JP2005166747A - 露光装置、露光方法及びデバイスの製造方法 - Google Patents

露光装置、露光方法及びデバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 装置を大型化することなく投影光学系の補正量を拡大可能な露光装置及び微細なパターンを有する基板を歩留まりよく製造可能な露光方法及びデバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】 投影系鏡筒32とガス供給装置47とを繋ぐ配管48の経路上に、ガス供給装置47側から順に圧力調整弁49、流量調整弁50及び流量計51を接続する。ガス供給装置47からの窒素ガスを、流量調整弁50で流量を調整した状態で投影系鏡筒32の内部空間52全体に供給し、投影系鏡筒32内外に所定の圧力差を設定し、ピエゾ素子における駆動ストロークに伴う投影光学系の結像特性補正の範囲をオフセットさせることで、その結像特性補正の範囲を拡大させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド等のデバイスの製造プロセスにおけるリソグラフィ工程で使用される露光装置及びデバイスの製造方法に関するものである。
この種の露光装置が、例えば特許文献1に開示されている。この露光装置では、所定のマスクパターンが形成されたレチクル、フォトマスク等のマスクを所定の露光光で照明し、そのマスクパターンの像を、投影光学系を介してフォトレジスト等の感光性材料の塗布されたウエハ、ガラスプレート等の基板上に転写している。この露光装置では、マスク上のマスクパターンの像が投影光学系で所定の倍率に縮小され、その縮小した像が基板に転写される。
投影光学系は露光光の光軸に沿って配列された多数の光学素子、例えば複数のレンズエレメント、カバーガラス等からなっており、これらの光学素子は鏡筒に保持されている。また、一部のレンズエレメントには、例えばピエゾ素子等の駆動機構が接続されている。そして、このレンズエレメントを駆動機構により投影光学系の光軸方向に移動させたり、その光軸方向に対して傾斜させたりすることによって、投影光学系の結像特性を調整して収差を補正している。
特開平9−298151号(第4−10頁、第1図)
ところで、露光光の照射量のエネルギーを増大すれば、転写に必要な露光時間が短くなり、露光装置のスループットが向上する。このことから、近年、この種の露光装置では、投影光学系に供給される露光光のエネルギーが増大される傾向がある。しかし、露光光のエネルギーが増大すると投影光学系における収差変動が大きくなり、場合によっては駆動機構による補正量が不足がちになることも想定される。
これに対して、収差変動が大きい場合の対処方法としては、例えばピエゾ素子自身の駆動ストローク(ストロークの動作範囲)を大きくすることで補正量を増大させる方法や、伝達機構を介してピエゾ素子の駆動ストロークを大きく拡大してレンズエレメントに伝達する方法が考えられる。しかし、ピエゾ素子自身の駆動ストロークを大きくするには、ピエゾ素子を大型化する必要がある。また、伝達機構を用いる場合においても、その拡大倍率を大きくするためには、大型で複雑な駆動ストロークの伝達機構を採用する必要がある。これらの問題で、鏡筒の大型化が避けられないという問題が生じてしまう。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的としては、装置の大型化を招くことなく補正量を拡大することができる露光装置、露光方法及びデバイスの製造方法を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、少なくとも1つの光学素子を有する投影光学系を介し、マスクのパターン像を基板上に投影する露光装置において、少なくとも1つの前記光学素子を、駆動素子を介して前記投影光学系の光軸方向、又はその光軸と交差する方向に移動させて前記投影光学系の結像特性を補正する補正機構と、前記投影光学系を収容する鏡筒内に所定ガスを供給するガス供給機構と、鏡筒内における前記所定ガスの圧力を調整して前記鏡筒の内部と外部との間に差圧を発生させ、前記補正機構のオフセット量を調整する補正量調整機構とを備えたことを要旨とする。
この請求項1に記載の発明によれば、補正量調整機構により補正機構のオフセット量を調節可能な構成であるので、このオフセットの調整によって駆動素子の駆動ストロークに伴う補正範囲を拡大することが可能となり、補正の限界を変位させることができる。従って、補正の制限が緩和され、より大きなエネルギーを有する露光光での露光にも対応が可能となる。また、本発明の構成を用いれば、より大きな駆動ストローク量を有する大型の駆動素子や、大きい駆動ストロークを発生する拡大機構を用いる必要がなく、補正機構、駆動機構及び鏡筒、ひいては露光装置の大型化を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記鏡筒に関する情報を検出する検出機構と、前記検出機構の検出値に基づき、前記補正量調整機構を制御して前記差圧の値を設定又は補正する制御系とを備えたことを要旨とする。
この請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、鏡筒の状態に応じて差圧を好適な値に設定することが可能となる。これにより、露光装置の露光精度を向上させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記検出機構は、前記投影光学系に入射される露光光の照射量、及び前記投影光学系から出射される露光光の照射量のうち少なくとも一方を検出することを要旨とする。
ここで、露光装置においては、マスクパターンの解像度を向上させるために、露光光を所定の開口絞りを通過させることによって、マスクに対する照明条件を変更することがある。この場合、同じエネルギーでもって光源から射出された露光光であっても、前記開口絞りの形状が異なれば、マスク上に到達する露光光のエネルギーは変化してくる。
これに対して、この請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の作用に加え、投影光学系への露光光の照射量を検出することで、前記照明条件の変更に伴う露光光の照射量の変化を検出することができるとともに、露光光の照射による投影光学系の状態変化を予測することが可能となる。これにより、照明条件又は予測される状態変化に応じて鏡筒内に好適な差圧を発生させて、補正機構のオフセット量をより好適に設定することができる。
また、投影光学系から出射される露光光の照射量を検出することで、実際の投影光学系の状態をリアルタイムで検出することが可能となる。これにより、その検出結果に基づいて直ちに鏡筒内の圧力を調整することにより、補正機構における補正範囲を常時より好適な状態となるように設定することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記検出機構は、前記鏡筒の温度変化を検出することを要旨とする。
この請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は請求項3に記載の発明の作用に加え、投影光学系に露光光を照射すると、その投影光学系を収容する鏡筒内の温度が上昇し、投影光学系の結像特性に変化が生じる。このように鏡筒に温度変化が生じても、補正量調整機構により鏡筒の温度変化に応じた差圧を設定して補正機構のオフセット量を調整する構成であるので、鏡筒内の温度変化に追従して補正の範囲をより好適に設定することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明において、前記検出機構は、前記鏡筒の外部環境における大気圧変動を検出することを要旨とする。
ここで、例えば台風等が接近すると、露光装置の設置場所における大気圧が大きく変化することがあるが、この請求項5に記載の発明によれば、請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、補正量調整機構によりその大気圧の変動に応じた差圧の設定が可能になる。これにより、大気圧変動に対応した補正機構のオフセット量の調整が可能となり、補正機構や駆動ストロークの伝達機構を大型化することなく補正の範囲を拡大することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明において、前記検出機構は、前記鏡筒の外部環境における標準大気圧を検出することを要旨とする。
ここで、例えば露光装置の製造場所と設置場所との間では、標高差等により標準大気圧に差を生じることがある。これに対して、この請求項6に記載の発明によれば、請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、前記製造場所との間で生じた標準大気圧の差を、補正量調整機構によりその差に打ち消すように差圧を設定して補正機構のオフセット量を調整することが可能となる。これにより、設置場所の標準大気圧の値を問わず、補正範囲をより好適に設定することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の発明において、前記補正量調整機構は、前記鏡筒の内部における前記所定ガスの流量を調整して前記差圧を発生させることを要旨とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の発明において、前記補正量調整機構は、前記鏡筒の内部に供給される前記所定ガスの圧力を調整して前記差圧を発生させることを要旨とする。
請求項9に記載の発明は、請求項7又は請求項8に記載の発明において、前記所定ガスの差圧は、前記ガス供給機構から供給される前記所定ガスの供給量に基づき調整されることを要旨とする。
請求項10に記載の発明は、請求項7又は請求項8に記載の発明において、鏡筒内の前記所定ガスを外部に排気するガス排気機構を備え、前記所定ガスの差圧は、前記ガス排気機構から排気される前記所定ガスの排気量に基づき調整されることを要旨とする。
これらの請求項7〜請求項10に記載の発明によれば、請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、簡単な構成で、鏡筒内の差圧を設定することができる。
請求項11に記載の発明は、マスク上に形成されたパターン像を、投影光学系を介して基板上に投影転写する露光方法において、請求項1〜請求項10のうちいずれか一項に記載の露光装置を用いて露光を行うことを要旨とする。
請求項12に記載の発明は、リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、前記リソグラフィ工程で請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の露光装置を用いて露光を行うことを要旨とする。
これらの請求項11及び請求項12に発明によれば、微細なパターンを有す基板を歩留まりよく製造することができる。
以上詳述したように本発明によれば、装置の大型化を招くことなく補正量を拡大することができる。また、微細なパターンを有する基板を歩留まりよく製造することができる。
(第1実施形態)
以下に、本発明を半導体素子製造用の走査露光型の露光装置及びその露光装置を用いたデバイスの製造方法に具体化した第1実施形態を図1〜図4を用いて説明する。
図1は、露光装置11の概略構成図である。露光装置11は露光光源12、照明光学系13、投影光学系14を備えている。露光光源12は、例えばKrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、Fレーザ光の露光光(パルス光)ELを照明光学系13に向けて出射する。照明光学系13は照明系鏡筒15に収容されており、照明光学系13は、露光光ELの露光経路に沿ってフライアイレンズ16、ターレット板17、リレーレンズ18、レチクルブラインド19、リレーレンズ20、ミラー21及びコンデンサレンズ22等からなっている。
フライアイレンズ16は、オプティカルインテグレータとして例えば多数のレンズエレメントからなり、その出射面上には各レンズエレメントに対応して多数の2次光源像が形成される。なお、このフライアイレンズ16に代えて、ロッドレンズを採用してもよい。フライアイレンズ16から出射された露光光ELは、ターレット板17、リレーレンズ18、レチクルブラインド19、リレーレンズ20、ミラー21、コンデンサレンズ22を介して、レチクルステージRST上に載置されたマスクとしてのレチクルRを照明する。このレチクルRには、半導体素子等の回路パターン等が描かれている。
前記ターレット板17の一例を図3に示す。このターレット板17には、通常照明に対応する開口絞り23の他、各種変形照明、例えば輪帯照明、小σ照明、傾斜照明にそれぞれ対応する開口絞り24〜26が形成されている。ターレット板17には駆動源となるターレット板駆動部27が接続され、ターレット板17を回転させて開口絞り23〜26のうちのいずれかを2次光源の射出面上に配置することにより、照明条件を変更する。
図1に示すように、照明光学系13は、フライアイレンズ16の2次光源をレチクルR上で重畳させ、レチクルRを均一な照度で照明する。レチクルブラインド19は、その遮光面がレチクルRのパターン領域と共役な関係をなすように配置されている。レチクルブラインド19はレチクルブラインド駆動部28により開閉可能な複数枚の可動遮光部(図示省略)を備え、これら可動遮光部により形成される開口部の大きさを調整することでレチクルRを照射する照明領域を設定する。
レチクルステージRSTは、露光光ELの光軸AXに垂直な平面内においてレチクルRを2次元方向に微動可能に保持するとともに、レチクルステージ駆動部29により走査方向(図1のY方向)に移動可能となっている。レチクルステージRSTの端部には、干渉計30からのレーザ光を反射可能な移動鏡31が取着されている。移動鏡31で反射されたレーザ光は再び干渉計30に入射して、そのレーザ光の検出結果からレチクルステージRSTのY方向の位置及び速度が検出される。
投影光学系14は、複数の円環状をなす枠体32aが積層され、中空状をなす鏡筒としての投影系鏡筒32内に収容されている。各枠体32aの間には、投影系鏡筒32内の気密性を確保するために、図示しないシール部材が介装されている。投影系鏡筒32の両端には、露光光ELが透過する平行平板状のカバーガラス33,34が装着されている。これにより、投影系鏡筒32内に気密空間が区画される。
投影光学系14は、光軸AXに沿って配列された光学素子としての複数のレンズエレメント35からなっている。これらのレンズエレメント35は、単独又は複数枚が組み合わされた状態で各枠体32aに保持されている。そして、投影光学系14は、露光光ELでの照明により形成されるレチクルR上の回路パターンの像を、例えば1/5或いは1/4に縮小し、ウエハステージWST上に載置された基板としてのウエハWに向けて投影する。
投影光学系14を構成する複数のレンズエレメント35の一部(本実施形態ではレチクルR側の3つ)は、補正機構の一部を構成するとともに駆動素子としてのピエゾ素子36が接続された可動レンズエレメント35aとなっている。一方、投影光学系14を構成する複数のレンズエレメント35の他の一部(本実施形態ではウエハW側の2つ)は、可動不能に枠体32aに固着された静止レンズエレメント35bとなっている。
前記ピエゾ素子36は、前記枠体32aの円周方向に沿って等間隔に複数(本例は3つ)配置されている。従って、可動レンズエレメント35aは、ピエゾ素子36を駆動させることにより光軸AXに沿って平行移動可能であるとともに、光軸AXと垂直な平面に対して任意に傾斜可能である。このように、ピエゾ素子36を駆動して、各可動レンズエレメント35aを、光軸AX方向に移動させたり、光軸AXと垂直な平面に対して傾斜させたりすることで、投影光学系14の結像特性が補正される。
ウエハステージWSTには、ウエハホルダ37を介してウエハWが保持されている。ウエハWの表面には、露光光ELに対して感光性を有するフォトレジストが塗布され、投影光学系14から出射される投影像がウエハWの表面に照射される。ウエハステージWSTは、ウエハステージ駆動部38によって、ウエハWの表面を投影光学系14の最適結像面に対し任意方向に傾斜可能で、かつ投影光学系14の光軸方向(Z方向)に微動可能となっている。
ウエハステージWSTは、ウエハステージ駆動部38によって走査方向(Y方向)及び走査方向に垂直な方向(X方向)に移動可能となっている。ウエハステージWSTの端部には、干渉計39からのレーザ光を反射可能な移動鏡40が取着されている。移動鏡40で反射されたレーザ光は、再び干渉計39に入射して、そのレーザ光の検出結果からウエハステージWSTのX方向及びY方向の位置及び速度が検出される。
前記露光装置11は、補正機構の一部を構成する主制御系41、レチクルステージ制御部42、ウエハステージ制御部43及び補正機構の一部を構成する結像特性制御部44を備えている。主制御系41は、露光光源12、ターレット板駆動部27、レチクルブラインド駆動部28の動作を制御する。また、主制御系41は、レチクルステージ制御部42、ウエハステージ制御部43及び結像特性制御部44のメイン制御を司る。さらに、主制御系41は、露光装置11全体の動作を制御して、レチクルR上に形成されたパターンの像をウエハW上に転写する一連の露光工程全体を制御する。
レチクルステージ制御部42は、干渉計30から入力したレチクルステージRSTの位置情報及び速度情報に基づきレチクルステージ駆動部29を駆動し、レチクルステージRSTを移動させる。また、ウエハステージ制御部43は、干渉計39から入力したウエハステージWSTの位置情報及び速度情報に基づきウエハステージ駆動部38を駆動し、ウエハステージWSTを移動させる。結像特性制御部44は、主制御系41からの指令に基づきピエゾ素子36を駆動し、可動レンズエレメント35aの相対位置を変更させる。
この露光装置11は、デバイスを製造する際のリソグラフィ工程で使用される。このリソグラフィ工程では、フォトレジストの塗布されたウエハWをウエハステージWSTに載置して、ウエハW上に区画された各ショット領域毎に走査露光を繰り返すステップ・アンド・スキャン方式により、レチクルRの回路パターンの像を転写する。即ち、露光時にレチクルRを速度Vrで+Y方向に走査するとともに、レチクルRと倒立結像関係にあるウエハWを−Y方向に速度Vwで走査することで、ウエハWに回路パターンを順次照明して転写する。なお、走査速度の比Vw/Vrは投影光学系14の縮小倍率に応じた値に設定されている。
図2は、投影系鏡筒32と、その投影系鏡筒32に所定のガスを送り込む機構の一例を示した構成図である。投影系鏡筒32のウエハW側端部には、外部から投影系鏡筒32内へガスを導入するガス導入口45が形成され、同じくレチクルR側端部には、投影系鏡筒32内のガスを外部へ排出するガス排出口46が形成されている。ガス導入口45には、所定のガスとしての窒素ガスを投影系鏡筒32内に供給するガス供給機構をなすガス供給装置47が配管48を介して接続されている。なお、所定ガスとしては、窒素ガス以外にヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン及びクリプトン等の不活性ガスを用いてもよい。
配管48の経路上には、ガス供給装置47側から順に補正量調整機構の一部を構成する圧力調整弁49、同じく補正量調整機構の一部を構成する流量調整弁50及び同じく補正量調整機構の一部を構成する流量計51が接続されている。圧力調整弁49は、例えば半導体工場内のユーティリティプラントガス等の供給装置47から送られる窒素ガスの一次圧を所定の二次圧に変換するもので、配管48内での圧力変動を抑えるために窒素ガスをほぼ一定圧力に調整して流量調整弁50に送り出す。前記流量調整弁50は、ガス供給装置47から供給される窒素ガスを圧力調整後に所定の流量値となるように調整する可変式の調整弁となっている。前記流量計51は、流量調整弁50から送られた窒素ガスの流量を計測表示する。
投影系鏡筒32の内部空間52は、前記ガス導入口45から供給される窒素ガスにより、全体が充填されている。ここで、投影系鏡筒32の内部と外部との圧力差(差圧)Pは投影系鏡筒32内の窒素ガスの圧力に基づき設定され、投影系鏡筒32の内部の圧力は流量調整弁50の流量に基づき設定される。
ガス導入口45から投影系鏡筒32内に供給された窒素ガスは、各レンズエレメント35間の空間及び各レンズエレメント35と枠体32aとの間の隙間を流れ、投影系鏡筒32のガス排出口46から排出される。このとき、各レンズエレメント35間及び各レンズエレメント35と枠体32aとの間の狭小部の存在により、流動抵抗を生じる。
ここで、投影系鏡筒32の内部空間52における窒素ガスの流れに対する内部抵抗は、投影系鏡筒32内での窒素ガスの流れを流動解析することにより得ることができる。そして、この内部抵抗は、投影系鏡筒32内における窒素ガスの流速が0.5〜5L/分程度とそれほど大きくない領域では、ほぼ一定となる。
このため、投影系鏡筒32内に供給される窒素ガスの供給量が大きくなるほど、投影系鏡筒32の内部の圧力は高くなり、投影系鏡筒32の内外における圧力差Pは大きくなる。一方、供給される窒素ガスの供給量が小さくなれば、投影系鏡筒32における内部の圧力の上昇も小さくなり、投影系鏡筒32の内外における圧力差Pも小さくなる。このように、投影系鏡筒32への窒素ガスの供給量を調整することにより、投影系鏡筒32の内外における圧力差Pを設定することができる。投影系鏡筒32には、この圧力差Pを計測する検出機構としての差圧計53が接続されている。
次に、本例の露光装置11の結像特性調整方法について説明する。
まず、露光光源12から露光光ELを出射してレチクルR上のパターン像をウエハWに転写する実露光に先立ち、ピエゾ素子36の伸縮による可動レンズエレメント35aの可動範囲を調整する補正範囲調整作業を実施する。即ち、ガス供給装置47を作動した状態にしておき、投影系鏡筒32の内外における圧力差を例えばPaに設定する場合、その圧力差Paとなるために必要な流量の窒素ガスが投影系鏡筒32に送られるように流量調整弁50を調整する。なお、この窒素ガスの流量は、予め実験値或いは投影系鏡筒32内部における窒素ガスの流動解析からの算出値に基づいて設定する。
ここで、図4に概念的に示すように、投影系鏡筒32内部を外部との間で圧力差を生じさせない程度に投影系鏡筒32内に窒素ガスを供給した場合において、ピエゾ素子36の駆動により、可動レンズエレメント35aが変位可能な可動範囲XをA1〜A2とする。この状態から、前述の圧力差の調整により投影系鏡筒32内に圧力差Paを生じさせることで、投影系鏡筒32内での露光光ELの屈折率がその圧力差Paに応じて変更される。この圧力差Paにより、可動レンズエレメント35aの可動範囲Xに、範囲A1〜A3のオフセットYが加えられ、可動レンズエレメント35aの可動範囲XがA1〜A4の可動範囲Xaに拡張される。
この結果、ピエゾ素子36の駆動制限による可動レンズエレメント35aの変位不能な範囲にオフセットが生じ、ピエゾ素子36の駆動により可動レンズエレメント35aの変位可能な範囲が拡張されることになる。これにより、ピエゾ素子36の駆動制限に伴う可動レンズエレメント35aの変位の範囲についての制約が解消される。即ち、可動レンズエレメント35aの変位による投影光学系の結像特性の補正範囲が拡張される。また、投影系鏡筒32の内外における圧力差を任意に調節することによって、オフセットYの範囲も変更することができる。従って、投影光学系の結像特性を調整する場合に、可動レンズエレメント35aの変位だけで調整が可能な場合には、圧力差Paの値をゼロに設定しておけばよい。
その後、テストレチクルRt及びテストウエハWt(ともに図1参照)をセットし、テストレチクルRtのパターンの像をテストウエハWt上に転写するテスト露光を実施する。続いて、このテストウエハWt上にテスト露光されたパターンの像を現像し、この現像されたパターンを顕微鏡で観察することで投影光学系14の結像特性に関する情報を求める。その情報は、主制御系41に入力されるとともに、その主制御系41内部の記憶部(例えばEEPROM等)に記憶される。
テスト露光後、レチクルR及びウエハWをセットし、レチクルRのパターンの像をウエハW上に転写する実露光を実施する。ここで、主制御系41は露光光ELを出射する前に、主制御系41の記憶部に記憶された結像特性に関する情報に基づき、結像特性制御部44に対しピエゾ素子36の駆動を指令する。従って、可動レンズエレメント35aの相対位置が変更され、投影光学系14の結像特性が補正される。この補正後、主制御系41は露光光ELの出射を露光光源12に指令し、レチクルR及びウエハWを走査して実露光を行う。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)この露光装置11では、投影光学系14の可動レンズエレメント35aを、ピエゾ素子36を介して投影光学系14の光軸方向に変位させ、又はその光軸AXと直交する面に対して傾斜させて、投影光学系14の結像特性を補正するようになっている。また、この露光装置11は、投影光学系14を収容する投影系鏡筒32内に窒素ガスを供給するガス供給装置47を備えている。そして、投影系鏡筒32内における窒素ガスの圧力を調整して投影系鏡筒32の内部と外部との間に圧力差Pを発生させ、この圧力差Pにより結像特性の補正範囲を拡張するようになっている。
このように、投影系鏡筒32内外の間における圧力差Pを変更することで、投影系鏡筒32内における露光光ELの屈折率が変更される。この屈折率の変更により、投影光学系14の結像特性補正の範囲にオフセットを加えることができる。そして、このオフセットの調整によって、ピエゾ素子36の駆動ストロークを変更することなく、投影光学系14における結像特性補正の範囲を拡大させ、結像特性補正の限界を変位させることができる。従って、補正制限が緩和され、露光装置11をより大きなエネルギーを有する露光光ELでの露光にも対応可能なものとすることができる。また、より大きな伸縮ストローク量を有する大型のピエゾ素子36や、大型の拡大機構を用いる必要がなく、投影系鏡筒32及び露光装置11の大型化を抑制することができる。
(2)この露光装置11では、投影系鏡筒32に、その投影系鏡筒32内の圧力と、投影系鏡筒32の外部環境との圧力差Pを検出する差圧計53が取着されている。そして、その圧力差Pの検出結果に基づいて、ガス供給装置47からの窒素ガスの供給量を調整して、その圧力差Pの値を補正するようになっている。このため、圧力差Pを好適な値に設定することができ、露光装置11の露光精度を向上させることができる。
(3)この露光装置11では、投影系鏡筒32に送られる窒素ガスの圧力を流量調整弁50により調整することで、投影系鏡筒32の内部と外部に圧力差Pを生じさせ、ピエゾ素子36の駆動ストロークを変更することなく、結像特性補正の範囲にオフセットを加える構成とした。
従って、ピエゾ素子36の駆動ストローク量の不足による結像特性補正範囲の制限が解消され、例えばより大きなエネルギーを有する露光光ELでの露光にも対応が可能となる。また、駆動ストロークの大きい大型のピエゾ素子や、そのピエゾ素子の駆動ストロークを大きく拡大する拡大機構を用いる必要もないので、投影光学系14ひいては露光装置11の大型化を抑制することができる。
(4)この露光装置11では、窒素ガスの流量を流量調整弁50で調整して投影系鏡筒32の圧力差Pを設定する構成であるので、例えば圧力差Pを直接設定及び変更する構成に比べ、簡単な構成で圧力差Pを発生させることができる。
(5)この露光装置11では、流量調整弁50を投影系鏡筒32のガス導入口45側に接続し、窒素ガスの供給量により投影系鏡筒32の圧力差Pを設定する構成である。ここで、投影系鏡筒32内における窒素ガスの流動抵抗は、実験あるいは流動解析により容易に求めることができる。
これに対して、例えば投影系鏡筒32に常に一定の流量の窒素ガスを供給し、投影系鏡筒32からの窒素ガスの排気量を調整することにより圧力差Pを設定することもできる。なお、この場合では、投影系鏡筒32内における十分な窒素ガスの流通を確保するため、常に多量の窒素ガスを投影系鏡筒32内に供給して、過剰な窒素ガスを排気させる必要がある。このため、回収した窒素ガスを、再度清浄化してリサイクルすることが、露光装置11の運転コスト上望ましい。
(6)この露光装置11では、配管48の経路上に、配管48上の圧力変動を抑制するための圧力調整弁49を設けたので、流量調整弁50から投影系鏡筒32内に供給される窒素ガスの圧力誤差を小さくすることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図5に基づいて説明する。この実施形態では、露光装置11における露光光ELに関する情報及び投影系鏡筒32内に関する情報をセンサにより検出し、その検出値を基にして窒素ガスの流量を制御する点が第1実施形態と異なっている。なお、他の基本的な構成は第1実施形態と同じであるため、同一部分には同一符号を付して詳しい説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図5に示すように、投影光学系14のレチクル側端の近傍における露光光ELの光路の周縁部分には、照明光学系13から出射された露光光ELの照射量を検出する検出機構としての入射光量センサ61が配設されている。投影光学系14のウエハ側端の近傍における露光光ELの光路の周縁部分には、投影光学系14から出射された露光光ELの照射量を検出する検出機構としての出射光量センサ62が配設されている。これら光量センサ61,62は主制御系41に接続され、そして、主制御系41には流量調整弁50が接続されており、主制御系41は両光量センサ61,62の検出結果に基づいてその流量調整弁50の開度を調整するようになっている。また、主制御系41には、差圧計53が接続されている。
主制御系41の記憶部には、両光量センサ61,62の検出値に基づき流量調整弁50の流量を制御してピエゾ素子36の駆動による結像特性補正の範囲を調整する調整プログラムが記憶されている。主制御系41はその調整プログラムに基づき、両光量センサ61,62の検出値に従い設定すべき圧力差Pを求め、現状の圧力差と比較してその差を埋める指令値Tを流量調整弁50に出力して投影系鏡筒32内の圧力差Pを変更する。なお、指令値Tは、予め実験或いは投影系鏡筒32内における窒素ガスの流動解析により算出された値に基づいて設定される。
さて、この露光装置11では、次のような手順で、ピエゾ素子36の駆動による結像特性範囲の調整を行う。まず、レチクルR及びウエハWをセットせずに露光光ELのみを出射させる。このとき、主制御系41は、入射光量センサ61と出射光量センサ62と差圧計53の検出値との各検出値に基づいて、前記調整プログラムに従って指令値Tを設定する。これにより流量調整弁50の開度を調整し、投影系鏡筒32内を露光光ELの照射量に応じた圧力差Pに変更する。この結果、ピエゾ素子36の駆動による結像特性補正の範囲に図4に示すようにオフセットが加えられ、ピエゾ素子36のストローク制限に伴う結像特性補正の限界が解消される。
そして、テストレチクルRt及びテストウエハWtをセットしてテスト露光を実施し、テストウエハWt上のパターンの像を現像して投影光学系14の結像特性に関する情報を求める。続いて、その結像特性に関する情報を主制御系41の記憶部に記憶し、レチクルR及びウエハWをセットして実露光を実施する。このとき、主制御系41は、その記憶部に記憶された結像特性に関する情報に基づきピエゾ素子36を駆動し、可動レンズエレメント35aの相対位置を変更することで投影光学系14の結像特性を補正する。
ここで、一連の露光工程の途中で、例えば照明光学系13の照明条件を変更すべくターレット板17を駆動するなどして、露光シーケンスが変更され、投影光学系14の各レンズエレメントに対する露光光ELの照射分布が変化したとする。これらのような場合には、投影系鏡筒32内を通過する露光光ELの光量や、投影系鏡筒32内の温度が変化することになる。
このような場合、主制御系41は、常時取り込まれている入射光量センサ61及び出射光量センサ62からの検出値から、投影系鏡筒32内の温度に関する情報を検出し、検出された温度に関する情報に応じて設定すべき圧力差Pを求める。次いで、主制御系41は、現状の圧力差と比較してその差を埋める指令値Tを流量調整弁50に出力して、投影系鏡筒32内の圧力差を変更する。これにより、ピエゾ素子36の駆動による投影光学系14の結像特性補正の範囲が変更される。このように、主制御系41は、投影系鏡筒32内の圧力差Pを露光シーケンスや投影系鏡筒32の温度の変化に応じて適当な値に随時調整し、露光シーケンスの変更に伴う結像特性変動に対応して、投影光学系14の収差の補正範囲を調整する。
従って、本実施形態によれば第1実施形態に記載の(1)〜(6)の効果と同様の効果が得られるとともに、以下の効果を得ることができる。
(7)この実施形態の露光装置11では、投影光学系14を挟むようにして、入射光量センサ61と出射光量センサ62とを設け、両光量センサ61,62からの検出値に基づき主制御系41により流量調整弁50を制御し、投影系鏡筒32の圧力差Pを設定する構成となっている。
このため、露光シーケンスの変更や投影系鏡筒32に関する情報に対して、その投影系鏡筒32内を自動で好適な圧力差Pに設定することができる。従って、露光シーケンスの変更や投影系鏡筒32内に関する情報に対応して、ピエゾ素子36の駆動による投影光学系14の結像特性補正の範囲を、常にリアルタイムで好適な状態に設定することができる。これにより、露光装置11の露光精度を向上させることができる。
(変形例)
なお、本発明の実施形態は、以下の態様に変形してもよい。
・ 投影系鏡筒32に関する情報を検出する検出機構としては、前記各実施形態における差圧計53、入射光量センサ61及び出射光量センサ62に限定されるものではなく、その投影系鏡筒32内の温度変化を測定する温度センサを採用してもよい。
このように構成した場合、投影光学系14への露光光ELの照射に伴う投影系鏡筒32内の温度変化により、投影光学系14の結像特性に変動が生じた場合にも、温度センサで検出される投影系鏡筒32内の温度情報に基づいて、投影系鏡筒32内の圧力差Pを調整することができる。これにより、ピエゾ素子36の駆動による投影光学系14の結像特性補正の範囲を、大型のピエゾ素子36や大型のピエゾ素子36の駆動ストローク拡大機構を必要とすることなく、投影系鏡筒32内の温度に応じてより好適な状態に設定することができる。
・ また、検出機構として、例えば露光装置11の設置場所(投影系鏡筒32の外部環境)における大気圧を測定する気圧計を、露光装置11に装着してもよい。
ところで、例えば台風が接近したような場合等で、露光装置11の設置場所に、大きな天候(特に、大気圧)の変動が生じた場合、その天候の変動に応じて投影系鏡筒32の内部の圧力と外部の大気圧との差により、投影系鏡筒32の圧力差Pが変動することがある。このような圧力差Pの変動は、投影光学系14に結像特性変動を生じさせることになる。
これに対して、前述のように、露光装置11に気圧計を装着することで、露光装置11の設置場所における気圧変動に応じて、投影系鏡筒32の圧力差Pを調整することができ、露光装置11の露光精度を向上させることができる。
また、露光装置11の製造場所と使用場所との間では、標高差により標準大気圧に差が生じることがある。この種の露光装置11では、通常、製造場所において投影光学系14の結像特性補正の基準を設定し、露光装置11を設置場所に移設して結像特性補正を行う。これに対して、露光装置11に気圧計を装着し、その設置場所における標準大気圧を検出し、その標準大気圧に基づいて、投影系鏡筒32の圧力差Pを調整することで、標準大気圧の値を問わずに、投影光学系14の結像特性補正の範囲をより好適に設定することができる。
・ 前記各実施形態において、投影系鏡筒32内の圧力差Pは、投影系鏡筒32に供給される窒素ガスを一定の圧力に調整した上で、その供給量を調整することにより設定される構成に限定されるものではない。例えば、圧力調整弁49と流量調整弁50との位置を代えて、投影系鏡筒32に一定流量の窒素ガスを、その圧力を調整した上で投影系鏡筒32に供給することで、投影系鏡筒32内の圧力差を設定するような構成としてもよい。また、投影系鏡筒32のガス排出口46側に流量調整弁(ガス排気機構)50を接続し、窒素ガスの排気量を調整することで投影系鏡筒32の圧力差Pを設定してもよい。
・ 前記各実施形態において、配管48内の圧力変動が無視できる値であれば、圧力調整弁49を省略してもよい。
・ 前記第2実施形態において、入射光量センサ61と出射光量センサ62とを2つ設けることに限らず、一方のみを有する構成としてもよい。
・ 前記各実施形態において、投影光学系14としては、屈折タイプに限らず、反射屈折タイプ、反射タイプであってもよい。なお、投影光学系の結像特性としては、収差を含むものであり、この収差にはザイデルの5収差の他に液面収差が該当する。
・ 本発明の露光装置11は、縮小露光型の露光装置に限定されるものではなく、例えば等倍露光型、拡大露光型の露光装置であってもよい。
・ また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクルまたはマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハなどへ回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(深紫外)やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては、石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、または水晶などが用いられる。
・ また、半導体素子の製造に用いられる露光装置だけでなく、液晶表示素子(LCD)などを含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置に適用してもよい。また、薄膜磁気ヘッド等の製造に用いられて、デバイスパターンをセラミックウエハ等へ転写する露光装置や、CCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置などにも、本発明を適用することができる。
・ また、マスクと基板とが静止した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基板を順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の一括露光型の露光装置にも、本発明を適用することができる。
・ また、露光装置の光源としては、例えばg線(λ=436nm)、i線(λ=365nm)、Krレーザ(λ=146nm)、Arレーザ(λ=126nm)等を用いてもよい。また、DFB半導体レーザまたはファイバレーザから発振される赤外域、または可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(またはエルビウムとイッテルビウムの双方)がドープされたファイバアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いてもよい。
次に、上述した露光装置11をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
図6は、デバイス(ICやLSI等の半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。
図6に示すように、まず、ステップS101(設計ステップ)において、デバイス(マイクロデバイス)の機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS102(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レクチルR等)を製作する。一方、ステップS103(基板製造ステップ)において、シリコン、ガラスプレート等の材料を用いて基板(シリコン材料を用いた場合にはウエハWとなる。)を製造する。
次に、ステップS104(基板処理ステップ)において、ステップS101〜S103で用意したマスクと基板を使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によって基板上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS105(デバイス組立ステップ)において、ステップS104で処理された基板を用いてデバイス組立を行う。このステップS105には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入等)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップS106(検査ステップ)において、ステップS105で作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図7は、半導体デバイスの場合における詳細なフローの一例を示す図である。図7において、ステップS111(酸化ステップ)では、ウエハWの表面を酸化させる。ステップS112(CVDステップ)では、ウエハW表面に絶縁膜を形成する。ステップS113(電極形成ステップ)では、ウエハW上に電極を蒸着によって形成する。ステップS114(イオン打込みステップ)では、ウエハWにイオンを打ち込む。以上のステップS111〜S114のそれぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS115(レジスト形成ステップ)において、ウエハWに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS116(露光ステップ)において、先に説明したリソグラフィシステム(露光装置)によってマスク(レチクルR)の回路パターンをウエハW上に転写する。次に、ステップS117(現像ステップ)では露光されたウエハWを現像し、ステップS118(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS119(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハW上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップS116)において、真空紫外域の露光光ELにより解像力の向上が可能となり、露光量制御を高精度に行うことができる。従って、露光精度を向上することができて、最小線幅が0.1μm程度の高集積度のデバイスを歩留まりよく製造することができる。
本発明の露光装置の第1実施形態の全体構成を示す概略構成図。 図1の投影系鏡筒とその投影系鏡筒に接続されるガス供給装置とを示す概略構成図。 図1のターレット板を示す平面図。 ピエゾ素子の駆動に伴う結像特性補正の範囲の調整に関する説明図。 第2実施形態の露光装置の投影系鏡筒とその投影系鏡筒に接続されるガス供給装置とを示す概略構成図。 デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート。 半導体素子の製造工程の一例を示すフローチャート。
符号の説明
11…露光装置、14…投影光学系、32…鏡筒、35…光学素子としてのレンズエレメント、35a…光学素子としての可動レンズエレメント、35b…光学素子としての静止レンズエレメント、36…補正機構の一部を構成するとともに駆動素子としてのピエゾ素子、41…補正機構の一部及び制御系を構成する主制御系、44…補正機構の一部を構成する結像特性制御部、47…ガス供給機構としてのガス供給装置、49…補正量調整機構を構成する圧力調整弁、50…補正量調整機構を構成する流量調整弁、51…補正量調整機構を構成する流量計、53…検出機構としての差圧計、61…検出機構としての入射光量センサ、62…検出機構としての出射光量センサ、R…マスクとしてのレチクル、W…基板としてのウエハ、P…圧力差(差圧)、AX…光軸、EL…露光光。

Claims (12)

  1. 少なくとも1つの光学素子を有する投影光学系を介し、マスクのパターン像を基板上に投影する露光装置において、
    少なくとも1つの前記光学素子を、駆動素子を介して前記投影光学系の光軸方向、又はその光軸と交差する方向に移動させて前記投影光学系の結像特性を補正する補正機構と、
    前記投影光学系を収容する鏡筒内に所定ガスを供給するガス供給機構と、
    鏡筒内における前記所定ガスの圧力を調整して前記鏡筒の内部と外部との間に差圧を発生させ、前記補正機構のオフセット量を調整する補正量調整機構と
    を備えたことを特徴とする露光装置。
  2. 前記鏡筒に関する情報を検出する検出機構と、
    前記検出機構の検出値に基づき、前記補正量調整機構を制御して前記差圧の値を設定又は補正する制御系とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記検出機構は、前記投影光学系に入射される露光光の照射量、及び前記投影光学系から出射される露光光の照射量のうち少なくとも一方を検出することを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
  4. 前記検出機構は、前記鏡筒の温度変化を検出することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の露光装置。
  5. 前記検出機構は、前記鏡筒の外部環境における大気圧変動を検出することを特徴とする請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載の露光装置。
  6. 前記検出機構は、前記鏡筒の外部環境における標準大気圧と、前記鏡筒内の圧力との差を検出することを特徴とする請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載の露光装置。
  7. 前記補正量調整機構は、前記鏡筒の内部における前記所定ガスの流量を調整して前記差圧を発生させることを特徴とする請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の露光装置。
  8. 前記補正量調整機構は、前記鏡筒の内部に供給される前記所定ガスの圧力を調整して前記差圧を発生させることを特徴とする請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の露光装置。
  9. 前記所定ガスの差圧は、前記ガス供給機構から供給される前記所定ガスの供給量に基づき調整されることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の露光装置。
  10. 鏡筒内の前記所定ガスを外部に排気するガス排気機構を備え、
    前記所定ガスの差圧は、前記ガス排気機構から排気される前記所定ガスの排気量に基づき調整されることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の露光装置。
  11. マスク上に形成されたパターン像を、投影光学系を介して基板上に投影転写する露光方法において、
    請求項1〜請求項10のうちいずれか一項に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とする露光方法。
  12. リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、
    前記リソグラフィ工程で請求項1〜請求項10のうちいずれか一項に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするデバイスの製造方法。
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