JP2005169821A - 積層シート、その製造方法及び画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】界面反射光による視認性の低下が生じにくく、液晶表示セルに容易に密着適用できて製造作業が簡便であり、緩衝性に優れてタッチパネル又は保護パネルを介した入力の際における液晶表示セルの撓みによる表示の乱れを抑制でき、加工性や作業性に優れて量産性にも優れる部材の開発
【解決手段】樹脂シート(1、3)の間に紫外線重合性樹脂層(2)を介在させてなり、その紫外線重合性樹脂層が平面方向における周辺部とその内側部分とで重合度の相違に基づいて弾性率が相違し、かつその弾性率が内側部分よりも周辺部で高い構造を有する積層シート、樹脂シート上に流動性の紫外線重合性樹脂を塗布する工程、その塗布層周辺部の枠状部分に対して紫外線を照射する工程、及びその紫外線照射の前又は後に当該塗布層上に別個の樹脂シートを配置する工程を少なくとも有する積層シートの製造方法、及び前記の積層シートを視認側に有する画像表示装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶表示セルとタッチパネル又は保護パネルの間における緩衝層の形成に好適な積層シート、その製造方法及びそれを配置した画像表示装置に関する。
抵抗膜方式や電磁誘導方式、静電容量方式等によるデジタイザ機能を有する液晶表示装置では、液晶表示セルの視認側に配置したタッチパネルや保護パネルを介した入力時の押圧力で液晶表示セルが撓んで表示が乱れることを防止するため、液晶表示セルとタッチパネル等との間に空隙を設ける方式が採られていた。しかしながら、この方式では液晶表示セルとタッチパネル等との界面における光の反射で視認性が低下する難点があった。
前記に鑑みて、当該空隙に液体やゲル状物質を充填する方式が提案されている。しかしながら、液体を充填する方式では液晶表示セルに液体を塗布する工程や、周辺をシールして液体を封入する工程が必要となり、その製造作業が煩雑な問題点があった。
またゲル状物質を充填する方式では通例、タッチパネル等にゲル状物質を積層して液晶表示セルに密着させる方法が採られるが、その場合にゲル状物質が軟らかすぎると密着処理工程でゲル状物質の周辺部分が引きちぎられて周囲にゲル状物質の欠落による空隙が生じたり、引きちぎられたゲル状物質でタッチパネル等が汚染されたりする問題点があり、それを回避するためにゲル状物質の硬さを高めると押圧力の伝達力も向上して液晶表示セルの撓みによる表示の乱れを防止する効果に乏しくなり、ゲル状物質の軟度ないし硬度をバランスさせることが困難な問題点があった。
特開平6−337411号公報 特開平7−36621号公報 特開平7−114010号公報
本発明は、界面反射光による視認性の低下が生じにくく、液晶表示セルに容易に密着適用できて製造作業が簡便であり、緩衝性に優れてタッチパネル又は保護パネルを介した入力の際における液晶表示セルの撓みによる表示の乱れを抑制でき、加工性や作業性に優れて量産性にも優れる部材の開発を課題とする。
本発明は、樹脂シートの間に紫外線重合性樹脂層を介在させてなり、その紫外線重合性樹脂層が平面方向における周辺部とその内側部分とで重合度の相違に基づいて弾性率が相違し、かつその弾性率が内側部分よりも周辺部で高い構造を有する積層シート、樹脂シート上に流動性の紫外線重合性樹脂を塗布する工程、その塗布層周辺部の枠状部分に対して紫外線を照射する工程、及びその紫外線照射の前又は後に当該塗布層上に別個の樹脂シートを配置する工程を少なくとも有する積層シートの製造方法、及び前記の積層シートを視認側に有する画像表示装置を提供するものである。
本発明による積層シートによれば、加工性や作業性に優れて液晶表示セル等に容易に密着適用でき、デジタイザ機能を有する画像表示装置の製造作業が簡便であり、また緩衝性に優れてタッチパネル又は保護パネルを介した入力の際における液晶表示セルの撓みによる表示の乱れが生じにくく、さらに界面反射光による視認性の低下も生じにくい。加えて積層シートは、量産性にも優れている。
本発明による積層シートは、樹脂シートの間に紫外線重合性樹脂層を介在させてなり、その紫外線重合性樹脂層が平面方向における周辺部とその内側部分とで重合度の相違に基づいて弾性率が相違し、かつその弾性率が内側部分よりも周辺部で高い構造を有するものである。その例を図1に示した。1、3が樹脂シート、2が紫外線重合性樹脂層である。
樹脂シートとしては、例えばアクリル系樹脂やメタクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂やポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂やエポキシ系樹脂などの適宜な透明樹脂の1種又は2種以上の混合物を用いて形成したものを用いうる。
就中、アクリル系樹脂やメタクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂やエポキシ系樹脂からなる樹脂シートが好ましく、特に高い弾性率を有する点よりポリエステル系樹脂やエポキシ系樹脂からなる樹脂シートが好ましい。樹脂シートは、キャスティング法や押出成形法などの適宜な方法で形成したものであってよい。
紫外線重合性樹脂層の両側に配置する樹脂シートは、厚さや材質等が同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。樹脂シートの厚さは、適宜に決定でき、一般には50μm〜3mmの厚さとされる。
紫外線重合性樹脂層の両側に配置する樹脂シートの一方(視認側)は、タッチパネルにおける一方の基板や、保護パネルを兼ねるものとして利用することができる。その場合の樹脂シートの厚さは、70μm〜2.5mm、就中100μm〜2mm、特に250μm〜1mmであることが好ましい。
また前記において、他方側(ディスプレイ側)の樹脂シートの厚さは、紫外線重合性樹脂層ないしそれを形成するための塗布層の上に配置して狭持する際の作業性や、重合処理する際の紫外線透過率などの点から10〜200μm、就中15〜170μm、特に20〜150μmであることが好ましい。積層シートは、その紫外線重合性樹脂層の両側に位置する樹脂シートの厚さが相違する場合、その厚さの薄い樹脂シート側が液晶表示セル等のディスプレイ側となるように適用する方式が一般的である。
樹脂シートの片面又は両面には表面硬度の向上を目的にハードコート層を設けることもできる。ハードコート層の形成は、例えばアクリルウレタン系樹脂やシロキサン系樹脂などの硬質樹脂を塗布して硬化処理する方法などにより行うことができる。ハードコート処理に際しては、シリカ粒子やアルミナ粒子、シリコーン系樹脂粒子等を配合して表面を粗面化したノングレア面として、実用時に鏡作用による映り込みを防止しうるタイプなどとして形成することもできる。
ハードコート層の厚さは、適宜に決定でき、一般には硬度やクラックの発生防止等の点より30μm以下、就中0.1〜25μm、特に0.2〜20μmの厚さとされる。樹脂シートの両面にハードコート層を設ける場合、それらの厚さは同じであってもよいし、相違していてもよい。
樹脂シート、特に視認側に位置することとなる樹脂シートは、紫外線重合性樹脂層の耐候性の向上を目的に紫外線吸収能を示すものであってもよい。紫外線吸収能は、紫外線吸収剤を樹脂シート中に配合する方式、又は/及び前記したハードコート層に紫外線吸収剤を配合する方式などの適宜な方式で付与することができる。その紫外線吸収剤には、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などの適宜なものを1種又は2種以上を用いうる。
なお樹脂シートをタッチパネルにおける液晶表示セル側の基板として利用する場合には樹脂シートにおける紫外線重合性樹脂層が配置されない側に透明導電膜が設けられる。透明導電膜の形成は、例えば真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーティング法やスプレー熱分解法、化学メッキ法や電気メッキ法、あるいはこれらの組合せ法などの適宜な薄膜形成法により樹脂シート上に透明導電膜の形成材からなる膜を付設することにより行うことができる。
前記した透明導電膜の形成材としては、透明な導電性の膜を形成しうる適宜なものの1種又は2種以上を用いうる。ちなみにその例としては、金や銀、白金やパラジウム、銅やアルミニウム、ニッケルやクロム、チタンや鉄、コバルトや錫、これらの合金等からなる金属、酸化インジウムや酸化スズ、酸化チタンや酸化カドミウム、これらの混合物ないし複合物等からなる金属酸化物、ヨウ化銅等からなる他の金属化合物などがあげられる。
透明導電膜の厚さは、適宜に決定しうる。一般には入力に対する応答性等の点より、100〜1000Ω/□、就中150〜700Ω/□、特に200〜400Ω/□の表面抵抗としたものが好ましい。ちなみに斯かる表面抵抗は、金属系の場合で通例30〜600Å、金属酸化物系の場合で80〜5000Åの厚さとすることで達成することができる。
なお透明導電膜は、積層シートとした後に設けることもできるし、積層シートとする前、特に紫外線重合性樹脂層を付設する前の樹脂シートに対して設けることもできる。また透明導電膜の付設に際しては、必要に応じ樹脂シートの表面に例えばコロナ放電処理や紫外線照射処理、プラズマ処理やスパッタエッチング処理、アンダーコート処理等の適宜な前処理を施して、透明導電膜の密着力を高めることもできる。
前記のアンダーコート処理には、例えばアクリル系樹脂やウレタンアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂や金属アルコキシドの加水分解・重縮合体などの適宜なコート剤を用いることができる。またアンダーコート処理層には、その中にシリカ粒子やアルミナ粒子などの充填剤を含有させることもできる。
紫外線重合性樹脂層の形成には、紫外線重合性の適宜な透明樹脂の1種又は2種以上を用いうる。ちなみにその紫外線重合性樹脂の例としては、アクリル酸やメタクリル酸、アクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル、そのアルキル基における水素の一部を水酸基で置換したものの如きモノマー類の1種又は2種以上を用いて溶液重合方式や塊状重合方式等で重合処理してなるアクリル系樹脂があげられる。
またジメチルジメトキシシランやメチルフェニルジメトキシシラン、メチルビニルジメトキシシランの如きモノマー類の1種又は2種以上を用いてなるシリコーン系樹脂類、ポリウレタン系樹脂なども紫外線重合性樹脂層の形成に用いうる。紫外線重合性樹脂層の形成には樹脂シートとの密着性の点より特にアクリル系樹脂が好ましく用いうる。
なお前記したアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルにおけるアルキル基としては例えばメチル基やエチル基、プロピル基やブチル基、イソブチル基やペンチル基、イソペンチル基やヘキシル基、ヘプチル基やオクチル基、イソオクチル基やノニル基、イソノニル基やデカニル基、イソデカニル基などがあげられる。
紫外線重合性樹脂層の形成に際しては必要に応じ紫外線重合性樹脂に開始剤や増感剤、可塑剤や酸化防止剤、着色剤や界面活性剤などを添加して用いることもできる。また紫外線重合性樹脂層は、その樹脂の屈折率に基づいて単なる空隙に比べて界面反射光の発生を低減するが、その界面反射光の発生の更なる低減を目的に紫外線重合性樹脂層にはポリマーなどからなる屈折率調節剤を配合することもできる。その場合、隣接する部材間の屈折率差を少なくするほど界面反射光を低減することができる。
図2に例示した如く紫外線重合性樹脂層2は、平面方向における周辺部22とその内側部分21とで重合度の相違に基づいて弾性率が相違し、かつその弾性率が内側部分21よりも周辺部22で高い構造を有するものとされる。これにより、入力時の押圧力の伝達を抑制する緩衝能の付与と、周辺部分が引きちぎられることの防止とを達成することができる。
斯かる重合度の相違に基づいて弾性率が相違する紫外線重合性樹脂層の形成は、例えば一方の樹脂シート、特に両側に配置する樹脂シートの厚さが相違する場合には厚さが大きい方の樹脂シートの上に、流動性の紫外線重合性樹脂を塗布してその塗布層の上に必要に応じ他方の樹脂シートを密着配置し、当該塗布層の周辺部の枠状部分に対して紫外線を照射して、周辺部の重合度を優先的に高める方法などにより行うことができる。
流動性の紫外線重合性樹脂の塗布は、例えばロールコート法やキャスティング法、カーテンコート法や流延法などの適宜な方式にて行うことができる。塗布する紫外線重合性樹脂は、流動性の制御を目的に予め紫外線を予備照射して紫外線重合性樹脂を予備重合し、重合度(粘度)を調節したものであってもよい。
塗布層の上への他方の樹脂シートの配置は、紫外線の照射後に行うこともできるが、紫外線の照射前に予め配置する方式が空気中の酸素による紫外線重合性樹脂の重合反応の阻害を防止できて好ましく、またそれにより照射処理の終了で積層シートの製造を完了することができる。なお前記した他方の樹脂シートの配置は、塗布層に気泡が混入しないように、かつ塗布層を押し潰さないように行うことが好ましい。
塗布層の周辺部とその内側部分における重合度の相違による弾性率の相違は、内側部分よりも周辺部により多量の紫外線を照射することにより行うことができる。その紫外線照射量の制御は、例えば図3の如く周辺部を露出させて内側部分を覆える寸法の金属板等からなる紫外線遮蔽板7を介して紫外線を塗布層の周辺部のみに照射する方式などにより行うことができる。
紫外線遮蔽板は、例えば膜厚の制御で紫外線透過性を付与した金属薄膜の如く、紫外線の透過率が内側部分よりも周辺部で多くなるようにしたものであってもよい。この場合にはその透過率制御の紫外線遮蔽板を介して塗布層の全面に一定強度の紫外線を照射して、塗布層に対する紫外線の照射量を制御でき、塗布層の周辺部とその内側部分とに重合度の相違による弾性率の相違をもたせることができる。
前記した透過率制御の紫外線遮蔽板を介した紫外線照射で塗布層の内側部分においても樹脂の重合度を適度に高める方式は、樹脂シートと紫外線重合性樹脂層の密着力の向上に有利である。従ってその密着力の向上、特に紫外線重合性樹脂層の内側部分における密着力の向上を目的に、樹脂シートを介し塗布層の全面に対して内側部分の弾性率が周辺部の弾性率を越えない範囲で紫外線を照射してもよい。その処理は、紫外線照射で周辺部を所定の弾性率とする前又は後のいずれの段階においても行うことができる。
紫外線重合性樹脂層の周辺部は、引きちぎられることの防止性やその周辺部による内側部分の紫外線重合性樹脂層に対するシール効果、樹脂シートとの密着力やディスプレイの周辺部での表示の乱れ防止などの点より、その弾性率が10〜10Pa、就中10〜10Pa、特に5×10〜5×10Paであり、幅が0.2〜5mm、就中0.3〜4mm、特に0.5〜3mmであることが好ましい。
一方、紫外線重合性樹脂層の内側部分における弾性率は、ディスプレイ表示の乱れ防止を目的とした押圧力に対する緩衝性や積層シートの取扱性(易流動性の制御)などの点より、50〜8000Pa、就中70〜6000Pa、特に100〜4000Paであることが好ましい。
また紫外線重合性樹脂層の厚さは、周辺部の強度や押圧力に対する緩衝性、積層シートの取扱性などの点より、0.2〜5mm、就中0.3〜4mm、特に0.5〜3mmであることが好ましい。
積層シートは、そのまま実用に供することもできるし、図1の例の如く必要に応じて、一方の樹脂シートの外側に接着層4を介し偏光板5を接着して実用に供することもできる。偏光板は、液晶表示セルによる表示を実現するためのものである。偏光板を設けた積層シートは、図1に例示の如く偏光板を設けた側が液晶表示セル6の側となるように適用され、また紫外線重合性樹脂層2の両側に位置する樹脂シート1、3の厚さが相違する場合には、その厚さの薄い樹脂シート3の側に偏光板2を設ける方式が一般的である。なお図中の51は背面側の偏光板である。
前記の接着層は、例えばアクリル系やゴム系、ポリエステル系やシリコーン系などの適宜な粘着剤やその他の接着剤の1種又は2種以上を用いて形成でき、熱や光(紫外線、電子線)で架橋するタイプの接着層であってもよい。就中、透明性に優れる接着層、特に光透過率が60%以上の接着層であることが好ましい。
接着層の厚さは、ペン入カ時の表示乱れの防止やペンによる書き味の低下の防止、衝撃による液晶表示セル等の割れの防止や視差による画像の劣化の防止などの点より、0.03〜50μm、就中0.05〜40μm、特に0.08〜30μmであることが好ましい。
偏光板としては、例えばポリビニルアルコール系フィルムや部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムの如き親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて延伸した偏光フィルムなどがあげられる。偏光板は、偏光フィルムの片面又は両面にトリアセチルセルロースフィルムなどからなる透明保護層を設けたものであってもよい。
積層シートないし偏光板を設けた積層シートには、液晶表示セル等の他部材と接着するための透明な接着層を必要に応じて設けることができる。偏光板を設けた積層シートの場合、その接着層は偏光板側に設けられる。その接着層は、上記に準じることができる。なお接着層が表面に露出する場合には、それを実用に供するまでの間、異物の付着等の防止を目的に剥離フィルムを仮着してカバーしておくことが好ましい。
積層シートは、タッチパネルや保護パネルを設ける液晶表示装置などの如くデジタイザ機能を有する画像表示装置に好ましく用いうる。その場合、積層シートは、図1の例の如く画像表示装置の視認側に配置される。その適用に際しては、接着層を介して液晶表示セル等のディスプレイ装置に接着することが光の反射損の低減などの点より好ましい。
2−エチルヘキシルアクリレート83.6部(重量部、以下同じ)、ヒドロキシブチルアクリレート16.4部、及び2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(開始剤)0.1部を配合し、それを窒素雰囲気下に紫外線で予備重合させて反応率10重量%のポリマー/モノマー混合液を得た。
ついで前記の混合液に、トリメチロールプロパントリアクリレート1部と前記開始剤0.1部を混合し、それを厚さ350μm、大きさ210mm×300mmのポリエチレンテレフタレートシートAの上に厚さ1mmで塗布し、その塗布層の上に厚さが38μmで前記と同じ大きさのポリエチレンテレフタレートシートBを気泡が入らないように静かに乗せて配置した。
次に、前記シートBの周辺部を除く内側部分に大きさ180mm×220mmのアルミニウムシートを乗せそのアルミニウムシートを介してメタルハライドランプにより紫外線を2000mJ/cm照射した後、アルミニウムシートを取り除き、紫外線の未照射部(内側部分)が中央にくるよう190mm×230mmの大きさに切断して積層シートを得た。
アルミニウムシートを乗せる前にシートBを介して塗布層の全体に対し紫外線を500mJ/cm照射する処理を追加した以外は実施例1と同様にして積層シートを得た。
アルミニウムシートに代えてアルミニウムを蒸着してなる紫外線の透過率が周辺部で多く、内側部分で少ないポリエステルフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして積層シートを得た。
比較例1
アルミニウムシートを用いない以外は実施例1と同様にして積層シートを得た。
比較例2
アルミニウムを蒸着した紫外線透過率が一様なポリエステルフィルムを介して紫外線を照射した以外は実施例3と同様にして積層シートを得た。
評価試験
表示の乱れ
両側に偏光板を接着した液晶表示セルに積層シートをそのシートAを視認側にして粘着層を介し接着した後、タッチパネル入力用のペンを用いてシートAの上より荷重100gで入力し、その場合の表示の乱れを目視にて次の3段階で評価した。
○:表示の乱れがない場合
△:表示の乱れが少しある場合
×:表示の乱れがひどい場合
積層シートの端部の状態
積層シートを切断後、端部の状態を目視にて観察して次の2段階で評価した。
○:紫外線重合性樹脂層の欠けがない場合
×:紫外線重合性樹脂層の欠けがある場合
弾性率
粘弾性スペクトロメータにより周波数1Hz、20℃の条件で紫外線重合性樹脂層の内側部分と周辺部の貯蔵弾性率を測定した。
前記の結果を次表に示した。

表示の 積層シートの 弾 性 率
乱れ 端部の状態 内側部分 周 辺 部
実施例1 ○ ○ 150Pa 1MPa
実施例2 ○ ○ 3kPa 1MPa
実施例3 ○ ○ 1kPa 1MPa
比較例1 × ○ 1MPa 1MPa
比較例2 ○ × 1kPa 1kPa
積層シートとその適用例の側面断面図 紫外線重合性樹脂層の説明斜視図 積層シートの製造方法の説明図
符号の説明
1、3:樹脂シート
2:紫外線重合性樹脂層
21:内側部分
22:周辺部
4:接着層
5、51:偏光板
6:液晶表示セル
7:金属板


特許出願人 日東電工株式会社
代 理 人 藤 本 勉

Claims (4)

  1. 樹脂シートの間に紫外線重合性樹脂層を介在させてなり、その紫外線重合性樹脂層が平面方向における周辺部とその内側部分とで重合度の相違に基づいて弾性率が相違し、かつその弾性率が内側部分よりも周辺部で高い構造を有する積層シート。
  2. 請求項1において、一方の樹脂シートの外側に接着層を介し偏光板を接着してなり、紫外線重合性樹脂層の両側に位置する樹脂シートの厚さが相違する場合には、当該偏光板接着の樹脂シートがその厚さの薄い側である積層シート。
  3. 樹脂シート上に流動性の紫外線重合性樹脂を塗布する工程、その塗布層周辺部の枠状部分に対して紫外線を照射する工程、及びその紫外線照射の前又は後に当該塗布層上に別個の樹脂シートを配置する工程を少なくとも有する積層シートの製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の積層シートを視認側に有する画像表示装置。
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