JP2005169565A - 光学部品の製造方法、光学部品、成形型の製造方法、成形型 - Google Patents

光学部品の製造方法、光学部品、成形型の製造方法、成形型 Download PDF

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Abstract


【課題】溝が形成された表面を高精度に研磨することができ、焼きつきを防止できる光学部品の製造方法、光学部品、溝が形成された表面を高精度に研磨することができ、焼きつきを防止できる成形型の製造方法、成形型を提供すること。
【解決手段】透明部材3の溝31の研磨を行う研磨部材111は、回転軸121と直交する側から見た外周断面形状が溝31の断面形状に倣った形状となっている。液槽123内に透明部材3を設置し、溝31に研磨部材111の外周部111Aを当接させて、液体内で研磨を行う。研磨部材111の回転接線方向に沿って、研磨部材111を透明部材3の溝31内で摺動させる。
【選択図】 図1



















Description

本発明は、光学部品の製造方法、光学部品、成形型の製造方法、成形型に関する。
従来、プロジェクタ等の光学機器では、様々な光学部品が使用されている。例えば、光源から射出された光束の利用効率を高め、明るい投写画像を実現するために、光源からの光束を1種類の直線偏光光に変換する偏光変換素子が用いられている。偏光変換素子は、基板となる透明部材と、この透明部材に貼り付けられる偏光分離膜等を備えている。
このような光学部品の透明部材には、光束を反射させるために複数本の溝が形成されている場合がある。透明部材を製造する際には、透明部材の表面に研削により溝を形成し、その後、溝を研磨する。光束の透過率を十分に確保するためには、研磨の際に、研削により表面に形成された微妙なうねりを除去する必要がある。
研磨方法としては、例えば、研磨工具を主軸から偏心させて取り付けて、揺動研磨する方法が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−253827号公報(第3〜第4頁、図1)
しかしながら、このような方法では、研磨工具を揺動させることにより、表面を研磨するため、例えば、溝の断面形状をV字状とした場合には、溝の谷の頂点部分を高精度に研磨することが困難となる。
また、このような方法では、研磨により研磨工具と透明部材表面との間で摩擦熱が発生して、透明部材表面に焼きつきが発生してしまうことがある。焼きつきが発生すると、光束の透過率が低下するため好ましくなく、焼きつきの防止が望まれている。
なお、このような問題は、光学部品の透明部材を製造する際だけの問題でなく、表面に溝が形成された透明部材をプレス成形する金属製の成形型や、ガラス製の成形型を製造する際にも、問題となる。すなわち、表面に溝が形成された透明部材を成形する型の成形面には、溝に対応する凹凸を形成しなければならず、成形面に溝を加工する必要がある。この溝も高精度に研磨する必要があるため、前述したような問題が発生するのである。
本発明の目的は、溝が形成された表面を高精度に研磨することができ、焼きつきを防止できる光学部品の製造方法、光学部品、溝が形成された表面を高精度に研磨することができ、焼きつきを防止できる成形型の製造方法、成形型を提供することである。
本発明の光学部品の製造方法は、表面に溝が形成された透明部材を有する光学部品の製造方法であって、透明部材の表面を研削し、溝を形成する研削工程と、回転軸に取り付けられた研磨部材を用いて研磨する研磨工程とを有し、前記回転軸は、その軸方向が前記透明部材の表面に対し、略平行かつ、前記表面に形成された溝の長手方向に対し略直交するように配置され、前記研磨部材の前記回転軸の軸方向と直交する方向から見た外周断面形状は、前記溝の断面形状に倣っており、前記研磨工程では、液体中で透明部材表面の溝に研磨部材の外周部を当接させて、回転軸により前記研磨部材を回転させながら、前記溝内を回転接線方向に沿って摺動させることを特徴とする。
ここで、液体とは、純水等の水単体であってもよく、また、水と研磨剤とを含有する溶液であってもよい。
このような本発明によれば、研磨部材の外周断面形状が透明部材の溝の断面形状に倣った形状となっているので、溝の表面に研磨部材を密着させて研磨することができ、溝を高精度に研磨することができる。
さらに、液体中で、透明部材表面の溝に研磨部材の外周部を当接させて、溝内で研磨部材の回転接線方向に沿って研磨部材を移動させることにより、研磨を行っているので、研磨により摩擦熱が発生しても、液体により冷却することができる。これにより、焼きつきを防止することができる。
以上のように、本発明の製造方法によれば、高精度に研磨することができ、かつ、焼きつきを防止できるので、光の透過率の高い光学部品を製造することができる。
また、本発明では、前記液体は、水と研磨剤とを含有することが好ましい。
このような発明によれば、研磨により摩擦熱が発生しても液体により冷却することができ、且つ液体中に含まれる研磨剤により、より高精度な光学面がより短時間で得ることができる。
さらに、本発明では、前記研磨部材は、ダイアモンドを結合剤により固定化した研磨ペレット又は、酸化セリウムを結合剤により固定化した研磨ペレットによって構成されることが好ましい。
このような研磨部材を使用することで、透明部材表面をより高精度に研磨することができる。
本発明では、これらの製造方法を用いることによって、光学部品の透明部材の表面粗さが5nm以下に加工できることを特徴とする。
このように研磨することによって、表面粗さが5nm以下の透明部材を有する光学部品とすることが可能である。
本発明では、これらの光学部品の製造方法によって製造されたことを特徴とする光学部品を提供する。この発明によれば、光束の透過率の高い光学部品とすることができる。
本発明の成形型の製造方法は、成形面に溝が形成された成形型の製造方法であって、成形面を研削し、溝を形成する研削工程と、回転軸に取り付けられた研磨部材を用いて研磨する研磨工程とを有し、前記回転軸は、その軸方向が成形面に対し、略平行かつ、前記成形面に形成された溝の長手方向に対し略直交するように配置され、前記研磨部材の前記回転軸の軸方向と直交する方向から見た外周断面形状は、前記溝の断面形状に倣っており、前記研磨工程では、液体中で成形面の溝に研磨部材の外周部を当接させて、回転軸により前記研磨部材を回転させながら、前記溝内を回転接線方向に沿って摺動させることを特徴とする。
ここで、液体とは、純水等の水単体であってもよく、また、水と研磨剤とを含有する溶液であってもよい。
このような本発明によれば、研磨部材の外周断面形状が成形型の成形面の溝の断面形状に倣った形状となっているので、溝の表面に研磨部材を密着させて研磨することができ、溝を高精度に研磨することができる。
さらに、液体中で、成形面の溝に研磨部材の外周部を当接させて、溝内で研磨部材の回転接線方向に沿って研磨部材を移動させることにより、研磨を行っているので、研磨により摩擦熱が発生しても、液体により冷却することができる。これにより、焼きつきを防止することができる。
本発明の成形型は、上述した成形型の製造方法により製造されたことを特徴とする。
このような本発明の成形型は、前述した製造方法により製造されているため、成形面が高精度に研磨され、焼きつきの発生していない成形型となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、研磨装置1が示されている。
この研磨装置1は、図2に示すような光学部品を構成するガラス製の透明部材3を研磨するためのものである。透明部材3は、平面矩形形状であり、その一方の表面には、一辺に沿って平行に延びる複数本、例えば9本の溝31が研削されている。この溝31は、隣接して形成され、その断面形状は、V字形状となっており、溝31の2つの斜面のなす角度、すなわち、溝31の谷部分の頂点部分の角度は、例えば、90°となっている。従って、透明部材3の表面の断面形状は、頂点部分の角度θが90°の三角形の山が連設された形状となっている(図5参照)。
なお、この透明部材3の裏面(溝31が形成された面と反対側の面)は、平坦な面となっている。
研磨装置1は、溝31を研磨する研磨工具11と、研磨工具11が取り付けられる回転軸121を備えた研磨装置本体12とを備える。
研磨工具11は、溝31を研磨するための研磨ペレットにより構成される研磨部材111と、この研磨部材111が固定された取り付け軸112とを有する。
研磨部材111は、図3にも示すように、略円盤形状であり、一対の円形状面部111Bと、この一対の円形状面部111B間に設けられる外周部111Aとを備える。そして、この研磨部材111は、一対の円形状面部111Bが透明部材3表面に対して直交するように設置されている。
一対の円形状面部111B間には、取り付け軸112が貫通する貫通孔111B1が形成されている。
また、研磨部材111の外周部111Aの外郭は、取り付け軸112側から見て略円形状に形成されている。さらに、この外周部111Aは、透明部材3の溝31に当接し、溝31を研磨する部分であり、後述する研磨装置本体12の回転軸121と直交する側から見た(図1正面側から見た)外周断面形状が溝31の断面形状に倣った形状となっている。すなわち、研磨部材111の外周部111Aは、外方に向かって傾斜する2つの傾斜面111A1から構成されており、外方に突出したV字状になっている。
研磨部材111の外周部111Aの傾斜面111A1の傾斜方向の長さ寸法L1は、溝31の傾斜面311の長さ寸法L2よりも大きく、研磨部材111の外周部111Aを溝31に挿入した際に、外周部111Aは、溝31からはみ出るような大きさとなっている。
以上のような研磨部材111は、例えば、ダイアモンドを銅合金系金属、コバルト系金属、鉄合金系金属等の金属を含有する結合剤により、結合して固体化したものが挙げられる。また、ダイアモンドをフェノール樹脂、ポリイミド樹脂、その他、耐熱硬化性分子化合物を主体とした有機結合剤により結合して固体化したものであってもよい。さらに、酸化セリウムを結合剤により固体化したものであってもよい。酸化セリウム以外に酸化ケイ素や酸化アルミ等の金属酸化物を用いることも可能であるが、酸化セリウムはこれらに比べ柔らかいため、光学材料のような比較的柔らかい材料を研磨するのに特に適する。
このような材料で構成される研磨部材111は、溝31を研磨する際に、溝31の形状に倣って、形状が変形しやすいため、より精密に溝31を研磨することができる。
取り付け軸112は、図示しないが、外周面にねじが刻設されており、後述する研磨装置本体12の回転軸121に螺合されて取り付けられる。この取り付け軸112は、研磨部材111の貫通孔111B1(図3参照)に挿入され、一対の円形状面部111B間を貫通している。研磨部材111は、一対の円形状面部111B外側に配置された一対のナット113により、取り付け軸112に固定されている。なお、一対の円形状面部111Bの貫通孔111B1の周囲には、ナット113に当接する当接部111B2が円形状に形成されている。
研磨装置本体12は、研磨工具11が取り付けられる回転軸121と、透明部材3が設置される液槽123と、この液槽123が設置されるテーブル124と、回転軸121及びテーブル124の駆動を制御する図示しない制御部とを備える。
回転軸121は、その軸方向が、透明部材3の表面に沿った方向かつ、透明部材3の溝31の長手方向に直交する方向に延びており、先端に取り付けられた研磨工具11を回転駆動させるものである。
液槽123は、上面が開口した箱型のものであり、内部に液体、例えば、純水或いは溶液が充填される。溶液としては、例えば、水と酸化ケイ素、酸化アルミナ、酸化セリウム等の研磨剤とを含有する研磨液等が充填されている。この液槽123の底面には、治具5に取り付けられた透明部材3が設置され、液槽123内の液体内で研磨が行われる。
テーブル124は、液槽123(すなわち、液槽123内に固定された透明部材3)をY軸方向に移動させるYテーブル124Aと、X軸方向に移動させるXテーブル124Bと、基台124Cとを備える。
基台124C上には、X軸方向に延びるレール124C1が形成されており、このレール124C1上をXテーブル124Bの脚部124B1が摺動する。
また、Xテーブル124B上には、Y軸方向に延びるレール124B2が形成されており、このレール124B2上をYテーブル124Aの脚部124A1が摺動する。
次に、図4を参照して、光学部品を構成する透明部材3の製造方法について説明する。
図4は、透明部材3の製造工程を示すフローチャートである。
まず、透明部材3の原料となるガラス板を透明部材3の外周形状に合わせて切削し、溝31が形成されていない透明部材を得る(切削工程、処理S1)。次に、このような透明部材の表面に複数の溝31を形成する(溝研削工程、処理S2)。
具体的には、透明部材3を治具(図示略)に取り付け、これを研削装置に取り付ける。研削装置は、図示しないが、治具に取り付けられた透明部材3を保持する保持手段と、この透明部材3表面に溝31を研削するディスク型ダイアモンド砥石と、このディスク型ダイアモンド砥石が取り付けられる回転軸とを備える。
ディスク型ダイアモンド砥石の回転と、透明部材3を保持する保持手段の動きは、例えば、NC(数値制御)により制御される。
次に、透明部材3の溝31を研磨装置1により研磨する(研磨工程、処理S3)。
具体的には、まず、治具5に透明部材3を取り付け、さらに、透明部材3を液槽123内に固定する。この際、透明部材3の溝31の長手方向と、Y軸とが平行になるように透明部材3を固定する。
次に、液槽123内に液体を充填する。そして、透明部材3の溝31に研磨工具11の研磨部材111の外周部111Aを当接させ、研磨部材111に鉛直方向(図1矢印W方向)に加工圧をかける。そして、液体内で研磨を行う。研磨部材111を回転させながら、Yテーブル124AをXテーブル124B上でY軸方向に沿って移動させる。そして、研磨部材111の回転接線方向に沿って、研磨部材111を透明部材3の溝31内で摺動させる。この際、研磨の状態に応じて、研磨部材111を一つの溝31内で往復移動させてもよい。
そして、一つ目の溝31の研磨が終わったら、Xテーブル124Bを動かし、隣接する溝31を同様の方法で研磨する。
なお、研磨の際に、研磨部材111及び透明部材3の溝31間で発生する摩擦熱は、液槽123内の液体により冷却されることとなる。
次に、溝31の研磨が終わったら、透明部材3の形状、表面粗さの評価を行う(評価判別工程、処理S4)。
形状の評価は、3次元測定機を用いて行い、表面粗さの評価は、表面粗さ測定機を用いて行う。
透明部材3の形状と設計寸法とのずれが所定値以下であり、かつ、表面粗さが所定値以下である場合には、透明部材3は完成となる。
一方、設計寸法とのずれが所定値を超えるものであり、又は、表面粗さが所定値を超えるものである場合には、透明部材3の溝31の研磨を再度行い、処理S3(研磨工程)と、処理S4(評価判別工程)とを繰り返す。
以上のようにして、製造された透明部材3の溝31の表面粗さは、例えば、5nm以下となる。また、溝31の谷側の頂点部分の曲率半径は、0.08mm以下となる。
このような透明部材3は、図5に示すように、光学部品としての偏光変換素子4に使用される。この偏光変換素子4は、透明部材3と、透明部材3の溝31が形成されていない平坦な面に貼り付けられる位相差板である1/4波長板41と、透明部材3の溝31の傾斜面311に貼り付けられる偏光分離膜42と、透明部材3の溝31を埋めるように、設けられる樹脂層43と、1/4波長板41よりも光束入射側に設置された反射板44とを備える。
偏光分離膜42は、P偏光成分の光を透過し、S偏光成分の光を反射するものであり、偏光分離膜42はスパッタリングや真空蒸着法等により形成することができる。
樹脂層43は、溝31を埋めるように設けられ、偏光分離膜42に密着している。また、この樹脂層43の光束射出側の表面は平坦な平滑化された面となっている。
1/4波長板41は、複屈折率異方性を有する高分子フィルムを一軸に延伸して得た高分子フィルム等を備えて構成される。
反射板44は、反射率の高い金属であるアルミニウム、銀、ステンレス鋼などの金属シートや金属箔を利用して構成することができる。例えば、金属シートまたは金属箔そのものを反射板として使用してもよく、金属材料やプラスチック等からなる成型体の表面を前記金属からなる金属シートや金属箔で被覆したものを使用してもよい。また、反射効率を高めることを目的として、反射板の表面をパターン化してもよい。
このような偏光変換素子4では、図示しない光源から射出された光束は、ランダムな偏光軸を有する光束であり、矢印E1に示すように、1/4波長板41、透明部材3に入射する。光束のうち、P偏光成分は、透明部材3及び偏光分離膜42、樹脂層43を透過して矢印E2のように偏光変換素子4から射出される。
S偏光成分は、偏光分離膜42で反射されて、90°に折り返され、さらに、偏光分離膜42で反射され、矢印E3に示すように、1/4波長板41から射出される。1/4波長板41では、S偏光成分が45°回転される。さらに、このS偏光成分は、反射板44で反射されて、折り返され、矢印E4に示すように、再度1/4波長板41に入射される。
これにより、偏光面が再度45°回転されて、S偏光成分はP偏光成分となる。そして、偏光分離膜42、樹脂層43を透過して、射出される。
以上のような偏光変換素子4を用いることで、全ての光束をP偏光成分として使用することができる。
なお、本実施形態では、偏光分離膜42をP偏光成分を透過し、S偏光成分を反射するものとしたが、S偏光成分を透過し、P偏光成分を反射するものとしてもよい。
このような偏光変換素子4は、例えば、プロジェクタ等の光学機器に搭載されて使用される。
従って、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)研磨部材111の外周部111Aの外周断面形状が透明部材3の溝31の断面形状に倣った形状となっている、すなわち、外周部111Aが断面V字状に形成されているので、透明部材3の溝31の表面に研磨部材111の外周部111Aを密着させて研磨することができ、溝31を高精度に研磨することができる。
(2)また、液槽123の液体中で、透明部材3表面の溝31に研磨部材111の外周部111Aを当接させて、溝31内を研磨部材111の回転接線方向に沿って研磨部材111を摺動させることにより、研磨を行っているので、研磨により摩擦熱が発生しても、液体により冷却することができる。これにより、焼きつきを防止することができる。
(3)さらに、液槽123の液体として、例えば、水と酸化ケイ素、酸化アルミナ、酸化セリウム等の研磨剤とを含有する研磨液を採用することで、研磨液中に含まれる研磨剤により、高精度に研磨された溝31を有する透明部材3をより短時間で得ることができる。
(4)さらに、研磨部材111は、例えば、ダイアモンド金属を含有する結合剤により、結合したものや、ダイアモンドを有機結合剤により結合したもの、或いは、酸化セリウムを結合剤により固体化したものとしており、このような研磨部材111は、溝31を研磨する際に、溝31の形状に倣って、形状が変形しやすく、より精密に溝31を研磨することができる。従って、研磨部材111の外周部111Aの形状を厳密に、溝31に倣った形状としなくても、十分に精度良く研磨できるので、研磨部材111の作成に手間を要しない。
(5)また、研磨部材111を、ダイアモンドを結合剤により固定化した研磨部材又は、酸化セリウムを結合剤により固定化した研磨部材としたので、研磨部材111は、透明部材3の研磨に適した研磨粒子を有するものとなり、透明部材3の溝31表面をより高精度に研磨することができる。
(6)また、研磨部材111の形状を略円盤形状とし、さらに、外周部111Aの傾斜面111A1の長さ寸法L1を、溝31の傾斜面311の長さ寸法L2よりも長いものとしているので、研磨部材111を、その外周部111Aが溝31に当接するように配置し、研磨部材111を回転させることにより、研磨部材111の外周部111Aを連続して、かつ、広い面積で、溝31に当接させることができるので、溝31を連続して絶え間なく、研磨できる。従って、溝31表面に、研磨によるうねりが発生してしまうのを防止することができる。
(7)また、透明部材3の研磨された溝31の表面粗さが5nm以下であり、溝31の谷側の頂点部分の曲率半径は、0.08mm以下であるため、このような透明部材3を備えた光学部品である偏光変換素子4の光束透過率を向上させることができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、研磨装置1を用いた光学部品を構成する透明部材3の製造方法について述べたが、これに限らず、例えば、研磨装置1を用いて、透明部材を射出成形で作る金型(成形型)を製造してもよい。この場合には、透明部材3の製造方法と同様の方法で、金型の成形面に形成された溝を研磨することとなる。
この際、金型の材質としては、プリハードン鋼(例えば、ウッデホルム(株)社製のSTAVAX(商品名))や、超硬合金等が例示できる。
また、金型に限らず、プラスチック製の透明部材を形成するためのガラス型(成形型)を前述した研磨装置1を用いて製造してもよい。この場合にも、透明部材3の製造方法と同様の方法で製造することとなる。
さらに、前記実施形態では、透明部材3の溝31をV字状の溝としたが、これに限らず、溝の形状は任意である。例えば、断面四角形状の溝や、断面円弧形状の溝を形成してもよい。
また、前記実施形態では、透明部材3は偏光変換素子4に使用されるものであったが、これに限らず、光学部品として使用されるものであれば任意である。
さらに、前記実施形態では、研磨部材111をダイアモンド、酸化セリウムを結合剤により固定したものとしたが、研磨部材を被研磨物の状態に応じて変更してもよい。
次に、本発明の実施例について説明する。
本発明の効果を確認するために、以下の実験を行った。
前記実施形態と同様の方法で透明部材3の溝31の研削を行い、前記実施形態と同様の研磨装置1を用いて、透明部材3の溝31の研磨を行った。
結果は次のようになった。
研磨した溝31の表面粗さ 2nm
溝31の谷の部分の曲率半径 0.04mm
光束の透過率 92%
以上より、溝が形成された表面を高精度に研磨することができ、焼きつきを防止できるという本発明の効果を確認することができた。
本発明は、光学部品の製造方法に利用できる他、成形型の製造方法にも利用することができる。
本発明の一実施形態にかかる研磨装置を示す模式図。 前記研磨装置により研磨された透明部材を示す斜視図。 前記研磨装置の研磨部材を示す斜視図。 透明部材の製造工程を示すフローチャート。 光学部品である偏光変換素子を示す模式図。
符号の説明
3…透明部材、4…偏光変換素子(光学部品)、31…溝、111…研磨部材、111A…外周部、121…回転軸、123…液槽

Claims (7)

  1. 表面に溝が形成された透明部材を有する光学部品の製造方法であって、
    透明部材の表面を研削し、溝を形成する研削工程と、
    回転軸に取り付けられた研磨部材を用いて研磨する研磨工程とを有し、
    前記回転軸は、その軸方向が前記透明部材の表面に対し、略平行かつ、前記表面に形成された溝の長手方向に対し略直交するように配置され、
    前記研磨部材の前記回転軸の軸方向と直交する方向から見た外周断面形状は、前記溝の断面形状に倣っており、
    前記研磨工程では、液体中で透明部材表面の溝に研磨部材の外周部を当接させて、回転軸により前記研磨部材を回転させながら、前記溝内を回転接線方向に沿って摺動させることを特徴とする光学部品の製造方法。
  2. 請求項1に記載の光学部品の製造方法において、
    前記液体は、水と研磨剤とを含有することを特徴とする光学部品の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の光学部品の製造方法において、
    前記研磨部材は、ダイアモンドを結合剤により固定化した研磨ペレット又は、酸化セリウムを結合剤により固定化した研磨ペレットによって構成されることを特徴とする光学部品の製造方法。
  4. 前記光学部品の透明部材の表面粗さが5nm以下であることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の光学部品の製造方法。
  5. 請求項1から4の何れかに記載の光学部品の製造方法によって製造されたことを特徴とする光学部品。
  6. 成形面に溝が形成された成形型の製造方法であって、
    成形面を研削し、溝を形成する研削工程と、
    回転軸に取り付けられた研磨部材を用いて研磨する研磨工程とを有し、
    前記回転軸は、その軸方向が成形面に対し、略平行かつ、前記成形面に形成された溝の長手方向に対し略直交するように配置され、
    前記研磨部材の前記回転軸の軸方向と直交する方向から見た外周断面形状は、前記溝の断面形状に倣っており、
    前記研磨工程では、液体中で成形面の溝に研磨部材の外周部を当接させて、回転軸により前記研磨部材を回転させながら、前記溝内を回転接線方向に沿って摺動させることを特徴とする成形型の製造方法。
  7. 請求項6に記載の成形型の製造方法により製造されたことを特徴とする成形型。
JP2003413402A 2003-12-11 2003-12-11 光学部品の製造方法、光学部品、成形型の製造方法、成形型 Withdrawn JP2005169565A (ja)

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