JP2005169071A - 脊椎固定装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 脊椎の外科手術に際して、固定ロッドの位置ずれが生じることのない脊椎固定装置を提供する。
【解決手段】 固定ロッド２０は、固定座部３０の収容スロット３１内において、押圧エレメント６３およびＣ形リング５０における２つのグルーブ５４，６３１の間に、しっかりと把持される。そのために、Ｃ形リング５０は、締結ねじ４０の丸頭部４２に支持される。当該締結ねじ４０は、固定座部３０の内部に収容される丸頭部４２、および固定座部３０の底面に形成された貫通孔３２内に挿入される軸４１から構成される。さらに、押圧エレメント６３は、押圧ねじ６２が、固定座部３０の収容スロット３１内に収容され、回転固定エレメント６１の貫通ねじ孔６１２にねじ入れられることによって、固定ロッド２０を押圧する。
【選択図】図１

Description

本発明は、脊椎の外科治療に用いる装置に関し、特に脊椎固定装置に関する。

米国特許第２００３０１８７４３４Ａ１号に開示されている出願の発明者は、固定座部、固定ブロック、および締結ボルトを有する脊椎固定装置を開示している。固定座部は、脊椎固定ロッドを収容するための収容スロットを有している。固定ブロックは、脊椎固定ロッドが固定ブロックにより押圧され、固定ブロックの２つの支持縁部が固定座部における２つの支持孔内に支持されるように、固定座部に取り付けられる。締結ボルトは、締結ボルトの一端が脊椎固定ロッドを押圧するように、前記固定ブロックの貫通孔に、ねじ入れられて取り付けられる。こうした設計は、従来の主流とされる固定装置を改良したにもかかわらず、以下に示す改良すべき欠点を有している。１）締結ねじの丸頭部と固定ロッドとの接触範囲は、細い線上に限定される。２）固定ブロックは、固定座部の収容スロット内において、固定ロッドを充分に締め付けることが可能なように、精度よく製造されることが求められる。この理由は、脊椎の外科手術の最中において、固定ロッドは、予期しない位置ずれを生じやすいからである。脊椎の外科手術において、この固定ロッドの位置ずれが生じた場合、頻繁に不運な結果が生じる。米国特許第６５６５５６５Ｂ１号の出願は、固定ロッドを固定する装置を開示しているが、当該装置は、前述した米国特許第２００３０１８７４３４Ａ１号に開示されている装置に類似するものであり、上記に示した欠点を同様に有する。

本発明の主な目的は、従来技術の欠点を無くし、外科手術に際して、固定ロッドの位置ずれが生じることのない脊椎固定装置を提供することである。

本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
（１）脊椎固定装置であって、脊椎分節を固定するために用いられる固定ロッドと、前記固定ロッドを収容するための収容スロットが形成された固定座部であって、前記収容スロットを構成する２つの互いに対向する側壁に支持溝が形成され、底部に、貫通孔が形成されてなる固定座部と、丸頭部が一体に形成される締結ねじであって、前記丸頭部は、前記締結ねじが前記固定座部の前記貫通孔に挿入された場合、前記固定座部の内部に回転可能に保持されてなる締結ねじと、弾性的に変形可能とされ、一方の側面の表面が凹状を呈し、他方の側面が前記固定ロッドに対応する形状を呈するＣ型リングであって、当該Ｃ形リングが前記固定座部内に収容される場合、当該Ｃ形リングは変形によって生じる膨張力によって前記固定座部の内部に保持され、前記凹状を呈する表面は前記締結ねじの丸頭部に支持され、前記他方の側面は前記固定ロッドに当接するＣ形リングと、貫通ねじ孔および対称的に配置される２つの保持エッジ部が設けられた回転固定エレメント、一方の側面に突起が形成され他方の側面にグルーブが形成された押圧エレメント、および前記押圧エレメントの前記突起を挿入可能な円形を呈する孔が形成された押圧ねじを有する固定アセンブリであって、前記回転固定エレメントは、前記２つの保持エッジ部が前記固定座部の前記支持溝内に保持され、前記押圧ねじが前記回転固定エレメントの前記貫通ねじ孔内にねじ入れられ、前記押圧ねじが前記貫通ねじ孔内へねじ入れられることによって前記押圧エレメントが前記固定ロッドを押圧可能となるように、前記固定座部に取り付けられ、前記回転固定エレメントが前記固定座部に取り付けられた状態において、前記押圧エレメントのグルーブは、前記固定ロッドに支持され、前記押圧エレメントの前記突起は、前記締結ねじの前記円形の孔内に挿入されてなる固定アセンブリとを有する脊椎固定装置。
（２）前記固定座部の前記支持溝は、前記収容スロットを構成する２つの側壁の内壁面に形成され、前記回転固定エレメントの前記保持エッジ部は、前記回転固定エレメントの外壁面の端部に形成される（１）に記載の脊椎固定装置。
（３）前記固定座部の前記支持溝における前記収容スロットの開口側の第１の側面は、内側より外側が、前記収容スロットの開口に近接する方向に傾斜し、前記保持エッジ部が前記支持溝内に保持されるときに前記第１の側面と対向する前記保持エッジ部における第２の側面は、前記第１の側面に対応して傾斜し、前記保持エッジ部が前記支持溝に保持される際に、前記第１の側面と前記第２の側面とが当接することによって、前記固定座部における前記収容スロットの２つの側壁は、互いに離隔することが防止される（２）に記載の脊椎固定装置。
（４）前記Ｃ形リングの前記他方の側面に、グルーブが形成され、前記Ｃ形リングの当該グルーブは、前記固定ロッドに対応する形状を呈する（１）に記載の脊椎固定装置。
（５）前記押圧ねじには、前記押圧ねじが前記回転固定エレメント内に容易にねじ入れられるために、工具孔が形成される（１）に記載の脊椎固定装置。

本発明のＣ形リングは、固定座部内に弾性的に支持されることから、締結ねじの丸頭部を押さえ付け、Ｃ形リングと、固定座部及びまたは締結ねじの丸頭部との間における摩擦を増加させて、固定ロッドの締め付けを強固なものとする。また、Ｃ形リングに形成されるグルーブは、当該Ｃ形リングと固定ロッドとの摩擦を増加させて、固定ロッドに対する締め付けを一層高める。

さらに、本発明の押圧ねじは、押圧エレメントが固定ロッドを押さえ付けるように、回転固定エレメントにねじ入れられ、固定ロッドはＣ形リングを押圧し、Ｃ形リングは固締ねじの丸頭部を押圧し、丸頭部は固定座部を押圧することによって、固定ロッドは、固定座部の収容スロット内にしっかりと把持される。

本発明の脊椎固定装置は以上の特徴を有することから、あらかじめ締結ねじが脊椎の茎部に固定されることによって、外科手術に際して、固定ロッドの位置ずれが生じることはない。

本発明の特徴及び利点は、以下に図面を参照して述べる詳細な説明によって、より一層
明らかなものとされる。

図１〜４に示すように、本発明の脊椎固定装置１０は、固定ロッド２０、固定座部３０、締結ねじ４０、Ｃ形リング５０、および固定アセンブリ６０を有する。

固定座部３０は、Ｕ形を呈し２つの内壁面に２つの支持溝３３が形成され外壁面に２つの締め付けスロット３４が形成された収容スロット３１を有し、固定座部３０の底部には、貫通孔３２が形成される。

固定アセンブリ６０は、回転固定エレメント６１と、押圧ねじ６２および押圧エレメント６３とを有し、脊椎固定装置１０が手術に使用される前に、図２に示すように組み立てることが可能である。回転固定エレメント６１は、軸中心に配置される貫通ねじ孔６１２と、外表面に突出するように形成され、互いに対向して位置する２つの保持エッジ部６１１とを有している。押圧エレメント６３は、一方の側面に円柱状を呈する突起６３２が形成され、他方の側面にグルーブ６３１が形成される。押圧ねじ６２は、押圧エレメント６３の突起６３２を挿入するための円形の孔６２３が形成され、そして、回転固定エレメント６１の貫通ねじ孔６１２に取り付けられる。

締結ねじ４０は、軸４１と、一体に形成される丸頭部４２とを有しており、軸４１が固定座部３０の貫通孔３２に挿入された際に、丸頭部４２は固定座部３０内に回転可能に支持される。それから、締結ねじ４０の軸４１を、脊椎の茎部（図示せず）にねじ入れることが可能となる。

Ｃ形リング５０の一方の側面には、凹状を呈する表面５１が形成され、他方の側面５２には、固定ロッド２０に対応する形状を呈するグルーブ５４が形成されている。また、Ｃ形リング５０は、開口部５３が形成されることによって弾性的に変形し得て、固定座部３０内に挿入された後に、変形に伴い生じる膨張力によって、固定座部３０の内部に支持される。その際には、凹状を呈する表面５１は、締結ねじ４０の丸頭部４２に支持される。

固定ロッド２０は、固定座部３０の収容スロット３１の内部で、かつＣ形リング５０のグルーブ５４に支持される。

固定アセンブリ６０は、回転して、固定座部３０に連結される。回転固定エレメント６１は、固定座部３０内に取り付けられ、２つの保持エッジ部６１１は、固定座部３０の支持溝３３内に保持される。押圧エレメント６３は、押圧ねじ６２が回転固定エレメント６１の内部にねじ入れられることによって、固定ロッド２０を押圧することが可能となる。押圧エレメント６３のグルーブ６３１は、固定ロッド２０に支持され、押圧エレメント６３の突起６３２は、押圧ねじ６２の円形孔６２３内に挿入される。回転固定エレメント６１と押圧ねじ６２とのねじ留めを容易にするため、押圧ねじ６２には、工具孔６２２が形成されている。

図４に示すように、固定座部３０の支持溝３３における収容スロット３１の開口側の第１の側面３３１は、内側より外側が収容スロット３１の開口に近接する方向に傾斜し、回転固定エレメント６１の保持エッジ部６１１が支持溝内に保持される際に第１の側面３３１と対向する保持エッジ部６１１における第２の側面６１３は、第１の側面３３１に対応して傾斜している。保持エッジ部６１１が支持溝３３に保持される際に、第１の側面３３１と第２の側面６１３とが当接することによって、固定座部３０における収容スロット３１の２つの側壁は、互いに離隔することが防止される。

本発明の実施形態における脊椎固定装置の分解図である。 図1に示す本発明の実施形態における脊椎固定装置の固定アセンブリが組立てられた状態を示す斜視図である。 図１に示す本発明の実施形態における脊椎固定装置が使用される際の状態を示す斜視図である。 図３に示される本発明の実施形態における脊椎固定装置の断面図である。

符号の説明

１０ 脊椎固定装置、
２０ 固定ロッド、
３０ 固定座部、
３１ 収容スロット、
３２ 貫通孔、
３３ 支持溝、
３４ 締め付けスロット、
４０ 締結ねじ、
４１ 軸、
４２ 丸頭部、
５０ Ｃ形リング、
５４ グルーブ、
６０ 固定アセンブリ、
６１ 回転固定エレメント、
６２ 押圧ねじ、
６３ 押圧エレメント、
３３１ 第１の側面、
６１１ 保持エッジ部、
６１２ 貫通ねじ孔、
６１３ 第２の側面、
６２２ 工具孔、
６２３ 円形孔、
６３１ グルーブ、
６３２ 突起。

Claims (5)

1. 脊椎固定装置であって、
   脊椎分節を固定するために用いられる固定ロッドと、
   前記固定ロッドを収容するための収容スロットが形成された固定座部であって、前記収容スロットを構成する２つの互いに対向する側壁に支持溝が形成され、底部に、貫通孔が形成されてなる固定座部と、
   丸頭部が一体に形成される締結ねじであって、前記丸頭部は、前記締結ねじが前記固定座部の前記貫通孔に挿入された場合、前記固定座部の内部に回転可能に保持されてなる締結ねじと、
   弾性的に変形可能とされ、一方の側面の表面が凹状を呈し、他方の側面が前記固定ロッドに対応する形状を呈するＣ型リングであって、当該Ｃ形リングが前記固定座部内に収容される場合、当該Ｃ形リングは変形によって生じる膨張力によって前記固定座部の内部に保持され、前記凹状を呈する表面は前記締結ねじの丸頭部に支持され、前記他方の側面は前記固定ロッドに当接するＣ形リングと、
   貫通ねじ孔および対称的に配置される２つの保持エッジ部が設けられた回転固定エレメント、一方の側面に突起が形成され他方の側面にグルーブが形成された押圧エレメント、および前記押圧エレメントの前記突起を挿入可能な円形を呈する孔が形成された押圧ねじを有する固定アセンブリであって、前記回転固定エレメントは、前記２つの保持エッジ部が前記固定座部の前記支持溝内に保持され、前記押圧ねじが前記回転固定エレメントの前記貫通ねじ孔内にねじ入れられ、前記押圧ねじが前記貫通ねじ孔内へねじ入れられることによって前記押圧エレメントが前記固定ロッドを押圧可能となるように、前記固定座部に取り付けられ、前記回転固定エレメントが前記固定座部に取り付けられた状態において、前記押圧エレメントのグルーブは、前記固定ロッドに支持され、前記押圧エレメントの前記突起は、前記締結ねじの前記円形の孔内に挿入されてなる固定アセンブリと、
   を有する脊椎固定装置。
2. 前記固定座部の前記支持溝は、前記収容スロットを構成する２つの側壁の内壁面に形成され、
   前記回転固定エレメントの前記保持エッジ部は、前記回転固定エレメントの外壁面の端部に形成される請求項１に記載の脊椎固定装置。
3. 前記固定座部の前記支持溝における前記収容スロットの開口側の第１の側面は、内側より外側が、前記収容スロットの開口に近接する方向に傾斜し、
   前記保持エッジ部が前記支持溝内に保持されるときに前記第１の側面と対向する前記保持エッジ部における第２の側面は、前記第１の側面に対応して傾斜し、
   前記保持エッジ部が前記支持溝に保持される際に、前記第１の側面と前記第２の側面とが当接することによって、前記固定座部における前記収容スロットの２つの側壁は、互いに離隔することが防止される請求項２に記載の脊椎固定装置。
4. 前記Ｃ形リングの前記他方の側面に、グルーブが形成され、
   前記Ｃ形リングの当該グルーブは、前記固定ロッドに対応する形状を呈する請求項1に記載の脊椎固定装置。
5. 前記押圧ねじには、前記押圧ねじが前記回転固定エレメント内に容易にねじ入れられるために、工具孔が形成される請求項１に記載の脊椎固定装置。

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