JP2005169581A - 溝加工方法、溝加工装置、および溝加工用数値制御プログラム作成方法 - Google Patents

溝加工方法、溝加工装置、および溝加工用数値制御プログラム作成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 加工素材を、内周部に溝を有する中空形状に、短時間かつ高品質で加工する。
【解決手段】 水平面内で直交する2つの軸方向に移動可能で、かつ加工素材を保持し、該2つの軸の一方に平行な回転軸の回りに加工素材を回転させる加工素材固定部を備える加工装置を用いて、加工素材固定部に加工素材を保持させ、加工素材を前記回転軸を軸とする中空形状に加工するための該中空形状の内外周面の加工工程と、該加工素材を加工素材固定部に保持させたままで該中空形状の内周面上の溝部の加工工程とを実行する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、3次元CADシステムなどによって設計された3次元形状に被加工物体を加工する加工方式に係り、さらに詳しくは、例えば特に内周部に溝を有するカム筒を加工するための溝加工方法、加工装置、および溝加工用数値制御プログラム作成方法に関する。
従来、中空円筒形状、例えばカム筒などで、内周部に溝を持つカム筒などの製造方法としては、例えば射出成形による方法がある。この方法では内周部に溝を有する形状を成形するために、複雑な形状のスライドコアを使用する必要がある。
次に比較的迅速に内周部に溝を有するカム筒などを製造する方法として、光造形などの方法がある。この方法では、金型作成などの手間が必要なくなり、射出成形による方法に比べて格段に早く内周部に溝を有するカム筒を製造することが可能である。
さらにこのような方法に代わる従来の技術が次の文献に記載されている。
特開平8−313789号「レンズ鏡筒、及び貫通孔付きインナー溝の形成方法」
この文献には、内周部の溝を回転工具により研削する技術が開示されており、溝幅形状と同寸法の回転工具を用いることによって、1つの回転工具でインナー案内溝、およびピン取付孔を連続的に形成することができ、回転工具を少なくすると共に、作業工数を少なくすることができる。また1つの回転工具によって溝形状の形成とピン取付孔の加工を連続して行っているため、溝とピン取付孔との境にバリが発生することがないという特徴がある。
しかしながら、このような従来技術では次のような問題点があった。例えば、射出成形を用いる方法では、円筒内周部に配置される溝形状を形成するために複雑な構造を有するコア形状を用いることが必要であり、そのコアの作成のための削り出し加工と、放電加工、およびその仕上げ工程で工数を多くかける必要があるという問題点があった。
次に光造形法による製造方法では、積層による造形を行うために、正確かつなめらかな摺動を必要とする溝を内周部に有する形状を持つカム筒などの作成には適さないという問題点があった。
さらに前述の特許文献1の技術においては、溝形状と孔形状との加工に同一形状の回転工具を用いることが特徴であり、内周部に多種、多様の形状の溝を作成する場合には多くの種類の回転工具を用いる必要があり、結果的に工具の発注や段取り変更などの工数が増大し、また溝形状と工具の形状とが合わない場合には溝部を形成する時点で振動が発生し、溝の形成品質を著しく低下させるという問題点があった。また溝部の形成条件を変えようとしても、溝と同一形状の工具しか使用できないため、形成条件の選択肢が限られるという問題点もあった。
次にこのような内周部に溝を有する、例えばカム筒の製造時には、一般的にCADシステムを用いて3次元データを作成し、そのデータに対応して加工のための数値制御プログラムが作成されている。そして従来においては、溝の形状は一般的にオペレータのマニュアル操作によってカム溝スプラインデータとして作成され、溝形状が平面に展開され、それを基にデータの編集や演算を行い、最終的に溝形状が円周面に配置されるように数値制御プログラムの作成が行われる。
図14は、このような数値制御プログラム作成のための3次元データ作成方法の従来例の説明図である。同図においては、まずステップS51で外形形状、例えばカム筒の場合には筒の外周、および内周などに対応する3次元データが作成され、ステップS52でカム溝スプラインデータの作成が行われる。
このカム溝スプラインデータの作成は実際にはオペレータのマニュアル操作を必要とする。このマニュアル操作ではカム溝点群データが入手されて、その点群のY座標が円筒円周値に置換されるか、あるいは溝3次元モデルのエッジ部分のオペレータによる指示に対応して作図が行われ、溝中心部分に作図線が移動される操作が行われる。すなわち、従来のCADシステムでは、データの属性などは不明であり、単純な形状以外のデータの作成はオペレータに頼らざるを得ないのが実情であった。
このようなマニュアル操作によってカム溝スプラインデータが作成されると、ステップS53で溝断面形状が作図され、その作図結果がステップS54で加工装置などに対して加工条件として入力される。
このようにカム溝形状のデータを作成し、数値制御プログラムにおいて利用するためには、溝の形状を平面に展開し、加工用の形状に置き換えるためのマニュアル操作が必要となり、作業工程が多くなると共に、設計作業を自動化することができないという問題点があった。
本発明の課題は、上述の問題点に鑑み、内周部に溝形状を有する中空円筒形状に、加工素材を短時間で、かつ高品質な状態で製造するための溝加工方法、および溝加工装置を提供することであり、さらにその加工装置を制御するための数値制御プログラムを自動的に作成する方法を提供することである。
図1は本発明の溝加工方法の原理的な機能ブロック図である。同図は水平面内で直行する2つの軸方向に移動可能で、かつ加工素材を保持し、該2つの軸の内の1つに平行な回転軸の回りに加工素材を回転させる加工素材固定部を備える加工装置を用いる溝加工方法の原理的な機能ブロック図である。
図1において、まず1で加工素材固定部に加工素材を保持させたままで、加工素材を例えば前述の回転軸を軸とする中空円筒形状に加工するために、円筒の内外周面加工の第1段階としての粗削り工程が行われ、2で中空円筒形状の内周面上の溝部の加工工程が行われ、3で円筒内外周面の加工の第2段階としての仕上げ工程が実行される。
発明の実施の形態においては、前述の中空円筒形状の内周面上の溝部の加工において先端形状が球である工具を用いることも、あるいは切削工具を用いることもでき、さらに図1で説明した溝加工方法を用いて内周面に溝部を有するレンズ鏡筒を製造することもできる。
次に本発明の溝加工装置は、水平面内で直交する2つの軸方向に移動可能で、かつ加工素材を保持し、その2つの軸の内の1つに平行な回転軸の回りに加工素材を回転させる加工素材固定部を備えるものであり、特定されない元々の回転軸方向の回転を加工素材の回転軸を通り、その回転軸に直交する軸を中心とする回転に変換して、加工素材の内周面に対する溝加工を行う回転軸角度変換スピンドルを備えることを特徴としている。
発明の実施の形態においては、加工素材の内周面、および外周面に対する加工を行う旋削刃物を固定する刃物固定装置をさらに備えることもでき、また前述の加工素材固定部が、前述の2つの軸方向の移動可能な範囲として、少なくとも前述の回転軸角度変換スピンドルの変換前の回転軸が、加工素材の回転軸方向からの加工素材に対する投影断面内に含まれる範囲内で移動可能とすることもできる。
次に本発明の数値制御プログラム作成方法は、例えば内周面に溝を有する中空円筒形状物体の加工に用いられるものであり、その中空円筒形状のデータに加えて、内周面の溝の形状データを他のデータと区別可能な形式で作成してメモリに格納し、そのメモリから溝形状データを抽出し、抽出された溝形状データに対応して数値制御プログラムを作成するものである。
発明の実施の形態においては、抽出された溝形状データの内で、溝部の幅が最小となる溝部の断面と同一、もしくは最小断面より小さい断面を有する工具を選択し、選択された工具の形状に対応して数値制御プログラムの作成を行うこともできる。
また実施の形態においては、加工工具の加工軌跡として、抽出された溝形状データに対応して加工工具が溝部底面の中心線、溝部断面、溝部底面、または溝部断面と溝部底面との交線のいずれかを倣う加工軌跡、または溝形状の口元角部のデータを抽出し、その口元角部の加工を行うための加工軌跡を計算し、計算された加工軌跡に対応して数値制御プログラムの作成を行うこともできる。
本発明の溝加工方法によれば、加工素材の内周面、および外周面を旋削する加工工程と、溝の加工を行う加工工程とを加工素材の固定状態を変更せずに行うことによって、円筒と溝の位置関係を高精度に保つことが可能となる。また、溝の切削工程の前後に内周と外周面の旋削工程を設けることによって、円筒面の精度を高くすると共に、溝の切削時に発生するバリの除去を行うこともできる。また、先端形状が球である工具を用いることによって、溝部壁面、および底面の品質が向上し、あるいは切削工具を用いることによって溝部の形成時間を短縮することができる。さらにこの加工方法を用いて品質の高いレンズ鏡筒を短時間で製造することが可能となる。
次に本発明の溝加工装置では、回転軸角度変換スピンドルによって、他の工具では進入が困難な中空円筒の中空部に加工工具を進入させ、内周面に配置された溝を容易に加工することが可能となる。また例えば中空円筒の外周面に対しては旋削刃物を用いて加工を行うことによって加工時間の短縮が可能となり、さらに回転軸角度変換スピンドルの角度変換前の回転軸の位置を、加工素材の回転軸の方向からの投影断面内に含まれる範囲内とすることによって、常に内周面に角度変換スピンドルの切れ刃を向けた加工が可能となる。
さらに本発明の数値制御プログラム作成方法においては、内周面の溝の形状データを他のデータと区別可能な形式で自動的に作成することが可能となり、数値制御プログラム作成のためのマニュアル操作が不必要となり、制御プログラム作成のための工数を削減できる。
発明の実施の形態においては、この数値制御プログラムにおいて使用可能な工具として、溝部形状の内で幅が最小となる断面形状と同一、もしくはより小さい断面を持つ工具を選択可能とすることによって、使用可能な工具を溝の形状と同一形状に限定する必要がなくなる。また、溝部加工のための加工軌跡の計算において溝部壁面、溝部底面、溝部底面中心線、または溝部壁面と溝部底面との交線のいずれかを倣う加工軌跡を計算することによって、溝部断面より小さい断面の工具を用いた加工軌跡を計算することができる。
図2は、本発明の溝加工装置の実施例1の構成図である。同図は加工素材10を回転させながら、加工素材10を中空円筒形状、すなわちカム筒に加工すると共に、そのカム筒の内面に溝を加工する溝加工装置の構成を示す。
図2において加工素材10を固定する加工素材固定装置12は、水平方向、すなわちa、b方向に移動可能なテーブル11の上に配置され、加工素材固定部は図のc、およびdの方向に回転可能となっている。回転軸角度変換スピンドル13は、加工素材の内周面に溝を加工するものであり、図のp方向の回転をq方向の回転に変換するものである。その元々の回転中心軸は加工素材10の回転中心軸と平行となるように配置される。回転軸角度変換スピンドル13を固定する刃物固定装置14は、上下駆動機構17によってeの方向に移動可能である。
またこのスピンドル13の先端を切削工具、あるいは球状の工具とすることによって内周面の溝加工だけではなく、内周面の円周形状の加工や孔あけ加工を行うこともできる。
また回転軸角度変換スピンドル13に加えて、例えば外周面加工用の旋削刃物15が、刃物固定装置16に固定され、刃物固定装置14に対すると同様の駆動機構17によってe方向、すなわち上下方向に移動可能となっている。この溝加工装置に対してはその動作を制御するための制御装置18が備えられており、さらに例えば外周面を加工するための自動工具交換機能を持つ主軸装置19(マシニングセンター)が配置されており、この主軸装置19はfの方向に移動可能である。
図2の実施例1の動作について説明する。まず加工素材10が加工素材固定装置12に固定され、加工素材固定装置12は、a、およびbの方向に移動され、加工素材10が旋削刃物15の刃先の付近まで移動させられる。そしてa、b方向への微小な移動により、加工素材10の表面と旋削刃物15とが接触状態となり、加工素材10をbの方向に移動することによって旋削加工が行われ、加工素材10の外周が円筒面状に加工される。なお、この段階での外周面の加工は粗加工の程度とされる。
その後加工素材10は、回転軸角度変換スピンドル13が加工素材10の回転軸方向からの投影断面内部に位置するようにテーブル11のa、b方向への移動が行われ、その後加工素材10をa、およびb方向に移動させながら中空円筒形状の内周面の加工と、内周面上の溝の加工が行われる。この溝加工においては前述のように先端が球の形状を持つ切削工具を使用することもできる。
この内周面の溝の加工では1回の加工量を制限し、テーブル11をbの方向に微小に移動させながら加工深さ方向に段階的な加工を行うこともできる。また回転軸角度変換スピンドル13を固定する刃物固定装置14をeの方向に微小に移動させながら段階的に加工を行うことによって、内周面に斜めに配置されるべき溝に対してその加工幅の方向に段階的に加工を行うことができる。このように回転軸角度変換スピンドル13を用いることによって、一般的に加工工具を進入させることの難しい内周面の溝加工を行うことができる。
溝を含む内周面の加工が終了すると、加工素材10は再び旋削刃物15の付近に移動させられ、前述と同じように外周面の仕上げ加工が行われる。この外周面の加工については主軸装置19で固定された工具を用いた加工を行うこともできる。この主軸装置19は、fの方向に移動可能であり、また加工素材固定装置12をdの方向に回転させることによって円筒端面の加工も行うことができる。このような加工により内周面、外周面、および内周面の溝の加工以外の形状も含め、カム筒の加工が可能となる。
図3は、加工素材10と回転軸角度変換スピンドル13の相対的な動きの説明図である。図2において回転軸角度変換スピンドル13は、加工素材10のa方向の移動によって加工素材10の中空部分に位置させられた後に、そのe方向の移動と加工素材10のb方向の移動によって加工素材10の内周面の加工を行うことが可能となる。
図4は、加工素材10の投影断面内に配置された回転軸角度変換スピンドル13の配置状態の説明図である。同図において、回転軸角度変換スピンドル13が加工素材10の投影断面内、すなわち加工素材10の回転軸方向からの投影断面内に配置されることによって、加工素材の内周面の加工、および内周面上の溝加工が可能となる。
以上説明したように実施例1においては、加工素材10を加工素材固定装置12に固定したままで、例えばカム筒の内周面、外周面、および溝の加工を旋削、および切削加工を組み合わせて連続的に加工することが可能となり、一般的な複合加工に比べ、段取り変換時のエラーをなくすことができ、加工品質を高めると共に製造コストを抑えることができる。また内周面の溝の加工後に精度が最も重要視される円筒面の仕上げ加工が行えるために、溝加工時に円筒の形状がひずんだ場合においても、その補正を行うことができ、円筒形状の精度が向上し、例えばカム筒の動作時にスムーズな摺動動作を実現することが可能となる。
図5は、溝加工装置の実施例2の構成図である。同図において図2の実施例1と異なる部分を中心に説明する。図5の実施例2では、旋削刃物15は刃物固定装置16ではなく、回転軸角度変換スピンドル13を固定する刃物固定装置14によって固定される点だけが異なっている。
実施例2では、加工素材10は、テーブル11のa、b方向への移動により、旋削刃物15の付近に移動し、その後さらにa方向、またはb方向への移動によって旋削刃物15による円筒の外周面、および内周面の加工が可能となる。
このように実施例2によれば、回転軸角度変換スピンドル13と旋削刃物15とを同一の刃物固定装置に固定し、装置全体をコンパクトにすることが可能となり、装置の作成コストを削減できる。また、円筒内周面の旋削を行うための数値制御プログラムの作成も容易となり、全体として内周面に溝を有する中空円筒形状の作成コストを抑えることができる。
図6は、溝加工装置の実施例3の構成を示す。この実施例3においては、実施例2におけると同様に旋削刃物15が回転軸角度変換スピンドル13と共に同一の刃物固定装置14に取り付けられると共に、この刃物固定装置14がgの方向に回転可能とされる点に特徴がある。
この実施例3では、刃物固定装置14を回転させることにより、加工素材10の加工に使用する工具を切り替えることができる。例えば溝の切削から円筒面の旋削に切り替えるときには、刃物固定装置14をgの方向に回転させることによって、図6に示す状態から回転軸角度変換スピンドル13の代わりに旋削刃物15が加工素材10に対抗する状態に変更することが可能である。この状態変更は、数値制御プログラムから制御装置18に対して命令を与えることによって実行可能となる。実施例3においては図5の実施例2に比較して、工具先端の位置が相対的に離れることによって回転軸角度変換スピンドル13、および旋削刃物15と加工素材10との間の干渉に関する制限が緩和され、また刃物固定装置14に多数の工具を固定することが可能となる。
続いて本発明における溝加工用数値制御プログラムの作成方法について説明する。図7は、この数値制御プログラム作成方法の全体処理フローチャートである。まずステップS1で、カム筒の外周面や内周面の寸法などのデータに加えて、図14の従来技術ではマニュアル操作によって生成された内周面の溝部の形状データが自動的に生成され、例えばメモリに格納される。この溝部形状データの自動生成についてはさらに後述する。
続いてステップS2でその溝部形状データが抽出される。この抽出の方法としては溝の幅が最小となる溝の断面形状を抽出することも、またオペレータによって指示される溝部の断面形状を抽出することもできるものとする。そしてステップS3で抽出された断面形状と同等、もしくは断面形状が小さい加工工具が選択される。この選択は実際に加工に用いる装置に配置されている工具のデータを基にして行われるために、特にオペレータの指示は必要がない。
続いて選択された工具を加工に際してどのように動かすかを決定する工具軌跡(加工軌跡)が計算される。この工具軌跡の計算についてはさらに後述する。そして工具軌跡に基いてステップS5で数値制御プログラムが作成され、その数値制御プログラムがステップS6で溝加工装置の制御装置18に転送され、例えばカム筒の加工が行われる。
図8は、図7の全体処理フローチャートに対応するCADシステムとCAMシステムの動作の説明図である。前述のように従来では、例えばレンズ鏡筒形状の設計において、カム溝部分のモデリングをCADシステムの既存の機能を用いて行うことは困難であり、高いスキルを持ったオペレータによるマニュアル操作を必要とした。
そこで本発明におけるCADシステムにおいては、カム溝部分の形状作成をアシストするためのナビゲーションシステムを搭載した。このナビゲーションシステムは、カム溝スプラインの点群数値データと鏡筒外形サイズを入力するだけで、鏡筒の円筒形状に内周面の溝形状を付加した形状データを出力することができる。またこの形状データのみならず、例えば溝形状データを識別するためにそのデータに付加された形状以外のデータ、色やレイヤなどの属性データを自動的に設定し、データ出力が行われる。
図8のステップS10で円筒形状、すなわち内周、および外周面のデータが作成された後に、ステップS11でカム溝形状のデータが作成される。このデータ作成では前述のようにCADナビゲーションシステムによってカム溝スプライン情報と円筒内外形、円筒長さ、溝本数などのデータを用いて、カム溝形状自動作成処理がステップS15で行われ、カム溝形状に加えて形状外情報として溝を表示する場合の色や溝のデータのレイヤなどの属性情報が付加され、カム溝形状データが作成される。そしてステップS12で作成されるその他の形状のデータと共に、ステップS13で鏡筒形状のデータが完成し、完成したデータはCAMシステムに与えられる。
CAMシステムはCADシステムから出力される3次元形状データに対応して加工データを出力するものである。ステップS17で鏡筒形状データを入手すると共に、ステップS18で加工工程の自動割付が行われる。このステップS18では、CADナビゲーションシステムによって作成された形状外情報が読み込まれ、その情報と加工情報データベースに格納されている加工条件、すなわち加工刃物、加工装置、段取りなど加工に必要なすべての情報との関連付けが行われ、その結果に基づいてステップS19で数値制御プログラムが出力される。
このように本発明の数値制御プログラム作成方法を用いることによって、溝部形状データを自動的に生成することが可能となり、オペレータのミスも防止され、かつ初心者でも簡単に溝加工を行うための数値制御プログラムの作成を迅速に行うことができる。
最後に本発明における溝加工について図9〜図13を用いて、さらに具体的に説明する。図9は、内周面に溝を有する中空円筒形状を持つ、例えばカム筒の具体例である。本発明ではこのようなカム筒などを作成するものとするが、図9の形状はその1つの具体例であり、この形状に限定されないことは当然である。
図10、および図11は、この溝形状の詳細説明図である。図10の1本の溝を詳細に示したものが図11である。これらの図において溝は底面21と側面22とによって構成され、図7のステップS4における工具軌跡計算において図11の溝部底面21、溝部壁面22、溝部底面と溝部壁面との交線23、あるいは溝部底面21の中心線24のいずれかに沿って工具を倣わせるように工具軌跡を計算することによって、溝部の断面形状より断面の小さい加工工具を用いて、加工素材と工具が当らない方向から最終的に得たい形状に至るまで、段階的に加工を行うことが可能となる。これによって切削負荷を低減させることができ、加工後の溝形状の品質を向上させることができる。
図12、および図13は、溝部形成後にバリが発生しやすい溝の口元角部の説明図である。図12の1本の溝の口元角部26が図13に示されている。本実施形態においては図7のステップS2の溝形状抽出において溝形状口元角部の認識を行って、角部形状の加工を行い、溝切削後に発生したバリなどを除去する工程を備えることによって溝部加工品質が向上し、例えば、高品質なレンズ鏡筒を製造することが可能となった。
本発明は、溝加工の必要な製品の製造産業、特に内周面に溝の加工が必要な製品の製造を行う全ての産業において利用可能である。
本発明の溝加工方法の原理的な機能ブロック図である。 本発明の溝加工装置の実施例1の構成図である。 加工素材と回転軸角度変換スピンドルの相対的な動きを説明する図である。 回転軸角度変換スピンドルの配置方法の説明図である。 溝加工装置の実施例2の構成図である。 溝加工装置の実施例3の構成図である。 数値制御プログラム作成方法の全体処理フローチャートである。 図7のフローチャートに対応するCADシステムとCAMシステムによる動作の説明図である。 内周面に溝を有するカム形状の例である。 内周面の溝を示す図である。 溝の詳細形状を示す図である。 内周面の溝の口元角部を示す図である。 口元角部の詳細形状を示す図である。 従来における溝加工用数値制御プログラム作成方法の説明図である。
符号の説明
10 加工素材
11 テーブル
12 加工素材固定装置
13 回転軸角度変換スピンドル
14、16 刃物固定装置
15 旋削工具
17 上下方向駆動装置
18 制御装置
19 主軸装置
21 溝底面
22 溝側面
23 溝底面と溝側面との交線
24 溝底面中心線
26 溝形状口元角部


Claims (12)

  1. 水平面内で直交する2つの軸方向に移動可能で、かつ加工素材を保持し、該2つの軸の内の1つに平行な回転軸の回りに該加工素材を回転させる加工素材固定部を備える加工装置を用いる加工方法であって、
    前記加工素材固定部に加工素材を保持させ、該加工素材を前記回転軸を軸とする中空形状に加工するための該中空形状の内外周面の加工工程と、
    該加工素材を前記加工素材固定部に保持させたままで該中空形状の内周面上の溝部の加工工程とを実行することを特徴とする溝加工方法。
  2. 前記内外周面の加工工程において、前記溝部の加工工程の前の粗加工工程と、
    該溝加工工程の後の仕上げ加工工程とを備えることを特徴とする請求項1記載の溝加工方法。
  3. 前記溝部の加工工程において、先端形状が球である工具を用いることを特徴とする請求項1記載の溝加工方法。
  4. 前記溝部加工工程において、切削工具を用いることを特徴とする請求項1記載の溝加工方法。
  5. 請求項1記載の溝加工方法を用いて作成されることを特徴とする鏡筒内周面に溝部を有するレンズ鏡筒。
  6. 水平面内で直交する2つの軸方向に移動可能で、かつ加工素材を保持し、該2つの軸の内の1つに平行な回転軸の回りに該加工素材を回転させる加工素材固定部を備え、該加工素材を中空形状に加工する加工装置において、
    特定されない元々の回転軸方向の回転を、該加工素材の回転軸を通り、該回転軸に直交する軸を中心とする回転に変換して、前記中空形状の内周面に対する溝加工を行う回転軸角度変換スピンドルを備えることを特徴とする溝加工装置。
  7. 前記加工素材の内周面、および外周面に対する加工を行う施削刃物を固定する刃物固定部をさらに備えることを特徴とする請求項6記載の溝加工装置。
  8. 前記加工素材固定部が、前記2つの軸方向の移動可能な範囲として、少なくとも前記回転軸角度変換スピンドルの前記変換前の回転軸が、前記加工素材の回転軸方向からの前記加工素材に対する投影断面内に含まれる範囲内で移動可能であることを特徴とする請求項6記載の溝加工装置。
  9. 内周面に溝を有する中空形状物体の加工に用いられる数値制御プログラムの作成方法において、
    該中空形状のデータに加えて、前記内周面の溝の形状のデータを他のデータと区別可能な形式で作成してメモリに格納し、
    該メモリから溝形状のデータを抽出し、該溝形状データに対応して数値制御プログラムを作成することを特徴とする溝加工用数値制御プログラム作成方法。
  10. 前記抽出された溝形状データの内で溝部の幅が最小となる溝部の断面と同一、もしくは該断面より小さい断面を有する工具を選択し、
    該選択された工具の形状に対応して前記数値制御プログラムの作成を行うことを特徴とする請求項9記載の溝加工用数値制御プログラム作成方法。
  11. 前記抽出された溝形状データに対応して、加工工具が溝部壁面、溝部底面、溝部底面中心線、または溝部壁面と溝部底面との交線のいずれかを倣う加工軌跡を計算し、
    該計算された加工軌跡に対応して前記数値制御プログラムの作成を行うことを特徴とする請求項9記載の溝加工用数値制御プログラム作成方法。
  12. 前記抽出された溝形状データに対応して、該溝形状の口元角部のデータを抽出し、該口元角部の加工を行うための加工工具の加工軌跡を計算し、該計算された加工軌跡に対応して前記数値制御プログラムの作成を行うことを特徴とする請求項9記載の溝加工用数値制御プログラム作成方法。

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