JP2005169752A - 記録装置および記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 不吐出ノズルなど不良記録素子が複数存在する場合、その不良記録素子が本来記録すべき画素全てを補正対象とするのではなく、他の正常な記録素子の寿命との相互関係で効率よく補正できるように、記録ヘッドにおける不良記録素子の位置関係などに基づいて、補正対象とする不良記録素子を選択する選択方法および、選択された不良記録素子の記録データを補完する補正方法を備えた記録方法および該方法を用いた記録装置を提供する。
【解決手段】 あらかじめ検出した不良記録素子リストから、不良記録素子間の距離を算出し、その距離が所定値未満の場合は、その不良記録素子の組み合わせのいずれか一方の不良記録素子を補正対象として選択し、この選択された記録素子が本来記録すべき記録領域を他の正常な記録素子によって代替して記録させることによって、形成される画像を補完する。
【選択図】 図20

Description

本発明は、複数の記録素子によって構成される記録ヘッドを用いて記録媒体に記録を行う記録装置および記録方法に関し、詳しくは複数の記録素子の中に不良記録素子が発生した場合における、その不良記録素子が本来記録すべきである記録領域を他の正常な記録素子によって補完する記録方法およびその方法を用いた記録装置に関する。
従来、紙、OHP用シートなどの記録媒体に対して記録を行う記録装置としては、種々の記録方式による記録ヘッドを搭載した形態で提案されている。この記録ヘッドには、ワイヤードット方式、感熱方式、熱転写方式、インクジェット方式によるものなどがあり、特に、インクジェット方式には、記録用紙に直接インクを噴射するものであるので、ランニングコストが安く、静粛性に優れた記録動作が可能な方式として注目されている。
また、上記のような記録装置は、記録ヘッドを搭載したキャリッジが水平方向へ移動するキャリッジ走査型となっており、キャリッジ走査型のインクジェットプリンタにおいては、キャリッジ走査によって記録ヘッドに具備された多数のノズルが記録情報に基づき駆動され、1走査記録領域の記録を行った後、記録媒体をキャリッジの進行方向に対して垂直な方向に1走査記録領域分だけ送るようになっており、この走査と記録媒体の搬送とを交互に行うことによって所定の画像が形成される。
記録ヘッド内部にはインク滴を射出するため多数のノズル(吐出口)が構成されている。このノズル内には記録媒体に記録を行うのに使用するインクが充填されている。画像等を記録する場合には、各々のノズルから画像データに対応したものが適時選択され、インクドットを射出し、記録を行っていく。
インクジェット記録装置においては、近年、ますます高品位、高解像の記録が望まれており、これを実現する一つの手段として、より微細なノズルを用いて画像の形成を行っている。その一方で、吐出口径が微細なノズルは、従来の吐出口径が大きなノズルに比べて吐出不良となりやすい傾向にある。例えば、塵や増粘インクが吐出口付近に付着することによって、インクの吐出量が変化したり、ひどい場合は不吐出となってしまう。また、微細なノズルを高集積で配列することによって、電気・熱変換体(ヒータ)を用いてインク中に気泡を生成してインクの吐出を行うバブルジェット(登録商標)方式におけるヒータの断線による不吐出、また、インク滴が吐出口面に付着して吐出口を覆うことによって発生する不吐出などが発生する可能性がある。したがって、このようなノズルの吐出不良に起因して記録が不安定となり、結果として記録画像を劣化させてしまう場合もある。
特にシリアル方式のプリンタにおいては、記録ヘッドをスキャンさせて記録をおこなっているので、不吐出ノズルがあると、スキャン方向に沿って記録が行われないラインが発生し、記録画像中に白スジとして現れる。この白スジは記録画像を大きく劣化させる一因となっている。
この様な問題は、記録のスループットを高めようとして、ノズル数を数百、数千と増やした場合、それに比例して異常ノズルが発生する確率も増加してしまい、さらに無欠陥の画像を得ることが困難となる。
このような場合の対応方法として、様々な不良記録素子の検出方法や、その結果に応じての回復方法あるいは記録方法などが既に数多く提案されている(例えば、特許文献1〜6参照)。
特許文献1では、主に1パス記録で、不良チャンネルの画像データを正常チャンネルで記録する方法を開示している。キャリッジが右方向へ記録するときは正常の記録を行い、キャリッジが左方向へ移動する時は、不良記録素子により記録できなかった画素を他の正常な記録素子で記録する代行記録のために1画素の整数倍分だけの紙送りを行ったのち、不良チャネル部分を正常チャンネルで補正する方法を開示している。
また、特許文献3では、補正記録する側の補正ノズルの寿命を考慮し、補正ノズルの使用頻度をカウントし、総使用頻度が所定値に達した場合には補正ノズルを逐次切り替える方法を開示している。本方法も特許文献1に記載の発明と同様に、代行記録を行うと実質2パス記録となる。
また、特許文献2では、ノズル数の約数であるmで割ったn/m個の記録素子を通常の記録走査に用いる第1記録素子とし、別のn(m−1)/m個の記録素子を通常の記録走査には用いない第2記録素子として設定し、第1記録素子が不良である場合のみ第2記録素子を代替記録素子として記録動作させる構成が開示されている。ここでは、基本的に同一画像領域に対し、m回の記録走査と紙送りで画像完成させているマルチパス記録を前提としている。
また、特許文献4では、1つのノズルの欠落データを完全に他のノズルで置き換える方法を開示している。記録前に標準のマスクを得た後に、不良ノズルを特定し、その位置によって代替の交換ノズルを選択する。その後、不良ノズルのマスクから記録データを削除し、その記録データを交換ノズルのマスクに追加する方法をとっている。この提案は特許文献2と同様にマルチパス記録を前提としている。
また、特許文献5ではマルチパス印字の場合、1ラスタの記録はNパスならN回の記録走査でN個のノズルを用いて完成させるのだが、N個のノズルの内1または複数ノズルが不吐出ノズルであっても他のN―1個のノズルを使用し、補正する方法が考えられている。他の正常なノズルを用いて補正し、不吐ノズルが記録すべきピクセルが空白ドットにならないようにする方法が考えられている。
また、特許文献6では、記録走査方向に不良記録素子と並列する記録素子で補正する方法を開示している。ここでは、ブラックの不良記録素子を、シアン、マゼンタ、イエローの記録素子で補正している。
特開昭61−123545号公報 特開平11-988号公報 特開平11−77986号公報 特開平10−258526号公報 特開2000−94662号公報 特開2001−63008号公報
上記補正方法を用いることで、不吐出による画像の劣化は改善することができる。
しかし、不吐出ノズルを他の正常なノズルを用いて補正記録を行った場合、補正に用いたノズルの耐久寿命が少なくとも補正に用いられた回数分だけは短縮されてしまう。そして、補正に多く用いられたノズルほど、他の補正に用いられないノズルと比較して早い段階で寿命を迎え、吐出ヨレ、不整吐出、または不吐出を引き起こすこととなる。
つまり、不吐出による画像の劣化を防止するという観点からは、他の正常なノズルで欠落部分の補正を行う必要があるが、逆に補正に使用する正常ノズルの寿命の観点からは、できるかぎり補正記録を行うべきではないと言える。
また、不吐出ノズルによる画像の欠落部分は、発生する位置や量によっても目立ち方が異なる。例えば、形成された画像全体でほんの1箇所だけに1ノズル分の白スジが発生していたとしても、その欠落部分はあまり目立たない。特に、微細なノズルからの小径ドットで画像が形成されている場合は、ほとんど目立たない。一方、比較的狭い領域に2,3本の白スジが集中して発生していると、遠目にはそれらが1本の太い白スジとなって見えて目立ってしまう場合もある。しかしながら、これらの画像欠落部分が従来は一律に補正されていたので、本来ならば補正をしなくても肉眼での画質劣化として認識されないような箇所まで補正しており、無駄に正常なノズルの寿命を縮めることとなっている可能性もある。
この問題はインクジェット記録装置に限らず、複数の記録素子を用いて記録を行う他の記録装置に対しても言えることである。各記録素子が記録する1記録領域が微細になればなるほど、その不良記録素子の記録の欠落箇所は、単独であれば、画像全体としては目立ちにくくなる一方で、複数の記録欠落が集中して発生している領域に関しては、その記録の欠落が目立ち、それが画像全体の画質に大きく影響するものとなる。
本発明は以上の問題を鑑みて考案したもので、不吐出ノズルなど不良記録素子が複数存在する場合、その不良記録素子が本来記録すべき画素全てを補正対象とするのではなく、他の正常な記録素子の寿命との相互関係で効率よく補正できるように、記録ヘッドにおける不良記録素子の位置関係や記録媒体やインクなどの各種条件に基づいて、補正対象とする不良記録素子を選択する選択方法および、選択された不良記録素子の記録データを補完する補正方法を備えた記録方法および該方法を用いた記録装置を提供する。
上記課題を解決するための本発明による記録装置は複数の記録素子を有する記録ヘッドを用いて記録媒体に対し記録を行う記録装置であって、前記複数の記録素子の中に不良記録素子が複数存在する場合、該複数の不良記録素子それぞれの相対的な位置関係に基づいて、前記不良記録素子間の距離を算出する算出手段と、前記算出手段が算出した前記不良記録素子間の距離と予め設定されている設定値との大小を比較する比較手段と、前記比較手段において設定値以下と判定された不良記録素子を補正対象として選択する選択手段と、前記選択手段において選択された不良記録素子が本来記録すべき記録領域を正常な記録素子が代わって記録するよう記録データを補正する補正データ作成手段と、前記補正データ作成手段によって作成された補正データに基づいて記録する記録手段とを具えることを特徴とする。
また、前記設定値は、記録媒体の種類、記録に用いるインク、インクの吐出量、記録媒体の同一領域を記録ヘッドが走査する回数、およびそれらの組み合わせに応じて、適宜設定されるものであってもよい。
また、記録素子は配列順に素子番号が割り当てられ、前記選択手段は、前記設定値以下と判定された不良記録素子の組み合わせのうち、素子番号が小さい方、または大きい方といったようにいずれか一方を補正対象として選択するものであってもよい。
また、選択は、前記設定値以下と判定された不良記録素子の組すべてに対して、各組を構成する2つの不良記録素子のいずれか一方を補正対象として選択するものであってもよい。
また、本発明の記録方法は、複数の記録素子を有する記録ヘッドを用いて記録媒体に対し記録を行う記録装置を用いた記録方法であって、前記複数の記録素子の中に不良記録素子が複数存在する場合、該複数の不良記録素子それぞれの相対的な位置関係に基づいて、前記不良記録素子間の距離を算出する算出工程と、前記算出工程にて算出された前記不良記録素子間の距離と予め設定されている設定値との大小を比較する比較工程と、前記比較工程にて設定値以下と判定された不良記録素子を補正対象として選択する選択工程と、前記選択工程にて選択された不良記録素子が本来記録すべき記録領域を正常な記録素子が変わって記録するよう記録データを補正する補正データ作成工程と、前記補正データ作成工程にて作成された補正データに基づいて記録する記録工程とを具えることを特徴とする。
本発明は、インクジェット記録装置に適用可能であり、該インクジェット記録装置においては、不良記録素子は、インク不吐出のノズルである。
以上の構成によれば、不良記録素子が複数存在する場合、その複数の不良記録素子が本来記録すべき画素の全てを補正対象とするのではなく、記録ヘッドにおける不良記録素子の位置関係や記録媒体、インクなどの各種条件に基づいて、補正対象とする不良記録阻止を選択し、選択された不良記録素子が本来記録すべき画素に対してのみ、他の正常な記録素子で記録するような補正を行うことで、無駄に正常な記録素子の寿命を縮めることなく、記録ヘッドの耐久性を極力損なわずに高画質の記録を行うことが可能となる。
本発明の実施形態は、記録装置において、不良記録素子による記録の欠落部分を他の正常な記録素子で補完する上で、全ての不良記録素子に対して補完をするのではなく、記録の欠落が目立つ箇所に該当する不良記録素子を選択し、その選択された不良記録素子分に対して正常な記録素子による補正処理を施す。したがって、全ての不良記録素子分の記録データを補完するわけではなく、記録の欠落が目立つ箇所に対してのみ記録データを補完するので、この補正処理に使用される正常記録素子の数を抑えることになる。
本発明の最良の実施形態として、インクジェット記録装置をあげ、以下に説明するが、本発明はこれに限らず、複数の記録素子を用いて記録を行う記録装置に適用可能なものである。
本発明の最良の実施形態について、以下に図面を参照して説明する。
(装置概要)
図1は、本発明の実施形態であるインクジェット記録装置の記録部分を示す模式図である。
1は紙またはプラスチックシート等からなる記録シートであって、不図示のカセット等に複数枚積層された状態で収納されており,その積層されたシート束の最上位または最下位記録シート1の一面に接する給紙ローラ(不図示)が回転することによってカセットから記録シートが一枚ずつ供給され、一定間隔を隔ててプラテンに配置される。そして、プラテンに配置された記録シート1は、それぞれ個々のステッピングモータ(不図示)によって駆動する一対の第1搬送ローラ3及び一対の第2搬送ローラ4によって矢印A方向(以下「副走査方向」ともいう)に搬送される。
6は前記副走査方向Aと直交する主走査方向に保持された水平なガイドシャフト9に沿って直線往復動可能に設けられたキャリッジである。このキャリッジ6はべルト7及びプーリ8a,8bを介してキャリッジモータ23に連動しており、前記キャリッジモータ23を駆動することにより、前記ガイドシャフト9に沿って往復動を行なう。キャリッジ6には記録ヘッド5が搭載されている。記録ヘッド5は、複数のノズルからなるノズル面が記録媒体1と対峙するように設置されている。
上記構成を有する記録部において、記録ヘッド5は、キャリッジの移動に伴って矢印B方向(以下、「主走査方向」ともいう)に移動しながら記録信号に応じてインクを記録シート1に吐出し、副走査方向において記録ヘッドのノズル数の配設幅に対応する1走査記録領域に記録を行う。そして、必要に応じて記録ヘッド5はホームポジションに戻り、回復装置によってノズルの目詰まりを解消する。また、記録ヘッド5が記録媒体上を一走査すると、一対の搬送ローラ3,4の駆動によって記録シート1を矢印A方向へ前記1走査記録領域分搬送する。このように、記録ヘッド5の記録走査と搬送ローラ3,4による所定量の記録媒体の搬送とが交互に繰り返されることによって、記録媒体全体に画像が形成される。
また、主走査方向において、記録シート1を挟んで両側には、予備吐出を行うための不図示の予備吐口が設置され、各走査スキャンにおいて、往復どちらの方向から記録を行う場合でも予備吐出をおこなうことができる。
図2は、インクジェット記録装置のインク供給系を示す模式図である。
インクは、メインのインクタンク201からチューブ207とジョイント208を経由して、キャリッジ6上のサブのインクタンク202に補給されてから、記録ヘッド9に供給される。メインのインクタンク201において、201Y,201M,201C,201Bは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックのインクの収容部である。記録ヘッド9は、キャリッジ2と共に、シャフト10に沿って主走査方向に移動する。203はバッファ室である。208はピン残検回路である。
回復装置は、キャップ部分に記録に関与しないインク吐出を行う予備吐出や、ノズル面をキャッピングして吸引ポンプなどによって吸引する吸引処理などを行う。また、記録走査時にノズルワイパー上に記録ヘッドを走査させることによってノズル面をぬぐうワイピングなどもある。
図3はインクジェット記録装置のワイパーの外観を示す模式図である。
図4は記録ヘッドの外観を示す模式図である。
図5は、図4のV−V線での断面図である。
黒のノズルワイパー20(図3参照)の幅は、図4の黒の記録ヘッドの、ノズル面15が形成されたプレート(以下「チップ」ともいう)の幅Fよりも狭く作成されている。そして、図5に示すように黒およびカラーのノズル面15は、記録ヘッドのTAB面30よりも若干内側へ引っ込んでいる。このノズル面のくぼみ部分にワイパーそれぞれが入りこんで払拭する。なお、ノズル面がTAB面30よりも内側に引っ込んでいるのは、記録媒体との接触を回避するためである。同様にカラー用のノズルワイパー21は、カラー用のプレートが3色分並んだ幅以下の幅とした。さらに、黒用のノズルワイパー20とカラー用のノズルワイパー21と平行に設けられ、両者の合計よりも長いワイパー22はTAB面30を払拭するためのものである。
図3のワイパーは、不図示のワイパーホルダーに、同じく不図示のワイパー固定金具を用いて取り付けられており、ワイパーの位置あわせはワイパー20,21,22に開けられた孔、およびワイパーホルダーに設けられたピンとの勘合によって行われる。ワイパー20,21,22は、図3および図4中に示した矢印C方向に向け、パージモーター113によって駆動され、ノズル面(オリフィス)およびTAB面を払拭する。ワイピング動作が終了するとキャリッジをワイピング領域の外に退避し、ワイパーを逆方向に駆動しワイピングを開始するポジションに戻す。
図4に見られるように、黒ヘッドでは1cmあたり約245ノズルの密度で640ノズルが配列されており、カラーヘッドでは各色とも1cmあたり約490ノズルの密度で1280ノズルが配列されている。
図5に示すように、メインタンクから供給されたインクはインク供給口23から矢印Dの方向に進行し、各記録ヘッド内のフィルター25よりも手前に設けられたインク液室24に導かれる。その後、図中の矢印Eの方向に進み、フィルター25によって混入したゴミ等がろ過された上で、フィルターよりもノズル面よりに設けられたインク液室26に導かれ、オリフィスプレート下面に形成されたインクを吐出する各ノズルへと導かれる。
図6および図7は、図4に示した記録ヘッドのノズル部分の拡大図を示した。
図5に示すインク液室26は、インクを通す開口部32を有するオリフィスプレート31(図7参照)と、液室形成部材34とヒーター33を搭載したヒーターボードにより形成されている。この部分に貯留されたインクはヒーター33の加熱により気泡を生成し気泡の膨張に伴ってオリフィスプレートから押し出され、空気との界面張力によって球状の液滴となり記録媒体に向かって飛翔する。
次にこのような機構のインクジェット記録装置の電気的構成について説明する。
図8はインクジェット記録装置の電気的構成を示すブロック図である。
302はCPUであり、マイクロプロセッサ等で構成されている。304はメモリであり、CPU302によって実行される制御プログラムや各種データを格納しているROM、及びCPU302のワークエリアとして使用されると共に記録画像データなどの各種データの一時記憶等を行うRAM等によって構成されている。305は入出力部であり、ホストコンピュータ301からの記録データを入力し、またホストコンピュータ側へインクジェット記録装置の状態を出力する。
306は記録ヘッド駆動用ドライバであり、CPU302からの駆動指令に従い、記録ヘッドの駆動を制御する。307はモータ駆動用ドライバであり、キャリッジモータ、給紙モータ、搬送ローラ駆動モータなど、各種駆動部のモータの駆動をCPU302からの駆動指令に従い制御する。このほかに吸引ポンプなどの回復機構を駆動させる回復機構用ドライバ308などが設けられていてもよい。
CPU302は入出力部305を介してホストコンピュータ301からの各種情報(例えば文字ピッチ、文字種類等)に従って、メモリに格納された制御プログラムを起動し、各駆動部を駆動させる。
このようなインクジェット記録装置において、不吐出ノズルの検出は、テストパターンを定期的に記録することなどによって検知される。テストパターンの形式は特に限定しないが、例えば、1ノズルごとに所定長さの線を記録し、全体として階段状の線となるテストパターンなどが不吐出ノズルの検知用として従来より用いられている。検知された不吐出ノズルはROM等に格納され、記録データをノズルごとの吐出データに展開する際に参照される。
(補正記録方法)
次に、不吐出ノズル分の記録データを補完する補正記録方法について説明する。この補正記録方法は、以下の実施例に示す方法で選択された補正対象の不吐出ノズルが本来記録するはずの画素に対して他の正常なノズルで行う方法である。
補正記録は1パス記録の場合とマルチパス記録の場合で、補正方法が異なる。
まず、マルチパス記録時の補正記録方法について説明する。
図9はマルチパスの記録方法を説明するための模式図である。
この図では4パス記録の場合を例としている。説明を簡単にするために、記録ヘッド5は16ノズルで構成されるものとした。
4パス記録の場合、記録ヘッド5のノズルを4ノズルごとの4ブロックに分割する。そして、記録時は、主走査方向に記録走査を行った後の、紙送り量は副走査方向に4ノズル分とする。1ブロックでの記録領域101は縦4×横24(画素)の領域となる。
ブロックを下から順に、A、B、C、Dとすると、記録領域101に記録を行う場合には、Aから順にB,C,Dのブロックで、4回の記録走査をおこなうことで画像を完成させる。
ここで、記録領域101の中の斜線で表示した領域(1ラスタ分)に注目すると、この1ラスタの領域の画像を完成するには、まず1回目の記録走査で記録ヘッドが主走査方向に走査し、AブロックのN16ノズルが所定の画素に記録を行う。次に、主走査方向と直交する副走査方向に4ノズル分紙送りを行い、記録走査し、BブロックのノズルN12で記録をおこなう。次に、紙送り後にCブロックのノズルN8を用いて同様に記録し、最後にDブロックのノズルN4で記録し、所定の画素への記録を完了させる。つまり4パス印字の場合、1ラスタの記録領域はN4,N8,N12,N16の4ノズルを用いて記録をおこなうことになる。
記録領域101の斜線で表示したラスタを横方向をL1からL24というように指数を割り振り、画素を指定する。その斜線表示部分を取り出したものが図10である。
図10(a)は全ノズルが正常な場合の各走査の記録結果である。
同図に示すように、第1記録走査でノズルN16がLN+1(N=0,1,2,…)の画素を記録し、第2記録走査でノズルN12がノズルLN+2の画素を、第3記録走査でノズルN8がLN+3を、第4記録走査でノズルN4がLN+4を記録するような記録方法を行うと、L1からL24全ての画素にドットを記録する場合、4回の記録走査で記録が完成される。
図10(b)は、N16が不吐出ノズルであった場合の各走査の記録結果である。
ここで、ノズルN16が不吐出ノズルであるので、LN+1の画素が記録されず空白となる。したがって、4パス終了後の記録結果は、LN+1の画素だけが点々と欠落したものとなる。しかし、1本のライン上で点々と欠落しているので、肉眼で見ると、ドットの大きさやパス数などによっては1本の線で欠落しているように見える。つまり、白スジとなる。
この白スジを防止するために、他の正常なノズルを使用して補正する原理について説明する。図10(C)に示すように、本来ノズルN16がおこなう予定であった記録を第2記録走査でノズルN12が、LN+1とLN+2の画素二つに連続してドットを打ち込むことによって、ドットの欠落をなくす。以下、第3、第4記録走査は正常な場合と同様に行う。このように補正をおこなうことで、データに対して1対1の完全な記録をおこなうことが可能となる。なお、この場合はノズルN12を用いて補正を行ったが、ノズルN4,N8を用いて補正を行っても良い。更に、ノズルN4,N8,N12にデータを分割して3ノズルを用いて補正をおこなうのも良い。
本例は4パス記録の場合を例としたが、他のマルチパス記録の場合も、同様に同じラスタの記録を担当する複数の正常なノズルに不吐出ノズルのデータを割り振り、補正を行うようにすればよい。
次に1パス記録時の補正記録方法について説明する。
1パス記録では、1ラスタの記録を担当するノズルは1ノズルのみとなり、マルチパス記録のように同じラスタを記録する他のノズルにデータを割り振り、補正記録を行わせることはできない。そこで、1パス記録の補正は、不吐出ノズルのデータを隣接する上下のノズルに割り振り、隣接ノズルに補正記録を行わせる。
図11(a)に示すように、正常なノズルN14、N16にはさまれたノズルN15が不吐出ノズルである。
記録領域にノズルN14、N15、N16のノズルが記録するデータがある場合、不吐出ノズルであるノズルN15のデータを図11(b)のようにカラム毎に上下の隣接ノズルに割り振る。ただし、既に割り振り先にデータが存在する場合には割り振らない。また、ノズルN15に対応するラスタデータは、不良ノズルであるためマスクし、補正後はヌルデータとする。 この場合、隣接上下2ノズルにデータを割り振ったが、上下のどちらか一方に割り振るのでもよい。
このように、不吐出ノズルのデータを隣接ノズルに割り振り、記録を行わせることで補正を行う。この場合、不吐出ノズルが記録すべき画素に対しては記録は行われず、それに隣接するラスタに代替で記録が行われるため、完全に画像の欠落部分が補正されるわけではない。しかしながら、不吐出ノズルによって1ラスタ分のデータが完全に消えてしまう場合と比較すると、周囲のラスタに記録を行うことで、白スジは大幅に緩和され、画質を向上させることができる。
本発明では、全ての不吐出ノズルに対応してこのような補正処理を実行するのではなく、選択された一部の不吐出ノズルに対してのみ補正処理を実行する。したがって、以下に補正処理を実行する不吐出ノズルの選択方法について説明する。
(第1実施例)
本実施例では、記録ヘッドにおける不吐出ノズルの位置関係によって、補正対象とする不吐ノズルを選択する選択方法を説明する。
最初に記録ヘッド5における不吐出ノズルの位置と白スジの見え方について説明する。 図12は不吐出によって画像に現れる白スジを説明するための模式図である。
記録ヘッドに不吐出ノズルが存在する場合、不吐出ノズルが記録すべきラスタに対して記録が行われないため、図12に示すように主走査方向に向かって画像に白スジが発生する。
図12に示したのは、1パス記録で不吐出ノズルが1ノズルのみの場合についてであるが、不吐出ノズルが複数ノズル存在する場合、記録ヘッドにおける不吐出ノズル同士の位置関係によって画像に表れる白スジの見え方は変化する。
不吐出ノズルが2ノズルある記録ヘッドの場合を例にとって説明する。
図13(a)は、不吐出ノズル両者の間隔が広い場合であり、同図(b)は、不吐出ノズル両者の間隔が近い場合である。
不吐出ノズル両者の間隔が近い場合は、広い場合と比較して、2本の白スジが互いに近づいているので、人の目には1本の白スジとして強調されて見える。つまり2本の白スジが接近した場合の方がより明確な白スジとして認識でき、この白スジは画像上目立つものになる。
このような白スジ同士の強調作用によって、例えば1本の白スジが単独で存在するだけでは、視覚的に白スジとして認識できず、画質として問題ない場合でも、2本の白スジが近接して存在する場合には明確な白スジとして認識できるようになり、画質を大きく劣化させるといったことが起こってくる。
以上のような記録ヘッドの位置関係に起因する視覚的な白スジの変化に対応するために、本実施例では、不吐出ノズルの位置情報から補正対象とする不吐出ノズルを選択する。そして、選択した補正対象不吐ノズルに対して補正記録を行うようにする。
補正対象とする不吐出ノズルの選択方法について説明する。
不吐出ノズルが複数存在する場合、画質に影響を与える不吐出ノズルに対してのみ補正を行うために、記録ヘッド内における不吐出ノズルの位置情報をもとに次の方法で補正対象とする不吐出ノズルの選択を行う。なお、不吐出ノズルは上述したように、あらかじめ不吐出ノズル検知パターンの記録などによって検知されており、ROM等に格納された不吐出ノズルのリストを呼び出して、以下の選択方法によって画質に影響を与えると判断されたもののみを選択されるものとする。
本実施例の記録ヘッド5内は、シアン、マゼンタ、イエローはそれぞれ1280ノズル、黒は640ノズルが構成されている。
図14に示されるように、カラーはN0番からN1279番まで、各ノズルに対して番号が割り当てられている。黒はN0番からN639番まで、番号が割り当てられている。黒のノズル配列はカラーと同じであるため、ここでは図示を省略する。
ここで、2つの不吐出ノズルが存在する場合、ある程度の距離不吐出ノズル同士が離れていれば画像に白スジが認識できない、あるいは気にならない程度であるノズル間隔(距離)をノズル間隔設定値と定義し、以下の説明をおこなう。
ノズル間隔設定値が30ノズル(約635μm)である場合を例にとって説明する。
図15はノズル番号N100、N120、N200、N500、N510、N700、N1100のノズルが不吐出の記録ヘッドで記録ヘッド幅分の記録領域101に対する記録を1回の記録走査において行う1パス記録を行った場合を模式的に示す図である。
図からわかるように、画像上で示す位置に、白スジが発生する。図15は、記録領域101の全ての画素に対して記録を行った場合について示している。この場合、画質に影響を与えるのは、不吐出ノズル同士がノズル間隔で30ノズル以内に接近している場合であり、30ノズル以上離れている場合は画像に白スジは現れない。つまり、ノズル間隔が30ノズル以内の不吐出ノズルに対して補正記録を行えば、画質的に問題ない記録物が得られるのである。
そこで、ノズル番号から不吐出ノズル間の距離を算出し、各不吐出ノズル間の距離から補正対象の不吐出ノズルを選出する。各不吐ノズル同士のノズル間隔はN100とN120では、20ノズル間隔(約423μm)というように簡単に計算できる。このように複数不吐出ノズルが記録ヘッドに存在する場合には、各不吐出ノズル間の距離を全て算出する。
但し、複数回の記録走査で全体の画像を完成させる場合、1パス目での最後の不吐出ノズルから2パス目の最初の不吐出ノズルまでのノズル間距離を求めるには注意が必要である。
図16に示すように1回の記録走査で、1バンド分の記録走査を行った後、副走査方向に1バンド分紙送りを行い、次の記録走査でまた1バンド分記録を行うといった手順で画像を完成させる場合には、画像上記録ヘッドの最上端ノズルで記録されたラスタと最下端で記録されたラスタが隣り合うことになる。そのため、不吐出ノズルの内、ノズル番号の最小のものと最大のもののノズル間隔も副走査方向への紙送りを考慮に入れて次のように計算する。本例では、それがN100とN1100にあたり、図16に示すように紙送りを考慮に入れると100と180の和である280がN100とN1100の不吐出ノズルの組み合わせのノズル間隔となる。
次に、算出されたノズル間隔から補正対象とする不吐出ノズルを選択する。画質に影響を与えるのはノズル間隔30以下の不吐出ノズルの組み合わせであり、この場合、ノズル間隔30以下の組み合わせは、N100とN120の組み合わせとN500とN510の組み合わせの2組である。補正対象とする不吐出ノズルはノズル間隔30以下の不吐出ノズルの組み合わせのうち、ノズル番号の小さい不吐出ノズルを選択する。この場合、選択されるのは、N100とN500である。
以上のように、記録ヘッド内における不吐出ノズルの位置情報をもとにして、補正対象の不吐出ノズルを選択する。
選択された補正対象の不吐出ノズルが記録すべき画素に対しては、先の補正記録方法の1パス記録の場合で説明した方法で、不吐出ノズルに隣接する他の正常なノズルで補正記録を行う。補正対象不吐出ノズルの画素に対してのみ補正記録を行うことで、図17のように補正対象の不吐出ノズルによる白スジは消え、画質に影響を与えるノズル間隔設定値30以下の不吐出の組み合わせはなくなり、問題のない画質を得ることができる。さらに、補正対象の不吐出ノズルを選択することで、不吐出ノズルに対応して補正記録を行う正常ノズルの個数を抑えることができる。
また、本実施例では、記録領域に対する記録を1回の記録走査で完成させる1パス記録の場合を例としているが、複数回の記録走査で記録を完成させるマルチパス記録においても、記録ヘッド5における不吐出ノズルの位置情報から次のようにして補正対象ノズルを選択すればよい。
2パス記録の場合を例にして説明する。2パス記録では、第1記録走査でノズル番号N640〜N1279のノズルを用い、記録画素の50%が記録される。次に副走査方向に640画素(1200dpi)分紙送りが行われ、第2記録走査でノズル番号N0〜N639のノズルを用い、記録画素の残り50%を記録し、2回の記録走査で画像を完成させる。
図18は、第1記録走査と第2記録走査の、記録ヘッドと記録領域の位置関係を示す模式図である。ノズル番号N100、N120、N200、N500、N510、N700、N1100のノズルが不吐出の場合には、図18に示す位置に各不吐出ノズルによる白スジが現れる。
なお、白スジとなっているラスタは実際には1画素おきにドットが点々と欠落しているものであるが、肉眼では1本の白スジと認識されてしまうものである。
そこで、紙送りによる記録ヘッド5と記録領域101の位置関係を考慮に入れ、図19に示すように、N640〜N1279までの番号の不吐出ノズルに対しては紙送り量に対応する640をマイナスし、N0〜N639までの不吐出ノズルとの論理和をとったものでノズル間隔の算出を行う。この場合、ノズル番号N700はノズル番号N60、ノズル番号N1100はノズル番号N460に変換する。そして、ノズル番号N60、N100、N120、N200、N460、N500、N510が不吐出ノズルで総ノズル数が640ノズルとして、各不吐出ノズル間のノズル間隔を算出する。
これ以後は1パス記録の場合と同様に算出した不吐出ノズル間のノズル間隔から設定ノズル間隔以下の不吐出ノズルの組み合わせを探し出し、組み合わせのうち、ノズル番号の小さい不吐出ノズルを補正対象不吐出ノズルとする。
以上が2パス記録時の補正対象ノズルの選択方法である。他のマルチパス記録の場合も紙送りによる記録ヘッド5と記録領域101の位置関係を考慮に入れて同様の方法で補正対象ノズルを選択するようにすればよい。
また、本実施例では、ノズル間隔設定値30以下の不吐出ノズルの組み合わせのうち、ノズル番号の小さい不吐出ノズルを選択したが、ノズル番号が大きい方の不吐出ノズルを選択するようにしてもよい。
または、選択する際に周囲の不吐出ノズルとの位置関係から、例えばノズル番号N500とN510の組み合わせの場合には、ノズル番号N500とのもう一方の組み合わせであるノズル番号N200とのノズル間隔(ノズル間隔300)とノズルN番号510とのもう一方の組み合わせであるN700とのノズル間隔(ノズル間隔190)とを比較し、より近い間隔であるノズル番号N510を選択するというように周囲の不吐出ノズルの位置情報によって選択するようにしてもよい。
また、本実施例では、ノズル間隔30以下の場合で説明しているが、ノズル間隔設定値は30ノズルに限らず、条件によって任意に設定してもよいのはもちろんである。
また、本実施例では、不吐出ノズル間の距離をノズル番号から計算しているが、距離を求めるのに特にノズル番号を用いる必要はなく、他の方法を用いて不吐出ノズル間の距離を算出するようにしてもよい。
(第2実施例)
本実施例では、ノズル間隔設定値以下の不吐出ノズルの組み合わせが複数存在する場合、どの不吐出ノズルから補正対象ノズルに選択していくかの順序について説明する。
1パス記録、ノズル間隔設定値が30で、記録ヘッド5にノズル番号N100、N120、N200、N500、N510、N700、N1100のノズルが不吐出である場合を例にして説明する。
図20(a)に示すように、各不吐出ノズル間のノズル間隔はノズル番号から計算でき、そのうちノズル間隔設定値30以下の不吐出ノズルの組み合わせはノズル番号N100とN120、ノズル番号N500とN510の2組である。このように、ノズル間隔設定値以下の組み合わせが複数存在する場合には、まず最もノズル間隔の狭い組み合わせの中から補正対象ノズルを選択するようにする。
この場合、ノズル番号N100とN120の組み合わせはノズル間隔が20、ノズル番号N500とN510の組み合わせは10であり、ノズル番号N500とN510の組み合わせの方が、ノズル間隔が狭い。よって、まずノズル番号N500とN510の組み合わせからノズル番号の小さい番号であるノズル番号N500を補正対象ノズルとして選択する。
次に、補正対象ノズルを選択後に、選択された不吐出ノズルを除いて、選択されなかった残りの不吐出ノズル間のノズル間隔を再度計算する。本例の場合選択されたノズル番号N500の不吐出ノズルを除いて計算すると、図20(b)のようになる。
ここからは先程と同様に、計算から求めたノズル間隔からノズル間隔設定値30以下の不吐出ノズルの組み合わせを探し出す。ノズル間隔設定値30以下の組み合わせはノズル番号N100とN120の1組であり、1組の場合には、この中から補正対象ノズルを選択するようにする。この場合、ノズル番号の小さい番号であるノズル番号N100を補正対象ノズルとして選択する。
次に先程と同様に、選択された補正対象ノズルを除き、選択されなかった残りの不吐出ノズル間のノズル間隔を再度計算し、ノズル間隔設定値30以下の不吐出ノズルの組み合わせを探し出す。この場合、図20(c)に示すように、ノズル間隔設定値30以下の不吐出の組み合わせは存在しない。この時点で、補正対象ノズルの選択を終了する。
以上のように、1つの補正対象ノズルを選択後に、選択されたノズルを除いて、再度ノズル間隔を計算し、補正対象ノズルを順次選択を行うようにする。
ノズル間隔設定値30以下の不吐出ノズルの組み合わせのうち、ノズル番号の小さい不吐出ノズルを選択したが、ノズル番号が大きい方の不吐出ノズルを選択するようにしてもよい。
または、選択する際に周囲の不吐出ノズルとの位置関係から、例えばノズル番号N500とN510の組み合わせの場合には、ノズル番号500とのもう一方の組み合わせであるノズル番号N200とのノズル間隔(ノズル間隔300)とノズル番号N510とのもう一方の組み合わせであるN700とのノズル間隔(ノズル間隔190)とを比較し、より近い間隔であるノズル番号N510を選択するというように周囲の不吐出ノズルの位置情報によって選択するようにしてもよい。
(第3実施例)
ノズル間隔設定値は一定ではなく、記録媒体の種類やインクの種類によって、変更できるような構成とすることで、さらに効果的な補正記録を実施することができる。本実施例では、記録媒体の種類に応じて、ノズル間隔設定値を変える方法を説明する。
不吐出による白スジの見え方は記録媒体の種類によって大きく左右される。例えば、着弾したインク滴が周囲に拡がり易い記録媒体、つまりにじみ易い記録媒体では、ドット欠落の画素の周囲の画素に打ち込まれたインクがにじんで、ドット欠落の画素にまで広がるので、結果として欠落している部分の面積が小さくなるため、視覚的に白スジは目立ちにくい。一方、にじみにくい記録媒体では、着弾したインク滴があまり広がらないために、ドットが欠落している白スジ部分がより明確に見えるようになる。また、記録自体の色、光沢度等によっても白スジの見え方は影響される。
第1実施例及び第2実施例では、不吐出ノズルを選択する際に、ノズル間隔が記録媒体の種類に関係なく、所定値以下である不吐出ノズルの組み合わせを算出し、どちらか一方の不吐出ノズルを補正対象として選択するとしている。
本実施例では、記録媒体の種類によって、不吐出ノズルの組み合わせを算出する際に用いるノズル間隔の値を変更する。
図21は、A(普通紙)、B(コート紙)、C(光沢紙)、D(OHP)、E(はがき)、F(インクジェットはがき)の6種類の記録媒体(以下「メディア」ともいう)と計算に用いるノズル間隔の関係をまとめたものである。
表1で、Aのメディア(普通紙)の場合は、ノズル間隔設定値が30となっているので、不吐出ノズルの位置情報を基にノズル間隔30以下の不吐出ノズルの組み合わせを計算から求め、どちらか一方の不吐出ノズルを補正対象ノズルとして選択する。
Bのメディア(コート紙)の場合は、普通紙よりも若干白スジが目立ちやすいので、ノズル間隔設定値を45とする。そして、ノズル間隔45以下の不吐出ノズルの組み合わせを計算から求め、どちらか一方の不吐出ノズルを補正対象ノズルとして選択する。
Cのメディア(光沢紙)は、コート紙よりもさらに白スジが目立ちやすいので、ノズル間隔設定値を50とする。Dのメディア(OHPシート)は白スジが目立ちにくいので間隔設定値は20とする。このようにノズル間隔設定値が大きくなるほど、補正対象の不吐出ノズルが選択される可能性は高くなる。
使用するメディアに甥時手このようにノズル間隔設定値を変更して、不吐出ノズルを選択することによって、メディアが異なっても常に適切に補正対象の不吐出ノズルを選択することができる。
(第4実施例)
第3実施例では、記録対象の記録媒体(メディア)の種類によって、白スジの目立ち具合が異なることを述べた。白スジの目立ち具合は、インクの種類によっても異なる。例えば、同じ白スジでも、比較的明度が高いイエローのべた画像の中でのインクの欠落であれば、周囲のイエロードットによって白スジが目立ちにくい。一方、シアンのべた画像の中でのインクの欠落であれば、周囲のシアンドットと画像欠落部分とのコントラストがイエローに比べて大きくなり、結果として白スジが目立ちやすくなる。
また、インクの種類によってインクのにじみやすさが異なるため、同じ記録媒体に記録しても、にじみやすいインクの場合はにじみにくいインクに比べて白スジが目立ちにくい。逆に、にじみにくいインクでは逆に白スジがより明確に見えるようになる。
また、同じ色のインクであっても、そのインクの濃度に応じて白スジの目立ち具合が異なる。同じ条件で同色濃淡2種類のインクで記録した場合、濃度の高いインクの方が、白スジが目立って見えてしまう。
このような理由から、例えば、ある種類のインクでは、不吐出ノズル同士が30ノズル程度離れていれば、不吐出による白スジが画像において認識できない場合であっても、別の種類のインクで記録を行った場合では、不吐出ノズル同士が30ノズル離れていても白スジを認識することができ、画質的に許容できない場合が存在する。そこで、本実施例では、インクの種類によって変化する白スジの程度に対応するため、インクの種類によって、不吐出ノズルの組み合わせを算出する際に用いるノズル間隔の値を変更する。
図22は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4種類のインクのノズル間隔設定値を示す図である。4色の中でブラックが一番白スジが目立ちやすいので、ノズル間隔設定値にもっとも大きい値の50が設定されており、イエローが4色の中でもっとも白スジが目立ちにくいので、ノズル間隔設定値にもっとも小さい値の10が設定されている。
例えば、シアンインクの場合にはシアンのノズル列中の不吐出ノズルのうち、ノズル間の間隔が30ノズル間隔以内の組み合わせを探し出し、どちらか一方の不吐出ノズルを補正対象ノズルとして選択する。マゼンタインクの場合には、マゼンタノズル列中の不吐出ノズルの内、ノズル間の間隔が25ノズル以内のものの組み合わせを選択し、その組み合わせのノズル番号が若い方を補正対象の不吐出ノズルと決定する。
以上のようにインクの種類によって、ノズル間隔設定値を変更し、各インク毎に補正対象ノズルを選択することで、インクの種類に応じて最適な補正対象ノズルの選択を行うことができる。
本実施例では、インクの種類によって、ノズル間隔設定値を変更するとしたが、第3実施例の記録媒体(メディア)の場合と組み合わせてもよい。例えば、ノズル間隔設定値を普通紙でシアンインクの場合は30、光沢紙でシアンインクの場合は50というように、メディアとインク種類の組み合わせによってそれぞれ変更するようにしてもよい。
(第5実施例)
本実施例では、記録ヘッドの構造、駆動条件によってインク滴の吐出量が異なる場合における補正対象とする不吐出ノズルの選択方法について説明する。ここで選択方法の基本的な流れは第1実施例及び第2実施例と同じであり、吐出量によるノズル間隔設定値の変更について説明する。
記録ヘッドから吐出されるインク滴の量にも白スジの見え方は依存する。吐出量が多い場合には、不吐出によって記録されない画素の領域が大きくなるため、白スジがより明確に認識できるようになる。一方、吐出量が小さい場合は形成されるドットも小さいので、不吐出によって記録されない画素の領域も目立ちにくく、吐出量の多い場合に比較して白スジが目立ちにくい。
以上の理由から本実施例では、吐出するインク滴の量に応じて、不吐出ノズルの組み合わせを算出する際に用いるノズル間隔の値を変更する。
例えば、図23に示すように、吐出量が30plではノズル間隔設定値を50、8plでは30、4plでは20というように、吐出量が多いほど、より多くの不吐出ノズルを補正対象として選択するように設定し、この設定値を用いて補正対象ノズルの選択を行う。
また、本実施例では、吐出量の違いによって、ノズル間隔設定値を変更するとしたが、第3実施例、第4実施例で示したインクとメディアの組み合わせによって、それぞれ変更するようにしてもよい。
以上のように吐出量に応じて、ノズル間隔設定値を変更し、補正対象ノズルの選択を行うことで、最適な補正対象ノズルの選択を行うことができる。
(第6実施例)
本実施例では、記録を行うパス数が異なる場合における補正対象とする不吐ノズルの選択方法について説明する。選択方法の基本的な流れは第1実施例及び第2実施例と同じであり、記録パス数によるノズル間隔設定値の変更について説明する。
不吐出ノズルによる画像の白スジは、記録を行うパス数によって大きく異なる。例えば、1パス記録の場合には、1ラスタの記録領域に対して、1ノズルのみで記録データ全ての記録を行うために、不吐出ノズルが記録するラスタは完全に記録されない。つまり、1ラスタ分全ての画素でドットが欠落している状態となる。しかしながら、マルチパス記録の場合、1ラスタを2パス記録ならば2ノズルで記録し、4パス記録ならば4ノズルで記録するというように、複数のノズルにデータを分割して記録を行う。そのため、例えば2パス記録で1ラスタの記録領域に記録を行う2つのノズルの内、1ノズルが不吐出であったとしても、半分の記録データは記録されるため、1パス記録の場合と比較すると白スジは目立ちにくくなる。また、4パス記録では1ラスタの記録領域に記録を行う4つのノズルの内、1ノズルが不吐出であったとしても、3/4の記録データは記録されるので、さらにドットの欠落部分が目立ちにくくなる。このように記録パス数が多くなればなるほど白スジは目立ちにくくなる。
以上の理由から本実施例では、記録パス数に応じて、不吐出ノズルの組み合わせを算出する際に用いるノズル間隔の値を変更する。
例えば、図24に示すように記録パス数が異なる場合、1パス記録の場合にはノズル間隔設定値を50、2パス記録では30、4パス記録では20というように設定し、この設定値を用いて補正対象ノズルの選択を行う。
また、本実施例では、記録パス数の違いによって、ノズル間隔設定値を変更するとしたが、第3実施例、第4実施例で示したインクとメディア及び吐出量の組み合わせによって、それぞれ変更するようにしてもよい。
以上のように記録パス数に応じて、ノズル間隔設定値を変更し、補正対象ノズルの選択を行うことで、最適な補正対象ノズルの選択を行うことができる。
このように、第1実施例から第6実施例で説明した、補正対象不吐出ノズルの選択方法およびこれらの方法を組み合わせたものを用いることによって、複数ある不吐出ノズルのうち、記録画像上でこれら不吐出ノズルによるドットの欠落部分が比較的目立ちやすい位置に相当する不吐出ノズルのみを的確に選択することができる。したがって、補正記録は、ドットの欠落部分が目立ちやすいものに対してのみ行われるので、効率よく補正処理が実行できるとともに、正常なノズルの寿命をむやみに短くすることがない。
つまり、不吐出となったノズルが複数存在する場合、その全ての不吐出ノズルを補正対象とするのではなく、記録ヘッドにおける不吐出ノズルの位置関係によって、補正対象とする不吐出ノズルを選択し、選択された不吐出ノズルに対して補正を行うことで、記録ヘッドの耐久性を極力損なわずに高画質の記録を行うことが可能となる。
本発明の実施形態であるインクジェット記録装置の記録部分を示す模式斜視図である。 インクジェット記録装置におけるインク供給部分を示す模式図である。 ノズルワイパーを示す模式図である。 記録ヘッドを示す模式図である。 図4のV−V線断面の模式図である。 記録ヘッドの吐出口付近における液室形成部材とヒータとを示す模式図である。 オリフィスプレートとノズルに対応する開口部とを示す模式図である。 インクジェット記録装置の電気的構成を示すブロック図である。 4パス記録の流れを示す模式図である。 マルチパス記録における1ラスタの記録の流れを示し、(a)は全ノズルが正常な場合を示し、(b)はノズルN16が不吐出の場合を示し、(c)はノズルN16が不吐出の場合でノズルN12で補正した場合を示す図である。 (a)は1パス記録における不吐出ノズルN15と正常ノズルN14,N16の記録パターンを示す図であり、(b)は該記録パターンにおいて、不吐出ノズルN15分を正常ノズルN14及びN16で補正した場合の記録パターンを示す図である。 不吐出ノズル対応部分のドット欠落による白スジを示す図である。 (a)は2つの不吐出ノズルの間隔が広い場合の白スジを示す図であり、(b)は2つの不吐出ノズルの間隔が狭い場合の白スジを示す図である。 カラー用の記録ヘッドのノズル番号を示す図である。 1パス記録による白スジ発生の例を示す図である。 1パス記録で2バンド記録されたときの白スジ発生の例を示す図である。 補正対象の不吐出ノズル部分を補正した記録結果を示す図である。 2パス記録による白スジ発生の例を示す図である。 不吐出ノズルのノズル間隔を算出の様子を示す図である。 不吐出ノズルのノズル間隔が所定値よりも狭い組み合わせが複数ある場合を示し、(a)はN100とN120の組み合わせ及びN500とN510の組み合わせが30ノズル以下のノズル間隔であり、(b)は(a)のN500に対し補正した結果であり、(c)は(b)のN100に対し補正した結果を示す図である。 記録媒体(メディア)の種類とノズル間隔設定値との関係を示す図である。 インク種類とノズル間隔設定値との関係を示す図である。 吐出量とノズル間隔設定値との関係を示す図である。 1ラスタを形成するのに要するパス数とノズル間隔設定値との関係を示す図である。
符号の説明
1 記録シート(記録媒体)
3 第1搬送ローラ
4 第2搬送ローラ
5 記録ヘッド
6 キャリッジ
7 べルト
8 プーリ
9 ガイドシャフト
11 シアンオリフィスプレート
12 マゼンタオリフィスプレート
13 イエローオリフィスプレート
14 ブラックオリフィスプレート
15 ブラックチップ(ブラックノズル面)
16 シアンチップ(シアンノズル面)
17 マゼンタチップ(マゼンタノズル面)
18 イエローチップ(イエローノズル面)
20 ブラック用ノズルワイパー
21 カラー用ノズルワイパー
22 フェイス用ワイパー
23 インク供給口
24 インク液室
25 フィルター
26 フィルター下インク液室
30 TAB面
31 オリフィスプレート
32 ノズル
33 ヒーター
34 液室形成部材

Claims (21)

  1. 複数の記録素子を有する記録ヘッドを用いて記録媒体に対し記録を行う記録装置であって、
    前記複数の記録素子の中に不良記録素子が複数存在する場合、該複数の不良記録素子それぞれの相対的な位置関係に基づいて、前記不良記録素子間の距離を算出する算出手段と、
    前記算出手段が算出した前記不良記録素子間の距離と予め設定されている設定値との大小を比較する比較手段と、
    前記比較手段において設定値以下と判定された不良記録素子を補正対象として選択する選択手段と、
    前記選択手段において選択された不良記録素子が本来記録すべき記録領域を正常な記録素子が代わって記録するよう記録データを補正する補正データ作成手段と、
    前記補正データ作成手段によって作成された補正データに基づいて記録する記録手段とを具えることを特徴とする記録装置。
  2. 前記選択手段は、前記設定値以下と判定された不良記録素子の組み合わせのうち、いずれか一方の不良記録素子を補正対象として選択することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記複数の記録素子には、記録ヘッドの配列順に素子番号が割り当てられており、前記算出手段は、前記記録素子それぞれに割り当てられた素子番号から前記不良記録素子間の距離を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記選択手段は、前記設定値以下と判定された不良記録素子の組み合わせのうち、素子番号が小さい不良記録素子を補正対象として選択することを特徴とする請求項2または3に記載の記録装置。
  5. 前記選択手段は、前記設定値以下と判定された不良記録素子の組み合わせのうち、素子番号が大きい不良記録素子を補正対象として選択することを特徴とする請求項2または3に記載の記録装置。
  6. 前記選択手段は、前記設定値以下と判定された不良記録素子の組み合わせのうち、該組み合わせ以外の他の不良記録素子との距離が短いほうの不良記録素子を補正対象として選択することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の記録装置。
  7. 前記選択手段は、前記設定値以下と判定された不良記録素子の組み合わせが複数存在する場合、前記不良記録素子間の距離の値が最も小さい組み合わせの何れか一方の不良記録素子を補正対象として選択することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の記録装置。
  8. 前記選択手段は、補正対象の不良記録素子を選択した後、前記選択された補正対象の不良記録素子を除く残りの不良記録素子の中で再度補正対象とする不良記録素子を選択することを特徴とした請求項7記載の記録装置。
  9. 前記選択は、前記設定値以下と判定される不良記録素子の組み合わせがなくなるまで繰り返すことを特徴とした請求項7記載の記録装置。
  10. 前記記録ヘッドを前記記録素子の配列方向と異なる方向に走査し、該走査において前記各記録素子が前記記録媒体に対して記録を行う記録動作と、前記記録素子の配列方向に前記記録媒体と前記記録ヘッドを相対的に所定量だけ移動させる紙送り動作とを交互に繰り返すことによって画像を完成させる記録装置であって、
    前記紙送り動作において前記記録媒体と前記記録ヘッドの相対的な移動量は前記記録素子の配列幅に相当する1パス記録時において、
    前記補正手段は、前記補正対象に選択された不良記録素子に対応する記録領域を、前記補正対象に選択された不良記録素子に隣接する少なくとも1つの正常記録素子が代わって記録する補正データを作成することを特徴とした請求項1ないし9のいずれかに記載の記録装置。
  11. 前記記録ヘッドを前記記録素子の配列方向と異なる方向に走査し、該走査において前記各記録素子が前記記録媒体に対して記録を行う記録動作と、前記記録素子の配列方向に前記記録媒体と前記記録ヘッドを相対的に所定量だけ移動させる紙送り動作とを交互に繰り返すことによって画像を完成させる記録装置であって、
    前記紙送り動作において前記記録媒体と前記記録ヘッドの相対的な移動量は前記記録素子の配列幅よりも短いマルチパス記録時において、
    前記補正手段は、前記補正対象に選択された不良記録素子に対応する記録領域を、前記補正対象に選択された不良記録素子の記録走査と異なる記録走査時に該記録領域を走査する少なくとも1つの正常記録素子が代わって記録する補正データを作成することを特徴とした請求項1ないし9のいずれかに記載の記録装置。
  12. 前記補正手段は、前記補正対象に選択された不良記録素子が本来記録すべき画素を含むラスタを記録する少なくとも一つの正常記録素子が、前記補正対象に選択された不良記録素子が本来記録すべき画素に対して、同一走査で記録をする補正データを作成することを特徴とした請求項11に記載の記録装置。
  13. 前記設定値は、前記記録媒体の種類に対して、任意の値に設定することを特徴とした請求項1ないし12のいずれかに記載の記録装置。
  14. 前記記録素子はインクを記録媒体に対して吐出することによって記録を行い、
    前記設定値は、前記記録素子が吐出するインクの種類に応じて任意の値に設定することを特徴とした請求項1ないし12のいずれかに記載の記録装置。
  15. 前記記録素子はインクを記録媒体に対して吐出することによって記録を行い、
    前記設定値は、記録するインクの吐出量に応じて任意の値に設定することを特徴とした請求項1ないし12のいずれかに記載の記録装置。
  16. 前記設定値は、記録媒体の同一領域を記録ヘッドが走査する回数に応じて任意の値に設定することを特徴とした請求項1ないし12のいずれかに記載の記録装置。
  17. 前記記録素子はインクを記録媒体に対して吐出することによって記録を行い、
    前記設定値は、前記記録媒体の種類と、記録に用いるインクの種類と、記録するインクの吐出量と、前記記録媒体の同一領域を記録ヘッドが走査する回数の組み合わせに応じて任意の値に設定することを特徴とした請求項1ないし12のいずれかに記載の記録装置。
  18. 前記記録素子は、熱エネルギーによってインク中に気泡を発生させ、該気泡の生成圧力によって、インクを滴として記録媒体に対して吐出することによって記録を行うことを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載の記録装置。
  19. 複数の記録素子を有する記録ヘッドを用いて記録媒体に対し記録を行う記録装置を用いた記録方法であって、
    前記複数の記録素子の中に不良記録素子が複数存在する場合、該複数の不良記録素子それぞれの相対的な位置関係に基づいて、前記不良記録素子間の距離を算出する算出工程と、
    前記算出工程にて算出された前記不良記録素子間の距離と予め設定されている設定値との大小を比較する比較工程と、
    前記比較工程にて設定値以下と判定された不良記録素子を補正対象として選択する選択工程と、
    前記選択工程にて選択された不良記録素子が本来記録すべき記録領域を正常な記録素子が代わって記録するよう記録データを補正する補正データ作成工程と、
    前記補正データ作成工程にて作成された補正データに基づいて記録する記録工程とを具えることを特徴とする記録方法。
  20. 請求項19に記載の記録方法を前記記録装置に実行させるプログラム。
  21. 請求項20に記載のプログラムを記憶する記憶媒体。
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