JP2005161264A - 分離膜モジュール - Google Patents

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宏 柳下
Hideyuki Negishi
秀之 根岸
Katsuya Nouzaki
克也 納嵜
Kiyoaki Sato
清明 佐藤
Koichi Nakagawa
浩一 中川
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Abstract

【課題】 新規な分離膜モジュールの提供。
【解決手段】 両面が分離膜により覆われており、分離膜の内側に流路材からなるスペーサーが配置されて構成されている、分離膜モジュールにおいて、前記分離膜及び流路材からなるスペーサー部分が重ね合わされ、前記分離膜及び流路材からなるスペーサー部分外周部又はその外周部の外側部分が高周波誘電加熱により溶着され、閉じられていることを特徴とする分離膜モジュール。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子・機械産業、化学工業、食品産業、医療等、様々な産業分野で発生する排水・廃液の処理、気体状で発生する炭化水素ガスなどの除去処理、排水・廃液・気体のリサイクルさせるための処理や、上・下水処理に利用されるろ過装置に使用する分離膜モジュールに関する。
ろ過装置に用いられる分離膜モジュールには、浸漬型の平膜や回転円盤膜等が用いられてきた。これらの分離膜モジュールは、主に回分法と呼ばれる、ろ過分離膜処理に使用されてきた。これらの分離膜モジュールをろ過槽内に設置して用いる場合には、処理対象とする被処理液や被処理ガスから取り出したい成分の濃度を濃縮あるいは希釈方向に変化させることが行われる。このような操作では、目詰まりや膜表面への固形物の付着等を極力緩和させることが必要であり、クロスフロー方式や逆洗方式が採用されてきた。
最近では、これらの膜に替わって基板両面に平膜を貼り付けた分離膜モジュールを、原液槽内に漬け込んだ状態に設置し、その分離膜モジュール底部から散気管により発せられる気泡を直接膜表面にあてるエアレーション法や、円形基盤上に平膜を張り付けたモジュールを複数の軸に噛み合わせた状態で設置し、軸を中心に同一方向に回転させることによって、膜表面に乱流を発生させる回転円盤法等が主流となってきている。
これらの膜モジュールは、基板の両面に平膜を配置し、その基板と平膜の外径最端部付近で保護被覆層を設けて接着剤により接着するもの(特許文献1、2)あるいは部分的に接着により固定するもの(特許文献3)、膜の外周部を、支持板につけた接着剤により封止するもの(特許文献4)などが知られている。支持板である基板を用いない分離膜モジュールでは、円形の分離膜の円周部を外部加熱により溶着することが行われる(非特許文献1)。これらの分離膜モジュールでは、分離膜などが剥離することを防止することが困難であることが問題となる。
また、部材により端部を封止するなどの手段も用いられている(特許文献5)。この場合には、どうしても外れやすいことが問題となる。
また、その他の接合方法としては、基板と回転平膜の外周部にコ字状あるいはL字状の枠体で係り止めする方法(特許文献6)や回転平膜を基板の外径より小径に設定し、基板の外径端部であって回転平膜上から基板上にわたってシートを載置し、このシートを基板に固着することが行われる(特許文献7)。しかしながら、これらの方法は、基板と平膜の外周部にコ字状あるいはL字状の枠体で係り止めする工程や、回転平膜を基板の外径より小径に設定し、基板の外径端部であって回転平膜上から基板上にわたってシートを載置し、このシートを基板に固着することが行われる工程は工数が増加するのみならず、外部から熱を与えてシールする場合には、外部から熱を加えるものであるから、分離膜の表面が破壊される、又は内部まで十分に熱が伝わらずシールがうまくいかないこと、剥離の問題を解決しきれずに今日に至っている。また、溶接などの手段も用いられているが、生産性を考えた加工性としては有利であるとはいえない(特許文献8)。
特開平10−146521号 特開平9−57072号 特開平10−146522号 特開平10−174849号 特表平11−503970号 特開平7−68138号 特開平7−100341号 特開平8−155279号 SEPARATION SCIENCE AND TECHNOLOGY,28(1−3)p227−250
従来から使われてきた分離膜モジュールでは、分離膜とスペーサー、分離膜、スペーサー及び基板から構成される。分離膜やスペーサー、分離膜、スペーサー及び基板を接合する際、手作業に頼るところが多く、作業効率が悪く、接着剤の乾燥に長い時間を必要とするなど生産効率に問題があり、剥離の可能性が絶えず存在する。また、これらの接合に際しては、分離膜の有効面積を大きく左右する外周部での接合であることから、その分離膜面の損失が発生し、必然的に大きくなるという問題点があった。
本発明の課題は、これらの問題点を解決した新規な分離膜モジュールを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために、高周波誘電加熱法を用いて「導電性が小さい」高分子化合物の内部発熱による溶解現象を利用し、基板を内部に包み込んだ状態で、分離膜同士、スペーサー(流路材)同士、或いは分離膜とスペーサー、分離膜とスペーサーと基板を、直接又は高周波誘電加熱法で溶解が可能な高分子化合物を接合部分に挟み込んだ状態で高周波誘電加熱を行うことにより、従来の製造方法に比較して容易に製造することができること、又従来の他の方法に比較して強固に又剥がれるなどのこともなく、接合することができること、また、その結果、製造工程の簡素化と大幅な製造時間の短縮を図ることのできること、並びに分離膜の接合面を、分離膜及び流路材からなるスペーサー部分外周部又はその外周部の外側部分、又は分離膜、基板及びスペーサーにより構成される外周部又はその外周部の外側部分にすることによって、分離膜の有効面積を最大限に活かすことのできることを見出して、本発明を完成させた。
前記の高周波誘電加熱を採用することにより、(1)内部から溶着が始まるので、分離膜とスペーサーの密着性を増すことができる。又、(2)溶着の信頼性を向上できることが可能となった。従来の外部から熱をかける方式では、内部に熱を伝達する速度が遅れて、溶着ムラを生じさせる可能性があり、(3)外部及びその近傍(分離膜)への熱的損傷(破壊)を生じさせる可能性があるなどの点が問題点となる。
本発明では、これらの好ましい効果を得ることができるものであり、又従来の加熱方法による問題点を解決することができたものである。本発明者らによる本発明では、高周波誘電加熱を採用することにより、従来の問題点が解決され、前記の効果を得られたものである。
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)両面が分離膜により覆われており、分離膜の内側に流路材からなるスペーサーが配置されて構成されている、分離膜モジュールにおいて、前記分離膜及び流路材からなるスペーサー部分が重ね合わされ、前記分離膜及び流路材からなるスペーサー部分外周部又はその外周部の外側部分が高周波誘電加熱により溶着され、閉じられていることを特徴とする分離膜モジュール。
(2)両面が分離膜により覆われており、分離膜の内側に設けられている基板、分離膜と基板に流路材からなるスペーサーが配置されて構成されている、分離膜モジュールにおいて、前記基板の両面に設けられている分離膜及び流路材からなるスペーサー部分が重ね合わされ、前記分離膜、基板及びスペーサーにより構成される外周部又はその外周部の外側部分が高周波誘電加熱により溶着され、閉じられていることを特徴とする分離膜モジュール。
(3)前記分離膜及び流路材からなるスペーサー部分が重ね合わされ、前記分離膜、基板及びスペーサーにより構成される外周部又はその外周部の外側部分が高周波誘電加熱により溶着される際に、重ね合わされる部分に、高周波誘電加熱により溶解される高分子化合物を挟み込むことによって行われることを特徴とする(2)又は(3)記載の分離膜モジュール。
本発明によれば、分離膜モジュールの前記分離膜及び流路材からなるスペーサー部分が重ね合わされ、前記基板外周部又はその外周部の外側部分が高周波誘電加熱により溶着され、閉じられている、又は分離膜及び流路材からなるスペーサー部分が重ね合わされ、前記分離膜、基板及びスペーサーにより構成される外周部又はその外周部の外側部分が高周波誘電加熱により溶着され、閉じられているので、分離膜モジュールの製造工数が少なく接合部の周辺などに加熱による熱影響による部材として熱劣化や不均一な伸びを防ぐことができる。また、内部から溶着が始まるので、分離膜とスペーサーの密着性が増すことができる。また、溶着の信頼性を向上させることができる。外部から熱をかける方式では、内部に熱を伝達する速度が、遅れる結果、溶着ムラを引き起こすことが、考えられる。
従来の方法では、分離膜の外周部及びその近傍に対して熱的損傷(破壊)が起こることを防ぐことができないが、本発明では防ぐことができるのみならず、確実に接合部のみを溶着することができ、又溶着が確実であるから、剥離などの心配がなく、限られた狭い領域を用いて溶着することができるものである。分離膜モジュール製造方法という観点から見ると、その製造時間を大幅に短縮できることから、生産効率を飛躍的に高めることが可能となるとともに、溶着の信頼性を向上することができ、分離膜の有効面積を最大限に高めるということができる。
本発明の分離膜モジュールは、2つのタイプのものがある。
1つは、両面が分離膜により覆われており、分離膜の内側に流路材からなるスペーサーが配置されているものである(以下、タイプ1という)。これらは、オフガスに含まれる揮発性炭化水素を分離する場合、塗装装置に設けるトルエンなどの揮発性気体を浄化するために設ける装置で、揮発性溶剤を分離する場合に使用することができるものである。
他の1つは、両面が分離膜により覆われており、分離膜の内側に設けられている基板、分離膜と基板の間に流路材からなるスペーサーが配置されて構成されているものである(以下、タイプ2という)。これは、被処理対象物が液体の場合でも又気体の場合においても使用することができる。
分離膜モジュールの分離膜は,微小孔径を有する限外ろ過膜や精密ろ過膜が用いられる。これらの膜の材料は、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル及びこれら高分子化合物の共重合体、シリコンゴム膜、シリル化合物の重合体、シロキサンを含む重合体、置換ポリアセチレンとポリトリメチルビニルシランの膜など公知の高分子化合物の膜を使用することができる。この分離膜の材料は、被処理対象物の種類や濃度、圧力、流速などの処理条件を考慮して任意に選択して用いる事ができる。
これらの膜の厚さは、通常用いられているものであり、その厚さも適宜選択して用いられる。具体的な数値を挙げると、40μm程度のものが用いられる。
これらの膜の形状は、四角型状、多角型状、円形状のものが用いられる。
これらの分離膜の大きさ及び面積は、分離膜モジュールの規模に応じて適宜決定することができる。具体的には、本発明の実施例では、円形状の直径210mmの場合が示されている。これ以下の直径のものであっても差し支えない。直径が320mm程度の場合(非特許文献1)も知られており、さらに1000mm程度のものであっても問題ない。
これらの膜は、透過性のコーテイング材料によりコーテイングすることも行われる。
これらの膜は、種々の支持体とともに用いられる。支持体には、シートや不織布などが用いられる。これらも分離膜の材質に応じて、適宜選択して用いる事ができる。具体的にはポリエステル繊維などからなるものが用いられる。
基板を用いる場合には、基板には、プラスチック板、金属板が用いられる。プラスチック板としては、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、テフロン、FRP等の高分子系樹脂などを用いることができる。金属板としては、アルミニウム、ステンレスなどを用いることができる。この他に、セラミック材料の板も使用することができる。
これらの板の厚さは、必要に応じて適宜決定できる。
基板を用いることにより分離膜モジュールとしての強度を向上させることができるので、過酷な処理条件が要求される場合には、基板の材料や厚さを選択することにより、対応することができる。
ろ過液の流路材には、プラスチック製の不織布や織布が用いられる。
両面が分離膜により覆われており、分離膜の内側に流路材からなるスペーサーが配置されて構成されている場合(前記タイプ1)、及び両面が分離膜により覆われており、分離膜の内側に設けられている基板、分離膜と基板の間に流路材からなるスペーサーが配置されている場合(前記タイプ2)において、分離膜を通過した被処理液は、スペーサー部分に入り、その中央部分に向かい、中央部分の排出管から排出される。
両面が分離膜により覆われており、分離膜の内側に流路材からなるスペーサーが配置されて構成されている、分離膜モジュール(前記タイプ1)においては、前記分離膜及び流路材からなるスペーサー部分が重ね合わされ、前記分離膜及び流路材からなるスペーサー部分外周部又はその外周部の外側部分を高周波誘電加熱により溶着し、閉じることにより、分離膜モジュールを製造する。
外周部又はその外周部の外側部分の面積は、溶着に必要とする広さ、高周波誘電加熱装置の電極などの条件に応じて、定められる。これら面積は、溶着が十分に行われる広さを確保できるものであればよく、必要以上に、大きくすることはない。
両面が分離膜により覆われており、分離膜の内側に設けられている基板、分離膜と基板に流路材からなるスペーサーが配置されて構成されている分離膜モジュール(前記タイプ2)において、前記基板の両面に設けられている分離膜及び流路材からなるスペーサー部分を重ね合わせ、前記分離膜、基板及びスペーサーにより構成される外周部又はその外周部の外側部分を高周波誘電加熱により溶着し、閉じることにより、分離膜モジュールを製造する。
この場合の外周部又はその外周部の外側部分の面積も、溶着に必要とする広さ、高周波誘電加熱装置の電極などの条件に応じて、定められる。これら面積は、溶着が十分に行われる広さを確保できるものであればよく、必要以上に、大きくすることはない。
高周波誘電加熱法は、高周波電場内での誘電物質の内部発熱現象を利用した加熱方法である。
高周波誘電加熱法は、熱可塑性樹脂等の溶着、成形や木材の乾燥などの方法として用いられてきたものであり、特に、高分子化合物が絶縁性である場合は、物質を構成している分子相互間の摩擦によって誘電損失を生じ内部発熱することから、温度上昇が敏速、且つ、均一に行われるとともに、物質の融点以上に温度上昇することがほとんどないなどの特徴を有している。本発明では、従来から採用されてきた外部加熱による加熱溶着方法に替えて、本発明に適用したものである。
本発明では、高周波誘電加熱を行うに際し、接合部分を電極に挟んで行う。
分離膜や流路材の素材自体、あるいは高周波誘電加熱法によって溶解が可能な高分子化合物を存在させて、それらの内部発熱による溶解現象を利用することによって溶着するとともに、分離膜の有効面積を最大限に活かすために、分離膜同士あるいは流路材同士を支持体である基板外周外にて接合した分離膜モジュールを製造することを特徴とする。
本発明では、「分離膜、流路材、流路材及び分離膜」、場合によっては「分離膜及び分離膜」(前記タイプ1)が溶着される。
「分離膜、流路材、流路材及び分離膜」を溶着する場合は、分離膜、流路材、流路材及び分離膜の外周部を溶着する。「分離膜及び分離膜」を溶着する場合は、分離膜が流路材より大きい場合であって、流路材の端部が予め閉じられている場合に、分離膜の外周部又はその外周部の外側部分を高周波誘電加熱する。
また、本発明では、「分離膜、流路材及び基板、流路材及び分離膜」、「分離膜、流路材、流路材及び分離膜」、「分離膜及び分離膜」が溶着される(前記タイプ2)。 「分離膜、流路材及び基板、流路材及び分離膜」を溶着する場合は、分離膜、基板及び流路材の外周部を高周波誘電加熱により溶着するものである。
「分離膜、流路材、流路材及び分離膜」を、溶着する場合は、基板の大きさが、分離膜、流路材及び分離膜の大きさより小さい場合であり(後述する図1の場合)、「分離膜、流路材、基板、流路材及び分離膜」の外周部の外側部分である「分離膜、流路材、流路材及び分離膜」からなる部分を、高周波誘電加熱により溶着させるものである。
「分離膜及び分離膜」を溶着する場合は、分離膜が基板及び流路材より大きい場合であって、流路の端部が予め閉じられている場合に、分離膜の外周部又はその外周部の外側部分を高周波誘電加熱する。
高周波誘電加熱に際しては、接合面に、高周波誘電加熱で溶解される高分子化合物を挟み込むことによって、更に確実に溶着が行われる。
高分子化合物には、溶着面を形成する物質と同様な物質が用いられる。フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等に代表される熱硬化性樹脂やセラミック系、金属系の素材を用いるよりも、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等に代表される熱可塑性樹脂を用いる方が好ましい。
セラミック系、金属系のものを基板などに用いた場合であっても、接合面に熱可塑性樹脂等の高周波誘電加熱法によって溶融可能な物質を塗布あるいは挟み込むなどの方法により、接合することが可能となる。
図1は、タイプ2の円形状の分離膜モジュール製造装置を示す。
基板1、流路材2,分離膜3の中央に穴を空け軸合わせ6に分離膜、流路材、基板、流路材、分離膜の順番で、高周波誘電加熱装置にセットする。
基板、分離膜、流路材からなるスペーサーから分離膜モジュールが構成されており、前記分離膜、基板及びスペーサーにより構成される外周部又はその外周部の外側部分を、高周波誘電加熱電極(4,5)により挟む。
高周波電圧を印加する2つの前記電極間に、前記熱溶着対象物を設置した状態で、電極(金型)温度60℃、印加周波数40MHZ、印加電流0.8A、印加時間20秒、加圧力0.35MPaの条件で溶着試験を行った。
電流をかけることにより電極間に発生した高周波電場内において、溶着を行うものである。軸合わせ6を用いることにより、溶着点にズレが生じることはなく、何度行っても迅速に精度良く同じ分離膜モジュールを製造することができる。また、基板については外周部の面取りを行わなくても製造に支障はないが、分離膜保護の観点から角度は緩やかである方が好ましい。
上記方法により、製造した円形状の分離膜モジュールを図2に示す。左側の図が本発明により製造した円形状の分離膜モジュールで、右側は、高周波誘電加熱法により溶着された接合部分である。右側の図が示すように、分離膜が基板を包み込んだ状態で、基板外周外で接合されている様子が分かる。このように、軸合わせや基板の外周部の形状(角度)等を工夫することにより、より効果的に分離膜モジュールを作製することができた。
基板外周外でポリエチレン製流路材が発熱溶融して溶着ムラもなく、十分に接合されていることを確認した。ここで記述した溶着試験の条件はあくまでも一例であり、これに限るものではない。まず、電極(金型)温度は、溶融溶着対象となる物質のガラス転移点温度以下の最も高い値に設定することが好ましく、印加周波数は一般に言われている高周波領域の1MHZ以上であれば構わない。また、印加電流、印加時間、加圧力については溶融対象物質の融点、接合部分の面積および容積、更には平滑性等に左右されることから、それぞれの数値の設定、あるいは範囲については、特に制限するものではない。
その結果、分離膜同士あるいは流路材同士を支持体である基板を内包した状態でその基板外周外にて溶着により接合した分離膜モジュールを作製することができた。
分離膜モジュールを構成する部材についても、基板と流路材と分離膜あるいは不織布の組み合わせでも、基板と分離膜あるいは不織布との組み合わせでも構わない。一般的に、分離膜モジュールによる液系の処理を想定した場合、分離膜を透過した透過液の回収を速やかに行うため、スペーサーと呼ばれる流路材が配置されている。しかし、直接基板に流路を成形あるいは彫り込むなどの加工も可能であることから、別途流路材を配置しない場合なども想定される。
直径190mm、中心穴径30mm、厚さ3mm、外周縁を30度に面取した塩化ビニル製基板と、直径210mm、中心穴径30mmのポリエチレン製流路材とポリエチレン製不織布上に塗布されたポリアクリロニトリル製分離膜を用い、下から分離膜、流路材、基板、流路材、分離膜の順に積み重ね、高周波電圧を印可する2つの電極間に置き、電極(金型)温度60℃、印加周波数40MHZ、印加電流0.8A、印加時間20秒、加圧力0.35MPaの条件で円形状の分離膜モジュールを作製した。このモジュールを回転膜分離装置に装着し、その回転数を273rpm(外周の線速度:3.0m/sec)、室温において試験水に水道水を用いて透過試験を行った。透過流束を1m/m/dに固定した圧力変動方式による150時間の連続透過試験を行ったが、圧力は0.12〜0.15MPaの範囲であった。
実施例1の条件で作製した円形状の分離膜モジュールを回転膜分離装置に装着し、その回転数を273rpm(外周の線速度:3.0m/sec)、室温において試験液に0.1wt%ポリビニルピロリドン(平均分子量:630,000)水溶液を用いて透過試験を行った。透過流束1m/m/d時の圧力は0.25〜0.28MPaの範囲で推移し、阻止率は48%を示した。この結果は、分離膜の性能を測定する一般的な平膜試験装置を用いた透過性能試験で得られた値とほぼ同じであった。
実施例1の条件で作製した円形状の分離膜モジュールを回転膜分離装置に装着し、清水中でその回転数を455rpm(外周の線速度:5.0m)に設定し、100時間経過後に実施例2の方法により透過性能試験を行った。0.1wt%ポリビニルピロリドン(平均分子量:630,000)水溶液を、透過流束1m/m/d透過させるのに必要な圧力は0.25〜0.30MPaで、その時の阻止率は51%であった。
高周波誘電加熱法による分離膜モジュール製造方法を示す図 高周波誘電加熱法で作製した分離膜モジュール(左側)とその溶着面(右側)を示す図
符号の説明
1:基板
2:流路材
3:分離膜
4:高周波誘電加熱電極A
5:高周波誘電加熱電極B
6:軸あわせ

Claims (3)

  1. 両面が分離膜により覆われており、分離膜の内側に流路材からなるスペーサーが配置されて構成されている、分離膜モジュールにおいて、前記分離膜及び流路材からなるスペーサー部分が重ね合わされ、前記分離膜及び流路材からなるスペーサー部分外周部又はその外周部の外側部分が高周波誘電加熱により溶着され、閉じられていることを特徴とする分離膜モジュール。
  2. 両面が分離膜により覆われており、分離膜の内側に設けられている基板、分離膜と基板に流路材からなるスペーサーが配置されて構成されている、分離膜モジュールにおいて、前記基板の両面に設けられている分離膜及び流路材からなるスペーサー部分が重ね合わされ、前記分離膜、基板及びスペーサーにより構成される外周部又はその外周部の外側部分が高周波誘電加熱により溶着され、閉じられていることを特徴とする分離膜モジュール。
  3. 前記分離膜及び流路材からなるスペーサー部分が重ね合わされ、前記分離膜、基板及びスペーサーにより構成される外周部又はその外周部の外側部分が高周波誘電加熱により溶着される際に、重ね合わされる部分に、高周波誘電加熱により溶解される高分子化合物を挟み込むことによって行われることを特徴とする請求項2又は3記載の分離膜モジュール。
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