JP2005173329A - 現像ローラ、及び現像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 圧力変動による抵抗変化が少なく、現像ローラの外径、振れ精度が悪くても起動時で高品位な画像を達成することの出来る現像ローラを得る。
【解決手段】 イオン導電性物質を含有した弾性体の周りに表層を装備し、前記表層の抵抗値が弾性体よりも小さく、かつ起動時の抵抗値と回転時の抵抗値が100倍以内であることを特徴とする現像ローラを提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真複写装置、プリンタ、静電記録装置等の画像形成装置において、使用される現像ローラに関するものであり、濃度ムラやかぶりなどのない高品位な画像を達成すると共に、圧力変動による抵抗変化が少なく、現像ローラの外径、振れ精度が悪くても起動時で高品位な画像を達成することの出来る現像ローラに関する。
電子写真装置である複写機、プリンタ等には帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ等多数のローラが使用されている。
画像形成装置の概略構成図を図1示した。複写機やプリンタ等の画像形成装置は、回転ドラム型・転写方式の電子写真装置であって、1は像担持体としての電子写真感光体(感光ドラム)であり、時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。感光ドラム1は、その回転過程で帯電手段としての電源E1から帯電バイアスを印加した帯電ローラ2により周面が所定の極性・電位(本実施例では−600V)に一様帯電処理され、次いで露光系3により目的の画像情報に対応したネガ画像露光(原稿像のアナログ露光、デジタル走査露光)を受けて周面に目的画像情報の静電潜像が形成される。
次いで、その静電潜像がマイナストナーによる反転現像方式の現像ローラ4を用いたトナー現像方式によりトナー画像として現像される。そしてそのトナー画像が感光ドラム1と転写手段5としての転写ローラとの間の転写部に不図示の給紙手段から所定のタイミングで転写材Pが給送され、転写ローラ5に対して電源E2から約+2〜3KVの転写バイアスが印加され感光ドラム1面の反転現像されたトナー像が転写材Pに対して順次転写されていく。
トナー画像の転写を受けた転写材Pは、感光ドラム1面から分離されて不図示の定着手段へ導入されて像定着処理を受ける。トナー画像転写後の感光ドラム1面は、クリーニング手段6で転写残りトナー等の付着汚染物の除去処理を受けて清浄面化されて繰り返して作像に供される。
ここで使用する帯電ローラ2、現像ローラ4、転写ローラ5には寸法精度、高耐久性が要求されており、電気特性に関しても抵抗値ムラが少ないことが要求されている。また、ここで使用される現像ローラは、ローラの使用の初期において良好な現像特性を有するだけで無く、通紙耐久行なった後や、過酷な環境に長時間放置された後にも安定した現像を行なうことが必要とされている。
濃度ムラや地かぶりなどの無い高品質な画像を得る、或いは高度な階調整を得るものとしては、静止時と回転時の抵抗値を規定した、特開平11−095544号に開示されている。
しかしながら、この構成では、起動時の抵抗値のばらつきを抑えることが出来ず、起動時で高品位な画像を達成することが出来ない。
従って、本発明の目的は、ローラの使用の初期において良好な現像特性を有するだけで無く、通紙耐久行なった後や、過酷な環境に長時間放置された後にも安定した現像を行なうことが出来る現像ローラ、該現像ローラを有する電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置を提供することにある。また、圧力依存性が小さいために現像ローラの外径、振れが大きく、潜像担持体の接触する幅が多少ばらついても均一な電荷が現像ローラから潜像担持体に送ることが出来るために、ローラの使用の初期において良好な現像特性を有するだけで無く、通紙耐久行なった後や、過酷な環境に長時間放置された後にも安定した現像を行なうことが出来ると同時に、起動時で高品位な画像を達成することの出来る現像ローラ、該現像ローラを有する電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置を提供することにある。
上記課題を解決する為に、本発明の導電性ローラは、請求項1によれば表面にトナーを担持してトナー薄膜を形成し、この状態で潜像担持体に非接触、接触して該潜像担持体にトナーを供給することにより可視化する現像ローラにおいて、前記現像ローラが軸体の周囲にイオン導電性物質を含有した弾性体を有し、更にその外周に1層以上の表層を有し、前記表層の抵抗値が弾性体の抵抗値よりも低く、かつ、起動時のローラ抵抗値と回転時のローラ抵抗値が100倍以内であることを特徴とする現像ローラである。
また、請求項2によれば表層が電子導電性物質を含有することを特徴とする請求項1記載の現像ローラである。
また、請求項3によれば電子写真プロセスカートリッジは、請求項1または2に記載の現像ローラを有することを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。
また、請求項4によれば表面にトナーを担持してトナー薄膜を形成し、この状態で潜像担持体に非接触、接触して該潜像担持体にトナーを供給することにより可視化する現像ローラを有する電子写真画像形成装置において、該現像ローラは請求項1または2に記載の現像ローラであることを特徴とする電子写真画像形成装置。
(作用)
上記、課題を解決するための手段による導電性ローラの構成によれば、以下の作用がある。
本発明の現像ローラは、図2のような形態を示す。現像ローラは図2で示すように、軸体の周りにイオン導電性物質含有の導電性弾性体を設け更に表層を1層以上設けた構成をしており、起動時のローラ抵抗値と回転時のローラ抵抗値が100倍以内に抑えられている。また、表層を設けた構成の場合、導電性弾性体と表層との抵抗値の関係は、導電性弾性体よりも表層の抵抗値が低い構成になっている。
以上の構成をとった現像ローラを使用することで、ローラの使用の初期において良好な現像特性を有するだけで無く、通紙耐久行なった後や、過酷な環境に長時間放置された後にも安定した現像を行なうことが出来る現像ローラを得ることを見出した。また、圧力依存性が小さいために現像ローラの外径、振れが大きく、潜像担持体の接触する幅が多少ばらついても均一な電荷が現像ローラから潜像担持体に送ることが出来るために、ローラの使用の初期において良好な現像特性を有するだけで無く、通紙耐久行なった後や、過酷な環境に長時間放置された後にも安定した現像を行なうことが出来ると同時に、起動時で高品位な画像を達成することの出来る現像ローラ、該現像ローラを有する電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置を提供出来ることを見出した。
一方、起動時のローラ抵抗値と回転時のローラ抵抗値が100倍以上の場合、起動時の抵抗値が回転時の抵抗値と比較して大幅に変化してしまい、回転開始時(起動時)に現像ローラと潜像担持体に適切なバイアスをかけることが出来ず、濃度ムラやかぶりが発生してしまい、高品位な画質を得ることが出来なかった。本発明での起動時のローラ抵抗値と回転時のローラ抵抗値は100倍以内であることが望ましいが、よりよくは60倍以内であることが望ましい。また、同時に弾性体の抵抗値は表層の抵抗値よりも低いことが必要であるが、表層の抵抗値と弾性層との抵抗率の比が1E3倍以上の場合、画像横流れ等の現象が発生し好ましくない。
また導電性弾性体の形態としては、発泡体の形態でもソリッドの形態でも構わない。
ここで使用される弾性体として使用できる材料は、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、イソプレンゴム(IR)、スチレンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、シリコーンゴム(Q)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルゴム(ACM)、ヒドリンゴム(ECO)、多硫化ゴム(T)、フッ素ゴム(FKM)等が挙げられ、これらを2種類以上組み合わせて使用することも出来る。更に、これらの材料に導電性を付与して使用することが出来る。更にはこれらの材料に発泡剤、バルーン等を添加して使用することが出来る。液状材料を使用する場合、軸体上に液状導電性材料を型内に注入して、前記導電性材料を型内で熱をかけて架橋することによりローラ形状を得ることが出来る。
軸体としては、導電性を示すものであればなんでも良く金属製のものでも、導電性樹脂でも構わない。しかしながら、通常は金属の中実体からなる芯金、或いは、中心部分をくりぬいた金属製の円筒状のものを用いる。
また、導電性弾性体の外側に配置する表層に使用される材料としては、上記に上げた弾性体に使用される材料以外にも、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリプロピレン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、珪素樹脂、ポリエステル樹脂、スチロール系樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、繊維素系樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、水系樹脂などがあり、これらを2種類以上組み合わせて使用することも出来る。更に、これらの材料に導電性を付与して使用することが出来る。また、これら材料を塗料化して、表層を形成することも可能である。
また、これらの材料を導電化する手法としてはイオン導電機構によるイオン導電性物質を上記材料に含有させることが望ましい。イオン導電機構による導電付与剤としては、LiCF3SO3、NaClO4、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、NaSCN,KSCN,NaCl等の周期律表第1族金属の塩、NH4Cl、NH4SO4、NH4NO3、等のアンモニウム塩、Ca(ClO42、Ba(ClO42等の周期律表第2族金属の塩、これらの塩と1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコールやそれらの誘導体との錯体、これらの塩とエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル等のモノオールとの錯体、第四級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤、脂肪族スルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤、ベタイン等の両性界面活性剤を挙げる事が出来る。これらイオン導電機構による導電付与剤は粉末状或いは、繊維状の形態で、単独または2種類以上を混合して使用する事が出来る。
表層に関しては上記に上げたイオン導電機構によるイオン導電性物質を上記材料に含有させる以外にも、電子導電機構による導電付与剤を材料に添加することにより導電化することも可能である。
電子導電機構による導電付与剤としては、カーボンブラック、グラファイト等の炭素系物質、アルミニウム、銀、金、錫−鉛合金、銅−ニッケル合金等の金属或いは合金、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化銀等の金属酸化物、各種フィラーに銅、ニッケル、銀等の導電性金属めっきを施した物質等を挙げる事が出来る。これら電子導電機構による導電付与剤は粉末状或いは、繊維状の形態で、単独または2種類以上を混合して使用する事が出来る。
以上記載したように、表層を導電化する方法としては、イオン導電機構によるイオン導電性物質の添加、電子導電機構による導電付与剤の分散、の2種類があるが、これらは単独または2種類を混合して使用する事が出来る。
また、上記弾性体に表層を形成する手段としては以下のものがある。まず上記表層を構成する材料を塗料化した場合、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、パールミル等のビーズを利用した従来公知の分散装置を使用して分散させる。得られた表層形成用の塗料は、スプレー塗工法、ディッピング法、ロールコーター法等により導電性弾性体の表面に塗工される。本発明においては、現像ローラの表面が均一に粗面となることが好ましいので、特にディッピングが好ましく用いられる。
表層の厚みとしては、5〜500μm、特に10〜30μmが好ましい。厚みが少なすぎると基層中の低分子量成分がしみ出してきて感光体を汚染する恐れがあるし、厚すぎると現像ローラが硬くなり、融着の原因となるので好ましくない。
本発明においては、上記の如くして形成する表層中に質量平均粒径が1〜20μmの微粒子を分散させることにより、現像ローラ表面のトナーの搬送を容易にすることができ、充分な量のトナーを現像領域に搬送することができる。このような目的に使用する微粒子としては、例えば、ポリメチルメタクリル酸メチル微粒子、シリコーンゴム微粒子、ポリウレタン微粒子、ポリスチレン微粒子、アミノ樹脂微粒子、フェノール樹脂微粒子等のプラスチックピグメントが挙げられるが、特にポリメチルメタクリル酸メチル微粒子及びシリコーンゴム微粒子が好ましい、これらの微粒子は前記表層の約3〜50重量%の範囲で添加することが好ましい。
以上のような、材料、導電性物質を使用することにより導電性ローラを現像ローラとして使用する場合、抵抗値としては、ローラに100Vの電圧を印加した場合1E3〜1E10Ωにすることが望ましく、より良くは、1E4〜1E7にすることが望ましい。抵抗値が1E3Ωより小さい場合、電流が流れすぎてしまい適正なトナー量が現像ローラ上に乗らない。また、1E10Ωよりも大きい場合、電流がローラに流れにくくなり、濃度が出ないといった問題が発生する。また、長手方向、周方向の抵抗に関しても、抵抗ムラは少ない方が良く、局所的に抵抗が小さい場合、及び大きい場合には上記と同様な理由や局所的な現像不良により、高精細な画質を得ることが難しい。
導電性ローラの抵抗値は図4のように導電性ローラを軸体の両端に500gの荷重をかけて金属製ドラムに押し当て、ローラの回転数を60rpmで回転させ、金属製ドラムと導電性ローラの軸体に200Vの電圧を印加し、導電性ローラに流れる電流値を測定することにより抵抗値を算出した。
また、以上の如くして形成される導電性ローラのアスカーC硬度は50°以下とすることが好ましい。このアスカーC硬度が50°を超えると現像ローラと感光ドラムとの間の摩擦で、トナーが現像ローラや感光ドラムの表面に融してしまうので好ましくない。尚、「アスカーC硬度」とは、日本ゴム協会標準規格SRIS0101に準拠したアスカーC型スプリング式ゴム硬度計(高分子計器(株)社製)を用いて測定したローラの硬度であり、常温常湿(23℃、55%RH)の環境中に12時間以上放置したローラに対して、上記硬度計を10Nの力で当接させてから30秒後の測定値とする。但し、硬度が10°以下にした場合、材料自体の圧縮永久歪みが大きい、或いは耐久による削れなどが大きくなり、好ましくない。
以上説明したように、本発明によれば、以下のような効果が得られる。
電子写真複写装置、プリンタ、静電記録装置等の画像形成装置において、本発明の現像ローラを使用した場合、ローラの使用の初期において良好な現像特性を有するだけで無く、通紙耐久行なった後や、過酷な環境に長時間放置された後にも安定した現像を行なうことが出来る現像ローラを得ることが可能になった。また、圧力依存性が小さいために現像ローラの外径、振れが大きく、潜像担持体の接触する幅が多少ばらついても均一な電荷が現像ローラから潜像担持体に送ることが出来るために、ローラの使用の初期において良好な現像特性を有するだけで無く、通紙耐久行なった後や、過酷な環境に長時間放置された後にも安定した現像を行なうことが出来ると同時に、起動時で高品位な画像を達成することの出来る現像ローラ、該現像ローラを有する電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置を提供出来ることが可能になった。
(実施例1)
本発明の実施の形態を示す。
本実施例で使用した弾性体ローラの製造方法を以下に示す。EPDMゴムに導電性充填剤としてLiCF3SO3、可塑剤としてパラフィンオイル、その他発泡剤、発泡助剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤等を練り込みながら添加し、押出し機で押出し成形しチューブ状の成形品を得た。この成形品を加硫缶で160℃×30分の条件で加硫、発泡させチューブ状発泡体を得た。このチューブ状発泡体を、予め接着剤を塗布した直径6mm長さ260mmの芯金に圧入接着し、円筒研磨機で表面スキン層を研磨し、ゴム端部を突っ切りすることによりゴムの全長が240mm、外径が16mmでローラ表面にケバのない弾性体ローラを得た。ここで使用する芯金は以下の工程で製作したものを用いた。芯金を洗浄し無電解ニッケルめっきにより2μmの被膜を作成した。また、本実施例ではウレタンとの乾燥重量比で40%の酸化スズを導電性フィラーとして分散させたウレタンからなる塗工液を使用し(液体粘度20m・pa・s)導電性表層剤とした。この導電性表層剤を上記で作成した弾性体ローラにディッピング後、引き上げて乾燥させ、110℃にて2時間加熱処理して、導電性樹脂層を弾性層の外周に設けることで本実施例1の現像ローラ4を得た。
この現像ローラ表層の膜厚を測定したところ、最大膜厚20μm、最少膜厚16μmの均一な厚みのローラを得ることが出来た。特に、画像領域部分(幅210mm)の膜厚については、良好な結果を得た。膜厚の測定方法は、塗工前の弾性体ローラの外径をレーザ測長機で測定し、塗工後も同様に表層付きのゴムローラの外径を測定し、それぞれの外径差の半分をその膜厚とした。ここで得られた、現像ローラの硬度は45(AsekerC)であった。
ここで得られた現像ローラ4の回転時の抵抗値を測定したところ、6E6Ωであった。測定方法は、図4に示したように、芯金4bの両端に500gの荷重をかけ、芯金4bと金属製ドラム7を回転させて現像ローラの回転数が60rpmになるようにし、その間に200Vの電圧を印加して現像ローラ4の抵抗値を測定した。また回転起動時の抵抗値を測定したところ、4E6Ωであった。測定方法は、同様に図4に示した装置の金属ドラム7に現像ローラを静止した状態でセットし回転した瞬間の抵抗値を測定した。印加電圧は200V、ローラ回転数は回転開始から1秒以内に60rpmまであげることにした。
この現像ローラを感光ドラムに進入量が80μmになる状態で圧接し、この現像ローラを使いハーフトーンによる画像評価を行った結果、良好な画像を得ることが出来た。具体的には濃度ムラやかぶりなどのない高品位な画像を達成すると共に、圧力変動による抵抗変化が少なく、現像ローラの外径、振れ精度が悪くても起動時で高品位な画像を達成することが出来た。尚、本実施例で作成した現像ローラの振れ精度は約70μm、外径精度は約10μmであった。また、本実施例での表層体積抵抗値と弾性体体積抵抗値の比は表層体積抵抗値/弾性体体積抵抗値=0.0125であった。
(実施例2)
ビニル末端を有するポリジメチルシロキサン100部にLiCF3SO30.5部、珪素原子結合水素原子を有するポリジメチルシロキサン100部をロールにより均一分散するまで混練りし、接着剤が塗布された芯金4bがセットされたパイプ形状の金型中に前記混合材料を注入した。その後この金型を熱盤で挟みながら120℃、30分、200kg/cm2にて加橋し、冷却後パイプ金型を脱型し200℃、4時間の条件で熱風乾燥炉を用いて2次加硫することにより弾性体ローラを得た。ここで使用する芯金は実施例1と同様のものを用いた。
この弾性体ローラに塗工する導電性表層剤は以下のように調整した。まずウレタン樹脂の固形分5%となるよう調整したメチルエチルケトンを主溶媒とする混合溶液に、さらにカーボンブラックを、樹脂成分に対し30重量部添加し十分に攪拌分散したものを塗工液とした(液体粘度20m・pa・s)。この液中に弾性ローラを浸漬してコーティングした後、引き上げて乾燥させ、160℃にて2時間加熱処理して、導電性樹脂層を弾性層の外周に設けることで本実施例2の現像ローラ4を得た。
この現像ローラ表層の膜厚を測定したところ、最大膜厚18μm、最少膜厚15μmの均一な厚みのローラを得ることが出来た。特に、画像領域部分(幅210mm)の膜厚については、良好な結果を得た。膜厚の測定方法は、塗工前の弾性体ローラの外径をレーザ測長機で測定し、塗工後も同様に表層付きのゴムローラの外径を測定し、それぞれの外径差の半分をその膜厚とした。ここで得られた、現像ローラの硬度は35(AsekerC)であった。
ここで得られた現像ローラ4の回転時の抵抗値を測定したところ、8E5Ωであった。測定方法は、図4に示したように、芯金4bの両端に500gの荷重をかけ、芯金4bと金属製ドラム7を回転させて現像ローラの回転数が60rpmになるようにし、その間に200Vの電圧を印加して現像ローラ4の抵抗値を測定した。また回転起動時の抵抗値を測定したところ、2E5Ωであった。測定方法は、同様に図4に示した装置の金属ドラム7に現像ローラを静止した状態でセットし回転した瞬間の抵抗値を測定した。印加電圧は200V、ローラ回転数は回転開始から1秒以内に60rpmまであげることにした。
この現像ローラを感光ドラムに進入量が80μmになる状態で圧接し、この現像ローラを使いハーフトーンによる画像評価を行った結果、良好な画像を得ることが出来た。具体的には濃度ムラやかぶりなどのない高品位な画像を達成すると共に、圧力変動による抵抗変化が少なく、現像ローラの外径、振れ精度が悪くても起動時で高品位な画像を達成することが出来た。尚、本実施例で作成した現像ローラの振れ精度は約60μm、外径のばらつきは20μmであった。また、本実施例での表層体積抵抗値と弾性体体積抵抗値の比は表層体積抵抗値/弾性体体積抵抗値=0.01であった。
(比較例1)
本比較例で使用した弾性体ローラの製造方法を以下に示す。EPDMゴムに導電性充填剤としてLiCF3SO3、可塑剤としてパラフィンオイル、その他発泡剤、発泡助剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤等を練り込みながら添加し、押出し機で押出し成形しチューブ状の成形品を得た。この成形品をオーブンで160℃×30分の条件で加硫、発泡させチューブ状発泡体を得た。このチューブ状発泡体を、予め接着剤を塗布した直径6mm長さ260mmの芯金に圧入接着し、円筒研磨機で表面スキン層を研磨し、ゴム端部を突っ切りすることによりゴムの全長が240mm、外径が16mmでローラ表面にケバのない弾性体ローラを得た。ここで使用する芯金は実施例1と同様のものを用いた。また、本比較例ではウレタンとの乾燥重量比で20%の酸化スズを導電性フィラーとして分散させたウレタンからなる塗工液を使用し(液体粘度15m・pa・s)導電性表層剤とした。この導電性表層剤を上記で作成した弾性体ローラにディッピングすることで現像ローラ4(図2)を得た。
この現像ローラ表層の膜厚を測定したところ、最大膜厚10μm、最少膜厚7μmの均一な厚みのローラを得ることが出来た。特に、画像領域部分(幅210mm)の膜厚については、良好な結果を得た。膜厚の測定方法は、塗工前の弾性体ローラの外径をレーザ測長機で測定し、塗工後も同様に表層付きのゴムローラの外径を測定し、それぞれの外径差の半分をその膜厚とした。ここで得られた、現像ローラの硬度は10(AsekerC)であった。
ここで得られた現像ローラ4の回転時の抵抗値を測定したところ、6E8Ωであった。測定方法は、図4に示したように、芯金4bの両端に500gの荷重をかけ、芯金4bと金属製ドラム7を回転させて現像ローラの回転数が60rpmになるようにし、その間に200Vの電圧を印加して現像ローラ4の抵抗値を測定した。また回転起動時の抵抗値を測定したところ、4E6Ωであった。測定方法は、実施例1同様である。この現像ローラを感光ドラムに進入量が80μmになる状態で圧接し、この現像ローラを使いハーフトーンによる画像評価を行った結果、連続通紙耐久時には、良好な画像を得ることが出来た。しかしながら、初期起動時(ローラ回転初期)で高品位な画像を達成することはできなかった。尚、本実施例で作成した現像ローラの振れ精度は約20μm、外径精度は約15μmであった。また、本実施例での表層体積抵抗値と弾性体体積抵抗値の比は表層体積抵抗値/弾性体体積抵抗値=0.025であった。
(比較例2)
ビニル末端を有するポリジメチルシロキサン100部にLiCF3SO30.3部、珪素原子結合水素原子を有するポリジメチルシロキサン100部をロールにより均一分散するまで混練りし、接着剤が塗布された芯金4bがセットされたパイプ形状の金型中に前記混合材料を注入した。その後170℃、30分、200kg/cm2にて加橋し、冷却後パイプ金型を脱型し200℃、4時間の条件で熱風乾燥炉を用いて2次加硫することにより弾性体ローラを得た。ここで使用する芯金は実施例1と同様のものを用いた。
この弾性体ローラに塗工する導電性表層剤は以下のように調整した。まずウレタン樹脂の固形分5%となるよう調整したメチルエチルケトンを主溶媒とする混合溶液に、さらにカーボンブラックを、樹脂成分に対し25重量部添加し十分に攪拌分散したものを塗工液とした(液体粘度10m・pa・s)。この液中に弾性ローラを浸漬してコーティングした後、引き上げて乾燥させ、100℃にて2時間加熱処理して、導電性樹脂層を弾性層の外周に設けることで本実施例2の現像ローラ4を得た。
この現像ローラ表層の膜厚を測定したところ、最大膜厚5μm、最少膜厚3μmの均一な厚みのローラを得ることが出来た。特に、画像領域部分(幅210mm)の膜厚については、良好な結果を得た。膜厚の測定方法は、塗工前の弾性体ローラの外径をレーザ測長機で測定し、塗工後も同様に表層付きのゴムローラの外径を測定し、それぞれの外径差の半分をその膜厚とした。ここで得られた、現像ローラの硬度は15(AsekerC)であった。
ここで得られた現像ローラ4の回転時の抵抗値を測定したところ、3E8Ωであった。測定方法は、図4に示したように、芯金4bの両端に500gの荷重をかけ、芯金4bと金属製ドラム7を回転させて現像ローラの回転数が60rpmになるようにし、その間に200Vの電圧を印加して現像ローラ4の抵抗値を測定した。また回転起動時の抵抗値を測定したところ、2E6Ωであった。測定方法は、実施例1同様である。この現像ローラを感光ドラムに進入量が80μmになる状態で圧接し、この現像ローラを使いハーフトーンによる画像評価を行った結果、連続通紙耐久時には、良好な画像を得ることが出来た。しかしながら、初期起動時(ローラ回転初期)で高品位な画像を達成することはできなかった。尚、本実施例で作成した現像ローラの振れ精度は約30μm、外径精度は約20μmであった。また、本実施例での表層体積抵抗値と弾性体体積抵抗値の比は表層体積抵抗値/弾性体体積抵抗値=0.015であった。
本発明の実施の形態を示す画像形成装置の該略図。 本発明の実施の形態を示す現像ローラの側面、断面図。 現像ローラの抵抗値を測定する装置の該略図。
符号の説明
1 電子写真感光体(感光ドラム)
2 帯電手段
3 露光系
4 現像手段
4a 弾性層
4b 芯金
4c 表層
5 転写手段
6 クリーニング手段
7 金属製ドラム
E1、E2、E3 バイアス印加用電源
P 記録媒体

Claims (4)

  1. 表面にトナーを担持してトナー薄膜を形成し、この状態で潜像担持体に非接触、接触して該潜像担持体にトナーを供給することにより可視化する現像ローラにおいて、前記現像ローラが軸体の周囲にイオン導電性物質の弾性体を有し、更にその外周に1層以上の表層を有し、前記表層の抵抗値が弾性体の抵抗値よりも低く、かつ、起動時のローラ抵抗値と回転時のローラ抵抗値が100倍以内であることを特徴とする現像ローラ。
  2. 前記表層が電子導電性物質を含有することを特徴とする請求項1記載の現像ローラ。
  3. 電子写真プロセスカートリッジは、請求項1または2に記載の現像ローラを有することを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。
  4. 表面にトナーを担持してトナー薄膜を形成し、この状態で潜像担持体に非接触、接触して該潜像担持体にトナーを供給することにより可視化する現像ローラを有する電子写真画像形成装置において、該現像ローラは請求項1または2に記載の現像ローラであることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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