JP2005172396A - 冷凍コンテナの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン駆動の冷凍装置10の運転を制御する運転制御部21と、遠隔監視センター4の遠隔監視装置5との通信を行う遠隔制御部22と、を具備する冷凍コンテナの制御装置2であって、前記運転制御部21は、冷凍システム系の異常時に、冷凍装置の運転を休止させる緊急停止手段53を具備し、前記遠隔制御部22は、休止中の冷凍装置の運転を再開させる再運転手段(応急運転スイッチ操作手段22c)と、冷凍装置の休止中の庫内温度の認識手段(第二温度センサ69)と、冷凍装置の休止中の庫内温度ログデータの記録手段(データ記録手段62)とを具備する構成とする。
【選択図】図1
Description
また、図9に示すごとく、遠隔監視センター90に設置される遠隔監視装置と、貨物車両91等に搭載される冷凍コンテナの制御装置との間で公衆電話網92を介して通信し、庫内温度の監視や、該庫内温度及び冷凍装置の運転状況のログデータ管理、位置情報の把握等を行うシステム、即ち、遠隔監視システムについても公知となっている(例えば、特許文献2参照。)。
そして、この輸送中の品質保証に関し、冷凍コンテナ内の商材は、冷凍食品や野菜・魚介類等の生鮮食品といったように食品に関連するもののほか、近年では、光ファイバーや薬品等、いわゆる工業関連製品に関連するものもある。特に後者においては、品質が低下した場合の補償額は巨額になり、千万円〜億円単位に上るものまで存在する。
この構成は、図10の(a)に示すごとく、主電源スイッチ95を介して商用電力系統96に接続される電源経路97を分岐し、分岐経路97a・97bをそれぞれ主電源回路98aと待機電源回路98bに接続し、これら回路98a・98bより制御装置99に給電する形態である。この形態は、特に、電化製品等への適用を想定しており、主電源スイッチ95は、常時接続されるとともに、待機電源回路98bは、待機中の時計機能等のための電源や、再起動する際の起動電源を確保する役割を担うものである。
他方、冷凍コンテナの冷凍装置の電源系統の形態については、図10の(b)に示すごとく、一般的に、制御装置111に緊急停止手段111aが設けられており、電子膨張弁112、流量制御弁113、圧力センサ114等の冷凍システム系に異常が発生した場合には、冷凍装置の重大な故障を防止する観点から、制御装置111は、即座にエンジン115を停止させて発電機116からの給電を遮断し、冷凍装置の冷凍サイクルを休止させるようにしている。尚、図10の(b)において、117は遠隔制御部である。
しかし、品質保証に関する補償額を考慮すると、冷凍装置が故障する恐れがあったとしても、一度休止させた冷凍装置を再起動させて冷凍サイクルを再開し、庫内温度を許容範囲内に収める方が適切な措置となる場合がある。この措置は、特に、前記補償額が冷凍装置の修理コストよりも上回る場合や、コンテナターミナルに短時間で到着でき、該コンテナターミナルにてメンテナンスが行える場合においては、適切な措置であるといえる。
エンジン駆動の冷凍装置の運転を制御する運転制御部と、
遠隔監視センターの遠隔監視装置との通信を行う遠隔制御部と、
を具備する冷凍コンテナの制御装置であって、
前記運転制御部は、冷凍システム系の異常時に、冷凍装置の運転を休止させる緊急停止手段を具備し、
前記遠隔制御部は、休止中の冷凍装置の運転を再開させる再運転手段と、
冷凍装置の休止中の庫内温度の認識手段と、
冷凍装置の休止中の庫内温度ログデータの記録手段と、
を具備することである。
前記冷凍コンテナの制御装置は、
再運転をする場合の運転条件の成否を判断する再運転判断手段を具備し、
該再運転判断手段により、
冷凍システム系の異常を認識した場合でも、
所定の庫内貨物情報が設定されているときは、
運転を継続するように制御することである。
前記冷凍コンテナの制御装置は、
運転を休止する場合の休止条件の成否を判断する休止判断手段を具備し、
該休止判断手段により、
冷凍システム系の異常を認識した場合でも、
当該異常が、当該異常発生時点までに発生した異常と同一のものであるときは、
運転を継続するように制御することである。
また、到着予定のコンテナターミナルから比較的近いところにおいて、冷凍システム系の異常が発生した場合には、前記コンテナターミナルに短時間で到着でき、該コンテナターミナルにおいてメンテナンスを行えることとなる。このため、このような場合には、冷凍装置の運転を停止させずに、冷凍装置の運転を継続することで、商材の庫内温度の管理を継続させることができる。そして、コンテナターミナルに到着する段階において、冷凍装置を停止し、即時、メンテナンスを行うことで、冷凍装置の重大な故障を回避できるようになる。
また、前記遠隔制御部においては、冷凍装置が休止中であっても、庫内温度のログデータを記録できることから、該休止中のログデータを品質保証の証拠として利用することができる。
図1は本発明にかかる冷凍コンテナの制御装置を備える遠隔監視システムの構成について示す図、図2は冷凍コンテナの実施形態について示す図、図3は冷凍装置の実施形態について示す図、図4は制御装置に関する電源系統について示す図、図5は冷凍装置の再運転に関する制御フローを示す図、図6は緊急停止スイッチの動作について示す図、図7は制御装置による休止の判断のフローを示す図、図8は実施例3に関する制御フローについて示す図、図9は冷凍コンテナの遠隔監視システムの概要を示す図、図10の(a)は特許文献3に関する構成について示す図、図10の(b)は従来の冷凍コンテナの冷凍装置の電源系統の形態について示す図である。
同様に、遠隔監視センター4の遠隔監視装置5には、送受信手段6が接続されている。
そして、前記送受信手段3・6を、公衆電話網7やインターネット8を介して接続することにより、前記制御装置2と遠隔監視装置5との間での通信を可能とし、遠隔監視センター4から遠く離れた位置にある冷凍コンテナ1を遠隔監視できるようにしている。
また、冷凍装置10は、図3に示すごとく構成されるものであり、エンジン31、発電機32、エンジン排気管33、燃料タンク34、バッテリ35、換気ファン36、庫内温度等の設定装置37、制御ボックス38、アキュムレータ39、モータ40、コンプレッサ41、庫外熱交換器42、庫内熱交換器43等を具備している。前記設定装置37においては、庫内温度の設定のほか、冷凍装置10の運転開始/休止の操作が行われるようになっている。
図1において、21は運転制御部である。該運転制御部21は、エンジン駆動の冷凍装置10の運転状態を制御するものである。
同じく、22は遠隔制御部である。該遠隔制御部22は、送受信手段3等を介して遠隔監視装置5と通信を行うものである。
以上のように、冷凍装置10の制御装置2においては、これら運転制御部21と、遠隔制御部22と、送受信手段3を具備するものとしている。
このようにして、第一温度センサ59は、運転制御部21における庫内温度の認識手段として機能し、第二温度センサ69は、遠隔制御部22における庫内温度の認識手段として機能するようになっている。
また、運転制御部21では、これらの接続機器を介して得られる情報から、冷凍システム系の異常発生の有無を認識するようにしている。例えば、該運転制御部21は、電子膨張弁12や流量制御弁13の動作不良や、圧力センサ14や冷媒温度センサ15による圧力異常や温度異常を認識することにより、冷凍装置10の冷凍システム系に生じた異常を発見するようにしている。
そして、運転制御部21は、冷凍システム系の異常を認識すると、緊急停止スイッチ26(図4参照)を遮断させるとともに、エンジン31を停止させ、冷凍装置10の運転を休止させるようにしている。
図4において、21は運転制御部、22は遠隔制御部、30は電源切替ユニット、32は発電機、35はバッテリである。
電源切替ユニット30へは、発電機32及びバッテリ35からの給電が行われるようになっており、リレー47が、エンジンが駆動される冷凍装置10の運転中では発電機32側へ、エンジンが停止される冷凍装置10の休止中ではバッテリ35側へ自動的に切り替わるようになっている。
尚、前記発電機32に代えて、商用電力系統から給電が行われるようになっている。また、冷凍装置10の運転中においては、バッテリ35の充電が適宜行われるようになっている。
前記緊急停止スイッチ26は、キープリレー機能を備え、該機能により、分岐経路49Aにおける緊急停止スイッチ26への電流入口側の位置49aにて電圧が存在する限りにおいては、その切断状態が維持される一方、緊急停止スイッチ26や、運転開始スイッチ24、非常停止用スイッチ23等の操作により、前記位置49aでの電圧がゼロになると、接続状態に戻されるようになっている。
また、前記遠隔制御部22は、電源供給部22a、電源スイッチ操作手段22b、応急運転スイッチ操作手段22cを備えている。
この応急運転スイッチ操作手段22cからの信号により応急運転スイッチ25が遮断されると、前記緊急停止スイッチ26の位置49aにおける電圧がゼロとなるため、緊急停止スイッチ26は遮断された状態を維持できず接続状態に復帰する。そして、応急運転スイッチ操作手段22cからの信号により応急運転スイッチ25が復帰されると、緊急停止スイッチ26を介しての運転制御部21への給電が再開されるようになっている。
このように、応急運転スイッチ操作手段22cは、運転制御部21への給電を再開させ、該運転制御部21により冷凍装置10の運転を再開させるものであり、冷凍装置10の運転を再開させる再運転手段として機能するものである。
図1及び図4に示すごとく、本発明にかかる冷凍コンテナの制御装置は、エンジン駆動の冷凍装置10の運転を制御する運転制御部21と、遠隔監視センター4の遠隔監視装置5との通信を行う遠隔制御部22と、を具備する。
そして、該冷凍コンテナの制御装置2は、前記運転制御部21へ給電する第一の電源経路としての分岐経路49Aと、前記遠隔制御部22へ給電する第二の電源経路としての分岐経路49Bと、冷凍装置10のバッテリ35と接続され、前記第一・第二の電源経路と接続される第三の電源経路としての電源経路49と、該第一の電源経路(分岐経路49A)上であって、前記第一・第三の電源経路の接続点48よりも運転制御部側に配されるブレーカとしての緊急停止スイッチ26と、を具備する。
また、前記運転制御部21は、冷凍システム系の異常時に、前記緊急停止スイッチ26を遮断して冷凍装置10の運転を休止させる緊急停止手段53を具備する。
また、前記遠隔制御部22は、前記緊急停止スイッチ26を復帰させることで、休止中の冷凍装置10の運転を再開させる再運転手段としての応急運転スイッチ操作手段22cと、冷凍装置10の休止中の庫内温度の認識手段としての第二温度センサ69と、冷凍装置10の休止中の庫内温度ログデータの記録手段としてのデータ記録手段62を具備している。
また、冷凍装置10の電源回路は、上記制御装置の前記電源経路49への給電につき、冷凍装置10の運転中は発電機32から給電が行われる一方、冷凍装置10の休止中はバッテリ35から給電が行われるべく構成されている。これにより、冷凍装置10の休止中においては、電力消費量の少ない遠隔制御部22に給電するためにエンジン31が起動されることがなく、燃費効率の悪い低出力発電が行われないようにしている。
尚,この休止状態においては、バッテリ35により分岐経路49Bを介して遠隔制御部22への給電が確保される(図4参照)。
尚、「冷凍装置10を再運転させるべき」と判断する場合としては、例えば、商材の品質保証に関する補償額が冷凍装置の修理コストよりも上回る場合や、コンテナターミナルに短時間で到着でき、該コンテナターミナルにてメンテナンスが行える場合等がある。
そして、前記応急運転スイッチ操作手段22cは、応急運転スイッチ25を接続させることで(ステップ604)、緊急停止スイッチ26を介しての運転制御部21への給電を再開させる(ステップ605)。
このようにして給電が再開された運転制御部21は、エンジン31を再起動させ、冷凍装置10を再運転させるものである(ステップ606)。
尚、「冷凍装置10を再運転させるべきでない」と判断する場合として、例えば、商材の品質保証に関する補償額が冷凍装置の修理コストよりも大幅に上回る場合や、コンテナターミナルに到着しメンテナンスが行えるまでに相当長い時間を要する場合、さらには、冷凍装置10より出火する等の恐れのある重大な異常と確認される場合等がある。
一方、異常発生時に休止した冷凍装置10の休止状態を維持することによれば、冷凍装置10の故障防止や修理コストを考慮した上での最良の対応を実施することができる。
即ち、制御装置2に、冷凍システム系の異常を認識した場合でも運転を継続させることにより、該制御装置2によって自動的に再運転の判断をさせるものである。
また、所定の庫内貨物情報の設定は、オペレータによる前記設定装置37の操作により行われる。
また、ここにいう所定の庫内貨物情報とは、例えば、貨物(商材)の補償額、温度管理の重要度、到着コンテナターミナルなどである。
そして、各判断において、補償額の方が大きい場合(ステップ701)、温度管理のランクの重要度が大きい場合(ステップ702)、残り時間が長い場合(ステップ703)においては、それぞれ、再運転をする場合の運転条件が成立したものと判断し、再運転の実行を決定する(ステップ705)。他方、その逆においては、冷凍装置10の休止状態の維持を決定する(ステップ704)。
尚、各ステップにおける運転条件の成否の判断に関し、貨物(商材)に応じて、各運転条件に重み付けがなされるように構成してもよい。
これは、例えば、電子膨張弁12(図1参照)の故障により冷媒温度が通常の許容値よりも低下し、冷媒温度センサ15の検出信号により、制御装置2が冷凍システム系の異常を認識し、これにより、冷凍装置10が休止状態となったとする。そして、上述したごとく、オペレータ等の判断により、冷凍装置10を再運転させたとする。この場合、制御装置2の設定が変更されないままであるとすると、再運転の後において、冷媒温度が前回休止時における温度と同温度まで低下した場合には、再び冷凍装置10が休止してしまうことになる。このようなことでは、冷凍装置10の休止と再運転を無用に繰り返してしまうことになる。
ここで、再運転させるべき、と判断された場合には(ステップ805)、休止判断手段76は、ステップ801で異常と判断されたものと同一の異常に関する休止条件については、以降において、条件の成否の判断をしないことを決定するとともに、その決定を保存し(ステップ806)、その後に再運転を実行する。
尚、予め設定された休止条件の閾値を更新することにより、冷凍装置10の休止を防ぐ形態としてもよい。例えば、上述の冷媒温度の例においては、休止条件の成否の判断において、条件が成立したものと判断する冷媒温度の値をより低く設定・更新し、更新前の状態では休止するところを、同程度の冷媒温度の低下では休止されないようにすること等である。
また、この他、制御装置2の運転制御部21において、冷凍システム系の異常を認識するために用いていた制御信号を、異常を認識するための信号から除外する構成としてもよい。
2 制御装置
3 通信手段
4 遠隔監視センター
5 遠隔監視装置
6 通信手段
7 公衆電話網
10 冷凍装置
21 運転制御部
22 遠隔制御部
22c 応急運転スイッチ操作手段
24 運転開始スイッチ
25 応急運転スイッチ
26 緊急停止スイッチ
30 電源切替ユニット
59 第一温度センサ
69 第二温度センサ
75 再運転判断手段
76 休止判断手段
Claims (3)
- エンジン駆動の冷凍装置の運転を制御する運転制御部と、
遠隔監視センターの遠隔監視装置との通信を行う遠隔制御部と、
を具備する冷凍コンテナの制御装置であって、
前記運転制御部は、冷凍システム系の異常時に、冷凍装置の運転を休止させる緊急停止手段を具備し、
前記遠隔制御部は、休止中の冷凍装置の運転を再開させる再運転手段と、
冷凍装置の休止中の庫内温度の認識手段と、
冷凍装置の休止中の庫内温度ログデータの記録手段と、
を具備する、冷凍コンテナの制御装置。 - 前記冷凍コンテナの制御装置は、
再運転をする場合の運転条件の成否を判断する再運転判断手段を具備し、
該再運転判断手段により、
冷凍システム系の異常を認識した場合でも、
所定の庫内貨物情報が設定されているときは、
運転を継続するように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の冷凍コンテナの制御装置。 - 前記冷凍コンテナの制御装置は、
運転を休止する場合の休止条件の成否を判断する休止判断手段を具備し、
該休止判断手段により、
冷凍システム系の異常を認識した場合でも、
当該異常が、当該異常発生時点までに発生した異常と同一のものであるときは、
運転を継続するように制御する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷凍コンテナの制御装置。
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