JP2005169313A - 高彩度積層塗膜および塗膜形成方法 - Google Patents

高彩度積層塗膜および塗膜形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高彩度かつ下地隠蔽性に優れ、深み感のある積層塗膜および塗膜形成方法を提供する。
【解決手段】被塗物10の表面に形成された下地層20,21と、当該下地層の表面に形成されたベース塗膜層30と、当該ベース塗膜層の表面に形成されされた複数の着色塗膜層40,70とを少なくとも有する積層塗膜であって、ベース塗膜層30の明度が着色塗膜層40,70の明度より高く、かつ着色塗膜層40,70に平均粒子径30nm〜300nmの微粒化着色材が含まれ、複数の着色塗膜層のうち、上層側の着色塗膜層70に含まれる微粒化着色材と平均粒子径が300nmを超える着色材との含有比率が、下層側の着色塗膜層40に含まれる微粒化着色材と平均粒子径が300nmを超える着色材との含有比率よりも大きい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、彩度が高く、下地隠蔽性にも優れ、特に深み感のある積層塗膜および塗膜形成方法に関する。
色相を表す指標のうち、色の鮮やかさ又は色の飽和度を彩度というが、自動車や家電製品などの塗膜についても、防錆性・防汚性・耐候性等の塗膜性能に加えて、彩度などの意匠性の向上が求められている。
高彩度塗膜を実現するための手法として、蛍光増白剤を添加した白色系塗膜(特許文献1)、高彩度顔料を用いた有色塗膜(特許文献2)、多層干渉小板により反射率を高めた塗膜(特許文献3)などが提案されている。
しかしながら、高彩度の顔料を用いる手法では実現できる色相に限界があり、全ての塗色について高彩度化することは容易でない。また、高彩度の顔料は下地塗膜の隠蔽性が悪く、見る角度によっては黒っぽい塗膜になったり、膜厚変動にともなう色差の変動が大きくなったりするという問題がある。一方、多層干渉小板により反射率を高める手法では干渉材によって色相が変動するおそれがある。
何れにしても従来の手法では彩度を高めることと下地の隠蔽性とを両立させることが困難であった。
特開平1−313575号公報 特開平7−286111号公報 特表平9−508172号公報
本発明は、高彩度かつ下地隠蔽性に優れ、深み感のある積層塗膜および塗膜形成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、被塗物の表面に形成された下地層と、当該下地層の表面に形成されたベース塗膜層と、当該ベース塗膜層の表面に形成されされた複数の着色塗膜層とを少なくとも有する積層塗膜であって、前記ベース塗膜層の明度が前記着色塗膜層の明度より高く、かつ前記着色塗膜層に平均粒子径30nm〜300nmの微粒化着色材が含まれ、前記複数の着色塗膜層のうち、上層側の着色塗膜層に含まれる微粒化着色材と平均粒子径が300nmを超える着色材との含有比率が、下層側の着色塗膜層に含まれる微粒化着色材と平均粒子径が300nmを超える着色材との含有比率よりも大きいことを特徴とする積層塗膜が提供される。
また上記目的を達成するために、本発明の第2の観点によれば、被塗物の表面に下地層を形成する工程と、当該下地層の表面にベース塗膜層を形成する工程と、当該ベース塗膜層の表面に複数の着色塗膜層を形成する工程と、を少なくとも有する積層塗膜の形成方法であって、前記ベース塗膜層の明度が前記着色塗膜層の明度より高く、かつ前記着色塗膜層に平均粒子径30nm〜300nmの微粒化着色材が含まれ、前記複数の着色塗膜層のうち、上層側の着色塗膜層に含まれる微粒化着色材と平均粒子径が300nmを超える着色材との含有比率が、下層側の着色塗膜層に含まれる微粒化着色材と平均粒子径が300nmを超える着色材との含有比率よりも大きいことを特徴とする積層塗膜の形成方法が提供される。
本発明では、積層塗膜の表面側に形成する着色塗膜層に平均粒子径が30nm〜300nmの微粒化着色材を用いることで彩度を高める一方、その下側に形成するベース塗膜層の明度を着色塗膜層の明度より高くすることで隠蔽性を確保するとともに膜厚変動にともなう色差を小さくする。これにより、高彩度かつ下地隠蔽性に優れた積層塗膜を得ることができる。特に本発明では、複数の着色塗膜層のうち、上層側の着色塗膜層に含まれる微粒化着色材の含有比率を、下層側の着色塗膜層に含まれる微粒化着色材の含有比率よりも大きくしているので、積層塗膜を観察すると塗膜に深み感が現れ、意匠性に富んだ積層塗膜を提供することができる。
発明の実施の形態
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明に係る積層塗膜及び塗膜形成方法は、平均粒子径30nm〜300nmの微粒化着色材を含有する複数の着色塗膜層と、当該着色塗膜層の明度より高い明度のベース塗膜層とを有する積層塗膜であればよい。代表的な実施形態を以下に説明するが、本発明の積層塗膜及び塗膜形成方法はこれらの実施形態にのみ限定される趣旨ではなく、したがって、これらの実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
第1実施形態(図1)
図1は本発明の第1実施形態に係る積層塗膜を示す断面図である。本実施形態に係る積層塗膜は、被塗物10の表面に形成された電着塗膜層20と、この電着塗膜層20の表面に形成された中塗り塗膜層21と、この中塗り塗膜層21の表面に形成されたベース塗膜層30と、このベース塗膜層30の表面に形成された第1の着色塗膜層40と、この第1の着色塗膜層40の表面に形成された第2の着色塗膜層70とから構成されている。
被塗物10としては、鋼板やアルミニウム板などの各種金属材料製部材のほか、プラスチック製部材も適用することができる。この被塗物は、自動車ボディや自動車用部品のほか、家電製品としても利用することができる。
電着塗膜層20は、カチオン型電着塗料又はアニオン型電着塗料に被塗物10を浸漬し、所定の電圧を被塗物10と電着塗料との間に印加することで、電気泳動作用により未硬化塗膜が被塗物10の表面に形成され、これをたとえば160℃〜180℃で15分〜30分焼き付けることで硬化塗膜が形成される。被塗物10の種類や目的によっても相違するが、電着塗膜層20の膜厚はたとえば10〜40μmである。
中塗り塗膜層21は、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹脂、ウレタン樹脂、セルロース樹脂などを主成分とし、これに着色材や添加剤を添加してなる熱硬化型塗料又は常温硬化型塗料もしくは2液硬化型塗料であって、この塗料を溶剤で希釈したものをスプレー塗装ガンなどの塗装機を用いて電着塗膜層20の表面に塗装し、熱硬化型塗料であればたとえば80℃〜160℃で10分〜30分焼き付けることで形成される。被塗物の種類や目的によっても相違するが、中塗り塗膜層21の膜厚は、たとえば15〜45μmである。
なお、図示は省略するが、図1に示す塗膜構成のうちの中塗り塗膜層21を省略し、電着塗膜層20の表面に直接、後述するベース塗膜層30を形成することも可能である。このように、被塗物の種類や目的に応じて中塗り塗膜層21を省略することができる。またこれに代えて、電着塗膜層20を省略し、被塗物10の表面に直接中塗り塗膜層21を形成することもできる。
図1に戻り、ベース塗膜層30は、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹脂、ウレタン樹脂、セルロース樹脂などを主成分とし、これに着色材や添加剤を添加してなる熱硬化型塗料又は常温硬化型塗料もしくは2液硬化型塗料であって、この塗料を溶剤で希釈したものをスプレー塗装ガンなどの塗装機を用いて中塗り塗膜層21の表面に塗装し、熱硬化型塗料であればたとえば80℃〜160℃で10分〜30分焼き付けることで形成される。
特に本実施形態に係るベース塗膜層30は、たとえば白色又は黒色の着色材の含有量を調整することで、塗膜層30の明度を、後述する第1の着色塗膜層40および第2の着色塗膜層70の明度より高くなるようにしている。このベース塗膜層30を形成することにより、第1の着色塗膜層40および第2の着色塗膜層70に下地隠蔽性がなくとも、このベース塗膜層30が中塗り塗膜層21や電着塗膜層20を隠蔽することができる。なお、被塗物の種類や目的によっても相違するが、ベース塗膜層30の膜厚は、たとえば15〜45μmである。
第1の着色塗膜層40は、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹脂、ウレタン樹脂、セルロース樹脂などを主成分とし、これに着色材や添加剤を添加してなる熱硬化型塗料又は常温硬化型塗料もしくは2液硬化型塗料であって、この塗料を溶剤で希釈したものをスプレー塗装ガンなどの塗装機を用いてベース塗膜層30の表面に塗装し、熱硬化型塗料であればたとえば80℃〜160℃で10分〜30分焼き付けることで形成される。
添加剤としては、ポリエチレンワックス,ポリプロピレンワックスなどのワックス類や、分散剤などを例示することができ、溶剤としては、水または芳香族炭化水素系溶剤もしくは炭化水素系溶剤(エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤など)を例示することができる。
特に本実施形態に係る第1の着色塗膜層40には、平均粒子径が30nm〜300nm、より好ましくは30nm〜200nmの微粒化着色材が含まれる。微粒化着色材の平均粒子径が30nmより小さいと、着色材の種類やグレードによっては耐候性に影響が生じるおそれがあり、また平均粒子径が300nmを超えると着色材としての鮮やかさや透明性が損なわれ高彩度化を実現することができない。
一般的に塗料に使用される着色材の平均粒子径は500nm〜10μmであり、塗膜に光が入射すると白色の拡散反射光が発生し、これが彩度を低下させる原因であると考えられる。そこで、こうした従来径の着色材を用いて彩度を高めるために、塗料に添加する着色材の濃度を低くすることが効果的であるが、着色材の濃度を低くすると膜厚変動に対する色差ΔEも大きくなり、膜厚管理がシビアになったり、いわゆる額縁現象(被塗物の端縁は一般面に比べて厚膜になるので一般面と端縁に色差が生じるといった現象)と称される問題が生じたりした。
この点につき、本実施形態に係る第1の着色塗膜層40では、着色材の濃度を維持しつつ着色材の粒子径を小さくすることで彩度低下の原因となる拡散反射光の発生を抑制する。これにより、膜厚変動による色差の変動を小さくすることができるとともに、彩度を高めることができる。なお、彩度を高めたことによる下地隠蔽性の低下の問題は、上述したようにベース塗膜層30により解決している。
また、本実施形態に係る第1の着色塗膜層40には、上述した微粒化着色材が樹脂固形分に対して重量比率で0.05〜50重量%含まれている。微粒化着色材の重量比率が0.05%未満であると充分な着色効果が得られず、また微粒化着色材の重量比率が50%を超えると着色塗膜層40が黒ずんで見える。なお、ここでいう重量比率とは樹脂固形分重量Aに対する微粒化着色材の重量B、すなわちB/A(%)をいう。
さらに、第1の着色塗膜層40に含まれる着色材は微粒化着色材にのみ限定されず、平均粒子径が300nmを超える着色材が第1の着色塗膜層40の樹脂固形分に対して重量比率で0.05〜3重量%の範囲で含まれている。ただし、微粒化着色材は、当該平均粒子径が300nmを超える着色材に対して固形分比で1.5倍以上含まれることが必要とされる。平均粒子径が300nmを超える着色材が3重量%を超えたり、あるいは微粒化着色材の含有比が1.5倍未満であったりすると、本発明の目的とする高彩度塗膜を実現することができないからである。
被塗物の種類や目的によっても相違するが、第1の着色塗膜層40の膜厚は、たとえば15〜45μmである。
第2の着色塗膜層70は、第1の着色塗膜層40と同様に、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹脂、ウレタン樹脂、セルロース樹脂などを主成分とし、これに着色材や添加剤を添加してなる熱硬化型塗料又は常温硬化型塗料もしくは2液硬化型塗料であって、この塗料を溶剤で希釈したものをスプレー塗装ガンなどの塗装機を用いて第1の着色塗膜層40の表面に塗装し、熱硬化型塗料であればたとえば80℃〜160℃で10分〜30分焼き付けることで形成される。
添加剤としては、ポリエチレンワックス,ポリプロピレンワックスなどのワックス類や、分散剤などを例示することができ、溶剤としては、水または芳香族炭化水素系溶剤もしくは炭化水素系溶剤(エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤など)を例示することができる。
特に本実施形態に係る第2の着色塗膜層40にも、平均粒子径が30nm〜300nm、より好ましくは30nm〜200nmの微粒化着色材が含まれる。微粒化着色材の平均粒子径が30nmより小さいと、着色材の種類やグレードによっては耐候性に影響が生じるおそれがあり、また平均粒子径が300nmを超えると着色材としての鮮やかさや透明性が損なわれ高彩度化を実現することができない。
また、本実施形態に係る第2の着色塗膜層70には、上述した微粒化着色材が樹脂固形分に対して重量比率で0.05〜50重量%含まれている。微粒化着色材の重量比率が0.05%未満であると充分な着色効果が得られず、また微粒化着色材の重量比率が50%を超えると第2の着色塗膜層70が黒ずんで見える。
さらに、第2の着色塗膜層40に含まれる着色材は微粒化着色材にのみ限定されず、平均粒子径が300nmを超える着色材が第2の着色塗膜層70の樹脂固形分に対して重量比率で0.05〜3重量%の範囲で含まれてもよい。ただし、微粒化着色材は、当該平均粒子径が300nmを超える着色材に対して固形分比で1.5倍以上含まれることが必要とされる。平均粒子径が300nmを超える着色材が3重量%を超えたり、あるいは微粒化着色材の含有比が1.5倍未満であったりすると、本発明の目的とする高彩度塗膜を実現することができないからである。
また、第2の着色塗膜層70に含まれる微粒化着色材と平均粒子径が300nmを超える着色材との含有比率は、第1の着色塗膜層40に含まれる微粒化着色材と平均粒子径が300nmを超える着色材との含有比率よりも大きく設定されている。すなわち、2層で構成される着色塗膜層40,70の上層70の方が、下層40に比べて微粒化着色材の含有比率が高い。これにより、彩度の高い第2の着色塗膜層70が上層に位置し、これよりも相対的に彩度が低い第1の着色塗膜層40が下層に位置することになるので、積層塗膜として観察したときに塗膜に「深み感」が現出することになる。
被塗物の種類や目的によっても相違するが、第2の着色塗膜層70の膜厚は、たとえば15〜45μmである。
なお、第1の着色塗膜層40および/または第2の着色塗膜層70に、たとえば平均粒子径が1〜20μm,厚さが0.01〜0.5μmの粉砕アルミニウム又は蒸着アルミニウムからなる光輝材を含有させてメタリック感を現出することも可能である。この場合の光輝材は、各着色塗膜層40,70の樹脂固形分に対して重量比率で1〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%含まれる。光輝材の重量比率が20%を超えると塗膜密着性に悪影響を与えるおそれがあり、逆に1%未満であると光輝感が不充分となる。
また、上述した実施形態では、下地層である電着塗膜層20および中塗り塗膜層21,ベース塗膜層30,第1の着色塗膜層40,第2の着色塗膜層70の5層それぞれについて焼き付け硬化させたが、2つ以上の層をウェットオンウェットで塗装し、同時に複数の層を焼き付け硬化させても良い。たとえば、電着塗膜層20と中塗り塗膜層21、中塗り塗膜層21とベース塗膜層30、ベース塗膜層30と第1の着色塗膜層40、第1の着色塗膜層40と第2の着色塗膜層70、中塗り塗膜層21とベース塗膜層30と第1の着色塗膜層40、ベース塗膜層30と第1の着色塗膜層40と第2の着色塗膜層70などをウェットオンウェット塗装として例示することができる。
第2実施形態(図2)
図2は本発明の第2実施形態に係る積層塗膜を示す断面図である。上述した第1実施形態ではベース塗膜層30の表面に形成する着色塗膜層を2層としたが、本例では3層としている点で第1実施形態と相違する。
すなわち、本実施形態に係る積層塗膜は、被塗物10の表面に形成された電着塗膜層20と、この電着塗膜層20の表面に形成された中塗り塗膜層21と、この中塗り塗膜層21の表面に形成されたベース塗膜層30と、このベース塗膜層30の表面に形成された第1の着色塗膜層40と、この第1の着色塗膜層40の表面に形成された第2の着色塗膜層70と、この第2の着色塗膜層70の表面に形成された第3の着色塗膜層80とから構成されている。
ここで、電着塗膜層20、中塗り塗膜層21、ベース塗膜層30、第1の着色塗膜層40および第2の着色塗膜層70については上述した第1実施形態と同じ構成であるためその詳細な説明は省略する。
第3の着色塗膜層80は、第1の着色塗膜層40および第2の着色塗膜層70と同様に、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹脂、ウレタン樹脂、セルロース樹脂などを主成分とし、これに着色材や添加剤を添加してなる熱硬化型塗料又は常温硬化型塗料もしくは2液硬化型塗料であって、この塗料を溶剤で希釈したものをスプレー塗装ガンなどの塗装機を用いて第2の着色塗膜層70の表面に塗装し、熱硬化型塗料であればたとえば80℃〜160℃で10分〜30分焼き付けることで形成される。
添加剤としては、ポリエチレンワックス,ポリプロピレンワックスなどのワックス類や、分散剤などを例示することができ、溶剤としては、水または芳香族炭化水素系溶剤もしくは炭化水素系溶剤(エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤など)を例示することができる。
特に本実施形態に係る第3の着色塗膜層80にも、平均粒子径が30nm〜300nm、より好ましくは30nm〜200nmの微粒化着色材が含まれる。微粒化着色材の平均粒子径が30nmより小さいと、着色材の種類やグレードによっては耐候性に影響が生じるおそれがあり、また平均粒子径が300nmを超えると着色材としての鮮やかさや透明性が損なわれ高彩度化を実現することができない。
また、本実施形態に係る第3の着色塗膜層80には、上述した微粒化着色材が樹脂固形分に対して重量比率で0.05〜50重量%含まれている。微粒化着色材の重量比率が0.05%未満であると充分な着色効果が得られず、また微粒化着色材の重量比率が50%を超えると第3の着色塗膜層80が黒ずんで見える。
さらに、第3の着色塗膜層80に含まれる着色材は微粒化着色材にのみ限定されず、平均粒子径が300nmを超える着色材が第3の着色塗膜層80の樹脂固形分に対して重量比率で0.05〜3重量%の範囲で含まれてもよい。ただし、微粒化着色材は、当該平均粒子径が300nmを超える着色材に対して固形分比で1.5倍以上含まれることが必要とされる。平均粒子径が300nmを超える着色材が3重量%を超えたり、あるいは微粒化着色材の含有比が1.5倍未満であったりすると、本発明の目的とする高彩度塗膜を実現することができないからである。
また、第3の着色塗膜層80に含まれる微粒化着色材と平均粒子径が300nmを超える着色材との含有比率は、第1の着色塗膜層40に含まれる微粒化着色材と平均粒子径が300nmを超える着色材との含有比率、および第2の着色塗膜層70に含まれる微粒化着色材と平均粒子径が300nmを超える着色材との含有比率よりも大きく設定され、さらに第1実施形態と同様に、第2の着色塗膜層70に含まれる微粒化着色材と平均粒子径が300nmを超える着色材との含有比率は、第1の着色塗膜層40に含まれる微粒化着色材と平均粒子径が300nmを超える着色材との含有比率よりも大きく設定されている。すなわち、3層で構成される着色塗膜層40,70,80の上層80の方が、下層40に比べて微粒化着色材の含有比率が順に高くなっている。これにより、彩度が最も高い第3の着色塗膜層80が上層に位置し、次に彩度が高い第2の着色塗膜層70が中間層に位置し、3層のうち最も彩度が低い第1の着色塗膜層40が下層に位置することになるので、積層塗膜として観察したときに塗膜に「深み感」がより現出することになる。
被塗物の種類や目的によっても相違するが、第3の着色塗膜層80の膜厚は、たとえば15〜45μmである。
第3実施形態(図3)および第4実施形態(図4)
図3は本発明の第3実施形態に係る積層塗膜を示す断面図、図4は本発明の第4実施形態に係る積層塗膜を示す断面図である。上述した第1実施形態および第2実施形態に係る積層塗膜は、第2の着色塗膜層70または第3の着色塗膜層80の表面にクリヤ塗膜層を形成しない積層塗膜であるが、本発明の積層塗膜は、最外層の着色塗膜層の表面に1層又は2層以上のクリヤ塗膜層60を有する積層塗膜に具現化することもできる。
すなわち、図3に示す本実施形態に係る積層塗膜は、被塗物10の表面に形成された電着塗膜層20と、この電着塗膜層20の表面に形成された中塗り塗膜層21と、この中塗り塗膜層21の表面に形成されたベース塗膜層30と、このベース塗膜層30の表面に形成された第1の着色塗膜層40と、この第1の着色塗膜層40の表面に形成された第2の着色塗膜層70と、この第2の着色塗膜層70の表面に形成されたクリヤ塗膜層60とから構成され、クリヤ塗膜層60が存在する点が上述した第1実施形態と相違する。なお、電着塗膜層20、中塗り塗膜層21、ベース塗膜層30、第1の着色塗膜層40および第2の着色塗膜層70については上述した第1実施形態と同じ構成であるためその詳細な説明は省略する。
本実施形態に係るクリヤ塗膜層60は、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹脂、ウレタン樹脂、セルロース樹脂などを主成分とし、これに添加剤を添加してなる熱硬化型塗料又は常温硬化型塗料もしくは2液硬化型塗料であって、この塗料を溶剤で希釈したものをスプレー塗装ガンなどの塗装機を用いて、未硬化の第2の着色塗膜層70の表面に塗装し、熱硬化型塗料であればたとえば80℃〜160℃で10分〜30分焼き付けることで形成される。
添加剤としては、ポリエチレンワックス,ポリプロピレンワックスなどのワックス類や、分散剤などを例示することができ、溶剤としては、水または芳香族炭化水素系溶剤もしくは炭化水素系溶剤(エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤など)を例示することができる。
なお、図示する実施形態では、クリヤ塗膜層60を1層としたが、これを繰り返し塗装して、2層以上のクリヤ塗膜層60を形成しても良い。
また、上述した実施形態では、第2の着色塗膜層70とクリヤ塗膜層60の2層をウェットオンウェットで塗装し、同時に複数の層を焼き付け硬化させたが、本発明の積層塗膜はこれにのみ限定されず、第2の着色塗膜層70を焼き付け硬化させたのち、クリヤ塗膜層60を塗装し焼き付け硬化させても良い。
また、図4の第4実施形態に係る積層塗膜は、被塗物10の表面に形成された電着塗膜層20と、この電着塗膜層20の表面に形成された中塗り塗膜層21と、この中塗り塗膜層21の表面に形成されたベース塗膜層30と、このベース塗膜層30の表面に形成された第1の着色塗膜層40と、この第1の着色塗膜層40の表面に形成された第2の着色塗膜層70と、この第2の着色塗膜層70の表面に形成された第3の着色塗膜80と、この第3の着色塗膜層80の表面に形成されたクリヤ塗膜層60とから構成され、クリヤ塗膜層60が存在する点が上述した第2実施形態と相違する。なお、電着塗膜層20、中塗り塗膜層21、ベース塗膜層30、第1の着色塗膜層40、第2の着色塗膜層70および第3の着色塗膜層80については上述した第2実施形態と同じ構成であり、クリヤ塗膜層60についても上述した第3実施形態と同じ構成である。
以下、本発明をさらに具体化して説明する。
実施例1
板厚0.8mm,大きさ70mm×150mmのダル鋼鈑を被塗物として、これにリン酸亜鉛処理を施してリン酸亜鉛皮膜を形成したのち、カチオン型電着塗料(日本ペイント社製パワートップU−600M)を用いて膜厚が20μmとなるように電着塗装を行い、160℃で30分焼き付け硬化させることで電着塗膜層を形成した。
この電着塗膜層の表面に、中塗り塗料(日本油脂社製ハイエピコQX1)を用いて膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装し、140℃で30分焼き付け硬化させることで中塗り塗膜層を形成した。
ベース塗膜層を構成するベース塗料として、カラーベース白(日本ビーケミカル社製アクリルメラミン系樹脂,明度L=80〜90)を用いて膜厚が10〜40μmとなるようにスプレー塗装し、140℃で30分焼き付け硬化させた。
アクリル樹脂(大日本インキ化学工業社製アクリディック)を100重量部、オレンジ顔料(クラリアント社製Permanent Orange 3RTN)を10重量部、分散剤(共栄化学社製フローレンG−700)を5重量部、酢酸エチル230重量部を混合したのち、350重量部の粒径1mmのアルミナビーズを加えて混合機(特殊機化工業社製TKオートホモミキサー)にて2時間の分散を行い、平均粒子径を150nmまで微細化した。この微粒化着色材(オレンジ色)をクリヤベース(日本ビーケミカル社製アクリルメラミン系樹脂)に樹脂固形分に対する重量比率が4%になるように添加し、さらに平均粒子径を500nmに調製したオレンジ色の着色材を重量比率で0.5%添加し、溶剤としてのシンナー(日本ビーケミカル社製T―536MB)にて希釈して、第1の着色塗膜層を構成する第1の着色塗料を得た。この第1の着色塗料を、先に形成したベース塗膜層の表面に膜厚が20μmとなるようにスプレー塗装し、140℃で30分焼き付け硬化させた。
第1の着色塗料と同じように平均粒子径を150nmまで微粒化した微粒化着色材(オレンジ色)をクリヤベース(日本ビーケミカル社製アクリルメラミン系樹脂)に樹脂固形分に対する重量比率が4%になるように添加し、溶剤としてのシンナー(日本ビーケミカル社製T―536MB)にて希釈して、第2の着色塗膜層を構成する第2の着色塗料を得た。この第2の着色塗料を先に形成した第1の着色塗膜層の表面に膜厚が20μmとなるようにスプレー塗装し、140℃で30分焼き付け硬化させた。
なお、第1の着色塗膜層の単独の明度を別に測定したところL=30〜70、第2の着色塗膜層の単独の明度を別に測定したところL=20〜60であった。
得られた積層塗膜につき、深み感を目視で評価し、従来積層塗膜に比べて著しく深み感があるものを「◎」、深み感があるものを「○」、同等のものを「×」とした。
また、得られた積層塗膜につき、JIS K5600−7−7の促進耐候性試験を実施し、試験前の色相と試験後の色相とを目視にて評価し、色相変化が著しく小さいものを「◎」、色相変化が小さいものを「○」、色相変化が大きいものを「×」とした。さらに、得られた積層塗膜につき、彩度を目視で評価し、従来積層塗膜に比べて著しく彩度が高いものを「◎」、彩度が高いものを「○」、同等のものを「×」とした。
これら深み感および促進耐候性の評価を、主たる塗膜条件とともに表1に示す。
実施例2
第1の着色塗膜層および第2の着色塗膜層に含有させるオレンジ色の微粒化着色材の平均粒子径を30nmに調製したこと以外は実施例1と同じ条件でテストピースを作製し、深み感および促進耐候性を評価した。この結果を表1に示す。
実施例3
第1の着色塗膜層および第2の着色塗膜層に含有させるオレンジ色の微粒化着色材の平均粒子径を300nmに調製したこと以外は実施例1と同じ条件でテストピースを作製し、深み感および促進耐候性を評価した。この結果を表1に示す。
実施例4
第1の着色塗料および第2の着色塗料と同じように平均粒子径を150nmまで微粒化した微粒化着色材(オレンジ色)をクリヤベース(日本ビーケミカル社製アクリルメラミン系樹脂)に樹脂固形分に対する重量比率が4%になるように添加し、溶剤としてのシンナー(日本ビーケミカル社製T―536MB)にて希釈して、第3の着色塗膜層を構成する第3の着色塗料を得た。この第3の着色塗料を先に形成した第2の着色塗膜層の表面に膜厚が20μmとなるようにスプレー塗装し、140℃で30分焼き付け硬化させた。また、第1の着色塗膜層に含有させる平均粒子径500nmのオレンジ色着色材の重量比率を1%とし、第2の着色塗膜層に含有させる平均粒子径500nmのオレンジ色着色材の重量比率を0.5%とした以外は実施例1と同じ条件で第2の着色塗膜層までを形成した。深み感および促進耐候性の評価結果を表1に示す。
実施例5
第1の着色塗膜層、第2の着色塗膜層および第3の着色塗膜層に含有させるオレンジ色の微粒化着色材の平均粒子径を30nmに調製したこと以外は実施例4と同じ条件でテストピースを作製し、深み感および促進耐候性を評価した。この結果を表1に示す。
実施例6
第1の着色塗膜層、第2の着色塗膜層および第3の着色塗膜層に含有させるオレンジ色の微粒化着色材の平均粒子径を300nmに調製したこと以外は実施例4と同じ条件でテストピースを作製し、深み感および促進耐候性を評価した。この結果を表1に示す。
比較例1
実施例1〜3の比較例として、第1の着色塗膜層および第2の着色塗膜層に含有させるオレンジ色の微粒化着色材の平均粒子径を10nmに調製したこと以外は実施例1と同じ条件でテストピースを作製し、深み感および促進耐候性を評価した。この結果を表1に示す。
比較例2
実施例1〜3の比較例として、第1の着色塗膜層および第2の着色塗膜層に含有させるオレンジ色の微粒化着色材の平均粒子径を500nmに調製したこと以外は実施例1と同じ条件でテストピースを作製し、深み感および促進耐候性を評価した。この結果を表1に示す。
比較例3
実施例4〜6の比較例として、第1の着色塗膜層、第2の着色塗膜層および第3の着色塗膜層に含有させるオレンジ色の微粒化着色材の平均粒子径を10nmに調製したこと以外は実施例4と同じ条件でテストピースを作製し、深み感および促進耐候性を評価した。この結果を表1に示す。
比較例4
実施例4〜6の比較例として、第1の着色塗膜層、第2の着色塗膜層および第3の着色塗膜層に含有させるオレンジ色の微粒化着色材の平均粒子径を500nmに調製したこと以外は実施例4と同じ条件でテストピースを作製し、深み感および促進耐候性を評価した。この結果を表1に示す。
比較例5
実施例1の比較例として、第1の着色塗膜層に含有させる平均粒子径が500nmの着色材を0重量%とし、第2の着色塗膜層に含有させる平均粒子径が500nmの着色材を0.5重量%にしたこと以外は実施例1と同じ条件でテストピースを作製し、深み感および促進耐候性を評価した。この結果を表1に示す。
比較例6
実施例4の比較例として、第1の着色塗膜層に含有させる平均粒子径が500nmの着色材を0重量%とし、第2の着色塗膜層に含有させる平均粒子径が500nmの着色材を0.5重量%とし、第3の着色塗膜層に含有させる平均粒子径が500nmの着色材を1重量%にしたこと以外は実施例4と同じ条件でテストピースを作製し、深み感および促進耐候性を評価した。この結果を表1に示す。
比較例7
実施例4の比較例として、第1の着色塗膜層に含有させる平均粒子径が500nmの着色材を0.5重量%とし、第2の着色塗膜層に含有させる平均粒子径が500nmの着色材を0.5重量%とし、第3の着色塗膜層に含有させる平均粒子径が500nmの着色材を0.5重量%にしたこと以外は実施例4と同じ条件でテストピースを作製し、深み感および促進耐候性を評価した。この結果を表1に示す。
比較例8
実施例4の比較例として、第1の着色塗膜層に含有させる平均粒子径が500nmの着色材を0重量%とし、第2の着色塗膜層に含有させる平均粒子径が500nmの着色材を0重量%とし、第3の着色塗膜層に含有させる平均粒子径が500nmの着色材を0.5重量%にしたこと以外は実施例4と同じ条件でテストピースを作製し、深み感および促進耐候性を評価した。この結果を表1に示す。
比較例9
実施例4の比較例として、第1の着色塗膜層に含有させる平均粒子径が500nmの着色材を0.5重量%とし、第2の着色塗膜層に含有させる平均粒子径が500nmの着色材を0重量%とし、第3の着色塗膜層に含有させる平均粒子径が500nmの着色材を0.5重量%にしたこと以外は実施例4と同じ条件でテストピースを作製し、深み感および促進耐候性を評価した。この結果を表1に示す。
比較例10
実施例4の比較例として、第1の着色塗膜層に含有させる平均粒子径が500nmの着色材を0.5重量%とし、第2の着色塗膜層に含有させる平均粒子径が500nmの着色材を1重量%とし、第3の着色塗膜層に含有させる平均粒子径が500nmの着色材を0.5重量%にしたこと以外は実施例4と同じ条件でテストピースを作製し、深み感および促進耐候性を評価した。この結果を表1に示す。
Figure 2005169313
考 察
実施例1〜3と比較例1〜2、および実施例4〜6と比較例3〜4より、着色塗膜層に含有させる着色材の平均粒子径を30nm〜300nmの範囲としたときは、深み感および促進耐候性ともに良好であったが、比較例1,3のように着色材の平均粒子径が10nmであると促進耐候性に問題があり、また比較例2,4のように着色材の平均粒子径が500nmであると彩度が低くなり鮮やかな色相の塗膜が得られなかった。
実施例1および比較例5より、上層側の第2の着色塗膜層に含まれる平均粒子径が150nmの微粒化着色材と平均粒子径が500nmの着色材との含有比率が、下層側の第1の着色塗膜層に含まれる平均粒子径が150nmの微粒化着色材と平均粒子径が500nmの着色材との含有比率よりも大きくしたときは、深み感のある積層塗膜となるが、比較例5のようにこれが逆転すると深み感が感じられない積層塗膜となった。
また、実施例4と比較例6〜10より、上層側の第3の着色塗膜層に含まれる平均粒子径が150nmの微粒化着色材と平均粒子径が500nmの着色材との含有比率を最も大きく、中間に位置する第2の着色塗膜層に含まれる平均粒子径が150nmの微粒化着色材と平均粒子径が500nmの着色材との含有比率を次に大きく、下層側の第1の着色塗膜層に含まれる平均粒子径が150nmの微粒化着色材と平均粒子径が500nmの着色材との含有比率を最も小さくしたときは、深み感のある積層塗膜となるが、比較例6〜10のようにこのような順序でないと深み感が感じられない積層塗膜となった。
本発明の第1実施形態に係る積層塗膜を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る積層塗膜を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る積層塗膜を示す断面図である。 本発明の第4実施形態に係る積層塗膜を示す断面図である。
符号の説明
10…被塗物
20…電着塗膜層(下地層)
21…中塗り塗膜層(下地層)
30…ベース塗膜層
40…第1の着色塗膜層
60…クリヤ塗膜層
70…第2の着色塗膜層
80…第3の着色塗膜層

Claims (18)

  1. 被塗物の表面に形成された下地層と、当該下地層の表面に形成されたベース塗膜層と、当該ベース塗膜層の表面に形成されされた複数の着色塗膜層とを少なくとも有する積層塗膜であって、
    前記ベース塗膜層の明度が前記着色塗膜層の明度より高く、かつ前記着色塗膜層に平均粒子径30nm〜300nmの微粒化着色材が含まれ、
    前記複数の着色塗膜層のうち、上層側の着色塗膜層に含まれる微粒化着色材と平均粒子径が300nmを超える着色材との含有比率が、下層側の着色塗膜層に含まれる微粒化着色材と平均粒子径が300nmを超える着色材との含有比率よりも大きいことを特徴とする積層塗膜。
  2. 前記平均粒子径が300nmを超える着色材は、その着色塗膜層の樹脂固形分に対して0.05〜3重量%含まれ、かつ前記微粒化着色材は、当該平均粒子径が300nmを超える着色材に対して固形分比で1.5倍以上含まれることを特徴とする請求項1に記載の積層塗膜。
  3. 前記最上層の着色塗膜層の表面に形成されたクリヤ塗膜層をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の積層塗膜。
  4. 前記クリヤ塗膜層の表面に形成された第2のクリヤ塗膜層をさらに有することを特徴とする請求項3に記載の積層塗膜。
  5. 前記着色塗膜層は、前記ベース塗膜層の表面に形成された第1の着色塗膜層と、当該第1の着色塗膜層の表面に形成された第2の着色塗膜層とを有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の積層塗膜。
  6. 前記着色塗膜層は、前記第2の着色塗膜層の表面に形成された第3の着色塗膜層を有することを特徴とする請求項5に記載の積層塗膜。
  7. 前記微粒化着色材は、その着色塗膜層の樹脂固形分に対して0.05〜50重量%含まれることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の積層塗膜。
  8. 前記下地層は、前記被塗物の表面に形成された電着塗膜層を有することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の積層塗膜。
  9. 前記下地層は、前記電着塗膜層の表面に形成された中塗り塗膜層を有することを特徴とする請求項8に記載の積層塗膜。
  10. 被塗物の表面に下地層を形成する工程と、当該下地層の表面にベース塗膜層を形成する工程と、当該ベース塗膜層の表面に複数の着色塗膜層を形成する工程と、を少なくとも有する積層塗膜の形成方法であって、
    前記ベース塗膜層の明度が前記着色塗膜層の明度より高く、かつ前記着色塗膜層に平均粒子径30nm〜300nmの微粒化着色材が含まれ、
    前記複数の着色塗膜層のうち、上層側の着色塗膜層に含まれる微粒化着色材と平均粒子径が300nmを超える着色材との含有比率が、下層側の着色塗膜層に含まれる微粒化着色材と平均粒子径が300nmを超える着色材との含有比率よりも大きいことを特徴とする積層塗膜の形成方法。
  11. 前記平均粒子径が300nmを超える着色材は、前記着色塗膜層の樹脂固形分に対して0.05〜3重量%含まれ、かつ前記微粒化着色材は、当該平均粒子径が300nmを超える着色材に対して固形分比で1.5倍以上含まれることを特徴とする請求項10に記載の積層塗膜の形成方法。
  12. 前記光輝材含有塗膜層の表面にクリヤ塗膜層を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項10又は11に記載の積層塗膜の形成方法。
  13. 前記クリヤ塗膜層の表面に第2のクリヤ塗膜層を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項12に記載の積層塗膜の形成方法。
  14. 前記複数の着色塗膜層を形成する工程は、前記ベース塗膜層の表面に第1の着色塗膜層を形成する工程と、当該第1の着色塗膜層の表面に第2の着色塗膜層を形成する工程とを有することを特徴とする請求項10〜13の何れかに記載の積層塗膜の形成方法。
  15. 前記複数の着色塗膜層を形成する工程は、前記第2の着色塗膜層の表面に第3の着色塗膜層を形成する工程を有することを特徴とする請求項14に記載の積層塗膜。
  16. 前記微粒化着色材は、前記着色塗膜層の樹脂固形分に対して0.05〜50重量%含まれることを特徴とする請求項10〜15の何れかに記載の積層塗膜の形成方法。
  17. 前記下地層を形成する工程は、前記被塗物の表面に電着塗膜層を形成する工程を有することを特徴とする請求項10〜16の何れかに記載の積層塗膜の形成方法。
  18. 前記下地層を形成する工程は、前記電着塗膜層の表面に中塗り塗膜層を形成する工程を有することを特徴とする請求項17に記載の積層塗膜の形成方法。

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