JP2005167505A - フィードフォワード型歪補償増幅器 - Google Patents

フィードフォワード型歪補償増幅器 Download PDF

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貴史 丸山
Hiroyuki Nakamura
宏之 中村
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Abstract

【課題】 フィードフォワード型歪補償増幅器の歪補償に必要な歪を増幅する補助増幅器を不要とし、消費電力の低減を図る。
【解決手段】 入力信号を増幅する増幅器で、歪補償のために検出した歪(検出歪)を増幅する構成とする。入力信号または検出歪を元の入力信号の帯域外へ周波数変換した後に両者を重畳して増幅器に入力し、増幅後に周波数変換した信号を元の周波数に戻し、増幅器の出力信号と検出歪を等振幅逆位相合成して歪の除去された出力信号を得る構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、増幅器で発生する歪を定量的に検出し、増幅器の出力信号と検出した歪を合成し、歪成分を相殺して送信するフィードフォワード型歪補償増幅器に関する。
無線通信システムの送信機は、送信する信号を電気的に増幅した後にアンテナから空中へ電波を送出するために、増幅器が不可欠になっている。この種の増幅器は、省電力化を図るために消費電力の効率化が進められている。ただし、一般的に高効率な増幅器は、入力電力が比較的高くなるとその出力(電力および位相)が非線形になる入出力特性(非線形特性)を示す。この非線形歪量が大きくなると無線通信の品質は劣化し、結果として通信ができなくなる場合がある。ここで、増幅器の入力電力に対する出力電力特性をAM−AM特性といい、入力電力に対する出力位相特性をAM−PM特性という。
図8は、増幅器の非線形特性の例を示す。図において、横軸は入力電力(AM)、左縦軸は出力電力(AM)、右縦軸は出力位相(PM)を示し、実線はAM−AM特性、破線はAM−PM特性を表す。図に示すように、AM−AM特性は入力電力が比較的小さい領域(0dBm以下)ではほぼ線形となっているが、入力電力が比較的大きい領域(0dBm以上)では非線形になっていることがわかる。AM−PM特性においても同様に、入力電力が大きくなると出力位相が変化する。
また、異なる周波数スペクトルを有する複数の信号を単一の増幅器で同時に増幅すると、増幅器の非線形特性により相互変調歪(IM)が発生する。この場合の増幅器への入力信号と出力信号の各スペクトルの例を図9に示す。図9(a) は増幅器への入力信号スペクトルであり、f1,f2は入力信号周波数である。図9(b) は増幅器の出力信号スペクトルであり、増幅された入力信号 (f1,f2) の他に、3次相互変調歪(2f1−f2,2f2−f1)や5次相互変調歪(3f1−2f2,3f2−2f1)、さらに高次の奇数次相互変調歪(図示せず)が発生する。これらの奇数次相互変調歪は、信号周波数と同一または近傍の周波数に発生するため、通信品質に悪影響を与えるおそれがある。
ここでは簡単のために、入力信号を等振幅2波による線スペクトルで示したが、3波以上の複数スペクトルや変調信号等による帯域をもったスペクトルであっても同様であり、入力信号スペクトル数が多い場合にはさらに多くの組み合わせの相互変調歪が発生する。以下、相互変調歪を単に「歪」といい、増幅後の信号のうち歪を含まない信号を「希望信号」という。
歪を補償する方法としては、複数のスペクトルを有する信号を一括して補償可能なフィードフォワード型歪補償増幅器が提案されている。このフィードフォワード型歪補償増幅器は、次の2つのループにより構成される。第1のループは、増幅器の出力信号から入力信号成分を除去することにより、主増幅器で発生した歪を検出する歪検出ループである。第2のループは、歪を含む増幅器の出力信号から歪検出ループで検出した歪を除去する歪除去ループである。
図10は、従来のフィードフォワード型歪補償増幅器の構成例を示す(特許文献1,2)。図において、歪検出ループは、分配器101、増幅器102、分配器103、遅延部104、位相制御部105、振幅制御部106、結合器107、分配器108、電力検出器109、制御回路110により構成され、増幅器102で発生する歪を定量的に検出する。歪除去ループは、補助増幅器201、位相制御部202、振幅制御部203、結合器204、遅延部205、分配器206、電力検出器207、制御回路208により構成され、歪検出ループで検出した歪を用いて増幅器102で発生した歪を除去する。
以下、各部の信号a〜hの周波数スペクトル例を示す図11を参照し、各ループの動作について説明する。なお、Sは希望信号、IMは歪である。上向きスペクトルと下向きスペクトルは互いに逆位相であることを示す。
<歪検出ループ>
入力信号aは、分配器101で2つの経路に分配される。一方の経路の信号は増幅器102で増幅され、希望信号と歪を含む信号bとなる。信号bは分配器103を介して歪除去ループへ出力されるとともに、その一部の信号c(減衰した希望信号と歪)が結合器107へ入力される。分配器101で分配された他方の経路の信号は、遅延部104、位相制御部105、振幅制御部106を介して信号dとなり、結合器107へ入力される。遅延部104は、分配器101で2つの経路に別れて結合器107へ入力する信号cと信号dの時間差が等しくなるように調整する。結合器107で信号cと信号dを結合した信号eは、分配器108を介して歪除去ループへ出力されるとともに、その一部の信号が電力検出器109に入力されて信号電力が検出される。
制御回路110は、この信号電力が最小になるように位相制御部105および振幅制御部106を制御する。すなわち、結合器107で信号cと信号dが等振幅逆位相合成されるように、分配器101で分配された信号の振幅と位相を調整する。これにより、結合器107の出力は、増幅後に分配器103の分配によって減衰した希望信号と歪からなる信号cから希望信号が除去された歪のみとなり、信号eとして出力される。
<歪除去ループ>
増幅器102で発生する歪に対応する信号eは分配器108を介して補助増幅器201に入力され、増幅されて信号fとなる。信号fは、位相制御部202、振幅制御部203を介して信号gとなり、結合器204へ入力される。信号gは、歪検出ループで検出された歪(信号e)を増幅し、振幅と位相が調整されたものである。一方、増幅器102の出力信号b(希望信号と歪)は分配器103を介して遅延部205に入力され、さらに結合器204へ入力される。遅延部205は、結合器204へ遅延部205を介して入力する信号と信号gの時間差が等しくなるように調整する。結合器204から出力される信号は分配器206に入力され、その一部の信号が電力検出器207に入力されて信号電力が検出される。
制御回路208は、この信号電力が最小になるように位相制御部202および振幅制御部203を制御する。すなわち、結合器204で結合される歪成分が等振幅逆位相合成されるように、補助増幅器201で増幅された信号fの振幅と位相を調整する。これにより、結合器204の出力は、増幅された希望信号と歪からなる信号bから歪が除去された希望信号のみとなり、分配器206から出力信号hとして出力される。
特開平1−198809号公報 特開平4−286209号公報
ところで、従来のフィードフォワード型歪補償増幅器は、増幅器102で増幅された希望信号をできるだけ減衰なく出力するために、分配器103で歪検出のために分配する信号cの分配比率をできるだけ小さくする必要がある。そのため、結合器107から信号eとして出力される歪もかなり減衰されたものとなり、そのままでは結合器204で2経路の歪成分を等振幅逆位相合成することができない。そこで、歪検出ループで検出された歪を増幅する補助増幅器201が用いられることになる。しかし、補助増幅器201は歪補償のためだけに用いられるものであり、その消費電力は本来の信号増幅に用いる増幅器102の消費電力に対して余分なものと言える。
本発明は、フィードフォワード型歪補償増幅器の歪補償に必要な歪を増幅する補助増幅器を不要とし、消費電力の低減を図ることができるフィードフォワード型歪補償増幅器を提供することを目的とする。
本発明のフィードフォワード型歪補償増幅器は,入力信号を増幅する増幅器で、歪補償のために検出した歪(検出歪)を増幅する構成とすることにより補助増幅器を不要とし、消費電力の低減を図る。
ここで、入力信号と検出歪を増幅器で共通増幅する場合に、双方をそのまま重畳して増幅器に入力すると、同一周波数帯の信号であるために増幅器の出力から入力信号と検出歪を分離することが困難になる。そこで、入力信号または検出歪を元の入力信号の帯域外へ周波数変換した後に両者を重畳して増幅器に入力し、増幅後に周波数変換した信号を元の周波数に戻し、増幅器の出力信号と検出歪を等振幅逆位相合成して歪の除去された出力信号を得る構成とする。
請求項1では、検出歪の周波数を変換し、入力信号に重畳して増幅器で増幅し、増幅された検出歪の周波数を戻して増幅器の出力信号との等振幅逆位相合成に供する。
請求項2では、入力信号の周波数を変換し、検出歪と重畳して増幅器で増幅し、増幅された入力信号の周波数を戻して増幅された検出歪との等振幅逆位相合成に供する。
請求項3では、入力信号に重畳または切り替えてパイロット信号を歪検出手段に入力し、パイロット信号を相殺するように歪検出手段を制御する。
請求項4では、増幅器の出力信号に重畳または切り替えて、増幅器で発生する歪および歪検出手段で検出される歪に代わるパイロット信号を歪除去手段に入力し、パイロット信号を相殺するように歪除去手段を制御する。
請求項5では、歪検出手段に、増幅器の入力信号と出力信号を等振幅逆位相合成する2つの経路の周波数特性を等しくする手段を備える。
請求項6では、歪除去手段に、増幅器の出力信号と前記歪検出手段から出力される歪を等振幅逆位相合成する2つの経路の周波数特性を等しくする手段を備える。
請求項1および請求項2に記載のフィードフォワード型歪補償増幅器は、入力信号または検出歪の周波数を変換することにより、入力信号および検出歪を1つの増幅器で増幅することができる。これにより、従来の補助増幅器が不要となり、フィードフォワード型歪補償増幅器の消費電力の低減を図ることができる。
請求項3に記載のフィードフォワード型歪補償増幅器は、入力信号に代わるパイロット信号を用いることにより、入力信号の有無に関わらず歪検出手段および歪除去手段の調整を行うことができる。
請求項4に記載のフィードフォワード型歪補償増幅器は、増幅器で発生する歪および歪検出手段で検出される歪に代わるパイロット信号を用いることにより、入力信号の有無に関わらず歪除去手段の調整を行うことができる。
請求項5および請求項6に記載のフィードフォワード型歪補償増幅器は、歪検出手段および歪除去手段で等振幅逆位相合成する2経路の周波数特性を等しくすることにより、周波数変換された検出歪または入力信号の分離に用いるフィルタの周波数特性の影響が緩和され、正確な等振幅逆位相合成の調整が可能になる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明のフィードフォワード型歪補償増幅器の第1の実施形態を示す。図において、歪検出ループを構成する分配器101、増幅器102、分配器103、遅延部104、位相制御部105、振幅制御部106、結合器107、分配器108、電力検出器109、制御回路110は、従来と同様に増幅器102で発生した歪を定量的に検出する構成である。歪除去ループを構成する位相制御部202、振幅制御部203、結合器204、遅延部205、分配器206、電力検出器207、制御回路208は、従来と同様に歪検出ループで検出された歪を用いて増幅器102で発生した歪を除去する構成である。本実施形態の特徴は、歪検出ループで検出した歪を増幅器102で増幅して歪除去ループに入力するために、結合器111、分配器112、フィルタ113、発振器114、分配器115、周波数変換器116、フィルタ117、周波数変換器118、フィルタ119を配置するところにある。
以下、各部の信号a〜kの周波数スペクトル例を示す図7を参照し、各ループの動作について説明する。なお、Sは希望信号、IMは歪である。上向きスペクトルと下向きスペクトルは互いに逆位相であることを示す。図は簡単のために、等振幅2波による線スペクトルを示したが、3波以上の複数スペクトルあるいは変調信号等による帯域をもったスペクトルであっても同様である。また、入力信号および増幅器102で発生する歪を含む周波数帯域をB1とし、その周波数帯域外をB2とする。
<歪検出ループ:入力信号aの増幅>
B1の入力信号aは、分配器101で2つの経路に分配される。一方の経路のB1の信号(入力信号a)は、結合器111でB2の信号g(信号f(歪)を周波数変換したもの)を重畳して信号bとなる。信号bは増幅器102で増幅されて信号cとなる。ここで信号cは、B1の入力信号aを増幅して得られる希望信号および歪と、B2の信号gを増幅したものを示すが、入力信号aの増幅によりB2の帯域に漏洩する電力、信号gの増幅によりB2の帯域に発生する歪およびB1の帯域に漏洩する電力は、入力信号aの増幅によりB1の帯域に発生する歪と比較して微小であるため無視している。
信号cは分配器112で2分配され、フィルタ113および周波数変換器118にそれぞれ入力される。フィルタ113は通過帯域がB1に設定され、信号cからB1の入力信号aを増幅して得られる希望信号および歪のみを通過する。この希望信号および歪は、分配器103を介して歪除去ループに出力されるとともに、その一部の信号d(減衰した希望信号と歪)が分岐され、歪検出用として結合器107に入力される。
<歪検出ループ:歪の検出>
分配器101から他方の経路に分配されたB1の信号(入力信号a)は、遅延部104、位相制御部105、振幅制御部106を介して信号eとなり、結合器107へ入力される。遅延部104は、分配器101で2つの経路に別れて結合器107へ入力する信号dと信号eの時間差が等しくなるように調整する。結合器107で信号dと信号eを結合した信号fは分配器108に入力され、その一部の信号が電力検出器109に入力されて信号電力が検出される。制御回路110は、この信号電力が最小になるように位相制御部105および振幅制御部106を制御する。すなわち、結合器107で信号dと信号eの入力信号成分が等振幅逆位相合成されるように、分配器101で分配された信号の振幅と位相を調整する。これにより、結合器107の出力は、増幅後に分配器103の分配によって減衰した希望信号と歪である信号dから希望信号が除去された歪のみとなり、信号fとして出力される。なお、位相制御部105および振幅制御部106は、分配器101から分配器103の経路、あるいは分配器103から結合器107の経路のいずれかにあってもよい。
<歪除去ループ:歪の増幅>
結合器107から出力されるB1の信号f(歪)は、分配器108を介して周波数変換部116に入力される。周波数変換部116では、分配器115を介して入力される発振器114の出力信号とB1の信号fを混合し、信号fの周波数と発振器114の周波数の差周波数および和周波数の信号を出力する。この差周波数または和周波数がB2になるように発振器114の周波数が設定される。フィルタ117は、差周波数および和周波数の信号のうちB2の帯域にある信号を選択する。これにより、B1の信号f(歪)からB2に周波数変換された信号g(歪)が結合器111に入力される。
B1からB2に周波数変換された歪は、結合器111で入力信号に重畳されて信号bとなり、増幅器102で同時に増幅される。増幅された信号cは分配器112で2分配され、その一方が周波数変換器118に入力される。周波数変換部118では、分配器115を介して入力される発振器114の出力信号と信号cを混合し、信号cの周波数と発振器114の周波数の差周波数および和周波数の信号を出力する。フィルタ119は、差周波数および和周波数の信号のうちB1の帯域にある信号を選択する。これにより、元の信号fに対応するB1の信号h(歪)が歪除去ループの位相制御部202に入力される。
このように、歪検出ループで検出されたB1の歪は、B2に周波数変換してB1の入力信号とともに増幅器102で増幅し、増幅されたB2の歪を再度B1に周波数変換して取り出すことにより、増幅器102で増幅されたB1の歪を得ることができる。すなわち、増幅器102は従来構成における補助増幅器201の機能を果たし、補助増幅器201の削減が可能になる。なお、周波数変換器116,118における2回の周波数変換は、発振器114の出力を分配器115で分配して共用しているために、発振器114の周波数偏移や位相偏移の影響をほとんど受けることがない。
<歪除去ループ:歪の除去>
歪検出ループで検出され、増幅された歪である信号hは、位相制御部202、振幅制御部203を介して信号iとなり、結合器204へ入力される。信号iは、信号hの振幅と位相が調整されたものである。一方、歪検出ループのフィルタ113、分配器103を介して出力されたB1の信号(希望信号と歪)は、遅延部205を介して結合器204へ入力される。遅延部205は、結合器204へ遅延部205を介して入力する信号jと信号iの時間差が等しくなるように調整する。結合器204から出力される信号は分配器206に入力され、その一部の信号が電力検出器207に入力されて信号電力が検出される。制御回路208は、この信号電力が最小になるように位相制御部202および振幅制御部203を制御する。すなわち、結合器204で結合される歪成分が等振幅逆位相合成されるように、増幅された信号hの振幅と位相を調整する。これにより、結合器204の出力は、増幅された希望信号と歪である信号jから歪が除去された希望信号のみとなり、分配器206から出力信号kとして出力される。なお、位相制御部202および振幅制御部203は、分配器103から分配器206の経路にあってもよい。
(第2の実施形態)
図2は、本発明のフィードフォワード型歪補償増幅器の第2の実施形態を示す。本発明は、歪検出ループで検出された歪を入力信号を増幅する増幅器102で増幅して歪除去ループに送出することを特徴としており、第1の実施形態では増幅器102に入力する歪を周波数変換する構成であった。本実施形態は、入力信号を周波数変換する構成であり、歪検出および歪除去の基本的な部分は第1の実施形態と同様であり、対応する部分には同一符号を付す。
<歪検出ループ:入力信号の増幅>
B1の入力信号は、分配器101で2つの経路に分配される。一方の経路のB1の信号(入力信号)は、周波数変換部116に入力される。周波数変換部116では、分配器115を介して入力される発振器114の出力信号とB1の入力信号を混合し、入力信号の周波数と発振器114の周波数の差周波数および和周波数の信号を出力する。この差周波数または和周波数がB2になるように発振器114の周波数が設定される。フィルタ117は、差周波数および和周波数の信号のうちB2の帯域にある入力信号を選択する。
B1からB2に周波数変換された入力信号は結合器111に入力され、結合器107、分配器108を介して入力されるB1の歪と重畳され、増幅器102で同時に増幅される。増幅された信号は分配器112で2分配され、その一方が周波数変換器118に入力される。周波数変換部118では、分配器115を介して入力される発振器114の出力信号と分配器112で分配された信号を混合し、各周波数の差周波数および和周波数の信号を出力する。フィルタ113は、差周波数および和周波数の信号のうち元の入力信号に対応するB1の信号を選択する。このB1の信号(入力信号を増幅した希望信号および歪)は、分配器103を介して歪除去ループに出力されるとともに、その一部の信号d(減衰した希望信号と歪)が分岐され、歪検出用として結合器107に入力される。なお、周波数変換器116,118における2回の周波数変換は、発振器114の出力を分配器115で分配して共用しているために、発振器114の周波数偏移や位相偏移の影響をほとんど受けることがない。歪検出ループにおける歪検出は、第1の実施形態と同様である。
<歪除去ループ:歪の増幅>
結合器107から出力されるB1の歪は、分配器108を介して結合器111に入力される。このB1の歪は、B1からB2に周波数変換された入力信号と結合器111で重畳され、増幅器102で同時に増幅される。増幅された信号は分配器112で2分配され、フィルタ119および周波数変換器118にそれぞれ入力される。フィルタ119は通過帯域がB1に設定され、B2の入力信号(希望信号および歪)とB1の歪からB1の歪のみを通過し、歪除去ループの位相制御部202に入力される。歪除去ループにおける歪除去は、第1の実施形態と同様である。
このように、歪検出ループで検出されたB1の歪は増幅器102で増幅された後に、B2に周波数変換されている入力信号と分離して得ることができる。すなわち、増幅器102は従来構成における補助増幅器201の機能を果たし、補助増幅器201の削減が可能になる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態および第2の実施形態の歪検出ループは、増幅器102の入力信号と出力信号の等振幅逆位相合成により信号成分を相殺し、増幅器102の出力信号に含まれる増幅器102で発生した歪を検出する構成であった。すなわち、電力検出器109および制御回路110では、検出される信号電力が最小になるように制御することにより信号成分が相殺される構成であった。そのため、歪検出ループ(位相制御部105および振幅制御部106)の調整では、等振幅逆位相合成の対象となる入力信号が必ず入力されることが前提であった。第3の実施形態では、入力信号が断続する、あるいは断の場合でも、歪検出ループの調整が可能なように、等振幅逆位相合成の対象としてパイロット信号を用いる構成を特徴とする。
図3は、本発明のフィードフォワード型歪補償増幅器の第3の実施形態を示す。本実施形態は、第1の実施形態の構成に適用したものであり、第1の実施形態と対応する部分には同一符号を付す。なお、第2の実施形態にも同様に適用可能である。
図において、B1のパイロット信号を発生する発振器301を備え、このパイロット信号を結合器302で入力信号に重畳して歪検出ループに入力する。歪検出ループおよび歪除去ループの構成および動作は第1の実施形態と同様である。ただし、歪検出ループの電力検出部109および制御回路110では、入力信号とパイロット信号が重畳して入力される場合には両信号が共に等振幅逆位相合成されるように制御し、パイロット信号のみが入力される場合には、パイロット信号が等振幅逆位相合成されるように制御する。これにより、入力信号が断続する場合でも、パイロット信号がその代わりとなって歪検出ループにおいて増幅器102の歪を検出し、さらに歪除去ループの調整が可能になる。なお、結合器302に代えて、入力信号とパイロット信号を切り替えて入力する切替器を用いてもよい。
(第4の実施形態)
第1の実施形態および第2の実施形態の歪除去ループは、増幅器102の出力信号と歪検出ループで検出された歪の等振幅逆位相合成により歪成分を相殺し、歪のない出力信号を出力する構成であった。すなわち、電力検出器207および制御回路208では、検出される信号電力(歪成分)が最小になるように制御することにより歪成分が相殺される構成であった。そのため、歪除去ループ(位相制御部202および振幅制御部203)の調整では、歪検出ループの増幅器で歪が発生し、歪除去ループに等振幅逆位相合成の対象となる歪が入力されることが前提であった。第4の実施形態では、入力信号が断続する、あるいは断の場合(歪の発生が断続する、あるいは歪が発生しない場合)でも、歪除去ループの調整が可能なように、等振幅逆位相合成の対象としてパイロット信号を用いる構成を特徴とする。
図4は、本発明のフィードフォワード型歪補償増幅器の第4の実施形態を示す。本実施形態は、第1の実施形態の構成に適用したものであり、第1の実施形態と対応する部分には同一符号を付す。なお、第2の実施形態にも同様に適用可能である。
図において、B1のパイロット信号を発生する発振器303を備え、このパイロット信号を結合器304でフィルタ113の出力信号に重畳して歪検出ループおよび歪除去ループに入力する。その他の歪検出ループおよび歪除去ループの構成および動作は第1の実施形態と同様である。ただし、入力信号が入力されずパイロット信号のみが入力される場合には、歪検出ループの電力検出部109および制御回路110では入力信号の等振幅逆位相合成による調整ができないので、パイロット信号が増幅器102で発生する歪および歪検出ループで検出される歪の代わりとして歪除去ループに送出される。これにより、歪除去ループの電力検出部207および制御回路208では、パイロット信号の等振幅逆位相合成による電力を検出することにより、歪除去ループの調整が可能となる。
なお、入力信号も入力されている場合には、電力検出部207および制御回路208は、パイロット信号のみの電力を選択的に検出して最小になるように制御することにより、歪除去ループの調整を容易に行うことができる。また、結合器302に代えて、フィルタ113の出力信号とパイロット信号を切り替えて入力する切替器を用いてもよい。
(第5の実施形態)
第1の実施形態および第2の実施形態の歪検出ループは、結合器107に入力される2経路の信号成分が相殺されるように、位相制御部105および振幅制御部106でその一方の経路の位相と振幅を調整するものであった。しかし、増幅器102を含む経路では、周波数変換した歪成分を除去するフィルタ113を介して結合器107に入力される。そのため両経路の周波数特性が異なり、正確な歪を検出することができない場合があった。第5の実施形態では、両経路の周波数特性を等しくすることを特徴とする。
図5は、本発明のフィードフォワード型歪補償増幅器の第5の実施形態を示す。本実施形態は、第1の実施形態の構成に適用したものであり、第1の実施形態と対応する部分には同一符号を付す。なお、第2の実施形態にも同様に適用可能である。
図において、分配器101、遅延部104、位相制御部105、振幅制御部106、結合器107の経路に、フィルタ113の周波数特性に相当する特性(通過帯域はB1)をもつフィルタ401を挿入する。これにより、両経路の周波数特性が等しくなり、増幅器102で発生した歪をより正確に検出することができる。
(第6の実施形態)
第1の実施形態および第2の実施形態の歪除去ループは、歪検出ループの増幅器102で発生し、結合器107で検出して結合器204に入力される2経路の歪成分が相殺されるように、位相制御部202および振幅制御部203でその一方の経路の位相と振幅を調整するものであった。しかし、増幅器102で発生した歪はフィルタ113を介して結合器204に入力されるものの、歪検出ループの結合器107で検出される歪は、フィルタ113、フィルタ117、フィルタ119を介して結合器204に入力されることになる。したがって、両経路のフィルタの相違によって周波数特性が異なり、正確な歪を検出することができない場合があった。第6の実施形態では、両経路の周波数特性を等しくすることを特徴とする。
図6は、本発明のフィードフォワード型歪補償増幅器の第6の実施形態を示す。本実施形態は、第1の実施形態の構成に適用したものであり、第1の実施形態と対応する部分には同一符号を付す。なお、第2の実施形態にも同様に適用可能である。
図において、分配器103、遅延部205、結合器204の経路に、フィルタ117およびフィルタ119の周波数特性に相当する特性(通過帯域はB1)をもつフィルタ402を挿入する。これにより、両経路の周波数特性が等しくなり、増幅器102で発生した歪をより正確に除去することができる。
本発明のフィードフォワード型歪補償増幅器の第1の実施形態を示す図。 本発明のフィードフォワード型歪補償増幅器の第2の実施形態を示す図。 本発明のフィードフォワード型歪補償増幅器の第3の実施形態を示す図。 本発明のフィードフォワード型歪補償増幅器の第4の実施形態を示す図。 本発明のフィードフォワード型歪補償増幅器の第5の実施形態を示す図。 本発明のフィードフォワード型歪補償増幅器の第6の実施形態を示す図。 第1の実施形態の各部の周波数スペクトルの例を示す図。 増幅器の非線形特性の例を示す図。 増幅器の入力信号と出力信号のスペクトルの例を示す図。 従来のフィードフォワード型歪補償増幅器の構成例を示す図。 従来構成の各部の周波数スペクトルの例を示す図。
符号の説明
101、103、108、112、115、206 分配器
102 増幅器
104、205 遅延部
105、202 位相制御部
106、203 振幅制御部
107、111、204、302、304 結合器
109、207 電力検出器
110、208 制御回路
113、117、119、401、402 フィルタ
114、301、303発振器
116、118 周波数変換器

Claims (6)

  1. 非線形な入出力特性を有する増幅器と、
    前記増幅器の入力信号と出力信号の等振幅逆位相合成により信号成分を相殺し、前記増幅器の出力信号に含まれる前記増幅器で発生する歪を検出する歪検出手段と、
    前記増幅器の出力信号と前記歪検出手段で検出された歪の等振幅逆位相合成により歪成分を相殺し、歪のない出力信号を出力する歪除去手段と
    を備えたフィードフォワード型歪補償増幅器において、
    前記入力信号および前記増幅器で発生する歪を含む周波数帯域をB1とし、その周波数帯域外をB2としたときに、
    前記歪検出手段は、B1の入力信号とB1からB2に周波数変換された歪を前記増幅器に入力し、その出力信号からB1の出力信号を分波して前記歪除去手段へ出力するとともに、B1の入力信号とB1の出力信号の等振幅逆位相合成により前記増幅器で発生する前記B1の歪を検出する構成であり、
    前記歪除去手段は、前記歪検出手段で検出されたB1の歪をB2に周波数変換し、このB2の歪を前記増幅器に入力し、その出力信号を周波数変換し、B2からB1に周波数変換された歪を分波し、このB1の歪と前記歪検出手段から出力されたB1の出力信号の等振幅逆位相合成により歪成分を相殺して歪のない出力信号を出力する構成である
    ことを特徴とするフィードフォワード型歪補償増幅器。
  2. 非線形な入出力特性を有する増幅器と、
    前記増幅器の入力信号と出力信号の等振幅逆位相合成により信号成分を相殺し、前記増幅器の出力信号に含まれる前記増幅器で発生する歪を検出する歪検出手段と、
    前記増幅器の出力信号と前記歪検出手段で検出された歪の等振幅逆位相合成により歪成分を相殺し、歪のない出力信号を出力する歪除去手段と
    を備えたフィードフォワード型歪補償増幅器において、
    前記入力信号および前記増幅器で発生する歪を含む周波数帯域をB1とし、その周波数帯域外をB2としたときに、
    前記歪検出手段は、B1の入力信号をB2に周波数変換し、このB2の入力信号とB1の歪を前記増幅器に入力し、その出力信号を周波数変換し、B2からB1に周波数変換された出力信号を分波して前記歪除去手段へ出力するとともに、B1の入力信号とB1の出力信号の等振幅逆位相合成により前記増幅器で発生する前記B1の歪を検出する構成であり、
    前記歪除去手段は、前記歪検出手段で検出されたB1の歪を前記増幅器に入力し、その出力信号からB1の歪を分波し、このB1の歪と前記歪検出手段から出力されたB1の出力信号の等振幅逆位相合成により歪成分を相殺して歪のない出力信号を出力する構成である
    ことを特徴とするフィードフォワード型歪補償増幅器。
  3. 請求項1または請求項2に記載のフィードフォワード型歪補償増幅器において、
    B1のパイロット信号を生成し、このパイロット信号を前記入力信号に重畳し、または前記入力信号に代えて前記歪検出手段に入力する手段を備え、
    前記歪検出手段は、前記パイロット信号を含む前記増幅器の出力信号と入力信号を結合した信号電力が最小になるように制御して等振幅逆位相合成を行う構成である
    ことを特徴とするフィードフォワード型歪補償増幅器。
  4. 請求項1または請求項2に記載のフィードフォワード型歪補償増幅器において、
    B1のパイロット信号を生成し、このパイロット信号を前記増幅器の出力信号から分波されたB1の出力信号に重畳し、またはB1の出力信号に代えて前記歪検出手段に入力する手段を備え、
    前記歪除去手段は、前記パイロット信号の電力が最小になるように制御して等振幅逆位相合成を行う構成である
    ことを特徴とするフィードフォワード型歪補償増幅器。
  5. 請求項1または請求項2に記載のフィードフォワード型歪補償増幅器において、
    前記歪検出手段に、前記増幅器の入力信号と出力信号を等振幅逆位相合成する2つの経路の周波数特性を等しくする手段を備えた
    ことを特徴とするフィードフォワード型歪補償増幅器。
  6. 請求項1または請求項2に記載のフィードフォワード型歪補償増幅器において、
    前記歪除去手段に、前記増幅器の出力信号と前記歪検出手段から出力される歪を等振幅逆位相合成する2つの経路の周波数特性を等しくする手段を備えた
    ことを特徴とするフィードフォワード型歪補償増幅器。
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