JP2005161282A - 塗料飛散防止装置 - Google Patents

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正晴 財間
Akinori Yano
哲憲 矢野
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Abstract

【課題】船舶の船腹等の被塗装面を塗装する際に、残滓塗料の飛散を阻止することができる塗料飛散防止装置を提供する。
【解決手段】本発明の塗料飛散防止装置10は、装置本体40に設けられるとともに被塗装面に向けて塗料を噴射するノズル42と、被塗装面を包囲するように装置本体40に設けられるとともにエア噴射部62及びエア吸引部64から構成され、エア噴射部62から被塗装面に向けて噴射されたエア及びノズル42から噴射された塗料の残滓塗料をエア吸引部64から吸引することにより被塗装面の周囲にエアカーテンを形成するエアカーテン形成装置44とからなる。
【選択図】 図3

Description

本発明は塗料飛散防止装置に係り、特に造船所のドックに収容された船舶を塗装する際に使用する塗料飛散防止装置に関する。
造船所のドックに収容された船舶の船腹を塗装する場合、従来ではブーム式高所作業車(例えば、特許文献1)を使用して実施している。ブーム式高所作業車は、起伏、伸縮及び旋回可能なブームを搭載した自走車両であり、ブームの先端に設けられた作業台に、有機溶剤保護具を装着した作業者が搭乗し、作業者が塗料噴射ノズルを操作して船腹に塗料を噴射する。また、特許文献2には、ブーム先端の作業台に作業者が搭乗し、橋梁の塗装作業を行う作業装置が開示されている。
特開平7−237155号公報 特開平10−182085号公報
ところで、船腹の塗装作業は、一般的に屋外で実施されるため、塗料噴射ノズルから噴射された塗料のうち残滓塗料が大気に飛散するという問題があった。残滓塗料の飛散問題は、船腹を塗装する塗装装置に限らず、車両ボディや建築物の外壁を塗装する塗装装置においても取り上げられている。よって、残滓塗料の飛散を積極的に阻止することができる塗料飛散防止装置が従来から望まれていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、残滓塗料の飛散を阻止することができる塗料飛散防止装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、装置本体に設けられるとともに被塗装面に向けて塗料を噴射するノズルと、前記被塗装面を包囲するように前記装置本体に設けられるとともにエア噴射手段及びエア吸引手段から構成され、前記エア噴射手段から被塗装面に向けて噴射されたエア及び前記ノズルから噴射された塗料の残滓塗料を前記エア吸引手段から吸引することにより被塗装面の周囲にエアカーテンを形成するエアカーテン形成手段と、を備えたことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、ノズルから被塗装面に向けて噴射された塗料の残滓塗料は、被塗装面を包囲するように配置されたエアカーテン形成手段によるエアカーテンにより、そのエアカーテンとフード状の装置本体と被塗装面とによって囲まれた空間からの飛散が阻止される。また、この空間内に閉じ込められた残滓塗料は、エアカーテン形成手段のエア吸引手段によって吸引され、その空間から除去される。更に、エア吸引手段に、吸引したエアの動圧を下げるため(吸引したエアの速度を落とすため)の邪魔板を設け、邪魔板の下流側に塗料除去フィルタを設けることにより、塗料除去フィルタをエアの動圧で破損させることなく、吸引した残滓塗料を効率よく塗料除去フィルタによって除去できる。なお、船腹用に使用される塗料は、有機溶剤として速乾性の高いシンナーが一般に使用されているため、残滓塗料は液体から粉体(ダスト状)に瞬時に変化する。よって、粉体に変化した残滓塗料は、塗料除去フィルタによって除去され易い。また、塗料除去フィルタの後段に水タンクを設け、吸引したエアを水タンクの水に通過させることにより、塗料除去フィルタを通過した微小な残滓塗料までも除去できる。
請求項2に記載の発明によれば、前記ノズルは、前記装置本体に移動自在に設けられることにより前記被塗装面に対する距離が調整され、前記エアカーテン形成手段のエア噴射手段及びエア吸引手段は、矩形の枠状に構成されるとともに互いに直交する2軸方向に伸縮自在及び前記2軸に直交する1軸に対して相対的に移動自在に構成され、前記エアカーテン形成手段の前記エア噴射手段は、前記装置本体に揺動自在に設けられることにより前記被塗装面に対するエア噴射角が調整されることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、塗料の原料や有機溶剤の混合割合等によって残滓量及び残滓塗料のパーティクルの大きさに違いが生じることに着目してなされたものである。このような相違により飛散阻止を達成する適性値は塗料の種類によって異なる。そこで、適性値を設定するための要件である、被塗装面に対するノズルの距離、エアカーテン形成手段のエア噴射手段及びエア吸引手段の位置、及びエア噴射手段の被塗装面に対するエア噴射角をそれぞれ調整自在とし、これらの要件を塗料の種類に応じた適性値に設定する。したがって、塗料の種類の変更に伴って、その塗料に応じた適性値に前記要件を設定することにより、残滓塗料の飛散を確実に阻止することができる。
請求項3に記載の発明によれば、前記エアカーテン形成手段のエア噴射手段は複数に分割され、分割された複数のエア噴射手段毎に噴射されるエア流量又はエア圧が調整手段によって制御されることを特徴としている。塗料飛散防止装置は被塗装面に沿って移動しながら被塗装面を塗装していくが、塗料飛散防止装置の進行方向の後側の塗装面は、塗装直後にエアカーテン用エアを受け、このエア圧によって塗装ムラができるという不具合が生じる。これを防止するために、エアカーテン形成手段のエア噴射手段を複数に分割し、分割された複数のエア噴射手段毎に噴射されるエア流量又はエア圧を調整手段によって制御する。すなわち、塗料飛散防止装置の進行方向の後側に位置するエア噴射手段のエア量又はエア圧を低くする。これにより、前記塗装ムラを防止できる。
請求項4に記載の発明によれば、前記エアカーテンによって包囲された前記被塗装面の外方近傍に塗料センサが配置され、前記塗料センサによって検出された情報に基づいて前記エアカーテン形成手段を制御する制御手段が設けられたことを特徴としている。パーティクルカウンタ等の塗料センサを配置し、塗料センサによってカウントされたダスト状残滓塗料のパーティクル数に基づき、パーティクル数が所定の個数以下(例えばゼロ個)となるようにエアカーテン形成手段の噴射エア量又は噴射エア圧、及び吸引風量を制御手段によってフィードバック制御する。これにより、残滓塗料の飛散を最小限に抑えることができる。
以上説明したように本発明に係る塗料飛散防止装置によれば、被塗装面を包囲するように配置されたエアカーテン形成手段によるエアカーテンにより残滓塗料の飛散を阻止するとともに、この残滓塗料をエアカーテン形成手段のエア吸引手段によって吸引し除去したので、残滓塗料の飛散を阻止できる。
以下添付図面に従って本発明に係る塗料飛散防止装置の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明の実施の形態である塗料飛散防止装置10が、ドック12に収容された船舶14の船腹塗装装置として適用された例を示す上面図である。塗料飛散防止装置10は、船腹16を塗装する際に作業者の足場となるドック用可動作業ユニット18の作業台20(図2参照)に設置される。このドック用可動作業ユニット18は、図1の如くドック壁22に沿って横行できる構造とされ、このため、ドック壁22にガイドレール24が水平方向に敷設され、このガイドレール24に沿って横行可能に構成されている。
なお、ドック用可動作業ユニット18の詳細な構造については、本願出願人が特願2002−145872号明細書において既に提案しているため、ここでは構造の詳細な説明は省略し概略を説明する。
このドック用可動作業ユニット18は、図2の如くガイドレール24に係合する車輪を備えた移動手段26、移動手段26が取り付けられた横行ポスト28、横行ポスト28に昇降自在に設けられた昇降ポスト30、昇降ポスト30を昇降移動させるジャッキ32、昇降ポスト30に水平方向に伸縮自在に延設された伸縮ポスト34、及び伸縮ポスト34の先端に設けられた作業台20等から構成される。作業台20に設置された塗料飛散防止装置10は、横行ポスト28の横行動作、昇降ポスト30の昇降動作、及び伸縮ポスト34の伸縮動作によって、図1の船腹16の被塗装面に対向する位置に移動され、被塗装面の塗装が行われる。
塗料飛散防止装置10は、図2の如くフード状に構成された装置本体40と、図3に示すノズル42及びエアカーテン形成装置44とから構成される。
装置本体40は、図2の如く箱型に形成された基部40Aが作業台20に固定され、その先端部40Bには拡開された開口部(以下、先端開口部40Bと称する)が形成されている。この先端開口部40Bの所定の位置にノズル42及びエアカーテン形成装置44が配置される。
ノズル42は、直棒状に形成され、開口輪郭が矩形である先端開口部40Bの中心軸に沿って配置されている。また、ノズル42の本体43は、スライド板46の上面に固定され、このスライド板46の下面にはラック48が取り付けられている。更に、ラック48にはピニオン50が噛合され、このピニオン50はモータ52の出力軸53に連結されている。モータ52は、塗料飛散防止装置10全体を統括制御するコントローラ(調整手段、制御手段)54によって駆動制御されている。したがって、コントローラ54によってモータ52が正転/逆転駆動されると、ピニオン50とラック48との送り作用によってノズル42が先端開口部40Bの中心軸に沿って往復移動される。このようにノズル42の送り移動量をコントローラ54によって制御することにより、船腹16に対するノズル42の図4に示す離間位置aが調整される。
ノズル42には、ホース56を介して噴流ポンプ58が接続され、噴流ポンプには、船舶塗料が充填されたタンク60が接続されている。噴流ポンプ58が駆動されると、タンク60に充填された船舶塗料が吸引され、この船舶塗料は噴流となってノズル42にホース56を介して圧送され、ノズル42から船腹16に向けて噴射される。噴流ポンプ58及びタンク60は、図2の如くともに作業台20に搭載されて装置本体40に近接され、船舶塗料圧送時に生じる圧力損失の低減が図られている。
図3の如くエアカーテン形成装置44は、エア噴射部(エア噴射手段)62、及びエア吸引部(エア吸引手段)64から構成される。
エア噴射部62は、ノズル42を中心とした矩形の枠体であり、船腹16の被塗装面を矩形状に包囲するように構成される。
エア噴射部62は、上下左右に配置された4本の主管66、66…、及び隣接する主管66、66を接続する4本のエルボ管68、68…を有している。主管66及びエルボ管68には、軸方向に沿ってエア噴射孔70、70…が所定の間隔をもって形成されている。また、主管66及びエルボ管68は、不図示のパッキンを介して軸方向に摺動自在に連結されるとともに、図3で破線で示す如く主管66内にエルボ管68の直管部が挿入配置されている。これにより、上下左右に配置された主管66、66…はエルボ管68に対して相対的に摺動し、図5の二点鎖線で示す如く、その姿勢を保持した状態で上方(Z軸方向)、下方(Z軸方向)、左方(X軸方向)、右方(X軸方向)にスライド移動することができる。この移動によって4本の主管66と4本のエルボ管68とで形成される矩形の枠体は、図3に示した矩形の枠体よりも開口面積が大きくなる。これにより、エア噴射部62によって被塗装面を包囲する面積が、図3の面積から図5の面積の範囲で調整可能となっている。
なお、4本の主管66及び4本のエルボ管68は、図3の位置から図5の位置の範囲で移動できるように、図2に示した装置本体40に不図示の支持機構を介して移動自在に支持されている。また、主管66及びエルボ管68の前記移動は、手動で実施してもよく、別途設けたアクチュエータによる動力で実施してもよい。この場合、アクチュエータをコントローラ54によって制御し、主管66及びエルボ管68の移動量を制御することによって、被塗装面を包囲する面積を自動で調整できる。この調整によって、図4に示す上下及び左右の主管66、66間の距離bを調整できる。更に、エア噴射部62は、装置本体40に設けられた不図示の進退装置によって前後方向(Y軸方向)に移動される。これによって、エア噴射部62のエア吸引部64に対する前後方向位置cが調整される。前記進退装置は、コントローラ54によって制御されている。
また、主管66は、エルボ管68に対して所定のフリクションをもって回動自在に支持されている。よって、主管66をエルボ管68に対して回動させることにより、主管66から噴射されるエアカーテン形成用エアの船腹16に対する噴射角度θを調整できる。噴射角度θは、前記フリクションによって保持される。
更に、図3の如く各々の主管66、66…には、ホース72を介してレギュレータ74が接続され、これらのレギュレータ74、74…には給気ポンプ76がバルブ78を介して接続されている。したがって、給気ポンプ76が駆動されると、各主管66、66…には、その主管66に対応したレギュレータ74によって流量調整された圧縮エアがホース72から供給される。これにより、各主管66のエア噴射孔70、70…から、流量調整されたエアが噴射される。なお、主管66に供給されたエアは、エルボ管68にも供給されるので、エルボ管68のエア噴射孔70、70…からもエアが噴射される。また、エルボ管68は、中央の屈曲部の内側に取り付けられた仕切板(不図示)によって管路が二分割されている。よって、エア噴射孔70、70…から噴射されるエア流量がエア噴射部62の4辺毎に制御可能となっている。
一方、エア吸引部64は、エア噴射部62の内側に配設されるとともにエア噴射62と同様にノズル42を中心とした矩形の枠体であり、船腹16の被塗装面を矩形状に包囲するように構成される。
エア吸引部64は、上下左右に配置された4本の主管80、80…、及び隣接する主管80、80を接続する4本のエルボ管82、82…を有している。主管80及びエルボ管82には、軸方向に沿ってエア吸引孔84、84…が所定の間隔をもって形成されている。また、主管80及びエルボ管82は、不図示のパッキンを介して軸方向に摺動自在に連結されるとともに、主管80内にエルボ管82の直管部が挿入配置されている。これにより、上下左右に配置された主管80、80…はエルボ管82に対して相対的に摺動し、図5の二点鎖線で示す如く、その姿勢を保持した状態で上方(Z軸方向)、下方(Z軸方向)、左方(X軸方向)、右方(X軸方向)にスライド移動することができる。この移動によって4本の主管80と4本のエルボ管82とで形成される矩形の枠体は、図3に示した矩形の枠体よりも開口面積が大きくなる。これにより、エア吸引部64によって被塗装面を包囲する面積が、図3の面積から図5の開口面積の範囲で調整される。
なお、4本の主管80及び4本のエルボ管82は、図3の位置から図5の位置の範囲で移動できるように、図2に示した装置本体40に不図示の支持機構を介して移動自在に支持されている。また、主管80及びエルボ管82の前記移動は、手動で実施してもよく、別途設けたアクチュエータによる動力で実施してもよい。この場合、アクチュエータをコントローラ54によって制御し、主管80及びエルボ管82の移動量を制御することによって、被塗装面を包囲する面積を自動で調整できる。この調整によって、図4に示す上下及び左右の主管80、80間の距離dを調整できる。
また、主管80は、エルボ管82に対して所定のフリクションをもって回動自在に支持されている。よって、主管80をエルボ管82に対して回動させることにより、主管80によって吸引されるエアカーテン形成用エアの吸引角度を調整できる。吸引角度は、前記フリクションによって保持される。
更に、図3の如く各々の主管80、80…には、ホース86を介してレギュレータ88が接続されるとともに各々のレギュレータ88、88…がフィルタユニット90に接続されている。フィルタユニット90は、邪魔板92と濾布状のフィルタ94とがケーシング96に収納されて構成される。また、フィルタユニット90の出口にはバルブ78を介して給気ポンプ76が接続されている。
したがって、給気ポンプ76が駆動されると、フィルタユニット90内のエアが吸引されるので、各主管80、80…から各々のレギュレータ88、88…によって流量調整された分のエアがホース86を介してフィルタユニット90に吸引される。なお、主管80とエルボ管82とは連通されているので、エルボ管82からもエアが吸引される。また、エルボ管82は、中央の屈曲部の内部に取り付けられた仕切板(不図示)によって管路が二分割されている。よって、エア吸引孔84、84…から吸引されるエア流量がエア吸引部64の4辺毎に制御可能となっている。更に、バルブ78の大気開放弁の開量を調節することによって、エアカーテンを形成するうえで不足するエア量を大気から補うことができる。
以上の如く構成された塗料飛散防止装置10の作用について説明する。
まず、図2に示したドック用可動作業ユニット18を駆動して、作業台20に設置された塗料飛散防止装置10を船腹16の塗装開始位置に位置させる。この時、エアカーテン形成装置44によって形成されるエアカーテンの能力(噴射エアの流量及び圧力)に対応させた距離だけ塗料飛散防止装置10を、船腹16から離間した位置に配置する。
次に、エアカーテン形成装置44の給気ポンプ76を駆動し、レギュレータ74によって流量制御された圧縮エアを、エア噴射部62の全てのエア噴射孔70、70…から船腹16に向けて噴射するとともに、この噴射されたエア及びその近傍のエアをエア吸引部64の全てのエア吸引孔84、84…から吸引する。これにより、エア噴射部62及びエア吸引部64と船腹16との間に、被塗装面を囲むエアカーテンが形成される。
この後、噴流ポンプ58を駆動して、タンク60に充填された船舶塗料をノズル42から被塗装面に向けて噴射し、塗装作業を開始する。ノズル42から噴射された船舶塗料は、全てが塗布されるわけではなく、船腹16に衝突して跳ね返った塗料が残滓塗料として発生する。この残滓塗料は、装置本体40と船腹16とエアカーテンとによって囲まれる閉じた空間内で浮遊するが、エアカーテンによって前記空間からの飛散が阻止され、空間内に閉じ込められる。そして、閉じ込められた残滓塗料は、エアカーテン形成装置44のエア吸引部64のエア吸引孔84、84…から吸引され、その空間から除去された後、フィルタユニット90に導入される。
そして、フィルタユニット90に導入された、残滓塗料を含有するエアは、吸引したエアの動圧を下げるため(吸引したエアの速度を落とすため)の邪魔板92によって動圧が下げられた後、フィルタ94を通過する。これによって、エア中に含有する残滓塗料がフィルタ94によって除去される。
このように邪魔板92を設けることにより、フィルタ94がエアの動圧で破損することなく、吸引した残滓塗料をフィルタ94によって除去できる。なお、船腹用に使用される塗料は、有機溶剤として速乾性の高いシンナーが一般に使用されているため、残滓塗料は液体から粉体(ダスト状)に瞬時に変化する。よって、残滓塗料はフィルタユニット90内において粉体に既に変化しているため、濾布状のフィルタ94によって容易に除去される。また、フィルタユニット90と給気ポンプ76との間に水タンクを設け、吸引したエアを水タンクの水に通過させることにより、フィルタ94を通過した微小な残滓塗料までも確実に除去できる。
また、塗料飛散防止装置10のノズル42の被塗装面に対する距離a、エアカーテン形成装置44のエア噴射部62及びエア吸引部64の直交する2軸方向(Z方向、X方向)の位置b、c、及びこの2軸方向(Z方向、X方向)に直交する1軸方向(Y軸方向)の位置d、エア噴射部62のエア噴射角θは、使用する塗料の種類によって適宜設定する。すなわち、塗料の原料や有機溶剤の混合割合等によって残滓量及び残滓塗料のパーティクルの大きさに違いが生じる。このような相違により飛散阻止を達成する適性値は塗料の種類によって異なる。そこで、適性値を設定するための要件である、前記距離a、位置b、c、d、及びエア噴射角度θをそれぞれ調整自在とし、これらの要件を塗料の種類に応じた適性値に設定する。したがって、塗料の種類の変更に伴って、その塗料に応じた適性値に前記要件を設定することにより、残滓塗料の飛散を確実に阻止することができる。なお、エア噴射部62が主管66のみの構成であれば、主管66を装置本体40に対して回動自在に支持すればよい。
塗料飛散防止装置10による塗装作業は、図2に示したドック用可動作業ユニット18によって塗料飛散防止装置10を船腹16の被塗装面に沿って移動させながら行う。この際、塗料飛散防止装置10の進行方向の後側の塗装面は、塗装直後にエアカーテン用エアを受け、このエア圧によって塗装ムラができるという不具合が生じる。これを防止するために、塗料飛散防止装置10の進行方向の後側に位置する主管66のレギュレータ74を制御して、その主管66に流れるエア量を減少させ、その主管66から噴射されるエア圧を低くする。これにより、前記塗装ムラを防止できる。
一方、塗料飛散防止装置10には図4に示すように、エアカーテンによって包囲された被塗装面の外方近傍にパーティクルカウンタ(塗料センサ)98が配置されている。このパーティクルカウンタ98は、ダスト状となった残滓塗料のパーティクルをカウントするものであり、カウントされたパーティクル数は、図3に示したコントローラ54に出力される。そして、コントローラ54は、パーティクルカウンタ98によってカウントされたダスト状残滓塗料のパーティクル数に基づき、パーティクル数が所定の個数以下(例えばゼロ個)となるようにエアカーテン形成装置44のポンプ76、レギュレータ74、88を制御してエアカーテンを形成するための噴射エア量又は噴射エア圧及び吸引風量をフィードバック制御する。これにより、残滓塗料の飛散を最小限に抑えることができる。
図6、図7は作業台20に対する塗料飛散防止装置10の取付構造の一例が示されている。同図に示すように、塗料飛散防止装置10の装置本体40は、上部に軸100が水平方向に設けられ、この軸100に不図示の軸受を介して、作業台20に片持ち支持された梁102が連結されている。したがって、装置本体40は、軸100を中心として揺動自在に作業台20に支持される。
また、装置本体40は、エアシリンダ装置104を介して作業台20に支持される。すなわち、エアシリンダ装置104のピストン106の先端部が、装置本体40の側面中央部にジョイント108を介して揺動自在に連結され、エアシリンダ装置104のシリンダ110の基端部がジョイント112を介して作業台20に揺動自在に連結されている。したがって、ピストンの伸縮動作によって、装置本体40が軸100を中心に揺動する。これにより、図6、図7の如く装置本体40の先端開口部40Bを船腹16の被塗装面に対して常に平行状態で対向させることができるので、エアカーテンを安定して形成することができる。
更に、図8の如く装置本体40の上面に開口部40Cが形成され、この開口部40Cにガラス、プラスチック等の透明板114が取り付けられている。これにより、作業台20に搭乗している作業者は、透明板114を覗き窓として塗装状況を確認することができる。
もちろんであるが、作業台20には、塗料飛散防止装置10の主電源ON/OFFスイッチ、ノズル42のON/OFFスイッチ、ポンプ76のON/OFFスイッチが設けられるとともに、塗料の原料及び溶剤の種類を入力する入力装置が設けられている。この入力装置から入力されたデータに基づいてコントローラ54は、図4に示した距離a及び位置b、c、dの適性値を算出し、その距離及び位置に塗料飛散防止装置10の各部を位置させる。
実施の形態の塗料飛散防止装置が設けられたドックの上面図 実施の形態の塗料飛散防止装置が取り付けられたドック用可動作業ユニットの斜視図 実施の形態の塗料飛散防止装置の要部構成を示した斜視図 実施の形態の塗料飛散防止装置の各部の距離、位置を示した模式図 実施の形態の塗料飛散防止装置の動作を示した斜視図 作業台に対する実施の形態の塗料飛散防止装置の取付構造を示した側面図 作業台に対する実施の形態の塗料飛散防止装置の取付構造を示した側面図 実施の形態の塗料飛散防止装置に覗き窓を設けた装置本体の側面図
符号の説明
10…塗料飛散防止装置、12…ドック、14…船舶、16…船腹、18…ドック用可動作業ユニット、20…作業台、40…装置本体、42…ノズル、44…エアカーテン形成装置、54…コントローラ、58…噴流ポンプ、60…タンク、62…エア噴射部、64…エア吸引部、74、88…レギュレータ、90…フィルタユニット、98…パーティクルカウンタ、104…エアシリンダ装置、114…透明板

Claims (4)

  1. 装置本体に設けられるとともに被塗装面に向けて塗料を噴射するノズルと、
    前記被塗装面を包囲するように前記装置本体に設けられるとともにエア噴射手段及びエア吸引手段から構成され、前記エア噴射手段から被塗装面に向けて噴射されたエア及び前記ノズルから噴射された塗料の残滓塗料を前記エア吸引手段から吸引することにより被塗装面の周囲にエアカーテンを形成するエアカーテン形成手段と、
    を備えたことを特徴とする塗料飛散防止装置。
  2. 前記ノズルは、前記装置本体に移動自在に設けられることにより前記被塗装面に対する距離が調整され、
    前記エアカーテン形成手段のエア噴射手段及びエア吸引手段は、矩形の枠状に構成されるとともに互いに直交する2軸方向に伸縮自在及び前記2軸に直交する1軸に対して相対的に移動自在に構成され、
    前記エアカーテン形成手段の前記エア噴射手段は、前記装置本体に揺動自在に設けられることにより前記被塗装面に対するエア噴射角が調整されることを特徴とする請求項1に記載の塗料飛散防止装置。
  3. 前記エアカーテン形成手段のエア噴射手段は複数に分割され、分割された複数のエア噴射手段毎に噴射されるエア流量又はエア圧が調整手段によって制御されることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗料飛散防止装置。
  4. 前記エアカーテンによって包囲された前記被塗装面の外方近傍に塗料センサが配置され、前記塗料センサによって検出された情報に基づいて前記エアカーテン形成手段を制御する制御手段が設けられたことを特徴とする請求項1、2又は3のうちいずれか一つに記載の塗料飛散防止装置。
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