JP2005169954A - 吐出面保護装置、液体吐出カートリッジ及び液体吐出装置 - Google Patents

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巧 滑川
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成行 高倉
Yoshiaki Haneuma
嘉明 羽馬
Shota Nishi
正太 西
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Abstract

【課題】 小型化、低コスト化を図る。
【解決手段】 プリンタ装置1より取り外されたヘッドカートリッジ2の吐出面保護カバー61を用途に応じて異なる機能を備える他の吐出面保護カバーと容易に交換可能なことから、従来のように装置内部に様々な用途のクリーニング部材等を備える必要がなく、装置全体の小型化や、低コスト化を図れる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧力発生素子が発生した圧力で押圧された液体を液滴にして対象物に吐出する吐出口が設けられた吐出面を保護する吐出面保護装置、この吐出面保護装置を備える液体吐出カートリッジ及び液体吐出装置に関する。
液体を吐出する装置として、対象物となる記録紙Pに対してヘッドチップよりインクを吐出させて、画像や文字を記録するインクジェット方式のプリンタ装置がある。このインクジェット方式を用いたプリンタ装置は、低ランニングコスト、装置の小型化、印刷画像のカラー化が容易という利点がある。インクジェット方式を用いたプリンタ装置では、例えばイエロー、マゼンダ、シアン、ブラック等のように複数の色のインクがそれぞれ充填されたインクカートリッジからヘッドチップのインク液室等に供給される。
そして、このプリンタ装置は、インク液室等に供給されたインクを、インク液室内に配置された発熱抵抗体等の圧力発生素子でインク内のインクを押圧してヘッドチップに設けられた微小なインク吐出口、いわゆるノズルより吐出させる。具体的には、インク液室内に配置された発熱抵抗体でインク室内のインクを加熱し、発熱抵抗体上のインクに気泡を発生させ、この気泡が割れて消えるときのエネルギーによりインクをノズルから吐出させ、吐出させたインクを対象物となる記録紙P等に着弾させて画像や文字を印刷する。
インクジェット方式のプリンタ装置の中には、インクカートリッジがインクヘッド部に装着され、インクカートリッジが装着されたインクヘッド部が記録紙Pの幅方向、すなわち記録紙Pの走行方向と略直交する方向に往復移動することによって所定の色のインクを記録紙Pに着弾させるシリアル型のプリンタ装置がある。
具体的に、シリアル型のプリンタ装置は、インクヘッド部が記録紙Pの走行方向と略直交する方向に移動するときに記録紙Pの走行を停止させ、停止している記録紙Pにインクヘッド部が移動しながらインクを吐出、着弾させ、これを繰り返すことで印刷する。
ところで、シリアル型のプリンタ装置では、インクヘッド部が往復移動する折り返し位置、いわゆるホームポジションに、インクを吐出するインク吐出面をクリーニングしたり、インク未吐出時には吐出面を覆ってインクの乾燥を防いだりするメンテナス機構が配置されている。このようなメンテナス機構は、一般的に、プリンタ装置の寿命が尽きるまで交換されることはないが、例えばスポンジ、ゴムブレード、不織布等といったインク吐出面をクリーニングし、クリーニングするクリーニング部品が劣化したときに、クリーニング部品だけを交換する程度のことが行われている。
また、プリンタ装置においては、一般的に、メンテナンス機構におけるクリーニング部品が、上述したスポンジ、ゴムブレード、不織布等といった様々な種類のうちの一種類しか備わっていない。このため、プリンタ装置では、例えばクリーニング部品としてスポンジが取り付けられている場合に、スポンジではクリーニングできないようなインクが乾燥して凝集した塊等がインク吐出面にできてしまうと、インク吐出面を適切にクリーニングすることが困難になる。
このような問題を解決する手段として、複数種のクリーニング部品を内蔵し、状況に応じて使い分けることが特許文献1及び特許文献2等に提案されている。
しかしながら、このような提案のように、複数種のクリーニング部品等をプリンタ装置に内蔵した場合、装置自体が大型化になったり、コストが高くなったりする。
また、このプリンタ装置では、例えばスポンジ、ゴムブレード等が劣化してクリーニング効果が低下したときには印刷品質も低下してしまう、すなわちメンテナンス機構の寿命が装置寿命となっている。
特開平8−336984号公報 特開2001−71521号公報
本発明は、複数の異なる機能のクリーニング部を有するカバーキャップ部を容易に交換でき、装置全体の小型化が図れ、装置の寿命を長くすることが可能な吐出面保護装置、液体吐出カートリッジ及び液体吐出装置を提供するものである。
上述した目的を達成する本発明に係る吐出面保護装置は、液体を液滴の状態で吐出し、対象物に着弾させることで記録を行う液体吐出装置に備わる液体吐出ヘッド部の液滴を吐出する吐出口が形成された吐出面に保持される吐出面保護装置であって、液体吐出ヘッド部の吐出口より液滴が吐出されるときに、吐出面に対して略平行な面内を移動し、対象物に対して吐出口を臨ませるように吐出面の吐出口が形成されている領域より退避すると共に、吐出面に接触した状態で吐出面に対して略平行な面内を移動することで吐出面をクリーニングするクリーニング部を有するカバーキャップ部と、カバーキャップ部を、液体吐出ヘッド部の吐出面に対して着脱可能に保持するキャップ保持部とを備え、カバーキャップ部が、他のカバーキャップ部と交換可能になっている。
本発明に係る液体吐出カートリッジは、液体を液滴の状態で吐出し、対象物に着弾させることで記録を行う液体吐出装置に備わる液体吐出カートリッジであって、液体を貯留する液室と、液室に液体を供給する供給部と、液室に1つ以上設けられ、液室に貯留された液体を押圧する圧力発生素子と、圧力発生素子により押圧された液体を液室から液滴の状態で対象物に吐出させる吐出口と、吐出口が形成された吐出面とを有する液体吐出ヘッド部と、液体吐出ヘッド部の吐出口より液滴が吐出されるときに、吐出面に対して略平行な面内を移動し、対象物に対して吐出口を臨ませるように吐出面の吐出口が形成されている領域より退避すると共に、吐出面に接触した状態で吐出面に対して略平行な面内を移動することで吐出面をクリーニングするクリーニング部を有するカバーキャップ部と、カバーキャップ部を、液体吐出ヘッド部の吐出面に対して着脱可能に保持するキャップ保持部とを備え、吐出面保護カバーのカバーキャップ部が、他のカバーキャップ部と交換可能になっている。
本発明に係る液体吐出装置は、液体を液滴の状態で吐出し、対象物に着弾させることで記録を行う液体吐出装置であって、液体を貯留する液室と、液室に液体を供給する供給部と、液室に1つ以上設けられ、液室に貯留された液体を押圧する圧力発生素子と、圧力発生素子により押圧された液体を液室から液滴の状態で対象物の主面に向かって吐出させる吐出口と、吐出口が形成された吐出面とを有する液体吐出ヘッド部と、液体吐出ヘッド部の吐出口より液滴が吐出されるときに、吐出面に対して略平行な面内を移動し、対象物に対して吐出口を臨ませるように吐出面の吐出口が形成されている領域より退避すると共に、吐出面に接触した状態で吐出面に対して略平行な面内を移動することで吐出面をクリーニングするクリーニング部を有するカバーキャップ部と、カバーキャップ部を、液体吐出ヘッド部の吐出面に対して着脱可能に保持するキャップ保持部とを有する吐出面保護カバーと、液体吐出ヘッド部の圧力発生素子を駆動制御し、吐出口から上記液滴を吐出するときの吐出動作を制御する吐出制御部とを有し、吐出面保護カバーのカバーキャップ部が、他のカバーキャップ部と交換可能になっている。
本発明によれば、吐出面保護装置のカバーキャップ部が、他のカバーキャップ部と交換可能になっていることから、カバーキャップ部に備わるクリーニング部が劣化したときや、異なる機能のクリーニング部を備えるカバーキャップ部を用いるときに、液体吐出ヘッド部の吐出面に保持されているカバーキャップ部を他のカバーキャップ部と容易に交換できる。
本発明によれば、カバーキャップ部が劣化したときや、異なる機能のカバーキャップ部を用いるときに、液体吐出ヘッド部の吐出面に保持されているカバーキャップ部を他のカバーキャップ部と容易に交換できることから、液体吐出装置の内部に異なる機能のクリーニング部を備えるカバーキャップを複数備えることなく、装置全体の小型化や低コスト化を図ることができ、且つカバーカップ部だけを交換して装置寿命を長くできる。
本発明によれば、液体吐出ヘッド部の吐出面に保持されているカバーキャップ部を異なる機能のクリーニング部を備えるカバーキャップ部と容易に交換できることから、様々な種類のクリーニング部を吐出面の汚れ具合に応じて交換することができる。
これにより、本発明によれば、従来のような一種類のクリーニング部ではクリーニングしきれなかった吐出面の汚れも複数種のクリーニング部を用いることで適切に吐出面の汚れをクリーニングできる。
以下、本発明に係る吐出面保護装置、液体吐出カートリッジ及び液体吐出装置をプリンタ装置に適用した例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本発明が適用されたインクジェットプリンタ装置(以下、プリンタ装置と記す。)1は、所定の方向に走行する記録紙Pに対してインク等を吐出して画像や文字を印刷するものである。また、このプリンタ装置1は、記録紙Pの印刷幅に合わせて、記録紙Pの幅方向、すなわち図1中矢印W方向にインク吐出口(ノズル)を略ライン状に並設した、いわゆるライン型のプリンタ装置である。図1に示す本発明を適用したインクジェット型のプリンタ装置1は、対象物である記録紙Pに対して、液体であるインクを吐出し、着弾させることによって、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置より入力された文字データや画像データ等に応じたインクドットからなる画像や文字等を記録するものである。
このプリンタ装置1は、液体吐出ヘッドであるプリンタヘッドカートリッジ(以下、ヘッドカートリッジという。)2と、このヘッドカートリッジ2が装着される装置本体であるプリンタ本体3とを備えている。
また、このプリンタ装置1では、ヘッドカートリッジ2が消耗品として取り扱われており、プリンタ本体3に対してヘッドカートリッジ2が着脱可能とされることによって、容易に交換が可能となっている。
先ず、このようなプリンタ本体3に対して着脱可能なヘッドカートリッジ2について説明する。
このヘッドカートリッジ2は、インクを吐出する吐出口であるノズルを記録紙Pの幅に対応する長さで略直線状に複数並べて配置した、いわゆるライン型のプリンタヘッドである。
このヘッドカートリッジ2は、図1及び図2に示すように、インクを収容するインクタンク11が装着されるカートリッジ本体12を備え、このカートリッジ本体12には、カラー印刷に対応して、イエロー、シアン、マゼンダ、ブラックの4色からなるインクタンク11y,11m,11c,11kが着脱可能となっている。
これら4つのインクタンク11y,11m,11c,11kは、例えば樹脂材料等を射出成形することで、全体略直方体状に形成された容器であり、その内部に各色に対応したインクを収容している。また、これら4つのインクタンク11y,11m,11c,11kは、内部の洗浄を行った際に塵埃等の微小な異物が容易に除去されるように、インクと接する内面が外面よりも表面粗さが小さくなっている。また、これら4つのインクタンク11y,11m,11c,11kは、なるべく多くのインクを収容するために、カートリッジ本体12の長辺方向に対応した長尺形状とされている。そして、各インクタンク11y,11m,11c,11kは、カートリッジ本体12の短辺方向に並んで配置される。
なお、これら4つのインクタンク11y,11m,11c,11kは、インクの消費量が最も多いブラックのインクタンク11kが、他のインクタンク11y、11m、11cよりも容量が大きく、他に比べて厚みを有する以外は同じ構造を有している。したがって、これらインクタンク11y,11m,11c,11kの構成を、以下まとめてインクタンク11として説明する。
このインクタンク11は、図2及び図3に示すように、インクiを収容する液体収容部であるインク収容部21と、インク収容部21内のインクiをカートリッジ本体12へと送り出す液体送出部であるインク送出部22と、インク収容部21を外部と連通させる外部連通孔23と、外部連通孔23からインク収容部21内に外部の空気を導入するための空気導入管24とを有している。
インク収容部21は、インクiを収容する収容空間を形成しており、なるべく多くのインクiを収容するため、略々インクタンク11の外形に対応した内形形状を有している。
インク送出部22は、インク収容部21と連通されたノズルであり、このインク収容部21の下面中央部から下方に向かって突出して設けられている。また、このインク送出部22は、後述するカートリッジ本体12の連結部35と連結される部分であり、図4(A)及び図4(B)に模式的に示すように、インクが送出される液体送出口であるインク送出口22aと、このインク送出口22aを開閉する弁22bと、この弁22bをインク送出口22aを閉塞する方向に付勢するコイルバネ22cとを有している。一方、後述するカートリッジ本体12の連結部35には、このコイルバネ22cの付勢に抗して弁22bを開放するための開閉ピン25が突出して設けられている。
そして、このインク送出部22では、図4(A)に示すように、インクタンク11がカートリッジ本体12に装着される前の状態において、弁22bがコイルバネ22cに付勢されてインク送出口22aを閉塞する。そして、このインク送出部22がカートリッジ本体12の連結部35に連結された際には、図4(B)に示すように、開閉ピン25がコイルバネ22cの付勢力に抗して弁22bを押し上げてインク送出口22aを開放する。これにより、インクタンク11からカートリッジ本体12へのインクiの供給が可能となる。一方、このインク送出部22とカートリッジ本体12の連結部35との連結が解除された際には、上述した動作と逆の動作によって、弁22bがコイルバネ22cに付勢されてインク送出口22aを再び閉塞する。このように、インク送出部22は、カートリッジ本体12の連結部35に連結された場合のみインク送出口22aを開放する仕組みとなっている。
なお、このインク送出部22のインク送出口22aは、後述するカートリッジ本体12の連結部35に円滑に嵌合されるように、先端に向かって内径が拡径されたテーパー形状を有している。また、インク収容部21の底面部は、このインク送出部22で最も深くなるように形成されており、内部に収容されたインクiが集中的にインク送出部22に流入するようになされている。
外部連通孔23は、図3に示すように、インク収容部21の上面中央部に設けられている。また、この外部連通孔23は、通気性を有するシール部材(図示せず。)によって閉塞されている。これにより、インクタンク11では、この外部連通孔23から外部にインクiが漏れ出すことを防止すると共に、この外部連通孔23から外部の空気を取り込む際に、インク収容部21内に塵埃等が侵入することを防止している。
空気導入管24は、外部連通孔23からインク収容部21の内部へと下方に向かって延長して設けられている。これにより、インクタンク11では、インク収容部21内のインクiがインク送出部22からカートリッジ本体12へと送り出された際に、このインク収容部21内のインクiが減少した分に相当する空気が、外部連通孔23から空気導入管24を通してインク収容部21内に取り込まれることになる。
また、この空気導入管24の中途部には、インク収容部21から逆流したインクiがいきなり外部連通孔23から外部に流出することがないように、インクiを一時的に貯留させる液体貯留部であるインク貯留部26が設けられている。このインク貯留部26は、正面から見て長い方の対角線をインク収容部21の長辺方向と一致させた略菱形状の内部空間を形成しており、上部側の角部が空気導入管24を介して外部連通孔23と連通されると共に、下部側の角部が空気導入管24を介してインク収容部21と連通されている。これにより、インクタンク11では、インク収容部21から空気導入管24を通して逆流したインクiをインク貯留部26が一時的に貯留することによって、外部連通孔23から外部にインクiが漏れ出すことなく、再度インクiをインク収容部21側に戻すことが可能となっている。
また、このインクタンク11は、図2及び図3に示すように、後述するカートリッジ本体12のタンク装着部31に固定するための固定手段である係合段部27及び係止突部28を有している。
係合段部27は、インクタンク11の長辺方向の一端側に形成された段差部であり、その一端側の側面部から上面部と平行且つ上面部よりも一段低くなされた水平面部27aと、この水平面部27aから上面部に向かって傾斜する傾斜面部27bとを有している。
係止突部28は、インクタンク11の長辺方向の他端側の側面部から突出形成された突起部であり、上面部と平行な水平面部28aと、この水平面部28aよりも下方に位置する側面部に向かって傾斜する傾斜面部28bとを有している。
一方、カートリッジ本体12は、図2及び図5に示すように、上述した各色に対応したインクタンク11y,11m,11c,11kが装着されるタンク装着部31を有している。
このタンク装着部31は、記録紙Pの幅に対応して全体略直方体状に形成されたカートリッジ本体12の上面部から各インクタンク11y,11m,11c,11kを収納するのに十分な深さで形成された凹部であり、その底面部は、各インクタンク11y,11m,11c,11kがカートリッジ本体12の短辺方向に並んで配置されるように、隔壁31aによって仕切られた構造を有している。
なお、上述したブラックのインクタンク11kは、他のインクタンク11y,11m,11cに比べて厚みを有することから、このタンク装着部31においても、ブラックのインクタンク11kの装着位置を仕切る隔壁31aの間隔が他のインクタンク11y,11m,11cの装着位置を仕切る隔壁31aの間隔よりも所定の幅だけ広く形成されている。
そして、このタンク装着部31には、上述したインクタンク11を固定するための固定手段である被係合部32、ラッチレバー33及び板バネ34が設けられている。
被係合部32は、上述したインクタンク11に形成された係合段部27の水平面部27aと係合される部分であり、タンク装着部31の長辺方向の一端側に位置する開口端から長辺方向に所定の幅だけ突出形成されている。
ラッチレバー33は、タンク装着部31の長辺方向の他端側に位置する底面コーナー部から上方に向かって突出された弾性変位片であり、その先端部がタンク装着部31の側面部に対して近接離間する方向に弾性変位可能となっている。また、このラッチレバー33の先端側には、上述したインクタンク11の係止突部28が係止される係止孔33aが穿設されている。そして、隔壁31aによって仕切られたタンク装着部31には、各インクタンク11y,11m,11c,11kに対応したラッチレバー33が、それぞれカートリッジ本体12の短辺方向に並んで設けられている。
板バネ34は、タンク装着部31の底面部に設けられ、このタンク装着部31に装着されたインクタンク11を上方に向かって押圧する押圧部材である。この板バネ34は、タンク装着部31の長辺方向に沿って配置されると共に、一端がタンク装着部31の底面部に固定され、その中間部が上方に向かって折り曲げられた形状を有している。そして、隔壁31aによって仕切られたタンク装着部31の底面部には、各インクタンク11y,11m,11c,11kに対応した板バネ34が、それぞれカートリッジ本体12の短辺方向に並んで設けられている。
このタンク装着部31にインクタンク11を装着する際は、図6に示すように、インクタンク11の係合段部27が設けられた一端側を、タンク装着部31の内部に斜めに挿入し、この係合段部27の水平面部27aをタンク装着部31の被係合部32に当接させながら、この当接位置を回動支点として、インクタンク11の係止突部28が設けられた他端側を、回動させながらタンク装着部31の内部に挿入する。このとき、インクタンク11の係止突部28は、その傾斜面部28bがラッチレバー33に当接することによって、このラッチレバー33をタンク装着部31の側面部に近接する方向へと弾性変位させる。
そして、図7に示すように、インクタンク11がタンク装着部31に装着されると同時に、係止突部28がラッチレバー33の係止孔33aに係止される。このとき、ラッチレバー33の先端部がタンク装着部31に装着されたインクタンク11の側面部を押圧すると共に、タンク装着部31の底面部に設けられた板バネ34がインクタンク11の底面部を上方に向かって押圧することから、係合段部27の水平面部27aがタンク装着部31の被係合部32に係止されると共に、係止突部28の水平面部28aがラッチレバー33の係止孔33aに係止される。これにより、インクタンク11をカートリッジ本体12のタンク装着部31に適切に固定することができる。
一方、このタンク装着部31に装着されたインクタンク11を取り外す際は、ラッチレバー33の先端部をインクタンク11の側面部から離間する方向に弾性変位させる。これにより、上述した係止突部28の水平面部28aとラッチレバー33の係止孔33aとの係止状態が解除される。このとき、板バネ34がインクタンク11の底面部を上方に向かって押圧することから、インクタンク11をタンク装着部31から容易に取り外すことができる。
また、以上のようなインクタンク11が装着されるカートリッジ本体12は、図5及び図8に示すように、上述したインクタンク11のインク送出部22と連結される連結部35と、この連結部35に連結されたインクタンク11からのインクiの供給を行う液体供給部であるインク供給部36と、このインク供給部36により供給されたインクiを吐出するヘッド部37とを有している。
連結部35は、図7及び図8に示すように、タンク装着部31の底面中央部に設けられたノズルであり、その先端が上述したインク送出部22のインク送出口22aに嵌合されることによって、インクタンク11のインク送出部22と連結される。また、この連結部35にインクタンク11のインク送出部22が連結された際には、上述した図4(A)に示すように、連結部35の先端部に設けられた開閉ピン25がコイルバネ22cの付勢力に抗して弁22bを押し上げて、インク送出口22aを開放する。また、この連結部35には、連結されたインク送出部22との間からインクiが漏れ出すのを防止するために、Oリング等のシール部材35aが設けられている。
なお、連結部35は、その先端部が開閉ピン25を兼ねるようにしてもよい。すなわち、この連結部35の先端部がインク送出口22aに嵌合されると共に、コイルバネ22cの付勢力に抗して弁22bを押し上げてインク送出口22aを開放する構成であってもよい。また、連結部35の先端部は、上述したインク送出部22のインク送出口22aに円滑に嵌合されるように、先端に向かって外径が縮径されたテーパー形状を有している。
そして、隔壁31aによって仕切られたタンク装着部31の底面中央部には、各インクタンク11y,11m,11c,11kに対応した連結部35が、それぞれカートリッジ本体12の短辺方向に並んで設けられている。
インク供給部36は、図8、図9(A)及び図9(B)に示すように、インクタンク11から連結部35を介して供給されたインクiが一旦溜められる液体溜め部であるインク溜め部38と、インクiが充填される液室であるインク室39と、インク溜め部38からインク室39にインクiが流入されるインク流入路40と、インク室39からヘッド部37へとインクiが流出されるインク流出路41と、インク流出路41側と連通されると共に、外部と連通された外部連通部42と、インク室39に設けられてインク流出路41を開閉する弁43と、弁43をインク流出路41が閉塞される方向に付勢する第1の弾性部材であるコイルバネ44と、コイルバネ44の付勢力を調整する調整手段である負圧調整ネジ45と、インク流出路41と外部連通部42との間を隔離すると共に、弁43と弁シャフト46を介して連結された第2の弾性部材であるダイヤフラム47とを有している。
インク溜め部38は、連結部35の下方に位置して、インクタンク11のインク送出部22から送り出されたインクiが一旦溜められる空間を形成している。
インク室39は、略直方体状の空間を形成しており、このインク室39の一側面部と、上述したインク溜め部38との間がインク流入路40により連通されると共に、このインク室39の下面部と、後述するヘッド部37のインク流路52との間がインク流出路41により連通されている。
インク流入路40は、インク溜め部38から下方に向かって延長して設けられると共に、その途中からインク室39の一側面部と連通されるように水平方向に延長して設けられている。また、このインク流入路40には、インクi内の不純物を除去するフィルタ48が設けられている。
インク流出路41は、インク室39の下面部から外部連通部42と連通されるように下方に向かって延長して設けられると共に、外部連通部42と連通される位置から水平方向に延長して設けられ、その途中から後述するヘッド部37のインク流路52と連通されるように下方に向かって延長して設けられている。また、このインク流出路41のインク室39と外部連通部42との間には、弁シャフト46を貫通した状態で弁43により開閉される流路41aが設けられている。
外部連通部42は、流路41aの下方に位置して略円筒状の空間を形成しており、下面部には、外部と連通されるための外部連通孔42aが設けられている。また、この外部連通部42の内側面には、後述するダイヤフラム47の外周部を保持する保持部49が設けられている。
弁43は、例えばゴムやエラストマー等の弾性体が全体略円柱状に形成されてなる。また、弁43は、インク流出路41の流路41aに先端部43aが円滑に嵌合されるように、先端部43aに向かって外径が縮径されたテーパー形状を有している。また、この弁43の中心部には、後述する弁シャフト46の一端が嵌合される嵌合孔43bが穿設されている。
コイルバネ44は、その弾性力により弁43をインク流出路41が閉塞される方向に付勢する圧縮コイルバネであり、一端が弁43の上面に連結されると共に、他端が後述する負圧調整ネジ45の先端部に連結されている。そして、このコイルバネ44は、インク室39内において弁43と負圧調整ネジ45との間で圧縮された状態で設けられている。したがって、弁43は、このコイルバネ44に付勢されることによって、定常状態においてインク流入路40の流路41aを閉塞することになる。
負圧調整ネジ45は、インク室39の上面からの捻じ込み量を外部から調整することによって、先端部がコイルバネ44を押圧し、このコイルバネ44の圧縮状態を変化させることで、コイルバネ44による弁43がインク流出路41の流路41aを閉塞する方向の付勢力を調整する。すなわち、このインク供給部36では、負圧調整ネジ45によって弁43を開閉動作させるのに必要な負圧の調整を行うことができる。
弁シャフト46は、弁43とダイヤフラム47とを連結する連結部材であり、一端が弁43の嵌合孔43bに嵌合されると共に、他端が後述するダイヤフラム47の嵌合孔47bに嵌合された状態で取り付けられている。また、弁シャフト46の他端側には、弁43が開放される方向への移動を規制するストッパ46aが突出して設けられている。
ダイヤフラム47は、ゴム等の弾性部材が全体略円盤状に形成されると共に、その中心部と外周部との間に、同心円状にインク流出路41側に膨出された弾性変位部47aを有している。また、このダイヤフラム47の中心部には、上述した弁シャフト46の他端が嵌合される嵌合孔47bが穿設されている。また、このダイヤフラム47の外周部には、上述した外部連通部42の保持部49に保持される肉厚部47cが設けられている。
そして、このダイヤフラム47は、嵌合孔47bに弁シャフト46の他端が嵌合されると共に、肉厚部47cが外部連通部42の保持部49に挟み込まれた状態で保持されることによって、インク流出路41と外部連通部42との間を隔離している。これにより、インク流出路41側が密閉された状態となり、ダイヤフラム47の一主面側がインク流出路41内のインクiに臨むと共に、他主面側が外部連通部42の外気に臨むことになる。
また、このダイヤフラム47は、弾性変位部47aが弾性変位することで、中心部及び外周部の変形によるインク漏れを防止しつつ、流出路41側に弾性変位可能となっている。また、このダイヤフラム47の弾性変位に連動して、弁シャフト46を介して弁43をコイルバネ44の付勢に抗してインク流出路41の流路41aが開放される方向に押圧することが可能となっている。
そして、このインク供給部36では、後述するヘッド部37のノズル55aからインクiが吐出された際に、ヘッド部37側に負圧が発生し、インク流出路41内の圧力が低下する。これにより、インク流出路41内の圧力が外部連通部42側の大気圧よりも低下し、この圧力差に応じてダイヤフラム47がインク流出路41側に弾性変位すると共に、このダイヤフラム47が弁43をコイルバネ44の付勢に抗してインク流出路41の流路41aが開放される方向に押圧する。これにより、弁43がインク流出路41の流路41aを開放する。そして、上述したインク流出路41内の圧力低下によるインク室39からインク流出路41へとインクiを引き込む吸引力の発生によって、インク流入路40からインク室39へとインクiが流入されると共に、インク室39からインク流出路41へとインクiが流出される。これにより、インクタンク11のインク収容部21からヘッド部37へとインクiを供給することができる。
一方、インクタンク11のインク収容部21からヘッド部37へとインクiが供給されて、インク流出路41内の圧力が定常状態に戻ると、このインク流出路41内の圧力と外部連通部42側の大気圧との圧力差がなくなることで、外部連通部42側に弾性変位していたダイヤフラム47が復元力により変形前の状態に戻ると共に、弁43がコイルバネ44に付勢されながら再びインク流出路41の流路41aを閉塞する。これにより、インクタンク11のインク収容部21からヘッド部37へのインクiの供給が停止される。
以上のようにして、このインク供給部36では、後述するヘッド部37のノズル55aからインクiを吐出する度に、上述したインクiの供給動作を繰り返す。
一方、インクタンク11では、上述したインク供給部36によるインクiの供給動作に連動して、インク収容部21内のインクiがインク供給部36側に供給されると、インク収容部21内のインクiが減少すると共に、この減少したインクiに相当する空気が外部連通孔23から空気導入管24を通してインク収容部21内に導入される。これにより、インク収容部21内の圧力を平衡状態に保ちながら、インク供給部36側にインクiを適切に供給することが可能となっている。
なお、上述した各色に対応した連結部35の下方には、それぞれインク供給部36が設けられている。
ヘッド部37は、図8に示すように、インクiを液滴の状態で吐出させる後述するノズル55aが形成された吐出面50と、この吐出面50よりも上方に位置し、インク供給部36からインクiが供給されるインク供給口51と、このインク供給口51から供給されたインクiを各ノズルへと導くインク流路52とを有している。
吐出面50には、記録紙Pの幅に相当する長さに亘って略直線状に複数のノズル55aが並んで設けられている。
インク供給口51は、インク流路52の上面中央部に設けられ、インク供給部36のインク流出路41と連通されている。
インク流路52は、各ノズル55aにインクiが供給されるように記録紙Pの幅に相当する長さに亘って略直線状に設けられている。
このヘッド部37には、所定数のノズル55aを組とするヘッドチップ53が千鳥状に配置されている。すなわち、このヘッドチップ53は、インク流路52を挟んで記録紙Pの幅方向に互い違いに並ぶように配置されている。
ヘッドチップ53は、図10に示すように、ベースとなる回路基板54と、複数のノズル55aが形成されたノズルシート55と、回路基板54とノズルシート55との間をノズル55a毎に区画するフィルム56と、インク流路52を通して供給されたインクiを加圧するインク液室57と、インク液室57に供給されたインクiを加熱する発熱抵抗体58とを有している。
回路基板54は、シリコン等からなる半導体ウェハ上に、ロジックIC(Integrated Circuit)やドライバートランジスタ等からなる制御回路を構成すると共に、インク液室57の上面部を形成している。
ノズルシート55は、吐出面50に向かって縮径されたノズル55aが穿設されると共に、回路基板54とフィルム56を挟んで対向配置されることで、インク液室57の下面部を形成している。
フィルム56は、例えば露光硬化型のドライフィルムレジストからなり、上述したインク流路52と連通される部分を除いて各ノズル55aの周囲を囲むように形成されている。また、このフィルム56は、回路基板54とノズルシート55との間に介在されることによって、インク液室57の側面部を形成している。
インク液室57は、上述した回路基板54、ノズルシート55及びフィルム56により囲まれることで、ノズル55a毎にインク流路52から供給されたインクiを加圧する加圧空間を形成している。
発熱抵抗体58は、インク液室57に臨む回路基板54に配置されると共に、この回路基板54に設けられた制御回路等と電気的に接続されている。そして、この発熱抵抗体58は、制御回路等により制御されることで発熱し、インク液室57内のインクiを加熱する。
そして、このヘッドチップ53では、回路基板54の制御回路が発熱抵抗体58を駆動制御し、選択された発熱抵抗体58に対して、例えば1〜3マイクロ秒程度の間だけパルス電流を供給する。これにより、ヘッドチップ53では、発熱抵抗体58が急速に加熱される。すると、ヘッドチップ53では、図11(A)に示すように、発熱抵抗体58と接するインク液室57内のインクiに気泡bが発生する。そして、ヘッドチップ53では、図11(B)に示すように、このインク液室57内において、気泡bが膨張しながらインクiを加圧し、押し退けられたインクiが液滴の状態になってノズル55aより吐出される。また、ヘッドチップ53においては、インクiの液滴が吐出された後は、インク流路52を通してインクiがインク液室57に供給されることによって、再び吐出前の状態へと戻る。
なお、上述したヘッドチップ53は、回路基板54の一主面上にフィルム56を全面に亘って形成し、フォトリソグラフィ技術を用いてフィルム56をインク液室57に対応した形状に成形した後に、この上にノズルシート55を積層することで形成される。
また、上述したヘッドチップ53は、発熱抵抗体58によってインクiを加熱しながら吐出させる電気熱変換方式を採用しているが、このような方式に限定されず、例えば圧電素子等の電気機械変換素子によってインクiの液滴を電気機械的に吐出させる電気機械変換方式を採用したものであってもよい。
また、上述した各色に対応したインク供給部36の下方には、それぞれヘッド部37が設けられている。そして、カートリッジ本体12の底面部には、各インクタンク11y,11m,11c,11kに対応した各ヘッド部37の吐出面50が、それぞれカートリッジ本体12の短辺方向に並んで設けられており、これらは連続した吐出面50を形成している。
以上のような構成のヘッドカートリッジ2は、上述した構成の他に、後述するガイド溝59や、インク収容部12内のインクiの残量を検出する図示しない残量検出部や、インクタンク11y,11m,11c,11kを識別する図示しないインクタンク識別部等を備えている。
また、カートリッジ本体12の底面部には、図1及び図2に示すように、上述した吐出面50を保護すると共に、吐出面50のノズル55aより露出するインクiの乾燥を防ぎ、且つ吐出面50のノズル55a以外の領域に付着したインクiをクリーニングする吐出面保護カバー61が設けられている。
この吐出面保護カバー61は、カートリッジ本体12の底面部に対応した略矩形状のカバーキャップ部62と、カートリッジ本体12に対して着脱可能に保持させるキャップ保持片63と、カバーキャップ部62のカートリッジ本体12と対向する面に設けられ、吐出面50に付着したインクiをクリーニングするクリーニング部64とを備えている。
この吐出面保護カバー61おいて、カバーキャップ部62は、吐出面50に対して略平行な面内を移動し、インクiがヘッド部37より滴り落ちることを防ぐ受け皿となる。また、カバーキャップ部62は、カートリッジ本体12に保持されて吐出面50を閉塞した状態において、カートリッジ本体12と連続した底面部となり、カートリッジ本体12をプリンタ本体3より取り外したときに吐出面50のインクiが他に付着することを防止する。
キャップ保持片63は、カバーキャップ部62の長辺方向の両側に、上方に向かって突出し、且つ先端が外側に向かって略直角に折り曲げられてなる一対の突部であり、カートリッジ本体12に対する着脱方向、すなわちカバーキャップ部62の短辺方向に亘って突出形成されている。
また、クリーニング部64は、カバーキャップ部62が吐出面50に対して略平行な面内を移動する、すなわち吐出面保護カバー61が開閉動作すると、カートリッジ本体12の吐出面50と接触しながら、この吐出面50に付着した余分なインクiを除去する。具体的に、クリーニング部64は、例えば軸の周囲にスポンジ等の吸湿部材が設けられた吸湿ローラ、ゴム等の弾性のある樹脂等といった弾性部材等からなる払拭ブレード、不織布、織布等を貼付したクリーニングバー等であり、カバーキャップ部62におけるカートリッジ本体12に装着される側の端部に沿って、少なくとも記録紙Pの幅方向に並んだ全てのノズル55aと対向する領域に取り付けられている。クリーニング部64においては、例えば吸湿ローラの吸湿部材、払拭ブレードの弾性部材、クリーニングバーの不織布、織布等を着脱することができ、これらの部材が劣化したときや、これらの部材の吸湿能力が低下したときに交換できる。なお、図2には、クリーニング部64として吸湿ローラを備える場合を示している。
また、プリンタ装置1では、吐出面50のノズル55aに目詰まりや気泡混入等が生じたときに、ヘッドチップ53より強制的にインクiを吐出させて目詰まりや気泡混入等を解消させる。この際、吐出面保護カバー61は、カバーキャップ部62がノズル55aより強制的に吐出されたインクiを受け止める受け皿として機能する。そして、カバーキャップ部62においては、その底面にインクiを吸収するためのスポンジ等のインク吸収体65を設けることで底面に溜まったインクiが外部に漏れることを防ぎ、且つ受け皿を所定の深さにすることでインクiを溜めておく容量の拡大を図ることができる。
一方、吐出面保護カバー61が取り付けられるカートリッジ本体12の底面部、すなわち吐出面50には、図2に示すように、カバーキャップ部62に設けられた一対のキャップ保持片63が短辺方向の一端側から係合される一対のガイド溝59が形成されている。一対のガイド溝59は、一対のキャップ保持片63に対応して、カートリッジ本体12の底面部から所定の深さで切り込まれ且つ外側に向かって略直角に切り込まれてなる凹部を形成している。そして、一対のガイド溝59は、カートリッジ本体12の長辺方向の両側に位置して、カートリッジ本体12の短辺方向に亘って平行に形成されている。
したがって、吐出面保護カバー61は、これら一対のガイド溝59に一対のキャップ保持片63が係合されることによって、カートリッジ本体12の短辺方向にスライドしながら、カートリッジ本体12の吐出面50をカバーキャップ部62が閉塞する閉塞位置まで案内される。また、この吐出面保護カバー61は、カートリッジ本体12の吐出面50を閉塞しているカバーキャップ部62を、一対のガイド溝59に沿ってカートリッジ本体12の短辺方向に外部に向かってスライドさせることで、カートリッジ本体12の短辺方向の一端側から取り外すことができる。すなわち、吐出面保護カバー61は、カートリッジ本体12に対する着脱を容易に行える交換部品になっている。
また、吐出面50には、吐出面保護カバー61によって閉塞されているときに、クリーニング部64と対向する位置に、少なくともクリーニング部64と対向する領域がインクタンク11側に凹んだ部分、具体的にはクリーニング部64がクリーニング動作を行わないときにクリーニング部64が吐出面50に当接しないようにするための逃げ部60(図22参照。)が設けられている。これにより、クリーニング部64おいては、クリーニング動作を行うときだけ吐出面50に当接されることになり、吐出面50をクリーニングする例えば吸湿ローラや払拭ブレード等の弾性部材の弾性力が劣化することを抑制できる。
以上のような構成のヘッドカートリッジ2では、吐出面保護カバー61をカートリッジ本体12に対して容易に着脱できることから、異なる種類のクリーニング部64が設けられたカバーキャップ部62を備える吐出面保護カバー61を用途に応じて容易に交換することができる。
また、このヘッドカートリッジ2では、吐出面保護カバー61が交換部品となっていることから、例えばクリーニング部64のクリーニング効果が低下したときに新しい吐出面保護カバー61だけを交換するだけでクリーニング効果を復活でき、装置寿命を長くすることができる。
次に、以上のように構成されるヘッドカートリッジ2が装着されるプリンタ本体3について説明する。
このプリンタ本体3は、図1に示すように、内部への塵埃等の侵入を防ぐために、上部筐体71aと下部筐体71bとから構成される外筐71の内部に組み付けられた構造を有している。
また、このプリンタ本体3において、外筐71の前面側は、図12及び図13に示すように、下部筐体71b内の図示しないフレームに上部筐体71aの両側面部に設けられた一対の支軸72が軸支されることによって、上部筐体71aが下部筐体71bに対して開閉可能となっている。
また、外筐71の前面には、図1に示すように、記録紙Pの給排紙が行われる給排紙口73が設けられている。そして、この給排紙口73に記録紙Pを収納する収納トレイ74が装着されることによって給紙が可能となり、記録紙Pは、この給排紙口73を通して収納トレイ74の開口端のうち前面側を閉塞する蓋トレイ75上に排紙されることになる。
上部筐体71aには、上述したヘッドカートリッジ2が装着されるヘッド装着部76が設けられている。このヘッド装着部76は、ヘッドカートリッジ2に対応した開口部77と、この開口部77の周囲を囲むようにしてヘッドカートリッジ2の外周部を保持する保持枠78とを有している。そして、このヘッド装着部76にヘッドカートリッジ2が装着された際には、ヘッドカートリッジ2の吐出面50が、後述する下部筐体71b内の印刷位置に臨むことになる。なお、ヘッドカートリッジ2には、図2に示すように、取手部79が取り付けられている。これにより、ヘッドカートリッジ2は、交換時等においてヘッド装着部76に対する着脱が容易となっている。
また、上部筐体71aには、このヘッド装着部76の開口部77を閉塞する蓋体71cが開閉可能に取り付けられている。この蓋体71cは、ヘッド装着部76の開口部77を閉塞した際には、上部筐体71aと連続した上面部を形成する。また、この蓋体71cは、ヘッド装着部76にヘッドカートリッジ2が装着された状態でも開口部77を閉塞することが可能となっている。
また、上部筐体71aの上面部には、後述する記録紙Pの給排紙が行われる前面側に位置して、各種操作を行うための操作ボタン80や、印刷状態等を表示するための表示パネル81等が設けられている。
さらに、上部筐体71aの上面部には、ヘッドカートリッジ2がヘッド装着部76に装着されたときに、ヘッド装着部76に対してヘッドカートリッジ2を着脱可能に保持するヘッドカートリッジ保持機構82を備えている。具体的に、ヘッドカートリッジ保持機構82は、ヘッドカートリッジ2に設けられたつまみ82aを上部筐体71aの保持枠78の係止孔82b内に設けられた図示しないバネ等の付勢部材に係止することにより、プリンタ本体3における保持枠78の上端に設けられた基準面3aと、ヘッドカートリッジ2の基準面3aと対向する外周面2aとが圧着することになり、上部筐体71aに対してヘッドカートリッジ2を位置決めして保持、固定できるようにする。これにより、カートリッジ本体12の吐出面50と、後述する搬送ベルト134によって印刷位置に搬送された記録紙Pの主面とを互いに平行且つ所定の間隔をもって対向配置することができる。
また、上部筐体71aには、図14に示すように、ヘッドカートリッジ2がヘッド装着部76に装着されたときに、このヘッドカートリッジ2の吐出面50に取り付けられた吐出面保護カバー61を開閉操作するカバー開閉機構83が設けられている。
このカバー開閉機構83は、図14〜図16に示すように、吐出面50を閉塞する閉塞位置と、吐出面50を開放し且つ吐出面50よりも上方に位置する開放位置とに吐出面保護カバー61を案内するガイド機構91と、このガイド機構91によって案内される吐出面保護カバー61を閉塞位置と開放位置との間で変位駆動する駆動機構92とを有している。
ガイド機構91は、吐出面保護カバー61を保持するスライダ101と、このスライダ101を吐出面保護カバー61の開放位置と閉塞位置との間でスライド可能に案内する一対のガイド部102とを有している。
スライダ101は、吐出面保護カバー61の外周部を保持するように、この吐出面保護カバー61に対応した略矩形状の枠体からなる。また、このスライダ101には、前後一対のガイドピン103a,103bがそれぞれ長辺方向の両枠部から外側に向かって突出して設けられている。なお、これらガイドピン103a,103bのうち、前面側のガイドピン103aの長さが背面側のガイドピン103bの長さよりも長くなっている。
また、このスライダ101には、前後一対の係合突部104a,104bがそれぞれ長辺方向の両枠部から内側に向かって突出形成されている。一方、吐出面保護カバー61の底面部には、これら前後一対の係合突部104a,104bが係合される前後一対の係合凹部105a,105bが形成されている。また、これら前後一対の係合突部104a,104bの間には、吐出面保護カバー61の底面部を支持する一対の支持片106がそれぞれ長辺方向の両枠部から内側に向かって突出形成されている。
そして、このスライダ101は、ヘッドカートリッジ2がヘッド装着部76に装着された際に、前後一対の係合突部104a,104bが吐出面保護カバー61の前後一対の係合凹部105a,105bに係合されると共に、一対の支持片106が吐出面保護カバー61の底面部を支持することによって、この吐出面保護カバー61の外周部を保持することになる。
一対のガイド部102は、上述したヘッド装着部76の保持枠78と一体に形成されたフレームからなり、上述したスライダ101の外側に位置して、互いに平行な側板部を形成している。そして、これら一対のガイド部102には、上述したスライダ101の前後一対のガイドピン103a,103bが係合される前後一対のガイドスリット107a,107bがそれぞれ穿設されている。
具体的に、これら前後一対のガイドスリット107a,107bは、吐出面保護カバー61がカートリッジ本体12の吐出面50を閉塞する閉塞位置から、上部筐体71aの前面側に向かって吐出面保護カバー61がカートリッジ本体12に対して着脱される着脱位置まで、前後一対のガイドピン103a,103bを水平方向にスライドさせる水平部108aと、この着脱位置から更に上部筐体71aの前面側に向かって、カートリッジ本体12の吐出面50aを開放し且つ吐出面50よりも上方に位置する開放位置まで、前後一対のガイドピン103a,103bを斜め上方向にスライドさせる傾斜部108bとを有している。
したがって、これら一対のガイド部102は、前後一対のガイドスリット107a,107bに前後一対のガイドピン103a,103bを係合させることによって、スライダ101を吐出面保護カバー61の開放位置と閉塞位置との間で前後方向にスライド可能に支持している。
以上のように、このガイド機構91では、カートリッジ本体12に対して着脱可能に取り付けられた吐出面保護カバー61をスライダ101に保持した状態で、カートリッジ本体12の吐出面50を閉塞する閉塞位置と、カートリッジ本体12の吐出面50を開放し且つ吐出面50よりも上方に位置する開放位置との間で案内することが可能となっている。
駆動機構92は、図16に示すように、下部筐体71b側に、駆動モータ111と、この駆動モータ111の回転軸に取り付けられたウォームギア112と、このウォームギア112と噛み合わされたピニオンギア113と、上部筐体71a側に、ピニオンギア113と噛み合わされて、前後方向にスライドされるラック板114とを有している。
このうち、ラック板114は、上述したガイド部102の外側に配置された略矩形状の平板部材からなり、その下端部には、ピニオンギア113と噛み合わされるラックギア115が前後方向に亘って形成されている。
また、このラック板114の上部側には、前後一対のガイドピン116a,116bがガイド部に向かって突出形成されている。一方、一対のガイド部102には、これら前後一対のガイドピン116a,116bが係合される水平スリット117が前後方向に亘って直線状に形成されている。したがって、このラック板114は、水平スリット117内を前後一対のガイドピン116a,116bがスライドすることによって、前後方向にスライド可能となっている。
また、このラック板114前面側には、上述した前面側のガイドスリット107aを貫通した前面側のガイドピン103aが係合される鉛直スリット118が上下方向に亘って直線状に穿設されている。
この駆動機構92では、駆動モータ111が回転駆動されると、互いに噛合されたウォームギア112及びピニオンギア113が回転しながら、ピニオンギア113とラックギア115との噛合によってラック板114が前後方向に変位駆動される。これに伴って、スライダ101の前面側のガイドピン103aがラック板114の鉛直スリット118内を上下方向にスライドしながら、スライダ101の前後一対のガイドピン103a,103bがラック板114の前後一対のガイドスリット107a,107b内を前後方向にスライドすることになる。これにより、スライダ101を開放位置と閉塞位置との間で変位駆動することが可能となっている。
一方、下部筐体71bの内部には、図12及び図17に示すように、記録紙Pをヘッドカートリッジ2まで供給し、ヘッドカートリッジ2によって印刷が行われた記録紙Pを外部に排出する給排紙機構121が設けられている。具体的に、給排紙機構121は、収納トレイ74から記録紙Pを給紙する給紙部122と、この給紙部122により給紙された記録紙Pを印刷位置へと搬送する搬送部123と、この搬送部123により搬送された記録紙Pを排紙する排紙部124とによって構成され、これらの部位が下部筐体71b内の図示しないフレーム等に組み付けられている。
給紙部122は、収納トレイ74から搬送部123へと記録紙Pを給紙するための給紙手段として、収納トレイ74内の記録紙Pを搬送部123へと送り出す給紙ローラ131と、この給紙ローラ131により送り出された記録紙Pを1枚毎に搬送部123へと送り出すための一対の分離ローラ132a,132bとを有し、これらは、下部筐体71b内に設けられた駆動機構(図示せず。)によって互いに連動しながら、図17中矢印A1,A2,A3方向に回転駆動される。
給紙ローラ131は、収納トレイ74の背面側の開口端から臨む記録紙Pの上方に配置されており、その外周面が、収納トレイ74内に設けられた紙押上げ機構(図示せず。)により押し上げられた記録紙Pと接触可能となっている。
一対の分離ローラ132a,132bは、給紙ローラ131の背面側近傍に位置して、この給紙ローラ131により送り出された記録紙Pを間に挟み込みながら、互いに同一方向に回転駆動される。これにより、給紙ローラ131が記録紙Pを誤って2枚同時に給紙した場合でも、一方の分離ローラ132aが、その外周面に接する1枚の記録紙Pを背面側へと送り出し、他方の分離ローラ132bが、その外周面に接するもう1枚の記録紙Pを前面側の収納トレイ74へと送り返すことによって、1枚のみ背面側に送り出すことができる。
搬送部123は、給紙部122から排紙部124へと記録紙Pを搬送するための搬送手段として、記録紙Pの送り方向を反転させる反転ローラ133と、この反転ローラ133により反転された記録紙Pを印刷位置へと搬送させる搬送ベルト134とを有している。
反転ローラ133は、外筐71内の背面側に配置されており、下部筐体71b内に設けられた駆動機構(図示せず。)によって、図17中矢印B方向に回転駆動される。また、反転ローラ133の背面側には、この反転ローラ133の外周面に沿って反転される記録紙Pを押さえる複数の押さえローラ135a,135b,135cと、反転ローラ133の外周面と対向して記録紙Pの移動を規制する湾曲状の第1の規制板136とが設けられている。
また、この反転ローラ133と一対の分離ローラ132a,132bとの間には、記録紙Pを案内する第1の案内板137が下部筐体71b側に位置して設けられている。さらに、この反転ローラ133と搬送ベルト134との間には、記録紙Pを案内する第2の案内板138と、この第2の案内板138と対向して記録紙Pの移動を規制する平面状の第2の規制板139とが上部筐体71a側に位置して設けられている。
搬送ベルト134は、駆動プーリ140aと被動プーリ140bとの間に巻き掛けられた無端駆動ベルトからなり、下部筐体71b内に設けられた駆動機構(図示せず。)によって駆動プーリ140aが回転駆動されることで、図17中矢印C方向に回転駆動される。これにより、記録紙Pをプリンタ装置1の前面側へと搬送させることができる。
また、この搬送ベルト134には、印刷位置に搬送された記録紙Pをヘッドカートリッジ2の吐出面50に対向させるプラテン板141が設けられている。また、搬送ベルト134は、このプラテン板141の前後が一対のピンチローラ142a,142bによってプラテン板141の厚みに対応して分だけ押し下げられている。また、プラテン板141は、図17に示す印刷位置において、上述したヘッドカートリッジ2の吐出面50と互いに平行且つ所定の距離を以て対向配置される。
また、下部筐体71bには、図17に示す印刷時に搬送動作を行う搬送位置と、この搬送位置よりも下方に位置して、図12及び図13に示す非駆動時に待避される待避位置との間で、上述した搬送ベルト134を昇降させるベルト昇降機構143が設けられている。
具体的に、このベルト昇降機構143は、図18及び図19に示すように、上述した駆動プーリ140aと被動プーリ140bとの間に巻き掛けられた搬送ベルト134の被動プーリ140b側を昇降操作するものであり、下部筐体71b内の図示しないフレームの両側面部に、支軸144を中心に回動される第1の回動部材151と、第1の回動部材151と引張りコイルバネ145を介して連結されると共に、支軸144を中心に回動される第2の回動部材152と、図示しない駆動機構によって前後方向にスライドされるスライド部材153とを有している。
第1の回動部材151は、上述したヘッド装着部76よりも前面側に配置された平板部材であり、その前面側の端部が下部筐体71b内の図示しないフレームに取り付けられた支軸144に回動可能に支持されると共に、その背面側の端部には、上述した被動プーリ140bを回転可能に保持するスリット154が設けられている。また、第1の回動部材151は、上端側の中間部から上方に向かって突出された掛止片155を有しており、この掛止片155には、引張りコイルバネ145の一端を掛止する孔部155aが設けられている。なお、この第1の回動部材151には、搬送位置へと回動された際に、この搬送位置よりも上方側に回動されることを規制するためのストッパが設けられている。
第2の回動部材152は、上述した第1の回動部材151よりも前面側に配置された平板部材であり、第1の回動部材151よりも外側に位置して、その背面側の端部が支軸144に回動可能に支持されている。また、第2の回動部材152は、上端側の中間部から上方に向かって延長された第1のアーム156と、前面側の端部から上方に向かって延長された第2のアーム157とを有している。
第1のアーム156は、その先端部に背面側に向かって突出された掛止片158を有し、この掛止片158には、引張りコイルバネ145の他端を掛止する切欠部158aが設けられている。
したがって、引張りコイルバネ145は、その一端が第1の回動部材151に設けられた掛止片155の孔部155aに掛止され、その他端が第2の回動部材152に設けられた掛止片158の切欠部158aに掛止されることによって、これら第1の回動部材151と第2の回動部材152とを連結している。
第2のアーム157は、後述するスライド部材153の作動突部159と当接される当接面157aを有し、この当接面157aが上下方向に亘って所定の長さで設けられている。
スライド部材153は、長尺状の平板部材からなり、下部筐体71b内の図示しないフレームに、第1の回動部材151よりも内側に位置して、前後方向にスライド可能に支持されている。また、スライド部材153の下端部には、図示しない駆動機構のピニオンギアと噛み合わされるラックギア153aが前後方向に亘って形成されており、この駆動機構によって前後方向に変位駆動される。
なお、駆動機構は、下部筐体71b側に、駆動モータと、この駆動モータの回転軸に取り付けられたウォームギアと、このウォームギアと噛み合わされたピニオンギアとを有し、このピニオンギアがスライド部材153のラックギア153aと噛み合わされて、駆動モータの駆動力によりスライド部材153を前後方向に変位駆動させる。
また、スライド部材153の一主面側には、上述した第2の回動部材152の第2のアーム157と当接される作動突部159が外側に向かって突出して設けられている。この作動突部159は、スライド部材153が前後方向にスライドされることによって、第2のアーム157の当接面157aと当接しながら、第2の回動部材152を支軸144を中心に回動させることになる。
そして、このベルト昇降機構143では、駆動機構によりスライド部材153が前後方向にスライドされると、作動突部159が第2のアーム157の当接面157aと摺接しながら、第2の回動部材152が支軸144を中心に回動される。すると、第2の回動部材152と引張りコイルバネ145を介して連結された第1の回動部材151が支軸144を中心に回動しながら、スリット154内に回転可能に保持された被動プーリ140bが昇降されることになる。これにより、上述した駆動プーリ140aと被動プーリ140bとの間に巻き掛けられた搬送ベルト134を搬送位置と退避位置との間で昇降させることが可能となっている。
排紙部124は、図12及び図17に示すように、搬送部123により搬送された記録紙Pを排紙するための排紙手段として、搬送ベルト134を介して被動プーリ140bと対向配置された拍車146を有し、この拍車146と搬送ベルト134との間から記録紙Pを給排紙口73側へと送り出す。
次に、以上のように構成されたプリンタ装置1を制御する図20に示す制御回路161について図面を参照して説明する。
制御回路161は、上述したプリンタ本体3のカバー開閉機構83、給排紙機構121、ベルト昇降機構143の駆動を制御するプリンタ駆動部162と、各色のインクiに対応するヘッドチップ53に供給される電流等を制御する吐出制御部163と、各色のインクiの残量を警告する警告部164と、外部装置と信号の入出力を行う入出力端子165と、制御プログラム等が記録されたROM(Read Only Memory)166と、読み出された制御プログラム等を一旦格納し、必要に応じて読み出されるRAM(Random Access Memory)167と、各部の制御を行う制御部168とを有している。
プリンタ駆動部162は、制御部168からの制御信号に基づき、カバー開閉機構83を構成する駆動機構92を駆動させて吐出面保護カバー61を開閉するように、カバー開閉機構83を制御する。また、プリンタ駆動部162は、制御部168からの制御信号に基づき、給排紙機構121を構成する図示しない駆動機構を駆動させてプリンタ本体3の収納トレイ74から記録紙Pを給紙し、印刷後に給排紙口73側へと記録紙Pを送り出すように給排紙機構121を制御する。プリンタ駆動部162は、制御部168からの制御信号に基づき、ベルト昇降機構143を構成する図示しない駆動機構を駆動させて給排紙機構121に備わる搬送ベルトを、印刷時に搬送動作を行う搬送位置と非駆動時に待避される待避位置との間で昇降させるようにベルト昇降機構143を制御する。
吐出制御部163は、ヘッドチップ53に備わる発熱抵抗体58にパルス電流を供給する外部電源との電気的な接続をオン/オフするスイッチング素子や、発熱抵抗体58に供給されるパルス電流値を調整する抵抗体や、スイッチング素子等のオン/オフの切り替えを制御する制御回路部等を有する電気回路である。そして、吐出制御部163は、制御部168からの制御信号に基づき、ヘッドチップ53に備わる発熱抵抗体58に供給されるパルス電流等を調整し、ノズル55aよりインクiを吐出するヘッドチップ53を制御する。
警告部164は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等の表示手段であり、印刷条件、印刷状態、インク残量等の情報を表示する。また、警告部164は、例えばスピーカ等の音声出力手段であってもよく、この場合は、印刷条件、印刷状態、インク残量等の情報を音声で出力する。なお、警告部164は、表示手段及び音声出力手段をともに有するように構成してもよい。また、この警告は、情報処理装置169のモニタやスピーカ等で行うようにしてもよい。
入出力端子165は、上述した印刷条件、印刷状態、インク残量等の情報をインタフェースを介して外部の情報処理装置169等に送信する。また、入出力端子165は、外部の情報処理装置169等から、上述した印刷条件、印刷状態、インク残量等の情報を出力する制御信号や、印刷データ等が入力される。ここで、上述した情報処理装置169は、例えば、パーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistant)等の電子機器である。
情報処理装置169等と接続される入出力端子165は、インタフェースとして例えばシリアルインタフェースやパラレルインタフェース等を用いることができ、具体的にUSB(Universal Serial Bus)、RS(Recommended Standard)232C、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394等の規格に準拠したものである。また、入出力端子165は、情報処理装置169との間で有線通信又は無線通信の何れ形式でデータ通信を行うようにしてもよい。なお、この無線通信規格としては、IEEE802.11a,802.11b,802.11g等がある。
入出力端子165と情報処理装置169との間には、例えばインターネット等のネットワークが介在していてもよく、この場合、入出力端子165は、例えばLAN(Local Area Network)、ISDN(Integrated Services Digital Network)、xDSL(Digital Subscriber Line)、FTHP(Fiber To The Home)、CATV(Community Antenna TeleVision)、BS(Broadcasting Satellite)等のネットワーク網に接続され、データ通信は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の各種プロトコルにより行われる。
ROM166は、例えばEP−ROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)等のメモリであり、制御部168が行う各処理のプログラムが格納されている。この格納されているプログラムは、制御部168によりRAM167にロードされる。RAM167は、制御部168によりROM166から読み出されたプログラムや、プリンタ装置1の各種状態を記憶する。
制御部168は、入出力端子165から入力された印刷データ、ヘッドカートリッジ2から入力されがインクiの残量データ等に基づき、各部を制御する。制御部168は、入力された制御信号等に基づいて各部を制御する処理プログラムをROM166から読み出してRAM167に記憶し、この処理プログラムに基づき各部の制御や処理を行う。
すなわち、制御部168は、ROM166に格納された処理プログラムに基づき、吐出面保護カバー61を開閉するようにカバー開閉機構83を制御したり、収納トレイ74から記録紙Pを給紙し、印刷後に給排紙口73側へと記録紙Pを送り出すように給排紙機構121を制御したり、給排紙機構121に備わる搬送ベルトを搬送位置と待避位置との間で昇降させるようにベルト昇降機構143を制御したりする。
なお、以上のように構成された制御回路161においては、ROM166に処理プログラムを格納するようにしたが、処理プログラムを格納する媒体としては、ROM166に限定されるものでなく、例えば処理プログラムが記録された光ディスクや、磁気ディスク、光磁気ディスク、ICカード等の各種記録媒体を用いることができる。この場合に制御回路161は、各種記録媒体を駆動するドライブと直接又は情報処理装置169を介して接続されてこれら記録媒体から処理プログラムを読み出すように構成する。
ここで、以上のように構成されるプリンタ装置1の印刷動作について図21に示すフローチャートを参照にして説明する。なお、本動作はROM166等の記憶手段に格納された処理プログラムに基づいて制御部168内の図示しないCPU(Central Processing Unit)の演算処理等により実行されるものである。
先ず、ユーザが、印刷動作をプリンタ装置1が実行するように、プリンタ本体3に設けられている操作ボタン80を操作して命令する。次に、制御部168は、ステップS1において、各タンク装着部31に所定の色のインクタンク11が装着されているか、又ヘッドカートリッジ2がプリンタ本体3のヘッド装着部76に装着されているかどうかを判断する。そして、制御部168は、全てのタンク装着部31に所定の色のインクタンク11が適切に装着且つヘッドカートリッジ2がプリンタ本体3のヘッド装着部76に装着されているときはステップS2に進み、タンク装着部31にインクタンク11が適切に装着されていないとき、若しくはプリンタ本体3のヘッド装着部76にヘッドカートリッジ2が装着されていないときはステップS4に進み、印刷動作を禁止する。
制御部168は、ステップS2において、インクタンク11内のインクiが所定量以下、すなわちインク無し状態であるか否かを判断し、インク無し状態であると判断されたときは、警告部164でその旨を警告し、ステップS4において、印刷動作を禁止する。一方、制御部168は、インクタンク11内のインクiが所定量以上であるとき、すなわちインクiが満たされているとき、ステップS3において、印刷動作を許可する。
そして、印刷動作を許可されたプリンタ装置1は、図12に示すように、ヘッドカートリッジ2の吐出面50に保持されている吐出面保護カバー61の外周部がガイド機構91のスライダ101に保持された状態となる。なお、印刷動作前のプリンタ装置1は、下部筐体71b側の搬送ベルト134が、閉塞位置にある吐出面保護カバー61と衝突することを防ぐために、ベルト昇降機構143によって搬送位置よりも下方の待避位置へと待避されている。
印刷動作を行う際は、先ず、制御部168がプリンタ制御部162によって各機構83,121,143等を駆動制御し、記録紙Pを印刷可能な位置まで移動させる。具体的に、印刷動作が開始されると、制御部168は、図17に示すように、カバー開閉機構83を駆動制御して吐出面保護カバー61をスライダ101と共にプリンタ装置1の前面側の開放位置へと移動する。これにより、ヘッドカートリッジ2の吐出面50が開放される。これにより、吐出面保護カバー61は、前面側の開放位置へと移動することによってヘッドカートリッジ2の吐出面50よりも上方に位置することになる。
このとき、吐出面保護カバー61は、図22に示すように、カバーキャップ部62に備わる吸湿ローラからなるクリーニング部64が、印刷前に吐出面50に付着した余分なインクiが記録紙Pを汚すことがないように、円柱状の吸湿部材を軸中心に回転させながら少なくともノズル55aが形成されている領域をプリンタ装置1の前面側、すなわち図22中X1方向に摺動させることでヘッドカートリッジ2の吐出面50をクリーニングする。
次に、制御部168は、図17に示すように、ベルト昇降機構143を駆動制御して搬送ベルト134が待避位置から搬送位置へと上昇させる。これにより、プリンタ装置1では、ヘッドカートリッジ2の吐出面50とプラテン板141とが互いに平行且つ所定の間隔を以て対向配置され、印刷位置が決定されることになる。
次に、制御部168は、給排紙機構121を駆動制御し、収納トレイ74より図示しない紙押上げ機構によって押し上げられた記録紙Pを、図17中矢印A1方向に回転する給紙ローラ131の外周面に押し当てるようにして給紙する。そして、給紙された記録紙Pは、図17中矢印A2,A3方向に回転する一対の分離ローラ132a,132bの間を通過しながら、図17中矢印Y1に示す背面側へと送り出される。
次に、制御部168は、背面側に送り出された記録紙Pを、第1の案内板137上を移動させながら、反転ローラ133の外周面に沿って反転させ、今度は図17中矢印Y2に示す前面側へと送り出すように給排紙機構121を駆動制御する。そして、制御部168は、前面側に送り出された記録紙Pが、第2の案内板138と第2の規制板139との間を通過しながら、図17中矢印C方向に回転する搬送ベルト134によって印刷位置へと搬送されるように給排紙機構121を駆動制御する。そして、記録紙Pは、印刷位置において、プラテン板141によって押し上げられ、ヘッドカートリッジ2の吐出面50と相対向することになる。
次に、制御部168は、吐出制御部168によってヘッドカートリッジ2を制御し、この印刷位置に搬送された記録紙Pに対してノズル55aよりインクiを吐出、着弾させてインクドットからなる画像や文字等を記録させる。
次に、制御部168は、給排紙機構を駆動制御し、印刷が終了した記録紙Pを、搬送ベルト134の駆動によって、この搬送ベルト134と拍車146との間から、図17中矢印Y2に示す背面側へと送り出し、給排紙口73から蓋トレイ75上に排紙させる。
また、制御部168は、記録紙Pへの印刷が終わると、ベルト昇降機構143を駆動制御し、搬送ベルト134を搬送位置から待避位置へと下降する。
次に、制御部168は、カバー開閉機構83を駆動制御し、吐出面保護カバー61をスライダ101と共にプリンタ装置1の背面側の閉塞位置へと移動させる。このとき、吐出面保護カバー61は、図23に示すように、カバーキャップ部62に備わる吸湿ローラからなるクリーニング部64が、円柱状の吸湿部材を軸中心に回転させながら少なくともノズル55aが形成されている領域をプリンタ装置1の背面側、すなわち図23中X2方向に摺動させることでヘッドカートリッジ2の吐出面50をクリーニングし、印刷動作により吐出面50に付着した余分なインクiを除去する。このように、吐出面保護カバー61は、ヘッドカートリッジ2の吐出面50をクリーニング部64でクリーニングしながら閉塞する。これにより、再び図12に示す印刷前の状態へと戻る。したがって、このプリンタ装置1では、吐出面保護カバー61がヘッドカートリッジ2の吐出面50を閉塞した状態で、このヘッドカートリッジ2をプリンタ本体3のヘッド装着部76から離脱することができる。なお、制御部168は、連続して複数の記録紙Pに印刷を行う場合、記録紙P毎に、上述した吐出面保護カバー61によるクリーニング動作を行うようにカバー開閉機構83を制御する。以上のようにして、印刷動作が終了する。
以上のように、このプリンタ装置1では、搬送ベルト134が搬送位置よりも下方に位置する待避位置に待避した状態から、カバー開閉機構83によって吐出面保護カバー61がヘッドカートリッジ2の吐出面50を開放し、且つこの吐出面50よりも上方に位置する開放位置へと移動した後、ベルト昇降機構143によって搬送ベルト134が搬送動作を行う搬送位置へと上昇する。また、この状態から、ベルト昇降機構143によって搬送ベルト134が搬送位置よりも下方に位置する待避位置へと下降した後、カバー開閉機構83によって吐出面保護カバー61がヘッドカートリッジ2の吐出面50を閉塞する。
したがって、このプリンタ装置1では、ヘッドカートリッジ2をプリンタ本体3のヘッド装着部76から取り外した際に、吐出面50が吐出面保護カバー61によって閉塞されることから、吐出面50が傷付いたり、吐出面50からインクiが漏れ出したりして周囲を汚してしまうことを防止できる。
このプリンタ装置1では、ヘッドカートリッジ2の吐出面50を閉塞しているカバーキャップ部62を、吐出面50に設けられた一対のガイド溝59に沿ってカートリッジ本体12の短辺方向に外部に向かってスライドさせることで、吐出面保護カバー61をヘッドカートリッジ2の短辺方向の一端側から容易に取り外すことができる。また、このプリンタ装置1では、ヘッドカートリッジ2から取り外されたカバーキャップ部62を、吐出面50に設けられた一対のガイド溝59に沿ってカートリッジ本体12の短辺方向に吐出面50に向かってスライドさせることで、吐出面保護カバー61をヘッドカートリッジ2の短辺方向の一端側から容易に取り付けることができる。すなわち、このプリンタ装置1では、ヘッドカートリッジ2に対する出面カバー61の着脱を容易に行える。
このように、このプリンタ装置1では、吐出面保護カバー61を容易にヘッドカートリッジ2より取り外すことができることから、例えばクリーニング部64の吸湿ローラの吸湿部材が劣化したときや、吸湿部材におけるインクiの吸湿能力が低下したとき等に、新しい吸湿部材と容易に交換できる。
なお、以上では、ヘッドカートリッジ2をプリンタ本体3より取り外したときに吐出面保護カバー61を交換する場合を例に挙げて説明しているが、かかる構成に限定されるものではないことは勿論である。具体的に、図24に示すプリンタ装置171は、筐体171の上面部にヘッドカートリッジ2の着脱と吐出面保護カバー61を挿入する大きな開口部171aと、この開口部171aを開閉する蓋体171bとが設けられた構成にされている。そして、このプリンタ装置171では、例えばクリーニング部64が劣化した吐出面保護カバー61をプリンタ装置1の前面側に移動したときに開口部171aより取り出し、その代わりに新たな吐出面保護カバー61を開口部171aより挿入することで、新たな吐出面保護カバー61を装置内でヘッドカートリッジ2に装着させることが可能になっている。
また、このプリンタ装置1では、図25及び図26に示すように、ヘッドカートリッジ2に対する出面カバー61の着脱を容易に行えることから、吸湿ローラをクリーニング部64として備える吐出面保護カバー61を、例えばゴム等の弾性のある樹脂等からなる払拭ブレードをクリーニング部181として備える吐出面保護カバー182に容易に交換することができる。これにより、プリンタ装置1では、払拭ブレードからなるクリーニング部181を備える他の吐出面保護カバー182に交換することで、例えば吸湿ローラ等では除去しきれないようなインクiが増粘し、固化して吐出面50にこびりついた汚れ等を、払拭ブレードからなるクリーニング部181で掻き落とすことができる。なお、図25及び図26においては、クリーニング部181及び吐出面保護カバー182以外の部位は、上述したヘッドカートリッジ2と同様な構成及び同様な機能であることから、その説明を省略すると共に、同じ符号を付すものとする。
この場合、例えば吐出面保護カバー61,182の所定の位置に如何なるクリーニング部64,182が設けられているかを判別する図示しない判別部等を設けることで、制御部168がヘッドカートリッジ2に吐出面保護カバー61,182のどちらが取り付けられているかを判別することが可能となる。そして、制御部168は、ヘッドカートリッジ2に吐出面保護カバー182が装着されていると判断すると、印刷動作を行うことなく、吐出面50のクリーニングが1回以上行われるようにカバー開閉機構を駆動制御する。なお、制御部168は、ヘッドカートリッジ2に吐出面保護カバー61が装着されていると判断すると、上述した印刷動作でカバー開閉機構を駆動制御する。また、吐出面保護カバー61,182には判別部等を設けなくとも良く、吐出面保護カバー182が装着されたときに、プリンタ本体3に設けられている操作ボタン80をユーザが操作し、制御部168に命令することで、プリンタ装置1がクリーニング動作だけを実行するようにしてもよい。
さらに、このプリンタ装置1では、図27及び図28に示すように、クリーニング部64を備える吐出面保護カバー61の代わりに、例えば少なくとも吐出面50のノズル55aが形成された領域を不織布や織布、ゴム等の弾性部材等が密着して覆うようにされた封止部183を備える吐出面保護カバー184も容易に装着できる。具体的に、封止部183は、吐出面50と対向する面に不織布、織布、ゴム等からなり少なくとも吐出面50のノズル55a形成された領域を覆う封止部材183aが設けられ、封止部材183aが設けられた面とは反対側の面に封止部材183aを吐出面50に押圧するように密着させるための弾性部材183bが設けられている。なお、封止部183においては、封止部材183aを着脱自在に保持しており、例えば封止部材183aが劣化したとき等に交換することができる。
そして、このプリンタ装置1では、封止部183を備える他の吐出面保護カバー184に交換することで、吐出面50のノズル55aが形成された領域全体を密着して覆う封止部183が、例えば長期間印刷動作をしないとき等に吐出面50のノズル55aから臨むインクiが乾燥することを防止できる。なお、図26及び図27においては、封止部183及び吐出面保護カバー184以外の部位は、上述したヘッドカートリッジ2と同様な構成及び同様な機能であることから、その説明を省略すると共に、同じ符号を付すものとする。
例えは吐出面保護カバー184に図示しない判別部等を設け、制御部168がヘッドカートリッジ2に吐出面保護カバー184が取り付けられていると判別した場合、制御部168は、印刷動作、及びクリーニング動作を行わないようにカバー開閉機構を駆動制御する。また、吐出面保護カバー184には判別部等を設けなくとも良く、吐出面保護カバー184が装着されたときに、プリンタ本体3に設けられている操作ボタン80をユーザが操作し、吐出面保護カバー184が装着されていることをRAM167に記憶させたり、警告部164に表示させたりして印刷動作が行われることがないようにしてもよい。
以上、詳細に説明したように、このプリンタ装置1では、用途の異なる吐出面保護カバー61,182,184を目的に応じて装置外で容易に交換でき、従来のように装置内部に様々な用途のクリーニング部材等を備える必要がないことから、装置全体の小型化や、低コスト化を図ることができる。
なお、上述したヘッドカートリッジ2では、カートリッジ本体12に対してインクタンク11が着脱可能となっているが、このような構成に必ずしも限定されるものではない。すなわち、このヘッドカートリッジ2自体が消耗品として取り扱われており、プリンタ本体3に対して着脱可能なことから、このカートリッジ本体12にインクタンク11が一体に設けられた構成とすることも可能である。
なお、以上では、本発明をプリンタ装置1に適用した例について説明したが、本発明は、以上の例に限定されるものではなく、液体を吐出する他の液体吐出装置に広く適用することが可能である。例えばファクシミリやコピー機、液体中のDNAチップ用吐出装置(特開2002−34560号公報)、プリンタ配線基板の配線パターンを形成するための導電性粒子を含む液体を吐出したりする液体吐出装置等にも適用可能である。
なお、以上では、1つの発熱抵抗体58がインクiを加熱して吐出するヘッドチップ53を例に挙げて説明したが、このような構造に限定されることはなく、複数の圧力発生素子を備え、各圧力発生素子に異なるエネルギー又は異なるタイミングでエネルギーを供給することで吐出方向を制御することが可能な吐出手段を備える液体吐出装置にも適用可能である。
なお、以上では、1つの発熱抵抗体58によってインクiを加熱しながらノズル55aから吐出させる電気熱変換方式を採用しているが、このような方式に限定されず、例えばピエゾ素子といった圧電素子等の電気機械変換素子等によってインクを電気機械的にノズルより吐出させる電気機械変換方式を採用したものであってもよい。
なお、以上では、ライン型のプリンタ装置1を例に挙げて説明したが、このことに限定されることはなく、例えばインクヘッドが記録紙Pの走行方向と略直交する方向に移動するシリアル型のインクジェットプリンタ装置にも適用可能である。
本発明が適用されたインクジェットプリンタ装置を示す分解斜視図である。 同インクジェットプリンタ装置に備わるプリンタヘッドカートリッジを示す分解斜視図である。 同プリンタヘッドカートリッジにおけるインクタンクを示す断面図である。 同プリンタヘッドカートリッジにインクタンクが装着されたときのインク送出部を示しており、同図(A)はインク送出口が閉塞された状態を示す模式図であり、同図(B)はインク送出口が開放された状態を示す模式図である。 同プリンタヘッドカートリッジにおけるカートリッジ本体を示す断面図である。 同プリンタヘッドカートリッジにおいて、カートリッジ本体にインクタンクを装着する状態を示す断面図である。 同プリンタヘッドカートリッジの構成を示す断面図である。 同プリンタヘッドカートリッジを模式的に示す図である。 同プリンタヘッドカートリッジのインク供給部を示しており、同図(A)はインク供給部の弁が閉塞している状態を示す断面図であり、同図(B)は同弁が開放した状態を示す断面図である。 同プリンタヘッドカートリッジに備わるヘッドチップを模式的に示す断面図である。 同ヘッドチップを示しており、同図(A)は発熱抵抗体状に気泡が発生した状態を模式的に示す断面図であり、同図(B)はノズルよりインクを吐出した状態を模式的に示す断面図である。 同インクジェットプリンタ装置の構成を示す透視側面図である。 同インクジェットプリンタ装置の上部筐体が下部筐体に対して開放された状態を示す透視側面図である。 同インクジェットプリンタ装置のカバー開閉機構の構成を模式的に示す側面図である。 同カバー開閉機構に備わるスライダの構成を示す平面図である。 同インクジェットプリンタ装置の駆動機構の構成を一部透視して示す側面図である。 同インクジェットプリンタ装置の印刷動作を説明するための透視側面図である。 同インクジェットプリンタ装置に備わるベルト昇降機構により搬送ベルトが退避位置まで下降した状態を模式的に示す側面図である。 同ベルト昇降機構により搬送ベルトが搬送位置まで上昇した状態を模式的に示す側面図である。 同インクジェットプリンタ装置の制御回路を模式的に示すブロック図である。 同インクジェットプリンタ装置の印刷動作を説明するフローチャートである。 同プリンタヘッドカートリッジの吐出面保護カバーが前面側に移動しながら吐出面をクリーニングする状態を示す模式図である。 同吐出面保護カバーが背面側に移動しながら吐出面をクリーニングする状態を示す模式図である。 同プリンタ装置の他の構成例を示す模式図である。 同プリンタヘッドカートリッジを示しており、クリーニング部として払拭ブレードを有する吐出面保護カバーが装着される状態を示す斜視図である。 同プリンタヘッドカートリッジを示しており、クリーニング部として払拭ブレードを備える吐出面保護カバーが装着された状態を一部切り欠いて示す側面図である。 同プリンタヘッドカートリッジを示しており、封止部を備える吐出面保護カバーが装着される状態を示す斜視図である。 同プリンタヘッドカートリッジを示しており、封止部を備える吐出面保護カバーが装着された状態を一部切り欠いて示す側面図である。
符号の説明
1,171 インクジェットプリンタ装置(液体吐出装置)、2 プリンタヘッドカートリッジ2 プリンタ本体、11 インクタンク、12 カートリッジ本体、37 ヘッド部、50 吐出面、53 ヘッドチップ、55a ノズル、59 ガイド溝、61,182,184 吐出面保護カバー、62 カバーキャップ部、63 キャップ保持片、64,181 クリーニング部、71 外筐、71a 上部筐体、71b 下部筐体、83 カバー開閉機構、91 ガイド機構、92 駆動機構、101 スライダ、102 ガイド部、121 給排紙機構、122 給紙部、123 搬送部、124 排紙部、143 ベルト昇降機構、161 制御回路、162 プリンタ制御部、163 吐出制御部、166 ROM、167 RAM、168 制御部、183 封止部、183a 封止部材、183b 弾性部材

Claims (9)

  1. 液体を液滴の状態で吐出し、対象物に着弾させることで記録を行う液体吐出装置に備わる液体吐出ヘッド部の上記液滴を吐出する吐出口が形成された吐出面に保持される吐出面保護装置において、
    上記液体吐出ヘッド部の吐出口より上記液滴が吐出されるときに、上記吐出面に対して略平行な面内を移動し、上記対象物に対して上記吐出口を臨ませるように上記吐出面の上記吐出口が形成されている領域より退避すると共に、上記吐出面に接触した状態で上記吐出面に対して略平行な面内を移動することで上記吐出面をクリーニングするクリーニング部を有するカバーキャップ部と、
    上記カバーキャップ部を、上記液体吐出ヘッド部の吐出面に対して着脱可能に保持するキャップ保持部とを備え、
    上記カバーキャップ部が、他のカバーキャップ部と交換可能になっていることを特徴とする吐出面保護装置。
  2. 上記クリーニング部は、吸湿ローラ、払拭ブレード、不織布、織布のうちの何れかであることを特徴とする請求項1記載の吐出面保護装置。
  3. 上記液体吐出ヘッド部は、上記吐出面に形成されている吐出口が略ライン状に並設されていることを特徴とする請求項1記載の吐出面保護装置。
  4. 液体を液滴の状態で吐出し、対象物に着弾させることで記録を行う液体吐出装置に備わる液体吐出カートリッジにおいて、
    上記液体を貯留する液室と、上記液室に上記液体を供給する供給部と、上記液室に1つ以上設けられ、上記液室に貯留された上記液体を押圧する圧力発生素子と、上記圧力発生素子により押圧された上記液体を上記液室から液滴の状態で対象物に吐出させる吐出口と、上記吐出口が形成された吐出面とを有する液体吐出ヘッド部と、
    上記液体吐出ヘッド部の吐出口より上記液滴が吐出されるときに、上記吐出面に対して略平行な面内を移動し、上記対象物に対して上記吐出口を臨ませるように上記吐出面の上記吐出口が形成されている領域より退避すると共に、上記吐出面に接触した状態で上記吐出面に対して略平行な面内を移動することで上記吐出面をクリーニングするクリーニング部を有するカバーキャップ部と、上記カバーキャップ部を、上記液体吐出ヘッド部の吐出面に対して着脱可能に保持するキャップ保持部とを備え、
    上記吐出面保護カバーは、上記カバーキャップ部が、他のカバーキャップ部と交換可能になっていることを特徴とする液体吐出カートリッジ。
  5. 上記クリーニング部は、吸湿ローラ、払拭ブレード、不織布、織布のうちの何れかであることを特徴とする請求項4記載の液体吐出カートリッジ。
  6. 上記液体吐出ヘッド部は、上記吐出面に形成されている吐出口が略ライン状に並設されていることを特徴とする請求項4記載の液体吐出カートリッジ。
  7. 液体を液滴の状態で吐出し、対象物に着弾させることで記録を行う液体吐出装置において、
    上記液体を貯留する液室と、上記液室に上記液体を供給する供給部と、上記液室に1つ以上設けられ、上記液室に貯留された上記液体を押圧する圧力発生素子と、上記圧力発生素子により押圧された上記液体を上記液室から液滴の状態で対象物の主面に向かって吐出させる吐出口と、上記吐出口が形成された吐出面とを有する液体吐出ヘッド部と、
    上記液体吐出ヘッド部の吐出口より上記液滴が吐出されるときに、上記吐出面に対して略平行な面内を移動し、上記対象物に対して上記吐出口を臨ませるように上記吐出面の上記吐出口が形成されている領域より退避すると共に、上記吐出面に接触した状態で上記吐出面に対して略平行な面内を移動することで上記吐出面をクリーニングするクリーニング部を有するカバーキャップ部と、上記カバーキャップ部を、上記液体吐出ヘッド部の吐出面に対して着脱可能に保持するキャップ保持部とを有する吐出面保護カバーと、
    上記液体吐出ヘッド部の圧力発生素子を駆動制御し、上記吐出口から上記液滴を吐出するときの吐出動作を制御する吐出制御部とを有し、
    上記吐出面保護カバーは、上記カバーキャップ部が、他のカバーキャップ部と交換可能になっていることを特徴とする液体吐出装置。
  8. 上記クリーニング部は、吸湿ローラ、払拭ブレード、不織布、織布のうちの何れかであることを特徴とする請求項7記載の液体吐出装置。
  9. 上記液体吐出ヘッド部は、上記吐出面に形成されている吐出口が略ライン状に並設されていることを特徴とする請求項7記載の液体吐出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016175277A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置

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