JP2005170455A - 複室包装体及び医療用複室容器 - Google Patents

複室包装体及び医療用複室容器 Download PDF

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Abstract

【課題】 水蒸気バリア性が高く、密閉状態で複数の内容物を混合することが可能で、複室包装体材料に含まれる層間移動物質が包装体の内容物に溶出する虞を低減した複室包装体を提供する。
【解決手段】 一のシートと他のシートとを重ね合わせ周縁部をシールしてなる包装体の一部に、包装体内部を複室に区画する弱シール部を設けた複室包装体において、前記一のシートが(I)ヒートシール層と層間移動物質含有層と層間移動物質移行遮断層とを有し、前記ヒートシール層と前記層間移動物質含有層との間に前記層間移動物質移行遮断層を介在させた積層シート、であり、前記他のシートが(II)ヒートシール層と層間移動物質含有層と層間移動物質移行遮断層と湿気遮断層とを有し、前記ヒートシール層と前記層間移動物質含有層との間に前記層間移動物質移行遮断層を介在させた積層シート、である複室包装体。
【選択図】 図1


Description

本発明は複室包装体及び医療用複室容器に関するものであり、さらに詳述すれば、水蒸気バリア性が高く、密閉状態で複数の内容物を混合することが可能であり、好ましくは内容物の視認性に優れるのみならず、複室包装体の構成材料に含まれる低分子量成分等の層間移動物質が、包装体の内容物に溶出してしまう虞を可及的に低減した複室包装体及び医療用複室容器に関する。
近年、包装体に使用される酸化防止剤、滑剤、安定剤、紫外線防止剤、アンチブロッキング剤などの各種添加剤や包装体を構成するプラスチック材料に残留されるモノマー成分、印刷インキ、接着剤、アンカーコート剤などからの移行物質と収容物との相互作用が問題視されている。包装体自体から内容物に移行する物質は、包装体を安定的に長期間保持する目的で使用したり、保存・流通時の強度を保ったりする目的で使用されるものであり、また、各種フィルムを製造する工程での製膜性の安定化のためには必要なものであり、これらを完全に除去した包装体を構成することは事実上不可能である。
包装体から移行される物質が内容物に与える影響を抑えるために、特開平08−258211号公報(引用文献1)や特開平08−252298号公報(引用文献2)に係る発明が本発明者らにより提案されている。
特開平08−258211号公報では、接着剤を使用しなくとも延伸ナイロン、延伸ポリエチレンテレフタレート、延伸ポリプロピレンなどに微量のアンカーコート剤と接着性樹脂と併用することで、耐熱性を付与した安全衛生性に優れた医療用液体容器用プラスチックフィルムが提案されており、日本薬局方に定められた容器からの溶出試験などでは優れた効果が確認され、実質上医療用液体容器用プラスチックフィルムとして満足のいくものであった。しかし僅かに使用するアンカーコート剤中のモノマー成分や二量体以上の多量体や、ナイロンやポリプロピレンに使用される添加剤や残留モノマー成分などが溶出してくることを完全には防止するにはいたらなかった。
また、特開平08−252298号公報では、無延伸ナイロン又は無延伸ポリプロピレンとするプラスチック表面層と接着性樹脂とポリエチレン又はポリプロピレン層との無延伸多層構成体フィルムをインフレーション法又はTダイ法により成膜して、この無延伸多層構成体フィルムを延伸倍率が1.5〜20倍となるように延伸した後に延伸フィルムのポリエチレン又はポリプロピレン層側の面に更にポリエチレン又ポリプロピレンを押し出し溶融接着して医療用液体容器用プラスチックフィルムを製造する技術が提案されている。この方法では完全に接着剤やアンカーコート剤を使用することなく、安全衛生性の極めて優れた低溶出性の容器を形成することが可能である。しかし、これらの包装体には実質上印刷を施す必要があり、この印刷インクからの内容物への溶出を完全に抑えることは実質上困難であった。また使用されるナイロンやポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂に使用される各種添加剤や残留モノマー成分などの内容物中への移行を抑え、内容物との相互作用を起こさない包装体とするにはいたらなかった。また、このように形成された包装体には非常に高いレベル(0.5g/m2・24hr(90%RH)以下)での水蒸気バリア性を付与することはできないという問題もあった。
国際公開第99/39679号パンフレット(引用文献3)では、容器の内面からポリオレフィン、環状オレフィンコポリマー、ポリオレフィンの順で層構成を行うことで、内容液中のビタミンDの含量低下を抑える構成が提案されているが、容器に印刷インク、接着剤、アンカーコート剤などが使用されることは考慮された容器ではなく、実質上多層共押出し成形された医療用容器であり、印刷インク、接着剤、アンカーコート剤などからモノマー成分や二量体以上の多量体などが溶出してくることを防止する目的で環状オレフィンコポリマーを使用しているわけではない。また、使用されるポリエチレン中に使用される添加剤からの影響やポリエチレンなどの残留モノマーの影響は全く考慮されておらず、また延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムや延伸されたポリアミドフィルムなどを使用した構成ではないため機械的強度も弱く、更に、0.5g/m2・24hr(90%RH)以下の非常に高い水蒸気バリア性を付与させることができない。
特開平2000−70331号公報(引用文献4)では、環状ポリオレフィンと線状ポリオレフィンとを含有する組成物を内壁面に使用する容器の提案がなされているが、この提案は前記同様に容器に印刷インク、接着剤、アンカーコート剤などが使用されることは考慮された容器ではなく、実質上多層共押出し成形された医療用容器であり、印刷インク、接着剤、アンカーコート剤などからモノマー成分や二量体以上の多量体などが溶出してくることを防止する目的で環状ポリオレフィンを使用しているわけではない。また、延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムや延伸されたポリアミドフィルムなどを使用した構成ではなく機械的強度も弱く、0.5g/m2・24hr(90%RH)以下の非常に高い水蒸気バリア性を付与させることができないなどの問題があった。また弱シール部を設けた複室容器とするために最内層を環状ポリオレフィンに線状ポリオレフィンを含有させているが、この線状ポリオレフィンからの残留低分子量モノマーと内容物との相互作用に関しては全く考慮されていない。
特開平2001−157704号公報(引用文献5)では使用される接着剤のモノマー成分が、レトルト滅菌時に内容物中へ溶出する問題を指摘し、改善する方法として環状オレフィンのポリマーブレンドを容器に使用する構成が提案されている。しかし、この容器は、容器の一部に弱シール部を設けるなどの複室容器としての機能は全く提案されていない。また高い水蒸気バリア性をガラス蒸着フィルムを使用することで付与しているが、レトルト滅菌時や輸送・保管時に蒸着膜にクラックが発生し、バリア性が低下することを抑えることができず、目的とする極めて高い水蒸気バリア性を付与、維持することができない。
つまり、従来の包装体では、包装体に使用される酸化防止剤、滑剤、安定剤、紫外線防止剤、アンチブロッキング剤などの各種添加剤や容器を構成するプラスチック材料に残留されるモノマー成分、印刷インキ、接着剤、アンカーコート剤などから移行し、内容物との相互作用が問題視されてきている。これらの問題を解決して、且つ使用時に中身を視認することが可能な包装体において、高い水蒸気バリア性を付与することはできなかった。
特開平08−258211号公報 特開平08−252298号公報 国際公開第99/39679号パンフレット 特開平2000−70331号公報 特開平2001−157704号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、水蒸気バリア性が高く、密閉状態で複数の内容物を混合することが可能であり、好ましくは内容物の視認性に優れるのみならず、複室包装体の構成材料に含まれる低分子量成分等の層間移動物質が、包装体の内容物に溶出してしまう虞を可及的に低減した複室包装体及び医療用複室容器を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討の結果、弱シール部により内部が複室に区画された複室包装体を作製するに際し、特定の層構成を有する一のシートと他のシートとを重ね合わせて複室包装体を作成することにより、特に医療用複室容器として好適な複室包装体となし得ることを知見し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、以下の複室包装体及び医療用複室容器を提供するものである。
請求項1:
一のシートと他のシートとを重ね合わせ周縁部をシールしてなる包装体の、対向する内壁面の一部に設けた弱シール部により、包装体内部が複室に区画された複室包装体において、前記一のシートと他のシートとが、それぞれ以下の(I)の積層シートと(II)の積層シートとであることを特徴とする複室包装体。
(I)包装体の内壁面を形成するヒートシール層と、層間移動物質含有層と、層間移動物質移行遮断層と、を有すると共に、前記ヒートシール層と前記層間移動物質含有層との間に前記層間移動物質移行遮断層が介在する積層シート。
(II)包装体の内壁面を形成するヒートシール層と、層間移動物質含有層と、層間移動物質移行遮断層と、金属成分よりなる湿気遮断層と、を有すると共に、前記ヒートシール層と前記層間移動物質含有層との間に前記層間移動物質移行遮断層が介在する積層シート。
請求項2:
一のシートと他のシートとを重ね合わせ周縁部にシール部が形成され、かつ対向する内壁面の一部に弱シール部が形成された容器(X)及び容器(Y)が、各々の弱シール部が夫々剥離することにより両容器内部が連通可能となるように接続されて形成された複室包装体において、前記接続が一方の容器(X)の内壁面と他方の容器(Y)の外壁面とのシールにより形成されると共に、
少なくとも前記容器(X)を構成する前記一のシートと他のシートとが、それぞれ以下の(I)の積層シート及び(II)の積層シートであることを特徴とする複室包装体。
(I)包装体の内壁面を形成するヒートシール層と、層間移動物質含有層と、層間移動物質移行遮断層と、を有すると共に、前記ヒートシール層と前記層間移動物質含有層との間に前記層間移動物質移行遮断層が介在する積層シート。
(II)包装体の内壁面を形成するヒートシール層と、層間移動物質含有層と、層間移動物質移行遮断層と、金属成分よりなる湿気遮断層と、を有すると共に、前記ヒートシール層と前記層間移動物質含有層との間に前記層間移動物質移行遮断層が介在する積層シート。
請求項3:
前記(I)の積層シートが、更に湿気遮断層を有する請求項1又は2記載の複室包装体。
請求項4:
前記(I)の積層シートの、シート表面の法線方向に対する全光線透過率が70%以上である請求項1,2又は3記載の複室包装体。
請求項5:
前記層間移動物質含有層と前記層間移動物質移行遮断層とが接着性樹脂により接着された請求項1乃至4のいずれか1項に記載の複室包装体。
請求項6:
前記層間移動物質移行遮断層及び/又はヒートシール層が、環状ポリオレフィン組成物を主成分として含む請求項1乃至5のいずれか1項に記載の複室包装体。
請求項7:
前記層間移動物質移行遮断層及び/又はヒートシール層が、テフロン及び/又は超高分子量ポリエチレンを主成分として含む請求項1乃至6のいずれか1項に記載の複室包装体。
請求項8:
前記環状ポリオレフィン組成物が、以下の(A)成分及び(B)成分、
(A)ガラス転移温度が100℃未満の環状ポリオレフィン、
(B)ガラス転移温度が100℃以上の環状ポリオレフィン、
を含む請求項6又は7記載の複室包装体。
請求項9:
前記弱シール部が、前記包装体の対向する内壁面同士を、包装体の外部から熱圧着することにより形成される請求項1乃至8のいずれか1項に記載の複室包装体。
請求項10:
前記弱シール部が、以下の(A)成分及び/又は(B)成分、
(A)ガラス転移温度が100℃未満の環状ポリオレフィン、
(B)ガラス転移温度が100℃以上の環状ポリオレフィン、
を含む層を少なくとも表面層として含むテープを、前記包装体の対向する内壁面間に挿入した状態で当該位置を包装体外部から熱圧着することにより形成される請求項1乃至9のいずれか1項に記載の複室包装体。
請求項11:
請求項1乃至10のいずれかに記載の複室包装体を用いてなる医療用複室容器。
本発明の複室包装体は、水蒸気バリア性が高く、機械的強度が強く、密閉状態で複数の内容物を混合することが可能であり、好ましくは内容物の視認性に優れるのみならず、複室包装体の構成材料に含まれる低分子量成分等の層間移動物質が、包装体の内容物に溶出してしまう虞を可及的に低減した複室包装体であり、特に医療用複室容器として好適に使用可能である。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
図1は本発明の複室包装体の実施形態の一例を示す複室包装体1の平面図であり、図2は図1に示す複室包装体1のX−X断面図、図3は本発明の複室包装体の他の例を示す複室包装体1’についての断面図、図4は、本発明の複室包装体の別の例を示す複室包装体1”についての断面図である。
図1,2に示す複室包装体1は、包装体2と、包装体2の周縁の一部に配設されたポート部3により構成され、包装体2の周縁部は強シール部4によりシールされている。外装袋2の内部は弱シール部5によって複数の室6a,6b(2室)に区画されている。
包装体2は、ヒートシール層211と該ヒートシール層211に積層される層間移動物質含有層212とにより構成される一の積層シート21と、包装体2の内壁面を形成するヒートシール層221と該ヒートシール層221に積層される層間移動物質含有層222と該層間移動物質含有層222に積層される、金属成分よりなる湿気遮断層223とにより構成される他の積層シート22とを、ヒートシール層211,221が隣接するように重ね合わせ、周縁部に強シール部4を設けることにより形成されている。
ここで、強シール部4を設ける際、必要に応じて適宜ポート部3を周縁部に挿入しておくことにより、ポート部3を包装体2に配設することができる
この様な包装体2の外部から所定の位置を加熱してヒートシール層211及び221を熱溶着して上記弱シール部5が形成されることにより、上記複室包装体1を形成することができる。
なお、上記包装体2において用いられるヒートシール層211,221としては、層間移動物質移行遮断層としての機能をも兼ね備えた材料が採用されている。
この複室包装体1において、包装体2の内外はポート部3により連通可能となっているため、該ポート部3を介して内容物の複室包装体1への注入、複室包装体1からの内容物の吐出が可能である。なお、このようなポート部としては内容物を各室内に充容後に閉塞すること、或いは開閉することが可能であるポート部を用いることが好適である。
また、複室包装体1において各室6a,6bの隔離は、対向するヒートシール層211,221の一部を弱シールして形成された弱シール部5によってなされているため、使用の際の各室6a,6bの連通は、内容物を充填した室6aまたは室6bを外部より押圧して弱シール部5を破壊(剥離)することにより実現される。
しかも、複室包装体1は特定の構成を有するシート21,22により形成されているため、シート中の層間移動物質が内容物に混入する虞が可及的に低減されている。
弱シール部5を形成する方法としては、上記複室包装体1の場合のように、容器外部から所定の位置をそのまま加熱して内壁面同士を熱圧着して形成しても良いが、弱シール用テープを対向する内壁面間に挿入して容器外部から熱圧着することにより形成しても良い。弱シール用テープ7を対向する内壁面間に挿入して容器外部から熱圧着して弱シール部を形成した複室包装体1’を図3に示す。
弱シール用テープを用いる場合には、層間移動物質移行遮断層としての機能をも兼ね備えた上記材料ヒートシール層211の代わりに、ヒートシール層211a及び層間移動物質移行遮断層211b(いずれも図示せず)を採用し、且つ上記材料ヒートシール層221の代わりに、ヒートシール層221a及び層間移動物質移行遮断層221b(いずれも図示せず)を採用することが、包装体2の周縁部のヒートシール強度をより高める観点から好適である。
本発明の複室包装体を形成するに際しては、弱シール部を有する複数の部分容器を接続して形成することも可能である。弱シール部を夫々有する部分容器Xと部分容器Yとを接続してなる複室包装体1”の断面図を図4に示す。
部分容器Xは、ヒートシール層211と該ヒートシール層211に積層される層間移動物質含有層212とにより構成される一の積層シート21と、ヒートシール層221と該ヒートシール層221に積層される層間移動物質含有層222と該層間移動物質含有層222に積層される、金属成分よりなる湿気遮断層223とにより構成される他の積層シート22とを、ヒートシール層211,221が隣接するように重ね合わせ、周縁部に強シール部を形成し、かつ対向する内壁面の一部に弱シール部5を設けることにより形成されている。ここで、部分容器Xにおける弱シール部5は、弱シールテープ7を用いて形成されている。
一方、部分容器Yは、前記積層シート22の2枚をヒートシール層211,221が隣接するように重ね合わせ、周縁部に強シール部を形成し、かつ対向する内壁面の一部に弱シール部5を設けることにより形成されている。
上記部分容器Xの内壁面と、上記部分容器Yの外壁面とを、所定の位置で接続することにより、各々の弱シール部が夫々剥離することにより両容器内部が連通可能となる複室包装体1”を形成することができる。
この複室包装体1”は部分容器Xと部分容器Yとを接続して形成されるため、予め部分容器内に内容物を充填した状態で両容器を接続することも可能である。即ち、一方の部分容器或いはその内容物が熱によって劣化や変質を起こすような場合であっても、他方の部分容器については内容物を充填した状態での加熱滅菌が可能であるため、滅菌工程のバリエーションを広げることができ、複室容器の形成に際して容器或いは内容物に負荷のかかりにくい最適な滅菌条件の選定が可能となるため好適である。
なお、本発明の複室包装体1,1’,1”を構成する積層シート21,22の層構成としては上記2層或いは3層に限られるものではなく、複室包装体の要求特性等に鑑み、適宜、4層構成以上とすることも可能である。ポート部3の形状に特に制限はなく、また、ポート部3は無くても良いし、複数個設けても良い。更に、上記部分容器Yの形成に際しては同一の積層シート2枚を用いて形成しているが、異なる2種の積層シートを用いることも可能であり、その構成も特に制限されるものではない。
本発明の複室包装体は、一のシートと他のシートとを重ね合わせ周縁部をシールしてなる包装体の、対向する内壁面の一部に設けた弱シール部により、外装体内部が複室に区画された複室包装体において、前記一のシートと他のシートとが、それぞれ以下の(I)の積層シート及び(II)の積層シートであることを特徴とする複室包装体、及び、
一のシートと他のシートとを重ね合わせ周縁部にシール部が形成され、かつ対向する内壁面の一部に弱シール部が形成された容器(X)及び(Y)が、各々の弱シール部が夫々剥離することにより両容器内部が連通可能となるように接続されて形成された複室包装体において、前記接続が一方の容器(X)の内壁面と他方の容器(Y)の外壁面とのシールにより形成されると共に、少なくとも前記容器(X)を構成する前記一のシートと他のシートとが、それぞれ以下の(I)の積層シート及び(II)の積層シートであることを特徴とする複室包装体、
である。
(I)包装体の内壁面を形成するヒートシール層と、層間移動物質含有層と、層間移動物質移行遮断層と、を有すると共に、前記ヒートシール層と前記層間移動物質含有層との間に前記層間移動物質移行遮断層が介在する積層シート。
(II)包装体の内壁面を形成するヒートシール層と、層間移動物質含有層と、層間移動物質移行遮断層と、金属成分よりなる湿気遮断層と、を有すると共に、前記ヒートシール層と前記層間移動物質含有層との間に前記層間移動物質移行遮断層が介在する積層シート。
本発明において層間移動物質含有層とは、層間を拡散移動し得る成分(例えば低分子量成分)を含む層を意味するものであり、より具体的には、例えば酸化防止剤、滑剤、安定剤、紫外線防止剤、アンチブロッキング剤等の、層間を拡散移動し得る添加剤を含む層;未反応モノマー成分が残留する樹脂材料層;印刷インキを含む層;接着剤層;アンカーコート剤層、等を挙げることができる。
前記ヒートシール層としては特に制限されるものではなく、通常の包装体を形成するヒートシール層を採用することができるが、接着性の観点からはLLDPE層であることが好ましく、中でも、上記層間を拡散移動し得る成分の含有量を低減する観点からは、メタロセン触媒を使用し製造された、密度が0.925g/cm3以上であるLLDPE層が好適に用いられる。
前記金属成分よりなる湿気遮断層としては、金属成分を主成分として含むガスバリア材料であれば特に制限無く用いることができ、例えばアルミ箔、アルミ蒸着PET、アルミナ蒸着PET、シリカ蒸着PET等を挙げることができる。このような金属成分よりなる湿気遮断層の水蒸気透過度としては、単位面積当りの水蒸気透過率(JIS Z0208(カップ法)に準じて包装体と同構造の平板を用い、温度40℃、相対湿度90%の条件で測定した値)として通常1g/m2・24hr以下、好ましくは0.5g/m2・24hr以下、より好ましくは0.3g/m2・24hr以下である。前記金属成分よりなる湿気遮断層の水蒸気透過率が1g/m2・24hr以上であると、内容物が吸湿により活性を失う場合がある。
本発明において層間移動物質移行遮断層とは、上記層間を拡散移動し得る成分の拡散を防止する機能(隣接する層から拡散してきた、例えば低分子量成分が、自らの層中に溶解することを抑制する機能)を有する層を意味するものである。
このような層間移動物質移行遮断層としては、例えば環状ポリオレフィン組成物やエチレンビニルアルコール共重合体、テフロン、超高分子量ポリエチレン等を主成分として含む層、アルミ箔等の金属成分よりなる層、PETフィルムやナイロンフィルム等の層が挙げられるが、中でも透明性や加工性、或いは複室容器とするための弱シール部作成上の観点から、環状ポリオレフィン組成物を主成分として含む層が特に好適である。
なお、ここでいう「主成分として含む」とは、層を構成する各成分の総量のうちに環状ポリオレフィン組成物の占める割合が通常50%(質量%。以下同じ)以上、好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上、最も好ましくは100%であることを意味するものである。
上記のような環状ポリオレフィン組成物を主成分として含む層は、樹脂としては比較的良好な水蒸気バリア性を発現するため、本発明の複室包装体全体の水蒸気透過率の低減にも良好に寄与し得る。場合によっては、上記湿気遮断性層として採用することも可能である。
また、上記のような環状ポリオレフィン組成物を主成分として含む層は、樹脂としては比較的低分子量成分との相互作用が低いため内容物の有効成分を吸着することが少なく、従って、本発明の複室包装体において最内層として用いた場合には、内容物の組成を変化させることがないため好適である。
上記環状ポリオレフィン組成物としては、以下の(A)成分及び(B)成分、
(A)ガラス転移温度が100℃未満の環状ポリオレフィン、
(B)ガラス転移温度が100℃以上の環状ポリオレフィン、
を含む組成物であることが好適である。このような(A)成分及び(B)成分を含む環状ポリオレフィン組成物は良好なヒートシール性(ヒートシール可能な温度幅が広いことを意味する)を発現するため、本発明において上記ヒートシール層を構成する主成分として採用することも可能である。
上記(A)成分と前記(B)成分との配合比としては、特に限定されるものではないが、(A)成分/(B)成分の配合比(質量比)として通常2/98〜70/30、好ましくは5/95〜65/35である。(A)成分の配合量が多すぎると、滅菌時に十分な耐熱性が保持できず、容器が変形する場合があり、一方、少なすぎると、弱シールにできる温度範囲が十分に確保されない場合がある。
前記(A)成分のガラス転移温度としては、通常100℃未満、好ましくは95℃以下、更に好ましくは90℃以下である。又、前記(B)成分のガラス転移温度としては、通常100℃以上、好ましくは115℃以上、更に好ましくは120℃以上である。
また、前記(A)成分のガラス転移温度と(B)成分のガラス転移温度との、ガラス転移温度の温度差としても、特に限定されるものではないが、通常20℃以上、好ましくは25℃以上、更に好ましくは30℃以上である。前記(A)成分のガラス転移温度と(B)成分のガラス転移温度とのガラス転移温度の温度差が20℃未満であると、十分な弱シール温度範囲が得られず、またシール温度も220℃以上の高温となり安定な弱シールが得られない場合がある。
前記(A)成分及び(B)成分は、環状オレフィンモノマーを含むモノマー組成物を重合して得られたものである。
環状オレフィンモノマーとしては、ノルボルネン環を有する環状オレフィンを使用することができ、かかる環状オレフィンとしては、ノルボルネン環を有する置換及び非置換の二環もしくは三環以上の多環環状オレフィン(以下、ノルボルネン系モノマーと記載することがある)が好ましく用いられる。
より具体的には、例えばノルボルネン、ノルボルナジエン、メチルノルボルネン、ジメチルノルボルネン、エチルノルボルネン、塩素化ノルボルネン、クロロメチルノルボルネン、トリメチルシリルノルボルネン、フェニルノルボルネン、シアノノルボルネン、ジシアノノルボルネン、メトキシカルボニルノルボルネン、ピリジルノルボルネン、ナヂック酸無水物、ナヂック酸イミドなどの二環シクロオレフィン;ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエンやそのアルキル、アルケニル、アルキリデン、アリール置換体などの三環シクロオレフィン;ジメタノヘキサヒドロナフタレン、ジメタノオクタヒドロナフタレンやそのアルキル、アルケニル、アルキリデン、アリール置換体などの四環シクロオレフィン、トリシクロペンタジエンなどの五環シクロオレフィン、ヘキサシクロヘプタデセンなどの六環シクロオレフィンなどが挙げられる。また、ジノルボルネン、二個のノルボルネン環を炭化水素鎖又はエステル基などで結合した化合物、これらのアルキル、アリール置換体などのノルボルネン環を含む化合物を使用することも可能である。
このようなノルボルネン系モノマーは単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。2種以上を併用する場合には、熱可塑性樹脂を生じるモノマーと、熱硬化性樹脂を生じるモノマーとを適宜組み合わせることにより、種々の物性を有する環状ポリオレフィンを製造することができる。また、複数のモノマーを併用する場合には、凝固点降下によりモノマーを液状として取扱える範囲が拡がるため好適である。これらノルボルネン系モノマーに、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロドデセンなどの単環シクロオレフィン及び置換基を有するそれらの誘導体を共重合することもできる。
本発明において、上記(A)成分及び(B)成分を生じるノルボルネン系モノマーとしては、低分子量成分との相互作用を低減する観点、及び水蒸気透過度をより低減させる観点からは、極性基を含まないモノマーのみを使用することが好ましいが、本発明の目的を損なわない範囲で一部極性モノマーを併用することも可能である。このような極性モノマーとしては、上記ノルボルネン系モノマーに塩素や臭素などのハロゲン基やエステル基を導入した置換体を挙げることができる。ただし、上記極性モノマーが、上記(A)成分及び(B)成分を生じるノルボルネン系モノマーの総量に占める割合としては、通常30モル%以下である。30モル%を超えると、得られるポリマーの水蒸気透過度が低下したり、層間移動物質の移行を遮断する機能損なわれたりする場合がある。
上記(A)成分及び(B)成分の原料としては、本発明の目的を損なわない範囲で、更に他のモノマーを併用することもできる。
このような他のモノマーとしては、炭素数2以上のα−オレフィン等を挙げることができ、より具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン及び1−エイコセン等が挙げられる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。これらのうち、エチレン又はプロピレンが好ましく、特にエチレンが好ましい。
上記モノマー組成物における、上記環状オレフィンモノマーと上記他のモノマーとの配合比としては、特に限定されるものではないが、(環状オレフィンモノマー)/(他のモノマー)(質量比)として通常98/2〜30/70、好ましくは95/5〜40/60である。環状オレフィンモノマーの配合量が多すぎると、十分なシール性が得られない場合があり、一方、少なすぎると、内容成分の非吸着性が損なわれる場合がある。
なお、複数種のモノマーを併用する場合の重合方法や重合機構としては、公知の方法を用いることができ、モノマー時に配合して共重合を行ってもよいし、ある程度重合した後に配合してブロック共重合してもよい。また、開環重合であっても、付加重合であってもよい。
上記環状ポリオレフィンの具体的な構造としては、下記一般式(1),(2)で表される構造単位を有する重合体を挙げることができる。
Figure 2005170455

(式中、R1,R2,R3,R4は互いに同一又は異種の炭素数1〜20の有機基を示し、またR1,R2,R3,R4は互いに環を形成していてもよい。m又はpは0又は1以上の整数を示し、l及びnは1以上の整数を示す。)
上記炭素数1〜20の有機基として、より具体的には、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、i−ペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、t−オクチル(1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチル)、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル等のアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等のシクロアルキル基;1−メチルシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−メチル−4−i−プロピルシクロヘキシル等のアルキルシクロアルキル基;アリル、プロペニル、ブテニル、2−ブテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基;フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ビフェニル基、フェノキシフェニル基、クロロフェニル基、スルホフェニル基等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基(フェネチル基)、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基等のアラルキル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらは1種を単独で、あるいは2種以上を併用してもよい。
これらの環状ポリオレフィンは、上記一般式(1)〜(2)中のl、m、n、pの値、あるいはこれら一般式(1)〜(2)で示される環状ポリオレフィンの分子量、環状オレフィンモノマーの組み合わせにより、適切なガラス転移温度を持つように適宜調整される。
上記一般式(1)で示される環状ポリオレフィンとしては市販品を用いることができ、例えば日本ゼオン株式会社製のゼオネックス、ゼオノアを好適に用いることができる。
上記一般式(2)で示される環状ポリオレフィンとしては市販品を用いることができ、例えば三井化学株式会社製のアペル、TICONA社製のTOPASを好適に用いることができる。
本発明において複数種の環状ポリオレフィンを併用する場合、その配合方法としては特に限定されるものではなく、通常公知の単軸もしくは2軸の溶融混合押出機や静的溶融混合機を利用して行うことができる。
また、上記環状ポリオレフィン組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに必要に応じて種々の添加剤、例えば顔料、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、無機充填剤等を添加することもできる。
上記(I)の積層シートとしては、内容物の視認性を高める観点から、JIS−K7105に準拠して測定した、シート表面の法線方向に対する全光線透過率としては通常70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上であることが好ましい。
また、上記(I)の積層シートは、内容物の保存性と後工程での異物検査等の観点から、さらに透明な湿気遮断層を備えることが好適である。
このような透明な湿気遮断層としては、例えばPET、PENなどのポリエステル樹脂やナイロン6,6などのポリアミド樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール共重合体、ポリオレフィン系樹脂よりなるシート上に、シリカ蒸着をしたもの、アルミナ蒸着をしたもの、カーボン蒸着したもの、サランコートしたもの等や、サラン樹脂やポリビニルアルコール共重合体よりなる層を挙げることができる。
なお、上記(I)の積層シート全体の水蒸気透過度としては、単位面積当りの水蒸気透過率(JIS Z0208(カップ法)に準じて包装体と同構造の平板を用い、温度40℃、相対湿度90%の条件で測定した値)として通常1.0g/m2・24hr以下、好ましくは0.8g/m2・24hr以下、より好ましくは0.5g/m2・24hr以下である。(I)の積層シート全体の水蒸気透過率が1.0g/m2・24hr以上であると、内容物の活性や力価が低下する場合がある。
上記(I)及び(II)の積層シートは、各々複数の層が積層されたシートであって、前記ヒートシール層と前記層間移動物質含有層との間に前記層間移動物質移行遮断層を介在させたシートである。積層するに際しては公知の方法を用いることができ、ドライラミネーションや溶融ラミネーション(サンドラミネーション)等の方法を採用することができる。
ここで、前記層間移動物質含有層と前記層間移動物質移行遮断層とを積層するに際しては、成分の移行をより低減する観点から、前記層間移動物質含有層と前記層間移動物質移行遮断層とは接着性樹脂により積層されることが好適である。
本発明の複室包装体において、上述したヒートシール層、層間移動物質含有層、層間移動物質移行遮断層、金属成分よりなる湿気遮断層以外の部分については特に制限はなく、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、金属、セラミック等の材質を用いて形成される層を適宜採用することができる。中でも、加工性の観点からは熱可塑性樹脂が好適に用いられ、特に生産コストや内容物の視認性の観点、内容物の劣化を防ぐ観点から、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ナイロンなどのポリアミド;ポリウレタン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、また、これらの一段あるいは多段重合により得られるエラストマー等により形成される層を適宜併用することができる。
本発明の複室包装体を製造するに際しては、公知の方法を採用することができ、例えば単層用あるいは多層用のTダイ又はサーキュラーダイを介して押出し、得られたフラット状のシート、チューブ状のシート、パリソンなどについてサーモフォーミング、ブロー、延伸、裁断、融着などの手法を適宜活用して所定の形状・形態に加工すればよい。
本発明の複室包装体は、弱シール部により包装体の内部が区画されるものである。このようなシール部を形成する際には、シール強度として、製造時あるいは輸送時には破断が起こりにくく、使用時(混合時)には手、治具などで容易に破断できる程度のシール強度(JIS Z 0238に準拠したMD方向サンプルのシール強度(180°剥離強度)として、通常0.5N/15mm以上、好ましくは0.8N/15mm以上、上限として通常8N/15mm以下、好ましくは5N/15mm以下)とすることが必要である。本発明の複室包装体において該弱シール部は、対向する内壁面の一部を容器外部から熱圧着することにより設けられるものであるが、このようなシール強度が達成されるように、熱圧着の際の温度、圧力、時間条件が適宜設定されることとなる。
上記弱シール部を形成する際、その具体的なシール条件としては、特に限定されるものではないが、熱圧着温度としては通常120〜220℃、好ましくは140〜200℃、熱圧着時の圧力としては通常1〜4kg/cm2、好ましくは2〜3kg/cm2、熱圧着時の時間としては通常1〜6秒、好ましくは2〜4秒である。シール条件が上記範囲から逸脱すると、適切な弱シール部が形成されない場合や、シール部の外観に劣る場合や、生産性に劣る場合がある。また、弱シール部を形成する際のシール巾としては通常2〜10mmである。
なお、本発明の複室包装体が有する収容室の数は、上記弱シール部がいくつ設けられるかにより決定され、特に限定されるものではないが、通常2〜5個である。
本発明において上記弱シール部を形成する際には、熱融着可能な層を少なくとも表面層として含むテープを、対向する内壁面間に挿入した状態で当該位置を容器外部から熱圧着することにより形成することも好ましく行われる。このようなテープの層構成としては、1層でも複数層でもよい。
ここでいう熱融着可能な層を構成する成分としては、上記環状ポリオレフィンを好適に使用することができ、その他の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等を併用することも可能である。なお、上記テープの熱融着可能な層を構成する成分としては、少なくとも片面が上記(I)及び/又は(II)のヒートシール層と共通する樹脂を含むことが好ましい。
このように弱シール部を形成することにより、より確実に安定的なイージーピール強度を保持した弱シール部を設けることが可能となり、弱シール部を設ける際のシール温度範囲も十分に広くすることが可能であり、複室包装体を製造する上で有利に行うことが可能となる。
本発明の複室包装体において、上記弱シール部以外の部分、例えば、外界と接する部分のシール(周辺シール)方法としては特に限定されないが、上記と同様、熱圧着によりシールを行う場合、容易には破断できない程度のシール強度(JIS Z 0238に準拠したMD方向サンプルのシール強度(180°剥離強度)として、通常15N/15mm以上、より好ましくは20N/15mm以上)とするため、適宜シール条件が設定される。より具体的には、例えば熱圧着温度として通常150〜260℃、好ましくは180℃〜230℃、熱圧着時の圧力としては通常1〜6kg/cm2、好ましくは2〜5kg/cm2、熱圧着時の時間としては通常1〜6秒、好ましくは2〜4秒である。シール条件が上記範囲から逸脱すると、適切な周辺シールが形成されない場合や、シール部の外観に劣る場合や、生産性に劣る場合がある。また、周辺シール部を形成する際のシール巾としては通常2〜30mmである。
また、複室包装体を製造する際の溶着方法としては特に制限されることはなく、上記熱圧着以外に高周波シール、超音波シールを単独であるいは併用することにより、より好適にシールすることが可能である。特に高周波シールは一回のシール動作において、溶着と冷却を同時に行うことが可能であり、200℃以上の高温でシールする場合や、ポート部とシールする場合や安定的な弱シール部を形成する場合などには特に有利である。
本発明の複室包装体の内容物として滅菌が必要であるものを収容する際、内容物を収容した状態で安定して熱による滅菌、特に、高圧蒸気滅菌処理を行うため、本発明の複室包装体の耐熱性としては、第14改正日本薬局方に準拠して試験した容器耐熱性が、110℃以上であることが好ましい。この様な特性を本発明の複室包装体が発現するように、上記熱圧着条件や、外壁面あるいは中間層の素材などが適宜選定される。
本発明の複室包装体を構成するに際し、内壁面を上記環状ポリオレフィンにより形成した場合には、通常のポリエチレン、ポリプロピレンなどの線状ポリオレフィンを内壁面として用いた場合には内壁面に吸着されてしまうマンガン、鉄、亜鉛、銅及びヨウ素等の微量元素やそのイオン、ビタミンA、ビタミンB類、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE等の各種ビタミン、硝酸イソソルビト、ニトログリセリン等を内容物として使用した場合にも、それらの各成分は内壁面に吸着されることがないため、これらの成分を有効成分として含む各種の栄養製剤、例えばアミノ酸製剤、糖類製剤、たん白アミノ酸製剤、ビタミン製剤、無機質製剤、これら各種栄養成分(栄養素)の適宜の混合製剤などを保存・使用する際に特に好適であり、医療用複室容器として好適である。
なお、本発明の複室包装体に充填される内容物としては、これらに特に限定されるものではなく、該複室包装体は水や水溶液、粉体等を充容する際にも好適に用いられる。また、本発明の複室包装体は水蒸気透過度が低く、好ましくは内容物の視認性に優れるため、特に乾燥状態を維持しなければならない場合や複数の成分を完全に混合させる必要がある場合に、混合の具合を確認しながら作業できるため、従来の複室容器に比して利点を有する。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕
ポリエチレンテレフタレート(東洋紡製エステル)12μmに2液硬化型の接着剤(三井武田ケミカル製:ポリエステル−ウレタン/イソシアネート系)を使用してアルミナ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(凸版印刷製GLフィルム)12μmとドライラミネートした後にポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡製エステル)のもう一方の面に接着樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μmを溶融押出しすると同時にあらかじめ成膜した直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μmと環状ポリオレフィン(日本ゼオン製ZENOR)20μmと直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)30μmの三層シートを挿入してサンドラミネートを行うことにより多層シート(I−1)を作成した。
この多層シート(I−1)は最内層が直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)が30μm、隣接する第二層が環状ポリオレフィン(日本ゼオン製ZENOR)20μm、第三層が直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μm、第四層が接着性樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μm、第五層がポリエチレンテレフタレート(東洋紡製エステル)12μm、第六層がアルミナ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(凸版印刷製GLフィルム)12μmで構成される多層シートである。
また、ポリエチレンテレフタレート(東洋紡製エステル)12μmに2液硬化型の接着剤(三井武田ケミカル製:ポリエステル−ウレタン/イソシアネート系)を使用してアルミニウム箔(日本製箔製)9μmとドライラミネートした後に、該アルミニウム箔のもう一方の面に接着樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μmを溶融押出しすると同時にあらかじめ成膜した直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μmと環状ポリオレフィン(日本ゼオン製ZENOR)20μmと直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)30μmの三層シートを挿入してサンドラミネートを行うことにより、多層シート(II−1)を作成した。
この多層シート(II−1)は最内層が直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)が30μm、隣接する第二層が環状ポリオレフィン(日本ゼオン製ZENOR)20μm、第三層が直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μm、第四層が接着性樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μm、第五層がアルミニウム箔(日本製箔製)9μm、第六層がポリエチレンテレフタレート12μmで構成される多層シートである。
このように作成した多層シート(I−1)と多層シート(II−1)とを、それぞれの最内層を内側として対向させて熱シールすることで三方袋を作成後、蒸留水100mlを入れ、70℃で24時間後の保存試験を実施したところ、内容液中への接着剤由来成分(ポリエステル成分由来の酸、アルコール類などの単量体または二量体以上の多量体)の移行はほとんど確認されなかった。接着剤由来物質の分析は、抽出水100mlを濃縮乾固したのちジクロロメタンで溶解後に水素炎イオン化検出器付きのガスクロマトグラフィーにより分析した。(カラム:キャピラリーカラム)
また、多層シート(I−1)、多層シート(II−1)の対向する最内層の間に、直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)とポリプロピレン(日本ポリケム製)を70:30の割合で溶融混合したフィルム70μmを挿入しシールすることで、容器の一部に弱シール部(剥離強度2N/15mm巾)を形成することが可能であった。
〔実施例2〕
多層シート(I−2)は実施例1の(I−1)と同様に作成し、もう一方の多層シート(II−2)をポリエチレンテレフタレート(東洋紡製エステル)12μmに2液硬化型の接着剤(三井武田ケミカル製:ポリエステル−ウレタン/イソシアネート系)を使用してアルミニウム箔(日本製箔製)9μmとドライラミネートした後に、該アルミニウム箔のもう一方の面に接着樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μmを溶融押出しすると同時にあらかじめ成膜した直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)フィルム40μmを挿入してサンドラミネートを行って作成した。
この多層シート(II−2)は最内層が直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)が40μm、隣接する第二層が接着性樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μm、第三層がアルミニウム箔(日本製箔製)9μm、第4層がポリエチレンテレフタレート12μmで構成される多層シートである。
このように作成した多層シート(I−2)と多層シート(II−2)とを最内層を内側として対向させて熱シールすることで実施例1と同様に容器を作成した後、実施例1と同様に試験を実施した結果、内容液中への接着剤由来成分(ポリエステル成分由来の単量体、二量体以上の多量体)の移行はほとんど確認されなかった。
〔実施例3〕
ポリエチレンテレフタレート(東洋紡製エステル)12μmに2液硬化型の接着剤(三井武田ケミカル製:ポリエステル−ウレタン/イソシアネート系)を使用して直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)フィルム60μmとドライラミネートした後に、該ポリエチレンテレフタレートのもう一方の面に接着樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μmを溶融押出しすると同時にあらかじめ成膜した直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μmと環状ポリオレフィン(日本ゼオン製ZENOR)30μmの二層シートを挿入してサンドラミネートを行うことにより多層シート(I−3)を作成した。
この多層シート(I−3)は最内層が環状ポリオレフィン(日本ゼオン製ZENOR)30μm、隣接する第二層が直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μm、第三層が接着性樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μm、第四層がポリエチレンテレフタレート(東洋紡製エステル)12μm、第五層が直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)60μmで構成される多層シートである。
また、ポリエチレンテレフタレート(東洋紡製エステル)12μmに2液硬化型の接着剤(三井武田ケミカル製:ポリエステル−ウレタン/イソシアネート系)を使用してアルミニウム箔(日本製箔製)9μmとドライラミネートした後に、該アルミニウム箔のもう一方の面に接着樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μmを溶融押出しすると同時にあらかじめ成膜した環状ポリオレフィン(日本ゼオン製ZENOR)30μmと直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μmの二層シートを挿入してサンドラミネートを行うことにより多層シート(II−3)を作成した。
この多層シート(II−3)は最内層が環状ポリオレフィン(日本ゼオン製ZENOR)30μm、隣接する第二層が直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μm、第三層が接着性樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μm、第四層がアルミニウム箔(日本製箔製)9μm、第五層がポリエチレンテレフタレート12μmで構成される多層シートである。
このように作成した多層シート(I−3)と多層シート(II−3)とを最内層を内側として対向させて熱シールすることで実施例1と同様に容器を作成した後、実施例1と同様に試験を実施した結果、内容液中への接着剤由来成分(ポリエステル成分由来の単量体、二量体以上の多量体)の移行はほとんど確認されなかった。
また、多層シート(I−3)、多層シート(II−3)の対向する最内層の間に、環状ポリオレフィン(日本ゼオン製ZENOR)と直鎖状低密度ポリエチレン(出光石油化学製モアテック)を70:30の割合で溶融混合したフィルム70μmを挿入しシールすることで、容器の一部に弱シール部(剥離強度2.2N/15mm巾)を形成することが可能であった。
〔実施例4〕
ポリエチレンテレフタレート(東洋紡製エステル)12μmに印刷(大日精化製2液硬化インキ)加工を行った後にこの印刷面に接着樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μmを溶融押出しすると同時にあらかじめ成膜した環状ポリオレフィン(日本ゼオン製ZENOR)30μmと直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)40μmの二層シートを挿入してサンドラミネートを行うことにより多層シート(I−4)を作成した。
この多層シート(I−4)は最内層が直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)40μm、隣接する第二層が環状ポリオレフィン(日本ゼオン製ZENOR)30μm、第三層が接着性樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μm、第四層がポリエチレンテレフタレート12μmで構成される多層シートである。
また、ポリエチレンテレフタレート(東洋紡製エステル)12μmに2液硬化型の接着剤(三井武田ケミカル製:ポリエステル−ウレタン/イソシアネート系)を使用してアルミニウム箔(日本製箔製)9μmとドライラミネートした後に該アルミニウム箔のもう一方の面に直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)60μmを溶融押出しを行うことにより多層シート(II−4)を作成した。
この多層シート(II−4)は最内層が直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)が60μm、隣接する第二層がアルミニウム箔(日本製箔製)9μm、第3層がポリエチレンテレフタレート12μmで構成される多層シートである。
このように作成した多層シート(I−4)と多層シート(II−4)を最内層を内側として対向させて熱シールすることで実施例1と同様に容器を作成した後、実施例1と同様に試験を実施した結果、内容液中への接着剤由来成分(ポリエステル成分由来の単量体、二量体以上の多量体)の移行はほとんど確認されなかった。
〔実施例5〕
一方の多層シート(I−5)を、実施例4の(I−4)と同様に作成し、もう一方の多層シート(II−5)をポリエチレンテレフタレート(東洋紡製エステル)12μmに2液硬化型の接着剤(三井武田ケミカル製:ポリエステル−ウレタン/イソシアネート系)を使用してアルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム12μmとドライラミネートした後にポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡製エステル)のもう一方の面に接着樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μmを溶融押出しすると同時にあらかじめ成膜した環状ポリオレフィン(日本ゼオン製ZENOR)と直鎖状低密度ポリエチレン(出光石油化学製モアテック)とを70:30の割合で溶融混合したシート50μmを挿入してサンドラミネートを行って作成した。
この多層シート(II−5)は、最内層が環状ポリオレフィン(日本ゼオン製ZENOR)と直鎖状低密度ポリエチレン(出光石油化学製モアテック)を70:30の割合で含有するシート50μm、隣接する第二層が直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)が20μm、第三層がポリエチレンテレフタレート(東洋紡製エステル)12μm、第四層がアルミナ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(凸版印刷製GLフィルム)12μmで構成される多層シートである。
このように作成した多層シート(I−5)と多層シート(II−5)とを最内層を内側として対向させて熱シールすることで実施例1と同様に容器を作成した後、実施例1と同様に試験を実施した結果、内容液中への接着剤由来成分(ポリエステル成分由来の単量体、二量体以上の多量体)の移行はほとんど確認されなかった。また容器の一部に弱シール部(剥離強度3.5N/15mm巾)を形成することが可能であった。
〔実施例6〕
ポリエチレンテレフタレート(東洋紡製エステル)12μmに2液硬化型の接着剤(三井武田ケミカル製:ポリエステル−ウレタン/イソシアネート系)を使用して直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)フィルム60μmとドライラミネートした後に、該ポリエチレンテレフタレートのもう一方の面に接着樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μmを溶融押出しすると同時にあらかじめ成膜した直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μmと環状ポリオレフィン(日本ゼオン製 Tg136℃のZENORとTg75℃のZENORを9:1の割合で溶融混合)30μmの二層シートを挿入してサンドラミネートを行うことにより多層シート(I−6)を作成した。
この多層シート(I−6)は最内層が環状ポリオレフィン(日本ゼオン製 Tg136℃のZENORとTg75℃のZENORを9:1の割合で溶融混合)30μm、隣接する第二層が直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μm、第三層が接着性樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μm、第四層がポリエチレンテレフタレート(東洋紡製エステル)12μm、第五層が直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)60μmで構成される多層シートである。
もう一方の多層シート(II−6)をポリエチレンテレフタレート(東洋紡製エステル)12μmに2液硬化型の接着剤(三井武田ケミカル製:ポリエステル−ウレタン/イソシアネート系)を使用してアルミニウム箔(日本製箔製)9μmとドライラミネートした後に、該アルミニウム箔のもう一方の面に接着樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μmを溶融押出しすると同時にあらかじめ成膜した環状ポリオレフィン(日本ゼオン製 Tg136℃のZENORとTg75℃のZENORを9:1の割合で溶融混合)30μmと直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μmの二層シートを挿入してサンドラミネートを行って作成した。
この多層シート(II−6)は最内層が環状ポリオレフィン(日本ゼオン製 Tg136℃のZENORとTg75℃のZENORを9:1の割合で溶融混合)30μm、隣接する第二層が直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μm、第三層が接着性樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)20μm、第四層がアルミニウム箔(日本製箔製)9μm、第五層がポリエチレンテレフタレート12μmで構成される多層シートである。
このように作成した多層シート(I−6)と多層シート(II−6)とを最内層を内側として対向させて熱シールすることで実施例1と同様に容器を作成した後、実施例1と同様に試験を実施した結果、内容液中への接着剤由来成分(ポリエステル成分由来の単量体、二量体以上の多量体)の移行はほとんど確認されなかった。また容器の一部に弱シール部(剥離強度3.0N/15mm巾)を形成することが可能であった。
本発明の複室包装体の一例を示す平面図である。 図1に示す複室包装体のX−X断面図である。 本発明の複室包装体の他の例を示す複室包装体1’についての断面図である。 本発明の複室包装体の別の例を示す複室包装体1”についての断面図である。
符号の説明
1,1’,1” 複室包装体
2 包装体
211,221 ヒートシール層
212,222 層間移動物質含有層
223 湿気遮断層
3 ポート部
4 強シール部
5 弱シール部
6a,6b 室
7 弱シールテープ
X,Y 部分容器

Claims (11)

  1. 一のシートと他のシートとを重ね合わせ周縁部をシールしてなる包装体の、対向する内壁面の一部に設けた弱シール部により、包装体内部が複室に区画された複室包装体において、前記一のシートと他のシートとが、それぞれ以下の(I)の積層シートと(II)の積層シートとであることを特徴とする複室包装体。
    (I)包装体の内壁面を形成するヒートシール層と、層間移動物質含有層と、層間移動物質移行遮断層と、を有すると共に、前記ヒートシール層と前記層間移動物質含有層との間に前記層間移動物質移行遮断層が介在する積層シート。
    (II)包装体の内壁面を形成するヒートシール層と、層間移動物質含有層と、層間移動物質移行遮断層と、金属成分よりなる湿気遮断層と、を有すると共に、前記ヒートシール層と前記層間移動物質含有層との間に前記層間移動物質移行遮断層が介在する積層シート。
  2. 一のシートと他のシートとを重ね合わせ周縁部にシール部が形成され、かつ対向する内壁面の一部に弱シール部が形成された容器(X)及び容器(Y)が、各々の弱シール部が夫々剥離することにより両容器内部が連通可能となるように接続されて形成された複室包装体において、前記接続が一方の容器(X)の内壁面と他方の容器(Y)の外壁面とのシールにより形成されると共に、
    少なくとも前記容器(X)を構成する前記一のシートと他のシートとが、それぞれ以下の(I)の積層シート及び(II)の積層シートであることを特徴とする複室包装体。
    (I)包装体の内壁面を形成するヒートシール層と、層間移動物質含有層と、層間移動物質移行遮断層と、を有すると共に、前記ヒートシール層と前記層間移動物質含有層との間に前記層間移動物質移行遮断層が介在する積層シート。
    (II)包装体の内壁面を形成するヒートシール層と、層間移動物質含有層と、層間移動物質移行遮断層と、金属成分よりなる湿気遮断層と、を有すると共に、前記ヒートシール層と前記層間移動物質含有層との間に前記層間移動物質移行遮断層が介在する積層シート。
  3. 前記(I)の積層シートが、更に湿気遮断層を有する請求項1又は2記載の複室包装体。
  4. 前記(I)の積層シートの、シート表面の法線方向に対する全光線透過率が70%以上である請求項1,2又は3記載の複室包装体。
  5. 前記層間移動物質含有層と前記層間移動物質移行遮断層とが接着性樹脂により接着された請求項1乃至4のいずれか1項に記載の複室包装体。
  6. 前記層間移動物質移行遮断層及び/又はヒートシール層が、環状ポリオレフィン組成物を主成分として含む請求項1乃至5のいずれか1項に記載の複室包装体。
  7. 前記層間移動物質移行遮断層及び/又はヒートシール層が、テフロン及び/又は超高分子量ポリエチレンを主成分として含む請求項1乃至6のいずれか1項に記載の複室包装体。
  8. 前記環状ポリオレフィン組成物が、以下の(A)成分及び(B)成分、
    (A)ガラス転移温度が100℃未満の環状ポリオレフィン、
    (B)ガラス転移温度が100℃以上の環状ポリオレフィン、
    を含む請求項6又は7記載の複室包装体。
  9. 前記弱シール部が、前記包装体の対向する内壁面同士を、包装体の外部から熱圧着することにより形成される請求項1乃至8のいずれか1項に記載の複室包装体。
  10. 前記弱シール部が、以下の(A)成分及び/又は(B)成分、
    (A)ガラス転移温度が100℃未満の環状ポリオレフィン、
    (B)ガラス転移温度が100℃以上の環状ポリオレフィン、
    を含む層を少なくとも表面層として含むテープを、前記包装体の対向する内壁面間に挿入した状態で当該位置を包装体外部から熱圧着することにより形成される請求項1乃至9のいずれか1項に記載の複室包装体。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の複室包装体を用いてなる医療用複室容器。

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