JP2005166845A - 光起電力装置パネルの加工検査方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 透明基板上に積層された導電性透明電極膜、非晶質半導体膜および金属電極膜の各膜に、パルス状のレーザビームを照射して溝6〜8を形成してなる光起電力装置パネル1において、溝6〜8の加工状態を検査する加工検査方法であって、透明基板側から溝6〜8を撮像するステップと、撮像された画像を画像処理することにより溝6〜8の形状を含む特徴を抽出するステップと、抽出された特徴に基づいて、溝6〜8の加工状態を判定するステップとを備える光起電力装置パネルの加工検査方法を提供する。
【選択図】 図2
Description
溝のレーザエッチング加工は、通常、円形パターンを有するレーザビームをパルス状に照射しつつ、連続的にあるいは断続的に移動させることにより、円形パターンを相互に重ね合わせた形態の連続溝を形成するように行われる。
また、レーザの出力を高めることなく加工速度を高める方法として、略楕円形状パターンのレーザビームをその長径軸方向に移動させることも行われている(例えば、特許文献1参照。)。
そして、このようにして製造される光起電力装置パネルの加工品質を管理するには、レーザエッチング加工により各膜に形成される溝の形状を検査する必要がある。
従来、溝の加工状態は、顕微鏡により拡大された画像を熟練の技術者が観察することにより、その良否を判断していた。
なお、一般的な技術として、薄膜金属材料のエッチング部形状を管理する方法として走査型レーザ顕微鏡で測定した画像データを3次元画像として画像表示する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
すなわち、本発明は、透明基板上に積層された導電性透明電極膜、非晶質半導体膜および金属電極膜の各膜に、パルス状のレーザビームを照射して溝を形成してなる光起電力装置パネルにおいて、溝の加工状態を検査する加工検査方法であって、透明基板側から前記溝を撮像するステップと、撮像された画像を画像処理することにより前記溝の形状を含む特徴を抽出するステップと、抽出された特徴に基づいて、溝の加工状態を判定するステップとを備えることを特徴とする光起電力装置パネルの加工検査方法を提供する。
この発明によれば、撮像された画像を画像処理して溝の形状を含む特徴を抽出するので、検査技術者の熟練に頼ることなく、短時間で精度よく溝の加工状態を判定することができる。
また、上記発明において、前記特徴が加工により形成されたバリであり、前記特徴の抽出ステップが、溝の外側エッジ画像に接する接線から突出する画像の画素数に基づいてバリか否かを判断することとしてもよい。
これらの発明によれば、広い光起電力装置パネルの全面にわたって、検査技術者が目視で微細なバリを探索するという非現実的な検査作業をなくして、精度よくバリの有無を判断することができる。その結果、バリによる膜間の短絡を未然に防止して、光電変換効率の低下を防止することができる。
この発明によれば、略楕円形状のレーザエッチングパターンにおいても、検査技術者の熟練に頼ることなく、相似の楕円形状に当てはめ、あるいは、楕円方程式により算出する等の演算処理により、精度よく溝の輪郭形状を把握して、加工状態の良否を判定することができる。
この発明によれば、撮像された画像を予め設定されたしきい値によって2値化するので、検査技術者の熟練や主観によることなく、また、測定条件の変化にかかわらず、グラデーションを生ずるような輪郭形状の境界線を精度よく抽出して、加工状態の良否を判定することができる。
この発明によれば、カメラの作動により透明基板を介して、各膜に形成された溝の輪郭形状が撮像される。撮像された画像は、画像処理部の作動により画像処理されることによって特徴を抽出され、加工状態判定部の作動により、特徴に基づいて溝の加工状態が判定される。その結果、迅速にかつ精度よく加工状態の良否を判定することができるという効果を奏する。
この発明によれば、搬送手段の作動により搬送されてきた光起電力装置パネルに対して、カメラを透明基板表面に沿って移動させつつ検査するので、光起電力装置の製造ラインに組み入れてオンラインで光起電力装置パネルの加工状態の良否判定を行うことができる。その結果、全数検査を可能として、製品の信頼性を向上することができる。
本発明の各実施形態を説明する前に、検査対象である光起電力装置パネルの構造について、図1〜図4を参照して以下に説明する。
導電性透明電極膜3の形成は、例えば、スパッタ法や熱CVD法により行う。また、非晶質半導体膜4の形成は、例えば、プラズマCVD法による。さらに、金属電極膜5は、例えば、スパッタ法により形成する。
導電性透明電極膜3および非晶質半導体膜4に形成される溝6,7は、パルス状のレーザビームを一方向に連続的に移動させながら照射することにより、それぞれ、1筋のほぼなめらかな直線溝状に形成されている。
また、非晶質半導体膜4と金属電極膜5とを貫通して形成される溝8は、略楕円状パターンのレーザビームを一方向に断続的に移動させながら照射することにより、凹凸のある連続的な直線溝状に形成されている。
次に、本実施形態に係る光起電力装置パネル1の加工検査装置および方法について、図5〜図23を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る加工検査装置10は、図5に示されるように、製造された光起電力装置パネル1を搭載して搬送してくるコンベア11と、コンベア11上面に対向配置させられて、コンベア11に搭載されている光起電力パネル1を透明基板2側から観察するカメラを含む顕微鏡観察装置12と、該顕微鏡観察装置12を水平2軸方向移動させることにより、光起電力パネル1を全面にわたって観察可能にするXYステージ13と、該顕微鏡観察装置12により撮像された画像信号を処理する画像処理装置(画像処理部、加工状態判定部)14と、画像処理装置14による処理の結果を出力するモニタ15と、画像処理の結果、加工状態の良否に基づいてその旨を報知する警報手段16とを備えている。画像処理装置14は、XYステージ13に対して位置指令信号を出力し、カメラ位置を制御する機能も備えている。
具体的には、画像処理装置14は、図6のフローチャートに示される加工検査方法を実施する。以下の説明において、画像の方向を示すときは、図面に向かって左右方向をX方向、上下方向をY方向として説明する。
ステップS2においては、画像信号の種別を選択する。画像信号には、導電性透明電極膜3に形成された溝6、非晶質半導体膜4に形成された溝7、非晶質半導体膜4および金属電極膜5に形成された溝8の3本の溝6〜8が同時に撮像されている第1画像信号、導電性透明電極膜3と非晶質半導体膜4に形成された2本の溝6,7が同時に撮像されている第2画像信号、絶縁溝9のみが撮像されている第3画像信号の3種類の画像信号がある。
非晶質半導体膜4および金属電極膜5に形成されている溝8についての解析は、山谷差解析(ステップS31)、内側楕円解析(ステップS32)、外側楕円解析(ステップS33)、楕円パターンマッチング(ステップS34)を含んでいる。
第2に、2値化された画像をY方向に沿って下から上に向かって走査して、2値化画像の有無を判定し、下側の外形をトレースする。この処理をX方向に繰り返すことにより、図9に示されるように、溝8の下側外形画像が抽出される(ステップS312)。なお、抽出の過程において、下側外形から離れている不要画像については除去する。
求められた距離Δは、加工ドット凹凸(パラメータR0)として記録される。
第4に、求められた距離Δが、予め定められた規定値以上の箇所が、例えば4カ所以上ある場合には処理を終了し、4カ所より少ない場合には、上側外形画像の検出に進行する(ステップS314)。4カ所としたのは、後続の楕円解析に必要なデータ数を確保するためであり、任意の数でよい。
次いで、得られた上側外形画像をX方向に走査して、各山谷の位置を検出し隣接する山谷どうしの距離Δを求める(ステップS316)。
上記と同様に、求められた距離Δが、予め定められた規定値以上の箇所が、例えば4カ所以上ある場合には処理を終了し、4カ所より少ない場合には、フラグF=1を設定(ステップS318)して処理を終了する(ステップS317)。
なお、ステップS35は、上述した山谷差解析S31の結果、下側外形画像または上側外形画像のいずれもが4カ所以上の所定の山谷差を有していない場合に、フラグF=1であることを検出して処理を終了させるステップである。
この白色領域17は、まず第1に、図10に示されるように、カメラにより撮像された画像を所定のしきい値によって2値化する(ステップS321)。このステップS321は、上記ステップS311と共通化してもよい。
第2に、得られた2値化画像内に存在する所定面積の白色領域17、例えば、150画素以上3000画素以下の白色領域17を検出する(ステップS322)。
第3に、上記のようにして検出された白色領域17が4カ所より少ない場合は、加工ドットの連結がないとして、解析を終了する(S323:パラメータR6)。
第4に、所定面積の白色領域17が4カ所以上ある場合には、各白色領域17の中心位置を求め、図11に示されるように、上記ステップS31で抽出された下側外形画像の最下端と上側外形画像の最上端との間の幅(最大幅:MAX)の75%より上側に、中心位置がある白色領域17′については除外する(ステップS324)。
そして、このようにして求められた各白色領域17について、図12に示されるように、中心座標、外接矩形18の始点座標、白色領域の面積、白色領域の幅(パラメータR8)、白色領域の高さ(パラメータR9)等の各情報を取得する(ステップS325)。
まず第1に、図14に示されるように、検出した外形輪郭線に対して、前記白色領域17の中心座標の左側を走査して谷位置を検出し、中心座標の下側を走査して山位置を検出する。これにより、外形輪郭領域の山谷が検出される(ステップS331)。
次いで、前記中心座標を中心とし、かつ、前記山位置および前記谷位置を通過する楕円19を求める(ステップS332)。
そして、求められた楕円19を用いて、図15に示されるように、該楕円19に外接する矩形20の始点座標、高さ(パラメータR1)および長さ、外側輪郭形状の谷と谷との間の距離(パラメータR2)、外側楕円19の面積、外側楕円19と内側楕円17の面積比(パラメータR7)、外側楕円19の短軸側長さ、外側楕円19の長軸側長さ、重ね代(パラメータR3)等の各情報を取得する(ステップS333)。
類似度は,既知の方法としてモデル画像と被対象画像とを重ね合わせて不一致部分の面積を求める方法や正規化相関係数により求める方法があり類似度を表現できる手法であれば方法は問わない。前者は図形の僅かな変形や諸雑音で認識率は低くなるため一般的には後者の正規化相関係数を用いる手法が多用されている。これは正規化相関係数が最大になる位置を探すことによって位置と参照モデルの類似度を知ることができる。(パラメータR5)。
カメラにより得られたR画像に対して、空間フィルタ処理を施し、溝の輪郭形状を検索する。画像が大きく途切れることなく連続する部分を溝7の輪郭線とみなす、2本の輪郭線が検索されたところで、両輪郭線の間隔を算出する(パラメータT1)。間隔寸法が、所定範囲内に配されている場合には、その位置を記憶する。しきい値を更新して上記作業を繰り返し、最も多く検出された位置に溝7が存在したものとする。画像が大きく途切れている場合には溝7が連続していないものと判断する(パラメータT2)。
また、ステップS5についても、ステップS4と同様の処理を行う(パラメータS1,S2)。
なお、上記処理において溝7,6が検出されない場合には、G画像に切り替えて同様の処理を行う。
ステップS6は、図16に示されるように、ステップS61〜S66により構成されている。
まず第1に、カメラにより得られたR画像を所定のしきい値によって2値化する(ステップS61)。
第2に、得られた2値化画像を加工して、白色領域17を穴埋めする(ステップS62)。これにより、図17に示されるように、外形輪郭線により挟まれる領域を全て黒色で塗り潰された2値化画像が得られる。
上側トレースS63は、上記2値化画像の上側の輪郭線に対して、黒色領域21の外側から走査することによって、外形輪郭形状を検出する上側外トレースS631と、同上側の輪郭線に対して、黒色領域21の内側から走査することによって外形輪郭形状を検出する上側内トレースS632とを含んでいる。バリを有する実際の上側輪郭線22の形状が図18(a)に示される形状である場合に、上側外トレースS631は、Y方向下向きに走査する処理をX方向に繰り返していくものであり、検出される外側輪郭形状23は図18(b)のようになる。また、上側内トレースS632は、Y方向上向きに18(c)のようになる。
同様に、下側トレースS64においても、2値化画像の下側の輪郭線に対して下側外トレースS641と下側内トレースS642とを行う。
下側バリ検出S66においても同様である。
検出されたバリの数は、10μm以上のものについて積算され、パラメータR4として記憶される。
そして、このようにして行われた種々の画像処理の結果は、モニタ15に表示されるとともに、適当な記憶媒体に記憶され、画像処理装置14によって、後述する加工状態の良否判定が行われることになる。
まず第1に、第3画像信号のうちR画像信号に対して背景画像の一部が抽出され、その平均輝度が算出される(ステップS11)。
エッジ検出S121は、図20に示されるように、第3画像信号のR画像信号を背景画像側からY方向下向きに走査して、輝度が大きく変化する箇所を検出し、それをX方向に繰り返すことにより行われる。エッジ検出S121は、画像に対して、Y方向の上側と下側の両方向から行われる。これにより、外側エッジ25が検出される。
エッジ検出処理S131は、図22に示されるように、外側エッジ25の内側に配される各画素の輝度を検査して、最も高い輝度の画素30の内側に検出される最も低い輝度の画素31が配される位置を内側エッジであると認識する。内側エッジ処理S13も、画像信号の上側と下側の両方向から行われる。
エッジ接線検出S132は、外側エッジ25に対するエッジ接線検出S122と同様の方法で行われる。また、同様にして、2本の谷側のエッジ接線28間の距離が算出され、パラメータI2として記憶される。
また、内側エッジの2本の谷側のエッジ接線28の中心線Oを算出し、2本の外側エッジの山側のエッジ接線26間の幅寸法Wに対するいずれかの外側エッジのエッジ接線26から中心線Oまでの距離dとの比d/Wが算出され対称度として記憶される(パラメータI7)。
具体的には、まず、カメラにより撮像されて得られた画像のうち、R画像を所定のしきい値によって2値化する(ステップS161)。次いで、上下いずれかの外側エッジを含む画像を所定の範囲にわたって切り取ることによりモデル画像を作成する(ステップS162)。そして、モデル画像をX方向に沿う直線によって反転し、得られた反転モデル画像と、他方の外側エッジを含む画像とパターンマッチングにより比較する。
類似度を求める方法は上記パラメータR5と同様である(パラメータI6)。
そして、算出されたこれらの種々の値をモニタ15に表示し、適当な記録媒体に記録する(ステップS18)。
特に、溝の加工状態をバリの本数により把握し、広い光起電力装置パネルの全面にわたって、検査技術者が目視で微細なバリを探索するという非現実的な検査作業をなくして、精度よくバリの有無を判断することができる。その結果、バリによる膜間の短絡を未然に防止して、光電変換効率の低下を防止することができるという効果もある。
特に、略楕円状のレーザエッチングパターンを重ねて加工された溝8の各略楕円状パターンの内側に形成される、前記非晶質半導体膜と前記導電性透明電極膜との境界線の形状がグラデーションを伴う場合においても、撮像された画像を予め設定されたしきい値によって2値化するので、検査技術者の熟練や主観によることなく、また、測定条件の変化にかかわらず、境界線を精度よく抽出して、加工状態の良否を判定することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、溝の加工状態を示す特徴として、他の任意の特徴を採用してもよいことは言うまでもない。
2 透明基板
3 導電性透明電極膜
4 非晶質半導体膜
5 金属電極膜
6,7,8 溝
9 絶縁溝(溝)
10 加工検査装置
11 コンベア(搬送手段)
12 顕微鏡観察装置(カメラ)
13 XYステージ(カメラ移動手段)
14 画像処理装置(画像処理部、加工状態判定部)
25 外側エッジ
Claims (7)
- 透明基板上に積層された導電性透明電極膜、非晶質半導体膜および金属電極膜の各膜に、パルス状のレーザビームを照射して溝を形成してなる光起電力装置パネルにおいて、溝の加工状態を検査する加工検査方法であって、
透明基板側から前記溝を撮像するステップと、
撮像された画像を画像処理することにより前記溝の形状を含む特徴を抽出するステップと、
抽出された特徴に基づいて、溝の加工状態を判定するステップとを備えることを特徴とする光起電力装置パネルの加工検査方法。 - 前記特徴が加工により形成されたバリであり、
前記特徴の抽出ステップが、溝の外側エッジ画像から突出する画像の画素数に基づいてバリか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の光起電力装置パネルの加工検査方法。 - 前記特徴が加工により形成されたバリであり、
前記特徴の抽出ステップが、溝の外側エッジ画像に接する接線から突出する画像の画素数に基づいてバリか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の光起電力装置パネルの加工検査方法。 - 前記溝が、複数の略楕円状のレーザエッチングパターンを重ねることにより形成され、
前記特徴が、各略楕円状パターンの輪郭形状であることを特徴とする請求項1に記載の光起電力装置パネルの加工検査方法。 - 前記溝が、複数の略楕円状のレーザエッチングパターンを重ねることにより、前記金属電極膜と前記非晶質半導体膜とを前記導電性透明電極膜まで貫通して形成され、
前記特徴が、各略楕円状パターンの内側に形成される、前記非晶質半導体膜と前記導電性透明電極膜との境界線の形状であり、
前記特徴の抽出ステップが、撮像された画像を2値化して前記境界線を抽出することを特徴とする請求項1に記載の光起電力装置パネルの加工検査方法。 - 透明基板上に積層された導電性透明電極膜、非晶質半導体膜および金属電極膜の各膜に、パルス状のレーザビームを照射して溝を形成してなる光起電力装置パネルにおいて、溝の加工状態を検査する加工検査装置であって、
透明基板側から前記溝を撮像するカメラと、
該カメラにより撮像された画像を画像処理することにより前記溝の形状を含む特徴を抽出する画像処理部と、
抽出された特徴に基づいて、溝の加工状態を判定する加工状態判定部とを備えることを特徴とする光起電力装置パネルの加工検査装置。 - 前記光起電力装置パネルを搬送してくる搬送手段と、
該搬送手段により搬送されてきた光起電力装置パネルに対して前記透明基板表面に沿う方向に前記カメラを移動させるカメラ移動手段とを備えることを特徴とする請求項6に記載の光起電力装置パネルの加工検査装置。
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