JP2009151861A - 垂直記録ヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】 トラック幅方向の密度向上させるため、記録時における隣接トラックに漏洩する磁界を抑制できる垂直記録ヘッドを提供する。
【解決手段】
本発明は、主磁極と補助磁極で構成される垂直記録ヘッドにおいて、記憶媒体対向面から見て、前記主磁極のリーディング側からトラック幅方向にわたって、磁性体を主磁極からある一定の距離を離し、かつ当該磁性体の高さ位置を前記主磁極の記憶媒体対向面より後退させて配置したリーディング側シールドを有することを特徴とする垂直記録ヘッドに関する。
【選択図】図4
【解決手段】
本発明は、主磁極と補助磁極で構成される垂直記録ヘッドにおいて、記憶媒体対向面から見て、前記主磁極のリーディング側からトラック幅方向にわたって、磁性体を主磁極からある一定の距離を離し、かつ当該磁性体の高さ位置を前記主磁極の記憶媒体対向面より後退させて配置したリーディング側シールドを有することを特徴とする垂直記録ヘッドに関する。
【選択図】図4
Description
本発明は、磁気ディスク等の記録・再生に用いられる薄膜磁気ヘッドおよびそれを搭載した磁気ディスク装置に関する。
磁気ディスク装置では、記憶媒体上のデータは磁気ヘッドによって読み書きされ、記憶媒体の単位面積当たりの記録容量を大きくするには、トラック幅及びビット長双方の密度を向上させることが必要となってくる。しかし、現状の面内記録方式では、記録されるビット長が短くなると、記憶媒体の熱揺らぎ等が原因で面記録密度が上げられない問題が生じる。これを解決する方法として、さらなる高密度化のため、媒体に垂直な方向に磁化させる垂直記録方式が実用化されつつある。
一方、磁気ヘッドにおいては、再生には、巨大磁気抵抗効果型ヘッド(GMRヘッド)や巨大磁気抵抗効果型より再生出力の大きいトンネル磁気抵抗効果型ヘッド(TMRヘッド)などが用いられている。垂直記録の記録過程においては、垂直記憶媒体を二層化し、下層に軟磁性裏打ち層(SUL:Soft Under Layer)を設け、主磁極と補助磁極を備える単磁極ヘッドを記録ヘッドとして用い、記録している。このように、垂直記憶媒体側にSULを有するため、垂直記録方式では、実効的なヘッド書き込み能力が高く、5kOe(エルステッド)を超える比較的大きな保磁力を有する記録層にも書き込みが可能である。
しかしながら、高密度化にともない、記録されるトラック幅が減少し、また主磁極に用いられる磁性材料も飽和磁束密度の制限を受けてしまう等の理由から、励磁コイルによって主磁極に発生し得るヘッド磁界の大きさも制限されてくる。したがって、大きな発生磁界を得るために起磁力を大きくしても、磁性材料的な制約から書き込みに必要な磁界は変わらず、不要な(漏洩)磁束が大きくなるだけで、結果的に高密度化は困難である。とくに、磁気ディスク装置内において、磁気ヘッドは最大15〜20度のスキュー角で記録を行う場合があり、主磁極のリーディングエッジがはみ出すこと(書き拡がり)による隣接トラックのイレーズが問題となってくる。
図8は、垂直記録ヘッド主磁極における漏れ磁界の様子を示したもので、(a)は、主磁極が傾いた場合の磁界漏れ、(b)は、主磁極エッジからの磁界漏れをそれぞれ示している。図8では、主磁極101のトラック幅方向両側に磁性体を配置したサイドシールドの一般的な従来形態を示している。従来形態の場合、主磁極101のリーディングエッジからの磁束の大きさが強いため、狭トラック、かつ大きなスキュー角(θ)をもった場合に、情報を書き換えてしまう問題が生じ、記録の高密度化が難しくなる。
こうした書き拡がりを抑止することを目的とした技術が、いくつか提案されている。例えば、特許文献1では、図9の従来の垂直記録ヘッド主磁極先端部の概観図に示すように、トラック幅方向の磁界拡がりの抑制を目的とし、媒体対向面から見て(図9(b))、主磁極101のトレーリング側シールド103およびサイドシールド102を備え、そのリーディング側シールドとサイドシールドとが磁気的につながった垂直記録ヘッドが提案されている。
また、特許文献2でも、媒体対向面において、主磁極を取り囲むように周辺部にストライブ状の複数のシールドを備えた垂直記録ヘッドが提案されている。
しかしながら、いずれの場合においても、主磁極からの書き拡がりを抑えるために吸い取ることができたとしても、媒体対向面側にシールドの形状が露出しているため、形状効果等、磁区に起因するイレーズが生じる問題を抱えている。
特開2005−122887号公報
特開2007−52904号公報
上記問題を解決するため、本発明では、媒体対向面から後退させた位置に、主磁極リーディング側からトラック幅方向にわたって、主磁極からある一定の距離を離して配置させた磁性体を有する垂直記録ヘッドを提供する。
第一の発明は、主磁極と補助磁極で構成され、該主磁極にトレーリング側シールドを備えた垂直記録ヘッドにおいて、記憶媒体対向面から見て、前記主磁極のリーディング側からトラック幅方向にわたって、磁性体を主磁極からある一定の距離を離し、かつ当該磁性体の高さ位置を前記主磁極の媒体対向面より後退させて配置したことを特徴とする垂直記録ヘッドに関する。
すなわち、第一の発明によれば、記憶媒体対向面から見て、主磁極のリーディング側からトラック幅方向にわたって、磁性体を主磁極からある一定の距離を離し、かつ記憶媒体対向面から高さ位置を後退させて配置させた磁性体によって、主磁極の書き拡がろうとする余分な磁束のみを吸い取ることができ、吸い取った磁束を媒体側に吐き出した場合でも、媒体対向面から後退した位置に配置されていることから、磁束強度が距離の2乗に比例して弱められた磁束のみが媒体側にかかる程度であるため、シールド磁区に起因したイレーズを抑制することができる。
第二の発明は、前記記憶媒体対向面から後退させて配置する前記磁性体は、前記主磁極側面を囲うU字形状としたことを特徴とする上記第一の発明に記載の垂直記録ヘッドに関する。
すなわち、第二の発明によれば、記憶媒体対向面から後退させて配置させる磁性体の形状を、U字形状として主磁極を囲むことによって、隣接トラックへの漏れ磁界が最大限に抑制されるため、書込み時に、記録に有効な磁束のみを記憶媒体上に取り出すことができる。
第三の発明は、前記記憶媒体対向面から後退させて配置する前記磁性体は、前記トレーリング側シールドとの間に一定間隔の隙間を設けたことを特徴とする上記第一または第二の発明に記載の垂直記録ヘッドに関する。
すなわち、第三の発明によれば、記憶媒体対向面から後退させて配置させる磁性体とトレーリングシールドとの間に一定間隔の隙間を設けることによって、書き込み磁界の低下を最小限に抑え、主磁極先端部からの書き拡がろうとする余分な磁束のみを効率よく吸い取ることができる。
第四の発明は、前記記憶媒体対向面から後退させて配置する前記磁性体は、磁気的に浮かせた状態、もしくは前記主磁極のリーディング側の補助磁極に接続した状態としたことを特徴とする上記第一乃至第三の発明のいずれかに記載の垂直記録ヘッドに関する。
すなわち、第四の発明によれば、記憶媒体対向面から後退させて配置させる磁性体は、磁気的に浮かせた状態または主磁極のリーディング側の補助磁極に接続した状態とする構成をとることによって、漏れ磁界を抑制でき、効率的に記憶媒体への書込みを行うことができる。
第五の発明は、前記記憶媒体対向面から後退させて配置する前記磁性体は、軟磁性体から構成され、該軟磁性体は前記主磁極の飽和磁束密度と同等、もしくはそれ以下であることを特徴とする上記第一乃至第四の発明のいずれかに記載の垂直記録ヘッドに関する。
すなわち、第五の発明によれば、磁性体を軟磁性体で構成し、その飽和磁束密度を主磁極の飽和磁束密度と同等または以下とすることによって、主磁極から磁気媒体への磁束の流れが抵抗がなくスムーズとなり、損失の少ない磁気回路が形成される。
第六の発明は、前記主磁極のリーディング側及びトレーリング側の膜厚方向において、前記主磁極の形状を絞り構造としたことを特徴とする上記第一乃至第五の発明のいずれかに記載の垂直記録ヘッドに関する。
すなわち、第六の発明によれば、主磁極リーディング側からトラック幅方向にわたって、主磁極からある一定の距離を離し、かつ記憶媒体対向面から後退させて磁性体を配置させることで、主磁極のリーディングおよびトレーリングの両側から、主磁極を膜厚方向に絞ってくる構造をとることが可能であり、この主磁極の絞り構造によって、書込みに必要な磁界を大幅に向上させることができる。
以上、本発明により、以下の効果を生じる。
主磁極と補助磁極で構成される垂直記録ヘッドにおいて、記憶媒体対向面から見て、前記主磁極のリーディング側からトラック幅方向にわたって、磁性体を主磁極からある一定の距離を離し、かつ当該磁性体の高さ位置を主磁極の記憶媒体対向面より後退させて配置する構成とすることによって、書き込みに必要な磁界の低下を招くことなく、書込み時におけるトラック幅方向の書き拡がりを抑えることができる。
また、磁気ディスク装置に磁気ヘッドを組み込んだときのスキュー角を考慮した場合でも、主磁極リーディング側の磁性体により、リーディングエッジ部からの漏洩磁束を抑制できるため書き拡がりが抑えられる。
さらに、主磁極リーディング側から両サイドにわたる磁性体を、磁性体の高さ位置を前記主磁極の記憶媒体対向面より後退させて配置することで、書き込み磁界の低下を最小限に抑え、主磁極先端部からの書き拡がろうとする余分な磁束のみを効率よく吸い取ることができる。仮に、吸い取った磁束を記憶媒体側に吐き出す場合も考えられるが、記憶媒体対向面から後退した位置に磁性体が配置されていることから、磁界強度は距離の2乗に比例して弱くなり、かつ記憶媒体の記録ビットの磁化状態に対して無視できる程にまで弱められるため、シールド磁区に起因したイレーズを生じさせることはなくなる。
したがって、本発明のような形態をとることにより、書込み性能を低下させることなく、隣接トラックへのイレーズ問題を改善することができ、記録密度の大幅な向上が期待できる。さらに、主磁極リーディング側からトラック幅方向にわたって、主磁極からある一定の距離を離し、かつ記憶媒体対向面から後退させて磁性体を配置させることで、主磁極のリーディングおよびトレーリングの両側から、主磁極を膜厚方向に絞ってくる構造をとることも可能となり、書込みに必要な磁界を大幅に向上させることができ、より実用的な垂直記録ヘッドが提供できる。
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態になる垂直記録ヘッドを搭載した磁気ディスク装置の基本構成を示す。本実施例は、垂直記録ヘッドを適用する磁気ディスク装置の概略構成を示したもので、記憶媒体と磁気ヘッドとの関係を示している。
ロータリーアクチュエータ4に支持されたサスペンションアーム3の先端にスライダ2が固定され、また、図示していないが、サスペンションアーム3の先端部にはジンバルと呼ばれる支持具でスライダ2が固定されており、スライダ2の端部に設けられた磁気ヘッド素子1により、媒体回転方向Rに回転する記憶媒体5に情報が記録され再生される。なお、磁気ヘッド素子部1において、記録ヘッドには、主磁極トレーリング側にトレーリング側シールドが配置された垂直記録ヘッド、再生ヘッドには、磁気抵抗効果型素子(GMR)、またはトンネル磁気抵抗効果型素子(TMR)が用いられる。
ロータリーアクチュエータ4の回転によって、磁気ヘッド素子1を記憶媒体5上の異なる半径位置へと移動させ、磁気ヘッド素子1の位置決めが可能となる。このとき、記憶媒体5上には同心円状の記録トラック6が形成される。このトラック幅方向の記録密度は、同心円状の記録トラック6がある一定の狭い間隔で複数形成することで決まる。
図2は、垂直記録における磁気ヘッドの記録ヘッド/記憶媒体間の磁束の流れを表す模式図を示す。
主磁極11、補助磁極12、磁心13、およびコイル16からなる記録ヘッドと、記録層14と軟磁性体の裏打ち層15からなる記憶媒体とが相対して配置されている。
記録ヘッドのコイル16に電流を流して励磁すると、主磁極11先端と軟磁性裏打ち層15の間に垂直方向の磁界が発生し、これにより記憶媒体の記録層14に記録ビットが記録される。
図中Fは磁束の流れを示しており、軟磁性の裏打ち層15に流れ込んだ磁束は、補助磁極13へと戻り、1つの磁気回路を形成する。その際、記憶媒体に対向する面の主磁極11の形状によって記録される磁化状態が決まる。とくに、記憶媒体の媒体走行方向に対する下流側、すなわち、主磁極11のトレーリングエッジにおける大きな磁界によって記録が行われる。
図3は、本発明の実施の形態になる記録再生一体型ヘッド全体の概略図を示す。本例では、記録をつかさどる垂直記録ヘッドの全体構成を示している。(a)は、記憶媒体側の記憶媒体対向面から見た記録再生一体型ヘッドの平面図を示し、また、(b)は、(a)におけるA−A’断面を示している。なお、磁気ヘッド素子1は、再生ヘッドと記録ヘッドとが一体化された構成となっており、また、記憶媒体対向面は、記憶媒体の記録層14に対向して形成される。
再生ヘッドは、磁気ヘッド素子1のリーディング側に設けられ、再生素子21、および一対の磁気シールド22、23を備えている。再生素子15には、記憶媒体にかけられる磁界に応じて電気抵抗が変化する性質を有する磁気抵抗効果型素子(GMR)またはトンネル磁気抵抗効果型素子(TMR)が適用され、記憶媒体上の記録ビットを電気信号に変換して情報を読み出す構成となっている。
他方、記録ヘッドは、磁気ヘッド素子1のトレーリング側に設けられ、主磁極11、補助磁極12、17、コイル16、主磁極のトレーリング側シールド18、およびリーディング側シールドとしての磁性体19を備えている。
主磁極11は、図3(a)に示すように、記憶媒体対向面に対し垂直に形成されている。この主磁極11は、(b)に示すように、リーディング側から見て、記憶媒体対向面に向かって幅が狭まるテーパ状の絞り構造を有している。このように、主磁極11をテーパ構造とする理由は以下の通りである。
記憶媒体の半径方向の位置にしたがって、磁気ヘッド素子1と記録トラック6とのなす角度、すなわち、スキュー角(θ)が、さまざまな角度に変化(最大±15°〜20°の範囲で変化)するため、隣接の記録トラック6に大きな磁界が印加されて隣接トラックの磁区をイレーズしてしまう(図8参照)。
こうしたスキュー角の影響を防止するため、記録ヘッドの先端部における記憶媒体対向面に突き出す形状は、リーディング側の辺がトレーリング側の辺よりも小さな台形形状とし、記録ヘッドの主磁極11は、リーディング側を下向きに見たときに、逆台形をなすように形成している。
図4は、本発明の実施の形態になる垂直記録ヘッドの構成例を示す。図4(a)は、垂直記録の断面図、(b)は、記憶媒体対向面から見た平面図、および(c)は、(b)のB−B’断面図を示している。
図4(b)に示すように、垂直記録ヘッドは、主磁極11、および主磁極トレーリング側にトレーリング側シールド18を備え、磁性体19を主磁極リーディング側からトラック幅方向にわたって、主磁極11から一定間隔離し、かつ磁性体の高さ位置を前記主磁極の記憶媒体対向面より後退させて配置し、さらにトレーリング側シールド18と分離させたことを特徴としている。
主磁極リーディング側の両サイドに、磁性体19をトラックピッチに応じ、主磁極11と一定間隔を離して配置することによって、書き込みに必要な磁界の低下を招くことなく、トラック幅方向の書き拡がりを抑えることが可能となる。本発明の主磁極リーディング側の磁性体19が、リーディングエッジ部からの漏洩磁場を抑制するため、本垂直記録ヘッドを磁気ディスクへ組込む際のスキュー角に起因した磁束の漏れ対策にもなる。
図9に示すような、主磁極トラック幅方向両側に磁性体を配置したサイドシールドタイプの従来形態の場合、図7に示すように、主磁極リーディングエッジからの磁場の大きさが強いため、狭いトラックで、かつ大きなスキュー角度をもった場合に、情報を書き換えてしまう問題が、本発明の磁性体19の後退配置によって解決される。
つまり、主磁極リーディング側から両サイドにわたってある間隔をあけて配置する磁性体19を、さらにその磁性体19の高さ位置を主磁極11の記憶媒体対向面よりわずかに後退させて配置する構造をとることで、書き込み磁界の低下を最小限に抑え、主磁極先端部からの書き拡がろうとする余分な磁束のみを効率よく吸い取ることができる。
吸い取った磁束を記憶媒体側に吐き出す場合も考えられるが、記憶媒体対向面から後退した位置に磁性体19が配置されていることから、磁場強度が距離の2 乗に比例して弱められた磁場が媒体側にかかる程度となり、シールド磁区が起因のイレーズを生じさせないメリットがでてくる。
また、本発明のような形態をとることにより、書込み性能を低下させることなく、隣接トラックへのイレーズ問題が改善することができるため、記録密度の大幅な向上が期待できる。さらに、磁性体19を、主磁極リーディング側からトラック幅方向にわたって、主磁極11からある一定の距離を離し、かつ記憶媒体対向面から後退させて磁性体を配置させると、主磁極11のリーディングおよびトレーリングの両側から、主磁極を膜厚方向に絞る構造をとることが可能となり、書込みに必要な磁界を大幅に向上させることができる。
図5は、本発明の実施の形態になる磁性体シールドの配置及び形状例を示す。図5は、記憶媒体対向面側から見た平面図であり、逆台形形状の主磁極11、U字形状の磁性体19、およびトレーリング側シールド18における、漏れ磁束の影響を少なくするのに好適な位置関係を示している。
ここで、磁性体19のU字形状側面上部と主磁極19の逆台形形状の長辺エッジとの間隔をa、磁性体19のU字形状側面部と主磁極19の逆台形形状の短辺エッジとの間隔をb、および磁性体19のU字形状上面とトレーリング側シールド18の下部との間隔をdとしている。
(A)は、主磁極とU字側面との間隔が一定となるa=bの場合、(B)は、U字側面上部において間隔が広がるa>bの場合、および(C)は、トレーリング側シールドとの間隔が、d’分だけ主磁極を浮き上がらせたd−d’とした場合を示している。
図6は、本発明の実施の形態になる主磁極の絞り構造例を示す。本例は、図4(c)と同様の断面を示しており、主磁極11のリーディングおよびトレーリングの両側から、主磁極11を膜厚方向に絞ることによる、磁界を有効に記憶媒体に加える好適な構造例を示している。
図7は、リーディング側サイドに配置した磁性体の記憶媒体対向面からの距離をパラメータとしたシミュレーション結果を示す。
図7には、本発明の効果を確認するため、主磁極11、および該主磁極トレーリング側にトレーリング側シールド18を備えた垂直記録ヘッドにおいて、記憶媒体対向面からみて、主磁極リーディング側からトラック幅方向にわたって、トラックピッチに応じて主磁極11とある一定の距離を離して配置した磁性体19を、記憶媒体対向面からの後退させる距離をパラメータにシミュレーションした結果を示している。
横軸は、主磁極リーディング側からトラック幅方向にわたって配置した磁性体19の記憶記憶媒体対向面からの距離を示し、縦軸は、磁界分布の鋭さの指標として、シミュレーションで見積られる記録磁界と隣接イレーズ磁界の比率として示している。また、図中のMMF(Magnetomotive Force :起磁力)=0.2AT(アンペア・ターン)は、コイルの印加条件を示している。
図7は、主磁極リーディング側からトラック幅方向にわたって配置した磁性体19を、記憶媒体対向面から約40nm後退させたときに、磁界分布が改善される記録磁界と隣接イレーズ磁界の比率が最小となる最適値があることを示している。
このことは、記憶媒体側に書き込むために、主磁極先端部を物理的に最も小さくしている部分から噴き出している漏洩磁束だけを効率良く吸い取ることができれば、書込みに必要な磁界の低下を招かずに、隣接トラックに漏れてくる磁束のみの制御が可能なことを意味している。さらに、主磁極リーディング側からトラック幅方向にわたって、主磁極11からある一定の距離を離し、かつ記憶媒体対向面から後退させて磁性体19を配置させた本発明の形態では、主磁極11のリーディングおよびトレーリングの両側から、主磁極を膜厚方向に絞ってくる構造をとることも可能となり、書込みに必要な磁界も絞りを入れない構造に比べ、30%以上も向上させることができる。
以上、これまで述べてきた実施形態は一例であり、本発明はこれらの実施例により限定されものではない。
1 磁気ヘッド素子
2 スライダ
3 サスペンションアーム
4 ロータリーアクチュエータ
5 記憶媒体
6 記録トラック
7 スピンドルモータ
11 主磁極
12、17 補助磁極
13 磁心
14 記録層
15 軟磁性裏打ち層
16 コイル
18 トレーリング側シールド
19 磁性体
21 再生素子
22、23 磁気シールド
F 磁束の流れ
R 媒体回転方向
2 スライダ
3 サスペンションアーム
4 ロータリーアクチュエータ
5 記憶媒体
6 記録トラック
7 スピンドルモータ
11 主磁極
12、17 補助磁極
13 磁心
14 記録層
15 軟磁性裏打ち層
16 コイル
18 トレーリング側シールド
19 磁性体
21 再生素子
22、23 磁気シールド
F 磁束の流れ
R 媒体回転方向
Claims (6)
- 主磁極と補助磁極で構成され、該主磁極にトレーリング側シールドを備えた垂直記録ヘッドにおいて、
記憶媒体対向面から見て、前記主磁極のリーディング側からトラック幅方向にわたって、磁性体を主磁極からある一定の距離を離し、かつ当該磁性体の高さ位置を前記主磁極の媒体対向面より後退させて配置したことを特徴とする垂直記録ヘッド。 - 前記記憶媒体対向面から後退させて配置する前記磁性体は、前記主磁極側面を囲うU字形状としたことを特徴とする請求項1に記載の垂直記録ヘッド。
- 前記記憶媒体対向面から後退させて配置する前記磁性体は、前記トレーリング側シールドとの間に一定間隔の隙間を設けて配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の垂直記録ヘッド。
- 前記記憶媒体対向面から後退させて配置する前記磁性体は、磁気的に浮かせた状態、もしくは前記主磁極のリーディング側の補助磁極に接続した状態としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の垂直記録ヘッド。
- 前記記憶媒体対向面から後退させて配置する前記磁性体は、軟磁性体から構成され、該軟磁性体は前記主磁極の飽和磁束密度と同等、もしくはそれ以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の垂直記録ヘッド。
- 前記主磁極のリーディング側及びトレーリング側の膜厚方向において、前記主磁極の形状を絞り構造としたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の垂直記録ヘッド。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007328149A JP2009151861A (ja) | 2007-12-20 | 2007-12-20 | 垂直記録ヘッド |
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JP2007328149A JP2009151861A (ja) | 2007-12-20 | 2007-12-20 | 垂直記録ヘッド |
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---|---|
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8830623B2 (en) | 2011-12-19 | 2014-09-09 | HGST Netherlands B.V. | Shield structure for reducing the magnetic induction rate of the trailing shield and systems thereof |
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2007
- 2007-12-20 JP JP2007328149A patent/JP2009151861A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20110301 |