JP2005170370A - エアバック装置 - Google Patents

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修作 黒田
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誠吾 田中
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Satoru Sugie
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Abstract

【課題】他車両による側面からの衝突時に衝突の判別を早期におこなえるとともに、衝突判別時間を短縮することができるエアバック装置を提供する。
【解決手段】車両10の右側面20および左側面21に配設された複数のGセンサ31〜36に起因する積分値に基づいて、他車両による衝突方向が右側面20か左側面21かの判定をおこない、この判定に基づいて衝突予測方向に位置する複数のGセンサ31〜36に対するサンプリング周期を制御する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、衝突を検出したときに、エアバックを膨張(展開)させることにより、乗員の保護をおこなうエアバック装置に関し、特に、衝突方向(衝突部位)を予測することにより、衝突の判別を早期におこなえるとともに、衝突の判別時間を短縮することができるエアバック装置に関する。
従来から、乗員を保護するためのエアバック装置として、他車両からの衝突(正面衝突)を検出したときに、運転席(ハンドル)の中央部などに収納されているエアバックを瞬時に膨張(展開)させることにより車両内の乗員の保護をおこなうエアバック装置が知られている。また、近年では、車両の側面側に他車両が衝突した際に、この側面側に設けたサイドエアバックを展開することにより、乗員の保護をおこなうエアバック装置が知られている。この種の従来例としては、加速度センサ(Gセンサ)から取得される検出信号により衝突が予測される場合には、他の信号による送信を禁止する技術(特許文献1参照)、測距センサにより障害物に対する衝突形態を予め予測する技術(特許文献2参照)などが開示されている。
特開平11−59323号公報 特開平10−59120号公報
以下、エアバック装置の概略について簡単に説明する。すなわち、エアバック装置は、Gセンサと、ECU(Electronic Control Unit)と、サイドエアバックを備えている。Gセンサは車両の左右側面側に位置する各ピラーの内部に配置され、それぞれ横方向(側面)からの衝突を検出する。ECUは車両のほぼ中央部に搭置されるとともに、各Gセンサにより検出されたGレベル値(加速度値)に基づいて判定を行う。サイドエアバッグは乗員の保護をおこなう。実際には、Gセンサにより他車両が衝突した際に生成されるGレベル値を検出し、ECUがしきい値判定及び演算処理をおこない、対象となるスクイブの点火によりサイドエアバックの展開が実行される。
ECUによるしきい値判定とは、ECUがGセンサからの出力(加速度値)を予め定める期間にわたって積分し、その積分値が所定の閾値を超えたときに他車両による衝突が発生したとECUが判断することである。すなわち、該所定の閾値はサイドエアバックを展開する基準である。このように、加速度値を用いることで、瞬間的な出力が発生したときに誤検出を防止し、衝突時の判断精度を向上させている。
しかしながら、上述したエアバック装置には、以下のような問題がある。他車両による側面からの衝突を検出するために、前述したように従来のエアバック装置は、車両の各ピラーの内部に配置され、それぞれ横方向(側面)からの衝突を検出する複数のGセンサを備えている。これら複数のGセンサからのGレベル値は、通信によりECUに伝達される。ECUが演算処理、しきい値判定をおこなうことによりサイドエアバックの展開がなされている。
しかし、ECUが各Gセンサにより検出されたGレベル値(加速度値)を同時に処理する(積分すること)ことは難しいので、ECUは予め設定された順番で各GセンサからのGレベル値を積分する。この結果、実際の衝突発生時に、ECUが迅速に衝突発生箇所に配置されたGセンサからのGレベル値を処理できないかもしれないという問題がある。この一方、ECUが複数のGセンサからのGレベル値を同時に処理する場合には、ECUに負荷がかかるという問題がある。特に、車両の側面部(内側)と乗員との距離(空間)は狭いため、乗員の保護の観点から衝突の判別を早期におこなえるエアバック装置が要求されている。
そこで、この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、他車両による側面からの衝突を検出したときに、衝突判別時間を短縮することのできるエアバック装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に係る発明は、車両の周囲に配設された複数の加速度センサによって検出された信号をサンプリングすることによって取得された加速度信号に基づき、エアバックの展開の制御をおこなうエアバック装置であって、車両の衝突方向を予測判定する衝突方向予測判定手段と、前記衝突方向予測判定手段によって衝突方向が予測判定された場合に、前記複数の加速度センサにおける、前記予測判定された衝突方向の場合に展開をおこなうエアバックの展開判定に用いる加速度センサのサンプリング間隔を、他の加速度センサのサンプリング間隔に比べて短くするサンプリング周期制御手段と、を備えたことを特徴とする。
この請求項1に記載の発明によれば、エアバック装置は、車両の衝突方向を予測判定する衝突方向予測判定手段と、前記衝突方向予測判定手段によって衝突方向が予測判定された場合に、前記複数の加速度センサにおける、前記予測判定された衝突方向の場合に展開をおこなうエアバックの展開判定に用いる加速度センサのサンプリング間隔を、他の加速度センサのサンプリング間隔に比べて短くするサンプリング周期制御手段と、を備える。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記衝突方向予測判定手段は、前記複数の加速度センサによって検出された加速度信号に基づいて、衝突方向を予測判定するものであることを特徴とする。
この請求項2に記載の発明によれば、前記衝突方向予測判定手段は、前記複数の加速度センサによって検出された加速度信号に基づいて、衝突方向を予測判定する機能を備える。
また、請求項3に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記衝突方向予測判定手段は、車両周囲の状況を検出する車両周囲検出手段によって取得された情報に基づいて、衝突方向を予測判定するものであることを特徴とする。
この請求項3に記載の発明によれば、前記衝突方向予測判定手段は、車両周囲の状況を検出する車両周囲検出手段によって取得された情報に基づいて、衝突方向を予測判定する機能を備える。
また、請求項4に係る発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記衝突方向予測判定手段は、前記エアバックを展開する加速度値の基準値となる第一の閾値を設定する第一の閾値設定手段と、前記第一の閾値よりも小さい閾値である第二の閾値を設定する第二の閾値設定手段と、前記複数の加速度センサにより検出された加速度値が第二の閾値を超えているか否かを判定する加速度値判定手段とを備え、前記加速度値判定手段により、前記第二の閾値を超えていると判定された加速度センサの配設位置と検出方向に基づいて、車両の衝突方向を予測判定するものであることを特徴とする。
この請求項4に記載の発明によれば、衝突方向予測判定手段は、前記エアバックを展開する加速度値の基準値となる第一の閾値を設定する第一の閾値設定手段と、前記第一の閾値よりも小さい閾値である第二の閾値を設定する第二の閾値設定手段と、前記複数の加速度センサにより検出された加速度値が第二の閾値を超えているか否かを判定する加速度値判定手段とを備え、前記加速度値判定手段により、前記第二の閾値を超えていると判定された加速度センサの配設位置と検出方向に基づいて、車両の衝突方向を予測判定する。
また、請求項5に係る発明は、請求項4に記載の発明において、前記衝突方向予測判定手段は、前記加速度値判定手段により判定された複数の加速度センサの検出値に基づいて、衝突部位を特定する衝突位置判定手段をさらに備え、当該衝突位置判定手段により判定された衝突部位に位置する加速度センサを対象として、前記サンプリング周期制御手段によるサンプリング周期の設定がおこなわれることを特徴とする。
この請求項5に記載の発明によれば、衝突位置判定手段により判定された衝突部位に位置する加速度センサを対象として、サンプリング周期制御手段によるサンプリング周期の設定をおこなう。
また、請求項6に係るエアバック装置は、請求項4または5に記載の発明において、前記他車両による左側或いは右側のいずれかの側面からの衝突を検出するY軸加速度センサをさらに備え、前記衝突方向予測判定手段による衝突方向の判定は、前記Y軸加速度センサにより検出された加速度値に基づいておこなわれることを特徴とする。
この請求項6に記載の発明によれば、衝突方向予測判定手段による衝突方向の判定は、Y軸加速度センサにより検出された加速度値(横方向からの衝撃値)に基づいておこなわれ、この加速度値に基づいて、衝突方向予測判定手段により他車両からの衝突方向を判定する。
また、請求項7に係るエアバック装置は、請求項4、5または6に記載の発明において、前記左右いずれかの側面に配置された複数の加速度センサによる加速度値の検出は、複数の加速度センサを対象としておこなわれるとともに、検出された複数の加速度センサによる加速度値に基づいて、前記衝突方向予測判定手段による判定をおこなうことを特徴とする。
この請求項7に記載の発明によれば、左右いずれかの側面に配置された複数の加速度センサによる加速度値の検出は、複数の加速度センサを対象としておこなわれるとともに、検出された複数の加速度センサによる加速度値に基づいて、衝突方向予測判定手段による判定をおこなう。
また、請求項8に係るエアバック装置は、請求項4〜7のいずれか一つに記載の発明において、前記サンプリング周期制御手段は、前記衝突方向予測判定手段により判定された衝突方向に基づいて、左側或いは右側のいずれか一方に位置する加速度センサによるサンプリングを優先しておこなうサンプリング優先順位設定手段をさらに備えることを特徴とする。
この請求項8に記載の発明によれば、サンプリング優先順位設定手段により、衝突方向予測判定手段により判定された衝突方向に基づいて、左側面或いは右側面のいずれか一方に位置する加速度センサによるサンプリングを優先しておこなう。
また、請求項9に係るエアバック装置は、請求項8に記載の発明において、前記衝突位置特定手段により特定された加速度センサの位置と反対部位に位置する加速度センサを衝突位置の判定要素とする補助衝突位置判定手段をさらに備え、前記サンプリング優先順位設定手段によるサンプリングを優先する加速度センサの設定は、前記補助衝突位置判定手段により判定された加速度センサを対象として設定されることを特徴とする。
この請求項9に記載の発明によれば、補助衝突位置判定手段により、衝突位置特定手段により特定された加速度センサの位置と反対部位に位置する加速度センサを衝突位置の判定要素とし、サンプリング優先順位設定手段によるサンプリングを優先する加速度センサの設定は、補助衝突位置判定手段により判定された加速度センサを対象として設定する。
また、請求項10に係るエアバック装置は、請求項9に記載の発明において、前記Gレベル値判定手段により判定された加速度センサと、当該加速度センサに隣接した位置の加速度センサによるGレベル値と、前記補助衝突位置判定手段により判定された加速度センサとの加速度値が前記第一の閾値を超えた場合に、前記エアバックの展開がおこなわれることを特徴とする。
この請求項10に記載の発明によれば、エアバックの展開は、Gレベル値判定手段により判定された加速度センサと、当該加速度センサに隣接した位置の加速度センサによるGレベル値と、前記補助衝突位置判定手段により判定された加速度センサとの加速度値が前記第一の閾値を超えた場合におこなう。
また、請求項11に係るエアバック装置は、請求項1〜10のいずれか一つに記載の発明において、前記複数の加速度センサによる衝突形態(加速度値)を一時的に記憶する衝突形態記憶テーブルと、当該衝突形態記憶テーブルに記憶された加速度センサによる加速度値のうち、最も加速度値が高いと判定された加速度センサを対象として、当該加速度センサに対応する前記第一の閾値或いは第二の閾値を可変する閾値制御手段をさらに備えることを特徴とする。
この請求項11に記載の発明によれば、衝突形態記憶テーブルにより、複数の加速度センサによる衝突形態(加速度値)を一時的に記憶し、この衝突形態記憶テーブルに記憶された加速度センサによる加速度値のうち、最も加速度値が高いと判定された加速度センサを対象として、閾値制御手段により、当該加速度センサに対応する前記第一の閾値或いは第二の閾値を可変する。
また、請求項12に係るエアバック装置は、請求項11に記載の発明において、前記閾値制御手段は、前記複数の加速度センサそれぞれに対応するとともに、前記エアバックの展開を制御する基準値である第3の閾値をさらに備え、衝突形態記憶テーブルに記憶された加速度値が高い加速度センサを対象として、第一の閾値を第3の閾値に切り換えて設定することを特徴とする。
この請求項12に記載の発明によれば、閾値制御手段は、衝突形態記憶テーブルに記憶された加速度値が高い加速度センサを対象として、第一の閾値を予め設定した第3の閾値に切り換えて設定する。
また、請求項13に係るエアバック装置は、請求項12に記載の発明において、前記複数の加速度センサの故障を判定する故障判定手段をさらに備え、当該故障判定手段により複数の加速度センサのいずれかに故障が有ると判定された場合には、前記衝突形態記憶テーブルに記憶された衝突形態に基づく、前記衝突方向予測判定手段による制御を禁止することを特徴とする。
この請求項13に記載の発明によれば、故障判定手段により複数の加速度センサのいずれかに故障が有ると判定された場合には、衝突形態記憶テーブルに記憶された衝突形態に基づく、衝突判定手順制御手段による制御を禁止する。
また、請求項14に係るエアバック装置は、請求項4〜13のいずれか一つに記載の発明において、前記衝突方向予測判定手段は、他車両に関する情報を取得する他車両情報取得手段をさらに備え、当該他車両情報取得手段により取得された他車両の車高に基づいて、前記第一の閾値の可変をおこなう機能を備えることを特徴とする。
この請求項14に記載の発明によれば、衝突方向予測判定手段は、他車両に関する情報を取得する他車両情報取得手段をさらに備えるとともに、この他車両情報取得手段により他車両の車高を取得し、この車高情報に基づいて、第一の閾値の可変をおこなう。
また、請求項15に係る発明は、請求項1または3に記載の発明において、前記衝突方向予測判定手段は、車両周囲の状況を検出するレーダセンサを備え、当該レーダセンサにより検出した車両周囲の物体の位置に基づいて、車両の衝突方向を予測判定するものであることを特徴とする。
また、請求項15に係る発明によれば、前記衝突方向予測判定手段は、車両周囲の状況を検出するレーダセンサを備え、当該レーダセンサにより検出した車両周囲の物体の位置に基づいて、車両の衝突方向を予測判定する。
また、請求項16に係る発明は、請求項1または3に記載の発明において、前記衝突方向予測判定手段は、他車両から自車両に向けて照射されるヘッドライト光を検出する光源検出手段を備え、前記光源検出手段により検出されたヘッドライト光の受光に基づいて、車両の衝突方向を予測判定するものであることを特徴とする。
この請求項16に係る発明によれば、前記衝突方向予測判定手段は、他車両から自車両に向けて照射されるヘッドライト光を検出する光源検出手段を備え、前記光源検出手段により検出されたヘッドライト光の受光に基づいて、車両の衝突方向を予測判定する。
また、請求項17に係る発明は、請求項15または16に記載の発明において、前記衝突方向予測判定手段は、当該衝突方向予測判定手段により判定された衝突方向に基づいて、左側或いは右側のいずれか一方に位置する加速度センサによるサンプリングを優先しておこなうサンプリング優先順位設定手段をさらに備えることを特徴とする。
この請求項17に記載の発明によれば、サンプリング優先順位設定手段により、衝突方向予測判定手段により判定された衝突方向に基づいて、左側或いは右側のいずれか一方に位置する加速度センサによるサンプリングを優先しておこなう。
また、請求項18に係るエアバック装置は、請求項1〜17のいずれか一つに記載の発明において、前記複数の加速度センサが出力する加速度値を積分して積分加速度値を作成する加速度積分手段をさらに備え、当該積分加速度値に基づいて前記エアバックの展開判定および/または前記衝突方向の予測判定を行なうことを特徴とする。
この請求項18に記載の発明によれば、複数の加速度センサが出力する加速度値を積分して積分加速度値を作成し、加速度積分値をエアバックの展開判定や衝突方向の予測判定に使用する。
また、請求項19に係るエアバック装置は、請求項18に記載の発明において、前記加速度積分手段は、前記サンプリング周期に等しい積分時間によって前記加速度値を積分することを特徴とする。
この請求項19に記載の発明によれば、サンプリングから次のサンプリングまでの間加速度値を積分して積分加速度値を作成し、加速度積分値をエアバックの展開判定や衝突方向の予測判定に使用する。
また、請求項20に係るエアバック装置は、請求項19に記載の発明において、前記サンプリング周期制御手段によるサンプリング間隔の制御に対応し、前記第一の閾値、第二の閾値および第三の閾値を変更することを特徴とする。
この請求項20に記載の発明によれば、サンプリングから次のサンプリングまでの間加速度値を積分して積分加速度値を作成し、積分時間に対応して変更した閾値との比較によってエアバックの展開判定や衝突方向の予測判定を行なう。
以上説明したように、請求項1の発明によれば、エアバック装置は、車両の衝突方向を予測判定する衝突方向予測判定手段と、前記衝突方向予測判定手段によって衝突方向が予測判定された場合に、前記複数の加速度センサにおける、前記予測判定された衝突方向の場合に展開をおこなうエアバックの展開判定に用いる加速度センサのサンプリング間隔を、他の加速度センサのサンプリング間隔に比べて短くするサンプリング周期制御手段と、を備えるので、衝突判別時間の短縮化を図ることができるうえ、通信処理、演算処理による遅延を防止することによりサイドエアバックの展開遅れを防止することができ、これにより、乗員の保護を確実に実行することができるという効果を奏する。
また、請求項2に記載の発明によれば、前記衝突方向予測判定手段は、前記複数の加速度センサによって検出された加速度信号に基づいて、衝突方向を予測判定する機能を備えるので、容易に衝突方向を予測できるという効果を奏する。
また、請求項3に記載の発明によれば、前記衝突方向予測判定手段は、車両周囲の状況を検出する車両周囲検出手段によって取得された情報に基づいて、衝突方向を予測判定する機能を備えるので、車両周囲検出手段により確実に衝突方向を予測できるという効果を奏する。
また、請求項4に記載の発明によれば、衝突方向予測判定手段は、前記エアバックを展開する加速度値の基準値となる第一の閾値を設定する第一の閾値設定手段と、前記第一の閾値よりも小さい閾値である第二の閾値を設定する第二の閾値設定手段と、前記複数の加速度センサにより検出された加速度値が第二の閾値を超えているか否かを判定する加速度値判定手段とを備え、前記加速度値判定手段により、前記第二の閾値を超えていると判定された加速度センサの配設位置と検出方向に基づいて、車両の衝突方向を予測判定するので、衝突判別時間の短縮化を図ることができるうえ、通信処理、演算処理による遅延を防止することによりサイドエアバックの展開遅れを防止することができ、これにより、乗員の保護を確実に実行することができるという効果を奏する。
この請求項5に記載の発明によれば、衝突位置判定手段により判定された衝突部位に位置する加速度センサを対象として、サンプリング周期制御手段によるサンプリング周期の設定をおこなうので、他車両による衝突部位を特定することにより、この特定部位を対象としたサンプリングの優先によって、より衝突判別時間の短縮化を図ることができるという効果を奏する。
この請求項6に記載の発明によれば、衝突方向予測判定手段による衝突方向の判定は、Y軸加速度センサにより検出された加速度値に基づいておこなわれるので、他車両による側面(横方向)からの衝突を容易且つ確実に検出することができるうえ、これにより、衝突判別時間の短縮化を図ることができるという効果を奏する。
この請求項7に記載の発明によれば、右いずれかの側面に配置された複数の加速度センサによる加速度値の検出は、複数の加速度センサを対象としておこなわれるとともに、検出された複数の加速度センサによる加速度値に基づいて、衝突方向判定手段による判定をおこなうので、衝突判定時の信頼性を向上することができるという効果を奏する。
この請求項8に記載の発明によれば、サンプリング優先順位設定手段により、衝突方向判定手段により判定された衝突方向に基づいて、左側或いは右側のいずれか一方に位置する加速度センサによるサンプリングを優先しておこなうので、衝突判別時間の短縮化を図ることができるという効果を奏する。
この請求項9に記載の発明によれば、補助衝突位置判定手段により、衝突位置特定手段により特定された加速度センサの位置と反対部位に位置する加速度センサを衝突位置の判定要素とし、サンプリング優先順位設定手段によるサンプリングを優先する加速度センサの設定は、補助衝突位置判定手段により判定された加速度センサを対象として設定するので、エアバックの展開誤作動を防止できるうえ、衝突判別時間の短縮化を図ることができるという効果を奏する。
この請求項10に記載の発明によれば、エアバックの展開は、加速度値判定手段により判定された加速度センサと、当該加速度センサに隣接した位置の加速度センサによる加速度値と、前記補助衝突位置判定手段により判定された加速度センサとの加速度値が前記第二の閾値を超えた場合におこなうので、エアバックの展開誤作動を防止できるうえ、衝突判別時間の短縮化を図ることができるという効果を奏する。
この請求項11に記載の発明によれば、衝突形態記憶テーブルにより、複数の加速度センサによる衝突形態(加速度値)を一時的に記憶し、この衝突形態記憶テーブルに記憶された加速度センサによる加速度値のうち、最もG積分値が高いと判定された加速度センサを対象として、閾値制御手段により、当該加速度センサに対応する前記第一の閾値或いは第二の閾値を可変するので、衝突を検出する検出時間の短縮により衝突判別性能をより向上することができるという効果を奏する。
この請求項12に記載の発明によれば、閾値制御手段は、衝突形態記憶テーブルに記憶された加速度値が高い加速度センサを対象として、第一の閾値を予め設定した第3の閾値に切り換えて設定するので、衝突判別時間の短縮化を図ることができるうえ、閾値の設定を容易におこなえるという効果を奏する。
この請求項13に記載の発明によれば、故障判定手段により複数の加速度センサのいずれかに故障が有ると判定された場合には、前記衝突形態記憶テーブルに記憶された衝突形態に基づく、衝突判定手順制御手段による制御を禁止するので、余分な制御処理時間の短縮化を図ることができるという効果を奏する。
この請求項14に記載の発明によれば、衝突方向予測判定手段は、前記他車両に関する情報を取得する他車両情報取得手段をさらに備え、当該他車両情報取得手段により取得された他車両の車高に基づいて、前記第二の閾値の可変をおこなう機能を備えるので、車高の高い他車両による衝突によっても、衝突判別時間の短縮化を図ることができるという効果を奏する。
この請求項15に記載の発明によれば、衝突方向予測判定手段は、車両周囲の状況を検出するレーダセンサを備え、当該レーダセンサにより検出した車両周囲の物体の位置に基づいて、車両の衝突方向を予測判定するので、衝突判別時間の短縮化を図ることができるうえ、通信処理、演算処理による遅延を防止することによりサイドエアバックの展開遅れを防止することができ、これにより、乗員の保護を確実に実行することができる。
この請求項16に記載の発明によれば、衝突方向予測判定手段は、他車両から自車両に向けて照射されるヘッドライト光を検出する光源検出手段を備え、前記光源検出手段により検出されたヘッドライト光の受光に基づいて、車両の衝突方向を予測判定するので、衝突判別時間の短縮化を図ることができるうえ、通信処理、演算処理による遅延を防止することによりサイドエアバックの展開遅れを防止することができ、これにより、乗員の保護を確実に実行することができる。
この請求項17に記載の発明によれば、衝突方向予測判定手段は、この衝突方向予測判定手段により判定された衝突方向に基づいて、左側或いは右側のいずれか一方に位置する加速度センサによるサンプリングを優先しておこなうので、サンプリング順序の優先に基づき衝突判別時間の短縮化を図ることができるうえ、通信処理、演算処理による遅延を防止することによりサイドエアバックの展開遅れを防止することができ、これにより、乗員の保護を確実に実行することができる。
また、請求項18に記載の発明によれば、複数の加速度センサが出力する加速度値を積分して積分加速度値を作成し、加速度積分値をエアバックの展開判定や衝突方向の予測判定に使用するので、誤検出を防止し、確実に他車両の側面からの衝突を予測して判別時間を短縮する高精度なエアバック装置を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項19に記載の発明によれば、サンプリングから次のサンプリングまでの間加速度値を積分して積分加速度値を作成し、加速度積分値をエアバックの展開判定や衝突方向の予測判定に使用するので、誤検出を最大限に低減し、確実に他車両の側面からの衝突を予測して判別時間を短縮する高精度なエアバック装置を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項20に記載の発明によれば、サンプリングから次のサンプリングまでの間加速度値を積分して積分加速度値を作成し、積分時間に対応して変更した閾値との比較によってエアバックの展開判定や衝突方向の予測判定を行なうので、誤検出を最大限に低減しつつ、判定精度をさらに向上したエアバック装置を得ることができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明に係るエアバック装置の好適な実施例を詳細に説明する。図1は、本発明に係るエアバック装置において、車両に他車両が衝突する形態を示す説明図を、図2は、本発明に係る車両における加速度センサの配設位置を示す概略図を、図3は、本発明に係るエアバック装置の構成を示す全体機能ブロック図である。なお、以下では、本実施例に係るエアバック装置の概要および特徴を説明した後に、側突エアバック制御方法の詳細および他の実施例について説明することとする。また、加速度センサをGセンサとして説明する。なお、以下に示す各実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1、2に示すように、エアバック装置は、車両10の所定位置(右側および左側)に側面からの衝突を検出する複数のGセンサ31〜36(側突センサ)を備える。これら各Gセンサ31〜36による加速度値の積分値(G積分値)に基づいて、エアバック制御装置2(図3)は他車両による衝突方向(衝突位置)を予測する。また、エアバック制御装置2は当該衝突予測方向(衝突予測部位)に配設されたGセンサを対象として、サンプリング周期を短縮する処理或いは、サンプリング順位を優先する処理を行う。すなわち、これによって、他車両による衝突以前に衝突方向を検出するとともに、本発明の実施形態によるエアバック装置は通信処理、しきい値処理、演算処理による遅延にともなうエアバックの展開遅れを防止することができる。結果として、乗員の保護を確実に実行することができる。ここで、「サンプリング」はエアバッグ制御装置2(例えばECU)がGセンサ31〜36の1つから出力される加速度値を積分することを意味する。「サンプリング周期」は、エアバッグ制御装置2がGセンサ31〜36の1つから出力される加速度信号を積分する期間を意味し、普通は約0.5msecに設定されている。
図1、2に示すように、車両10の前側に配置されたピラー11には、正面からの衝突を検出するフロントGセンサ12が、車両10の各側面部(右側面20、左側面21)に位置する左右の各ピラー(右ピラー22〜24および左ピラー25〜27)の内部には、各側面20、21からの他車両による衝突を検出する複数のGセンサ31〜36がそれぞれ具備されている。後述するように、ECU40はこれら各Gセンサ31〜36による加速度値の積分値に基づいて、点火回路14、スクイブ13を作動し、これにより乗員を保護するサイドエアバック(図示省略)の膨張(展開)がおこなわれる。なお、この加速度値を検出するGセンサは、ABS(Antilock Brake System)用のGセンサ、ブレーキ制御用のGセンサに搭載するようにしてもよい。
また、車両10のほぼ中央部には、各Gセンサ31〜36により検出された検出データ(加速度値)が送信されるとともに、サイドエアバックの展開可否を判定するECU40(Electronic Contorl Unit)が据置されている。これら複数のGセンサ31〜36からの加速度値は、通信によりECU40に伝達され、このECU40による演算処理、しきい値判定の結果として、エアバックの展開がなさる。また、このECU40の内部には、車両の横方向(Y軸方向)のGレベル値を検出するY軸Gセンサ41が搭載されている。スクイブ13は、点火回路14による作動によりサイドエアバックを急速に膨張させる爆発部、電気的に急速加熱するヒータ部、ヒータに通電するためのリード線などから構成されている。
尚、本発明の実施例では各Gセンサがアナログ加速度値を生成し、アナログ加速度値をデジタル加速度値に変換し、デジタル加速度値を出力している。しかし、ECU40がこのA/D変換を行ってもよい。
図3に示すように、エアバック装置2は、第一の閾値設定部45と、第二の閾値設定部46と、衝突判定手順制御部50と、衝突形態記憶テーブル60とを備えている。このうち、衝突判定手順制御部50は、Gセンサ31〜36から出力される加速度値をサンプリング(積分)する機能、得られた積分値に基づいて他車両による衝突方向、衝突位置を判定する機能及び、判定された衝突方向或いは衝突位置に基づいて、各Gセンサのサンプリング(サンプリング周期)に係る制御をおこなう機能を備えている。
また、図4に示すように、衝突判定手順制御部50は、積分値判定部51、衝突方向予測部52、衝突位置予測部53、サンプリング周期制御部54、サンプリング周期設定部55、サンプリング手順制御部56、補助衝突位置予測部57、故障判定部58、衝突形態禁止部59とを備えている。
第一の閾値設定部45は、サイドエアバックを展開する基準となる第一の閾値を設定する機能を備えている。第二の閾値設定部46は、第一の閾値設定部45により設定される第一の閾値よりも小さい閾値である第二の閾値を設定する。積分値判定部51は、各Gセンサ31〜36から出力される加速度値の積分値が第二の閾値を超えているか否かを判定する機能を備えている。衝突方向予測部52は、積分値判定部51により、加速度値の積分値が第二の閾値を超えていると判定された少なくとも1つのGセンサ31〜36の配設位置に基づいて、他車両による衝突方向を判定(予測)する機能を備えている。衝突位置予測部53は、積分値判定部51により加速度値の積分値が第二のしきい値を超えていると判定された少なくとも1つのGセンサ31〜36の検出値に基づいて、他車両による衝突部位を特定する機能を備えている。
サンプリング周期制御部54は、衝突方向予測部52により判定(予測)された衝突方向に基づいて、当該判定された衝突方向(の同一方向)に位置するGセンサを対象としてサンプリング周期を制御する機能を備えている。
また、このサンプリング周期制御部54は、左側或いは右側のいずれかに位置するGセンサを対象として、当該Gセンサによるサンプリング周期を短縮して設定するサンプリング周期設定部55を備えている。本例では、サンプリング周期設定部55により、サンプリング周期を0.25msecに設定している。
尚、サンプリング周期が長くなるにつれて、積分値が大きくなる(例えば図14参照)。このため、サンプリング周期の変更は積分値に影響する。一方、第一、第二の閾値は通常時のサンプリング周期に対して設定されている。以下の実施例ではサンプリング周期制御部54がサンプリング周期を通常時(例えば0.5msec)から緊急時(例えば0.25msec)に変更することがある。サンプリング周期の変更の影響を取り除くために、サンプリング周期が変更された際には、第1、第2の閾値設定部45、46がそれぞれ、第一、第二の閾値に新しいサンプリング周期に対する古いサンプリング周期の比を乗算して、修正した第一、第二の閾値を得ることとする。具体的には、サンプリング周期が0.5msecから0.25msecに変更された場合、(修正された第一、第二の閾値)=(第一、第二の閾値)×0.5/0.25となる。
サンプリング手順制御部56は、衝突方向予測部52により判定された衝突方向に基づいて、右側面20或いは左側面21のいずれか一方に位置するGセンサによるサンプリング順序を優先しておこなう機能を備えている。
補助衝突位置予測部57は、衝突位置予測部53により特定されたGセンサの位置と反対部位に位置するGセンサを衝突位置の判定要素とする機能を備えている。故障判定部58は、Gセンサの故障を判定する機能を備えている。衝突形態禁止部59は、衝突形態による判定を禁止する機能を備えている。
次に、図5を参照して、本発明に係る実施例1を詳細に説明する。すなわち、本実施例1は、各Gセンサ31〜36から出力された加速度値の積分値に基づいて、他車両による衝突方向(右側面20か左側面21)を判定(予測)し、判定した衝突予測方向に位置する複数のGセンサを対象として、サンプリング周期を短縮する。
以下、図5、6を参照して、実施例1に係るエアバック装置の詳細について説明する。図5は、本発明の実施例1に係るエアバック装置による処理手順を示すフローチャートである。ここで、同フローチャート中の第一の閾値とは、エアバックを展開する基準(図3に示す、スクイブ13に点火回路14から点火信号が送信されるタイミング)である。第二の閾値は第一の閾値よりも小さい値である。
すなわち、図5のフローチャートに示すように、先ず、複数のGセンサ31〜36(図2)のうち、ECU40は一方の側面(右側面20或いは左側面21)に位置するGセンサ31〜36から出力される加速度値を順に積分する。そして、積分値判定部51が右側面20に位置する複数のGセンサ31、33、35のうちいずれかから出力される加速度値の積分値が第二の閾値を超えているか否かの判定(右側Gセンサに起因する積分値≧第二の閾値)する(ステップS110)。そして、このステップS110の判定により、右側面20に位置するGセンサ31、33、35のいずれかから出力された加速度値の積分値が第二の閾値を超えていると積分値判定部51が判定した場合には(ステップS110肯定)、他車両が車両10の右側面20に衝突する可能性が大きいと判定される。このため、この右側面20に位置するGセンサ31、33、35を対象として、サンプリング周期制御部54によりサンプリング周期を短縮する(ステップS120)。
このサンプリング周期は、ECU40が各Gセンサから出力される加速度値を積分する期間である。本例では、サンプリング周期設定部55が通常時のサンプリング周期の半分程度に設定する。具体的には、図6に示すように、サンプリング周期設定部55がGセンサ31、33、35に対するサンプリング周期を通常サンプリング周期(0.5msec)から緊急サンプリング周期(0.25msec)に変更する。また、ステップS110による判定は、右側面20に配置された複数個のGセンサ31、33、35を判定の対象とすることで、判定精度および判定の信頼性を向上させているが、このように複数個ではなく単数を対象(例えば、Gセンサ31)とするGセンサによる判定とすることもできる。
一方、ステップS110で、右側面20に位置するGセンサの加速度値の積分値がいずれも第二の閾値を超えていないと積分値判定部51が判定した場合には(ステップS110否定)、次のステップS140の処理に移行する。このステップS140では、積分値判定部51が左側面21に位置するGセンサ32、34、36のうちいずれかのGセンサから出力される加速度値の積分値が第二の閾値を超えているか否かの判定(左側Gセンサに起因する積分値≧第二の閾値)する(ステップS140)。このステップS140の判定において、積分値判定部51が左側面21に位置するGセンサ32、34、36のいずれかから出力される加速度値の積分値が第二の閾値を超えていると判定した場合には(ステップS140肯定)、他車両が左側面21に衝突した可能性が大きいと判定される。このため、これら左側面21に位置するGセンサ32、34、36に対するサンプリング周期を短くする(ステップS150)。
なお、本例では、衝突方向(右側面20か左側面21)に位置する各Gセンサを対象として、サンプリング周期を短縮する処理を行う。しかし、エアバック装置1による全体の負荷を考慮した場合は、エアバック制御装置2が反対側に位置する各GセンサのA/D変換値のタイミングを遅くする制御をおこなうようにしてもよい。
以下、本例では、他車両が車両の右側面20に衝突することを想定して、図5によるフローチャートでの処理手順を説明する。すなわち、ステップS120において、サンプリング周期制御部54がGセンサ31、33、35に対するサンプリング周期を短縮する(ステップS120)。
次いで、積分値判定部51は右側面20に位置する複数のGセンサ31、33、35のうちいずれかから出力された加速度値の積分値が第一の閾値を超えているか否かの判定(右側面20に位置するGセンサに起因する積分値≧第一の閾値)をおこなう(ステップS130)。前述したように、この第一の閾値は、エアバックを展開させる閾値である。この判定は、実際の衝突を判定する処理である。そして、ステップS130において、積分値判定部51が右側面20に位置するGセンサ31、33、35のいずれかから出力された加速度値の積分値が第一の閾値を超えていると判定した場合には(ステップS130肯定)、ECU40がそのGセンサを特定するとともに(ステップS500)、特定されたGセンサに対応するサイドエアバックの展開をおこなう(ステップS510)。具体的には、積分値判定部51がGセンサ31から出力された加速度値の積分値が第一の閾値を超えていると判定した場合に、点火回路14からスクイブ13に点火信号を送信する。このスクイブ13の作動により、Gセンサ31に対応するサイドエアバックが展開し、乗員の保護をおこなうものとなる。
ここで、前述したように、車両10の内部には、他車両による右側面20或いは左側面21のいずれかの側面からの衝突(横方向の衝撃)を検出するY軸Gセンサ41が搭載されているため、このY軸Gセンサ40を利用することにより、他車両による衝突方向を判定することができる。この場合、Y軸Gセンサ41は加速度値を出力する。この加速度値の積分値が、右側面20からの衝突を判定する所定の閾値を超えている場合には、右側面20に位置するGセンサを対象とするサンプリング周期制御をおこう。加速度値の積分値が左側面20からの衝突を判定する所定の閾値を超えている場合には、左側面21に位置するGセンサを対象とするサンプリング周期制御をおこなうようにする。
Y軸Gセンサ40を衝突方向の予測に用いると、衝突方向をより容易かつ確実に予測することができる。更には、衝突判別時間を短縮することができる。
次に、図7を参照して、本発明に係る実施例2の詳細について説明する。すなわち、前述した実施例1は、複数のGセンサから出力された加速度値の積分値に基づいて、他車両による衝突方向(右側面か左側面)を判定(予測)し、判定した衝突予測方向に位置する複数のGセンサのサンプリング周期を短縮していた。これに対して、本実施例2では、衝突位置予測部53(図4)により他車両による衝突部位を特定するとともに、この衝突位置予測部53により特定された衝突部位に位置するGセンサのみ、サンプリング周期を短縮する。
すなわち、図7のフローチャートに示すように、先ず、ECU40は複数のGセンサ31〜36から出力される加速度値を順次積分する(ステップS210)。次いで、積分値判定部51が各Gセンサ31〜36から出力された加速度値の積分値が第二の閾値を超えているか否かを判定する(ステップS220)。ステップS220での判定が否定であった場合、処理はステップS210に戻る。例えば、積分値判定部51がGセンサ31に起因する積分値は第二の閾値を超えないと判断した場合、ECU40は他のGセンサ32から出力された加速度値を積分する。一方、ステップS220での判断が肯定であった場合、処理はステップS230へと進む。そして、衝突位置予測部53が起因する積分値が第二の閾値を超えていると判断されたGセンサを特定する(ステップS230)。そして、サンプリング周期制御部54がこの特定したGセンサのみを対象としてサンプリング周期を短縮する(ステップS240)。
例えば、ステップS220の判定により、積分値判定部51がGセンサ31に起因する積分値が第二の閾値を超えていると判定した場合、サンプリング周期制御部54はこのGセンサ31に対してのみサンプリング周期を短縮する。この場合のサンプリング周期の短縮処理は、前述した図6と同様に、Gセンサ31のサンプリング周期を通常時のサンプリング周期(0.5msec)から早期時のサンプリング周期(0.25msec)に変更することである。以下、ECU40が特定したGセンサ(本例では、Gセンサ31)から出力された加速度値を緊急サンプリング周期の間積分し、積分値判定部51が得られた積分値が第一の閾値を越えているか判定する(ステップS250)。積分値が第一の閾値を越えている場合は(ステップS250肯定)、このGセンサと対応するサイドエアバックの展開をおこなうものとなる(ステップS510)。一方、積分地が第一の閾値を超えていない場合(ステップS250否定)、処理はステップS250の初めに戻る。すなわち、ECU40は再び特定されたGセンサから出力された加速度値を積分する。
第2の実施例によれば、衝突位置予測部53が衝突が起こるであろう衝突位置、すなわち、起因する積分値が第二の閾値を超えたGセンサを特定し、サンプリング周期制御部54がこのようにと特定されたGセンサのサンプリング周期を短縮している。このため、衝突判別時間を短縮することができる。
次に、図8のフローチャートを参照して、本発明に係る実施例3を詳細に説明する。なお、以下の図8〜図25に示す各実施例において、前述した図5に示したフローチャートと同様の処理についての詳細な説明は省略する。
すなわち、前述した実施例1、2では、複数のGセンサに起因する積分値に基づいて、他車両による衝突方向(右側面20か左側面21)又は衝突位置を判定(予測)し、判定した衝突予測方向に位置する複数のGセンサ或いは、衝突予測部位に位置するGセンサを対象として、サンプリング周期を短縮(0.5msec→0.25msec)していた。本実施例3では、衝突方向予測部53により判定された衝突予測方向に位置する複数のGセンサを対象として、サンプリング手順制御部56がサンプリングを優先しておこなう。
すなわち、図8のフローチャートに示すように、先ず、複数のGセンサ31〜36(図2)のうち、ECU40は一方の側面(右側面20或いは左側面21)に位置するGセンサ31〜36から出力される加速度値を順に積分する。そして、積分値判定部51が右側面20に位置する複数のGセンサ31、33、35のうちいずれかから出力される加速度値の積分値が第二の閾値を超えているか否かの判定(右側Gセンサに起因する積分値≧第二の閾値)する(ステップS110)。そして、このステップS110の判定により、右側面20に位置するGセンサ31、33、35のいずれかから出力された加速度の積分値が第二の閾値を超えていると積分値判定部51が判定した場合には(ステップS110肯定)、他車両が車両10の右側面20に衝突する可能性が大きいと判定される。このため、サンプリング手順制御部56は加速度値の積分時に右側面20に位置するGセンサ31、33、35を優先する(ステップS115)。すなわち、ECU40は右側面20に配設されたGセンサ31、33、35から出力された加速度値を他のGセンサ32、34、36よりも優先して積分する。そして、積分値判定部51がGセンサ31、33、35のいずれかから出力された加速度値の積分値第一の閾値を超えているか否か判定(右側Gセンサに起因する積分値≧第一の閾値)する(ステップS130)。
一方、ステップS110において、積分値判定部51が右側面20に位置するGセンサ31、33、35のいずれから出力される加速度値の積分値も第二の閾値を超えていないと判定した場合(ステップS110否定)、積分値判定部51は左側面21に位置するGセンサ32、34、36のうちいずれかから出力された加速度値の積分値が第二の閾値を超えているか否かを判定する(左側Gセンサに起因する積分値≧第二の閾値)(ステップS140)。ステップS140において、積分値判定部51が左側面21に位置するGセンサ32、34、36のいずれかから出力された加速度値の積分値が第二の閾値を超えていると判断した場合(ステップS140肯定)、他車両が左側面21に衝突した可能性が大きいと判定される。このため、サンプリング手順制御部56は加速度値の積分時にこれら左側面21に位置するGセンサ32、34、36を優先する(ステップS150)。以下、積分値判定部51がGセンサ32、34、36のいずれかから出力された加速度値の積分値が第一の閾値を超えているか否か判定(左側Gセンサに禁する積分値≧第一の閾値)する(ステップS160)。以降、前述したと同様の処理手順(図5のステップS500〜ステップS510)をおこない該当するサイドエアバックの展開をおこなう。
図9は、本実施例3に係るサンプリング優先順序のタイムチャートを示している(図9中、Gセンサの表記は単にGとする。)。図9−1は優先サンプリングの一例を示している。すなわち、図9−1では、通常時におけるGセンサ31〜36によるサンプリング順序は(加速度値の積分順序)、「Gセンサ31→Gセンサ32→Gセンサ33→Gセンサ34→Gセンサ35→Gセンサ36」である。ECU40は右側面20と左側面21とに位置するGセンサ31〜36から出力される加速度値を交互に積分する。具体的には、ECU40はサンプリング周期の間、一方の側のあるGセンサから信号を受信しながら、サンプリング周期の間受信した加速度値を積分する。その後に、ECU40は他方の側の他のGセンサから信号を受信し、同様の処理を繰り返す。そして、本例では、例えば、図8のステップS110により他車両による衝突方向が右側面20であると判定された場合には、サンプリングの優先順位を左側面21よりも右側面20に位置するGセンサ31、33、35を優先する。このため、サンプリング処理は「Gセンサ31→Gセンサ33→Gセンサ35→Gセンサ32→Gセンサ34→Gセンサ36」という順番になる。
図9−2は優先サンプリングの別の例を示している。図9−1の順序の代わりに、衝突方向予測部52が右側面20は他車と衝突しそうであると判定した後で、サンプリング処理を「Gセンサ31→Gセンサ32→Gセンサ33→Gセンサ31→Gセンサ33→Gセンサ35」という順番で行ってもよい。すなわち、ECU40は右側面20に配設されたGセンサ31、33、35から出力される加速度値のみを積分する。
図9−1、図9−2に示される優先順位を与えたサンプリング順序のいずれであれ、衝突判別時間を短縮することができる。
以上、ステップS110からステップS150までの手順は、衝突判定手順制御部50による制御手順となる。なお、実施例3では、加速度値を積分する際に衝突方向(右側面20か左側面21)に位置する各Gセンサに対して優先順位を与えていた。しかし、エアバック装置1における全体の負荷を考慮した場合は、反対側に位置する各Gセンサの変換値のタイミングを遅くする制御をおこなうようにしてもよい。
次に、図10を参照して、本発明に係る実施例4を詳細に説明する。本実施例4は、衝突位置予測部53により判定されたGセンサの位置と反対部位に位置するGセンサを衝突位置の判定要素(セーフティ機能)とする補助衝突位置予測部57を利用する。また、サンプリング手順制御部56は、補助衝突位置予測部57により判定(特定)されたGセンサに対して加速度値を積分する際の優先順位を与える。
そして、衝突位置予測部53により特定されたGセンサに起因する積分値と、補助衝突位置予測部57により特定されたGセンサに起因する積分値とが第一の閾値を超えた場合に、サイドエアバックの展開がおこなう。
すなわち、図10のフローチャートに示すように、ECU40は各Gセンサ31〜36から出力される加速度値を順次積分する(ステップS210)。次いで、積分値判定部51がGセンサ31〜36のいずれかに起因する積分値が第二の閾値を超えているか否か判定する(ステップS220)。そして、衝突位置予測部53が起因する積分値が第二の閾値を超えているGセンサを特定する(ステップS230)(以下では、衝突位置予測部53によって特定されたGセンサをメインGセンサと呼ぶ)。補助衝突位置予測部57は衝突位置予測部53によって特定されたGセンサの反対位置にあるGセンサをセーフィング用のGセンサとして特定する(ステップS233)。そして、例えば、ステップS230において、衝突位置予測部53がGセンサ32を特定した場合、補助衝突位置予測部57はこのGセンサ32の反対に位置するGセンサ31をセーフィング用Gセンサとして特定する。そして、サンプリング手順制御部56はこのように特定されたGセンサ31に対して加速度値を積分する際に優先順位を与える(ステップS234)。
例えば、他車両が左側面21のGセンサ32側から側面衝突する形態を想定する。この場合、Gセンサ32がメインのGセンサとなり、このGセンサ32の反対側に位置するGセンサ31がセーフィング用Gセンサとなる。このため、実施例4では、衝突位置予測部53がGセンサ32を特定した場合、サンプリング手順制御部56はこのGセンサ32のセーフィング用として機能するGセンサ31に対して、加速度値を積分する際に優先順位を与える。具体的には、図11に示すように、Gセンサ31に優先順位を与えたサンプリング順序は、「Gセンサ31→Gセンサ32→Gセンサ31→Gセンサ33→Gセンサ34→Gセンサ35→Gセンサ36」となる。
再度、図10のフローチャートに戻り、ステップS234以降の処理手順を説明する。積分値判定部51が、メインGセンサとして機能するGセンサ32に起因する積分値が第一の閾値を超えるか否か判定する(メインGセンサに起因する積分値≧第一の閾値)(ステップS280)。次いで、積分値判定部51はセーフィング用Gセンサとして機能するGセンサ31に起因する積分値が第一の閾値を超えるか否かを判定する(セーフティング用Gセンサに起因する積分値≧第一の閾値)(ステップS300)。Gセンサ31、32に起因する積分値が両方とも第一の閾値を超える(ステップS280肯定かつステップS300肯定)場合には、以降、前述したと同様の処理手順(図5のステップS500〜ステップS510)をおこない該当するサイドエアバックの展開をおこなう。
上述のように、本実施例4では、予測された衝突位置にあるGセンサと反対側に位置するGセンサをサイドエアバックの誤展開を防止するセーフィングセンサとして機能させている。このため、通常、エアバック装置で用いているセーフィング用のメカニカルセンサを不要とすることができる。
図12を参照して、本発明に係る実施例5を詳細に説明する。すなわち、本実施例5は、メインGセンサとセーフィング用Gセンサに加えて、メインGセンサに隣接した別のGセンサをエアバック展開用の判定要素として利用する。メインGセンサ、隣接Gセンサ、セーフィング用Gセンサに起因する全ての積分値が第一の閾値を超えた場合に、サイドエアバックが展開される。
すなわち、図12のフローチャートに示すように、ECU40が順次各Gセンサ31〜36から出力される加速度値を積分する(ステップS210)。次いで、積分値判定部51がGセンサ31〜36のいずれかに起因する積分値が第二の閾値を超えているか否か判定する(ステップS220)。そして、衝突位置予測部53がメインGセンサとして起因する積分値が第二の閾値を超えているGセンサを特定し(ステップS230)、またこの特定したメインGセンサに隣接したGセンサを特定する(ステップS231)。次いで、補助衝突位置予測部57が特定したメインGセンサの反対位置にあるGセンサをセーフティング用のGセンサとして特定する(ステップS233)。以下、ステップS290、295、300において、積分値判定部51がメインGセンサ、隣接するGセンサ、セーフティ用のGセンサに起因する積分値が第一の閾値を超えているか否かを順次判定する。これら3つの積分値が第一の閾値を超える時に、エアバックの展開をおこなう(ステップS510)。
実施例5によれば、メインGセンサ、隣接Gセンサ、セーフィング用Gセンサを用いて衝突判定をしているので、エアバックの誤展開をより確実に防止することができる。
図13を参照して、本発明に係る実施例6を詳細に説明する。本実施例6では、複数のGセンサ31〜36に起因する衝突形態(積分値)を衝突形態記憶テーブル60が一時的に記憶する。この衝突形態記憶テーブル60に記憶されたGセンサ31〜36に起因する積分値のうち、最も積分値が高いGセンサを対する第一の閾値を第1の閾値設定部45が変更する。変更された新たな第一の閾値に基づいて、衝突判定手順制御50が判別手順をおこなう。
図13は、衝突形態記憶テーブル60を示している。この衝突形態記憶テーブル60は、各ピラー22〜27に備えた各Gセンサ31〜36に起因する積分値を格納している。ここで、図13に示す衝突形態記憶テーブル60では、複数のGセンサ31〜36に起因する積分値のうち、右側面20のピラー22に設けられたGセンサ31に起因する積分値が最も高い。これにより、衝突部位判定部53は右側のピラー21において、他車両による側面衝突が発生するであろうことを判定(予測)することができる。このため、本実施例6では、第1の閾値設定部45がこの衝突形態記憶テーブル60に基づいて特定された(予測された)Gセンサ31を対象として、サイドエアバックを展開する基準値である第一の閾値の値を予め変更する。
ここで、図14は、通常のGセンサに起因する積分値と第一の閾値との関係とを示す特性図である。本実施例6では、第1の閾値設定部45は衝突の可能性が高い位置にあるGセンサに対する第一の閾値を変更(小さく)している。結果として、同図に示すように、衝突判別時間の短縮を図ることができる(t4→t3)。上述のように、衝突判別性能を向上するべく第一の閾値を小さく(低下させる)している。しかし、第1の閾値設定部45は第一の閾値の変更ではなく、第一の閾値を予め設定された閾値(第三の閾値)に切り替えてもよい。また、例えば、図15に示すように、衝突形態記憶テーブル60と合致するG積分値の上昇による衝突形態がない場合には、そのまま既存のベースとなる閾値(第一の閾値)に基づいて、Gレベル値の判別をおこなうようにしてもよい。
また、図16に示すように、衝突形態記憶テーブル60において、Gセンサの故障を判定した場合には、衝突判定順序制御部50による判定手順を禁止することができる。さらに、上述したように、Gセンサの故障を検出した場合、衝突形態記憶テーブル60を参照することにより、故障したGセンサのGレベル値を推定することができる。具体的には、衝突形態記憶テーブル60に記憶されたGセンサ31、32、34、35、36によるGレベル値を参照することにより、故障と判定されたGセンサ33のGレベル値を「中」と推測することができる。
次に、図17を参照して、本発明に係る実施例7を詳細に説明する。図17は、本実施例7による処理手順のフローチャートを示している。本実施例7では、車両の所定位置に、他車両に関する画像情報を取得(撮影)するCCDカメラなどの撮像部が配設されている。第1の閾値設定部45はこのCCDカメラにより取得された他車両の車高に基づいて、第一の閾値を変更する。具体的には、車両10の右側面20および左側面21にそれぞれCCDカメラが配設されている。ECU40はこのCCDカメラにより撮影された他車両の画像情報を分析して、他車両の車高(バンパーの高さ)を判定する。第1の閾値設定部45はこのようにして得られた車高に基づいて、エアバックを展開する基準である第一の閾値を変更する。
すなわち、図18−1に示すように、普通の車両(他車両)は、車両10のピラーにバンパーが衝突する。しかし、図18−2に示すように、車高が高い(バンパーが高い)位置にあるトラックなどの車両は、普通の車両と違って、ドアガラスなどの比較的強度の低い部分にバンパーが衝突する可能性がある。このため、このような車高の高い車両が衝突したとしても、各Gセンサに起因する積分値は小さいものとなるかもしれない。すなわち、図19に示すように、車高の高いトラックなどの車両との衝突によって生じる積分値は急速には伸びない。このため、衝突判別時間が遅れる可能性がある(衝突判別時間t1<衝突判別時間t2)。本実施例7では、このような車高の高さによるGレベル値の変動に着目している。ECU40が車高の高い他車両をCCDカメラの画像情報から確認した場合、第1の閾値設定部45はサイドエアバックを展開する基準である第一の閾値を変更する。ここで、本実施例7では、他車両の車高を、CCDカメラからの画像情報を利用して取得している。しかし、車高などの他車両情報は、CCDカメラではなく、車両間通信を利用した通信装置により取得してもよい。
以下、図17のフローチャートを説明する。すなわち、本実施例7では、まず、車両10に近接する他車両をCCDカメラなどにより撮影する(ステップS400)。ECU40がこのCCDカメラから他車両の画像情報を取得する(ステップS410)。車高基準値は、普通の自動車の車高高さに対応している。次いで、ステップS420により取得された撮影画像が車高基準値よりも高いか否かECU40が判定する(他車両の車高≧車高基準値)(ステップS420)。ステップS420においてECU40が他車の車高が高いと判定した場合には(ステップS420肯定)、第1の閾値設定部45が第一の閾値を変更する(ステップS430)。
以下、前述した各実施例と同様に、積分値判定部51がGセンサに起因する積分値が第一の閾値を超えているか否かを判定する(Gセンサに起因する積分値≧第一の閾値)(ステップS470)。そして、特定されたGセンサに対応するサイドエアバックが展開される(ステップS510)。
図19は、通常の乗用車と車高の高い車両において、衝突時のG積分値を比較した特性図である。同図に示すように、通常の車両(乗用車)との衝突で生じる積分値は、t1秒経過後に第一の閾値に到達している。しかし、車高の高い車両との衝突で生じる積分値は、t1よりも長いt2秒経過後に第一の閾値に到達している。この結果、車高の高い車両との衝突によって生じる積分値は上昇量が不足する。このため、衝突判別時間が遅れる可能性がある。一方、図20は、本実施例に示すように、車両が車高の高い車両であると判定した場合に、第一の閾値を変更した場合を示している。これによって、他車両が車高の高い車両であっても、積分値が第一の閾値に到達するまでの時間を短縮することができる。結果として、衝突判別時間を短縮することができる。
また、第7の実施例によれば、CCDカメラなどの撮像部を用いて衝突方向を予測している。このため、衝突方向をより確実に予測することができる。
次に、図21を参照して、本発明に係る実施例8を詳細に説明する。図21は、実施例8に係る車両10において、Gセンサ31〜36およびレーダ70、80、81の配置を示す構成概略図を示している。すなわち、図21に示すように、車両10の前方に一対のフロント用レーダ70が配設されている。車両10の右側面20および左側面21の運転席寄りには他車両を検出するレーダ80、81が配設されている。これら各レーダ70、80、81が他車両の位置を検出する。衝突判定手順制御部50(図2)が衝突方向を判定(予測)する。この判定された衝突予測方向に基づいて、サンプリング周期制御部54が衝突予測方向に位置するGセンサ31、33、35或いはGセンサ32、34、36に対するサンプリング周期を制御する。
すなわち、一対のレーダ70は、それぞれ車両10の前方に向けて、レーザを照射することにより、車両10の前方から衝突する他車両を検出する機能を備えている。また、レーダ80、81は、それぞれ車両10の右側面20および左側面21に沿って、レーザを照射することにより、車両10の右側面20或いは左側面21に衝突する以前の他車両(車両10と他車両との相対距離)を検出する機能を備えている。その他の構成については、前述した図2〜図4に示した構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
以下、図22のフローチャートを説明する。本例では、車両10の側面(右側面20、左側面21)に設けたレーダ80、81を対象として説明する。図22のフローチャートに示すように、先ず、ECU40が、レーダ80、81が車両10に接近する他車両検出したか否かを判定する(ステップS450)。ステップS450において、ECU40が他車両が検出されたと判定した場合(ステップS450肯定)、次いで、衝突方向予測部52が他車両を検出したレーダ80、81の配設位置を判定する(ステップS451)。具体的には、右側面20に設けられたレーダ80が他車両を検出した場合(ステップS452肯定)、サンプリング周期制御部54が車両10の右側面20に位置するGセンサ31、33、35に対するサンプリング周期を短縮する(ステップS455)。
一方、左側面20のレーダ81が他車両を検出した場合(ステップS453肯定)、サンプリング周期制御部54が車両10の左側面21に位置するGセンサ32、34、36に対するサンプリング周期を短縮する(ステップS454)。以降、ステップS470において積分値と第一の閾値の比較をした後、前述と同様の処理手順(図5のステップS500〜ステップS510)をおこない該当するサイドエアバックの展開をおこなう。
図23は、本実施例8に係るタイムチャートを示している。車両10の右側面20に位置するGセンサ31、33、35に対するサンプリング周期を「0.5msec」から「0.25msec」に変更し、この0.25msecの周期でサンプリング(積分)をおこなうことを示している。
本実施例8では、ECU40はレーダ80、81により検出された右側面20或いは左側面21に配設された複数のGセンサ31〜36から出力された加速度値を積分している。しかし、衝突一判定部53は複数のGセンサ31〜36ではなく、レーダ80、81により最も近接しているGセンサを特定してもよく、サンプリング周期制御部54はこのように特定されたGセンサに対してのみサンプリング周期を短縮してもよい。具体的に説明すると、図21において、レーダ80により検出される位置にあるGセンサ(レーダ80に最も近接しているGセンサ)は、Gセンサ31である。このため、サンプリング周期制御部54はこのGセンサ31のみに対してサンプリング周期を短縮する。
また、前述した実施例4と同様に、サンプリング手順制御部56がレーダ80、81で検出したGセンサに対して加速度値を積分する際の優先順位を与えてもよい。例えば、レーダ80によりGセンサ32が検出されたとする。補助衝突位置予測部57はセーフィング用Gセンサとして、Gセンサ32の反対に位置するGセンサ31を特定する。そして、図11で示すサンプリング順序によりサンプリング(積分)が行われる。
また、前述した実施例5と同様に、例えば、レーダ80によりGセンサ31に対する衝突を予測した時点で、衝突位置予測部53がメインGセンサ31に加えて、Gセンサ31と隣接する位置のGセンサ33を特定し、補助衝突位置予測部57がGセンサ31と反対側に位置するセーフティ用のGセンサ32を特定する。そして、サンプリング手順制御部56がメインGセンサ31、隣接Gセンサ32、セーフィング用Gセンサ33に対して加速度値を積分する際の優先順位を与える。この場合、前述したように、実際のサイドエアバックの展開は、Gセンサ31、Gセンサ33、Gセンサ32に起因する積分値に基づいて(Gセンサ31、32、33に起因する積分値≧第一の閾値))行われる。
また、第8の実施例によれば、レーダ80、81を用いて衝突方向を予測している。このため、衝突方向をより確実に予測することができる。更に、他車両による衝突以前に衝突方向を検出するとともに、実施例8によるエアバック装置は通信処理や演算処理による遅延にともなうエアバックの展開遅れを防止することができる。結果として、乗員の保護を確実に実行することができる。
次に、図24を参照して、本発明に係る実施例9を詳細に説明する。図24は、実施例9に係るエアバック装置を備える車両10において、Gセンサ31〜36および光センサ90〜94の配置を示す構成概略図を示している。図24に示すように、車両10の右側面20および左側面21の所定位置(3箇所位置)に他車両によるヘッドライトを検出(受光)する光センサ90〜94が配設されている。これら光センサ90〜94によって検出された他車両からのヘッドライト光に基づいて、衝突判定手順制御部50(図2)が他車両による衝突方向を判定(予測)する。この判定された衝突予測方向に基づいて、サンプリング周期制御部54が衝突予測方向に位置するGセンサ31、33、35或いはGセンサ32、34、36に対するサンプリング周期を制御する。
このため、光センサ90〜94は、それぞれ車両10の右側面20および左側面21に取付けられるとともに、その受光面を外側に向けており、車両10の右側面20或いは左側面21に衝突する以前の他車両からのヘッドライトを検出する機能を備えている。
以下、図25のフローチャートを説明する。図25のフローチャートに示すように、先ず、ECU40が他車両によるヘッドライト光を光センサ90〜94が検出(受光)したか否かを判定する(ステップS457)。ECU40が少なくとも1つの光センサ90〜94がヘッドライトを検出したと判定した場合(ステップS457肯定)、次いで、衝突方向予測部52がヘッドライトを検出した光センサ90〜94の配設位置を判定する(ステップS458)。具体的には、衝突方向予測部52が光センサの配設位置が右側面20であるか否かを判定する(ステップS459)。衝突方向予測部52が光センサの配設位置が右側面20であると判定した場合(ステップS459肯定)、サンプリング周期制御部54が車両10の右側面20に位置するGセンサ31、33、35に対するサンプリング周期を短縮する(ステップS460)。
一方、衝突方向予測部52が光センサの配設位置が右側面20ではないと判定した場合(ステップS459否定)、処理はステップS461に移行する。そして、衝突方向予測部52はヘッドライトを検出した光センサの配設位置が左側面21であるか否かを判定する(ステップS461)。衝突方向予測部52がヘッドライトを検出した光センサが左側面21に配設されていると判定した場合には(ステップS461肯定)、サンプリング周期制御部54が左側面21に位置するGセンサ31、33、35に対するサンプリング周期を短縮する(ステップS462)。以降、前述したと同様の処理手順(図5のステップS500〜ステップS510)をおこない該当するサイドエアバックの展開をおこなう。
図26は、本実施例9に係るタイムチャートを示している。タイムチャートは光センサ90、91、92のいずれかの光センサがヘッドライトを受光した場合を示している。この場合、サンプリング周期制御部54が右側面20に配設されたGセンサ31、33、35に対するサンプリング周期を「0.5msec」から「0.25msec」に変更する。
本実施例9では、ヘッドライトを検出した光センサ(90、91、92)が配設されている右側面20或いは左側面21のいずれかに配設された複数のGセンサ31〜36から出力された加速度値をECU40が積分している。しかし、衝突位置予測部53は複数のGセンサではなく、ヘッドライトを検出した光センサに最も近接しているGセンサを特定としてもよい。サンプリング周期制御部54はこのように特定されたGセンサに対してのみサンプリング周期を短縮してもよい。そして、ECU40はこのように特定されたGセンサから出力された加速度値のみを(短縮された)緊急サンプリング周期の間積分してもよい。具体的に説明すると、図24において、Gセンサ33がヘッドライトを検出した光センサ91に最も近い位置にある。このため、サンプリング周期制御部54はこのGセンサ33に対するサンプリング周期のみを短縮する。
また、第9の実施例によれば、光センサ90、91、92を用いて衝突方向を予測している。このため、衝突方向をより確実に予測することができる。更に、他車両による衝突以前に衝突方向を検出するとともに、実施例9によるエアバック装置は通信処理や演算処理による遅延にともなうエアバックの展開遅れを防止することができる。結果として、乗員の保護を確実に実行することができる。
ところで、上述の実施例1〜9では、加速度センサが出力する加速度値を積分し、この加速度積分値と所定の閾値(第一の閾値、第二の閾値、第三の閾値)と比較することで、エアバックの展開判定や衝突予測判定を行なっていた。さらに、加速度値を積分する場合には、あるサンプリング時点から次のサンプリング時点までに加速度センサが出力した値を全て積分していた。
このように加速度センサの出力値を比較的長い時間で積分することで、誤検出を防止し、判定精度を上げることができる。しかしながら、本発明の利用はこれに限定されるものではなく、例えば処理負荷軽減の観点から積分時間をより短く設定した構成や、加速度センサが出力する加速度値を直接(積分することなく)判定に利用する構成など、任意の構成で実施することが可能である。
例えば、積分時間を緊急サンプリング間隔(実施例1〜9では0.25msec)以下の値に設定したならば、通常時のサンプリングと緊急時のサンプリングに同一の積分時間で生成された加速度積分値を使用することとなり、判定閾値を変更する処理を省略することができる。
また、加速度センサが出力する加速度値を直接(積分することなく)判定に利用することとすれば、加速度値に対する積分処理自体を省略し、処理負荷をさらに軽減することが可能となる。
以上のように、本発明に係るエアバック装置は、他車両による側面からの衝突を検出したときに、サイドエアバックを展開して、乗員の保護をおこなうエアバックシステムに適している。
本発明に係るエアバック装置を備える車両に他車両が衝突する衝突形態を示す説明図である。 図1に示した車両におけるGセンサの配設位置を示す概略図である。 本発明の実施例に係るエアバック装置の構成を示す全体機能ブロック図である。 図3に示した衝突判定手順制御部50の機能ブロック図である。 本実施例1に係るエアバック装置の処理手順を示すフローチャートである。 本実施例1によるサンプリング周期を示すタイムチャートである。 本実施例2に係るエアバック装置の処理手順を示すフローチャートである。 本実施例3に係るエアバック装置の処理手順を示すフローチャートである。 通常時のサンプリング順序と優先順位を与えた緊急時のサンプリング順序の一例を示すタイムチャートである。 通常時のサンプリング順序と緊急時のサンプリング順序の別の例を示すタイムチャートである。 本実施例4に係るエアバック装置の処理手順を示すフローチャートである。 通常時のサンプリング順序とセーフィング用Gセンサ31に優先順位を与えた緊急時のサンプリング順序を示すタイムチャートである。 本実施例5に係るエアバック装置の処理手順を示すフローチャートである。 本実施例6に係る衝突形態記憶テーブル60について説明する説明図である。 Gセンサに起因する積分値と第一の閾値との関係を示す特性図である。 衝突形態記憶テーブル60の別例を示す構成図である。 衝突形態記憶テーブル60の別例を示す構成図である。 本実施例7に係るエアバック装置の処理手順を示すフローチャートである。 通常の車両がユーザーの車両と衝突した衝突形態を示す説明図である。 車高の高い車両がユーザーの車両と衝突した衝突形態を示す説明図である。 通常の車両との衝突で生じた積分値と、車高の高い車両との衝突で生じた積分値と、第一の閾値との関係を示す特性図である。 車高の高い車両との衝突で生じた積分値と第一の閾値との関係及び実施例7によって第一の閾値が変更された場合を示す特性図である。 本実施例8に係るエアバック装置の概略を示す構成図である。 本実施例8に係るエアバック装置の処理手順を示すフローチャートである。 本実施例8におけるサンプリング周期を示すタイムチャートである。 本実施例9に係るエアバック装置の概略を示す構成図である。 本実施例9に係るエアバック装置の処理手順を示すフローチャートである。 本実施例9に係るサンプリング周期を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 エアバック装置
2 エアバック制御装置
10 車両
11、22〜27 ピラー
12、31〜36 Gセンサ
13 スクイブ
14 点火回路
20 右側面
21 左側面
40 ECU
41 Y軸Gセンサ
45 第一の閾値設定部
46 第二の閾値設定部
50 衝突判定手順制御部
51 積分値判定部
52 衝突方向予測部
53 衝突位置予測部
54 サンプリング周期制御部
55 サンプリング周期設定部
56 サンプリング手順制御部
57 補助衝突位置予測部
58 故障判定部
59 衝突形態禁止部
60 衝突形態記憶テーブル
70、80、81 レーダ
90〜94 光センサ

Claims (20)

  1. 車両の周囲に配設された複数の加速度センサによって検出された信号をサンプリングすることによって取得された加速度信号に基づき、エアバックの展開の制御をおこなうエアバック装置であって、
    車両の衝突方向を予測判定する衝突方向予測判定手段と、
    前記衝突方向予測判定手段によって衝突方向が予測判定された場合に、前記複数の加速度センサにおける、前記予測判定された衝突方向の場合に展開をおこなうエアバックの展開判定に用いる加速度センサのサンプリング間隔を、他の加速度センサのサンプリング間隔に比べて短くするサンプリング周期制御手段と、
    を備えたことを特徴とするエアバック装置。
  2. 前記衝突方向予測判定手段は、前記複数の加速度センサによって検出された加速度信号に基づいて、衝突方向を予測判定するものであることを特徴とする請求項1に記載のエアバック装置。
  3. 前記衝突方向予測判定手段は、車両周囲の状況を検出する車両周囲検出手段によって取得された情報に基づいて、衝突方向を予測判定するものであることを特徴とする請求項1に記載のエアバック装置。
  4. 前記衝突方向予測判定手段は、
    前記エアバックを展開する加速度値の基準値となる第一の閾値を設定する第一の閾値設定手段と、
    前記第一の閾値よりも小さい閾値である第二の閾値を設定する第二の閾値設定手段と、
    前記複数の加速度センサにより検出された加速度値が第二の閾値を超えているか否かを判定する加速度値判定手段とを備え、
    前記加速度値判定手段により、前記第二の閾値を超えていると判定された加速度センサの配設位置と検出方向に基づいて、車両の衝突方向を予測判定するものであることを特徴とする請求項1または2に記載のエアバック装置。
  5. 前記衝突方向予測判定手段は、前記加速度値判定手段により判定された複数の加速度センサの検出値に基づいて、衝突部位を特定する衝突位置判定手段をさらに備え、当該衝突位置判定手段により判定された衝突部位に位置する加速度センサを対象として、前記サンプリング周期制御手段によるサンプリング周期の設定がおこなわれることを特徴とする請求項4に記載のエアバック装置。
  6. 前記左側或いは右側のいずれかの側面からの衝突を検出するY軸加速度センサをさらに備え、前記衝突方向予測判定手段による衝突方向の判定は、前記Y軸加速度センサにより検出された加速度値に基づいておこなわれることを特徴とする請求項4または5に記載のエアバック装置。
  7. 前記左右いずれかの側面に配置された複数の加速度センサによる加速度値の検出は、複数の加速度センサを対象としておこなわれるとともに、検出された複数の加速度センサによる加速度値に基づいて、前記衝突方向予測判定手段による判定をおこなうことを特徴とする請求項4、5または6に記載のエアバック装置。
  8. 前記サンプリング周期制御手段は、前記衝突方向予測判定手段により判定された衝突方向に基づいて、左側或いは右側のいずれか一方に位置する加速度センサによるサンプリングを優先しておこなうサンプリング優先順位設定手段をさらに備えることを特徴とする請求項4〜7のいずれか一つに記載のエアバック装置。
  9. 前記衝突位置特定手段により特定された加速度センサの位置と反対部位に位置する加速度センサを衝突位置の判定要素とする補助衝突位置判定手段をさらに備え、前記サンプリング優先順位設定手段によるサンプリングを優先する加速度センサの設定は、前記補助衝突位置判定手段により判定された加速度センサを対象として設定されることを特徴とする請求項8に記載のエアバック装置。
  10. 前記加速度値判定手段により判定された加速度センサと、当該加速度センサに隣接した位置の加速度センサによる加速度値と、前記補助衝突位置判定手段により判定された加速度センサとの加速度値が前記第一の閾値を超えた場合に、前記エアバックの展開がおこなわれることを特徴とする請求項9に記載のエアバック装置。
  11. 前記複数の加速度センサによる衝突形態を一時的に記憶する衝突形態記憶テーブルと、当該衝突形態記憶テーブルに記憶された加速度センサによる加速度値のうち、最も加速度値が高いと判定された加速度センサを対象として、当該加速度センサに対応する前記第一の閾値或るは第二の閾値を可変する閾値制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載のエアバック装置。
  12. 前記閾値制御手段は、前記複数の加速度センサそれぞれに対応するとともに、前記エアバックの展開を制御する基準値である第3の閾値をさらに備え、衝突形態記憶テーブルに記憶された加速度値が高い加速度センサを対象として、第一の閾値を第3の閾値に切り換えて設定することを特徴とする請求項11に記載のエアバック装置。
  13. 前記複数の加速度センサの故障を判定する故障判定手段をさらに備え、当該故障判定手段により複数の加速度センサのいずれかに故障が有ると判定された場合には、前記衝突形態記憶テーブルに記憶された衝突形態に基づく、前記衝突方向予測判定手段による制御を禁止することを特徴とする請求項12に記載のエアバック装置。
  14. 前記衝突方向予測判定手段は、他車両に関する情報を取得する他車両情報取得手段をさらに備え、当該他車両情報取得手段により取得された他車両の車高に基づいて、前記第一の閾値の可変をおこなう機能を備えることを特徴とする請求項4〜13のいずれか一つに記載のエアバック装置。
  15. 前記衝突方向予測判定手段は、
    車両周囲の状況を検出するレーダセンサを備え、当該レーダセンサにより検出した車両周囲の物体の位置に基づいて、車両の衝突方向を予測判定するものであることを特徴とする請求項1または3に記載のエアバック装置。
  16. 前記衝突方向予測判定手段は、
    他車両から自車両に向けて照射されるヘッドライト光を検出する光源検出手段を備え、
    前記光源検出手段により検出されたヘッドライト光の受光に基づいて、車両の衝突方向を予測判定するものであることを特徴とする請求項1または3に記載のエアバック装置。
  17. 前記衝突方向予測判定手段は、当該衝突方向予測判定手段により判定された衝突方向に基づいて、左側或いは右側のいずれか一方に位置する加速度センサによるサンプリングを優先しておこなうサンプリング優先順位設定手段をさらに備えることを特徴とする請求項15または16に記載のエアバック装置。
  18. 前記複数の加速度センサが出力する加速度値を積分して積分加速度値を作成する加速度積分手段をさらに備え、当該積分加速度値に基づいて前記エアバックの展開判定および/または前記衝突方向の予測判定を行なうことを特徴とする請求項1〜17のいずれか一つに記載のエアバック装置。
  19. 前記加速度積分手段は、前記サンプリング周期に等しい積分時間によって前記加速度値を積分することを特徴とする請求項18に記載のエアバック装置。
  20. 前記サンプリング周期制御手段によるサンプリング間隔の制御に対応し、前記第一の閾値、第二の閾値および第三の閾値を変更することを特徴とする請求項19に記載のエアバック装置。
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