JP2005162850A - 熱可塑性エラストマー用接着剤 - Google Patents

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Akiyoshi Yamaguchi
朗功 山口
Akita Nakabuchi
明大 中渕
Seiji Okano
誠司 岡野
Masakazu Kurosawa
雅和 黒沢
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Abstract

【課題】 熱可塑性エラストマーを、取り分け難接着性のオレフィン系熱可塑性エラストマーを、プライマー処理を必要とすることなしに接着することのできるα−シアノアクリレート系接着剤を提供すること。
【解決手段】 α−シアノアクリレート100重量部に対して、有機シラン化合物0.0001〜0.05重量部を含有してなることを特徴とする、熱可塑性エラストマー用α−シアノアクリレート系接着剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱可塑性エラストマー用のシアノアクリレート系接着剤に関し、より詳しくは、難接着性の熱可塑性エラストマー(TPE)及びそのうちでも特に接着の困難なオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)にも有効な、1液型シアノアクリレート系接着剤に関する。
α−シアノアクリレートは、固体表面や空気中の微量の水分又はアルカリ性物質等によりアニオン重合して短時間で硬化する性質を有するため、金属、セラミックス等の無機材料やプラスチック及びゴム等の有機高分子材料用の瞬間接着剤として広く使用されてきた。
しかしながら、プラスチック、ゴムに続く第三の有機高分子材料として多岐にわたる分野で最近広く使用されるようになったTPEに対しては、α−シアノアクリレート系接着剤は接着性が悪いという問題があった。取り分け、TPEの一種であるTPOに対して、α−シアノアクリレートは非常に難接着性であった。
非極性樹脂に対するα−シアノアクリレート系接着剤の難接着性の改善手段として、接着剤の適用に先立ち被着体表面に改質剤をプライマーとして使用する方法が提案されている。非極性樹脂(ポリプロピレン、ポリエチレン等)の表面に所定のアミン系化合物及びシランカップリング剤をプライマーとして使用することによりα−シアノアクリレート系接着剤の接着性を向上させることができること(特許文献1参照)や、それら難接着性の非極性樹脂に対するα−シアノアクリレートの接着性を、所定のアルキルホスフィン化合物の溶液をプライマーとして使用することにより改善できること(特許文献2参照)が知られている。
これらの方法は、α−シアノアクリレートによる熱可塑性エラストマーの接着の場合にも利用できるものの、接着工程の前にプライマー処理工程を必要とするということから、瞬間接着剤の本来の利点である接着作業の迅速性・簡便性が生かされず、作業全体の効率を低下させるものであった。
TPEは、耐熱性、耐油性、圧縮永久歪等の点で、従来のゴムに比して格段に向上したため、自動車部品に広く使用されており、また従来ジエン系モノマーを添加したエチレンプロピレンゴム(EPDM)を使用していたウェザーストリップシール材についても、同様にTPE特にTPOへの代替が進められている。TPEに較べれば、EPDMは、α−シアノアクリレート系接着剤にとって、一般に良接着体に属しており、1液型の接着剤で十分接着が可能であったためα−シアノアクリレート系接着剤も使用されてきた。しかしながら、TPE取り分けTPOは1液型のα−シアノアクリレートでは接着せず、このため被着面にプライマーを塗布するという表面改質工程を余儀なくされている。プライマー処理工程を要することによる接着作業の時間的損失は、生産の合理性や時間短縮を進める自動車産業界の流れに逆行するものであり、1液でプライマーを要さずにTPEを、取り分けTPOを接着可能な瞬間接着剤が望まれていた。
特開平5−247412号公報 特開平2−120378号公報
上記背景のもとで、本発明は、TPEを、そして特にTPOをも、プライマーを必要とすることなしに接着することのできる、1液型のα−シアノアクリレート系接着剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、α−シアノアクリレート系接着剤にごく僅かな量の有機シラン化合物を添加することによって、TPEに対し、取り分けTPOに対しても接着性が改良された接着剤が得られることを見出し、更に検討を重ねた結果、TPOを含むTPEに対する接着性に優れしかも保存安定性をも満足させるα−シアノアクリレート系接着剤を得ることに成功し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、次のものを提供する。
(1)α−シアノアクリレート100重量部に対して、有機シラン化合物0.0001〜0.05重量部を含有してなることを特徴とする、熱可塑性エラストマー用α−シアノアクリレート系接着剤、
(2)オレフィン系熱可塑性エラストマー用接着剤である、上記(1)に記載のα−シアノアクリレート系接着剤、
(3)該α−シアノアクリレートが次式(I)、
Figure 2005162850

(式中、R1は、炭素数1〜16であって、酸素原子を含む炭素数1〜8の基及び/又はオキソ基若しくはハロ基で置換されていてもよい直鎖、分枝鎖及び/又は環構造を有する飽和又は不飽和の炭化水素基を表す。)で示されるものである、上記(1)又は(2)に記載のα−シアノアクリレート系接着剤、
(4)該直鎖、分枝鎖及び/又は環構造を有する飽和又は不飽和の炭化水素基が、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、アリル基、プロパギル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、テトラヒドロフルフリル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基及びn−ドデシル基よりなる群より選ばれるものである、上記(3)に記載のα−シアノアクリレート系接着剤、
(5)該酸素原子を含む炭素数1〜8の基がアルコキシ基であり、ハロ基がクロロ基又はフルオロ基である、上記(3)又は(4)に記載のα−シアノアクリレート系接着剤、
(6)該アルコキシ基が、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びブトキシ基よりなる群より選ばれるものである、上記(5)に記載のα−シアノアクリレート系接着剤、
(7)R1が、メチル基、エチル基、クロロエチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、アリル基、プロパギル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、テトラヒドロフルフリル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、オキソノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、2−エトキシエチル基、3−メトキシブチル基、2−エトキシ−2−エトキシエチル基、ブトキシ−エトキシエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基又はヘキサフルオロイソプロピル基よりなる群より選ばれるものである、上記(1)〜(6)の何れかに記載のα−シアノアクリレート系接着剤、
(8)該有機シラン化合物が、次式(II)、
Figure 2005162850

(式中、R2は、炭素数1〜16であって、水酸基、ハロ基、ウレイド基、エポキシ基、シアノ基、アミノ基、イソシアネート基及び/又はメルカプト基で置換されていてよい直鎖、分枝鎖及び/又は環構造を有する飽和又は不飽和の炭化水素基を表すか、又は更に該基の内部炭素原子を窒素原子に置き換えてなる若しくは該基中の隣接炭素原子間にアミド結合、エステル結合、ウレタン結合及び/又はスルフィド結合(モノスルフィド結合(−S−)及びジスルフィド結合(−S−S−)を含む)を挿入してなる非イオン性の基を表し、
基X1、X2及びX3何れか2個の基又は3個の基全てが、同一又は異なって、クロロ基、炭素数1〜6のアルコキシ基若しくは炭素数1〜6のアシルオキシ基の何れかを表すか、又は該基中の2個の隣接炭素間にオキシ基(−O−)を挿入してなる基を表し、残りの基があるときは、該残りの基は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で示される化合物、又は次式(III)、
Figure 2005162850

(式中、R3は、炭素数2〜32であって、水酸基、ハロ基、ウレイド基、エポキシ基、シアノ基、アミノ基、イソシアネート基及び/又はメルカプト基で置換されていてよい直鎖、分枝鎖及び/又は環構造を有する飽和又は不飽和の炭化水素基を表すか、又は更に該基の内部の炭素原子を窒素原子に置き換えてなる若しくは該基中の隣接炭素原子間にアミド結合、エステル結合、カーボネート結合、ウレタン結合及び/又はスルフィド結合(モノ−、ジ−、トリ−及びテトラスルフィド結合を含む)を挿入してなる非イオン性の基を表し、
基X4、X5及びX6並びに基X7、X8及びX9は、それぞれ、何れか2個の基又は3個の基全てが、同一又は異なって、クロロ基、炭素数1〜6のアルコキシ基若しくは炭素数1〜6のアシルオキシ基の何れかを表すか、又は該基中の2個の隣接炭素間にオキシ基(−O−)を挿入してなる基を表し、残りの基があるときは、該残りの基は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で示される化合物の何れか、又は双方である、上記(1)〜(7)の何れかに記載のα−シアノアクリレート系接着剤。
本発明のαーシアノアクリレート系接着剤組成物は、従来プライマーで表面改質を行わなければ接着困難であったTPEを、そしてそのうち特に難接着性であったTPOをも、1液のみで、プライマー処理もを必要とせずに確実に接着できるという優れた接着性を有し、しかも保存安定性にも優れ長期保存が可能である。
式(I)で示されるα−シアノアクリレートとしては、何れも同様の接着性を有する類似の性質の多数のものが知られており、本発明においてはそれらを適宜所望により選択して使用することができる。
式(I)において、R1は、好ましくは炭素数1〜16、より好ましくは1〜12、更に好ましくは1〜6であって、酸素原子を含む好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜4の基及び/又はオキソ基若しくはハロ基で置換されていてもよい直鎖、分枝鎖及び/又は環構造を有する飽和又は不飽和の炭化水素基である。
上記において、「酸素原子を含む炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜4の基及び/又はオキソ基若しくはハロ基で置換されていてもよい」とは、そのような基の1個により、又は同一若しくは異なる2個以上の基により置換されていてもよいことを意味する。
式(I)で示されるα−シアノアクリレートの具体例としては、メチルシアノアクリレート、エチルシアノアクリレート、クロロエチルシアノアクリレート、n−プロピルシアノアクリレート、イソプロピルシアノアクリレート、アリルシアノアクリレート、プロパギルシアノアクリレート、n−ブチルシアノアクリレート、イソブチルシアノアクリレート、n−ペンチルシアノアクリレート、n−ヘキシルシアノアクリレート、シクロヘキシルシアノアクリレート、フェニルシアノアクリレート、テトラヒドロフルフリルシアノアクリレート、ヘプチルシアノアクリレート、2−エチルヘキシルシアノアクリレート、n−オクチルシアノアクリレート、n−ノニルシアノアクリレート、オキソノニルシアノアクリレート、n−デシルシアノアクリレート、n−ドデシルシアノアクリレート、2−エトキシエチルシアノアクリレート、3−メトキシブチルシアノアクリレート、2−エトキシ−2−エトキシエチルシアノアクリレート、ブトキシエトキシエチルシアノアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルシアノアクリレート及びヘキサフルオロイソプロピルシアノアクリレート等が挙げられる。これらのα−シアノアクリレートは、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
式(II)又は式(III)で示されるシラン化合物としては、類似の性質の多数のものが知られており、本発明においてはそれらを適宜所望により選択して使用することができる。
式(II)において、R2は、炭素数が好ましくは1〜16、より好ましくは1〜9、更に好ましくは1〜6であって、水酸基、ハロ基、ウレイド基、エポキシ基、シアノ基、アミノ基、イソシアネート基及び/又はメルカプト基で置換されていてよい直鎖、分枝鎖及び/又は環構造を有する飽和又は不飽和の炭化水素基であるか、又は更に該基の内部の炭素原子を窒素原子に置き換えてなる若しくは該基中の隣接炭素原子間にアミド結合、エステル結合、ウレタン結合及び/又はスルフィド結合(モノスルフィド結合(−S−)及びジスルフィド結合(−S−S−)を含む)を挿入してなる非イオン性の基である。
式(II)において、基X1、X2及びX3何れか2個の基又は3個の基全てが、同一又は異なって、クロロ基、炭素数が好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜3のアルコキシ基若しくは炭素数が好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜3のアシルオキシ基の何れかであるか、又は該基中の2個の隣接炭素間にオキシ基(−O−)を挿入してなる基であり、残りの基があるときは、該残りの基は好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。
式(III)において、R3は、炭素数が好ましくは2〜32、より好ましく2〜18、更に好ましくは2〜12、尚も更に好ましくは2〜6であって、水酸基、ハロ基、ウレイド基、エポキシ基、シアノ基、アミノ基、イソシアネート基及び/又はメルカプト基で置換されていてよい直鎖、分枝鎖及び/又は環構造を有する飽和又は不飽和の炭化水素基であるか、又は更に該基の内部の炭素原子を窒素原子に置き換えてなる若しくは該基中の隣接炭素原子間にアミド結合、エステル結合、カーボネート結合、ウレタン結合及び/又はスルフィド結合(モノ−、ジ−、トリ−及びテトラスルフィド結合を含む)を挿入してなる基である。
式(III)において、基X4、X5及びX6並びに基X7、X8及びX9は、それぞれ、何れか2個の基又は3個の基全てが、同一又は異なって、クロロ基、炭素数が好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜3のアルコキシ基若しくは炭素数が好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜3のアシルオキシ基の何れかである、又は該基中の2個の隣接炭素間にオキシ基(−O−)を挿入してなる基であり、残りの基があるときは、該残りの基は好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。
本発明において、有機シラン化合物の具体例としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、(エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、ウレイドプロピルトリメトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、クロロプロピルトリメトキシシラン、クロロプロピルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらの有機シラン化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
α−シアノアクリレート100重量部に対し、シラン化合物を0.0001重量部というごく僅かな量添加することによっても、TPEに対し、そしてとりわけTPOに対しても、非常に優れた接着性を有するα−シアノアクリレート系接着剤を得ることができる。シラン化合物の量がこれ未満であると接着性の改善効果は低下することから、シラン化合部の使用量は、α−シアノアクリレート100重量部に対し0.0001重量部以上であることが好ましい。一方、シラン化合物を0.001重量部、0.01重量部、0.05重量部等と、より多く添加してもよい。但し、0.05重量部を超えて加えなくても接着力改善効果は十分達成されており、過剰に加えると組成物の保存安定性が著しく悪化することから、シラン化合物の添加量は、α−シアノアクリレート100重量部に対し0.05重量部以下とすることが好ましい。
本発明の接着剤には、上記の必須成分のほか、従来のシアノアクリレート系接着剤に用いられている通常の硬化促進剤(ポリアルキレンオキシド及びその誘導体、クラウンエーテル及びその誘導体、シラクラウン化合物等)、安定剤、重合禁止剤、粘度調整剤、可塑剤、着色剤、香料、溶剤等を適宜所望により添加することができる。なお本発明において「有機シラン化合物」というときは、シラクラウン化合物は含まない
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されることは意図しない。
〔製剤例1〜18〕
エチルシアノアクリレート接着剤(シアノンSL、高圧ガス工業株式会社製、実質的に100%エチルシアノアクリレート)100重量部に、表1に示した有機シラン化合物を同表に示した量添加し混合して、製剤例1〜18の本発明による接着剤を調製した。
〔比較例1〜7〕
有機シラン化合物を含まないエチルシアノアクリレート接着剤(シアノンSL)を比較例1として用い、この100重量部に表1に示した有機シラン化合物を5.0重量部添加し混合したものを比較例2〜7の接着剤とした。
〔被着体〕
製剤例及び比較例の各接着剤による接着対象として、下記の(a)〜(e)の熱可塑性エラストマーを用いた。
(a)オレフィン系樹脂(PP)を主成分としオレフィン系ゴム(EPDM)を微分散してなるオレフィン系熱可塑性エラストマー(JSR株式会社製、商品名:EXCELINK、型番:1301B)をシート化して使用した。
(b)オレフィン系樹脂(PP、PE)を主成分としオレフィン系ゴム(EPR、EPDM)を微分散してなるオレフィン系熱可塑性エラストマー(三菱化学株式会社製、商品名:サーモラン、型番:3655N、硬度:65A)をシート化して使用した。
(c)ホモポリプロピレンを主成分としオレフィン系ゴム(EPR)を微分散してなるオレフィン系熱可塑性エラストマー(三菱化学株式会社製、商品名:ゼラス、型番:5013、硬度54D)をシート化して使用した。
(d)スチレンブタジエンゴムを主成分とした熱可塑性エラストマー(三菱化学株式会社製、商品名:ラバロン、型番:SJ6400N、硬度:65A)をシート化して使用した。
(e)ポリエステル系ブロック共重合体を主成分として特殊ゴムを配合したポリエステル系熱可塑性エラストマー(三菱化学株式会社製、商品名:プリマロイ、型番:A1600NS、硬度:67A)をシート化して使用した。
〔接着及び評価方法〕
基材とするシートを、接着面積を2mm×10mmとして各接着剤で貼り合わせた後、基材を破壊することなく基材同士を剥がすことができなくなるまでの時間を記録した。また、接着剤が硬化しているにもかかわらず基材が破壊せずに剥がれてしまったものを評価「×」(接着せず)とした。
〔貯蔵安定性〕
各接着剤20gをプラスチックボトルに充填して密栓し、70℃の雰囲気中で5日間静置した後、接着剤の状態を確認した。液状を保っているものを評価「良好」、ゲル化、硬化等異常が発生したものはその状態を評価結果として記録した。
表1に各製剤例及び比較例のシラン化合物とその添加量及び評価結果を示す。本発明の製剤例1〜18の接着剤は(a)〜(e)の何れの熱可塑性エラストマーシートに対しても優れた接着性を示すと共に、良好な貯蔵安定性を示した。これに対し、シラン化合物不含の比較例1の接着剤は、(a)〜(e)の何れの熱可塑性エラストマーシートに対しても接着性が全くなく、また比較例2〜7のシラン化合物を5.0重量%含有する接着剤は、(a)〜(e)の熱可塑性エラストマーシートに対し接着性は優れているもの保存安定性に欠けるという点で実用上不適格なものであった。
Figure 2005162850

本発明のα−シアノアクリレート系接着剤は、熱可塑性エラストマーを、そして取り分け難接着性のポリオレフィン系熱可塑性エラストマーをも、簡単且つ短時間で強固に接着することができるから、例えば、自動車用ウェザーストリップシール等のように接着面が極めて狭い部品の接着にも有利に用いることができる。

Claims (8)

  1. α−シアノアクリレート100重量部に対して、有機シラン化合物0.0001〜0.05重量部を含有してなることを特徴とする、熱可塑性エラストマー用α−シアノアクリレート系接着剤。
  2. オレフィン系熱可塑性エラストマー用接着剤である、請求項1に記載のα−シアノアクリレート系接着剤。
  3. 該α−シアノアクリレートが次式(I)、
    Figure 2005162850


    (式中、R1は、炭素数1〜16であって、酸素原子を含む炭素数1〜8の基及び/又はオキソ基若しくはハロ基で置換されていてもよい直鎖、分枝鎖及び/又は環構造を有する飽和又は不飽和の炭化水素基を表す。)で示されるものである、請求項1又は2に記載のα−シアノアクリレート系接着剤。
  4. 該直鎖、分枝鎖及び/又は環構造を有する飽和又は不飽和の炭化水素基が、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、アリル基、プロパギル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、テトラヒドロフルフリル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基及びn−ドデシル基よりなる群より選ばれるものである、請求項3に記載のα−シアノアクリレート系接着剤。
  5. 該酸素原子を含む炭素数1〜8の基がアルコキシ基であり、ハロ基がクロロ基又はフルオロ基である、請求項3又は4に記載のα−シアノアクリレート系接着剤。
  6. 該アルコキシ基が、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びブトキシ基よりなる群より選ばれるものである、請求項5に記載のα−シアノアクリレート系接着剤。
  7. 1が、メチル基、エチル基、クロロエチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、アリル基、プロパギル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、テトラヒドロフルフリル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、オキソノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、2−エトキシエチル基、3−メトキシブチル基、2−エトキシ−2−エトキシエチル基、ブトキシ−エトキシエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基又はヘキサフルオロイソプロピル基よりなる群より選ばれるものである、請求項3ないし6の何れかに記載のα−シアノアクリレート系接着剤。
  8. 該有機シラン化合物が、次式(II)、
    Figure 2005162850


    (式中、R2は、炭素数1〜16であって、水酸基、ハロ基、ウレイド基、エポキシ基、シアノ基、アミノ基、イソシアネート基及び/又はメルカプト基で置換されていてよい直鎖、分枝鎖及び/又は環構造を有する飽和又は不飽和の炭化水素基を表すか、又は更に該基の内部炭素原子を窒素原子に置き換えてなる若しくは該基中の隣接炭素原子間にアミド結合、エステル結合、ウレタン結合及び/又はスルフィド結合(モノスルフィド結合(−S−)及びジスルフィド結合(−S−S−)を含む)を挿入してなる非イオン性の基を表し、
    基X1、X2及びX3何れか2個の基又は3個の基全てが、同一又は異なって、クロロ基、炭素数1〜6のアルコキシ基若しくは炭素数1〜6のアシルオキシ基の何れかを表すか、又は該基中の2個の隣接炭素間にオキシ基(−O−)を挿入してなる基を表し、残りの基があるときは、該残りの基は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で示される化合物、又は次式(III)、
    Figure 2005162850


    (式中、R3は、炭素数2〜32であって、水酸基、ハロ基、ウレイド基、エポキシ基、シアノ基、アミノ基、イソシアネート基及び/又はメルカプト基で置換されていてよい直鎖、分枝鎖及び/又は環構造を有する飽和又は不飽和の炭化水素基を表すか、又は更に該基の内部の炭素原子を窒素原子に置き換えてなる若しくは該基中の隣接炭素原子間にアミド結合、エステル結合、カーボネート結合、ウレタン結合及び/又はスルフィド結合(モノ−、ジ−、トリ−及びテトラスルフィド結合を含む)を挿入してなる非イオン性の基を表し、
    基X4、X5及びX6並びに基X7、X8及びX9は、それぞれ、何れか2個の基又は3個の基全てが、同一又は異なって、クロロ基、炭素数1〜6のアルコキシ基若しくは炭素数1〜6のアシルオキシ基の何れかを表すか、又は該基中の2個の隣接炭素間にオキシ基(−O−)を挿入してなる基を表し、残りの基があるときは、該残りの基は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で示される化合物の何れか、又は双方である、請求項1ないし7の何れかに記載のα−シアノアクリレート系接着剤。
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