Tの値により、用紙の大きさを特定しても良い。例えば、Tが0から11まではA4判、12から15まではA3判、という具合に定めておいても良い。かかる場合、アドレスコマンド認識部1713は、Tの値により用紙の大きさを判断できる。そして、ユーザは、用紙を使う場合に、用紙の大きさを指定する領域(用紙上のコマンド領域)に、電子ペンで触れる必要がなく、便利である。
さらに、Tは、ページ数の規定(ページ数の拡大)にも利用できる。A4判の場合は、図18(a)にあるように、Tによって11ページまでアドレスをふることができる。これにTが加われば、Tは0から22の値をとり得るので、TとTにより「11×23=253ページ」まで定義することができる。したがって、アドレスコマンド認識部1713は、TとTの値を取得し、用紙のページ数を得ることができる。
なお、実時間位置マトリクスは、Tがないが、Tの位置がオール0になっているので、T,T,Tは、通常位置マトリクスと連続することができる。
次に、通常位置マトリクスと実時間位置マトリクスのXアドレスの決め方について、説明する。
まず、使用する用紙の大きさによって、必要とするアドレス容量が変化するので、用紙の大きさを規定しなければならない。ここでは、用紙の大きさの標準(デフォルト値)をA4判とし、特に、用紙指定がない限り、その用紙はA4判であるとみなす。
図18は、位置マトリクス(通常位置マトリクスと実時間位置マトリクスを含む)のXアドレスについて説明するための図である。図18において、用紙の大きさとページ数を考慮している。A4判のXアドレスは、図3および図16におけるT,T,Tを用いて、図18(a)に示すように規定する。ただし、[T]は、0または1とする。[T]は、Tが偶数または0の場合は0であり、奇数の場合は1である。この[T]は、Tから偶数2Pを差し引いて負数にならない限界の値とする。かかることが、Tが偶数の場合は0であり、奇数の場合は1であることを示す。このときのPを、A4判用紙のページ番号として利用する。ページ番号は、0から10までの11種類になる。
なお、通常位置マトリクスの場合は、さらにTがあるので、「11×23=253」通りのページ番号が利用できる(17ページから2537ページまで付与できる)。また、実時間位置マトリクスにおいて、Tは0であるので、Tを利用できず、したがって、ページ番号として利用できるのは11種類(11ページまで)である。
また、A4判の横の辺(長い方の辺)は、A3判の縦の辺(短い方の辺)と同じであるので、図18(a)は、A4判の横位置のXアドレスと、A3判の縦位置のXアドレスについて説明する式となる。つまり、当該Xアドレスは、式「(T+1)+23×T+23×[T]」から算出する。
次に、A3判以上の大きさを有する用紙の用紙種別の判別方法と、Xマトリクスの値の算出方法について説明する。A3判以上の大きさを有する用紙の用紙種別と、それが縦位置か横位置かの情報は、コマンドマトリクスを用いて識別する。つまり、例えば、用紙の左上隅にコマンド領域を設け、紙種別コマンドを予め特殊用紙に印刷しておく。その用紙を利用するときは、まず、電子ペンで、用紙に対応する紙種別の欄をチェックすることによって、用紙のアドレスの使い方を指定する。ユーザが電子ペンで、当該欄をチェックしない場合は、電子ペンは、当該用紙がA4判用紙であると判断して、動作する。
次に、A3判の横位置のXアドレスと、A2判の縦位置のXアドレスの決め方について、図18(b)を用いて説明する。図18(b)に示すように、Tの値の未使用分は、A4判の場合と同様に、ページ番号として用いる。なお、通常位置マトリクスの場合は、図18(a)と同様、さらにTを考慮してページ番号を付与できる。図18(b)において、[T]は、Tが0または3の倍数の場合は0であり、Tが3の倍数に1を加えた値である場合は1であり、Tが3の倍数に2を加えた値である場合は2である。つまり、[T]は、0,1,2の3通りの値を取り得る。Tは、上述したように、0から22の23通りの値であるので、Tの未使用分は、「23−3=20通り」であり、「20通り」の値の中で、「0,1,2」のセットが6通り、取り得る。したがって、Tを利用して7通りのページを識別できる。つまり、実時間位置マトリクスは、7ページまで付与できる。また、通常位置マトリクスは、Tを利用できるので、「7×23=161ページ」の指定ができる。また、図18(a)と同様、Xアドレスは、式「(T+1)+23×T+23×[T]」から算出する。
次に、図18(c)は、A2判横位置またはA1判縦位置のXアドレスの算出式等を示す。図18(c)において、[T]は、Tが0または4の倍数の場合は0であり、Tが4の倍数に1を加えた値である場合は1であり、Tが4の倍数に2を加えた値である場合は2であり、Tが4の倍数に3を加えた値である場合は3である。つまり、[T]は、0,1,2,3の4通りの値を取り得る。Tは、上述したように、0から22の23通りの値であるので、Tの未使用分は、「23−4=19通り」であり、「19通り」の値の中で、「0,1,2,3」のセットが4通り、取り得る。したがって、Tを利用して5通りのページを識別できる。つまり、実時間位置マトリクスは、5ページまで付与できる。また、通常位置マトリクスは、Tを利用できるので、「5×23=115ページ」の指定ができる。また、図18(a)と同様、Xアドレスは、式「(T+1)+23×T+23×[T]」から算出する。
同様に、図18(d)に、A1判横位置またはA0判縦位置のXアドレスの算出式等を示す。図18(d)において、[T]は、Tが0または5の倍数の場合は0であり、Tが5の倍数に1を加えた値である場合は1であり、Tが5の倍数に2を加えた値である場合は2であり、Tが5の倍数に3を加えた値である場合は3であり、Tが5の倍数に4を加えた値である場合は4である。つまり、[T]は、0,1,2,3,4の5通りの値を取り得る。Tは、上述したように、0から22の23通りの値であるので、Tの未使用分は、「23−5=18通り」であり、「18通り」の値の中で、「0,1,2,3,4」のセットが3通り、取り得る。したがって、Tを利用して4通りのページを識別できる。つまり、実時間位置マトリクスは、4ページまで付与できる。また、通常位置マトリクスは、Tを利用できるので、「4×23=92ページ」の指定ができる。また、図18(a)と同様、Xアドレスは、式「(T+1)+23×T+23×[T]」から算出する。
最後に、図18(e)に、A0判横位置のXアドレスの算出式等を示す。図18(e)において、[T]は、Tが0または6の倍数の場合は0であり、Tが6の倍数に1を加えた値である場合は1であり、Tが6の倍数に2を加えた値である場合は2であり、Tが6の倍数に3を加えた値である場合は3であり、Tが6の倍数に4を加えた値である場合は4であり、Tが6の倍数に4を加えた値である場合は5である。つまり、[T]は、0,1,2,3,4,5の6通りの値を取り得る。Tは、上述したように、0から22の23通りの値であるので、Tの未使用分は、「23−6=17通り」であり、「17通り」の値の中で、「0,1,2,3,4,5」のセットが2通り、取り得る。したがって、Tを利用して3通りのページを識別できる。つまり、実時間位置マトリクスは、3ページまで付与できる。また、通常位置マトリクスは、Tを利用できるので、「3×23=69ページ」の指定ができる。また、図18(a)と同様、Xアドレスは、式「(T+1)+23×T+23×[T]」から算出する。
次に、図19を用いて位置マトリクスにおけるYアドレスの決め方を説明する。用紙がA2判横位置およびA2判、A3判の場合は、S,S,Sを用い、それより大きい判は、S,S,SとSの一部を用いる。
図19(a)は、A4判、A3判、およびA2判横位置のYアドレスを算出する式を示す。図19(a)によれば、1662までのアドレスが決められる。図19(b)は、A2判縦位置と、A1判の縦および横位置、A0判横位置のYアドレスを示す。図19(b)において、[S−6]は、0または1のみが使用される。つまり、(S−6)が0または奇数の場合は、[S−6]は0であり、(S−6)が偶数の場合は、[S−6]は1である。さらに、図19(c)は、A0判縦位置のYアドレスを示す。図19(c)において、[S−6]は、0または1または2が使用される。つまり、(S−6)が0または3の倍数の場合は[S−6]は0であり、(S−6)が3の倍数に1加えた数の場合は[S−6]は1であり、(S−6)が3の倍数に2加えた数の場合は[S−6]は2である。
図19(a)によれば、A4判、A3判、およびA2判横位置のYアドレスにおいて、Sによって、17通りの識別ができる。Sは、6から22の値を取り得るからである。
また、図19(b)によれば、A2判縦位置と、A1判の縦および横位置、A0判横位置のYアドレスにおいて、8通りの識別ができる。(S−6)の使用分は、0,1(2つの数字)である。17通り(6から22)の数字の中に、未使用分(上記0,1以外)を含め、2つの数字は8パターン存在し得るからである。
同様に、図19(c)によれば、A0判縦位置のYアドレスにおいて、5通りの識別ができる。(S−6)の使用分は、0,1,2(3つの数字)である。17通り(6から22)の数字の中に、未使用分(上記0,1,2以外)を含め、3つの数字は5パターン存在し得るからである。
上記のSの値は、図18において述べたTと同様に、ページへの拡張のために用いる他、領域の識別に利用できる。例えば、図20のような用紙を設計することができる。図20の用紙は、IDスペース、認識部、手書き部、あて先部、コメント部を有する。IDスペースには、用紙のIDに相当するIDマトリクスの4進数マトリクスを示すドットパターンが印刷されている。そして、ユーザは、電子ペンで、当該「IDスペース」をチェックする。すると、電子ペンは、「IDスペース」のドットパターンからIDマトリクスであることを認識する。そして、電子ペンは、当該IDを情報処理装置に送信する。次に、情報処理装置は、IDを受信し、当該IDに対応するファイルを特定する。つまり、IDは、用紙を識別する情報として用いられる。具体的には、IDは、用紙に記載した手書き情報と、情報処理装置内の情報の一貫性を担保するために利用される。認識部は、電子ペンで記載された手書き文字が文字認識される(例えば、電子ペンの軌跡を示す位置情報の集合から文字コードに変換される)、ことを示す領域である。手書き部は、電子ペンで記載された手書き文字が手書き文字のまま処理される(例えば、電子ペンの軌跡を示す位置情報の集合として蓄積される)、ことを示す領域である。あて先部は、認識部や手書き部の領域に、電子ペンで記載された情報を伝達したい先(電子メールアドレスやURLやIPアドレスなど)が記載される領域である。例えば、あて先部に記載された情報を受信した情報処理装置が、当該情報を文字認識し、当該メールアドレスに宛てて、認識部や手書き部の領域に記載された情報を送信する。コメント部は、いわゆるコメント領域である。電子ペンで当該コメント部に情報が記載されても、電子ペンで記載された情報は何ら処理されず(位置情報に変換したり、外部装置に送信したりする処理はされず)、用紙の上だけに記載され状態となる。つまり、電子ペンは、コメント部であることを認識すれば、当該ドットパターンから得られる情報を破棄する。「破棄する」とは、ドットパターンから得られる情報を削除したり、利用しないメモリ領域に移動したりすること等を言う。
なお、図20は、Sの値により、領域が識別できる、という性質を利用して設計された用紙の一例である。認識部、手書き部、あて先部、コメント部に予め印刷しておく通常位置マトリクスのYマトリクスのSの値を領域に応じて異なる値にしておく。
図20の用紙において、XアドレスとYアドレスは、左上隅から右下隅まで連続させるが、YマトリクスのSによって、タイトルの後ろは第一の識別子(例えば、S=1)で識別される認識部、認識部の下の領域は第二の識別子(例えば、S=0)で識別される手書き部、その下の領域は第三の識別子(例えば、S=2)で識別されるあて先部、その下の領域は第四の識別子(例えば、S=3)で識別されるコメント部を配列する。かかるように、Yマトリクスを決めて、ドットを印刷した用紙を用意するのである。
次に、ユーザは、電子ペンを用いて、かかる用紙上に文字や図形等を記載する。すると、電子ペンは、かかる用紙のドットを読み取って、上述した処理等によりXマトリクス、Yマトリクスに分解し、Yマトリクスの値を得る。そして、Sの値も取得し、「S=0」の場合は、手書き文字のまま(例えば、軌跡を示す位置情報のまま)保持し、「S=1」および「S=2」の場合は文字認識し、「S=3」の場合は無視する(情報を捨てる)。そして、「S=2」の領域に記載され、文字認識された情報が示すあて先に「S=1」に記載された手書き情報と、「S=1」に記載され文字認識した情報を送信する。
なお、上記において、電子ペンは、コメント部に記載した情報を無視したが、電子ペンで保持していても良い。また、上記において、電子ペンは文字認識機能を具備したが、電子ペンでは、どの領域に記載された情報かを示すタグを、記載された情報に付与して、他の情報処理装置に送信しても良い。そして、他の情報処理装置が、受信したタグに基づいて、対応して受信した情報を文字認識するか、手書き文字のまま蓄積や送信をするのかを決定し、当該決定に従った処理を行っても良い。
以上、図20のような用紙と本実施の形態における電子ペンにより、Yマトリクスにおいて、Yアドレスに使用しない部分の別の目的に用いれば、用紙の領域を複数の意味の異なる領域に分けることができる。
以上、本実施の形態によれば、電子ペンで用紙上に記載した情報を、情報処理装置(例えば、パソコンなど)で確認できる。かかる処理により、情報処理装置が保持している情報と、電子ペンで記載した情報を合成して表示し、かつ、ユーザはかかる表示を見ることができる。かかることにより、例えば、ユーザが用紙上で見る文字、図形などと、情報処理装置の画面で見る文字や図形などが異なり、かつ、最終的な成果物が情報処理装置による合成結果である場合に、ユーザは電子ペンで記載した情報を用いた最終的な成果物を確認しながら、電子ペンで文字や図形等を記載できる。複数人が電子ペンを用いて、共同作業を行うグループウェアツールとして、かかる電子ペンおよび情報処理装置は有効である。
なお、上述した共同作業の概念図を図21に示す。この場合は、図16に記載した実時間位置マトリクスを印刷した用紙を用いる。図21において、電子ペンのユーザ「A」、ユーザ「B」、ユーザ「C」は、それぞれの自分の持分の絵を、電子ペンで用紙に記載する。そして、電子ペンは、リアルタイムで電子ペンの軌跡を示す位置情報を情報処理装置211に送信する。情報処理装置211は、ユーザ「A」「B」「C」の電子ペンからリアルタイムに位置情報を受信し、3つの位置情報を合成して、図形情報として図21に示すように表示する。3つの位置情報の合成とは、例えば、一の関連あるデータとして管理や蓄積や表示をすることである。具体的には、3つの位置情報を一のファイルに蓄積し、表示することである。
また、実施の形態によれば、用紙が、電子ペンで用紙上に記載した情報をリアルタイムに送信できる領域と、送信指示により電子ペンで用紙上に記載した情報を送信する領域の、2種類の領域を少なくとも有する。ユーザは、かかる電子ペンと図20の用紙を用いて、以下のアプリケーションが実現できる。例えば、図20の用紙の「あて先部」に電子メールアドレスを記載させ、「手書き部」にメッセージを記載させる。電子ペンは、「あて先部」に記載された電子メールアドレスを文字認識し、文字コードに変換し、当該電子メールアドレスが示す送信先に、「手書き部」のメッセージを送信する、というアプリケーションである。かかるアプリケーション、電子ペンによれば、手書きの暖かい感じを読み手に与える、メールシステムが構築できる。
なお、上記において、電子ペンが電子メールアドレスを文字認識することは必須ではなく、電子ペンが位置情報群を情報処理装置に送信し、情報処理装置が電子メールアドレスを示す位置情報群を受信し、文字認識し、当該文字認識した電子メールアドレスが示す送信先に、「手書き部」のメッセージを送信しても良い。かかる場合も、上記と同様に、手書きの暖かい感じを読み手に与える、メールシステムが構築できる。なお、情報処理装置は、電子ペンから、「認識部」に記載された電子メールアドレスを示す位置情報群と、「手書き部」に記載されたメッセージを示す位置情報群を受信する。
さらに、他のアプリケーションとして、以下のアプリケーションがある。本アプリケーションにおいて、図20の用紙の「あて先部」に電話番号を記載させ、「手書き部」にメッセージを記載させる。そして、電子ペンまたは情報処理装置で、手書きの電話番号を文字認識し、電話番号の数字列のコードに変換し、当該電話番号が示す送信先に、「手書き部」のメッセージ(位置情報群)を送信する。かかるアプリケーションも、「あて先部」と「手書き部」を有効に利用したアプリケーションである。つまり、電子ペンや他の情報処理装置が処理すべき情報を「認識部」に記載させ、人に伝達する情報を「手書き部」に記載させることにより、暖かい感じを与える手書きの情報と機械処理すべき情報を混在させた用紙、アプリケーションを提供できる。
なお、実施の形態において、通常位置マトリクスは、上記(図2、図3)の例に限られないことは言うまでもない。電子ペンが読み込んだドットパターンから取得できるXマトリクスまたはYマトリクスだけから、実時間位置マトリクスが他の領域のマトリクス(例えば、通常位置マトリクス)と区別できれば良い。つまり、実時間位置マトリクスに対応するドットパターンおよび通常位置マトリクスに対応するドットパターンが、それぞれのドットパターンを識別するだけで、実時間位置マトリクスに対応するドットパターンであるか、通常位置マトリクスに対応するドットパターンであるかが区別できるドットパターンが印刷された用紙であり、電子ペンは、かかる用紙から当該ドットパターンを読み取り、読み取ったドットパターンが示すマトリクスが実時間位置マトリクスであるか通常位置マトリクスであるかを判断し、かつドットパターンから1以上の位置情報を取得し、実時間位置マトリクスであると判断した場合は1以上の位置情報を直ちに送信し、通常位置マトリクスであると判断した場合は1以上の位置情報を蓄積する電子ペンである。
また、本実施の形態において、電子ペンは、上記した構成が必須ではない。つまり、電子ペンは、文字等の認識の精度は落ちるが、垂直ラスタ識別部409、回転補正部410、ラスタ復元部411などを具備しなくても良い。電子ペンは、上記の用紙から、当該ドットパターンを読み取り、読み取ったドットパターンが示すマトリクスが実時間位置マトリクスであるか通常位置マトリクスであるかを判断し、かつ前記ドットパターンから1以上の位置情報を取得し、前記実時間位置マトリクスであると判断した場合は前記1以上の位置情報を直ちに送信し、前記通常位置マトリクスであると判断した場合は前記1以上の位置情報を蓄積する電子ペンであれば良い。なお、電子ペンは、送信命令を受け付けた後、蓄積した位置情報を送信する。
さらに、本実施の形態における電子ペン内の一部の処理を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。コンピュータに、実時間位置マトリクスに対応するドットパターンおよび通常位置マトリクスに対応するドットパターンが、それぞれのドットパターンを識別するだけで、実時間位置マトリクスに対応するドットパターンであるか、通常位置マトリクスに対応するドットパターンであるかが区別できるドットパターンが印刷された用紙から、ドットパターンを読み取るステップと、前記読み取ったドットパターンに基づいて1以上の位置情報を取得するステップと、前記読み取ったドットパターンが示すマトリクスが実時間位置マトリクスであるか通常位置マトリクスであるかを判断するステップと、前記実時間位置マトリクスであると判断した場合は前記取得した1以上の位置情報を直ちに送信するステップと、前記通常位置マトリクスであると判断した場合は前記取得した1以上の位置情報を蓄積するステップを実行させるためのプログラムである。
(実施の形態3)
本実施の形態において、用紙上のマトリクスを工夫して、コマンドを記入する領域であるコマンドマトリクスを、上述した通常位置マトリクスや実時間位置マトリクスと区別する態様、および、コマンドマトリクスにおいても、2種類のコマンドマトリクスを用意する態様について述べる。2種類のコマンドマトリクスとは、IDマトリクスと、通常コマンドマトリクスである。IDマトリクスとは、例えば、用紙の識別情報(用紙のID)を取得できる領域である。また、通常コマンドマトリクスとは、電子ペンが予め決められたコマンド識別情報を保持しており、ユーザが電子ペンで当該通常コマンドマトリクス内に記載した情報から、電子ペンが内部でコマンド識別子を決定する。そして、電子ペンは、当該コマンド識別子を送信する。または、コマンド識別子に従ってコマンドを実行する(コマンド識別子を内部処理する)。
図22は、IDマトリクスのXマトリクスの構成を示す。図23は、通常コマンドマトリクスのXマトリクスの構成を示す。IDマトリクスと通常コマンドマトリクスのYマトリクスは、図4に示す構成と同じである。
図22において、IDマトリクスのXマトリクスは、隣接する任意の5列に、オール0の列が必ず3列存在する。そのうち、1列だけのオール0の列の次がT、連続する2列のオール0の列の次がTである。なお、T、Tの値は、0から22まで採り得る。
図23において、通常コマンドマトリクスのXマトリクスは、隣接する任意の5列に、オール0の列が必ず4列存在する。なお、オール0以外の列Tの値は、0から22まで採り得る。
なお、実施の形態2、実施の形態3の説明内容により、Xマトリクスのオール0の列の数により、4進数マトリクスを4種類に分類できる。4種類とは、通常位置マトリクス、実時間位置マトリクス、IDマトリクス、通常コマンドマトリクスである。つまり、電子ペンにより読み取られるドットパターンが印刷された用紙は、ドットパターンを識別するだけで、通常位置マトリクス、実時間位置マトリクス、IDマトリクス、通常コマンドマトリクスを区別できるドットパターンが印刷された用紙である。
図24は、図16の実時間位置マトリクス、通常位置マトリクス、図22のIDマトリクス、図23の通常コマンドマトリクスが混在した用紙上に記載された手書き文字等の情報を取得して、送信する電子ペンのブロック図である。
アドレスコマンド認識部2413は、4進マトリクス復元部412が得た4進マトリクスに基づいて1以上の位置情報を取得し、かつ、当該4進マトリクスが実時間位置マトリクスであるか、通常位置マトリクスであるか、IDマトリクスであるか、通常コマンドマトリクスであるかを判断する。アドレスコマンド認識部2413は、例えば、Xマトリクスの任意の連続する5列の中にオール0の列が2列存在すると判断した場合に、実時間位置マトリクスであると判断する。また、アドレスコマンド認識部2413は、例えば、Xマトリクスの任意の連続する5列の中にオール0の列が1列存在すると判断した場合に、通常位置マトリクスであると判断する。また、アドレスコマンド認識部2413は、例えば、Xマトリクスの任意の連続する5列の中にオール0の列が3列存在すると判断した場合に、IDマトリクスであると判断する。さらに、アドレスコマンド認識部2413は、例えば、Xマトリクスの任意の連続する5列の中にオール0の列が4列存在すると判断した場合に、通常コマンドマトリクスであると判断する。アドレスコマンド認識部2413は、通常、CPUと、ROM等に格納されているソフトウェアで実現され得るが、ハードウェア(電子回路)で実現されても良い。
送信蓄積処理部2414は、アドレスコマンド認識部2413が、4進マトリクスが実時間位置マトリクスかであると判断した場合は、取得した1以上の位置情報を即座に送信する。また、アドレスコマンド認識部2413が、4進マトリクスが通常位置マトリクスであると判断した場合は、取得した1以上の位置情報を蓄積する。そして、送信指示を受け付けた場合に、蓄積している1以上の位置情報等を送信する。なお、送信蓄積処理部2414が情報を送信する送信先を示す情報は予め保持している。また、送信蓄積処理部2414は、アドレスコマンド認識部2413が、IDマトリクスであると判断した場合は、用紙等を識別するIDを取得する。さらに、送信蓄積処理部2414は、アドレスコマンド認識部2413が、通常コマンドマトリクスであると判断した場合は、電子ペンの軌跡を示す情報である位置情報(取得した位置情報)に対してコマンドを識別する情報を付与して蓄積する。そして、送信指示を受け付けた場合に、蓄積している位置情報等を送信する。
今、IDマトリクスにおけるIDの取り方や利用方法等について説明する。図25は、IDマトリクスのIDの取り方の一例を示す。図25に示すようにXマトリクスを用いてIDを分類する。つまり、例えば、Tを用いてコマンドの種別を分類する。コマンドの種別とは、コマンド識別子ともいう。かかる場合、IDマトリクスからコマンドの種類が得られる。また、コマンドの種類は、23通りである。
また、IDマトリクスのTにより、IDを大分類する。そして、YマトリクスのS,S,S,Sにより、IDを小分類する。大分類したIDは、23通りに分類できる。また、YマトリクスのS,S,S,Sを用いると、「6×17×17×17=29478種」の小分類ができる。これらは、例えば、用紙のIDとして利用できる。具体的には、Tを用いて用紙を発行する部署(経理部、総務部など)を識別し、YマトリクスのS,S,S,Sを用いて、各部署の固有の用紙IDを識別するようにする。
また、例えば、利用法の一例は、以下である。用紙の左上隅をID用の領域とする。そして、ID用の領域に、IDコマンドを予め印刷しておく。ユーザは、電子ペンで、用紙に文字や図形等を手書きする前に、必ず、電子ペンで、このIDの領域をタッチすることとすれば、このIDによって、用紙の種別が識別できる。
つまり、ユーザが電子ペンでID領域をタッチすれば、電子ペンは、その領域のドットのイメージを読み取り、ドットを識別し、垂直ラスタを取得、回転補正、ラスタ復元を行って、4進マトリクスを復元する。そして、4進マトリクスをXマトリクス、Yマトリクスに分解し、Xマトリクス、Yマトリクスを取得する。そして、電子ペンは、XマトリクスのTの値により、例えば、「送信コマンド」であることを認識する。次に、電子ペンは、XマトリクスのTの値、YマトリクスのS,S,S,Sの値により用紙種別を特定する。なお、かかる場合、電子ペンは、XマトリクスのTの値、YマトリクスのS,S,S,Sの値と、用紙種別を識別する情報の対応表を保持している。なお、電子ペンの情報を受信する情報処理装置が、XマトリクスのTの値、YマトリクスのS,S,S,Sの値と、用紙種別を識別する情報の対応表を保持していても良い。
用紙に印刷されたドットパターンを読み込んで、大分類または/および小分類できる用紙の他の応用法は、以下である。かかる用紙は、電子ペンを用いて文字や図形などを手書きで追記する必要性のある用紙として非常に有効である。このような用紙として、例えば、医療現場で用いるカルテ用紙が考えられる。カルテ用紙は、上述してきたドットパターンが印刷されている。そして、初診の際に、医者が電子ペンで、新しい用紙(カルテ)に、患者の症状や投薬の情報などを記載する。そして、電子ペンは、上述したように用紙のIDを取得し、用紙のIDと医者が記載した手書き情報(通常、位置情報の集合)を組にして、情報処理装置に送信する。そして、情報処理装置は、IDと手書き情報を受信し、当該IDと手書き情報を対にして蓄積する。次に、再診の際に、医者は、電子ペンを用いて、初診の際に書いた文字等の後に、患者の症状の変化や新たな投薬などの情報を追記する。すると、電子ペンは、用紙のIDを取得し、用紙のIDと医者が追記した手書き情報(通常、位置情報の集合)を組にして、情報処理装置に送信する。そして、情報処理装置は、IDと手書き情報を受信し、IDをキーに既に情報が蓄積されていないか否かを検索し、既に情報が蓄積されていれば、受信した手書き情報(追記情報)を既に蓄積されている情報を対応付けて記録する。「対応付けて記録する」とは、例えば、既に蓄積されている情報と追記情報を一のファイルに記録することである。かかる情報処理装置の動作により、一の患者の情報が一体として(または、関連付けて)蓄積される。また、かかる電子ペン、情報処理装置の処理により、カルテ(用紙)上の情報と、情報処理装置上の電子化された情報が一致する。
ただし、上記は、患者ごとに異なるIDが付されるように、用紙に異なるIDマトリクスを構成するドットパターンを印刷しておかねばならず、非効率であり、コスト高になる。
しかし、第一のステップで、IDコマンドマトリクスの領域(用紙の一部の領域)には何も印刷せず、空白にしておき、他の領域(通常位置マトリクスや実時間位置マトリクスなど)には、すべての用紙に対して同じドットパターンを印刷する。次の第二のステップで、IDコマンドマトリクスの領域のみに、患者ごとに付与したIDを読み取れるようなドットパターンを印刷する。患者ごとに付与したIDを読み取れるようなドットパターンは、上述したようなT,T,S,S,S,Sを取り得るドットパターンである。かかる用紙の製造方法は、効率、コスト面で効果的である。
次に、IDコマンドTの使い方を説明する。図25に示すようにXマトリクスのTを用いてコマンドを定めると、23種類のコマンドが分類され得る。Tは、0から22の23通りの値を取り得るからである。また、XマトリクスのTおよびYマトリクスのS,S,S,Sを用いて、IDを与える。例えば、「送信」コマンドは、「T=0」とし、1本の電子ペンで、図18に示すXアドレスのTによるページ指定が異なる複数枚の用紙を使い分けて手書きするような場合、ページごとに情報を送信するコマンドである「ページ送信」コマンドをT=1で定義できる。「ページ送信」コマンドは、あるページの「ページ送信」を指定すれば、電子ペン内の手書きデータで「ページ送信」コマンドが該当するページ内の位置アドレスのみを送信することができる。このとき、用紙のIDはT,S,S,S,Sを用いて指定することができる。一方、「T=0」のときに、無条件に電子ペン内の全データを送信する「全送信」コマンドとすることができる。
このように[送信]をTで表し、T,S,S,S,SでIDを表せば、送信するための動作のみで同時にIDを送ることができ、図20に示すような用紙上の「IDスペース」は不要になる。
図26には、通常コマンドマトリクスの形式を示す。Tで大分類し、S,S,S,Sでコマンドを小分類する。例えば、T=0は実時間コマンド、T=1は非実時間コマンドとする。
実時間コマンドを用いるアプリケーションの例として、以下の例がある。例えば、楽曲が印刷された用紙が存在し、例えば、子供が用紙上の音符を順に、電子ペンでタッチする。かかる場合、異なる音符は異なる実時間コマンドに対応する。電子ペンは、タッチされた用紙上のコマンドを示す情報を、直ちに送信する。次に、情報処理装置は、コマンド情報を受信し、音に変換する。つまり、情報処理装置は、楽曲の情報(コマンド情報と音情報の組を複数有する情報)を保持している電子楽器である。さらに詳細には、電子楽器は、コマンド情報を受信し、コマンド情報から音情報を取り出し、当該音情報から音を出力する電子楽器である。
さらに、用紙に、手書きデータを送付する相手の携帯電話番号やメールアドレスなどを指定したときのために、「T=2」は数字やアルファベット入力用コマンドとし、S,S,S,Sを用いて数字やアルファベットのアスキーコードを割り当てるような使い方もできる。
以上のように、通常コマンドマトリクスは、位置マトリクス内に記載された手書きデータの送信の仕方、処理の仕方などを指示するために有効である。
なお、S,S,S,Sを用い与えることができるコマンドの数は、29478種である。電子ペンは、Tまたは/およびS,S,S,Sを用いて、種々のコマンドを特定し、当該特定したコマンドを識別する情報を、他の情報処理装置に送信し得る。かかるコマンドは、例えば、電子ペンから情報処理装置(パソコンなど)に送信された情報(手書き情報など)を取り込む「ソフトウェア指定」コマンドや、情報処理装置上で手書き図形、文字などを表示する際の線の太さ、色、フォントなどを指定する「線幅」コマンド、「色指定」コマンド、「フォント指定」コマンドなどがある。かかるように、通常コマンドマトリクスによるコマンドは、電子ペンでは、コマンドの種類を特定することが、一般的である。電子ペンが特定したコマンドの実行は、電子ペンが情報を送信した先の情報処理装置等である。
以上、本実施の形態によれば、用紙上のマトリクスを工夫して、コマンドを記入する領域であるコマンドマトリクスを、上述した通常位置マトリクスと区別する態様、および、コマンドマトリクスにおいても、2種類のコマンドマトリクスを用意する態様について述べた。
なお、本実施の形態において、電子ペンは、上記した構成が必須ではない。つまり、電子ペンは、文字等の認識の精度は落ちるが、垂直ラスタ識別部409、回転補正部410、ラスタ復元部411などを具備しなくても良い。電子ペンは、位置マトリクスとコマンドマトリクスを区別するドットパターンが印刷された用紙上の当該ドットパターンを読み取り、当該読み取ったドットパターンから1以上の位置情報を取得し、かつ当該読み取ったドットパターンから位置マトリクスかコマンドマトリクスかを判断し、位置マトリクスと判断した場合に、前記取得した1以上の位置情報を蓄積または送信し、コマンドマトリクスと判断した場合に、前記取得した1以上の位置情報とコマンドである旨を示す情報を対応付けて蓄積または送信する電子ペンであれば良い。
また、本実施の形態によれば、4進マトリクスから得られるコマンドマトリクスの種類、内容は問わない。つまり、本実施の形態において、コマンドマトリクスは、複数種類あり、電子ペンのアドレスコマンド認識部は、取得した4進マトリクスに基づいて、コマンドマトリクスを、予め決まられた複数種類のコマンドマトリクスのうちのいずれのコマンドマトリクスであるかを識別し、電子ペンの送信蓄積処理部は、4進マトリクスが位置マトリクスである場合に、1以上の位置情報を蓄積または送信し、4進マトリクスがコマンドマトリクスである場合に、識別したコマンドマトリクスの種類に応じた処理を行う電子ペンであれば良い。
さらに、本実施の形態における電子ペン内の一部の処理を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。コンピュータに、ドットパターンを識別するだけで、位置マトリクスとコマンドマトリクスを区別するドットパターンが印刷された用紙上の当該ドットパターンを読み取るステップと、当該読み取ったドットパターンから1以上の位置情報を取得するステップと、当該読み取ったドットパターンから位置マトリクスかコマンドマトリクス(IDマトリクスを含む)かを判断するステップと、位置マトリクスと判断した場合に、前記取得した1以上の位置情報を蓄積または送信するステップと、コマンドマトリクスと判断した場合に、コマンドを識別する情報であるコマンド識別子を取得し、当該コマンド識別子を蓄積または送信するステップを実行させるためのプログラムである。
(実施の形態4)
本実施の形態において、コマンドマトリクスを位置マトリクス配列の中に埋め込む方法について、図27、図28を用いて説明する。コマンドマトリクスは、IDマトリクスと通常コマンドマトリクスである。
図27は、コマンドマトリクスを位置マトリクス配列の中に埋め込む場合のXマトリクスについて説明する図である。図28は、コマンドマトリクスを位置マトリクス配列の中に埋め込む場合のYマトリクスについて説明する図である。
図27において、通常位置マトリクスのXマトリクスTに相当する列をオール1になるように規定することによって、位置マトリクスとコマンドマトリクスの列境界を作る。逆に、位置マトリクスに戻すときも同様、XマトリクスTに相当する列をオール1にするように規定する。
図28において、通常位置マトリクスのYマトリクスのaに相当する行をオール1にすることによって行境界を形成する。コマンドマトリクスを位置マトリクスに戻す行境界も同じく、aに相当する行をオール1にする。一方、図28に示すように、Yマトリクスの行境界に相当するXマトリクスの行はオール1の列の次の位置から1と0が交互の表れるように規定する。
一方、相当するXマトリクスの列境界に相当するYマトリクスの列は、1と0が交互に繰り返されるように規定する。
図27、図28に示すように、埋め込まれたコマンドマトリクスとその列境界、行境界以外の部分は、位置マトリクスとするが、あたかもコマンドマトリクスが埋め込まれていないように23ビットシーケンスは連続する。
電子ペンが5×5マトリクスを復元したとき、電子ペンは、Xマトリクスにオール1の列、またはYマトリクスにオール1の行があると判断した場合は、マトリクス全体を無効にする。このようにして、埋め込まれた部分以外に位置マトリクスに影響が出ないように、コマンドマトリクスを埋め込むことができる。なお、「無効にする」とは、取得した位置情報を蓄積しない、または処理しない、ことをいう。
Xマトリクスのオール1に相当するYマトリクスの列を1と0が交互に並ぶようにするのは、4進数がすべて同じ値になると、ドットが一直線に並ぶので、それを防ぐためである。Yマトリクスのオール1の行に相当するXマトリクスの行にも1と0が交互に表れるようにするのも同じ理由である。こうしてXマトリクスのオール0の列だけが4進数ドットが1直線に並ぶように仕組むことができる。かかる用紙上のドットの並びの工夫により、実施の形態1で述べたように、電子ペンは、用紙の方向を容易に得ることができる。
なお、上記電子ペンは、図示しないが、ペン軸、第一のレンズ、光源、タイミング制御部、第二のレンズ、イメージセンサ、イメージ読取部、ドット識別部、垂直ラスタ識別部、回転補正部、ラスタ復元部、4進マトリクス復元部、アドレスコマンド認識部、送信蓄積処理部を具備する。本電子ペンは、図4の電子ペンと、アドレスコマンド認識部を除いて同様である。本アドレスコマンド認識部が、上述のような用紙上のドットの並びを検知し、位置マトリクスとコマンドマトリクスを区別して検出する。
以上、本実施の形態におけるXマトリクス、Yマトリクスに分解されるドットの並びを印刷した用紙と、それを解釈する電子ペンによれば、コマンドマトリクスを位置マトリクス配列の中に埋め込むことができ、かつ、電子ペンは、コマンドマトリクスと位置マトリクスを区別して認識し、当該区別により、取得した位置情報に対して異なる処理を行うことができる。また、電子ペンは、用紙の方向を容易に得ることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態において、IDマトリクスの一利用態様について説明する。IDマトリクスのIDの取り方の例について、図25に示した。つまり、XマトリクスのTでコマンドの種別を定義し、TでIDの大分類を定義し、YマトリクスのS、S,S、SでIDの小分類を定義する。IDは、用紙を識別する情報として用いても良いし、用紙の所有者や用紙を発行している部署や組織などを識別する情報として用いても良い。
IDマトリクスの第一の使用方法は、用紙に書いた内容と電子データを一致させるために使用する方法である。具体的には、第一に、ユーザが電子ペンを使って、用紙に手書きした場合に、電子ペンは、上述したように、電子ペンの軌跡を1以上の位置情報に変換し、情報処理装置に送信する。そして、情報処理装置は、1以上の位置情報を受信し、例えば、文字認識し、文字コードの列に変換する。そして、情報処理装置は、文字コード列をファイルに蓄積する。次に、ユーザが、電子ペンを用いて、同一の用紙に追記する、とする。かかる場合、当該用紙と、情報処理装置に格納されているファイル(電子データ)を対応付ける必要がある。かかる目的のために、IDマトリクスを使用する。つまり、IDを用紙を識別する識別子として用いる。
つまり、例えば、用紙のIDを定める。そして、図20の用紙のように、用紙に「IDスペース」を設ける。そして、当該「IDスペース」に、用紙のIDに相当するIDマトリクスの4進数マトリクスを印刷する。次に、ユーザは、電子ペンで、当該「IDスペース」をチェックする。すると、電子ペンは、IDマトリクスであることを認識し、かつ、そのIDを取得する。
そして、電子ペンは、IDを「送信」コマンドにより情報処理装置に送信する。このようなIDコマンドの場合、例えば、T=22とする。
次に、情報処理装置は、IDを受信し、当該IDに対応するファイルを特定する。そして、情報処理装置は、以後、受信した位置情報群を、文字コード列に変換し、当該ファイルに文字コード列を追記する。以上のように、用紙に書いた内容と電子データを一致させることができる。
IDマトリクスの利用態様に関する、第二の例を以下に説明する。コマンド種別TをT=0として利用する。それを「送信」コマンドである、とする。この「送信」コマンドが識別され得る通常コマンドマトリクスの元になるドットパターンが印刷された領域をチェックすると、既に電子ペンに蓄積されている通常位置マトリクスと非実時間コマンドマトリクス(実時間コマンドマトリクスでないコマンドマトリクス)を示す情報およびT=22のIDマトリクスの情報が、すべて電子ペンから情報処理装置に送信される、とする。つまり、電子ペンは、IDマトリクスのTを取得し、「T=0」であれば、「送信」コマンドである、と判断し、電子ペンに蓄積されている通常位置マトリクスと非実時間コマンドマトリクスの情報等を情報処理装置に送信する。
また、かかる場合、XマトリクスのT,およびYマトリクスのS、S,S、Sを用紙のIDを特定する情報として用いる、とする。かかる場合、電子ペンは、「T=0」を取得して、蓄積されている通常位置マトリクス等を送信する場合に、TとYマトリクスのS、S,S、Sを取得し、当該取得したT、S、S、S、Sから特定される用紙IDを算出する。そして、電子ペンは、蓄積されている通常位置マトリクス等を情報処理装置に送信する。電子ペンは、「送信」コマンドであることを判断し、用紙のIDを位置情報とともに送信する。かかる送信を、「ID付送信」と呼ぶこととする。
「ID付送信」コマンドは、用紙ごとに異なるIDを示すドットを予めIDマトリクスに印刷しておくことで実現できる。なお、「ID」は、用紙によって異なるので、複数の用紙の共通部分(「ID付送信マトリクス」を除く部分)を最初に印刷しておき(第一ステップ)、用紙を使用する前(たとえば、使用する直前)に、「ID付送信」コマンドを実現するドットをIDマトリクスに印刷する(第二ステップ)という方法が、印刷コストを低くする上で、有効である。
なお、上記の「ID」は、用紙を一意に特定する識別子であったが、「ID」を用紙の種別(A4判、A3判など)を特定する情報等、用紙属性として用いても良い。
以上、本実施の形態によれば、「送信コマンド」に、用紙IDや用紙種別が内蔵されており、ユーザにとってID指定を行う煩雑さがなく、かつ、ユーザの用紙IDの指定のし忘れもない。また、電子ペンは、正確にIDを取得できる。さらに、電子ペンから情報を受信して処理する情報処理装置は、正確な用紙IDや用紙種別情報に基づいて、適正な情報処理が可能である。具体的には、例えば、上述した電子カルテのアプリケーションで、本電子ペン、用紙、および情報処理装置を用いる場合に、情報処理装置に蓄積される患者の情報が間違いなく、適切なファイル(記録媒体)に蓄積される。
(実施の形態6)
本実施の形態において、電子ペンで、用紙に手書き入力したデータを消去して修正することができる態様について説明する。
つまり、本電子ペンは、手書きデータを小さなまとまり(ここでは、このまとまりを「項目」と呼ぶ。)ごとに送信するようにする。そして、情報処理装置は、項目ごとに情報(1以上の位置情報)を受信し、1以上の位置情報または文字認識した文字コード群を項目ごとに蓄積する。また、項目単位にデータを消去することができるようにする。
具体的には、電子ペンは、以下のような構造を有する。図29は、電子ペンのブロック図を示す。本電子ペンは、ペン軸401、第一のレンズ402、光源403、タイミング制御部404、第ニのレンズ405、イメージセンサ406、イメージ読取部407、ドット識別部408、垂直ラスタ識別部409、回転補正部410、ラスタ復元部411、4進マトリクス復元部412、アドレスコマンド認識部2913、送信蓄積処理部414を具備する。
本電子ペンは、図4に示した電子ペンとは、アドレスコマンド認識部2913のみ異なる。アドレスコマンド認識部2913は、4進マトリクス復元部412が得た4進マトリクスに基づいて1以上の位置情報を取得する。その際、位置情報の取得後に、以下の処理を行う。
アドレスコマンド認識部2913は、例えば、4進マトリクスのXマトリクスから得られるT=0とし、Tの値により、送信蓄積処理部414に位置情報の送信指示のタイミングと内容を変える。また、アドレスコマンド認識部2913は、例えば、S,S,S,Sから特定される値を「ID」として、当該「ID」を送信するように、送信蓄積処理部414に指示する。
アドレスコマンド認識部2913は、具体的には、Tの値により、「ID付送信」コマンド、「ID付項目送信」コマンド、「ID付修正送信」コマンド、「ID付ページ送信」コマンドを実現する。「ID付項目送信」コマンドとは、用紙のIDなどのIDが付与される項目の情報の送信コマンドである。「ID付修正送信」コマンドとは、用紙のIDなどのIDが付与される項目の修正情報の送信コマンドである。「ID付ページ送信」コマンドとは、複数の用紙を同時に使用しながら、電子ペンで手書き入力する場合に、当該用紙に対応するページに手書きした情報を一括して送信するコマンドであり、「ID」は該当ページのIDを示す。かかる「ID付ページ送信」コマンドにより、複数の用紙を同時に使用しながら、電子ペンで手書き入力する場合に、ページごとの手書き情報の送信と、全手書き情報の送信を区別して行うことができる。かかるページごとの手書き情報の送信機能を用いれば、ページごとの手書き情報を受信する情報処理装置がページごとの情報を処理でき、全体として処理の完了が早くなる。また、かかるページごとの手書き情報の送信機能を用いれば、手書きの途中で電子ペンに障害が発生した場合でも、少なくとも送信したページの手書き情報は情報処理装置で処理(蓄積も含む)されており、すべてのページの手書きデータが無くなることはない、という利点がある。
そして、アドレスコマンド認識部2913は、T=0の場合に、上述した「ID付送信」コマンドであると認識し、T=1の場合に「ID付項目送信」コマンドであると認識し、T=2の場合に「ID付修正送信」コマンドであると認識し、T=3の場合に「ID付ページ送信」コマンドであると認識する。
以上、アドレスコマンド認識部2913は、上述したように、Tの値により、送信蓄積処理部414に指示する位置情報の送信方法を変えることにより、例えば、以下のようなスケジュール管理用紙を有効に利用できる。
図30は、印刷されたスケジュール管理用紙の例を示す。スケジュール管理用紙の背景には、通常位置マトリクスが印刷されていることは言うまでもない。スケジュール管理用紙の下部に、4種類のコマンドマトリクスが印刷されている。4種類のコマンドマトリクスのうち、「項目送信」「修正送信」は、IDコマンドマトリクスである。また、他の「消去箇所指定」「消去」は、通常コマンドマトリクスで、非実時間のコマンドマトリクスである。
図31は、図30のスケジュール管理用紙に、電子ペンで、いくつかのスケジュールが手書き入力された例を示す。ユーザは、電子ペンを用いて、スケジュール管理用紙に記載されたます目ごとにスケジュールを記載し、その後「項目送信」コマンドをチェックする。すると、電子ペンは、ます目に記載されたスケジュールの情報を位置情報列に変換し、位置情報列を電子ペン内のメモリに蓄積する。そして、電子ペンは、「項目送信」コマンドのチェックを検知すると、電子ペン内のメモリに蓄積されている位置情報列を情報処理装置に送信する。情報処理装置は、位置情報列を受信する。そして、情報処理装置は、位置情報列から、ます目を特定する。また、情報処理装置は、位置情報列から、記載された手書きの情報(文字など)を取得する。そして、情報処理装置は、例えば、ます目を特定する情報と、手書きの情報を対にして蓄積する。かかる処理により、情報処理装置は、スケジュール管理用紙のます目ごとに記載された手書きデータを、異なるデータセットとして扱うことができる。
また、ユーザは、スケジュール管理用紙に、電子ペンでスケジュールを追記することは、当然、あり得る。図32は、スケジュール管理用紙への追加スケジュールの入力例を示す。図32において、ユーザは、電子ペンを用いて、スケジュール管理用紙の「夕方」欄に「リザーブ(H氏)」と、17日、18日の4ます目に「年休」を追記した。
具体的には、ユーザは、電子ペンで、「夕方」欄に「リザーブ(H氏)」を追記し、「項目送信」をチェックした。すると、まず、電子ペンは、「リザーブ(H氏)」を示す位置情報を取得し、蓄積する。次に、「項目送信」のチェックを検知し、蓄積した位置情報とともに、用紙IDを情報処理装置に送信する。用紙IDは、「項目送信」がコマンドマトリクスであり、電子ペンにより、上述した処理により取得され得る、とする。次に、情報処理装置は、「リザーブ(H氏)」を示す位置情報と用紙IDを受信し、用紙IDに対応するスケジュール管理用紙の情報として、「リザーブ(H氏)」を示す位置情報、または当該位置情報を文字認識した文字コー列を蓄積する。入力された「年休」の情報も同様に処理される。
次に、スケジュールを修正する場合の処理について説明する。図33は、スケジュール管理用紙からスケジュールを消去する場合の入力例を示す。ユーザは、電子ペンを用いて、まず、「消去箇所指定」コマンドをチェックする。次に、ユーザは、消去するデータセットを"["と"]"で挟む。ユーザは、複数のデータセットを一度に、"["と"]"で挟んでも構わない。図33において、ます目「18日(金)午前」「18日(金)午後」の2つのます目のスケジュール「年休」が"["と"]"で挟まれている。その次に、ユーザは、電子ペンを用いて、「消去」コマンドをチェックする。かかる処理を行うと、論理的には、図34のようなスケジュール管理用紙となる。しかし、「消去」コマンドは、上述したように非実時間のコマンドである。したがって、当該コマンドが指示されたことが電子ペン内に蓄積されているだけで、情報処理装置内の電子データには反映されていない。
つまり、電子ペンは、以下のように、情報を電子ペン内に蓄積するだけである。まず、電子ペンは、「消去箇所指定」コマンドのチェックを検知する。すると、電子ペンは、「消去箇所指定」を示す情報を取得し、蓄積する。次に、ます目「18日(金)午前」「18日(金)午後」の2つのます目のスケジュール「年休」が"["と"]"で挟またことを検知し、電子ペンは、ます目「18日(金)午前」「18日(金)午後」の2つのます目の位置情報を示す位置情報列(各ます目ごとに一つの位置情報でも良い)を、「消去箇所指定」を示す情報と対応付けて蓄積する。次に、電子ペンは、「消去」コマンドのチェックを検知し、「消去」コマンドを示す情報を、「消去箇所指定」を示す情報、およびます目「18日(金)午前」「18日(金)午後」の2つのます目の位置情報を示す位置情報列と対応付けて蓄積する。
次に、ユーザは、電子ペンを用いて、スケジュール管理用紙の「修正入力用」の欄に、修正する手書きデータセットを書き込む。今、ユーザは、図35に示すように、「修正入力用」の欄の2行目のます目に「14:00−16:00 講演(東北大学)」を入力した、とする。すると、電子ペンは、「修正入力用」の欄の2行目のます目を認識し、かつ「14:00−16:00 講演(東北大学)」の手書き文字が示す位置情報列を取得し、蓄積する。
次に、ユーザは、電子ペンを用いて、「修正送信」コマンドをチェックする。次に、電子ペンは、「修正送信」コマンドのチェックを検知する。次に、電子ペンは、今まで蓄積した情報を一括して情報処理装置に送信する。送信する情報の例を図36に示す。図36において、「消去箇所指定」を示す情報、2つのます目の位置情報列、「消去」を示す情報、「14:00−16:00 講演(東北大学)」の文字を示す位置情報列が対応づけて(順に)記録されていることを示す。「コマンド=2」は「消去箇所指定」コマンドを示す情報であり、「コマンド=4」は「消去」コマンドを示す情報である。つまり、本スケジュール管理用紙において、4つのコマンドが左から「コマンド=1,2,3,4」と付与されている。
次に、情報処理装置は、図36の情報を受信する。そして、情報処理装置は、図36の位置情報群から用紙IDを得る。また、情報処理装置は、用紙IDから電子データを特定し、図36のコマンドや位置情報列にしたがって、電子データの消去箇所を認識し、消去されたデータセットを順に消去し、その上に修正入力用のデータセットを順に書き込む。かかる情報処理装置の処理により、図37のスケジュール管理用紙を得る。図37は、スケジュール管理用紙の印刷例である。
なお、図37のように印刷された結果のスケジュール管理用紙は、再び、手書き用紙として利用され得なければならない。したがって、図30のスケジュール管理用紙に印刷されているドットの全く同じ4進数パターンのドットが、図37のスケジュール管理用紙にも、同様のインクで印刷されていなければならない。1200dpiの分解能を有するプリンタと、4進数パターンを印刷するインクを用いれば、かかる印刷は可能である。
以上、本実施の形態によれば、項目ごと手書き情報の追記や消去や修正が容易にできるシステムが実現できる。したがって、上述したようなスケジュール管理のシステムや、日記帳システムなどのアプリケーションが実現できる。日記帳システムとは、ユーザが電子ペンで日記帳を記載すると、情報処理装置で同様の情報が記録され、当該情報から自叙伝などを作成できる、というシステムである。
(実施の形態7)
本実施の形態において、電子ペンと用紙の回転が90度を越える場合でも、回転補正を行い、適正に手書き文字の情報を取得できる電子ペンについて説明する。
本電子ペンのブロック図を図38に示す。本電子ペンは、ペン軸401、第一のレンズ402、光源403、タイミング制御部404、第二のレンズ405、イメージセンサ406、イメージ読取部407、ドット識別部408、垂直ラスタ識別部409、回転補正部3810、ラスタ復元部411、4進マトリクス復元部412、アドレスコマンド認識部413、送信蓄積処理部414を具備する。
本電子ペンは、図4に示した電子ペンとは、回転補正部3810のみ異なる。回転補正部3810は、垂直ラスタ識別部409が識別した直線上に並ぶドット群(ここでは、垂直の直線)から用紙の方向を決定し、用紙が回転している角度を算出し、ドットの位置を補正する。回転補正部3810は、電子ペンと用紙の回転が90度を越える場合でも回転の補正が可能である。以下、かかる仕組みについて説明する。
なお、図6を用いて説明した電子ペンと用紙の回転は、右回転も左回転も90度以下の場合である。実際の電子ペンの利用場面では、90度以下の補正で十分であるが、回転が90度を越えると、用紙の上下が逆転して補正されてしまう。例えば、定規を使って直線を引いたり、雲形定規で曲線を引いたりする場合、回転が90度を越すこともあり得る。
かかる場合、図2に示したXマトリクスの列が下から上に向けて読まれ、図3のYマトリクスの行は右から左に読まれる。つまり、図1(a)の23ビットシーケンス、右から左に向けたシーケンスになる。すると、図1(b)に存在しない5ビット列が、電子ペンにより取得され得る。例えば、図15(a)で、最も右の0から左に続く5ビット「01101」は、図1(b)によると値20であるが、4ビット左にシフトした5ビット「11010」は、図1(b)には存在しない。かかる5ビットを見つけた場合、回転補正部3810は、上下を逆にして回転補正すれば良いことを検知する。
図39は、電子ペンと用紙の回転が90度を越える場合でも、回転補正を行い得る16ビットシーケンスと6ビット配列の値を示す。図39(a)の16ビットシーケンスは、逆向きに、すなわち、右から左にシーケンスを読み取った時、いずれの6ビット配列も図39(b)には存在しない。つまり、回転補正部3810は、図5の電子ペンと用紙の回転が90度を越えており、図6の座標回転で上下逆になって補正されて、Xマトリクスの列、Yマトリクスの行が逆になっても、それぞれの列や行から読み取られる6ビットの値が、図39(b)には存在しないことを判断し、その結果、上下が逆になっていることを直に判別する。
そして、回転補正部3810は、用紙の上下が逆になっていることを判別した場合に、さらに180度回転させて回転補正する。
なお、かかる場合でも、上記に説明したのと同様に、XマトリクスのT,T,T,T,T、YマトリクスのS,S,S,S,Sを用いることにより、電子ペンは、A0判の用紙でも、用紙のページ数を識別できる。かかることを以下に説明する。4進数マトリクスは、6×6で構成する。図40(a)の通常位置マトリクスのXマトリクスにおいて、T,T,T,T,Tがそれぞれ、0から15までの値とする。また、通常位置マトリクスのXマトリクスの6列目にはオール0の列を挿入するので、いずれの連続する6列をとってもオール0の列が一列入ることになる。図40(d)の通常位置マトリクスのYマトリクスにおいて、「S=0,1,2」,S,S,S,Sが3から15までの値をとる、とする。それ以外の実時間位置マトリクス、IDコマンドマトリクス、通常コマンドマトリクスについては、Xマトリクスのオール0の列を1ずつ増していく。かかることは、図16、図22、図23を用いて説明した方法と同様である。
図40(b)に示した通常位置マトリクスのXアドレスについては、T,T,Tの3数字で「16+16×15+16×15=4096」になる。したがって、T,T,Tを用いれば、A0判の長い方の辺のアドレスまで、0.3mmの画素密度で表現できる。したがって、T,Tの2数字をページ数の特定に利用できる。つまり、「16×16=256」ページ分のページアドレスを付けることができる。T,Tは、各々0から15までの16通りの数字を取り得るからである。
Yアドレスについては、S,S,S,Sを用いて6000以上が表現できるので、A0判まで十分である。Sは、T,Tと同様に、ページ数の特定に利用できる。
以上、本実施の形態において、電子ペンと用紙の回転が90度を越える場合でも、回転補正を行い、適正に手書き文字の情報を取得できる。
以上のように、本発明にかかる電子ペンは、電子ペンの情報処理量がきわめて少ないという効果を有し、電子ペン等として有用である。
実施の形態1における用紙に印刷されたドットから位置情報を取得するための基本のマトリクスとシーケンスを示す図 実施の形態1における通常位置マトリクスを示す図 実施の形態1における通常位置マトリクスのYマトリクスの配列を示す図 実施の形態1における電子ペンのブロック図 実施の形態1におけるドット識別部が識別したドットの例を示す図 実施の形態1における電子ペンの座標軸と用紙の座標軸との関係を示す図 実施の形態1における座標回転を説明する図 実施の形態1におけるラスタ復元を説明する図 実施の形態1におけるラスタ復元の動作を説明するフローチャート 実施の形態1におけるラスタ復元を説明する図 実施の形態1におけるラスタ復元の動作を説明するフローチャート 実施の形態1におけるラスタ復元を説明する図 実施の形態1におけるラスタ復元の動作を説明するフローチャート 実施の形態1におけるラスタ復元を説明する図 実施の形態1におけるラスタ復元を説明する図 実施の形態2における実時間位置マトリクスのXマトリクスの構成を示す図 実施の形態2における電子ペンのブロック図 実施の形態2における位置マトリクスのXアドレスを説明する図 実施の形態2における位置マトリクスのYアドレスを説明する図 実施の形態2における用紙設計の例を示す図 実施の形態2における共同作業の概念図 実施の形態3におけるIDコマンドマトリクスのXマトリクスの構成を示す図 実施の形態3における通常コマンドマトリクスのXマトリクスの構成を示す図 実施の形態3における電子ペンのブロック図 実施の形態3におけるIDコマンドマトリクスのIDの取り方の例を示す図 実施の形態3における通常コマンドマトリクスによるコマンドの与え方を説明する図 実施の形態4におけるコマンドマトリクスを位置マトリクス配列の中に埋め込む方法について説明する図 実施の形態4におけるコマンドマトリクスを位置マトリクス配列の中に埋め込む方法について説明する図 実施の形態6における電子ペンのブロック図 実施の形態6におけるスケジュール管理用紙の例を示す図 実施の形態6におけるスケジュール管理用紙の例を示す図 実施の形態6におけるスケジュール管理用紙の例を示す図 実施の形態6におけるスケジュール管理用紙の例を示す図 実施の形態6におけるスケジュール管理用紙の例を示す図 実施の形態6におけるスケジュール管理用紙の例を示す図 実施の形態6における送信する情報の例を示す図 実施の形態6におけるスケジュール管理用紙の例を示す図 実施の形態7における電子ペンのブロック図 実施の形態7における16ビットシーケンスと6ビット配列の値を示す図 実施の形態7における通常位置マトリクスのXマトリクスとYマトリクスの配列を示す図 従来技術における4進数マトリクスのドットパターンを示す図 従来技術における4進数を表すシンボルとXおよびYの分解を示す図 従来技術におけるマトリクス例を示す図 従来技術における7ビットシーケンスと4ビットの値を示す図 従来技術における7ビットシーケンスの特徴を説明する図 従来技術における 従来技術におけるXマトリクスの列構成を示す図 従来技術におけるXマトリクスの配列を示す図 従来技術におけるXマトリクスの配列を示す図 従来技術におけるYマトリクスの行構成を示す図 従来技術におけるYマトリクスの配列を示す図 従来技術における4進数マトリクスにおける異なる配列の数を説明する図 従来技術における用紙が回転している場合のドットパターンの値を説明する図
符号の説明
401 ペン軸
402 レンズ
403 光源
404 タイミング制御部
405 レンズ
406 イメージセンサ
407 イメージ読取部
408 ドット識別部
409 垂直ラスタ識別部
410、3810 回転補正部
411 ラスタ復元部
412 進マトリクス復元部
413、1713、2413、2913 アドレスコマンド認識部
414、1714、2414 送信蓄積処理部


Claims (38)

  1. 用紙上のドットパターンを読み取るイメージ読取部と、
    前記イメージ読取部が読み取ったドットパターンから1以上のドットを識別するドット識別部と、
    前記ドット識別部が識別した1以上のドットから、直線上に並ぶドット群を識別する垂直ラスタ識別部と、
    前記垂直ラスタ識別部が識別した直線上に並ぶドット群から前記用紙の方向を決定し、当該方向に基づいて前記1以上のドットの位置を補正する回転補正部と、
    前記ドット識別部が識別したドット群と前記回転補正部における位置の補正に基づいて、ラスタを復元するラスタ復元部と、
    前記ドット識別部が識別したドット群と前記ラスタ復元部が復元したラスタに基づいて、4進マトリクスを得る4進マトリクス復元部と、
    前記4進マトリクス復元部が得た4進マトリクスに基づいて1以上の位置情報を取得するアドレスコマンド認識部と、
    前記アドレスコマンド認識部が取得した1以上の位置情報を蓄積する、または/および送信する送信蓄積処理部を具備する電子ペン。
  2. 用紙上のドットパターンを読み取り、当該ドットパターンから直線上に並ぶドット群を識別し、当該ドット群から前記用紙の方向を決定し、当該決定した方向に基づいて前記ドットパターンの位置を補正し、当該補正したドットパターンの位置に基づいて位置情報を取得し、出力する電子ペン。
  3. コンピュータに、
    用紙上のドットパターンを読み取るステップと、
    前記読み取ったドットパターンから直線上に並ぶドット群を識別するステップと、
    前記ドット群から前記用紙の方向を決定するステップと、
    前記決定した方向に基づいて前記ドットパターンの位置を補正するステップと、
    前記補正したドットパターンの位置に基づいて位置情報を取得するステップと、
    前記取得した位置情報を出力するステップを実行させるためのプログラム。
  4. 実時間位置マトリクスに対応するドットパターンおよび通常位置マトリクスに対応するドットパターンが、それぞれのドットパターンを識別するだけで、実時間位置マトリクスに対応するドットパターンであるか、通常位置マトリクスに対応するドットパターンであるかが区別できるドットパターンが印刷された用紙上のドットパターンを読み取り、処理する電子ペンであって、
    当該ドットパターンを読み取るイメージ読取部と、
    前記イメージ読取部が読み取ったドットパターンから1以上のドットを識別するドット識別部と、
    前記ドット識別部が識別した1以上のドットから、直線上に並ぶドット群を識別する垂直ラスタ識別部と、
    前記垂直ラスタ識別部が識別した直線上に並ぶドット群から前記用紙の方向を決定し、当該方向に基づいて前記1以上のドットの位置を補正する回転補正部と、
    前記ドット識別部が識別したドット群と前記回転補正部における位置の補正に基づいて、ラスタを復元するラスタ復元部と、
    前記ドット識別部が識別したドット群と前記ラスタ復元部が復元したラスタに基づいて、4進マトリクスを得る4進マトリクス復元部と、
    前記4進マトリクス復元部が得た4進マトリクスに基づいて1以上の位置情報を取得し、かつ前記4進マトリクスが実時間位置マトリクスか通常位置マトリクスかを識別するアドレスコマンド認識部と、
    前記4進マトリクスが実時間位置マトリクスである場合に、前記1以上の位置情報を直ちに送信し、前記4進マトリクスが通常位置マトリクスである場合に、前記1以上の位置情報を蓄積する送信蓄積処理部を具備する電子ペン。
  5. 前記実時間位置マトリクスのXマトリクスの隣接する所定の数の列のうち、すべて0の値を有する列の数と、前記通常位置マトリクスのXマトリクスの隣接する前記所定の数の列のうち、すべて0の値を有する列の数が異なるように、実時間位置マトリクスに対応するドットパターンおよび通常位置マトリクスに対応するドットパターンが構成され、
    前記アドレスコマンド認識部は、
    前記4進マトリクス復元部が得た4進マトリクスに基づいて1以上の位置情報を取得し、かつ前記4進マトリクスのXマトリクスの隣接する所定の数の列のうち、すべて0の値を有する列の数を算出し、当該すべて0の値を有する列の数に基づいて、前記4進マトリクスが実時間位置マトリクスか通常位置マトリクスかを識別する請求項4記載の電子ペン。
  6. 実時間位置マトリクスに対応するドットパターンおよび通常位置マトリクスに対応するドットパターンが、それぞれのドットパターンを識別するだけで、実時間位置マトリクスに対応するドットパターンであるか、通常位置マトリクスに対応するドットパターンであるかが区別できるドットパターンが印刷された用紙上のドットパターンを読み取り、処理する電子ペンであって、
    前記用紙から当該ドットパターンを読み取り、読み取ったドットパターンが示すマトリクスが実時間位置マトリクスであるか通常位置マトリクスであるかを判断し、かつ前記ドットパターンから1以上の位置情報を取得し、前記実時間位置マトリクスであると判断した場合は前記1以上の位置情報を直ちに送信し、前記通常位置マトリクスであると判断した場合は前記1以上の位置情報を蓄積する電子ペン。
  7. コンピュータに、
    実時間位置マトリクスに対応するドットパターンおよび通常位置マトリクスに対応するドットパターンが、それぞれのドットパターンを識別するだけで、実時間位置マトリクスに対応するドットパターンであるか、通常位置マトリクスに対応するドットパターンであるかが区別できるドットパターンが印刷された用紙から、ドットパターンを読み取るステップと、
    前記読み取ったドットパターンに基づいて1以上の位置情報を取得するステップと、
    前記読み取ったドットパターンが示すマトリクスが実時間位置マトリクスであるか通常位置マトリクスであるかを判断するステップと、
    前記実時間位置マトリクスであると判断した場合は前記取得した1以上の位置情報を直ちに送信するステップと、
    前記通常位置マトリクスであると判断した場合は前記取得した1以上の位置情報を蓄積するステップを実行させるためのプログラム。
  8. ドットパターンを識別するだけで、位置マトリクスであるかコマンドマトリクスであるかを区別できるドットパターンが印刷された用紙上の当該ドットパターンを読み取るイメージ読取部と、
    前記イメージ読取部が読み取ったドットパターンから1以上のドットを識別するドット識別部と、
    前記ドット識別部が識別した1以上のドットから、直線上に並ぶドット群を識別する垂直ラスタ識別部と、
    前記垂直ラスタ識別部が識別した直線上に並ぶドット群から前記用紙の方向を決定し、当該方向に基づいて前記1以上のドットの位置を補正する回転補正部と、
    前記ドット識別部が識別したドット群と前記回転補正部における位置の補正に基づいて、ラスタを復元するラスタ復元部と、
    前記ドット識別部が識別したドット群と前記ラスタ復元部が復元したラスタに基づいて、4進マトリクスを得る4進マトリクス復元部と、
    前記4進マトリクス復元部が得た4進マトリクスに基づいて1以上の位置情報を取得し、かつ前記4進マトリクスが位置マトリクスかコマンドマトリクスかを識別するアドレスコマンド認識部と、
    前記4進マトリクスが位置マトリクスである場合に、前記1以上の位置情報を蓄積または送信し、前記4進マトリクスがコマンドマトリクスである場合に、コマンドを識別する情報であるコマンド識別子を取得し、少なくとも当該コマンド識別子を蓄積または送信する送信蓄積処理部を具備する電子ペン。
  9. 前記位置マトリクスは、実時間位置マトリクスと通常位置マトリクスの2種類であり、
    前記アドレスコマンド認識部は、
    前記位置マトリクスを、さらに細かく実時間位置マトリクスであるか通常位置マトリクスであるかを識別し、
    前記送信蓄積処理部は、
    前記4進マトリクスが実時間位置マトリクスである場合に、前記1以上の位置情報を直ちに送信し、前記4進マトリクスが通常位置マトリクスである場合に、前記1以上の位置情報を蓄積し、前記4進マトリクスがコマンドマトリクスである場合に、コマンドを識別する情報であるコマンド識別子を取得し、少なくとも当該コマンド識別子を蓄積または送信する請求項8記載の電子ペン。
  10. 前記コマンドマトリクスは、複数種類あり、
    前記アドレスコマンド認識部は、
    前記4進マトリクスに基づいて、前記コマンドマトリクスを、予め決まられた複数種類のコマンドマトリクスのうちのいずれのコマンドマトリクスであるかを識別し、
    前記送信蓄積処理部は、
    前記4進マトリクスが位置マトリクスである場合に、前記1以上の位置情報を蓄積または送信し、前記4進マトリクスがコマンドマトリクスである場合に、前記識別したコマンドマトリクスの種類に応じた処理を行う請求項8記載の電子ペン。
  11. 前記コマンドマトリクスは、IDマトリクスと通常コマンドマトリクスの2種類であり、
    前記アドレスコマンド認識部は、
    前記コマンドマトリクスを、IDマトリクスであるか通常コマンドマトリクスであるかを識別し、
    前記送信蓄積処理部は、
    前記4進マトリクスが位置マトリクスである場合に、前記1以上の位置情報を蓄積または送信し、前記4進マトリクスがIDマトリクスである場合に、前記4進マトリクスに基づいて識別子を取得し、当該識別子を蓄積または送信し、前記4進マトリクスが通常コマンドマトリクスである場合に、コマンド識別子を取得し、少なくとも当該コマンド識別子を蓄積または送信する請求項10記載の電子ペン。
  12. 前記4進マトリクスがIDマトリクスである場合に、前記4進マトリクスに基づいて取得される識別子が用紙属性である請求項11記載の電子ペン。
  13. 前記用紙属性は、用紙のサイズを示す情報である請求項12記載の電子ペン。
  14. 前記用紙属性は、ページ数を示す情報である請求項12記載の電子ペン。
  15. 前記用紙属性は、用紙を識別する情報である用紙IDである請求項12記載の電子ペン。
  16. 各マトリクスのXマトリクスの隣接する所定の数の列のうち、すべて0の値を有する列の数が異なるように、各マトリクスのドットパターンが構成され、
    前記アドレスコマンド認識部は、
    前記4進マトリクス復元部が得た4進マトリクスのXマトリクスの隣接する所定の数の列のうち、すべて0の値を有する列の数を算出し、当該すべて0の値を有する列の数に基づいてマトリクスの種類を識別する請求項8から請求項15いずれか記載の電子ペン。
  17. ドットパターンを識別するだけで、位置マトリクスとコマンドマトリクスを区別するドットパターンが印刷された用紙上の当該ドットパターンを読み取り、当該読み取ったドットパターンから位置マトリクスかコマンドマトリクスかを判断し、位置マトリクスと判断した場合に、前記読み取ったドットパターンから1以上の位置情報を取得し、かつ前記取得した1以上の位置情報を蓄積または送信し、コマンドマトリクスと判断した場合に、コマンドを識別する情報であるコマンド識別子を取得し、当該コマンド識別子を蓄積または送信する電子ペン。
  18. コンピュータに、
    ドットパターンを識別するだけで、位置マトリクスとコマンドマトリクスを区別するドットパターンが印刷された用紙上の当該ドットパターンを読み取るステップと、
    当該読み取ったドットパターンから位置マトリクスかコマンドマトリクスかを判断するステップと、
    位置マトリクスと判断した場合に、前記読み取ったドットパターンから1以上の位置情報を取得し、かつ前記取得した1以上の位置情報を蓄積または送信するステップと、
    コマンドマトリクスと判断した場合に、コマンドを識別する情報であるコマンド識別子を取得し、当該コマンド識別子を蓄積または送信するステップを実行させるためのプログラム。
  19. ドットパターンを識別するだけで、電子ペンで情報を処理しない領域であるコメント部と他の領域を区別するドットパターンが印刷された用紙上の当該ドットパターンを読み取るイメージ読取部と、
    前記イメージ読取部が読み取ったドットパターンから1以上のドットを識別するドット識別部と、
    前記ドット識別部が識別した1以上のドットから、直線上に並ぶドット群を識別する垂直ラスタ識別部と、
    前記垂直ラスタ識別部が識別した直線上に並ぶドット群から前記用紙の方向を決定し、当該方向に基づいて前記1以上のドットの位置を補正する回転補正部と、
    前記ドット識別部が識別したドット群と前記回転補正部における位置の補正に基づいて、ラスタを復元するラスタ復元部と、
    前記ドット識別部が識別したドット群と前記ラスタ復元部が復元したラスタに基づいて、4進マトリクスを得る4進マトリクス復元部と、
    前記4進マトリクス復元部が得た4進マトリクスが前記コメント部を示すマトリクスであるか否かを判断し、少なくともコメント部を示すマトリクスでないと判断した場合に前記4進マトリクスに基づいて1以上の位置情報を取得するアドレスコマンド認識部と、
    前記アドレスコマンド認識部が、前記4進マトリクスが前記コメント部を示すマトリクスであると判断した場合に、前記識別した1以上のドットから得られる情報を破棄し、前記4進マトリクスが前記コメント部を示すマトリクスでないと判断した場合に、前記取得した1以上の位置情報を蓄積する、または/および送信する送信蓄積処理部を具備する電子ペン。
  20. ドットパターンを識別するだけで、コメント部と他の領域を区別するドットパターンが印刷された用紙から、当該ドットパターンを読み取り、読み取ったドットパターンが示すマトリクスがコメント部であるか他の領域であるかを判断し、かつ少なくともコメント部を示すマトリクスでないと判断した場合に前記ドットパターンから1以上の位置情報を取得し、前記コメント部であると判断した場合は前記識別した1以上のドットから得られる情報を破棄し、前記他の領域であると判断した場合は前記1以上の位置情報を蓄積する、または/および送信する電子ペン。
  21. 前記コマンド識別子が所定の項目に記載された情報を特定する1以上の位置情報を送信する項目送信機能を実現するコマンドを識別する情報であり、
    前記送信蓄積処理部は、前記4進マトリクスがコマンドマトリクスである場合に、前記コマンドを識別する情報であるコマンド識別子を取得し、当該コマンド識別子と前記1以上の位置情報を対にして蓄積または送信する請求項8または請求項9いずれか記載の電子ペン。
  22. 前記コマンド識別子が所定の項目に記載された情報を消去する消去箇所指定機能を実現するコマンドを識別する情報であり、
    前記送信蓄積処理部は、前記4進マトリクスがコマンドマトリクスである場合に、コマンド識別子を取得し、当該コマンド識別子と前記1以上の位置情報を対にして蓄積または送信する請求項8または請求項9いずれか記載の電子ペン。
  23. 前記コマンド識別子が所定の項目に記載された情報を修正する新たな情報を送信する修正送信機能を実現するコマンドを識別する情報であり、
    前記送信蓄積処理部は、前記4進マトリクスがコマンドマトリクスである場合に、コマンド識別子を取得し、当該コマンド識別子と前記1以上の位置情報を対にして蓄積または送信する請求項8または請求項9いずれか記載の電子ペン。
  24. 前記用紙上の所定の矩形領域におけるドットパターンが、
    前記矩形領域の座標原点からの相対的位置が当該ドットパターンのみから得られように構成されたドットパターンであり、
    前記アドレスコマンド認識部が取得する位置情報は、前記矩形領域の座標原点からの相対的位置を示す情報である請求項1、4、5、8から16、19、21から23いずれか記載の電子ペン。
  25. 前記用紙上の所定の矩形領域におけるドットパターンが、
    前記矩形領域の座標原点からの相対的位置が当該ドットパターンのみから得られように構成されたドットパターンであり、
    前記取得した位置情報は、前記矩形領域の座標原点からの相対的位置を示す情報である請求項2、6、17、20いずれか記載の電子ペン。
  26. 電子ペンが一度に処理するドット群から構成されるマトリクスの単位は、5×5のマトリクスである請求項1、2、4から6、8から17、19から23いずれか記載の電子ペン。
  27. 請求項1または請求項2いずれか記載の電子ペンにドットパターンを読み取られる用紙であって、当該ドットパターン中に、直線上に並ぶドット群を有する用紙。
  28. 位置マトリクスに対応するドットパターンおよびコマンドマトリクスに対応するドットパターンが、それぞれのドットパターンを識別するだけで、前記位置マトリクスに対応するドットパターンであるか、前記コマンドマトリクスに対応するドットパターンであるかが区別できるドットパターンが印刷された用紙。
  29. 前記位置マトリクスを分解したXマトリクスの隣接する所定の数の列のうち、すべて0の値を有する列の数と、前記通常位置マトリクスを分解したXマトリクスの隣接する前記所定の数の列のうち、すべて0の値を有する列の数が異なるように、前記位置マトリクスに対応するドットパターンおよび前記コマンドマトリクスに対応するドットパターンが印刷された請求項28記載の用紙。
  30. 請求項4から請求項17いずれか記載の電子ペンにドットパターンを読み取られる用紙であって、
    実時間位置マトリクスに対応するドットパターンおよび通常位置マトリクスに対応するドットパターンが、それぞれのドットパターンを識別するだけで、前記実時間位置マトリクスに対応するドットパターンであるか、前記通常位置マトリクスに対応するドットパターンであるかが区別できるドットパターンが印刷された用紙。
  31. 前記実時間位置マトリクスを分解したXマトリクスの隣接する所定の数の列のうち、すべて0の値を有する列の数と、前記通常位置マトリクスを分解したXマトリクスの隣接する前記所定の数の列のうち、すべて0の値を有する列の数が異なるように、前記実時間位置マトリクスに対応するドットパターンおよび前記通常位置マトリクスに対応するドットパターンが印刷された請求項30記載の用紙。
  32. IDマトリクスに対応するドットパターンおよび通常コマンドマトリクスに対応するドットパターンが、それぞれのドットパターンを識別するだけで、前記IDマトリクスに対応するドットパターンであるか、前記通常コマンドマトリクスに対応するドットパターンであるかが区別できるドットパターンが印刷された用紙。
  33. 前記IDマトリクスを分解したXマトリクスの隣接する所定の数の列のうち、すべて0の値を有する列の数と、前記通常コマンドマトリクスを分解したXマトリクスの隣接する前記所定の数の列のうち、すべて0の値を有する列の数が異なるように、前記IDマトリクスに対応するドットパターンおよび前記通常位置マトリクスに対応するドットパターンが印刷された請求項32記載の用紙。
  34. 実時間位置マトリクス、通常位置マトリクス、IDマトリクスおよび通常コマンドマトリクスの少なくとも4種類のマトリクスに対応するドットパターンが、前記4種類のマトリクスのドットパターンを識別するだけで、前記4種類のマトリクスのうち、どのマトリクスに対応するドットパターンであるかが区別できるドットパターンが印刷された用紙。
  35. 前記4種類のマトリクスを分解したXマトリクスの隣接する所定の数の列のうち、すべて0の値を有する列の数に基づいて、前記4種類のマトリクスのうち、どのマトリクスに対応するドットパターンであるかが区別できるドットパターンが印刷された請求項34記載の用紙。
  36. IDマトリクスを分解したXマトリクスのすべての0の値を有する列以外の特定の1または複数の列の値を、送信のためのコマンド識別子として利用し、前記値に応じて蓄積された位置マトリクスやコマンドマトリクスの予め定められた範囲を送信するとともに、分解したXマトリクスの残りの列とYマトリクスの行が示すIDを送信する電子ペン。
  37. 位置マトリクスやコマンドマトリクスに相当するドットパターンを予め印刷する際、予め一定の大きさ空白領域を確保して前記ドットパターンを印刷し、その後、送信のためのコマンド識別子を有するIDマトリクスを印刷した用紙。
  38. 位置マトリクスやコマンドマトリクスに相当するドットパターンを予め印刷する際、その一部に送信のためのコマンド識別子を有し、かつ、互いに異なるIDを有するIDマトリクスのみをページごとに変化させて印刷した一連の用紙群。


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