JP2005172430A - 陶磁器製品の欠陥検出方法 - Google Patents

陶磁器製品の欠陥検出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005172430A
JP2005172430A JP2003408101A JP2003408101A JP2005172430A JP 2005172430 A JP2005172430 A JP 2005172430A JP 2003408101 A JP2003408101 A JP 2003408101A JP 2003408101 A JP2003408101 A JP 2003408101A JP 2005172430 A JP2005172430 A JP 2005172430A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waveform
frequency
product
defect
defective product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003408101A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeyuki Yamada
茂幸 山田
Takeshi Toi
武司 戸井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Chuo University
Original Assignee
Toto Ltd
Chuo University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toto Ltd, Chuo University filed Critical Toto Ltd
Priority to JP2003408101A priority Critical patent/JP2005172430A/ja
Publication of JP2005172430A publication Critical patent/JP2005172430A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

【課題】人間の聴覚に頼ることなく機械的にクラックや割れ等の欠陥の有無を検出することができ、欠陥が微細であっても精度良く検出することができる陶磁器製品の欠陥検出方法を提供すること。
【解決手段】陶磁器製品Mから発せられた打音の波形から抽出した特徴点を欠陥のない良品から発せられた打音の波形から抽出した特徴点と比較することによって前記陶磁器製品Mの欠陥の有無を検出することにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、陶磁器製品に生じるひびや割れ等の欠陥の有無を打音から判定する陶磁器製品の欠陥検出方法に関するものである。
従来より、クラックや割れ等の欠陥が発生しやすい陶磁器製品では、製品に発生した欠陥を検出することが製品の品質を保つ上で重要な課題であった。特に、衛生陶器のような構造が複雑な陶磁器製品では、外側からは視認できない位置に欠陥が存在する場合があるため、欠陥の検出方法として陶磁器製品をハンマーによって叩いてその打音から検査人が欠陥の有無を判定する官能検査が一般的に行われていた。(例えば、特許文献1参照。)
特開平8−184543号公報
しかし、上述した官能検査による欠陥検出方法では、検査人の技量や体調により欠陥の検出精度に差が生じるため、安定したレベルで欠陥を検出することができなかった。しかも、検査人の聴覚に頼った官能検査であるため、微細な欠陥を精度良く検出するのが困難であり、そのような微細な欠陥を検出しようとすれば、欠陥の有無を確認すべく何度も陶磁器製品を打撃することになって、場合によっては検査中に陶磁器製品を破損してしまうおそれがあった。
そこで、本発明の陶磁器製品の欠陥検出方法では、陶磁器製品から発せられた打音の波形から抽出した特徴点を欠陥のない良品から発せられた打音の波形から抽出した特徴点と比較することによって前記陶磁器製品の欠陥の有無を検出することにした。
また、本発明の陶磁器製品の欠陥検出方法は、以下の点にも特徴を有するものである。
(1)前記特徴点は、周波数分布、減衰時間、減衰形状のうちのいずれか一つ又は複数の組合せとすること。
(2)前記特徴点は、波形の測定を行う周波数帯域中で予め設定した低周波数側の帯域から抽出すること。
請求項1記載の本発明によれば、陶磁器製品から発せられた打音の波形から抽出した特徴点を欠陥のない良品から発せられた打音の波形から抽出した特徴点と比較することによって前記陶磁器製品の欠陥の有無を検出することにしたので、人間の聴覚に頼ることなく機械的に欠陥の有無を検出することができ、欠陥の検出精度を安定させることができると共に、微細な欠陥も精度良く検出することができる。また、欠陥の有無を判断するために何度も打音を発生させる必要がないので、打音を発生させるために陶磁器製品に外力を加える回数を低減させることができる。
請求項2記載の本発明によれば、前記特徴点は、周波数分布、減衰時間、減衰形状のうちのいずれか一つ又は複数の組合せとすることにしたので、複数の特徴点のいずれかによって欠陥の有無を判定することができ、1つの特徴点からは欠陥の有無が判定できなくても他の特徴点で欠陥の有無を判定して、欠陥検出の精度をより高めることができる。
請求項3記載の本発明によれば、前記特徴点は、波形の測定を行う周波数帯域中で予め設定した低周波数側の帯域から抽出することにしたので、複数の振動モードが存在していて高周波数側の帯域からは欠陥検出に有効な特徴点を抽出しにくい陶磁器製品においても有効な特徴点を抽出することができる。
本発明に係る陶磁器製品の欠陥検出方法は、検査対象である陶磁器製品から発せられた打音の波形から抽出した特徴点を欠陥のない良品から発せられた打音の波形から抽出した特徴点と比較することによって前記陶磁器製品における欠陥の有無を検出するものである。
すなわち、陶磁器製品にインパルスハンマーや加振機等の加振手段により外力を加えて発生させた音や振動を、非接触式のマイクロフォンやレーザー式振動計等の振動検知手段によって検知して時間軸データ化すると共に、その時間軸データをFFTアナライザ等の変換手段によって周波数軸データに変換して周波数軸波形を形成し、その周波数軸波形から欠陥の検出に必要な特徴点を抽出して、その特徴点を予め求めておいた良品における特徴点と比較し、欠陥の有無を検出するものである。
このように、陶磁器製品から発せられた打音の波形から抽出された特徴点をもとにして欠陥の有無を判定するので、人間の聴覚に頼ることなく機械的に欠陥の有無を検出することができ、欠陥の検出精度を安定させることができると共に、微細な欠陥も精度良く検出することができる。また、欠陥の有無を判断するために何度も打音を発生させる必要がないので、打音を発生させるために陶磁器製品に外力を加える回数を低減させることができる。
欠陥の有無を判定する際に用いる前記特徴点としては、周波数分布、減衰時間、減衰形状のうちのいずれか一つ又は複数を用いることができる。このように、複数ある特徴点のいずれかによって欠陥の有無を判定するので、1つの特徴点からは欠陥の有無が判定できなくても他の特徴点で欠陥の有無を判定して、欠陥検出の精度をより高めることができる。
また、前記特徴点は、例えば1000〜2000Hzのように、波形の測定を行う周波数帯域中で予め設定した低周波数側の帯域から抽出するのが望ましい。これは、陶磁器製品には複数の振動モードが存在するからである。複数の振動モードが存在すると、周波数分布はその分複雑になる。そして、振動モードの数が増えるほどに周波数分布はより複雑になり、欠陥のない良品と欠陥のある不良品との違いが見分けにくくなる。その結果、欠陥の有無を判定するための特徴点を抽出するのが困難になる。特に高周波数側では、複数の振動モードから励起される多くの周波数ピークが同時に観察されるため、良品と不良品との比較点となる特徴点の抽出がさらに困難になる。従って、複数の振動モードが存在しており高周波数側の帯域からは有効な特徴点を抽出しにくい陶磁器製品においては、低周波数側の帯域から特徴点を抽出することが望ましい。特に、衛生陶器のように構造が複雑で多数の振動モードを有する陶磁器製品においては、上述のように低周波数側の帯域から特徴点を抽出することによって、欠陥の検出精度を向上させることができる。
ところで、前記振動モードは、打音を発生させるべく外力を加える加振点の位置によって励起される数や種類が異なる。従って、振動モードとその振動モードが励起される加振点との関係が分かっている場合には、一度に複数の振動モードを励起可能な特定の加振点を探して、同加振点に外力を加えるようにすれば、少ない加振操作で効率よく陶磁器製品全体の欠陥検出を行うことができる。一方、欠陥が発生しやすい箇所と振動モードとの関係が予め分かっている場合には、その振動モードを励起可能な特定の加振点を探して、同加振点に外力を加えるようにすれば、大まかな欠陥の有無を短時間で把握することができる。
以下に、本発明に係る陶磁器製品の欠陥検出方法と、同欠陥検出方法に用いる欠陥検出装置の具体的な実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、欠陥検出装置の一実施形態の構成図である。欠陥検出装置Lは、検査対象である陶磁器製品Mを打撃して振動させる加振手段としてインパルスハンマー1と、同インパルスハンマー1の打撃によって陶磁器製品Mより発生した打音を振動として検知する振動検知手段としてのマイクロフォン2と、同マイクロフォン2によって検知された振動を増幅するアンプ3と、同アンプ3によって増幅された振動を時間軸データに変換するアナログ/デジタル変換器4(以下、A/D変換器4という)と、同A/D変換器4によって変換された時間軸データを高速フーリエ変換処理(以下、FFT処理という)して周波数軸データに変換すると共に、同周波数軸データから形成される周波数軸波形から欠陥の検出に必要な特徴点を抽出し、その特徴点を予め求めておいた良品における特徴点と比較して欠陥の有無を判定するデータ解析装置5と、同データ解析装置5による欠陥検出の結果を表示する表示装置6とを備えている。図中、7は陶磁器製品Mを載置する検査台、8は検査台7の周囲に設置した防音室、9はインパルスハンマー1を任意の位置に移動可能に支持するハンマー支持体である。
上記インパルスハンマー1には、陶磁器製品Mに加えた加振力(N)を検出する力センサー10を取り付けており、この力センサー10によって検出した加振力(N)のデータを前記データ解析装置5において周波数軸波形を形成する際に用いるようにしている。すなわち、加振力(N)に応じて周波数軸波形の振幅(Pa)を補正し、加振力(N)の違いによって周波数軸波形の形状に差が生じないようにしている。
また、インパルスハンマー1の打撃部位となるハンマーヘッド先端の材質は、必要な周波数帯域を十分に励起できる真鍮等の材質としている。これにより、特徴点を抽出する低周波数側の帯域における打音の周波数軸波形をより明確な波形とすることができる。
なお、加振手段としては、インパルスハンマー1以外にも特定周波数の振動を発生する加振機を用いることができる。その場合には、前記特徴点の抽出に有効な低周波数側の帯域に限定した振動を発生させるとよい。
また、前記データ解析装置5は、時間軸データをFFT処理して周波数軸データに変換するFFT処理部11と、同FFT処理部11で得られた周波数軸データから特徴点を抽出する特徴点抽出部12と、同特徴点抽出部12で抽出された各種特徴点を予め入力しておいた良品における特徴点と比較して欠陥の有無を判定する判定部13とを備えている。
本実施形態では、上記特徴点を、測定を行う周波数帯域中最大の周波数ピークが出現する周波数帯域と、測定を行う周波数帯域中最も低周波数側に出現する周波数ピークの周波数と、同周波数ピークの減衰時間と、同周波数ピークの減衰波形の形状との4つにしている。そして、前記データ解析装置5は、これら4つの特徴点を周波数軸波形から抽出すると共に、各特徴点をそれぞれ良品における特徴点と比較して、各特徴点毎に欠陥の有無を判定する。そして、それら各特徴点毎の判定結果からさらに総合的な判定を行って、最終的な欠陥の有無を判定する。
なお、本実施形態では、上記欠陥検出装置Lに加えて陶磁器製品Mを搬送するベルトコンベア14と、各陶磁器製品Mの品番を検知してどの個体を検査しているのかを記録する品番検知装置15と、検査後に不良品と良品とを選別する選別装置16とを配設し、自動検査ラインNを構築している。
次に、上記欠陥検出装置Lによる欠陥検出過程について説明する。
陶磁器製品Mの欠陥検出が開始すると、まず、ベルトコンベア14により陶磁器製品Mを搬送して検査台7に載置する。この搬送過程において、前記品番検知装置15によって陶磁器製品Mの品番を検知して、どの個体を検査するのかを記録する。次に、インパルスハンマー1によって予め設定された加振点を打撃し、陶磁器製品Mを振動させて打音を発生させる。なお、加振点によって励起される振動モードの数や種類が異なってくるので、振動モードとその振動モードが発生する振動箇所との関係が分かっている場合には、一度に複数の振動モードを励起可能な加振点を探して、少ない加振回数で製品中の欠陥を検出可能とすることが望ましい。
次に、陶磁器製品Mで発生した振動をマイクロフォン2で検出する。検出された振動はアンプ3で増幅させた後にA/D変換器4でデジタル化して、図2に示すように時間軸データにする。
次に、この時間軸データをデータ解析装置5でFFT処理して周波数軸データへと変換すると共に、同周波数軸データに特定の周波数帯域のデータのみを取り出すフィルタリング処理や、同フィルタリング処理によって取り出された特定の周波数帯域のデータを再び時間軸データへと変換する逆FFT処理などの必要な前処理を実行して、欠陥の有無を判定する際に必要な特徴点としての比較データを抽出する。
この特徴点としての各種比較データの抽出は、欠陥のない良品に対しても同様に行っており、この良品における比較データが欠陥の有無を判定する際の基準値となる。すなわち、データ解析装置5は、予め抽出しておいた良品における各種比較データと、検査対象である陶磁器製品Mの比較データとを比較して陶磁器製品Mにおける欠陥の有無を判定する。前述したように、本実施形態では、欠陥の有無を判定するための特徴点が複数存在するので、各特徴点毎に欠陥の有無を判定して、それらの判定結果を総合的に判断して最終的な欠陥の有無を決定する。このデータ解析装置5における判定結果は、表示装置6に表示する。
上記欠陥検出装置Lにおいて欠陥の有無を判定する際に用いる4つの特徴点は、良品と不良品との比較試験により決定した。以下、この比較試験の結果について説明する。なお、以下の比較試験においては、試験対象となる陶磁器製品Mとして衛生陶器を用いると共に、良品と不良品とのそれぞれにおいて複数の個体を試験した。
図3には、比較試験における衛生陶器Mの加振点(以下、打撃位置という)A〜Iを示している。比較試験を行うにあたっては、まず、良品においてこの9つの打撃位置A〜Iを打撃し、各打撃位置における周波数軸波形を求めた。
また、図3には、比較試験に用いる不良品の欠陥位置b1〜b7も示している。このように、比較試験では、図中の欠陥位置b1にクラックがある不良品1と、欠陥位置b2にクラックがある不良品2と、欠陥位置b3にクラックがある不良品3と、欠陥位置b4にクラックがある不良品4と、欠陥位置b5にクラックがある不良品5と、欠陥位置b6にクラックがある不良品6と、欠陥位置b7にクラックがある不良品7との7種の不良品を用いた。
図4には、良品における周波数軸波形(a)と、不良品3における周波数軸波形(b)とを示している。図4からも分かるとおり、良品においては1000Hz〜1500Hzの周波数帯域において目立った周波数ピークが見られないのに対し、不良品においては1000Hz〜1500Hzの周波数帯域に測定を行った周波数帯域中最大の周波数ピークが見られた。この1000Hz〜1500Hzの周波数帯域中に測定を行った周波数帯域中最大の周波数ピークが現れる現象は、全ての不良品においては確認することができなかった。しかし、良品においてはそのような現象は一例も確認することができなかった。
このことから、1000Hz〜1500Hzの周波数帯域に測定周波数帯域中最大の周波数ピークが存在すれば、衛生陶器Mに欠陥が存在する可能性が高いと判定できることが分かった。従って、測定周波数帯域中最大の周波数ピークが出現する周波数帯域(1000Hz〜1500Hz)は、欠陥検出の一特徴点として使用できるといえる。
なお、同じ不良品3に対し打撃位置を変えて打音を発生させて、上記図4と同様に周波数軸波形を求めたところ、図4(b)に示す波形とは若干波形が異なるものの、やはり、1000Hz〜1500Hzの周波数帯域に測定周波数帯域中最大の周波数ピークが表れた。このことから、欠陥位置と打撃位置との相関関係は小さいことが分かった。
図5には、打撃位置Aにおける周波数軸波形を0Hz〜2000Hzの低周波帯域に限って拡大表示している。(a)は良品の周波数軸波形、(b)は不良品4の周波数軸波形、(c)は不良品3の周波数軸波形であり、図からも分かるとおり、良品では、最も低周波数側において表れる特徴的な周波数ピーク(以下、最低周波数側ピークという)の位置が1230Hzであるのに対し、不良品では、この最低周波数側ピークの位置が良品における位置よりもさらに低周波数側にシフトして1145Hzや1203Hzにピークが表れた。
上述した良品と不良品における最低周波数側ピークの出現位置の傾向は、試験したいずれの個体においても確認できた。すなわち、良品においては、最低周波数側ピークが常に1230Hzに表れたのに対し、不良品においては、個体によってそのシフト量は異なるものの、いずれの製品においても良品(1230Hz)より低周波数側に最低周波数側ピークがシフトして表れた。
また、上記図5において観察された良品と不良品との最低周波数側ピークの傾向は、打撃位置を変えても同様に観察された。図6には、打撃位置をBに変えた場合の周波数軸波形を0Hz〜2000Hzの低周波帯域に限って拡大表示しており、(a)は良品の周波数軸波形を、(b)は不良品7の周波数軸波形を示している。図からも分かるとおり、良品では、最低周波数側ピークの位置が1308Hzであるのに対し、不良品では、この最低周波数側ピークの位置が良品よりもさらに低周波数側にシフトして1286Hzにピークが表れている。
このように、打撃位置がどこであっても不良品では最低周波数側ピークの位置が良品の最低周波数側ピークの位置よりも低周波数側にシフトするので、各打撃位置毎に予め良品における最低周波数側ピークの位置を調べておけば、かかる良品の最低周波数側ピークの位置よりも検査対象の最低周波数側ピークの位置が低周波数側となった場合には、検査対象に欠陥が存在する可能性が高いと判定できる。従って、最低周波数側ピークの位置(周波数)は、欠陥検出の一特徴点として用いることができる。
なお、良品における最低周波数側ピークの位置に関しては、全ての打撃位置についてその固有周波数を調べた。その結果、衛生陶器Mのボール(洗浄部)M1内の4つの打撃位置A,E,F,Gと、衛生陶器Mの側面M2の2つの打撃位置C,Dから得られた固有周波数は全て同じであった。また、衛生陶器Mの上面M3の3つの打撃位置B,H,Iにおける固有周波数は、前記打撃位置A,C〜Gにおける固有周波数とは異なった。そして、これら衛生陶器Mの上面M3の3つの打撃位置B,H,Iにおける固有周波数は全て同じであった。
これは、打撃位置A,C〜Gであればどの打撃位置を打撃してもそれによって観察される同一の振動モードに由来する周波数は同じであり、打撃位置B,H,Iを打撃した場合は、それとは異なる振動モード由来の周波数が観察されることを意味している。このことから、衛生陶器Mにおいては、少なくとも打撃位置A,C〜Gのうちの1箇所と、打撃位置B,H,Iのうちの1箇所との合計2箇所を打撃すれば、特徴点として欠陥検出に利用できる有効な周波数を把握できることが分かった。すなわち、衛生陶器Mにおいては、各振動モードとその発生源との関係さえ解明できれば、わずか2箇所を打撃するだけでどの位置に欠陥があるのかをほぼ検出できることが分かった。
図7には、打撃位置Aにおける上記最低周波数側ピークの出現位置となる1000Hz〜1500Hzの周波数帯域における周波数軸波形を逆FFT処理して求めた減衰波形を示している。(a)及び(b)は良品における減衰波形、(c)は不良品1における減衰波形、(d)は不良品2における減衰波形、(e)は不良品3における減衰波形、(f)は不良品4における減衰波形、(g)は不良品5における減衰波形、(h)は不良品6における減衰波形を示している。
図からも分かるとおり、良品では、(a)と(b)のどちらにおいても減衰波形の振幅が大きくなったり0付近まで小さくなったりと変動を繰り返しながら徐々に小さくなっていくのに対し、不良品では、振幅の大小変化を繰り返すという良品と同様の傾向が見られるものの、検査した個体ごとに減衰波形の形状にばらつきがあり、例えば(d)に示す減衰波形のようになだらかに振幅が小さくなっていって、前述した振幅の大小変化の繰り返しがほとんど見られないものもあった。また、振幅の大小変化の繰り返しが確認できても良品と比較するとその変化の度合いが小さく、良品の波形よりも間延びした波形となっていた。
また、良品では、減衰時間に個体差が無くほぼ一定であるのに対し、不良品では、(c)に示す減衰波形と(f)に示す減衰波形とを比較すると分かるように、試験した個体により減衰時間にばらつきがあった。
このことから、1000Hz〜1500Hzの周波数帯域における良品の減衰波形と減衰時間とを予め求めておけば、それを検査対象における減衰波形及び減衰時間とそれぞれ比較して、良品と検査対象との間で減衰波形の形状や減衰時間が大きく異なった場合に、検査対象に欠陥がある可能性が高いと判定できる。従って、最低周波数側ピークの減衰時間及び減衰波形の形状は、欠陥検出の一特徴点として用いることができる。
なお、上述したような良品と不良品における減衰波形の形状の違いや減衰時間の違いは、1000Hz〜1500Hzの周波数帯域において顕著に見られる特徴である。図8には、比較として5000Hz〜10000Hzの周波数帯域における周波数軸波形を逆FFT処理して求めた減衰波形を示している。図示するように、この5000Hz〜10000Hzの周波数帯域における減衰波形では、良品における減衰波形(a)及び(b)と、不良品における減衰波形(c)〜(h)とがほぼ同型状となって、減衰時間にも大きな違いが見られない。この傾向は、1000Hz〜1500Hzの周波数帯域を除く他の周波数帯域全般において見られた。従って、1000Hz〜1500Hzの周波数帯域における減衰波形の形状及び減衰時間から最も効果的に欠陥の有無を判断できるといえる。
本発明に係る欠陥検出装置の一実施形態の構成図である。 時間軸データをもとに形成される打音の時間軸波形を示す図である。 比較試験における衛生陶器の打撃位置、及び欠陥位置を示す説明図であり、(a)は平面視による説明図、(b)は左側面視による説明図、(c)は右側面視による説明図である。 衛生陶器の打音をFFT処理して求めた周波数軸波形を示す図であり、(a)は衛生陶器が良品ある場合、(b)は衛生陶器が不良品である場合を示している。 打撃位置Aにおける周波数軸波形の低周波帯域部分を示す図であり、(a)は衛生陶器が良品ある場合、(b)及び(c)は衛生陶器が不良品である場合を示している。 打撃位置Bにおける周波数軸波形の低周波帯域部分を示す図であり、(a)は衛生陶器が良品ある場合、(b)は衛生陶器が不良品である場合を示している。 周波数軸波形の1000Hz〜1500Hz帯域を逆FFT処理して求めた減衰波形を示す図であり、(a)及び(b)は衛生陶器が良品ある場合、(c)〜(h)は衛生陶器が不良品である場合を示している。 周波数軸波形の5000Hz〜10000Hz帯域を逆FFT処理して求めた減衰波形を示す図であり、(a)及び(b)は衛生陶器が良品ある場合、(c)〜(h)は衛生陶器が不良品である場合を示している。
符号の説明
L 欠陥検出装置
M 陶磁器製品(衛生陶器)
M1 ボール
M2 側面
M3 上面
N 自動検査ライン
A〜G 打撃位置
b1〜b7 欠陥位置
1 インパルスハンマー
2 マイクロフォン
3 アンプ
4 アナログ/デジタル変換器(A/D変換器)
5 データ解析装置
6 表示装置
7 検査台
8 防音室
9 ハンマー支持体
10 力センサー
11 FFT処理部
12 特徴点抽出部
13 判定部
14 ベルトコンベア
15 品番検知装置
16 選別装置

Claims (3)

  1. 陶磁器製品から発せられた打音の波形から抽出した特徴点を欠陥のない良品から発せられた打音の波形から抽出した特徴点と比較することによって前記陶磁器製品の欠陥の有無を検出することを特徴とする陶磁器製品の欠陥検出方法。
  2. 前記特徴点は、周波数分布、減衰時間、減衰形状のうちのいずれか一つ又は複数の組合せとすることを特徴とする請求項1に記載の陶磁器製品の欠陥検出方法。
  3. 前記特徴点は、波形の測定を行う周波数帯域中で予め設定した低周波数側の帯域から抽出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の陶磁器製品の欠陥検出方法。

JP2003408101A 2003-12-05 2003-12-05 陶磁器製品の欠陥検出方法 Pending JP2005172430A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003408101A JP2005172430A (ja) 2003-12-05 2003-12-05 陶磁器製品の欠陥検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003408101A JP2005172430A (ja) 2003-12-05 2003-12-05 陶磁器製品の欠陥検出方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005172430A true JP2005172430A (ja) 2005-06-30

Family

ID=34729942

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003408101A Pending JP2005172430A (ja) 2003-12-05 2003-12-05 陶磁器製品の欠陥検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005172430A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103335944A (zh) * 2013-05-31 2013-10-02 青岛吉澳尔电子有限公司 一种瓷套探伤装置及瓷套探伤检测方法
CN111830062A (zh) * 2020-07-22 2020-10-27 深圳市赛龙自动化科技有限公司 一种陶瓷瓶瑕疵检测设备及其检测方法
CN113588788A (zh) * 2021-07-30 2021-11-02 陕西科技大学 一种文物检测方法及系统

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5934146A (ja) * 1982-08-20 1984-02-24 Nissan Motor Co Ltd ロ−タブレ−ドの探傷装置
JPS6154449A (ja) * 1984-08-25 1986-03-18 Fuji Electric Co Ltd 貝の生死判定方法
JPS6480858A (en) * 1987-09-24 1989-03-27 Toyota Motor Corp Method and device for detecting crack detection
JPH0549933B2 (ja) * 1989-10-04 1993-07-27 Iwatsu Electric Co Ltd
JPH08184543A (ja) * 1994-12-28 1996-07-16 Marumi Daini Seito:Kk 陶磁器製品の品質検査装置
JP2003035703A (ja) * 2001-07-18 2003-02-07 Mitsubishi Electric Corp コンクリート構造物の非破壊検査装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5934146A (ja) * 1982-08-20 1984-02-24 Nissan Motor Co Ltd ロ−タブレ−ドの探傷装置
JPS6154449A (ja) * 1984-08-25 1986-03-18 Fuji Electric Co Ltd 貝の生死判定方法
JPS6480858A (en) * 1987-09-24 1989-03-27 Toyota Motor Corp Method and device for detecting crack detection
JPH0549933B2 (ja) * 1989-10-04 1993-07-27 Iwatsu Electric Co Ltd
JPH08184543A (ja) * 1994-12-28 1996-07-16 Marumi Daini Seito:Kk 陶磁器製品の品質検査装置
JP2003035703A (ja) * 2001-07-18 2003-02-07 Mitsubishi Electric Corp コンクリート構造物の非破壊検査装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103335944A (zh) * 2013-05-31 2013-10-02 青岛吉澳尔电子有限公司 一种瓷套探伤装置及瓷套探伤检测方法
CN111830062A (zh) * 2020-07-22 2020-10-27 深圳市赛龙自动化科技有限公司 一种陶瓷瓶瑕疵检测设备及其检测方法
CN113588788A (zh) * 2021-07-30 2021-11-02 陕西科技大学 一种文物检测方法及系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6880379B2 (en) Method and device for detecting damage in materials or objects
JP2007129718A (ja) 超音波検査用デジタル対数増幅器
JPH03289561A (ja) 欠陥及び異硬度部分の検出方法及び装置
JP5666334B2 (ja) コンクリート系構造物の品質診断方法
JP3456965B2 (ja) 構造物検査方法および装置
JP2005172430A (ja) 陶磁器製品の欠陥検出方法
JP2010019622A (ja) 超音波探傷方法と装置
JP3922459B2 (ja) 打音法による剥離および空洞検出方法および装置
RU2308028C2 (ru) Способ контроля дефектности объекта
US20050172720A1 (en) Method and device for detecting changes or damages to pressure vessels while or after undergoing a hydraulic pressure test
JPH0392758A (ja) 製品検査方法
JP2009287923A (ja) 岩盤斜面上の岩塊の不安定性評価方法およびその装置
JP4407817B2 (ja) 検査対象物判別方法及び装置
JPH04320958A (ja) 製品の音響による検査方法
JP2006038478A (ja) 被検体の良否判定方法および装置
JP3236865B2 (ja) 加振態様識別方法
CN110763582A (zh) 一种用于无损检测小尺寸构件表层微观裂纹的高频振动装置
US11175263B2 (en) Apparatus and method for generating, measuring, and evaluating vibrational modes in cylindrical objects
JP2003329655A (ja) 損傷検査装置
JPS60256052A (ja) 非破壊検査法
JP4949568B2 (ja) 打撃点検装置
JPH03120458A (ja) 欠陥検出方法及び装置
JP2734282B2 (ja) 建築物仕上げ材の打診装置
US20050216226A1 (en) Method for determining physical properties of wood
JP2008020425A (ja) コンクリート構造物の非破壊診断方法と装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061127

A977 Report on retrieval

Effective date: 20090428

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090512

A521 Written amendment

Effective date: 20090713

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Effective date: 20090804

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

A711 Notification of change in applicant

Effective date: 20091022

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

A521 Written amendment

Effective date: 20091030

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A521 Written amendment

Effective date: 20091022

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20091124

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Effective date: 20100108

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912