JP2005163600A - 蒸発燃料処理装置の漏れ診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 外気温センサを設けることなく、外気温が蒸発燃料処理装置の漏れ診断に適した温度範囲にあることを判定し、正確な漏れ診断を行うことができる蒸発燃料処理装置の漏れ診断装置を提供する。
【解決手段】 車両走行中において、吸気温センサにより検出される吸気温TAの低下量ΔTAに応じて、外気温が所定範囲内にあるという外気温条件が成立するか否かを判定する。エンジン始動時吸気温TAINI及び車速VPに応じて、基準となる温度低下量が設定されたΔTA1テーブルまたはΔTA2テーブルが選択される。吸気温TAに応じて温度低下量ΔTA1またはΔTA2が算出され、吸気温低下量ΔTAと温度低下量ΔTA1またはΔTA2との関係から、外気温条件が判定される(S104,S105,S109,S111,S112)。
【選択図】 図3

Description

本発明は、燃料タンク内で発生する蒸発燃料を一時的に貯蔵し、貯蔵した蒸発燃料を内燃機関に供給する蒸発燃料処理装置の漏れを診断する漏れ診断装置に関し、特に内燃機関の停止後に漏れ診断を実行するものに関する。
内燃機関の停止後に蒸発燃料処理装置の漏れの有無を診断する漏れ診断装置は、例えば特許文献1に示されている。この装置によれば、機関停止後に蒸発燃料処理装置を閉じた状態(大気に連通していない状態)として、所定期間中の燃料タンク内圧の変化に基づいて漏れの有無が判定される。また、燃料タンク内の気層温度及び外気温がセンサにより検出され、気層温度と外気温との差が所定閾値以下であるときは、漏れの有無の判定が禁止される。
特開2003−113743号公報
機関停止後の燃料タンク内圧力は、蒸発燃料処理装置の漏れの有無だけでなく、外気温の影響によっても変化する。したがって、漏れ診断を正確に行うためには、外気温が低すぎたり高すぎたりしないことを確認した上で漏れ診断を実行することが望ましい。その場合、特許文献1に示される装置ように、外気温センサにより外気温を検出することもできるが、コストアップの要因となる。内燃機関にはその吸気温度を検出する吸気温度センサが設けられることが多いので、吸気温度センサによる検出温度から外気温を推定し、蒸発燃料処理装置の漏れ診断に適した温度範囲内にあることが確認できることが望ましい。
本発明は、この点に着目してなされたものであり、外気温センサを設けることなく、外気温が蒸発燃料処理装置の漏れ診断に適した温度範囲にあることを判定し、正確な漏れ診断を行うことができる蒸発燃料処理装置の漏れ診断装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、内燃機関(1)の燃料を供給する燃料タンク(9)内で発生する蒸発燃料を一時的に貯蔵し、該貯蔵した蒸発燃料を前記機関(1)に供給する蒸発燃料処理装置(40)の漏れの有無を判定する判定手段を備える、蒸発燃料処理装置の漏れ診断装置において、前記機関(1)に吸入される空気の温度である吸気温度(TA)を検出する吸気温度検出手段(14)と、前記機関の運転中に検出される前記吸気温度(TA)の変化速度(ΔTA)に応じて、外気温が所定範囲内にあるか否かを判定する外気温判定手段と、前記外気温が前記所定範囲内にあるとき、前記判定手段による判定を許可する判定許可手段とを備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、機関の運転中に検出される吸気温度の変化速度に応じて、外気温が所定範囲内にあるか否かが判定され、外気温が前記所定範囲内にあるとき、漏れの有無の判定が許可される。外気温が高いほど、機関運転中の吸気温度の変化速度は低くなる傾向があることが確認されており、吸気温度変化速度に応じて外気温が所定範囲内にあるか否かを、迅速に判定することできる。その結果、外気温センサを設けることなく、外気温条件を判定し、蒸発燃料処理装置の漏れ診断の実行頻度を高めることができる。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る蒸発燃料処理装置及び内燃機関の制御装置の構成を示す図である。同図において、1は例えば4気筒を有する内燃機関(以下単に「エンジン」という)であり、エンジン1の吸気管2の途中にはスロットル弁3が配されている。また、スロットル弁3にはスロットル弁開度(THA)センサ4が連結されており、当該スロットル弁3の開度に応じた電気信号を出力して電子制御ユニット(以下「ECU」という)5に供給する。
燃料噴射弁6は、吸気管2の途中であってエンジン1とスロットル弁3との間の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられている。また、各燃料噴射弁6は燃料供給管7を介して燃料タンク9に接続されており、燃料供給管7の途中には燃料ポンプ8が設けられている。燃料タンク9は給油のための給油口10を有しており、給油口10にはフィラーキャップ11が取付けられている。
燃料噴射弁6はECU5に電気的に接続され、該ECU5からの信号によりその開弁時間が制御される。吸気管2のスロットル弁3の下流側には吸気管内絶対圧PBAを検出する吸気管内絶対圧(PBA)センサ13、及び吸気温TAを検出する吸気温(TA)センサ14が装着されている。
エンジン1の図示しないカム軸周囲又はクランク軸周囲にはエンジン回転数を検出するエンジン回転数(NE)センサ17が取付けられている。エンジン回転数センサ17はエンジン1のクランク軸の180度回転毎に所定のクランク角度位置でパルス(TDC信号パルス)を出力する。エンジン1の冷却水温TWを検出するエンジン水温センサ18及びエンジン1の排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ(以下「LAFセンサ」という)19が設けれられており、これらのセンサ13〜19の検出信号はECU5に供給される。LAFセンサ19は、排気中の酸素濃度(エンジン1に供給される混合気の空燃比)にほぼ比例する信号を出力する広域空燃比センサとして機能するものである。
ECU5にはさらに、イグニッションスイッチ42、及びエンジン1により駆動される車両の走行速度(車速)VPを検出する車速センサ43が接続されており、イグニッションスイッチ42の切替信号及び車速センサ43の検出信号がECU5に供給される。
燃料タンク9は、チャージ通路31を介してキャニスタ33に接続され、キャニスタ33は、吸気管2のスロットル弁3の下流側にパージ通路32を介して接続されている。
チャージ通路31には、二方向弁35が設けられている。二方向弁35は、燃料タンク9内の圧力が大気圧より第1所定圧(例えば2.7kPa(20mmHg))以上高いとき開弁する正圧弁と、燃料タンク9内の圧力がキャニスタ33内の圧力より第2所定圧以上低いとき開弁する負圧弁とからなる。
二方向弁35をバイパスするバイパス通路31aが設けられており、バイパス通路31aには、バイバス弁(開閉弁)36が設けられている。バイパス弁36は、通常は閉弁状態とされ、後述する漏れ診断実行中開閉される電磁弁であり、その動作はECU5により制御される。
チャージ通路31には、二方向弁35と燃料タンク9との間に圧力センサ15が設けられており、その検出信号はECU5に供給される。圧力センサ15の出力PTANKは、キャニスタ33及び燃料タンク9内の圧力が安定している定常状態では、燃料タンク内の圧力に等しくなるが、キャニスタ33または燃料タンク9内の圧力が変化しているとき、実際のタンク内圧とは異なる圧力を示す。以下の説明では、圧力センサ15の出力を「タンク内圧PTANK」という。
キャニスタ33は、燃料タンク9内の蒸発燃料を吸着するための活性炭を内蔵する。キャニスタ33には、空気通路37が接続されており、キャニスタ33は空気通路37を介して大気に連通可能となっている。
空気通路37の途中にはベントシャット弁(開閉弁)38が設けられている。ベントシャット弁38は、ECU5によりその作動が制御される電磁弁であり、給油時またはパージ実行中に開弁される。またベントシャット弁38は、後述する漏れ診断実行時に開閉される。ベントシャット弁38は、駆動信号が供給されないときは、開弁する常開型の電磁弁である。
パージ通路32のキャニスタ33と吸気管2との間には、パージ制御弁34が設けられている。パージ制御弁34は、その制御信号のオン−オフデューティ比(制御弁の開度)を変更することにより流量を連続的に制御することができるように構成された電磁弁であり、その作動はECU5により制御される。
燃料タンク9には、燃料タンク9内の燃料量を検出する燃料レベルセンサ(燃料レベル検出器)39が設けられている。燃料レベルセンサ39の検出信号は、ECU5に供給される。
燃料タンク9、チャージ通路31、バイパス通路31a、キャニスタ33、パージ通路32、二方向弁35、バイパス弁36、パージ制御弁34、空気通路37、及びベントシャット弁38により、蒸発燃料処理装置40が構成される。
本実施形態では、イグニッションスイッチ42がオフされても、後述する漏れ診断を実行する期間中は、ECU5、バイパス弁36及びベントシャット弁38には電源が供給される。なおパージ制御弁34は、イグニッションスイッチ42がオフされると、電源が供給されなくなり、閉弁状態を維持する。
燃料タンク9の給油時に蒸発燃料が大量に発生すると、キャニスタ33に蒸発燃料が貯蔵される。エンジン1の所定運転状態において、パージ制御弁34のデューティ制御が行われ、適量の蒸発燃料がキャニスタ33から吸気管2に供給される。
ECU5は、入力回路、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)、記憶回路、及び出力回路を備えている。入力回路は、各種センサ等からの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する。記憶回路は、前記CPUで実行される演算プログラム及び演算結果等を記憶する。出力回路は、燃料噴射弁6、パージ制御弁34、バイパス弁36及びベントシャット弁38に駆動信号を供給する。
ECU5のCPUは、エンジン回転数センサ17、吸気管内絶対圧センサ13、エンジン水温センサ18などの各種センサの出力信号に応じてエンジン1に供給する燃料量制御、パージ制御弁のデューティ制御等を行う。ECU5のCPUは、以下に説明する蒸発燃料処理装置40の漏れ診断処理を実行する。
図2は、本実施形態における外気温の推定手法を説明するための図である。同図(a)は、外気温TAMが4℃の環境でエンジン1のアイドリングを行い、吸気温TA(吸気温センサ14の検出温度)が飽和した後に、車速VP=100km/hで走行した場合ににおける吸気温TAの推移を示し、同図(b)は、外気温TAMが35℃の環境でエンジン1のアイドリングを行い、吸気温TAが飽和した後に、車速VP=40km/hで走行した場合ににおける吸気温TAの推移を示す。これらの図から明らかなように、外気温TAMが高いほど、車両走行時の吸気温低下速度が低くなる。そこで、本実施形態では、車両走行中の吸気温TAの低下速度に基づいて、外気温TAMが、漏れ診断処理を実行できる所定範囲内(例えば5℃から35℃の範囲内)にあるか否か(外気温条件が成立しているか否か)を判定している。外気温TAMが5℃より低いときは、キャニスタ33の空気通路37が雪によって閉塞するおそれがあること、あるいはベントシャット弁38などが凍結により作動不良となるおそれがあることから、外気温条件不成立として、漏れ診断が禁止される。また外気温TAMが35℃より高いときは、エンジン停止後のタンク内圧PTANKの変化と、漏れの有無の相関関係が不鮮明となることから、外気温条件不成立として、漏れ診断が禁止される。
図3は、外気温条件判定処理のフローチャートであり、この処理は、エンジン1の作動中に、ECU5のCPUで所定時間(例えば80ミリ秒)毎に実行される。
ステップS100では、判定終了フラグFDENDが「1」であるか否かを判別する。判定終了フラグFDENDは、初期状態は「0」であり、ステップS111で「1」に設定される。FDEND=1であって判定が終了しているときは、直ちに本処理を終了する。
FDEND=0であるときは、ステップS101に進み、エンジン1の始動時に検出された吸気温(以下「始動時吸気温」という)TAINIが第1温度T1(例えば5℃)以上でかつ第2温度T2(例えば10℃)以下であるか否かを判別する。この答が肯定(YES)であるときは、車速VPが第1車速VP1(例えば100km/h)以下であるか否かを判別する(ステップS102)。VP>VP1であるときは、外気温条件の判定ができないので、直ちに本処理を終了する。
車速VPが第1車速VP1以下であるときは、吸気温TAに応じて図4(a)に示すΔTA1テーブルを検索し、第1温度低下量ΔTA1を算出する(ステップS103)。ΔTA1テーブルには、吸気温TAに対応して、図2(a)に示す吸気温変化特性の傾き(時間微分値)の絶対値である第1温度低下量ΔTA1が設定されており、第1温度低下量ΔTA1は、吸気温TAが高くなるほど大きくなるように設定されている。
ステップS104では、吸気温の前回値TA(k−1)と今回値TA(k)との差(以下「吸気温低下量ΔTA」という)が、第1温度低下量ΔTA1より大きいか否かを判別する。この答が肯定(YES)であるときは、外気温TAMが4℃の環境で100km/hで定常走行した状態よりも速く吸気温TAが低下しており、外気温TAMが5℃より低い可能性が高い。したがって、漏れ診断を実行を許可する外気温条件は不成立と判定し、外気温条件フラグFTAMを「0」に設定するとともに、判定終了フラグFDENDを「1」に設定する(ステップS111)。
一方吸気温低下量ΔTAが第1温度低下量ΔTA1以下であるときは、外気温条件が成立していると判定し、外気温条件フラグFTAMを「1」に設定する(ステップS105)。
ステップS101で、始動時吸気温TAINIが第1温度T1より低いとき、または第2温度T2より高いときは、ステップS106に進み、始動時吸気温TAINIが第3温度T3(例えば30℃)以上でかつ第4温度(例えば35℃)以下であるか否かを判別する(ステップS106)。この答が肯定(YES)であるときは、車速VPが第2車速VP2(例えば40km/h)以上であるか否かを判別する(ステップS107)。車速VPが第2車速VP2より低いときは、外気温条件の判定ができないので、直ちに本処理を終了する。
車速VPが第2車速VP1以上であるときは、吸気温TAに応じて図4(b)に示すΔTA2テーブルを検索し、第2温度低下量ΔTA2を算出する(ステップS108)。ΔTA2テーブルには、吸気温TAに対応して、図2(b)に示す吸気温変化特性の傾き(時間微分値)の絶対値である第2温度低下量ΔTA2が設定されており、第2温度低下量ΔTA2は、吸気温TAが高くなるほど大きくなるように設定されている。また第2温度低下量ΔTA2は、同一吸気温で比較すると、第1温度低下量ΔTA2より小さな値に設定されている。
ステップS109では、吸気温低下量ΔTAが、第2温度低下量ΔTA2より小さいか否かを判別する。この答が肯定(YES)であるときは、外気温TAMが35℃の環境で40km/hで定常走行した状態よりも遅く吸気温TAが低下しており、外気温TAMが35℃より高い可能性が高い。したがって、漏れ診断を実行を許可する外気温条件は不成立と判定し、ステップS111に進む。
一方吸気温低下量ΔTA(TA(k−1)−TA(k))が第2温度低下量ΔTA2以上であるときは、外気温条件が成立していると判定し、外気温条件フラグFTAMを「1」に設定する(ステップS112)。
またステップS106の答が否定(NO)であるとき、始動時吸気温TAINIが第2温度T2より高く、かつ第3温度T3より低いか否かを判別する(ステップS110)。この答が否定(NO)、すなわち、始動時吸気温TAINIが第1温度T1より低いとき、または第4温度T4より高いときは、直ちに本処理を終了する。
ステップS111の答が肯定(YES)であるときは、外気温条件成立と判定し、前記ステップS112に進む。
図3の処理によれば、吸気温TAの変化速度に対応する吸気温低下量ΔTAに応じて、外気温条件が判定されるので、外気温センサを設けることなく、外気温条件を迅速に判定し、蒸発燃料処理装置の漏れ診断の実行頻度を高めることができる。
図5は、漏れ診断の実行条件を判定する処理のフローチャートであり、この処理は、ECU5のCPUで所定時間(例えば80ミリ秒)毎に実行される。
ステップS201では、エンジン1が停止しているか、すなわちイグニッションスイッチがオフされているか否かを判別する。エンジン1が停止しているときは、燃料タンク9に給油中であるか否かを判別し(ステップS202)、給油中でなければ、エンジン水温TWが所定水温TW0(例えば70℃)以上であるか否かを判別する(ステップS203)。エンジン水温TWが所定水温TW0以上であるときは、外気温条件フラグFTAMが「1」であるか否かを判別し(ステップS204)、FTAM=1であって外気温条件が成立しているときは、直前のエンジン運転における燃料消費量GASUSEDが所定量GASJD(例えば100ミリリットル)以上であるか否かを判別する(ステップS205)。GASUSED≧GASJDであるときは、直前のエンジン運転時間TMCDCが所定時間TMJD(例えば15分)以上であるか否かを判別し(ステップS206)、TMCDC≧TMJDであるときは、直前のエンジン運転時の走行距離DISTが所定距離DISTJD(例えば2000m)であるか否かを判別する(ステップS207)。DIST≧DISJDであるときは、漏れ診断実行条件成立と判定し、診断許可フラグFEOSTを「1」に設定する(ステップS208)。燃料タンク9の温度上昇が不十分であるときは、蒸発燃料処理装置40が正常であっても、エンジン停止後のタンク内圧PTANKの変化が少ないため、誤判定し易い。ステップS205〜S207は、そのような場合に漏れ診断を禁止するために設けられている。
ステップS201,S203〜S207の何れかの答が否定(NO)またはステップS202の答が肯定(YES)であるときは、漏れ診断実行条件不成立と判定し、診断許可フラグFEOSTを「0」に設定する(ステップS209)。
図6は、本実施形態における蒸発燃料処理装置の漏れ診断手法を説明するためにタンク内圧PTANKの推移を示すタイムチャートである。より具体的には、図6は、エンジン1の停止後、所定時間に亘ってベントシャット弁38及びバイパス弁36を開弁する大気開放処理を実行し、次にベントシャット弁38を閉弁した時刻t0からのタンク内圧PTANKの推移を示す。同図(a)は蒸発燃料処理装置40が正常な場合に対応し、同図(b)は蒸発燃料処理装置40に漏れがある場合に対応する。これらの図から明らかなように、蒸発燃料処理装置40が正常であるときは、タンク内圧PTANKはほぼ直線的に増加する一方、漏れがあるときは、タンク内圧PTANKは、最初は比較的大きな変化率(傾き)で上昇し、徐々に変化率が減少する傾向を示す。したがって、この差を検知することにより、漏れの有無を判定することができる。すなわち、タンク内圧PTANKの2回微分値に相当する判定パラメータを算出すると、正常時は判定パラメータはほぼ「0」となるのに対し、漏れがあるときは判定パラメータは、負の値となる。本実施形態では、判定パラメータの絶対値を判定閾値と比較し、判定パラメータの絶対値が判定閾値以上であるときは、漏れがあると判定するようにしている。
図7(a)は、一定時間毎にサンプリングされたタンク内圧PTANKの実測データ例を示す。一定時間毎にサンプリングされるタンク内圧PTANKの検出値を、PTANK(k)と表すと、変化量DPは下記式(1)で算出される。
DP=PTANK(k)−PTANK(k−1) (1)
図7(b)は、この変化量DPの推移を示すタイムチャートであり、ばらつきはあるものの、徐々に減少する傾向が示されている。そこで、本実施形態では、最小二乗法により、変化量DPの推移を示す回帰直線L1を求め、この傾きAを判定パラメータとして使用することとしている。
ただし、燃料タンク内で発生する蒸発燃料の量が多く、ベントシャット弁38を閉弁した後の圧力変化率が大きいときは、蒸発燃料処理装置40が正常であっても、圧力変化量DPは徐々に減少する傾向を示すことが、実験的に確認されている。そこで、本実施形態では、図8に示すように、ベントシャット弁38を閉弁した時刻t0後における、タンク内圧PTANKの最大値PTANKMAXを検出し、時刻t0から、タンク内圧PTANKが最大となる時刻t1までの期間中の平均変化率EONVJUDXを下記式(2)により算出し、平均変化率EONVJUDXに応じて、判定閾値ATHを設定するようにしている。
EONVJUDX=(PTANKMAX−PTANK0)/TPMAX
(2)
図9は、この平均変化率EONVJUDXを横軸とし、傾きAの絶対値を縦軸とした座標平面を示し、この座標平面上に実測データがプロットされている。この図において、黒丸は正常な蒸発燃料処理装置の実測データに対応し、白丸は漏れがある蒸発燃料処理装置の実測データに対応する。この図から明らかなように、直線L2によって正常領域と、漏れ領域とを分けることができる。したがって、平均変化率EONVJUDXに対応する、直線L2上の傾きAの絶対値を判定閾値ATHとすることにより、正確な漏れ判定を行うことができる。
図10は、上述した漏れ診断手法を適用した、蒸発燃料処理装置40の漏れ診断処理の要部のフローチャートである。漏れ診断処理は、ECU5のCPUで所定時間(例えば80ミリ秒)毎に実行される。
ステップS11では、図5の処理で設定される診断許可フラグFEOSTが「1」であるか否かを判別する。FEOST=0であって診断が許可されていないときは、アップカウントタイマTM1の値を「0」に設定し(ステップS14)、本処理を終了する。
FEOST=1であって診断が許可されたときは、ステップS11からステップS12に進み、大気開放処理を実行する。すなわち、ベントシャット弁38及びバイパス弁36を開弁し、蒸発燃料処理装置40内を大気に開放する。大気開放処理は、所定大気開放時間(例えば90秒)に亘って実行される。
ステップS13では、大気開放処理が終了したか否かを判別し、終了していないときは、前記ステップS14に進む。大気開放処理が終了すると、タンク内圧PTANKは、ほぼ大気圧PATMと等しくなる。このときのタンク内圧PTANKが初期圧PTANK0として記憶される。
大気開放処理が終了すると、ステップS15に進み、ベントシャット弁38を閉弁する。次いで、タイマTM1の値が所定判定時間TCHK(300秒)を越えたか否かを判別する(ステップS16)。最初はこの答は否定(NO)であるので、タンク内圧PTANKが所定上限圧力PLMH(例えば初期圧PTANK0より2.7kPa(20mmHg)程度高い圧力)より高いか否かを判別する(ステップS17)。最初はこの答は否定(NO)であるので、ステップS18に進み、図11に示す傾きA算出処理を実行する。傾きA算出処理では、上述した回帰直線L1の傾きAが算出される。
続くステップS19では、タンク内圧PTANKが最大圧力PTANKMAXより高いか否かを判別する。最大圧力PTANKMAXは、非常に小さい値(例えば「0」)に初期化されているので、最初はこの答が肯定(YES)となり、その時点のタンク内圧PTANKが、最大圧力PTANKMAXとして記憶される(ステップS20)とともに、その時点のタイマTM1の値が、最大圧力検出時間TPMAXとして記憶される(ステップS21)。
以後の処理で、タンク内圧PTANKが最大圧力PTANKMAXを越えていれば、ステップS19からステップS20に進む。タンク内圧PTANKが最大圧力PTANKMAX以下であるときは、直ちに本処理を終了する。ステップS19〜S21により、漏れ診断実行中におけるタンク内圧PTANKの最大値である最大圧力PTANKMAXと、さらに初期圧PTANK0から最大圧力PTANKMAXまでタンク内圧PTANKが上昇するのに要した時間である最大圧力検出時間TPMAXとが得られる。
ステップS17でタンク内圧PTANKが所定上限圧力PLMHを越えたときは、またはステップS16でタイマTM1の値が、所定判定時間TCHKを越えたときは、ステップS22に進み、前記式(2)により、平均変化率EONVJUDXを算出する。
ステップS23では、平均変化率EONVJUDXに応じて判定閾値ATHを算出する。具体的には、図9に示す直線L2に相当するテーブルを検索し(あるいは直線L2に相当する数式を用いて)、判定閾値ATHが算出される。
ステップS24では、傾きAの絶対値が判定閾値ATHより小さいか否かを判別し、その答が肯定(YES)であるときは、蒸発燃料処理装置40は正常と判定し、漏れ診断を終了する(ステップS25)。一方、|A|≧ATHであるときは、蒸発燃料処理装置40に漏れがあると判定し、漏れ診断を終了する(ステップS26)。
図11は、図10のステップS18で実行される傾きA算出処理のフローチャートである。
ステップS31では、ベントシャット弁38の閉弁時点から所定時間TLDLY(例えば1秒)が経過したか否かを判別する。所定時間TLDLYが経過するまでは、ステップS33に進み、アップカウントタイマTMUの値を「0」に設定するとともに、ダウンカウントタイマTMDを所定時間TDP(例えば1秒)に設定してスタートさせる(ステップS34)。次いで、圧力変化量DPを算出するための初期圧P0をその時点のタンク内圧PTANKに設定し(ステップS35)、データ数をカウントするカウンタCDATAの値を「0」に設定して(ステップS36)、本処理を終了する。
所定時間TLDLYが経過すると、ステップS31からステップS37に進み、ダウンカウントタイマTMDの値が「0」であるか否かを判別する。最初はTMD>0であるので、直ちに本処理を終了する。TMD=0となると、ステップS38に進み、カウンタCDATAを「1」だけインクリメントする。次いで、その時点のタンク内圧PTANKから初期圧P0を減算することにより、圧力変化量DP(PTANK−P0)を算出する(ステップS39)。
ステップS40では、下記式(3)により、アップカウントタイマTMUの値の積算値SIGMAXを算出する。
SIGMAX=TMU+SIGMAX (3)
ここで、右辺のSIGMAXは、前回算出値である。
ステップS41では、下記式(4)により、アップカウントタイマTMUの値を2乗した値の積算値SIGMAX2を算出する。
SIGMAX2=TMU2+SIGMAX2 (4)
ここで、右辺のSIGMAX2は、前回算出値である。
ステップS42では、下記式(5)により、アップカウントタイマTMUの値と圧力変化量DPの積の積算値SIGMAXYを算出する。
SIGMAXY=TMU×DP+SIGMAXY (5)
ここで、右辺のSIGMAXYは、前回算出値である。
ステップS43では、下記式(6)により、圧力変化量DPの積算値SIGMAYを算出する。
SIGMAY=DP+SIGMAY (6)
ここで、右辺のSIGMAYは、前回算出値である。
ステップS44では、初期圧P0をその時点のタンク内圧PTANKに設定し、次いでダウンカウントタイマTMDを所定時間TDPに設定してスタートさせる(ステップS45)。ステップS46では、下記式(7)にステップS40〜S43で算出される積算値SIGMAX,SIGMAX2,SIGMAXY,及びSIGMAY、並びにカウンタCDATAの値を適用し、回帰直線の傾きAを算出する。式(7)は、最小二乗法により回帰直線の傾きを求めるための式として周知のものである。
Figure 2005163600
ステップS37及びS45により、ステップS38〜S46は、所定時間TDP毎に実行される。これにより、圧力変化量DPの検出値に基づく回帰直線の傾きAが算出される。
以上のように本実施形態では、圧力変化量DPの変化特性の傾き(タンク内圧PTANKの2回微分値に相当する判定パラメータ)に基づいて、漏れの有無を判定するようにしたので、簡単な構成でかつ迅速に、正確な漏れ診断を行うことができる。また圧力変化量DPの検出値から回帰直線を求める統計手法を用いることにより、検出値のばらつきの影響を低減し、診断精度を向上させることができる。
本実施形態では、吸気温センサ14が吸気温検出手段に相当し、ECU5が判定手段、外気温判定手段、及び判定許可手段を構成する。より具体的には、図10の処理が判定手段に相当し、図3の処理が外気温判定手段に相当し、図5の処理が判定許可手段に相当する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、例えば、図3のステップS101,S106,S110では、エンジン始動時の吸気温TAINIを用いたが、これに代えてエンジン始動時のエンジン水温TWINIを用いてもよい。
また圧力センサ15は、チャージ通路31に設けられているが、これに限るものではなく、例えば燃料タンク9やキャニスタ33に設けるようにしてもよい。
また本発明は、クランク軸を鉛直方向とした船外機などのような船舶推進機用エンジンに燃料を供給する燃料タンクを含む蒸発燃料処理装置の漏れ診断にも適用が可能である。
本発明の一実施形態にかかる蒸発燃料処理装置及び内燃機関の制御装置の構成を示す図である。 外気温条件の判定手法を説明するための図である。 外気温条件判定処理のフローチャートである。 図3の処理で使用されるテーブルを示す図である。 漏れ診断処理の実行条件を判定する処理のフローチャートである。 蒸発燃料処理装置の漏れ診断を実行しているときのタンク内圧(PTANK)の推移を示すタイムチャートである。 タンク内圧(PTANK)の実測データを示すタイムチャート、及びその実測データに基づいて算出される回帰直線(L1)を示す図である。 漏れ診断を実行する期間における最大圧力(PTANKMAX)の検出を説明するためのタイムチャートである。 回帰直線の傾き(A)の絶対値の分布を示す図である。 蒸発燃料処理装置の漏れ診断処理のフローチャートである。 図10の処理で実行される傾きAの算出処理のフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
5 電子制御ユニット(判定手段、外気温判定手段、判定許可手段)
9 燃料タンク
14 吸気温センサ(吸気温検出手段)
15 圧力センサ
40 蒸発燃料処理装置

Claims (1)

  1. 内燃機関の燃料を供給する燃料タンク内で発生する蒸発燃料を一時的に貯蔵し、該貯蔵した蒸発燃料を前記機関に供給する蒸発燃料処理装置の漏れの有無を判定する判定手段を備える、蒸発燃料処理装置の漏れ診断装置において、
    前記機関に吸入される空気の温度である吸気温度を検出する吸気温度検出手段と、
    前記機関の運転中に検出される前記吸気温度の変化速度に応じて、外気温が所定範囲内にあるか否かを判定する外気温判定手段と、
    前記外気温が前記所定範囲内にあるとき、前記判定手段による判定を許可する判定許可手段とを備えることを特徴とする蒸発燃料処理装置の漏れ故障診断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011047372A (ja) * 2009-08-28 2011-03-10 Suzuki Motor Corp 外気温推定装置
CN105509976A (zh) * 2014-10-16 2016-04-20 大陆汽车电子(长春)有限公司 发动机控制单元泄露测试方法和装置

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