JP3377430B2 - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

蒸発燃料処理装置

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JP3377430B2
JP3377430B2 JP03981298A JP3981298A JP3377430B2 JP 3377430 B2 JP3377430 B2 JP 3377430B2 JP 03981298 A JP03981298 A JP 03981298A JP 3981298 A JP3981298 A JP 3981298A JP 3377430 B2 JP3377430 B2 JP 3377430B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料タンク内に発
生した蒸発燃料を処理する蒸発燃料処理手段の漏れの有
無を検出することができる蒸発燃料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両に搭載された燃料タンクと、
該燃料タンク内に発生した蒸発燃料を吸着するキャニス
タ、キャニスタと燃料タンクとを連通するチャージ通
路、及びキャニスタと内燃機関の吸気系とを接続するパ
ージ通路などから成る蒸発燃料排出抑止系を備えた蒸発
燃料処理装置において、特に燃料タンク側に係るタンク
系の漏れの有無を検出する手法が知られている(特開平
7−12016号)。この手法は、内燃機関の始動時に
おいて、蒸発燃料排出抑止系を密閉状態にして所定時間
における蒸発燃料排出抑止系内の圧力の変化を検出し、
検出値を大気圧より低い所定基準値と比較することによ
り蒸発燃料排出抑止系の漏れの有無を判定するものであ
る。
【0003】しかし、内燃機関の冷間始動後にチャージ
通路を含むタンク系に漏れがなかったとしても燃料タン
ク内の圧力が負圧にならないことがあり、そのような場
合には漏れがない正常な状態であるにもかかわらず漏れ
が有ると誤判定するおそれがある。かかる誤判定を回避
するために、チャージ通路をバイパスする分岐通路上に
バイパス弁を設け、冷間始動時にバイパス弁を開弁する
と燃料タンク内の圧力が大気圧になることを利用して、
冷間始動時にバイパス弁を開弁し、バイパス弁開弁前後
の燃料タンク内の圧力の変化に基づいて燃料蒸発排出抑
止系の漏れの有無を判定する手法が提案されている(特
願平8−149728号)。
【0004】ここで、冷間始動時であるか否かは、吸気
温TA及び機関冷却水温TWの検出値に基づいて外気温
を認識することにより判別されていた。
【0005】図6は、冷間始動時を判別する手法を説明
するための、吸気温TA及び機関冷却水温TWの時間変
化を示す説明図である。
【0006】同図において、内燃機関が停止した時(時
刻t11)から吸気温TA及び機関冷却水温TWは徐々
に低下し、ある程度の長時間が経過すると吸気温TA及
び機関冷却水温TWは外気温Tに略等しくなる(時刻t
13)。そこで、吸気温TA及び機関冷却水温TWが所
定範囲内にあり、且つ吸気温TAと機関冷却水温TWと
の差が所定値以下である場合に、内燃機関は十分に放置
(ソーク)され、吸気温TA及び機関冷却水温TWを外
気温Tに略等しいと見做して、この時を内燃機関の冷間
始動時であると判別していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の手法では、例えば外気温が低い時であって内燃機関
が停止してから短時間しか経過していない時(図6の時
刻t12)に該内燃機関を再始動した場合には、吸気温
TA及び機関冷却水温TWの値が外気温より高い状態で
あるのに吸気温TAと機関冷却水温TWとの差が所定値
以下になる場合があり、このときの吸気温TA及び機関
冷却水温TWにより内燃機関が冷間始動時であると判定
してしまうという問題があった。かかる場合には、実際
には冷間始動時ではないにもかかわらず蒸発燃料排出抑
止系の漏れ検出が実行され、燃料タンク内で発生した蒸
発燃料の圧力による誤判定を回避することができなくな
るという不具合が生じる。
【0008】本発明は上記問題を解決するためになされ
たもので、吸気温及び冷却水温が外気温であると誤って
認識してしまうのを防止して、蒸発燃料排出抑止系にお
けるより正確な漏れ検出を行うことができる蒸発燃料処
理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の蒸発燃料処理装置は、車両に搭
載された燃料タンクと、前記燃料タンク内に発生した蒸
発燃料を処理する蒸発燃料処理手段と、前記蒸発燃料処
理手段の内部の圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧
力検出手段により検出された圧力に応じて前記蒸発燃料
処理手段の漏れの有無を検出する漏れ検出手段とを有す
る蒸発燃料処理装置において、前記車両に搭載された内
燃機関の停止時間を検出する内燃機関停止時間検出手段
と、前記内燃機関停止時間検出手段により検出された停
止時間が、前記内燃機関の吸気温及び冷却水温が外気温
と略等しくなるのに十分な時間として設定された所定基
準時間より長いときに前記漏れの有無の検出を許可する
許可手段とを有することを特徴とする。
【0010】本発明の請求項1の蒸発燃料処理装置によ
れば、内燃機関停止時間検出手段により内燃機関の停止
時間が検出され、検出された停止時間が、内燃機関が停
止されてから吸気温及び冷却水温が外気温と略等しくな
るのに十分な時間として設定された所定基準時間より長
いときに、許可手段により、漏れの有無の検出が許可さ
れる。これにより、内燃機関の吸気温及び冷却水温が外
気温と等しくなったことを確実に認識することができ、
もって吸気温及び冷却水温が外気温であると誤って認識
してしまうのを防止して、蒸発燃料排出抑止系における
より正確な漏れ検出を行うことができる。本発明の請求
項2の蒸発燃料処理装置は、上記請求項1記載の蒸発燃
料処理装置における許可手段が、前記内燃機関の吸気温
及び冷却水温が所定範囲内にあり、前記吸気温と前記冷
却水温とが略等しく、且つ前記内燃機関停止時間検出手
段により検出された停止時間が前記所定基準時間より長
いときに、前記漏れの有無の検出を許可することを特徴
とする。
【0011】本発明の請求項2の蒸発燃料処理装置によ
れば、吸気温及びエンジン冷却水温が所定範囲内にあ
り、前記吸気温と前記エンジン冷却水温とが略等しく、
且つ前記内燃機関停止時間検出手段により検出された前
記停止時間が前記所定基準時間より長いときに、許可手
段により、漏れの有無の検出が許可される。これによ
り、請求項1の蒸発燃料処理装置による上記効果をより
よく奏することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。
【0013】図1は本発明の実施の一形態に係る内燃機
関及びその蒸発燃料処理装置の全体構成図である。本装
置は、内燃機関及び蒸発燃料排出抑止系並びにそれらの
制御装置から構成される。
【0014】図中、1は例えば4気筒を有する内燃機関
(以下、「エンジン」という)であって、該エンジン1
の吸気管2の途中にはスロットル弁3が配されている。
また、スロットル弁3にはスロットル弁開度(θTH)
センサ4が連結されており、当該スロットル弁3の開度
に応じた電気信号を出力して電子コントロールユニット
(以下「ECU」という)5に供給する。
【0015】燃料噴射弁6は、吸気管2の途中であって
エンジン1とスロットル弁3との間の図示しない吸気弁
の少し上流側に各気筒毎に設けられている。また、各燃
料噴射弁6は燃料供給管7を介して燃料タンク9に接続
されており、燃料供給管7の途中には燃料ポンプ8が設
けられている。燃料噴射弁6はECU5に電気的に接続
され、該ECU5からの信号により燃料噴射弁6の開弁
時間が制御される。
【0016】吸気管2の前記スロットル弁3の下流側に
は吸気管内絶対圧PBAを検出する吸気管内絶対圧(P
BA)センサ13及び吸気温TAを検出する吸気温(T
A)センサ14が装着されており、これらのセンサの検
出信号はECU5に供給される。
【0017】エンジン1のシリンダブロックの冷却水が
充満した気筒周壁にはサーミスタ等からなるエンジン水
温(TW)センサ15が挿着され、該TWセンサ15に
より検出されたエンジン冷却水の温度(以下「エンジン
水温TW」という)は電気信号に変換されてECU5に
供給される。
【0018】エンジン1の図示しないカム軸周囲または
クランク軸周囲にはエンジン回転数(NE)センサ16
が取り付けられている。NEセンサ16はエンジン1の
クランク軸の180度回転毎に所定のクランク角度位置
で信号パルス(以下、「TDC信号パルス」という)を
出力し、該TDC信号パルスはECU5に供給される。
【0019】排気管12の途中には、排気濃度センサと
してのO2センサ32が装着されており、排気ガス中の
酸素濃度を検出してその検出値VO2に応じた信号を出
力しECU5に供給する。排気管12のO2センサ32
の下流には、排気ガス浄化装置である三元触媒33が設
けられている。
【0020】またECU5には、エンジン1が搭載され
た車両の走行速度VPを検出する車速センサ17、バッ
テリ電圧VBを検出するバッテリ電圧センサ18及び大
気圧PAを検出する大気圧センサ19が接続されてお
り、これらのセンサの検出信号はECU5に供給され
る。
【0021】次に燃料タンク9、チャージ通路20、キ
ャニスタ25、パージ通路27等から構成される蒸発燃
料排出抑止系(以下「排出抑止系」という)31につい
て説明する。
【0022】燃料タンク9はチャージ通路20を介して
キャニスタ25に接続されており、チャージ通路20は
車両(不図示)のエンジンルーム内に設けられた第1及
び第2の分岐部20a,20bを有する。そして、この
分岐部20a,20bと燃料タンク9との間のチャージ
通路20には、チャージ通路20内の圧力(この圧力は
定常状態においては燃料タンク9内の圧力とほぼ等しい
ので、以下「タンク内圧」という)PTANKを検出す
る圧力センサ11が取り付けられている。
【0023】第1の分岐部20aには二方向弁23が設
けられている。二方向弁23は、タンク内圧PTANK
が大気圧より20mmHg程度高くなったとき開弁する
正圧弁23a及びタンク内圧PTANKが二方向弁23
のキャニスタ25側の圧力より所定圧だけ低くなったと
きに開弁作動する負圧弁23bより構成されている機械
式の弁である。
【0024】第2の分岐部20bには、バイパス弁24
が設けられている。バイパス弁24は、通常は閉弁状態
とされ、後述するタンクモニタ処理実行中に開閉される
電磁弁であり、その作動はECU5により制御される。
【0025】キャニスタ25は、燃料蒸気を吸着する活
性炭を内蔵し、通路26aを介して大気に連通する吸気
口(図示せず)を有する。通路26aの途中には、ベン
トシャット弁26が設けられている。ベントシャット弁
26は、通常は開弁状態に保持され、所定の作動状態に
おいて閉弁される電磁弁であり、その作動はECU5に
より制御される。
【0026】キャニスタ25は、パージ通路27を介し
て吸気管2のスロットル弁3の下流側に接続されてお
り、パージ通路27にはパージ制御弁30が設けられて
いる。パージ制御弁30は、その制御信号のオン−オフ
デューディ比を変更することにより流量を連続的に制御
することができるように構成された電磁弁であり、その
作動はECU5により制御される。
【0027】以下の説明では、便宜上、排出抑止系31
を、排出抑止系31のうちチャージ通路20のバイパス
弁24より燃料タンク9側の燃料タンク9を含む部分
(以下「タンク系」という)と、排出抑止系31のうち
タンク系以外の部分、すなわちチャージ通路20のバイ
パス弁24よりキャニスタ側のキャニスタ25及びパー
ジ通路27を含む部分(以下「キャニスタ系」という)
とに二分する。
【0028】ECU5は、上述の各種センサからの入力
信号波形を整形して電圧レベルを所定レベルに修正し、
アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を
有する入力回路と、中央演算処理回路(以下「CPU」
という)と、該CPUで実行する演算プログラムや演算
結果等を記憶する記憶回路と、前記燃料噴射弁6、バイ
パス弁24及びパージ制御弁30に駆動信号を供給する
出力回路と、エンジン1が停止してから再始動されるま
での時間を計時するタイマ(ソーク時間タイマ)とを備
えている。
【0029】以上の構成により、ECU5のCPUは、
後述するタンクモニタ処理(図2、図3)を実行する。
ここで、タンクモニタ処理とは、エンジン1の冷間始動
時においてタンク系に漏れがあるか否かを判定するため
の処理である。
【0030】図2及び図3は、本実施の形態に係る蒸発
燃料処理装置におけるタンクモニタ処理の制御手順を示
すフローチャートである。本処理は所定時間毎(例えば
80msec)に実行される。
【0031】まず、図2のステップS201では、エン
ジン1が始動モードであるか否かを判別する。始動モー
ドであるか否かは、前回のTDC信号パルスの発生から
今回のTDC信号パルスの発生までの経過時間から算出
したエンジン1の回転数NEにより判別し、回転数NE
が始動時回転数(例えば400rpm)以下であるとき
に始動モードであると判別する。その判別の結果、エン
ジン1が始動モードであるときは、ステップS202に
進み、TAセンサ14又はTWセンサ15のフェイルセ
ーフ(F/S)が検知済みであるか否かを判別する。そ
の判別の結果、フェイルセーフが検知済みであるとき
は、燃料タンク9の漏れ検出(タンクモニタ)の実行を
許可することを「1」で示すタンクモニタ実行許可フラ
グFPTANINを「0」に設定することによりイニシ
ャライズし(ステップS210)、本処理を終了する。
【0032】一方、前記ステップS202の判別の結
果、フェイルセーフが検知済みでないときは、吸気温T
Aが下限値TWASTL及び上限値TWASTHの範囲
内にあるか否かを判別し(ステップS203)、吸気温
TAがこの範囲内にあるときは、エンジン水温TWが下
限値TWASTL及び上限値TWASTHの範囲内にあ
るか否かを判別し(ステップS204)、エンジン水温
TWがこの範囲内にあるときは、吸気温TAとエンジン
水温TWとの差の絶対値が基準値DTWAST(例え
ば、10℃)より小さいか否か、すなわち吸気温TAと
エンジン水温TWとが略等しいか否かを判別する(ステ
ップS205)。その結果、吸気温TA及びエンジン水
温TWがいずれも下限値TWASTL及び上限値TWA
STHの範囲内にあり、且つ吸気温TAとエンジン水温
TWとの差の絶対値が基準値DTWASTより小さい場
合は、後述するソーク時間タイマの値tsが所定基準時
間tsREF(例えば、6時間)より大きいか否かを判
別する(ステップS206)。
【0033】ステップS206の判別の結果、ソーク時
間タイマの値tsが所定基準時間tsREFより大きい
ときは、吸気温TA及びエンジン水温が外気温Tと略等
しい状態すなわち冷間始動時であると見做し、ステップ
S207に進む。一方、ステップS203又はステップ
S204において吸気温TA及びエンジン水温TWのい
ずれかが下限値TWASTL及び上限値TWASTHの
範囲外にあると判別された場合、ステップS205にお
いて吸気温TAとエンジン水温TWとの差の絶対値が基
準値DTWASTより大きいと判別された場合、又はス
テップS206においてソーク時間タイマtsの値が所
定基準時間tsREFより小さいと判別された場合は、
上述したステップS210に進む。
【0034】ステップS207では、タンクモニタ実行
許可フラグFPTANINを「1」に設定し、今回のタ
ンク内圧PTANKを、始動時における燃料タンク9内
の始動時初期圧PTANSTとして(ステップS20
8)、タンク内圧監視タイマtmPTINに所定時間T
PTINをセットしてスタートさせ(ステップS20
9)、本処理を終了する。
【0035】上記ソーク時間タイマは、エンジン1が停
止された時点からエンジン1が始動される時点までの経
過時間を計時するタイマである。また、所定基準時間t
sREFは、エンジン1が停止されてから吸気温TA及
びエンジン水温TWが外気温Tと略等しくなるのに十分
な時間として設定されているものであり、実験的に求め
られる値である。なお、この所定基準時間tsREF
は、単一の値として設定してもよく、また、ECU5に
設けられる記憶手段に所定基準時間tsREFとして複
数の値を記憶しておき、エンジン停止時の吸気温TA及
びエンジン水温TWの値に応じて記憶されている値の中
から適切な値を選択するようにしてもよい。
【0036】図4は、本実施の形態において行われる、
冷間始動時を判別する手法を具体的に説明するための、
外気温TA及びエンジン水温TWの時間変化を示す説明
図である。
【0037】同図において、内燃エンジンが停止された
時刻t1から吸気温TA及びエンジン水温TWは徐々に
低下し、所定基準時間tsREF経過していない時刻t
2では、すでに、吸気温TA及びエンジン水温TWがい
ずれも下限値TWASTL及び上限値TWASTHの範
囲内にあり、且つ吸気温TAとエンジン水温TWとの差
の絶対値が基準値DTWASTより小さい状態となって
いる。従って、従来の手法によれば、時刻t2でエンジ
ン1が再始動された場合には、吸気温TA及びエンジン
水温TWがいずれも外気温Tより高い状態であるにもか
かわらず、そのときの吸気温TA及びエンジン水温TW
が外気温Tであると推定し、エンジン1の冷間始動時で
あると判別していた。
【0038】一方、本実施の形態によれば、エンジン1
が停止されてから時刻t2において再始動されるまでの
時間(t2−t1)すなわちソーク時間タイマの値ts
が所定基準時間tsREFより短いので、そのときの吸
気温TA及びエンジン水温TWが外気温であると推定さ
れることはなく、従って冷間始動時であると判別されな
い。
【0039】また、ソーク時間タイマの値tsが所定基
準時間tsREFを超える時刻t3より後の時刻t4に
おいてエンジン1が再始動された場合は、吸気温TA及
びエンジン水温TWはいずれも下限値TWASTL及び
上限値TWASTHの範囲内にあり、吸気温TAとエン
ジン水温TWとの差の絶対値が基準値DTWASTより
小さく、且つソーク時間タイマtsの値が所定基準時間
tsREFより大きく吸気温TA及びエンジン水温TW
が外気温Tに略等しくなる程度に十分に時間が経過して
いる。よって、時刻t4でエンジン1が始動された場合
には、吸気温TA及びエンジン水温TWが外気温Tであ
ると推定し、確実に冷間始動時と判別して、より正確に
漏れ検出を実行することが可能となる。
【0040】図2に戻り、上記ステップS201の判別
の結果、エンジン1が始動モード状態でないときは、図
3のステップS211に進み、タンクモニタ処理が終了
したことを「1」で示すタンクモニタ終了フラグFDO
NE90Aが「0」に設定されているか否かを判別す
る。その判別の結果、タンクモニタ終了フラグFDON
E90Aが「1」に設定されているときは直ちに本処理
を終了する一方、「0」に設定されているときは、ステ
ップS212に進む。
【0041】ステップS212では、タンクモニタ実行
許可フラグFPTANINが「1」に設定されているか
否かを判別する。その判別の結果、タンクモニタ実行許
可フラグFPTANINが「0」に設定されているとき
は直ちに本処理を終了する一方、「1」に設定されてい
るときは、ステップS213に進む。
【0042】ステップS213では、タンク内圧監視タ
イマtmPTINが「0」に達したか否かを判別する。
その判別の結果、タンク内圧監視タイマtmPTINが
「0」に達していないときは、今回のタンク内圧PTA
NKを、バイパス弁24の開弁前における燃料タンク9
内の開弁前圧力PTANINIとして設定し(ステップ
S214)、バイパス弁開制御タイマtmPTCURE
に所定時間TPTCUREをセットしてスタートさせ
(ステップS215)、本処理を終了する。ここで、所
定時間TPTCUREは、例えば後述するバイパス弁2
4の開弁によりタンク内圧PTANKが大気圧に同化す
るのに十分な時間に設定する。
【0043】一方、前記ステップS213の判別の結
果、タンク内圧監視タイマtmPTINが「0」に達し
たときは、ステップS216に進み、前記ステップS2
14で設定された開弁前圧力PTANINIと前記ステ
ップS208で設定された始動時初期圧PTANSTと
の差の絶対値AB1が、基準値P1よりも大きいか否か
を判別する。その判別の結果、上記絶対値AB1が基準
値P1よりも大きいときは、タンク系が正常である(漏
れがない)ことを「1」で示すタンク系正常判定フラグ
FOK90Aを「1」に設定し(ステップS217)、
タンクモニタ終了フラグFDONE90Aを「1」に設
定して(ステップS218)、本処理を終了する。
【0044】一方、前記ステップS216の判別の結
果、上記絶対値AB1が基準値P1以下であるときは、
ステップS219に進み、バイパス弁開制御タイマtm
PTCUREの値が「0」に達したか否かを判別する。
その判別の結果、バイパス弁開制御タイマtmPTCU
REの値が「0」に達したときは、タンク系が異常であ
る(漏れがある)ことを「1」で示すタンク系異常判定
フラグFNG90Aを「1」に設定し(ステップS22
3)、後述するステップS224を実行する一方、
「0」に達していないときは、ステップS220に進
む。
【0045】ステップS220では、バイパス弁24を
開弁し、ステップS221に進んで、今回のタンク内圧
PTANKと前記ステップS214で設定された開弁前
圧力PTANINIとの差の絶対値AB2が、基準値D
PTANIN(例えば2mmHg)以上であるか否かを
判別する。ステップS221の判別の結果、上記絶対値
AB2が基準値DPTANIN以上であるときは、タン
ク系正常判定フラグFOK90Aを「1」に設定し(ス
テップS222)、タンクモニタ終了フラグFDONE
90Aを「1」に設定し(ステップS224)、本手順
を終了する。また、前記ステップS221の判別の結
果、上記絶対値AB2が基準値DPTANIN未満であ
るときは、直ちに本手順を終了する。
【0046】このように、バイパス弁24を開弁し、所
定時間TPTCURE内にタンク内圧PTANKの変動
が見られた場合は正常(漏れがない)と判断し、変動が
見られなかった場合は異常(漏れがある)と判断する。
【0047】本タンクモニタ処理によれば、エンジン1
の冷間始動時にバイパス弁24を開弁し、燃料タンク9
内の圧力が大気圧になることを利用して、圧力センサ1
1の検出値の変化に基づいてタンク系の漏れの有無を判
定するので、圧力センサ11の劣化やばらつき等による
零点ずれに影響を受けずにタンク系の異常の有無を判定
することができる。従って判定閾値に過剰な余裕を設け
る必要がないので、タンク系の異常の有無を確実且つ容
易に判定することができる。また、蒸発燃料による影響
を受けないエンジン1の冷間始動時に判定処理を行うの
で、開弁前圧力PTANINIが大気圧に対して正圧/
負圧であるとを問わず判定することができる。
【0048】また、エンジン始動時という早期にタンク
系の異常の有無の判定が得られ、タンク系の異常の有無
の判定を一旦得れば、その後の運転時にタンク系の異常
判定処理を実行する必要がなくなり、処理工程を簡素化
することができる。また、新たなハード構成を必要とし
ないので、構成の複雑化を回避することができる。
【0049】さらに、エンジン1の冷間始動時から所定
時間TPTIN経過するまでの間のタンク内圧PTAN
Kの変動が基準値P1より大きいときは、上記バイパス
弁24の開弁による判定処理(ステップS219〜S2
24)を実行することなく、より早期にタンク系の正常
判定が得られる。
【0050】図5は、上記タンクモニタ処理における冷
間始動時後のタンク内圧PTANKの変化を示す図であ
る。同図(a)及び(b)はいずれも、その横軸がバイ
パス弁開弁からの経過時間を示し、縦軸が圧力センサ1
1の出力を示す。同図(a)は、開弁前圧力PTANI
NIが大気圧より高い正圧である場合を示し、同図
(b)は、開弁前圧力PTANINIが大気圧より低い
負圧である場合を示す。
【0051】エンジン1の冷間始動時にバイパス弁24
が開弁されると、開弁前圧力PTANINIが正圧また
は負圧にかかわりなく、タンク内圧PTANKが大気圧
に近づいていく。
【0052】ここで、タンク系に漏れがなく、且つ開弁
前圧力PTANINIと大気圧との差の絶対値が基準値
DPTANINより大きい値であったなら、タンク内圧
PTANKが基準値DPTANIN以上に変化する。一
方、タンク系に漏れがあるとすれば、開弁前圧力PTA
NINIは大気圧と常に等しいはずであり、タンク内圧
PTANKが基準値DPTANIN以上に変化すること
は考えられない。従って、所定時間TPTCUREを上
述のように適切に設定した上で、所定時間TPTCUR
Eが経過するまでの間にタンク内圧PTANKが基準値
DPTANIN以上に変化した場合は、タンク系に漏れ
がなく正常であると一律に判定される。例えば同図
(a)では、時点taにおいてタンク内圧PTANKが
基準値DPTANIN以上の変化を示し、同図(b)で
は、時点tbにおいてタンク内圧PTANKが基準値D
PTANIN以上の変化を示しているので、いずれの場
合もタンク系に漏れがなく正常と判定される。
【0053】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、ソーク時間タイマの値tsが所定基準時間tsRE
Fより大きいと判別された場合に限り、吸気温TA及び
エンジン水温TWが外気温Tと略等しくなるのに十分な
時間に亘ってエンジン1がソークされて吸気温TA及び
エンジン水温TWが外気温Tであると推定するので、吸
気温TA及びエンジン水温TWが外気温であると誤って
認識してしまうのを防止して、これにより、蒸発燃料排
出抑止系のより正確な漏れ検出を行うことが可能とな
る。また、吸気温TA及びエンジン水温TWが外気温T
であることを吸気温TA及びエンジン水温TWの値に基
づいて推定するようにしたので、新たに外気温センサを
設ける必要がなくなり、コストの上昇を抑制することが
できる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に係る蒸発燃料処理装置によれば、内燃機関停止時間検
出手段により内燃機関の停止時間が検出され、検出され
た停止時間が、内燃機関の吸気温及び冷却水温が外気温
と略等しくなるのに十分な時間として設定された所定基
準時間より長いときに、許可手段により漏れの有無の検
出が許可されるので、内燃機関の吸気温及び冷却水温が
外気温と等しくなったことを確実に認識することがで
き、もって吸気温及び冷却水温が外気温であると誤って
認識してしまうのを防止して、蒸発燃料排出抑止系にお
けるより正確な漏れ検出を行うことができる。
【0055】また、請求項2に係る蒸発燃料処理装置に
よれば、吸気温及びエンジン冷却水温が所定範囲内にあ
り、前記吸気温と前記エンジン冷却水温とが略等しく、
且つ前記内燃機関停止時間検出手段により検出された前
記停止時間が前記所定基準時間より長いときに、許可手
段により、漏れの有無の検出が許可されるので、請求項
1の蒸発燃料処理装置による上記効果をよりよく奏する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る蒸発燃料処理装置
の構成を示すブロック図である。
【図2】同装置によるタンクモニタ処理の制御手順を示
すフローチャートである。
【図3】同装置によるタンクモニタ処理の制御手順を示
す図2の続きのフローチャートである。
【図4】同装置によるタンクモニタ処理において行われ
る冷間始動時を判別する手法を説明するための、外気温
TA及びエンジン水温TWの時間変化を示す説明図であ
る。
【図5】タンクモニタ処理における冷間始動後のタンク
内圧PTANKの変化を示す図である。
【図6】従来の蒸発燃料処理装置において行われる、冷
間始動時を判別する手法を説明するための、外気温TA
及びエンジン水温TWの時間変化を示す説明図である。
【符号の説明】
5 電子コントロールユニット(ECU) 9 燃料タンク 11 圧力センサ 14 吸気温(TA)センサ 15 エンジン水温(TW)センサ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載された燃料タンクと、前記燃
    料タンク内に発生した蒸発燃料を処理する蒸発燃料処理
    手段と、前記蒸発燃料処理手段の内部の圧力を検出する
    圧力検出手段と、前記圧力検出手段により検出された圧
    力に応じて前記蒸発燃料処理手段の漏れの有無を検出す
    る漏れ検出手段とを有する蒸発燃料処理装置において、
    前記車両に搭載された内燃機関の停止時間を検出する内
    燃機関停止時間検出手段と、前記内燃機関停止時間検出
    手段により検出された停止時間が、前記内燃機関の吸気
    温及び冷却水温が外気温と略等しくなるのに十分な時間
    として設定された所定基準時間より長いときに前記漏れ
    の有無の検出を許可する許可手段とを有することを特徴
    とする蒸発燃料処理装置。
  2. 【請求項2】 前記許可手段は、前記内燃機関の吸気温
    及び冷却水温が所定範囲内にあり、前記吸気温と前記冷
    却水温とが略等しく、且つ前記内燃機関停止時間検出手
    段により検出された停止時間が前記所定基準時間より長
    いときに、前記漏れの有無の検出を許可することを特徴
    とする請求項1記載の蒸発燃料処理装置。
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