JP2005170600A - 産業車両の安全装置 - Google Patents

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和俊 山田
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Abstract

【課題】運転者の離着席に基づく原則的判断では離席時に安全制御動作を行うことができ、特定の動作状態が検出できる場合には安全制御動作を留保して利便性や所期の動作性を確保することができる産業車両の安全装置を提供することを課題とする。
【解決手段】産業車両の安全装置1は、離着席状態検出手段5と、車速検出手段7と、走行ディレクション入力検出手段9と、荷役操作入力検出手段11とを備える。走行ディレクション入力状態又は荷役操作入力状態と、離着席状態とに基づいて、前提状態判定部21又は23において離席用の安全制御動作が必要な前提状態にあるか否かを判定する。前提状態にあると判定された場合には原動機運転調整手段17によって原動機を停止させるが、その場合でも車両速度が所定値以上のときには原動機運転調整判定部25の判定によって原動機を停止させずに運転を維持する。
【選択図】図1

Description

本発明は、フォークリフトなどの産業車両に設けられて運転者の離席時に作動する安全装置に関するものである。
運転者の離席時の安全装置として、特開2000−318481号公報に開示されたものがある。かかる安全装置においては、対象車両にアクセル開度検出手段、キースイッチ位置検知手段、シートスイッチ状態検知手段、車速検出手段などを設け、それら各手段からの情報をもとに所定条件が成就している場合には、キースイッチがONでありアクセルがある程度開けられた場合にもエンジンの起動を抑制する安全策が採られる。さらに、この安全装置では、車速検出手段及びシートスイッチ状態検知手段の情報から、車両走行中に運転者が離席していると判断された場合には、エンジン運転中止手段によってエンジンを停止させる安全策が採られる(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−318481号公報
ところで、いわゆるオートマチック車のようにトルクコンバータを具備した産業車両では、シフトが走行ディレクションに入っている場合、トルクコンバータに起因するクリープ現象により車両は移動してしまい、車速は0にはならない可能性がある。そして、このような現象は、上述した安全装置のようにエンジンを停止することによって防止することは可能である。しかしながら、現在の殆どの産業車両には油圧を利用したブレーキアシストシステムやパワーステアリングシステムなどが設けられており、かかるシステムで利用する油圧はエンジンの駆動力を用いて作られる。従って、走行中にエンジンを停止させてしまうと上記の油圧によるアシスト機構までも動作しなくなり、ブレーキ操作やハンドル操作が重くなり、使用上不便である。さらに、上述した特許文献1のような構成では、運転者が離席の度にエンジンが停止することとなるため、その都度、エンジンの再始動を強いられることになり、やはり使用上不便である。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、運転者の離着席に基づく原則的判断では離席時に安全制御動作を行うことができると共に、特定の動作状態が検出できる場合には安全制御動作を留保して利便性や所期の動作性を確保することができる産業車両の安全装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明の産業車両の安全装置は、運転者の離着席状態を検出する離着席状態検出手段と、少なくとも運転者の離着席状態に基づいて離席用の安全制御動作が必要な前提状態にあるか否かを判定する安全制御動作の前提状態判定手段と、車両速度、原動機もしくは車両駆動力を伝達する回転部品の回転数、又は、ブレーキ、アクセルもしくはハンドルの操作量を検出する車両挙動情報検出手段と、前記前提状態判定手段によって離席用の安全制御動作が必要な前提状態にあると判定された場合には、原則的判断として、前記安全制御動作の実行を決定するが、前提状態にあると判定された場合でも前記車両挙動情報検出手段によって検出された車両速度が所定値以上、原動機もしくは回転部品の回転数が所定値以上、又は、ブレーキ、アクセルもしくはハンドルの操作量が所定値以上のときには該安全制御動作の停止を決定する、安全制御動作の実行停止決定手段と、前記実行停止決定手段の決定に基づいて該安全制御動作を実行又は停止する安全制御動作の実行手段とを備えたことを特徴とする。
車両の走行ディレクションの入力状態を検出する走行ディレクション入力検出手段をさらに備え、前記安全制御動作の前提状態判定手段は、運転者の離着席状態に加えて車両の走行ディレクションの入力状態を加味して前記前提状態にあるか否かを判定するように構成すると好適である。
荷役操作の入力状態を検出する荷役操作入力検出手段をさらに備え、前記安全制御動作の前提状態判定手段は、運転者の離着席状態に加えて荷役操作の入力状態を加味して前記前提状態にあるか否かを判定するように構成すると好適である。
また、前記安全制御動作の実行手段は、車両の原動機の運転を制御する原動機運転調整手段、車両の走行ディレクションを中立にする走行中立手段及び荷役動作を停止する荷役動作停止手段のうちの少なくとも一つ以上から構成されている。
前記安全制御動作の実行停止決定手段又は実行手段は、該実行停止決定手段において安全制御動作の停止の決定がなされてから所定時間が経過した後に依然として前記前提状態判定手段において前提状態にあると判定されている場合には該安全制御動作の実行を決定する又は該安全制御動作を実行する機能を有するように構成すると好適である。
好適には、前記車両挙動情報検出手段は車速を検出する車速検出手段である。
本発明によれば、運転者の離着席に基づく原則的判断では離席時に安全対策として安全制御動作を行うことが可能であり、尚且つ、真に安全制御動作を行うことが必要ない場合には、安全制御動作を留保し、各種アシスト機構の作動を維持して利便性を確保したり、走行機能や荷役機能の所期の動作性を確保したりすることができる。
以下、本発明の産業車両の安全装置をフォークリフトに実施した場合の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1に、本実施の形態1に係る安全装置の構成を示す。安全装置1は、その機能面で大別して、運転者の離着席状態を検出する離着席状態検出手段と、離席用の安全制御動作が必要な前提状態にあるか否かを判定する前提状態判定手段と、当該安全制御動作の実行を留保するか否かの情報を取得する車両挙動情報検出手段と、前提状態判定手段の判定結果及び車両挙動情報検出手段の検出情報とに基づいて安全制御動作の実行・停止を決定する実行停止決定手段と、当該安全制御動作の実行又は停止を行う実行手段とを備えている。
安全装置1のコントローラ3には、情報入力元として、離着席状態検出手段5と、車両挙動情報検出手段である車速検出手段7と、走行ディレクション入力検出手段9及び荷役操作入力検出手段11とが接続されている。まず、離着席状態検出手段5は、フォークリフト車両の運転席内のシートに設けられたシートスイッチである。シートスイッチは、シートの座部に設けられたセンサであり、運転者が座部に腰を下ろしている場合には着席状態を検出したものとしてON状態となり、運転者が座部から離れている場合には離席状態を検出したものとしてOFF状態となる。なお、シートスイッチは座部に限らず背もたれ部に設けられていてもよく、ON・OFF状態と着座・離席状態との意味づけも上記と逆でもよい。
車速検出手段7は、本実施の形態では、ディファレンシャルギヤ機構のファイナルギヤの近傍に取り付けられ、ファイナルギヤの回転歯数をカウントしそれに基づいて車速を獲得するためのセンサを用いている。なお、車速検出手段7の態様としては、これに限定されず、フォークリフトの原動機からタイヤまでの駆動力伝達経路上にある可動部品の動作量を抽出しそれに基づいて車速を獲得するためのセンサを広く適用することができる。
走行ディレクション入力検出手段9は、フォークリフト車両の走行ディレクションの入力状態を検出するセンサである。具体的には、フォークリフトの運転席内に立設された走行ディレクションレバーに対して設けられ、当該走行ディレクションレバーが前進側又は後進側の何れに傾けられているかを検出するセンサからなる。さらに、荷役操作入力検出手段11は、荷役操作の入力状態を検出するセンサである。具体的には、走行ディレクションレバーと同様、運転席内に立設された荷役レバーに対して設けられ、荷役レバーがフォーク上昇側又は下降側の何れに傾けられているかを検出するセンサからなる。なお、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばマストが油圧等で傾斜可能なタイプのフォークリフトにおいてはティルトレバーの入力状態を検出するセンサとして用意してもよく、その他、原動機駆動による流体圧を用いた荷役作業の動作を入力する状態を検出する態様が広く包含される。また、走行ディレクションレバー及び荷役レバー等はその機能で言い分けているが、実際には、1本のレバーで兼用されていても、個別のレバーとして用意されていてもよく、さらに本発明は走行ディレクションや荷役操作の入力態様はレバー態様には限定されず、例えばボタン態様やつまみ態様など如何なる態様でもよい。
また、コントローラ3には、命令出力先として、走行中立手段13と、荷役動作停止手段15と、後述する離席用の安全制御動作の実行手段である原動機運転調整手段17とが接続されている。走行中立手段13は、原動機の駆動力伝達経路上に配置された前後進切替クラッチを強制的にニュートラル(中立)状態にする手段である。この他、当該駆動力伝達経路中に配置されて駆動力を単純に遮断する手段であってもよい。また、荷役動作停止手段15は、荷役動作を行わせる油圧等の流体圧を伝達する経路上に配置され流体圧の変化を遮断する弁などの手段である。いずれにしても、走行中立手段13及び荷役動作停止手段15はそれぞれ、原動機の運転状態とは関係なく、走行駆動力を遮断及び荷役動作を新たに行わせる動力を遮断する手段であればよい。
また、原動機運転調整手段17は本実施の形態では原動機の運転を停止させる手段である。従って、エンジン式フォークリフトにおいては、燃料の供給を遮断する手段が挙げられ、バッテリ式フォークリフトにおいては、駆動電流の供給を遮断する手段が挙げられる。いずれにしても、原動機運転調整手段17は、原動機において駆動力を出力する機能を停止させる手段であればよい。
次に、コントローラ3の内部機能について説明する。コントローラ3は、離席用の安全制御動作に関する前提状態判定手段及び実行停止決定手段として機能する。コントローラ3内には、離着席状態判定部19、走行系の前提状態判定部21、荷役系の前提状態判定部23、原動機運転調整判定部25、走行中立判定部27及び荷役動作停止判定部29が設けられている。
続いて以上のような構成を有する安全装置1の動作について説明する。まず、車両が停止している状態で運転者がエンジンを停止させずに運転席から離れ完全に離席した場合に、何らかの要因で誤って走行ディレクションレバーや荷役レバーが揺動すると、オートマチック車においてはトルクコンバータによるクリープ現象で車両が微速走行を始めたりフォークなどの荷役作業の動作部が動作してしまったりすることが懸念される。この場合、運転者の離席状態が離着席状態検出手段5によって検出され、その情報が離着席状態判定部19に送られる。離着席状態判定部19は、この情報を基に、例えば離席状態の検出が所定時間連続して継続した場合に、離席判定を行う。さらに離席判定がなされた情報は、走行系の前提状態判定部21及び/又は荷役系の前提状態判定部23に送られる。
加えて、走行ディレクションレバーが意図せず揺動してしまった場合を例に説明すると、前進側又は後進側の何れかの走行ディレクションに入ってしまった場合には、その情報が走行ディレクション入力検出手段9によって検出され、走行系の前提状態判定部21に送られる。
走行系の前提状態判定部21は、運転者の離席状態にあり、且つ、走行ディレクションレバーが走行ディレクションに入っている場合には、離席用の安全制御動作が必要な前提状態にあると判定する。この判定結果は、原動機運転調整判定部25に送られる。そして、原動機運転調整判定部25は、運転者が離席しており、走行ディレクションレバーが走行ディレクションに入ってしまった場合(なお、このとき、後述の「安全制御動作の停止決定」の説明からも理解されるように、車速検出手段7からの車両走行速度が所定値未満である情報も加味されて決定される)には、当初の原則的判断として、車両速度がそれ以上上昇しないように原動機の運転調整を行うことを安全対策として決定する。すなわち、本実施の形態では、離席用の安全制御動作として、原動機を停止することを決定する。この決定により、原動機運転調整手段17は原動機を停止させる。
なお、上記は、例として走行ディレクションレバーが意図せず揺動した場合について説明したが、荷役レバーが誤って揺動された場合も同様であり、走行ディレクション入力検出手段9及び走行系の前提状態判定部21の代わりに、荷役操作入力検出手段11及び荷役系の前提状態判定部23が機能し、安全対策としてフォークなどがそれ以上動作しないように原動機の運転調整を行うことを決定する。すなわち、原動機運転調整判定部25において、離席用の安全制御動作として、原動機を停止することを決定する。
一方、運転者が運転席内に居て意図して走行ディレクションレバーを例えば前進側の走行ディレクションに入れて車両を走行させている際に、センサ故障時や運転者が腰を浮かした姿勢時などに離着席状態検出手段5が離席状態を検出すると次のような問題が生じる。すなわち、前述したように運転者の離着席状態と走行ディレクションの入力状態とに基づいて上記前提状態か否かが判定され、且つ、その前提状態にあるか否かのみによって離席用の安全制御動作としての原動機停止が実行されると、上記のような適正走行中に離席状態が検出された場合にも原動機が停止されることとなる。そして、原動機が停止されると各種アシスト機構への油圧提供も停止し、ブレーキアシストシステムやパワーステアリングシステムなどが使用できなくなり、非常に不便な状態に陥る。そこで、本実施の形態では、以下にようにしてかかる問題が回避される。
すなわち、運転者が運転席内に居て走行ディレクションレバーを例えば前進側の走行ディレクションに入れて車両を走行させている際に、センサ故障や運転者が腰を浮かしていることで離着席状態検出手段5が離席状態を検出すると、走行系の前提状態判定部21においては、前述のとおり、離席用の安全制御動作が必要な前提状態にあると判定される。ここで、原動機運転調整判定部25には、車速検出手段7からの車両走行速度の情報も入力されている。そこで、本実施の形態では、車両走行速度が所定値(一例として時速5km)以上の場合には、例え、走行系の前提状態判定部21が離席用の安全制御動作が必要な前提状態にあるとの判定を行っていても、原動機運転調整判定部25は、離席用の安全制御動作の停止を決定しすなわち原動機を停止しないように決定する。従って、原動機の運転が継続されていることで各種アシスト機構への油圧提供も確保されており、通常通りブレーキアシストシステムやパワーステアリングシステムなどを使用することができる。このように、本実施の形態では、運転者の離着席に基づく原則的判断では離席時に安全対策として安全制御動作を行うことが可能であり、尚且つ、センサ故障など真に安全制御動作を行うことが必要ない場合には、特定の動作状態が検出されたことをもって安全制御動作を留保し、各種アシスト機構の作動を維持して利便性を確保することができる。なお、本実施の形態では、走行ディレクションレバーや荷役レバーが中立位置にあれば、そもそも原則的判断として離席時の安全制御動作が行われないため、各レバーを中立位置にして運転者が離席状態となるような動作を僅かに行っても原動機は停止せず、原動機再始動の煩わしさを解消する利点も有る。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態は、図1の安全装置と同構成において、原動機運転調整手段17に代えて走行中立手段13及び荷役動作停止手段15を安全制御動作の実行手段として機能させるものである。よって、以下に説明する部分を除いては、上記実施の形態1と同様であるものとする。実施の形態1と同様に走行系を例にとると、運転者の離席状態にあり、且つ、走行ディレクションレバーが走行ディレクションに入っている場合には、離席用の安全制御動作が必要な前提状態にあると判定する。この判定結果は、図1に点線Aで示されるように走行中立手段13に送られ、走行中立手段13は、当初の原則的判断として、車両速度がそれ以上上昇しないように前後進切替クラッチを強制的にニュートラル状態にし、駆動力の伝達を遮断する。その一方、運転者の離着席に基づく原則的判断で離席時に安全対策として安全制御動作を行うことが必要であると判断されても、車両走行速度が所定値以上の場合には、走行中立判定部27は、離席用の安全制御動作の停止を決定しすなわち駆動力の伝達を再開する。これにより原動機の運転状態が駆動輪等に伝達することとなり、原動機の運転に伴う本来の車両動作性が得られる。よって、例えば原動機がエンジンの場合、いわゆるエンジンブレーキのような制動作用も得ることができる。
なお、走行系を例に説明したが、荷役系においても同様に、荷役動作停止判定部29及び荷役動作停止手段15が、走行中立判定部27及び走行中立手段13に対応する動作を行う。すなわち、運転者の離着席に基づく原則的判断では離席時に安全対策として荷役動作を強制的に停止する安全制御動作を行うことが可能であり、尚且つ、センサ故障など真に安全制御動作を行うことが必要ない場合には、図1の点線Bの情報伝達により車両走行速度が所定値以上の状態をもって安全制御動作を留保し、荷役動作を可能とさせて所期の動作性を確保することができる。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について説明する。上述した実施の形態1及び2では、図1の構成から了解されるように、原動機運転調整判定部25及び原動機運転調整手段17の系統、走行中立判定部27及び走行中立手段13の系統、荷役動作停止判定部29及び荷役動作停止手段15の系統を全て具備する構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。従って、本実施の形態3は、当初から離席用の安全制御動作の実行停止決定手段及び実行手段のみが設けられた構成を有する。よって、本実施の形態3の第1の態様としては、実施の形態1において走行中立判定部27、走行中立手段13、荷役動作停止判定部29及び荷役動作停止手段15を有しない構成を備える。また、本実施の形態3の第2の態様としては、実施の形態1において原動機運転調整判定部25及び原動機運転調整手段17を有しない構成を備える。かかる実施の形態3によっても、上記実施の形態1及び2と同様な作用が得られる。
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態に係る安全装置401は、上記実施の形態1〜3の何れかにおいて、車両挙動情報検出手段として車速検出手段7に代えて回転数検出手段407を用いるものである。回転数検出手段407は、原動機の回転数自体を検出するか、あるいは、原動機の車両駆動力を伝達する回転部品の回転数を検出することができる。そして、本実施の形態4によっても、運転者の離着席に基づく原則的判断では離席時に安全対策として安全制御動作を行うことが可能であり、尚且つ、センサ故障など真に安全制御動作を行うことが必要ない場合には、原動機又は回転部品の回転数が所定値以上の状態が検出されたことをもって安全制御動作を留保し、各種アシスト機構の作動を維持して利便性を確保したり、走行機能や荷役機能の所期の動作性を確保したりすることができる。
実施の形態5.
次に、本発明の実施の形態5について説明する。本実施の形態に係る安全装置501は、上記実施の形態5において、車両挙動情報検出手段として回転数検出手段407に代えて操作量検出手段507を用いるものである。かかる操作量検出手段507は、ブレーキの入力手段(ペダルやレバーなど)の操作量又はそれに応じて動作する部品の動作量を検出するブレーキ系センサ、アクセル手段(ペダルやレバーなど)の操作量又はそれに応じて動作する部品の動作量(例えばアクセル開度など)を検出するアクセル系センサ、操舵入力手段(ハンドルなど)の操作量又はそれに応じて動作する部品の動作量を検出するステアリング系センサのうちの何れか一つ又は複数のセンサからなる。かかる本実施の形態5によっても、実施の形態4と同様な作用を得ることができ、真に安全制御動作を行うことが必要ない場合に、例えばステアリング系であればハンドルを操舵している最中に安全制御動作として原動機が停止されることが回避され、パワーステアリングシステムが途中で機能停止することを回避することができる。なお、検出する操作量としては、入力量でもよいし、その変化量でもよい。
実施の形態6.
次に、本発明の実施の形態6について説明する。本実施の形態6は、上述してきた実施の形態1〜5の態様において、走行ディレクション入力検出手段9、走行系の前提状態判定部21、走行中立判定部27及び走行中立手段13の走行系統、並びに、荷役操作入力検出手段11、荷役系の前提状態判定部23、荷役動作停止判定部29及び荷役動作停止手段15の荷役系統のうちの何れか一方の系統を当初から持たない形態、又は、両系統自体は具備しているが当初から一方の系統が車両挙動情報検出手段を受けた離席用の安全制御動作の実行停止決定手段や実行手段として機能しない形態である。このような形態であっても、当初から走行系か荷役系に限定して実施する構成として本発明を実施することができる。
実施の形態7.
次に、本発明の実施の形態7について説明する。本実施の形態7は、上述してきた実施の形態1〜6の態様において、離席用の安全制御動作の実行停止決定手段又は実行手段に、所定の状態になったらそれまで停止していた離席用の安全制御動作を実行させる機能を持たせたものである。すなわち、実行停止決定手段において安全制御動作の停止の決定がなされてから所定時間が経過した後に依然として前提状態判定手段において前提状態にあると判定されている場合には、実行停止決定手段において安全制御動作の実行を決定するか、あるいは、実行手段において安全制御動作を実行させる。このような本実施の形態によれば、僅かな期間だけは、各種アシスト機構の作動維持による利便性を確保し、あるいは走行機能や荷役機能の所期の動作性を確保しながらも、その後依然として、離席用の安全制御動作が必要な状況に対しては、より安全性を重視して、安全対策としての安全制御動作を行うことができる。
以上、複数の実施の形態を挙げて説明してきた本発明は、さらに以下のような改変を施して実施することもできる。
まず、離着席状態検出手段5は離着席状態を検出できる手段であればシートスイッチに限定されず、例えば着席中の運転者の有無によって受光状態が変化する光学的センサなどの非接触式センサでもよい。あるいは、運転者の手や足が触れる操作レバー又はハンドルやペダルに設けられた接触式センサでもよい。あるいは、シートベルトの装着を検出するセンサを離着席状態の検出として用いてもよい。なお、シートベルトの装着検出センサを離着席状態検出手段として使用する場合には、運転者がシートベルトを装着しない限り、その原則的判断として、離席用の安全制御動作が実施されるため、より安全な運転を確保することができる。
原動機運転調整手段17は、離席用の安全制御動作として、上記実施の形態のように原動機の停止手段に限らず、原動機の出力をある一定レベルまで落とす手段であってもよい。
また、上記実施の形態においては運転者の離着席状態と、走行ディレクション入力状態又は荷役操作の入力状態とに基づいて、離席用の安全制御動作が必要な前提状態にあるか否かを判定していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、運転者の離着席状態のみに基づいて前提状態にあるか否かを判定する態様でもよい。
また、本発明は、原動機の種類を限定するものではなく、エンジンは勿論、モータやさらに他の駆動力発生手段を対象として広く適用できる。加えて、原動機がエンジンの場合、動力伝達機構としては、いわゆるオートマチックトランスミッションは勿論、マニュアルトランスミッションでも適用でき、さらに他の機構であっても実施可能である。
さらに、本発明を適用する対象車両は、フォークリフトに限定されず、いかなる産業車両であっても良い。
本発明の実施の形態1、2及び3に係る安全装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態4に係る安全装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態5に係る安全装置の構成を示す図である。
符号の説明
1,401,501 安全装置、5 離着席状態検出手段、7 車速検出手段(車両挙動情報検出手段)、9 走行ディレクション入力検出手段、11 荷役操作入力検出手段、13 走行中立手段(実行手段)、15 荷役動作停止手段(実行手段)、17 原動機運転調整手段(実行手段)、21 走行系の前提状態判定部(前提状態判定手段)、23 荷役系の前提状態判定部(前提状態判定手段)、25 原動機運転調整判定部(実行停止決定手段)、27 走行中立判定部(実行停止決定手段)、29 荷役動作停止判定部(実行停止決定手段)、407 回転数検出手段(車両挙動情報検出手段)、507 操作量検出手段(車両挙動情報検出手段)。

Claims (6)

  1. 運転者の離着席状態を検出する離着席状態検出手段と、
    少なくとも運転者の離着席状態に基づいて離席用の安全制御動作が必要な前提状態にあるか否かを判定する安全制御動作の前提状態判定手段と、
    車両速度、原動機もしくは車両駆動力を伝達する回転部品の回転数、又は、ブレーキ、アクセルもしくはハンドルの操作量を検出する車両挙動情報検出手段と、
    前記前提状態判定手段によって離席用の安全制御動作が必要な前提状態にあると判定された場合には、原則的判断として、前記安全制御動作の実行を決定するが、前提状態にあると判定された場合でも前記車両挙動情報検出手段によって検出された車両速度が所定値以上、原動機もしくは回転部品の回転数が所定値以上、又は、ブレーキ、アクセルもしくはハンドルの操作量が所定値以上のときには該安全制御動作の停止を決定する、安全制御動作の実行停止決定手段と、
    前記実行停止決定手段の決定に基づいて該安全制御動作を実行又は停止する安全制御動作の実行手段と
    を備えたことを特徴とする産業車両の安全装置。
  2. 車両の走行ディレクションの入力状態を検出する走行ディレクション入力検出手段をさらに備え、
    前記安全制御動作の前提状態判定手段は、運転者の離着席状態に加えて車両の走行ディレクションの入力状態を加味して前記前提状態にあるか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の産業車両の安全装置。
  3. 荷役操作の入力状態を検出する荷役操作入力検出手段をさらに備え、
    前記安全制御動作の前提状態判定手段は、運転者の離着席状態に加えて荷役操作の入力状態を加味して前記前提状態にあるか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の産業車両の安全装置。
  4. 前記安全制御動作の実行手段は、車両の原動機の運転を制御する原動機運転調整手段、車両の走行ディレクションを中立にする走行中立手段及び荷役動作を停止する荷役動作停止手段のうちの少なくとも一つ以上から構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の産業車両の安全装置。
  5. 前記安全制御動作の実行停止決定手段又は実行手段は、該実行停止決定手段において安全制御動作の停止の決定がなされてから所定時間が経過した後に依然として前記前提状態判定手段において前提状態にあると判定されている場合には該安全制御動作の実行を決定する又は該安全制御動作を実行する機能を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の産業車両の安全装置。
  6. 前記車両挙動情報検出手段は車速を検出する車速検出手段であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の産業車両の安全装置。
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