JP2005166259A - 垂直記録用磁気ヘッド及びそれを搭載した磁気ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 垂直記録用磁気ヘッドの主磁極先端部分を浮上面に垂直な方向に対して角度を持たせて変化させた形状にする。この形状は、エッチングやリフトオフ方式を用いることにより実現できる。
【効果】 主磁極先端部分を浮上面に垂直な方向に対して角度を持たせて変化させた形状にすることにより、ヘッド記録磁界強度を劣化させずあるいは増加させて、隣接トラックの消去が無い垂直記録用磁気ヘッドを作製し、これを用いた磁気ディスク装置を得ことができる。
【選択図】図1
Description
一方、記録ヘッドに関しては、面内記録と同じリングヘッドを用いることもできるが、リングヘッドは上部磁極から下部磁極へ環流する磁束の垂直成分のみを用いて記録を行うため、磁界強度が弱く、垂直方向の磁界勾配も急峻でないという問題がある。このため、垂直記録に適した記録ヘッドとして単磁極ヘッドが提案されている。単磁極ヘッドの場合、図2に示すように、記録磁界分布は主磁極膜厚4に依存した幅を有し、主磁極形状が媒体の磁化パターンに大きな影響を与える。
しかし、主磁極の浮上面形状を台形にすると記録磁界強度が減少してしまう。図4(b)に、浮上面形状が台形である主磁極の最大磁界強度とαの関係を示す。
αを大きくすると磁界強度が減少している事がわかる。また、特願2000−76333号明細書には、記録ヘッド磁極の一部を除去することにより磁極の隣接トラックへのはみ出しを低減し、隣接トラックの消去を防止する技術が開示されている。しかし、この場合もヘッド磁界強度が減少してしまう。記録ビットの大きさが小さくなるほど熱揺らぎの問題は顕著になるので、熱揺らぎ対策として媒体の保磁力は増加する傾向にある。ヘッドの記録磁界は媒体へ記録を行うことができる程度に必要十分な大きさを有することが要求されるので、記録磁界強度の減少は面記録密度を向上する上で大きな障害となる。
前記テーパ面は、主磁極のトレーリング側ではなくリーディング側に設けても良い。また、トレーリング側、リーディング側の両方に設けても良い。
第1の製造方法は、無機絶縁膜上にレジストパターンを形成する工程と、該レジストパターンをマスクに前記無機絶縁膜をエッチングし、斜面を形成する工程と、該レジストパターンを除去する工程と、無機絶縁膜上にレジストパターンを形成する工程と、前記無機絶縁膜上に磁性膜を形成する工程と、前記レジストパターンを除去する工程と、該磁性膜を研磨による平坦化する工程を順次行う製造方法である。
研磨方法としては、ケミカルメカニカルポリッシング法が一般的に用いられているが、その他の適切な手法を用いても良い。
以下、本発明を図面を用いて説明する。図5は本発明を用いた磁気ディスク装置の媒体−ヘッド系の概略図である(但し、図の拡大倍率は均一では無い)。磁気ディスク装置は、磁気ディスク11上に、サスペンションアーム12の先端に固定されたスライダー13についている磁気ヘッド14によって磁化信号の記録再生を行なう。磁気ヘッドは、サスペンションアームのスイング動作によって、ディスクの半径方向への移動(シーク動作)を行う。このとき、図に5に示すようにヨー角Sが発生する。現行の磁気記録装置においては、ヨー角Sの範囲は±30°程度である。図6に垂直用記録再生ヘッドと磁気ディスクとの関係の概略図を示す。垂直用記録再生ヘッドは、記録ヘッド部16と再生ヘッド部17からなる。記録ヘッドはいわゆる単磁極ヘッドであり、再生ヘッドは、軟磁性の第1のシールド層と第2のシールド層に挟まれて配置された再生素子を備えた構造を有している。再生素子としては、高感度であることから、巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)やトンネル磁気抵抗効果素子(TMR素子)等が用いられる。図7には、垂直用記録再生ヘッドの概略図を示す。単磁極ヘッドの主磁極からでた磁界は記録層、裏打ち層を通り、補助磁極である上部シールド3に入る磁気回路を形成し、記録層に磁化パターンを記録する。
実施例1では、主磁極先端部のリーディング側にテーパ面を設けたが、主磁極のトレーリング側にテーパ面を設けても良い。図10(a)に示すように、ディスク回転方向の下流側に位置するトレーリング側の主磁極の浮上面側の角をとり傾斜した形状にした単磁極ヘッドの形状を示す。この場合でも、磁界強度を劣化させずにあるいは増加させてディスク回転方向の磁界幅を狭くでき、ヨー角が付いた場合でも、幾何学的トラック幅より記録幅の増加の程度を抑え、隣接トラックの消去をない、垂直記録用磁気ヘッドを提供できる。
実施例3では、図10(b)に示すように、主磁極先端部のリーディング側とトレーリング側両方にテーパ面を設けた。リーディング側、トレーリング側の角度は独立に設定して良い。この場合であっても、主磁極の浮上面側の角をとり傾斜した形状にしても磁界強度の劣化させずにあるいは増加させてディスク回転方向の磁界幅を狭くでき、ヨー角が付いた場合でも、幾何学的トラック幅より記録幅の増加の程度を抑え、隣接トラックの消去のない、垂直記録用磁気ヘッドを提供できる。
実施例4は主磁極先端部に設けるテーパ面が曲面である場合の実施例である。
製造プロセス上、テーパ面が平面とならずに曲面となる場合があり得るが、テーパ面が曲面であっても同じ効果が得られる。
図11は単磁極ヘッドをトラック幅方向から見た場合の断面図である。主磁極先端部に設けられた テーパ面はこの場合曲面である。図11中、hで示される長さは、主磁極先端部をトラック方向から見た場合に曲面形状のテーパ面がなす曲線の、浮上高さ方向に対する射影長、Wで示される長さは、前記曲面形状のテーパ面がなす曲線の浮上面に対する長である。
また、この場合であっても、W/hの逆タンジェントで定義される角度q、つまりq=arcTan(W/h)が45度以上75度以下の範囲であれば、先端角度を45度以上75度以下に規定した場合と同じ効果が得られる。
図12、図13に実施例1に示した単磁極ヘッドの製造方法の行程図を示す。理解しやすさのため、図中の膜厚等の縮尺は一定では無くしている。図12の(a)は、無機絶縁膜上にレジストパターンを形成したところを示す。無機絶縁膜の下部には、再生ヘッド部と補助磁極層とが形成されている。無機絶縁膜は、従来用いられているAl2O3の他にSiC、AlN、Ta2O5、TiC、TiO2、SiO2が使用可能である。
このレジストパターンをマスクとして用いて、無機絶縁膜のエッチングを行ったところを(b)に示す。簡便のため、図12の(b)以降の図面では、再生ヘッド部と補助磁極層は省略して書いている。レジスト端部はレジストの陰になるのでエッチングされにくく、エッチングにより図12(b)のような斜面が形成される。エッチングガスとしては、絶縁膜としてAl2O3、AlNを用いた場合にはBCl3、またはBCl3とCl2の混合ガスが好適である。SiC、AlN、Ta2O5、TiC、TiO2、SiO2の場合は、エッチングされやすいためフッ素系のCHF3、CF4、SF6、C4F8等を用いることができる。
(f)はレジストを除去したところを示す。(g)は、研磨により磁性膜浮上面の平坦化を行い主磁極を形成したところを示す。平坦化には、ケミカルメカニカルポリッシング(CMP)等の研摩法を用いれば良い。浮上面を出す行程において、浮上面は一点鎖線の位置にすれば良い。この製造方法により、リーディング側にテーパ面がある場合の本発明の垂直用単磁極ヘッドを製造できる。
本実施例は、主磁極のリーディング側にテーパ面を設けた場合の単磁極ヘッドの製造法を示したものであるが、レジストの形成パターンを左右逆にすることにより、トレーリング側にテーパ面がある単磁極ヘッドを製造することができる。
図14に、リフトオフ方式による本発明の単磁極ヘッドの別の製造方法の行程図を示す。図12と同様、無機絶縁膜の下部には、再生ヘッド部と補助磁極層が形成されているが、簡便のため省略する。第1に、無機絶縁膜上に図14のような形状のレジストパターンを形成する。無機絶縁膜の下には、再生ヘッドと、補助磁極用の軟磁性膜が形成されているが、図では省略する。レジストパターンが形成されたところを(a)に示す。次に、斜面を形成するために、レジストパターンと無機絶縁膜上にスパッタリングを行う。スパッタを行ったところを(b)に示す。斜面の角度は、スパッタリングの際のターゲット−基板間距離、スパッタ時のガス圧、ターゲットに対する基板の角度などを調整することにより制御できる。
図15に、本発明の単磁極ヘッドの別の製造方法の行程図を示す。無機絶縁膜、主磁極となる磁性膜の順に積層された上に、図のような形状のレジストパターンを形成したところを(a)に示す。このレジストパターンをマスクとして用いて、磁性膜のエッチングを行ったところを(b)に示す。エッチング後、レジストを除去したところを(c)に示す。浮上面を出す行程において、浮上面は一点鎖線の位置にすれば良い。この製造方法により、トレーリング側に傾斜がある本発明の垂直記録用磁気ヘッドを製造できる。
Claims (11)
- 主磁極と補助磁極とを有する単磁極ヘッドにおいて、前記主磁極はリーディン
グ側またはトレーリング側の浮上面から見た浮上高さ方向にテーパが設けられて
いることを特徴とする単磁極ヘッド。 - 再生ヘッドと、主磁極と補助磁極とを有する単磁極型記録ヘッドとを備えた記
録再生ヘッドにおいて、前記主磁極は、リーディング側またはトレーリング側の
浮上面から見た浮上高さ方向に、該浮上面と交差するテーパ面を有することを特
徴とする記録再生ヘッド。 - 請求項2に記載の記録再生ヘッドにおいて、前記主磁極の浮上面と前記テーパ
面のなす角度が75度以下であることを特徴とする記録再生ヘッド。 - 請求項2に記載の記録再生ヘッドにおいて、前記主磁極の浮上面と前記テーパ
面のなす角度が45度以上、75度以下であることを特徴とする記録再生ヘッド
。 - 請求項2に記載の記録再生ヘッドにおいて、前記テーパ面は主磁極のリーディ
ング側及びトレーリング側に設けられていることを特徴とする記録再生ヘッド。 - 再生ヘッドと、主磁極と補助磁極とを有する単磁極型記録ヘッドとを備えた記
録再生ヘッドにおいて、前記主磁極は、リーディング側またはトレーリング側の
浮上面から見た高さ方向に、該浮上面と交差するテーパ面を有し、前記主磁極を
トラック方向から見た断面に対して該テーパ面のなす線分の浮上高さ方向への射
影長hと、該線分の浮上面に対する射影長Wとを用い、θ=arcTan(W/
h)で定義される角度θが45度以上75度以下であることを特徴とする記録再
生ヘッド。 - 無機絶縁膜上に第1のレジストパターンを形成する工程と、該第1のレジスト
パターンをマスクにして前記無機絶縁膜をエッチングし斜面を形成する工程と、
該第1のレジストパターンを除去する工程と、前記斜面が形成された無機絶縁膜
上に第2のレジストパターンを形成する工程と、該第2のレジストパターンに溝
を形成する工程と、該溝を磁性材料で埋めることにより前記無機絶縁膜上に磁性
膜を形成する工程と、前記第2のレジストパターンを除去する工程と、該磁性膜
を研磨し平坦化する工程とを順次行うことにより主磁極を形成することを特徴と
する単磁極ヘッドの製造方法。 - 無機絶縁膜上に第1のレジストパターンを形成する工程と、該無機絶縁膜およ
び該第1のレジストパターン上に無機絶縁膜材料をスパッタリングする工程と、
該第1のレジストパターン及び第1のレジストパターン上に付着した無機絶縁膜
を除去する工程と、該第1のレジストパターンが除去された無機絶縁膜上に第2
のレジストパターンを形成する工程と、該第2のレジストパターンに溝を形成す
る工程と、該溝を磁性材料で埋めることにより前記無機絶縁膜上に磁性膜を形成
する工程と、前記第2のレジストパターンを除去する工程と、該磁性膜を研磨し
平坦化する工程とを順次行うことにより主磁極を形成することを特徴とする単磁
極ヘッドの製造方法。 - 磁性膜上にレジストパターンを形成する工程と、該レジストパターンをマスク
に前記磁性膜をエッチングし斜面を形成する工程と、前記レジストパターンを除
去する工程とを含む工程により主磁極を形成することを特徴とする単磁極ヘッド
の製造方法。 - 補助磁極とリーディング側またはトレーリング側の浮上面から見た浮上高さ方
向にテーパを有する主磁極とを有する単磁極ヘッドと、軟磁性裏打層を有する垂
直磁気記録媒体とを備え、前記単磁極ヘッドにより前記垂直磁気記録媒体へ記録
を行うことを特徴とする磁気ディスク装置。 - 再生ヘッドと、主磁極と補助磁極とを有する単磁極型記録ヘッドとを備えた記
録再生ヘッドと、軟磁性裏打層を有する垂直磁気記録媒体とを備え、前記主磁極
は、リーディング側またはトレーリング側の浮上面から見た浮上高さ方向に、該
浮上面と交差するテーパ面を有し、かつ前記主磁極の浮上面と前記テーパ面のな
す角度が45度以上75度以下であることを特徴とする磁気ディスク装置。
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JP2005035400A JP4713174B2 (ja) | 2005-02-14 | 2005-02-14 | 垂直記録用磁気ヘッド及びそれを搭載した磁気ディスク装置 |
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US8233234B2 (en) | 2008-12-23 | 2012-07-31 | Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. | Stepped main pole for perpendicular write heads in hard disk drives and method of making same |
JP2015130229A (ja) * | 2011-06-30 | 2015-07-16 | シーゲイト テクノロジー エルエルシー | 書き込みポールチップを備える装置 |
-
2005
- 2005-02-14 JP JP2005035400A patent/JP4713174B2/ja not_active Expired - Fee Related
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