JP2005166275A - 回路遮断器の外部付属用電圧引外し装置 - Google Patents

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憲知 佐藤
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Abstract

【課題】回路遮断器に外部付属の電圧引外し装置を装着する際に生じた取り付け位置のずれを補償して、動作時に回路遮断器を的確にトリップできるようにする。
【解決手段】回路遮断器の外部付属装置として、回路遮断器のケース側面に装着して使用する外部付属用電圧引外し装置で、該装置が内蔵のアクチュエータに連動してストローク動作するスライダ5にトリップレバー9を設けた構成になり、遮断器に装着した状態でトリップレバー9を回路遮断器のトリップボタンに連係し、引外動作時にトリップレバーがトリップボタンを押し込んで回路遮断器をトリップさせるようにしたものにおいて、前記トリップレバー9を独立部品とし、かつ該レバーをスライダに開口したガイド穴5bの中に遊嵌してストローク方向に遊び代を設定した上で、スライダとの間に圧縮コイルバネ(補償バネ部材)10を介挿して下方に押圧付勢する。これにより、回路遮断器に装着した状態での取り付け位置のずれを吸収して、トリップレバーとトリップボタンとの間を確実に連係させて回路遮断器をトリップすることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、配線用遮断器,漏電遮断器を対象とした回路遮断器の外部付属装置(オプション品)として、遮断器ケースに装着して使用する電圧引外し装置(電圧引外し装置,あるいは不足電圧引外し装置)の構成に関する。
周知のように、頭記の配線用遮断器,漏電遮断器には、補助スイッチ,警報スイッチ,電圧引外し装置,不足電圧引外し装置などの各種付属装置(オプション品)が用意されており、その付属装置は遮断器ケース内に収納して使用する内部付属装置と、遮断器ケースの外部に取り付けて使用する外部付属装置(例えば、特許文献1参照)のタイプに大別される。
また、外部付属装置として回路遮断器に装着して使用する電圧引外し装置(外部から電気的信号で回路遮断器をトリップさせる引外し装置),あるいは不足電圧引外し装置(電源電圧が規定値を下回った場合に回路遮断器を強制的にトリップさせる引外し装置)に関して、これらの外部付属装置(前記の「電圧引外し装置」および「不足電圧引外し装置」を総称して、本発明では「外部付属用電圧引外し装置」と呼称する)のトリップレバーを回路遮断器に設けたトリップボタンに連係させ、該引外し装置の動作時にトリップレバーが前記のトリップボタンを押し込んで回路遮断器をトリップ動作させて主回路接点を開極するようにした構成のものが本発明と同一出願人より特願2003−394293号として先に提案されている。
次に、前記提案を基にした不足電圧引外し装置,およびその従来構造を図3〜図6で説明する。各図において、1は回路遮断器(配線用遮断器あるいは漏電遮断器)、2は回路遮断器1の外部付属装置として遮断器ケース1aの側面に装着して使用する不足電圧引外し装置である。ここで、不足電圧引外し装置2は、遮断器ケース1の側面に取り付けるベース3aとカバー3bからなる二つ割り構造のケース3の内部に、電磁ソレノイド(アクチュエータ)4と、該電磁ソレノイド4のアーマチュア4aに連係させて上下方向へスライド可能に案内支持したスライダ5と、該スライダ5を下方に向けて押圧付勢する駆動バネ(圧縮コイルバネ)6と、制御回路のプリント板7を内蔵した構成になり、前記スライダ5に一体形成した突起状のトリップレバー5aがベース3aの壁面に開口した縦長の窓穴3a-1を通して側方に突き出した構成になる。また、3a-2はベース3aの外面側に突設した係合突起であり、この係合突起3a-2を回路遮断器1のケース側面に形成した係合溝(図示せず)に上方から嵌入することで不足電圧引外し装置2を回路遮断器1に装着するようにしている。なお、図中の3a-3は不足電圧引外し装置2の端子台、8はケース3の締結ねじである。
一方、回路遮断器1の遮断器ケース1(図3(a) 参照)には、不足電圧引外し装置2の取付面側にトリップボタン1bを復帰バネと一緒に組み付けて遮断器ケース1に組み込んだ開閉機構のラッチに連係させており、このトリップボタン1bを押し込むことによりラッチを釈放して主回路接点を開極動作させるようにしている。また、このトリップボタン1bには側方に突き出した操作突起部1b-1(図3(b) 参照)を備えており、この操作突起部1b-1を遮断器ケース1の側面に開口した窓穴(図示せず)に臨ませて不足電圧引外し装置2のベース3aから側方に突き出したトリップレバー5a(図4参照)と連係するようにしている。なお、1cは開閉操作ハンドル、1dは主回路端子である。
そして、図3(a) のように不足電圧引外し装置2を回路遮断器1に装着した実使用状態で、通常は電源電圧で励磁された電磁ソレノイド4の吸引力によりアーマチュア4aが駆動バネ6に抗してスライダ5を上方に引き上げた状態に保持している。この状態ではスライダ5のトリップレバー5aが回路遮断器1のトリップボタン1bから離れるよう上方に後退している。一方、何らかの原因で電源電圧が規定値を下回った状態になると、電磁ソレノイド4の吸引力が低下し、これによりスライダ5は駆動バネ6のバネ力で下方に押し下げられ、同時にトリップレバー5aが回路遮断器1のトリップボタン1bを下方に押し込む。その結果、回路遮断器1がトリップ動作して主回路接点が開極することになる。
なお、電圧引外し装置(外部付属装置)は、その構成,動作が前記した不足電圧引外し装置2と逆であり、図5の不足電圧引外し装置2に示した内蔵の電磁ソレノイド4,および駆動バネ6の向きを上下逆向きにしてケース3に組み込まれており、駆動バネ6はスライダ5を押し上げ、電磁ソレノイド4を励磁した際の吸引力でスライダ5を押し下げるようにしている。そして、常時(電磁ソレノイドが非通電)は駆動バネ6がスライダ5を上方に押し上げてトリップレバー5aを回路遮断器のトリップボタン1bから上方に後退させた状態に保持している。一方、電圧引外し装置に外部からトリップ指令(電気的な信号)を与えて電磁ソレノイド4を励磁すると、その吸引力によりアーマチュア4aが駆動バネ6に抗してスライダ5を下方に押し下げ、そのトリップレバー5aーが回路遮断器のトリップボタン1bを押し込んで主回路接点を強制的に開極動作させる。
特開2001−160350号公報
ところで、前記した従来構造の外部付属用電圧引外し装置(電圧引外し装置,あるいは不足電圧引外し装置)は、動作の信頼性面で次記のような問題点がある。
すなわち、図4に示した不足電圧引外し装置2を、図3(a) で表すように回路遮断器1の遮断器ケース1aに装着する際には、先述のように遮断器ケース1a(図3参照)の側面に形成した係合溝に引外し装置2の係合突起3a-2(図4参照)を上方から嵌入して取り付けるようにしているが、その場合に係合突起3a-2の押し込みが中途半端であると、回路遮断器1の遮断器ケース1aに対して不足電圧引外し装置2が相対的に定位置より多少上方に浮き上がって装着され、この状態ではトリップレバー5aが回路遮断器のトリップボタン1bに対して上方に離間して相対位置するようになる。
しかも、この装着状態のまま使用すると、不足電圧引外し装置2の動作時にトリップレバー5aがトリップボタン1bを押し込むストロークに不足が生じ、このために回路遮断器が正しくトリップ動作しなくなることがある。しかも、回路遮断器への外部付属装置の装着はユーザーサイドで行う場合が多いことから、このままでは装着位置の不適正が原因で,回路遮断器が正しくトリップ動作しない不具合を完全に防ぐことが困難である。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、回路遮断器に装着した外部付属用電圧引外し装置の取り付け位置に多少のずれがあっても、この相対的な位置ずれを吸収して電圧引外し装置の動作時に回路遮断器を的確にトリップ動作できるよう改良して信頼性の向上を図った回路遮断器の外部付属用電圧引外し装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、回路遮断器の外部付属装置として回路遮断器の遮断器ケースの側面に装着して使用する外部付属用電圧引外し装置で、該引外し装置が内蔵のアクチュエータに連動してストローク動作するスライダにトリップレバーを設けた構成になり、遮断器ケースに装着した状態で前記トリップレバーを回路遮断器のトリップボタンに連係させ、引外し装置の動作時に前記トリップレバーがトリップボタンを押し込んで回路遮断器をトリップさせるようにしたものにおいて、
前記トリップレバーを独立部品とし、かつ該トリップレバーをスライダに対してそのストローク方向に遊び代を設定して案内支持した上で、スライダとの間に補償バネ部材を介挿し、トリップレバーを回路遮断器のトリップボタンに向けて押圧付勢するように構成する(請求項1)。
また、その具体的な態様として、前記スライダにはそのストローク方向に沿って開口したトリップレバーのガイド穴を形成し、該ガイド穴にトリップレバーの基部を嵌入してスライド可能に案内支持した上で、トリップレバーとスライダとの間に補償バネ部材としての圧縮コイルバネを介挿してトリップレバーを回路遮断器のトリップボタンに向け押圧付勢させるような構造とする(請求項2)。
上記の構成によれば、回路遮断器に装着した外部付属用電圧引外し装置の取り付け位置に多少のずれ(例えば、定位置から多少浮き上がた位置に装着されている)があっても、トリップレバーとスライダとの間に設定したストローク方向に遊び代,および補償バネ部材(圧縮コイルバネ)によるトリップレバーの押圧付勢により、前記の相対的な位置ずれを吸収してトリップレバーを回路遮断器のトリップボタンに正しく連係させ、電圧引外し装置の動作時にトリップレバーが回路遮断器のトリップボタンを確実に押し込んで回路遮断器を的確にトリップ動作させることができて実使用,動作の信頼性が向上する。
以下、本発明の実施の形態を図1,図2に示す実施例に基づいて説明する。なお、実施例の図中で図3〜図6に対応する部材には同じ符号を付してその説明は省略する。
すなわち、図示実施例の不足電圧引外し装置2においては、スライダ5に設けたトリップレバー9をスライダ5と分離した独立部品とした上で(図5に示した従来装置ではトリップレバー5aがスライダ5に一体形成されている)、該トリップレバー9の基部をスライダ5に開口したストローク方向のガイド穴5bに嵌入して上下可動に案内支持(トリップレバー9の左右側面に形成した2条の支持突起でスライダ5を前後から挟むようにする)し、この支持構造でトリップレバー9とスライダ5との間にストローク方向の遊び代を設定している。さらに、トリップレバー9の上面とスライダ5との間には補償バネ部材として圧縮コイルバネ10を介挿し、トリップレバー9をガイド穴5bに沿って下方に押圧付勢するようにしている。
なお、スライダ5は従来構造と同様にケースのベース3aに対して上下方向(ストローク方向)にスライド可能に案内支持し、この位置でスライダ5をベース側に設けたバネ受け座3a-4の間に介挿した駆動バネ(圧縮コイルバネ)6で下方に押圧付勢している。また、この組み立て位置でスライダ5から背後に突き出した操作アーム5cがケース内に組み込んだアクチュエータ(図5に示した電磁ソレノイド4のアーマチュア4a)に連係している。
上記構成の不足電圧引外し装置2は、従来装置と同様にそのケースのベース3aの外面に形成した係合突起3a-2(図2参照)を回路遮断器1の遮断器ケース1a(図3(a) 参照)に形成した係合溝に嵌入して装着し、この装着位置でベース3aから側方に突き出した前記トリップレバー9を回路遮断器1に装備したトリップボタン1b(図3(b)参照)の操作突起部1b-1に連係させる。
この装着状態で、回路遮断器1と不足電圧引外し装置2との間に多少の相対的なずれ(例えば、不足電圧引外し装置2の装着位置が定位置から多少浮き上がっている)があっても、図示実施例の構成では、前記のようにトリップレバー9はスライダ5のガイド穴5bで遊び代を設定した上で、さらにトリップレバー9を圧縮コイルバネ10で下方に押圧付勢しているので、前記の相対的な位置のずれを吸収してトリップレバー9を回路遮断器のトリップボタン1bと連係させた状態に保持し、不足電圧引外し装置2の動作時にはトリップレバー9がトリップボタン1bをストローク不足なしに押し込んで回路遮断器を確実にトリップさせることができる。なお、この場合に、スライダ5の上下可動範囲を回路遮断器のトリップボタン1bの動作ストロークよりも多少大き目に設定しておき、そのオーバーストローク分を前記したトリップレバー/スライダ間の遊び代,および圧縮コイルバネ10により吸収させるようにすることで、動作時にトリップレバー9からトリップボタン1bに過大な荷重が加わってトリップボタンが折損するのを回避できる。
なお、上記は不足電圧引外し装置2について述べたが、外部からの指令で回路遮断器をトリップさせる電圧引外し装置についても、図示実施例と同様なトリップレバー9の支持構造を採用して前記と同様な効果を奏することができる。
不足電圧引外し装置を例にした本発明の実施例による外部付属用電圧引外し装置の要部構成図で、(a) はケースのベースに組み込んだスライダおよびトリップレバーの組立構造を表す内面図、(b) は(a) の矢視X−X断面図 図1の分解斜視図 図3の(a) は回路遮断器に外部付属用電圧引外し装置を装着した状態の外観斜視図、(b) は回路遮断器に装備したトリップボタンの外形斜視図 図3(a) における外部付属用電圧引外し装置を装着面側から見た外観斜視図 不足電圧引外し装置を例にした従来における外部付属用電圧引外し装置の組立構造を表す分解斜視図 図5におけるケースのベース内に組み込んだトリップレバー付きスライダの組立構造を表す内面図
符号の説明
1 回路遮断器
1a 遮断器ケース
1b トリップボタン
2 不足電圧引外し装置(外部付属用電圧引外し装置)
3 ケース
3a ベース
4 電磁ソレノイド(アクチュエータ)
5 スライダ
5b トリップレバーのガイド穴
6 駆動バネ
9 トリップレバー
10 圧縮コイルバネ(補償バネ部材)

Claims (2)

  1. 回路遮断器の外部付属装置として、回路遮断器の遮断器ケースの側面に装着して使用する外部付属用電圧引外し装置であり、該装置が内蔵のアクチュエータに連動してストローク動作するスライダにトリップレバーを設けた構成になり、遮断器ケースに装着した状態で前記トリップレバーを回路遮断器のトリップボタンに連係させ、引外し装置の動作時に前記トリップレバーがトリップボタンを押し込んで回路遮断器をトリップさせるようにしたものにおいて、
    前記トリップレバーをスライダに対しそのストローク方向に遊び代を設定して案内支持した上で、スライダとの間に補償バネ部材を介挿してトリップレバーを回路遮断器のトリップボタンに向けて付勢するようにしたことを特徴とする回路遮断器の外部付属用電圧引外し装置。
  2. 請求項1に記載の外部付属用電圧引外し装置において、スライダにそのストローク方向に沿って開口したトリップレバーのガイド穴を形成し、該ガイド穴にトリップレバーを遊嵌してスライド可能に案内支持した上で、トリップレバーとスライダとの間に補償バネ部材としての圧縮コイルバネを介挿したことを特徴とする回路遮断器の外部付属用電圧引外し装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008130379A (ja) * 2006-11-21 2008-06-05 Kawamura Electric Inc 回路遮断器

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