JP2005164461A - 携帯用機器の外装部品、携帯用機器の組立方法、および、携帯用機器 - Google Patents
携帯用機器の外装部品、携帯用機器の組立方法、および、携帯用機器 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】時計1の外装部品3は、被押圧部315を挟んで風防ガラス40の反対側に、飾り縁60が配置され、風防ガラス40を被押圧部315に圧入固定することで、被押圧部315と飾り縁60とが締まりばめとなるので、ケース30の変形が防止され、防水性を確保できる。一方、飾り縁60の反対側からねじ323が挿通され、飾り縁60が設けられている側にはねじ323の頭部が露出しないので、外観デザインが制限されない。
【選択図】図2
Description
この飾り縁は、携帯用機器が落下した際にもケースから脱落しないように、例えば、ケース上に配置されて、飾り縁の表面からねじ止め等によってケースに固定されている(例えば、下記特許文献1参照)。
また、飾り縁をケースに固定する場合は、固定用ねじの挿入孔がケースの剛性に影響しないように、一定の肉厚を確保した部分やインサートされた金属製リングと干渉しない部分に挿入孔を設ける必要があった。
さらに、この飾り縁については、上記のように固定位置が限定されてしまうばかりか、ねじの頭部がケースの表面に露出し、外観デザイン上好ましくない。
また、弾性体としては、熱可塑性合成樹脂や合成ゴム製のパッキン等を採用できる。さらに、透明部材の材質としては無機ガラスや、アクリル等の合成樹脂を採用でき、透明部材の形状については、円形、楕円形、矩形、多角形、トノー形等、各種の形状を採用できる。
この発明によれば、ケース材料に合成樹脂を採用して、低コスト化や軽量化を図ることができるとともに、当該合成樹脂の剛性が低いためにケースが変形しやすい場合にも、剛性が高い金属製とされた環状部材によってケースの外側への変形が確実に規制されるため、防水性をより確実に保持できる。
この発明によれば、ケースに対する環状部材の周方向への移動が移動規制手段によって規制されるので、環状部材の内周部を被押圧部に対向配置する際に、環状部材の位置決めが可能となり、ケースの適切な位置に環状部材を確実に固定できる。
この発明によれば、上記のような凹部と凸部とをケースおよび環状部材のいずれかにそれぞれ形成し、これらの凹部と凸部とを係合させるだけで、環状部材の移動が規制され、環状部材のケースに対する位置決めを容易に行える。
この発明によれば、固定手段によって環状部材がケースに一層強固に固定されるので、落下等の際にも環状部材が脱落せず、耐衝撃性に優れる。
この発明によれば、胴部が蓋部材と環状部材とで挟まれる構造となるので、同一の固定手段で蓋部材、胴部、および環状部材を互いに固定可能となり、組立性を向上させることができる。
この発明によれば、ケースを介してねじを環状部材に螺合させるだけで、環状部材をケースに容易に固定できる。
また、風防ガラスをケースの開口周縁に配置してから、環状部材を被押圧部の外周側にはめ込んで組込み可能となる。よって、風防ガラスの配置、および、環状部材の組込み、これらのいずれを先に行っても、風防ガラスはケースの開口周縁に対して略同様の圧入状態となるから、組立の自由度を向上させることもできる。
なお、環状部材を固定手段によって固定すれば、環状部材をケースに一層確実に固定できる。
一方、環状部材とケースとを締まりばめとすることにより、従来、外観デザインを制限していたねじ等の固定部材を使用しなくても環状部材をケースに固定可能となるので、製造効率とともに外観デザイン性を向上させることができる。
なお、環状部材と被押圧部との係合時、その係合状態を判別することにより、ケースの形状や寸法のばらつきや、長期使用によるケースのクリープ変形の度合を確認できる。
この発明によれば、前述したように、固定手段によって環状部材がケースに強固に固定されるので、環状部材の脱落が防止され、耐衝撃性に優れる。また、同一の固定手段で蓋部材、胴部、および環状部材を互いに固定可能となり、組立性を向上させることができる。
さらに、より好ましくは、ねじを固定手段とすれば、環状部材を容易に固定できる。この場合、ねじの頭部が環状部材が設けられている側には露出しないので、外観デザイン性を向上させることができる。
この発明によれば、従来は単なる装飾用の部材であった環状部材を利用することにより、携帯用機器の外装部品が前述のような作用および効果を具備するため、同様の作用および効果を享受できるとともに、当該携帯用機器の所定の防水性能を実現して製品の信頼性にも寄与できる。
ここで、ダイビングコンピュータは、水圧や、潜水時間等を計測する計測手段を駆動する駆動装置と、計測された情報の表示部などを有して構成できる。
この発明によれば、上述の携帯用機器と同様の作用および効果を奏することができる。
以下、本発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1および図2には、本実施形態に係る携帯用機器としての時計1が示されている。また、図3には、時計1のケース30の胴部31が示されており、図4には、環状部材としての飾り縁60が示されている。
時計1は、駆動装置であるムーブメント10と、このムーブメント10を収容する外装部品3と、この外装部品3に時計1の12時側および6時側で取り付けられたバンド100とを備えた腕時計(ウォッチ)である。この時計1は、クォーツ時計、機械式時計、電子制御式機械時計のいずれでもよく、アナログクォーツ時計の場合、ムーブメント10は、ステッピングモータ、輪列、文字板、および秒針、分針、時針からなる指針等を備えている。デジタルクォーツ時計の場合、ムーブメント10は、液晶パネル表示部、回路実装部等を備えている。
外装部品3は、図1および図2にも示されるように、ムーブメント10を収容し、ケース30と、このケース30の一方の開口端311を塞ぐように当該開口端311内周に圧入状態で固定される透明部材としての風防ガラス40と、ケース30および風防ガラス40の間に介装される弾性体としてのパッキン50と、ケース30の開口端311外周に設けられる飾り縁60とを備えている。
ここで、風防ガラス40は、無機ガラス製であり、円板状に形成されている。また、パッキン50はポリエステル系や、フッ素樹脂などの熱可塑性合成樹脂によりリング状に形成され、風防ガラス40と被押圧部315との間に介装されている。
この際、被押圧部315の外周側の側面は、飾り縁60の内周部と対向し、かつ飾り縁60の厚さ方向(図2中上下方向)と略平行に延びる対向面315Aとされている。
そして、風防ガラス40を被押圧部315に圧入した際に、飾り縁60と被押圧部315とが締まりばめの状態となり、飾り縁60を設けない場合と比べて、ケース30の変形量が抑制される。
まず、開口端311側が上方側となる状態で胴部31を保持し、被押圧部315の外周側に飾り縁60を胴部31の開口面と交差する方向から組込んで、被押圧部315と飾り縁60とを互いの対向面315A,611が対向するように係合(滑合)配置する。
次に、段差部313に見切板314を載置し、風防ガラス40をパッキン50を介して被押圧部315に圧入固定する。
この際、胴部31開口の径方向外側への押圧力が被押圧部315に作用し、被押圧部315が外側に反る方向に胴部31に負荷が掛かるが、被押圧部315が飾り縁60に外側から支持されるため、被押圧部315の変位がガラス飾り縁60によって規制され、被押圧部315を含んだ胴部31の変形が防止される。この状態では、パッキン50の胴部31と風防ガラス40との密着が良好に維持されるうえ、被押圧部315と飾り縁60とが強固に固定される。したがって、ケース30では、安定した防水性を確保できる。
最後に、胴部31にパッキン321を介して裏蓋32を配置し、ねじ323を裏蓋32の孔322から挿入して、係合部61の穴612に螺合する。以上により、ケース30内部が密閉されて、外装部品3の組立が完了する。
(1-1)時計1において、風防ガラス40がない状態では、飾り縁60が被押圧部315に対して容易に係合(滑合)配置され、風防ガラス40を被押圧部315に圧入固定することで、被押圧部315が飾り縁60で締まりばめの状態となるため、被押圧部315が飾り縁60によって押さえ込まれて、ケース30の変形を防止できる。これにより、パッキン50が風防ガラス40とケース30とに良好に密着し、気密性・水密性をより確実に保持できる。したがって、部材を厚肉とするなど大型化したり、補強用の金属製リングをインサート成形したりすることによってケース30の剛性を向上させなくても、ケース30の変形が防止され、時計1の防水性を確保できる。
なお、飾り縁60と被押圧部315との係合時に、被押圧部315に対して飾り縁60が緩い/きついの様に、これらの係合状態が判別できるから、胴部31の形状や寸法のばらつきや、長期使用による胴部31のクリープ変形の度合を確認できる。
さらに、このような時計1は、長期間(例えば、数年)使用されることにより、風防ガラス40による押圧力がパッキン50を介して被押圧部315に継続的に作用し、従来は、胴部31がクリープ変形するおそれがあったが、前述のように、胴部31の被押圧部315が外側に反らないため、クリープ変形も防止でき、ケース30の気密性・水密性を維持して防水性能を長期的にも確保できる。
また、これら凸部317および凹部62は射出成形等によって、飾り縁60の回転規制手段として容易に形成できる。さらに、操作ボタン11Aや各種センサ等(図示省略)の位置および外周形状に応じて凸部317が形成されていることにより、スペースに無駄が生じず、時計1全体の小型化を図ることができる。
そして、飾り縁60の反対側からねじ323が挿通され、飾り縁60が設けられている側にはねじ323の頭部が露出しないので、飾り縁60、ひいては時計1全体の外観デザインが制限されず、外観意匠性を向上させることができる。
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、説明を省略もしくは簡略化する。
第一実施形態では、胴部31および飾り縁60の対向面315A、611は飾り縁60の厚さ方向と略平行に延びていたが、第二実施形態では、これらの対向面は傾斜面とされている点などが相違する。以下、具体的に説明する。
ケース80は、胴部81および裏蓋32を有している。ここで、胴部81の被押圧部815は、飾り縁90の表面側から裏面側に向かって次第に厚肉となるように形成されている。したがって、対向面815Aは、被押圧部815の外周側に飾り縁90を胴部81の開口面と交差する方向から組込んだ際の組込み方向Sに対して傾斜する傾斜面であり、組込み方向S先端側に向かうにしたがって当該開口面の面内方向内側から外側に位置するように傾斜している。すなわち、対向面815Aは、飾り縁90の表面側から裏面側に向かうにしたがって次第に飾り縁90の径方向内側から径方向外側に傾斜するように構成されている。また、凹部816の対向面815Aが位置する側とは反対側の縁部には、対向面815Aに向かって突出する突起816Aが、当該凹部816の縁部に沿って環状に形成されている。
そして、最後に、ねじ323を孔322、318に挿通し、飾り縁90の穴612の奥部に向かって螺合させていくと、対向面815A,911が互いにスライドし、被押圧部815と係合部90とが一層確実に係合される。
なお、上記のように、飾り縁90が被押圧部815に対して拡径しているので、風防ガラス40を開口端311にパッキン50を介して配置してから、飾り縁90を被押圧部815の外周にはめ込んでも、飾り縁90を被押圧部815に組込みできる。
(2-1)対向面815A,911が上記のように傾斜しており、被押圧部815の外周側に飾り縁90を組込む際に、飾り縁90が被押圧部815に対して拡径しているので、飾り縁90を被押圧部815の外周側に係合し易く、組立性に優れる。
ここで、対向面815A,911の傾斜により、上述したように、風防ガラス40を開口端311に配置してから、飾り縁90を被押圧部815の外周にはめ込んで組込み可能となる。つまり、風防ガラス40の配置、および、飾り縁90の組込み、これらのいずれを先に行っても、風防ガラス40は略同様の圧入状態となるから、時計1の組立の自由度にも優れる。
例えば、本発明でのケースや飾り縁、透明部材等の形状、材質等は、前記各実施形態に限定されない。
前記各実施形態では、ケース30は、別体とされた胴部31および裏蓋32から構成されていたが、胴部および蓋部材が一体化されたワンピース型のケースを採用してもよい。この場合、時計を組み立てる際は、ムーブメントをケース内に組み込んでから、透明部材をケース開口に圧入状態で固定することになる。
さらに、環状部材は、飾り縁のように装飾を目的とするものでなくてもよく、この環状部材を覆うように、回転ベゼルを設けてもよい。この際、回転ベゼルをセットするための溝を、環状部材の周に沿って刻設できる。
また、前記実施形態における突起816A,912は形成されていなくてもよい。この場合、対向面815A,911が傾斜していることにより、型を用いて胴部81および飾り縁90を成形する際に型抜きが容易となる。
また、駆動装置を備えていない携帯用機器に本発明の外装部品を採用しても構わない。
Claims (12)
- 一方に開口を有するケースと、
このケースの開口を塞ぐように当該開口内に弾性体を介して圧入状態で固定される透明部材と、
この透明部材の周囲を囲んで前記ケースに固定される環状部材とを備えた携帯用機器の外装部品であって、
前記ケースの開口の周囲には、前記弾性体を介して前記透明部材によって押圧される被押圧部が設けられ、
この被押圧部を挟んで前記透明部材の反対側に、前記環状部材の内周部が配置され、
前記透明部材は前記被押圧部に圧入状態で固定されているとともに、当該被押圧部と前記環状部材の内周部とが締まりばめになっていることを特徴とする携帯用機器の外装部品。 - 請求項1に記載の携帯用機器の外装部品において、
前記ケースは、合成樹脂製であり、前記環状部材は、金属製であることを特徴とする携帯用機器の外装部品。 - 請求項1または請求項2に記載の携帯用機器の外装部品において、
前記ケースに対して、前記環状部材が周方向に移動するのを規制する移動規制手段を備えることを特徴とする携帯用機器の外装部品。 - 請求項3に記載の携帯用機器の外装部品において、
前記移動規制手段は、前記ケースおよび前記環状部材のいずれか一方から他方に向かって突出する凸部と、他方に設けられて前記凸部と係合可能な凹部とで構成されることを特徴とする携帯用機器の外装部品。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の携帯用機器の外装部品において、
前記環状部材を前記ケースに固定する固定手段を備えることを特徴とする携帯用機器の外装部品。 - 請求項5に記載の携帯用機器の外装部品において、
前記ケースは、略筒状の胴部と、この胴部の前記開口とは反対側を覆う蓋部材とを有して構成され、
前記固定手段は、前記蓋部材の外側から当該蓋部材、前記胴部、および前記環状部材を互いに固定することを特徴とする携帯用機器の外装部品。 - 請求項5または請求項6に記載の携帯用機器の外装部品において、
前記固定手段は、前記ケースを貫通して前記環状部材に螺合するねじであることを特徴とする携帯用機器の外装部品。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の携帯用機器の外装部品において、
前記被押圧部と前記環状部材とは、前記被押圧部の外周側に前記環状部材を前記開口の開口面と交差する方向から組込んだ際の組込み方向に対して傾斜する傾斜面で互いに対向配置され、この傾斜面は、当該組込み方向先端側に向かうにしたがって前記開口面の面内方向内側から外側に位置するように傾斜していることを特徴とする携帯用機器の外装部品。 - 一方に開口を有するケースと、このケースの開口を塞ぐように当該開口内に弾性体を介して圧入状態で固定される透明部材と、この透明部材の周囲を囲んで前記ケースに固定される環状部材とを備え、前記ケースの開口の周囲に弾性体を介して前記透明部材によって押圧される被押圧部が設けられた携帯用機器の組立方法であって、
前記被押圧部を挟んで前記透明部材の反対側に、前記環状部材の内周部を配置し、
前記透明部材を前記被押圧部に圧入状態で固定するとともに、当該被押圧部と前記環状部材の内周部とを締まりばめとして互いに保持させることを特徴とする携帯用機器の組立方法。 - 請求項9に記載の携帯用機器の組立方法において、
前記ケースを、略筒状の胴部と、この胴部の開口とは反対側の一端を覆う蓋部材とで構成し、
前記蓋部材の外側から当該蓋部材、前記胴部、および前記環状部材を互いに固定することを特徴とする携帯用機器の組立方法。 - 請求項1から請求項8のいずれかに記載の携帯用機器の外装部品を備えることを特徴とする携帯用機器。
- 請求項11に記載の携帯用機器において、
時計またはダイビングコンピュータであることを特徴とする携帯用機器。
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