JP2005163267A - 衝撃緩衝体 - Google Patents

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賢治 山田
Takayuki Tagawa
孝之 田川
Tomohiro Miwa
朋広 三輪
Sadao Nishibori
貞夫 西堀
Hideji Hoshimura
秀次 干村
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Mitsuboshi Belting Ltd
Ain Kk Sogo Kenkyusho
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Ain Kk Sogo Kenkyusho
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Abstract

【課題】 車両が衝突した際に、優れた衝撃吸収能力を発揮させることができる衝撃緩衝体を提供する。
【解決手段】 外枠1内に緩衝材2を収容して形成される衝撃緩衝体Aに関する。外枠1を、上面が開口する本体部4と、本体部4の外側に上からはめ込んで本体部4の開口3に被せて取り付けられる蓋5とで形成する。蓋5の周壁7の高さを本体部4の周壁6の高さよりも高く形成すると共に本体部4の周壁6の外面の全面に蓋5の周壁7を重ねて本体部4に蓋5を取り付ける。車両が衝突した際に、蓋5が本体部4から外れることがなく、また外枠1内の緩衝材2が飛散することがなく、緩衝材2による衝撃エネルギーの吸収能力を維持することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、道路などに設置して使用され、自動車などの車両が衝突した際の衝撃を緩衝して車両の破損を軽減する衝撃緩衝体に関するものである。
高速道路をはじめとする様々な道路での交通事故防止対策として、道路の分岐部や路側帯等に衝撃緩衝体を設置することが行なわれている。
一般に衝撃緩衝体は、緩衝材をプラスチック等で形成される外枠で内包した構造であり、緩衝材としては従来から水などが用いられていたが、最近では更に衝撃吸収効果の高い材質が開発されている。例えば特許文献1にみられるような、エチレン−スチレン共重合体などを素材とする樹脂発泡体や、特許文献2にみられるような、セメントなどの水和水硬性の結合材、炭酸カルシウム、骨材、水、発泡剤などを混ぜ合わせて発泡させつつ硬化させたものが緩衝材として提案されている。このように従来では主として、緩衝材の材質を改良して衝撃緩衝体の衝撃吸収能力を高めるようにしていた。
一方、緩衝材2を内包する合成樹脂製の外枠1としては、上面が開口3となった本体部4内に緩衝材2を充填し、本体部4の上面に浅いキャップ状の蓋5を被せてビス留めすることによって形成される図4のような構造のものが主流である(例えば特許文献3等参照)。
特開平8−142243号公報 特開2000−120743号公報 実用新案登録第3077192号公報
しかし、外枠1がこのような構造に形成された衝撃緩衝体Aに車両が衝突すると、外枠1の本体部4内の緩衝材2は衝撃が作用する方向に圧縮されると共に衝撃が作用する方向と垂直な方向に膨らむので、緩衝材2の膨らみによって蓋5が持ち上げられて本体部4の上面から外れ、内部の緩衝材2が本体部4の上面の開口3から飛散するおそれがある。さらに、このように蓋5が外れると本体部4の周壁9が大きく圧縮されるように変形して本体部4のコーナー部4aにせん断破損が発生し、このせん断破損箇所からも内部の緩衝材2が飛散するおそれがある。従ってこのものでは、外枠1内の緩衝材2による衝撃吸収効果を十分に発揮させることができないと共に、衝撃吸収のピークが2つに分散する傾向があるために均一な衝撃吸収能力を欠き、衝撃吸収による車両破損の軽減の効果が十分に得られないおそれがあった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、車両が衝突した際に、優れた衝撃吸収能力を発揮させることができる衝撃緩衝体を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る衝撃緩衝体は、外枠1内に緩衝材2を収容して形成される衝撃緩衝体において、外枠1を、上面が開口する本体部4と、本体部4の外側に上からはめ込んで本体部4の開口3に被せて取り付けられる蓋5とで形成し、蓋5の周壁7の高さを本体部4の周壁6の高さよりも高く形成すると共に本体部4の周壁6の外面の全面に蓋5の周壁7を重ねて本体部4に蓋5を取り付けて成ることを特徴とするものである。
この発明によれば、衝撃緩衝体に車両が衝突した際には、外枠1の蓋5はその周壁7が車両と本体部4の周壁6との間に挟まれた状態になって、蓋5が本体部4から外れることはないものであり、外枠1の内部の緩衝材2が本体部4の開口から飛散することを防ぐことができるものである。また、外枠1の側面は本体部4の周壁6と蓋5の周壁7の二重構造になっており、本体部4の周壁6にせん断破損などが発生することを防いでこの破損部分からの緩衝材2の飛散を防止することができるものである。さらに、緩衝材2の膨らみによって本体部4の周壁6が外方へ広げられるように変形されても、本体部4の周壁6の上端は同様に外方へ広げられるように変形する蓋5の周壁7の内面に当接していて、本体部4と蓋5の間から緩衝材2が飛散することを防ぐことができるものである。
また請求項2の発明は、請求項1において、緩衝材2として、シラス材100質量部に対してバインダーを1〜20質量部を配合して成形されたものを用いて成ることを特徴とするものである。
この発明によれば、緩衝材2は、衝撃に対して発生初期から大き過ぎず適度な反発力を示すとともに一定の反発力を長く持続するという優れた衝撃緩衝作用を有するものであり、衝撃緩衝体に優れた衝撃吸収能力を発揮させることができるものである。
本発明によれば、衝撃緩衝体に車両が衝突した際に、外枠1の蓋5はその周壁7が車両と本体部4の周壁6との間に挟まれた状態になって、蓋5が本体部4から外れることはなく、外枠1の内部の緩衝材2が本体部4の開口から飛散することを防ぐことができる。また、外枠1の側面は本体部4の周壁6と蓋5の周壁7の二重構造になっており、本体部4の周壁6にせん断破損などが発生することを防いでこの破損部分からの緩衝材2の飛散を防止することができる。さらに、緩衝材2の膨らみによって本体部4の周壁6が外方へ広げられるように変形されても、本体部4の周壁6の上端は同様に外方へ広げられるように変形する蓋5の周壁7の内面に当接していて、本体部4と蓋5の間から緩衝材2が飛散することを防ぐことができる。この結果、衝撃吸収のピークが分散することなく衝突の開始から終了に至るまで外枠1内の緩衝材2に衝撃吸収能力を発揮させることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明に係る衝撃緩衝体Aは、例えば図1に示すように、高速道路の本線と出口車線の分岐部に設置されたガードレール10の突端部などに設置して使用されるものであり、外枠1の外側面には反射パターン11が設けられている。
外枠1は本体部4に深いキャップ状の蓋5を被せて形成されるものであり、本体部4や蓋5はポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などから選ばれる合成樹脂の成形品で形成することができる。本体部4及び蓋5の厚みはそれぞれ0.5〜3mm程度が好ましい。
本体部4は図2のように、上面が開口3となった有底の箱状に形成されるものであり、開口3の周囲は左右の側壁6a,6a及び前後の前壁6cと後壁6dからなる周壁6で形成されている。この本体部4の周壁6において、両側壁6a,6aは内幅が前壁6cの側ほど小さくなる傾斜面に形成してある。また蓋5は、下面が開口16となった有底の箱状に形成されるものであり、開口16の周囲は左右の側壁7a,7a及び前後の前壁7cと後壁7dからなる周壁7で形成されている。この蓋5の周壁7において、両側壁7a,7aは内幅が前壁7cの側ほど小さくなる傾斜面に形成してある。ここで、蓋5の周壁7の高さ寸法Hは本体部4の周壁6の高さ寸法Wよりも大きい寸法に形成してある。そして本体部4の周壁6の外側に蓋5の周壁7をはめ合わせることによって、本体部4の開口3に上側から被せて蓋5を取り付け、内部空間が密閉された外枠1を形成することができるものである。ここで、蓋5の周壁7の下端と本体部4の周壁6の下端とが一致するように本体部4に蓋5を被せ、本体部4の周壁6の外面の全面が露出することなく、蓋5の周壁7の内面に密接するようにしてあり、この密接させて重ねた部分をビス止め等することによって、本体部4に蓋5を固定するようにしてある。
この外枠1の本体部4内から蓋5の上部内に至る空間内に緩衝材2を収容して密閉することによって、衝撃緩衝体Aを得ることができるものである。緩衝材2としては、例えばシラス材にバインダーを配合した成形材料を成形し、バインダーを硬化乃至固化させることによって得られるブロック状物を用いることができる。シラス材は白色砂質堆積物の俗称であり、軽石流堆積物の非熔結部や降下軽石などの火山噴出物およびそれに由来する二次堆積物のことである。これらは一般に白い砂質堆積物であるため、古くから白砂または白洲と呼ばれ現在はシラスと呼ばれている。そしてシラス材は、高温のマグマが地表に近づくにつれて温度が低下して、主成分であるSiO、Al、Fe、FeO、MgO、CaO、NaO、KOなどが鉱物として晶出する結晶分化作用が始まって間もなく爆発的に噴出してできたもので、約3割の結晶鉱物と残り約7割の非晶質火山ガラスからなるものである。このシラス材の塊は、内部に空隙を持った多孔質材であり、加重をかけると、初期においては塊状を維持しようとするある程度の力で反発するが、一旦塊が崩れはじめると容易に粉々に砕けてしまう性質がある。このようなシラス材の挙動が緩衝材2の材料として好適であり、衝撃を受けた直後に塊状を維持しようとする働きである一定の力で反発し、塊が砕けはじめるとそれ自身の塊を維持しようとする反発は少なくなるが、圧縮されることによる反発力は増加し、その後も一定の反発力を維持することができる。このような反発力の推移によって、効果的に衝突時の衝撃を吸収することができるのである。
シラス材に配合するバインダーとしては、特に限定されるものではないが、セメント、粘土、石膏などの無機のバインダーや、エチレンビニルアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂からなる有機のバインダーを用いることができる。中でも無機材からなるバインダーを用いることが緩衝材2を完全に不燃性のものとすることができるので好ましい。またシラス材中には多くの水分を含んでいるが、バインダーとしてセメントを用いることによって、前記シラス材中の水分を用いてセメントを硬化させることができるので好ましい形態であるといえる。
またバインダーは、その材質によっても異なってくるが、シラス材100質量部に対して1〜20質量部の範囲で配合するのが好ましく、より好ましくは5〜10質量部の範囲である。1質量部未満であると、バインダーの割合が少なく過ぎてシラス材を十分に固めることができず、緩衝材2としての形状保持をすることができなくなるおそれがある。逆に20質量部を超えると、バインダーによって緩衝材2の強度が上がりすぎて所要の衝撃吸収性能を得ることができなくなるおそれがある。
上記のように形成される衝撃緩衝体Aは図1に示すように、外枠1の蓋5の周壁7の前壁7c及び本体部4の周壁6の前壁6cが、車両が走行してくる方向を向くように設置されるものである。そして車両が衝撃緩衝体Aにイ矢印のように正面から衝突すると、衝撃は外枠1に図3(a)の紙面の表側から裏側への方向に作用する。すると、外枠1内の緩衝材2は衝撃が作用する方向に圧縮されると共に図3(b)のようにこの衝撃方向と垂直な方向に膨らむ。このとき、本体部4の周壁6の外面の全面に蓋5の周壁7を重ねるようにしてあるので、蓋5の周壁7の前壁7cが車両と本体部4の周壁6の前壁6cとの間に挟まれた状態になって、蓋5が本体部4から外れることはない。従って、衝撃緩衝体Aに衝撃が加わった当初に蓋5が本体部4から外れることを防止して、本体部4の開口3から外枠1内の緩衝材2が飛散することを防ぐことができるものである。
また、外枠1の側面は本体部4の周壁6と蓋5の周壁7の二重構造になっており、緩衝材2が衝撃方向と垂直な方向に膨らむことを二重構造の周壁6,7で抑制することができるものであり、本体部4の周壁6が大きく変形することを防いで、周壁6のコーナー部にせん断破損などが発生することを防ぐことができ、この破損部分からの緩衝材2の飛散を防止することができるものである。
さらに、衝撃方向と垂直な方向に緩衝材2が膨らむことによって、本体部4の周壁6の側壁6a,6aは図3(b)のように外方へ広げられるように変形した場合、本体部4の周壁6の全面に蓋5の周壁7を重ねるようにしているために、このように本体部4の周壁6の側壁6aが外方へ広げられるように変形しても、この周壁6の側壁6aの上端は図3(b)のように、同様に外方へ広げられるように変形する蓋5の周壁7の側壁7aの内面に当接しており、本体部4と蓋5の間から緩衝材2が飛散することを防ぐことができるものである。
ここで、本体部4の周壁6の高さ寸法Wと、蓋5の周壁7の高さ寸法Hの比は、Hに対してWを30〜90%に設定し、蓋5の周壁7に対する本体部4の周壁6の重ね代が蓋5の周壁7の30〜90%になるようにするのが好ましい。Hに対してWが30%未満であると、重ね代が小さくなって、本体部4の周壁6が外方へ広げられるように変形した際に、この周壁6の上端が蓋5の周壁7に届かなくなって、本体部4と蓋5の間から緩衝材2が飛散するおそれがある。逆にHに対してWが90%を超えると、本体部4の周壁6の上端が蓋4の周壁7の基部にまで到達するために、設計上好ましくない。
上記のように、衝撃緩衝体Aに車両が衝突して衝撃が加わった際に、蓋5が本体部4から外れることを防いで緩衝材2の飛散を防止することができるものであり、また本体部4の周壁6にせん断破損が生じることを防いで緩衝材2の飛散を防止することができると共に、本体部4と蓋5が変形した後にも本体部4と蓋5の間から緩衝材2が飛散することを防ぐことができるものであり、衝突の開始から終了に至るまで、外枠1内の緩衝材2による衝撃エネルギーの吸収作用を有効に発揮させることができ、衝撃緩衝体Aに優れた衝撃吸収能力を発揮させることができるものである。
本発明に係る衝撃緩衝材は、高速道路や一般道路の中央分離帯や道路の分岐部などに設置されるガードレールなどの防護壁や、歩道などに設置されている標識などの道路付属物に装着して使用するのに好適である。
本発明の実施の形態の一例を示す斜視図である。 同上の外枠の分解斜視図である。 同上の衝撃緩衝体の作用を示すものであり、(a)は衝突前の正面断面図、(b)は衝突後の正面断面図である。 従来例の分解斜視図である。
符号の説明
1 外枠
2 緩衝材
3 開口
4 本体部
5 蓋
6 周壁
7 周壁

Claims (2)

  1. 外枠内に緩衝材を収容して形成される衝撃緩衝体において、外枠を、上面が開口する本体部と、本体部の外側に上からはめ込んで本体部の開口に被せて取り付けられる蓋とで形成し、蓋の周壁の高さを本体部の周壁の高さよりも高く形成すると共に本体部の周壁の外面の全面に蓋の周壁を重ねて本体部に蓋を取り付けて成ることを特徴とする衝撃緩衝体。
  2. 緩衝材として、シラス材100質量部に対してバインダーを1〜20質量部を配合して成形されたものを用いて成ることを特徴とする請求項1に記載の衝撃緩衝体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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