JP2005161322A - 硬質材料の加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 硬質材料にレーザを照射して開口を設ける方法であって、材料の表面と裏面における加工端面の品質が均一となり、かつ短時間で効率よく加工できる方法を提供すること。
【解決手段】 硬質材料に開口を形成する方法であって、前記材料の一面側から前記開口の形状にレーザを照射することにより、前記材料を貫通しない第1の溝を、前記材料の一面に対して略垂直な方向に形成する第1の加工工程と、前記材料の他面側から、前記第1の溝に対応させてレーザを照射することにより、第1の溝の少なくとも底部に到達する第2の溝を、前記材料の他面に対して略垂直な方向に形成する第2の加工工程と、を含む方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、硬質材料を所定の加工形状に加工する方法に関する。
従来より、硬質材料に開口を形成する方法として、回転砥石やドリルを用いる機械的加工方法が用いられている。
開口を形成するような加工が必要となる硬質材料の一例として、サファイアガラスが挙げられる。サファイアガラスは人工サファイアを用いたガラスで、傷がつきにくく透明度が高いことから高級時計のカバーガラス等に利用されている。時計のカバーガラスはデザインに合わせた形状が必要とされることが多く、現在は主に超音波加工機により加工されている。
機械的加工方法は、一般に加工速度が速い一方で、微細加工には適さない。例えば、ドリル等の工具の直径はある程度以上細くするのが困難であるため、隅角部を形成するとコーナー半径が生じてしまうのを避けられない。
また、上述のサファイアガラスを加工する場合には、超音波加工も用いられているが、加工装置の磨耗が激しいため、コストが高くなる。
そこで、本発明は、硬質材料に所定の加工形状を加工する方法であって、加工速度が速く、微細加工が可能で、かつ低コストな方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る硬質材料を所定の加工形状に加工する方法は、材料の一面側から加工形状のへりに沿ってレーザを照射することにより、材料を貫通しない第1の溝を、材料の一面に対して略垂直な方向に形成する第1の加工工程と、材料の他面側から、第1の溝に対応させてレーザを照射することにより、第1の溝の少なくとも底部に到達する第2の溝を、材料の他面に対して略垂直な方向に形成する第2の加工工程と、を含む。
本発明者らが、硬質材料をレーザで加工する方法について種々の条件で試験したところ、同じ領域に繰り返しレーザを照射すると、初めのうちは走査回数に略比例して溝の深さが深くなっていくが、ある程度の走査回数を超えると、加工速度が飽和、すなわち加工される溝の深さが走査回数に比例しなくなり、走査を繰り返しても加工が進まなくなることを見出した。従って、加工対象の厚みによっては、溝が裏面まで達しないこともある。加工速度が飽和する現象は、レーザの焦点位置を加工対象の表面に固定した場合は勿論、焦点位置を徐々に深い位置に移動させていった場合も同様に起こった。
本発明に係る方法によれば、第1の溝と第2の溝の深さの合計が硬質材料の厚み以上になれば貫通溝を形成することができるので、一面側のみからレーザを照射して貫通溝を形成する場合よりも、一回に形成する溝は浅くてよい。上述のようにレーザ照射による加工の場合、溝がある程度の深度に達すると走査を繰り返しても加工が進みにくくなるので、形成する溝の深さが二分の一になれば、加工時間は二分の一よりも大きく短縮することができる。
また、一般にレーザを照射して加工すると、照射面に比較して非照射面の加工品質が劣るが、本発明の方法によれば、両面からレーザを照射するので非照射面の加工品質が落ちることもなく、両面において均一でなめらかな加工端面を得ることができる。
なお、本発明に係る方法で加工する「硬質材料」はレーザ加工に適するものであれば特に限定されず、例えば、金属、ガラス、樹脂、セラミックスなどが挙げられる。特に本発明に係る方法は、ダイヤモンドに次ぐ硬さを持つことで知られるサファイアガラスの加工に好適である。
本発明において「所定の加工形状」とは、板状の硬質材料に略垂直な貫通溝を形成することによって成形される形状であればよく、特に限定されない。一枚の硬質材料を複数の断片に切断する加工方法や、硬質材料に開口を設ける加工方法も、本発明に係る方法に含まれる。
本発明に係る方法において、レーザのパワーは、加工対象材料における、レーザの走査回数と加工溝深さとの関係に基づいて、第1の溝または第2の溝の深さがその材料の厚さの二分の一以上になるように決定することが好ましい。
一定領域に繰り返しレーザを照射する場合、走査回数と加工溝深さが比例する範囲における溝の深さの最大値は、照射するレーザのパワーに依存する。従って、この最大値が加工対象材料の厚さの二分の一以上になるようにレーザのパワーを決定すれば、第1の溝と第2の溝により当該材料を貫通する溝を高効率に形成することができる。
また、本発明に係る方法は、加工形状が隅角部を有する場合、第1の加工工程の前に、隅角部にコーナー半径を有する形状を形成する粗加工工程を含むことも好ましい。かかる方法によれば、粗加工工程によって前記形状を高速に形成することができる。そしてこの粗加工工程で形成されたコーナー半径の2つの接線に沿って両線の交点まで第1の溝を形成し、第1の溝に対応させて第2の溝を形成することによって、高精度な加工端面を有し、コーナー半径が除去された隅角部、または極めてコーナー半径の小さい隅角部を形成することができる。
また、本発明に係る方法は、粗加工工程を、レーザの照射よりも加工速度が速い機械的手段によって行うことが好ましい。機械的手段とレーザの両方を組合せて用いることによって、高速かつ低コストで大量生産に適するという機械的手段の長所を維持しながら、マイクロクラックが生じやすい、比較的大きなコーナー半径が残ってしまうといった短所を第1および第2の加工工程によって補い、両面において高品質な加工を行うことが可能となる。
また、本発明にかかる方法は、第2の加工工程の後、加工端面をエッチングにより仕上げ加工する工程を含むことが好ましい。これにより、レーザ加工後のデブリや、開口内の壁面の変質層を除去することができ、母材が表面に現れるため強度が高くなる。
また、本発明にかかる方法は、硬質材料が、厚さ500μm以上、特に600μm以上のサファイアガラスである場合に特に好適である。サファイアガラスはダイヤモンドに次ぐ硬さを持つことで知られ、比較的高エネルギーのレーザを照射しても、走査回数と溝深さとが比例する範囲における深さの最大値は500μm程度である。従って、厚さが600μm以上の場合は、本発明に従って、第1の溝と第2の溝を形成する方法が特に効果的である。
本発明は、本発明に係る加工方法を用いて所定の加工形状に加工されたサファイアガラスも含む。かかるサファイアガラスは、加工品質が高く、微細な加工が施すことができるので、電子機器やアクセサリ等、様々な用途に用いることができる。
本発明はまた、隅角部を有する加工形状に形成されたサファイアガラスであって、サファイアガラスの両面において隅角部のコーナー半径が0.3mm未満、好ましくは0.1mm未満であるサファイアガラスを包含する。ドリル等を用いる機械的加工方法のみによって隅角部を成形すると、工具の直径を1mm未満とすることが困難なため、コーナー半径が0.5mm程度生じてしまうのを避けられない。これに対し、本発明に係る方法によれば、レーザによる微細加工が可能となり、レーザ照射面と非照射面の両方においてコーナー半径を0.1mm未満とすることができる。
本発明はさらに、上記サファイアガラスを備えた時計も含む。サファイアガラスは時計のデザインに応じて、例えば多面的にカットされたような形状が求められることもあるが、その硬さゆえに研磨等の機械加工では思い通りの形状に加工することが困難である。そこで、サファイアガラスに開口を設けて、別のサファイアガラス、または他の材料を嵌め込むことによってデザインの自由度を上げることが行われている。かかる場合に、本発明に係るサファイアガラスは、隅角部が鋭く、加工端面がなめらかに形成され、裏表において均一な加工品質を有するので、別の部材を嵌め込みやすく、デザイン性の高い時計のカバーガラスとして好適である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態における、硬質材料を所定の加工形状に加工する方法を示す概略図である。本実施形態では、特に板状の硬質材料に開口を形成する方法を例に挙げて説明する。
(粗加工工程)
まず、図1(a)に示すように、硬質材料10にコーナー半径Rを有する開口11を形成する。開口11を形成する手段は特に限定されず、回転砥石等の工具を用いる方法、砥粒を噴射するマイクロブラスト法等が挙げられるが、加工速度が速く、加工コストも安いドリルが好ましい。
これらの手段によると、通常、開口11の隅角部にはコーナー半径R12が生じる。「コーナー半径が生じる」とは、隅角部13に、形成したい開口の形状から扇形を除いた部分14が残ってしまうことを意味し、この扇形の半径12をコーナー半径と呼ぶ。コーナー半径が小さいほど鋭い隅角部となるが、コーナー半径は粗加工工程に用いる工具の半径によって決まり、例えば、直径1mmのドリルを用いて開口を形成すると、コーナー半径は0.5mm程度となる。
(微細加工工程)
次に、図1(b)に示すように、粗加工工程に用いた手段よりも加工精度の高い手段によって、粗加工工程で形成されたコーナー半径の2つの接線に沿って両線の交点まで前記開口を拡張する。
本工程に用いる手段は特に限定されず、超音波加工法、電子ビーム、イオンビーム、レーザ光等のエネルギービームを用いる加工方法などが挙げられるが、比較的安価で操作性が良いレーザ光が好ましい。レーザとして、微細加工に適するKrFエキシマレーザ、TEA−CO2レーザ、YAGレーザ第2高調波(例えばλ=532nm)等を使用することが挙げられるが、これらに限定されない。
例えば、YAG第2高調波を用い、硬質材料としてサファイアガラス(厚さ0.8mm)を加工する場合、以下の条件とすればよい。
発振器電流値:28A
Qスイッチ発振周波数:1kHz
レーザパワー:〜1W
対物レンズ:f=100mm
焦点位置:ワーク表面ジャストフォーカス
スポット径:〜30μm
ステージ速度:1mm/s
図2に、上記の条件で1mm四方の開口を形成したサファイアガラスの写真を示す。開口の4つの隅角部には、レーザ光のスポット径に応じてコーナー半径rが生じるが、図2に示された半径0.5mmの円と比べればわかるように、rはRに比較して無視できるほど小さい。本発明に係る方法によれば、サファイアガラスにコーナー半径が0.1mm未満である開口を形成することができる。
(エッチング)
微細加工工程後、微細加工により生じたデブリや壁面の変質層をエッチングによって除去し、仕上げ加工してもよい。エッチング方法は特に限定されないが、ウェットエッチングが好ましく、中でもHFエッチングが好適である。仕上げ加工により、加工端面を滑らかにすることができるとともに、母材が表面に現れるために強度を高くすることができる。
(時計)
図3(a)に、上記方法で加工されたサファイアガラスを用いた時計30を示す。時計のカバーガラスは、文字盤と平行な面32と、面32に対して一定角度をなす4つの面34の5つの面からなる。
図3(b)に図3(a)の線I−Iで切断した場合の部分断面図を示す。サファイアガラス32と34とでは厚さが異なり、文字盤38を囲む枠36に嵌め合わせられる構成になっている。かかる構成を、一枚のサファイアガラスから研磨等により成形するのは非常に困難であるが、本発明に係る加工方法を用いれば以下に示すように作製することができる。
図4(a)から(e)にカバーガラスの製造工程の概略図を示す。
まず、図4(a)に示すサファイアガラスの板40を用意し、図4(b)に示すように、砥石による研磨によって4つの斜面34を形成する。続いて図4(c)に示すように、粗加工工程として、比較的大きいコーナー半径を有する開口42を、ドリルにより高速で形成する。
次に、図4(d)に示すように、微細加工工程によってコーナー半径を除去、または微小化する。条件は上述した微細加工工程の説明の通りとすることができる。続いて、開口42と同一形状の水平断面を有するサファイアガラス32を嵌め込み、目的のカバーガラスが得られる。
上記方法によれば、一枚のサファイアガラスにカットを施したようなデザイン性の高いカバーガラスを簡易な方法で製造することができる。さらに、最後に嵌め込むサファイアガラス44として、サファイアガラス40より薄いものを用いることにより、サファイアガラス32と文字盤38に挟まれた空間に針等を配置することができるので(図3(b)参照)、全体として薄い時計を形成することが可能となる。
<第2の実施形態>
図5は、本発明の第2の実施形態における、硬質材料に隅角部を有する開口を形成する工程の概略を説明する図であるが、理解しやすいよう、開口の略中央で切断した断面図を示している。
(第1の加工工程)
まず、図5(a)に示すように、硬質材料50の面52側から、開口の形状にレーザ51を照射して、材料を貫通しない溝56を面52に対して略垂直な方向に形成する。用いるレーザとしては、微細加工に適するKrFエキシマレーザ、TEA−CO2レーザ、YAGレーザ第2高調波(λ=532nm)等が挙げられるがこれらに限定されない。
(第2の加工工程)
続いて、同図(b)に示すように硬質材料50の面54側から、溝56に対応する位置にレーザ51を照射することにより、面54に対して略垂直な方向に溝58を形成する。溝58を少なくとも溝56の底部に到達するよう形成することによって、硬質材料50の中央に位置する部分60が他の部分から切り離され、開口を形成することができる。
面54側からレーザを照射するためには、例えば、面52側からレーザを照射して溝56を形成した後、レーザ装置のステージ上で硬質材料50を反転させればよい。硬質材料として透明な材料を用いる場合には、面54側からレーザを照射する際に、先に形成された溝56をアラインメントに利用することができるので、アラインメント用マークをつけることなく容易に加工できる。
上述のように、レーザを一定領域に繰り返し照射して加工する場合、一般に走査回数が多くなると、加工速度が飽和し、加工される溝の深さが走査回数に比例しなくなることが発明者の行った試験によりわかった。一例として、図6に、硬質材料としてサファイアガラスを用いた場合の、走査回数と加工溝の深さの関係を示す。それぞれ、レーザパワーを0.5W、1.0W、1.4Wにして測定した結果を示すが、いずれの場合も、走査回数が多くなるほど加工速度が遅くなり、加工効率が悪化する現象が見られる。
図6から、走査回数と加工溝深さとが比例するのは、走査回数が0〜20回の間であることがわかり、この回数の範囲で照射すれば効率よく溝を形成できると考えられる。レーザパワーが0.5Wの場合、走査回数20パスで溝の深さは約230μm、1.0Wの場合約500μm、1.4Wの場合約500μmである。
本発明に係る方法では、第一の溝および第二の溝のいずれかが硬質材料の厚さの二分の一以上である必要がある。従って、サファイアガラスの場合、走査回数が20パスなるまでに、材料の厚さの二分の一に達するレーザパワーを選択して、照射すればよい。例えば、サファイアガラスの厚みが400μm程度の場合は、0.5Wのレーザを両面から照射して加工し、800μm〜900μm程度の場合は1.0または1.4Wのレーザを両面から照射して加工すると高効率に加工できることがわかる。
図7に、810μmのサファイアガラスを、1Wのレーザ(YAG第2高調波)で加工した結果を示す。予想通り、一面側から20パス、他面側から20パスの計40パスで溝が貫通することが確認された。加工条件は以下の通りである。
使用波長:YAG第2高調波(λ=532nm)
発信器電流値:28A
Qスイッチ発振周波数:1kHz
レーザパワー:〜1W
対物レンズ:f=100mm
焦点位置:ワーク表面ジャストフォーカス
スポット径:〜30μm
ステージ速度:1mm/s
加工雰囲気:大気中
深さ810μmの溝を長さ1mmに渡って形成するのに、40パス=40秒かかったことから、
810μm×1000μm=810000μm2
の面積を40秒で加工したことになり、加工レートは、
810000μm2/40sec=20250μm2/s
と計算される。
本発明にかかる方法によれば、硬質材料の両面からレーザを照射するので、両面において均一かつ良質な加工端面が得られる。
(粗加工工程)
硬質材料に、比較的大きな、隅角部を有する開口を形成したい場合は、第1の加工工程の前に、隅角部にコーナー半径を有する開口を形成してもよい。本工程の好適な条件等は、上述の第1の実施形態における粗加工工程の場合と同様であり、ここでは説明を省略する。
(エッチング)
微細加工工程後、エッチング法による仕上げ加工をしてもよい。本工程の好適な条件等も、上述の第1の実施形態における粗加工工程の場合と同様であり、ここでは説明を省略する。
(時計)
上述の第1の実施形態と同様に、第2の実施形態に係る方法によって開口を形成してもカバーガラスを製造することができる。その際、図3(d)に示す工程で、サファイアガラス40の面41側から第1の溝を形成し、面43側から第2の溝を形成することができる。第2の実施形態に係る方法によれば、両面において均一な加工品質が得られ、サファイアガラス32を嵌め込む際に好適である。他の工程については、第1の実施の形態の場合と同様であり、ここでは説明を省略する。
比較例
次に、比較例として、上記で用いた厚さ810μmのサファイアガラスに、一面側からのみレーザを照射して加工した結果を示す。
図8にサファイアガラスの一面側からのみレーザを照射した場合の加工断面の写真を示す。レーザの焦点はサファイアガラス表面に固定したまま、走査を繰り返した。レーザ照射の条件は、上述した第2の実施形態と同一である。
走査回数が20パスを超えると、走査回数による溝の深さの変化はわずかになり、100パス照射しても貫通溝が形成できない。最終的に、約1000パス=約1000秒で1mm長さの貫通溝を形成することができ、67分を要した。従って、加工レートは、
810000μm2/1000sec=810μm2/s
と計算される。
図9(a)〜(g)および、図10(a)〜(g)に一面側からレーザを照射して形成された開口の、当該一面および他面側の光学顕微鏡写真とSEM写真を示す。
図9および図10の加工条件を表1に示す。
Figure 2005161322
テーブル速度が遅い方(図9)が比較的なめらかな加工端面を得られるものの、いずれにおいても、非照射面の加工端面にはデブリが多く見られ、照射面よりも加工品質が劣っている。
図11は、走査回数10パスごとに、レーザの焦点位置を200μmずつ下げて加工を行った結果の断面である。各焦点位置が点線で示されている。この結果からわかるように、焦点位置を下げていっても20パス以上では、溝の加工速度が飽和する傾向が見られ、走査を繰り返すほど加工効率が悪化する。また、走査回数が30パス以降では、レーザの出射側にも溝が形成された。レーザ照射面に形成された溝と、出射側に形成された溝は同一線上になく、貫通溝は形成されなかった。
以上説明したように、本発明に係る第2の実施形態によれば加工レートは20250μm2/sであり、加工レートが810μm2/sである比較例に対して、25倍の速さで貫通溝を形成することができる。また、材料の両面で加工品質のばらつきがなく、いずれの面もデブリが少ない良好な開口を形成できる。さらに、レーザで加工することにより隅角部を有する開口を形成する場合もコーナー半径が生じることもない。
なお、本発明は上述した各実施形態の内容に限定されることなく、本発明の要旨の範囲内で種々に変形、変更して実施することが可能である。例えば、上述した実施形態では、開口を形成したサファイアガラスを、時計のカバーガラスに用いたが、サファイアガラスの用途はこれに限られるものではない。また、本発明に係る方法は、サファイアガラス以外の硬質材料にも当然用いられる。また形成された開口には、同材料のものを嵌め込んでも、他の物質を嵌め込んでもよく、嵌め込まずに開口のままとして利用してもよい。
第1の実施形態の硬質材料に開口を形成する方法を説明する図である。 第1の実施形態の方法で加工したサファイアガラスの顕微鏡写真である。 図3(a)は第1の実施形態に係る時計を、(b)は(a)を線I−Iで切断をした場合の部分断面図を示す。 第1の実施形態のサファイアガラスの製造工程を示す概略図である。 第2の実施形態の加工方法を示す説明する図である。 レーザの走査回数と加工溝深さとの関係を示す図である。 材料の両面からレーザを照射して貫通溝を形成したことを示す写真である。 材料表面に焦点を固定して繰り返しレーザ照射した結果を示す顕微鏡写真である。 テーブル速度0.1mm/sでサファイアガラスの一面側からレーザ照射して加工した結果を示す顕微鏡写真およびSEM写真である。 テーブル速度1mm/sでサファイアガラスの一面側からレーザ照射して加工した結果を示す顕微鏡写真およびSEM写真である。 走査回数10パスごとにレーザの焦点位置を200μmずつ下げて加工した結果を示す顕微鏡写真である。
符号の説明
10、50…硬質材料、11、42…開口、12…コーナー半径R、13…隅角部、30…時計、32、34、40…サファイアガラス、34…サファイアガラス、36…枠、38…文字盤、56、58…溝

Claims (9)

  1. 硬質材料を所定の加工形状に加工する方法であって、
    前記材料の一面側から前記加工形状のへりに沿ってレーザを照射することにより、前記材料を貫通しない第1の溝を、前記材料の一面に対して略垂直な方向に形成する第1の加工工程と、
    前記材料の他面側から、前記第1の溝に対応させてレーザを照射することにより、第1の溝の少なくとも底部に到達する第2の溝を、前記材料の他面に対して略垂直な方向に形成する第2の加工工程と、を含む加工方法。
  2. 前記レーザのパワーは、前記材料における、レーザの走査回数と加工溝深さとの関係に基づいて、前記第1の溝または第2の溝の深さが前記材料の厚さの二分の一以上になるように決定される、請求項1に記載の加工方法。
  3. 前記加工形状が隅角部を有する場合であって、第1の加工工程の前に、隅角部にコーナー半径を有する形状を形成する粗加工工程を含む、請求項1または2に記載の加工方法。
  4. 前記粗加工工程を、レーザの照射よりも加工速度が速い機械的手段によって行う、請求項3に記載の加工方法。
  5. 前記第2の加工工程の後、加工端面をエッチングにより仕上げ加工する工程を含む、請求項請求項1から4のいずれか1項に記載の加工方法。
  6. 前記硬質材料が、厚さ600μm以上のサファイアガラスである、請求項1から5のいずれか1項に記載の加工方法。
  7. 請求項1から5のいずれか1項に記載の加工方法を用いて所定の加工形状に加工されたサファイアガラス。
  8. 隅角部を有する加工形状に加工されたサファイアガラスであって、前記サファイアガラスの両面において前記隅角部のコーナー半径が0.1mm未満であるサファイアガラス。
  9. 請求項8に記載のサファイアガラスを備えた時計。

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