JP2005160378A - 磁性複合粒子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 生理活性物質を高収率で固定化でき、かつ磁気による捕集性が高い材料を提供することを目的としている。

【解決手段】 強磁性酸化鉄粒子の表面に、生理活性物質と反応可能な反応性官能基を有する重合体の架橋被覆層を有するとともに、この被覆層中に上記反応性官能基が残存し、かつこの被覆層の強磁性酸化鉄粒子に対する重量割合が10重量%以下である磁性複合粒子、とくに、上記架橋被覆層が、生理活性物質と反応可能な反応性官能基を有する重合体と、この重合体中に含まれる官能基の少なくとも2個と反応可能な化合物との架橋反応により形成されてなる上記構成の磁性複合粒子。

【選択図】 なし

Description

本発明は、生理活性物質を固定化するための磁性複合粒子およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、診断薬担体、細菌分離担体、核酸分離精製担体、タンパク質精製担体、固定化酵素担体、抗体固定化担体などに使用するうえで有用である磁性複合粒子およびその製造方法に関する。
従来から、磁性粒子に生理活性物質を固定化する試みがなされている。たとえば、医薬用物質粒子を生理学的に許容し得る有機高分子材料でカプセル化し、この被覆に強磁性体粒子を固着せしめたり、医薬用物質粒子とともに内包させることにより、磁性を付与する例がある(特許文献1参照)。

しかしながら、この例では、カプセル化被覆の比率が大きくならざるを得ず、磁性体の比率が低くなって磁石による捕集性が低下したり、また得られる複合粒子の粒径も大きくなって生理活性物質を固定化する表面の面積が小さくなって不利である。
また、酸化物内部に強磁性物質を分散して内包し、この粒子にポリアミンを含浸したのち、過剰の2官能性アルデヒドで処理することにより、表面にアルデヒド基を導入し、ついで、酵素を反応させて固定化する例もある(特許文献2参照)。

しかしながら、過剰の2官能性アルデヒドで処理すると、多くは片方のアルデヒド基のみが反応し、アルデヒド基の導入には良いが、架橋には不利であり、ポリアミンとアルデヒドの粒子への固定が不十分になりやすく、その結果、環境によってはこれらが粒子表面から剥離するおそれがある。
磁性体粒子との結合性を高めた例として、磁性体超微粒子に重合性官能基を有するカップリング剤を化学結合させ、この重合性官能基と重合性モノマーとを重合させることにより、マイクロカプセル化した磁性体超微粒子を得る方法が開示されている。その際、反応性官能基を有する重合性モノマーを併用することにより、表面被覆に官能基を導入して、これを生理活性物質の固定化に利用している(特許文献3参照)。

しかしながら、カップリング剤の重合性反応基に重合性モノマーを確実に反応させるためには、十分に多くの量の重合性モノマーが必要であり、磁性体の比率を大きくすることは難しい。また、この反応は2段階であり、しかも1段目の反応後に乾燥工程が必要であり、手間のかかる工程が増えたり、粒子凝集を起こしやすくなる。
磁性体粒子との結合性を高めた例としては、さらに、重合性アミン化合物を磁性体粒子とともに重合するか、あるいは官能基を有するモノマーを磁性体粒子とともに重合して、表面に官能基を導入し、これにアミン化合物を反応させることにより、アミン化合物を固定化した磁性粒子を得る方法が開示されている(特許文献4参照)。

しかしながら、これらの重合においては、水系分散媒中での乳化重合、懸濁重合、分散重合を用いており、したがって、得られた1つの粒子の内部または表面に磁性体が多数存在することになり、磁性体の間に隙間ができてその間は樹脂などが満たされるため、磁性体の含有率にどうしても限界がある。
特開昭56−51411号公報 特開昭59−28477号公報 特公平7−25664号公報 特開2002−17400号公報
本発明は、このような事情に照らして、生理活性物質を高収率で固定化でき、かつ磁気による捕集性が高い材料を提供することを目的としている。また、本発明は、上記材料を安価に製造することを別の目的としている。
本発明者らは、上記の目的を達成するために、鋭意検討した結果、基材として強磁性酸化鉄粒子を使用し、この表面に生理活性物質と反応可能な反応性官能基を有する重合体の架橋被覆層を形成するとともに、この被覆層中に上記反応性官能基を残存させ、かつこの被覆層の強磁性酸化鉄粒子に対する重量割合を10重量%以下とした磁性複合粒子を用いることにより、生理活性物質を高収率で固定化でき、かつ磁気による捕集性が高く、しかもこの材料は安価に製造できることを見い出し、本発明をなすに至った。
本発明の磁性複合粒子は、強磁性酸化鉄粒子の表面に生理活性物質と反応可能な反応性官能基を有する重合体が架橋被膜の形で被覆されており、またこの被覆層中に上記反応性官能基を残存させているため、これにより生理活性物質を固定化するための上記反応性官能基を、粒子表面と直接化学結合させているわけではないが、粒子に確実に固定できる。したがって、直接または必要により他の化合物を介して、各種の生理活性物質を結合させることができる。一方、この磁性複合粒子の製造には重合体の架橋反応のみを利用してるため、工程が単純で製造コストを低く抑えることが可能になる。
また、生理活性物質を固定化した磁性粒子は、磁石などにより捕集することができ、この捕集性は磁性粒子の飽和磁化量に依存し、飽和磁化量が大きいほど捕集性は向上する。被覆物質が強磁性酸化鉄粒子に対して10重量%以下の範囲であれば、飽和磁化量が低下しても、磁石によって容易に捕集できることがわかった。また、このような被覆量では、被覆材の使用量が低く抑えられるため、コスト的にも好ましい。より好ましくは6重量%以下であり、3重量%以下がさらに好ましい。

なお、被覆物質の量の下限は、強磁性酸化鉄粒子の表面に架橋被覆を形成するのに必要な量であり、これより少ないと生理活性物質の固定化効率が低くなる。この下限の具体値は、重合体やこれを架橋反応させるための化合物の分子構造によって異なるが、一般に、比表面積1m2 あたり1mg以上とするのが望ましい。
このように、本発明の磁性複合粒子は、強磁性酸化鉄粒子の表面に、生理活性物質と反応可能な反応性官能基を有する重合体の架橋被覆層を設けて、この被覆層中に上記反応性官能基を残存させ、かつこの被覆層の強磁性酸化鉄粒子に対する割合を10重量%以下としたことにより、これを生理活性物質を固定化するための担体として用いると、生理活性物質を高収率で固定化でき、かつ磁気による捕集性を高くすることができ、さらに担体の製造コストを低く抑えることができる。
本発明の重合体において、生理活性物質と反応可能な反応性官能基(以下、重合体中反応性官能基ともいう)には、1級または2級アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、チオール基、イソチオシアネート基、イソシアネート基、アルデヒド基、水酸基などが、生理活性物質の固定化、架橋反応のいずれも可能であるため、好適に用いられる。中でも、1級アミノ基、カルボキシル基、チオール基は、利用範囲の広さ、原材料選択の広さ、材料コストなどの点から、とくに好適である。
1級アミノ基を有する重合体の代表的なものとしては、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミンが挙げられ、アミノ基の含有量も高いので、好適に使用される。

また、その他の官能基を有する重合体に、別の化合物を反応させたり、官能基を変性させたりして、アミノ基を導入してもよい。たとえば、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、イソチオシアネート基などを有する重合体に過剰のジアミン化合物などを反応させることなどによって得ることができる。
カルボキシル基を有する重合体の代表的なものとしては、アクリル酸、メタクリル酸の単独または共重合体が挙げられ、カルボキシル基の含有量が高いので好適に使用される。これらに他のモノマーを共重合させ、ガラス転移点、溶解性、官能基量などの種々の特性を必要により調整してもよい。

また、その他の官能基を有する重合体に、別の化合物を反応させたり、官能基を変性させたりして、カルボキシル基を導入してもよい。たとえば、アミノ基、エポキシ基などを有する重合体に過剰のジカルボン酸化合物などを反応させたり、エポキシ基、イソシアネート基、イソチオシアネート基などを有する重合体に過剰のアミノ酸化合物などを反応させることなどにより、得ることができる。
本発明においては、このような重合体を架橋して、強磁性酸化鉄粒子の表面に薄い架橋被膜を設け、架橋被覆層とする。上記の架橋反応には、重合体中に含まれる官能基の少なくとも2個と反応可能な化合物(以下、架橋剤という)を用いるのが、保存性と反応性を両立でき、選択可能な化合物の種類が多いので、好適である。

このような架橋剤は、重合体中反応性官能基の一部と反応するものであっても、重合体中に含まれるその他の官能基と反応するものであってもよい。

重合体中反応性官能基とは別に重合体中に導入して、架橋剤との反応に利用することが可能な官能基(以下、重合体中架橋性官能基という)としては、前記の重合体中反応性官能基に用いられる官能基のほかに、アクリロイル基、メタクリロイル基などの重合性二重結合などが好適に使用される。
上記の架橋剤において、架橋反応に用いられる官能基(以下、架橋剤中架橋用官能基という)としては、エポキシ基、アルデヒド基、カルボキシル基、酸無水物基、1級または2級アミノ基、イソシアネート基、オキサゾリン基、重合性二重結合などが挙げられる。架橋剤中の2個以上の官能基は同種でも異種でもよいが、異種の場合は分子内で容易に反応を起こさない組み合わせが望ましい。また、架橋剤は、低分子化合物であっても高分子化合物であってもかまわない。
1級または2級アミノ基を有する重合体、とくにポリアリルアミンまたはポリエチレンイミンに対しては、これの架橋のため、エポキシ基またはアルデヒド基を2個以上有する架橋剤を使用するのが望ましい。

また、カルボキシル基を有する重合体に対しては、これの架橋のため、エポキシ基、オキサゾリン基または1級アミノ基を2個以上有する架橋剤を使用するのが望ましい。
なお、上記したアミノ基の例のように、用途によっては、重合体中反応性官能基に用いられたり、架橋剤中架橋用官能基に用いられたりする官能基もある。

また、重合体中に、高温などの特定の条件で重合体中反応性官能基と反応する官能基、つまり自己架橋を可能にする官能基を併せ持たせるようにしてもよい。ただし、保存性、ポットライフなどが製造に支障のない範囲である安定性を有することが必要である。安定性さえ得られれば、架橋剤が不要になるため、材料数、工程を減らすことが可能になり、効果的である。

また、上記の架橋反応においては、必要により、触媒、反応基活性化物質、緩衝液などを使用することができる。たとえば、アミノ基とエポキシ基の反応には3級アミン、カルボキシル基とアミノ基の反応には脱水剤やカルボジイミドなどが好適に使用される。さらに、架橋反応時には反応に必要な温度に加熱してもよい。
架橋剤の添加量は、重合体中反応性官能基の一部を架橋反応に用いる場合は、架橋剤中架橋用官能基と重合体中反応性官能基とのモル比が0.1:100〜95:100の範囲となる割合とするのが好ましい。架橋剤中架橋用官能基の量が上記範囲よりも少ないと、十分な架橋が得られず、重合体の粒子への固定が困難になる。架橋剤中架橋用官能基の量が上記範囲よりも多いと、残存する生理活性物質固定化用の重合体中反応性官能基が少なくなり、またその量のばらつきも大きくなる。上記モル比のとくに好ましい範囲は、0.5:100〜80:100であり、1:100〜50:100がさらに好ましい。なお、架橋剤の添加量を調整することにより、生理活性物質を固定するのに利用するアミノ基などの重合体中反応性官能基の残存量を調整することができる。
本発明において、磁性複合粒子には重合体中反応性官能基を残存させることが必要であるが、この残存重合体中反応性官能基の量は、滴定により求めることが可能である。代表的な滴定方法としては、以下のとおりである。

すなわち、エタノール中に磁性複合粒子を入れ、この粒子が十分に撹拌される回転速度でスターラーチップまたは撹拌羽根を回転させる。電位が安定するまで待ったのち、滴定試薬として塩酸のエタノール溶液を用いて電位差滴定する。滴定は、少量の滴定試薬を注入したのち電位が安定するまで待ってつぎの滴定試薬を注入する間欠滴定を行うか、非常にゆっくり行う。なお、製造時にpH調整や反応促進などのために酸や塩基を加えている場合には、十分に洗浄するか、イオン交換樹脂処理を行って、精製する必要がある。
このようにして得られる磁性複合粒子は、残存重合体中反応性官能基の量が、磁性複合粒子1gあたり、0.1μmol〜1mmolの範囲であるのが好ましい。0.1μmolより少ないと、生理活性物質の固定化効率が低くなる。より好ましくは、磁性複合粒子1gあたり、0.001mmol以上であり、0.005mmol以上がさらに好ましい。磁性複合粒子の表面積が有限であるため、1mmolより多くの残存重合体中反応性官能基を得ることは難しく、通常は0.5mmol以下である。
このように生理活性物質と反応可能な反応性官能基を有する重合体の架橋被覆層を設けた本発明の磁性複合粒子の粒子サイズとしては、平均粒子サイズが0.01〜10μmであるのが好ましい。平均粒子サイズが0.01μmより小さいと、磁界による捕集性が低くなる傾向にある。また、平均粒子サイズが10μmより大きくなると、液中に分散してもすぐに沈降してしまう。平均粒子サイズが0.02〜2μmであるのがより好ましく、0.02〜0.5μmであるのがさらに好ましい。
また、本発明の上記した磁性複合粒子は、強磁性酸化鉄粒子から構成されているため、この磁性粒子に生理活性物質を固定化したのちに、磁石などを用いて容易に捕集することができるという特徴を有している。

ここで、強磁性酸化鉄粒子としては、マグネタイト(Fe3 4 )粒子、マグヘマイト(γ−Fe2 3 )粒子、マグネタイト−マグヘマイト中間酸化鉄、マンガン亜鉛フェライト(MnZnFe2 4 )粒子が、好ましく用いられる。

これらの中でも、マグネタイト粒子は、飽和磁化量が大きく、磁石などで捕集する際の磁界感度が良好なため、最適である。
これらの強磁性酸化鉄粒子の粒子サイズは、平均粒子サイズが0.01〜10μmであるのが好ましい。平均粒子サイズが0.01μmより小さいと、磁界による捕集性が低くなり、精製などを行うのが困難になる。また、平均粒子サイズが10μmより大きくなると、生理活性物質を固定化したのちの粒子サイズも大きくなり、沈降しやすくなる。平均粒子サイズが0.02〜2μmであるのがより好ましく、0.02〜0.5μmであるのがさらに好ましい。
また、強磁性酸化鉄粒子の比表面積が0.1〜100m2 /gの範囲にあるものは、生理活性物質の固定化量が大きくなり、好適に使用される。比表面積が0.1m2 /gより小さいと、生理活性物質に対して磁性複合粒子の量が多いため、生理活性物質の効果を得るために多量の生理活性物質固定化粒子が必要となり、効率が良くない。1m2 /g以上であるのがより好ましく、3m2 /g以上であるのがさらに好ましい。

また、強磁性酸化鉄粒子の比表面積は高い方が生理活性物質の固定化量が大きくなって好ましいが、通常、粒子が小さくなって磁界による捕集性が低くなるか、一般に、大きな生理活性物質が入りにくいか、入っても活性が発現しにくいような細孔が多くなるため、100m2 /g以下の強磁性酸化鉄粒子が好適に使用される。
つぎに、磁性複合粒子の保磁力であるが、一般に、保磁力が大きくなると、磁性粒子間の凝集力が大きくなり、分散性が低下する。その結果、生理活性物質と結合すべき活性点が減少し、生理活性物質の固定化効率が低下する傾向にある。本発明の磁性複合粒子においては、個々の強磁性酸化鉄粒子に対して架橋被覆層が形成されるため、磁性複合粒子の保磁力は強磁性酸化鉄粒子の保磁力によりほぼ決まる。
本発明者らは、生理活性物質の固定化特性に影響を与えない最適の保磁力の範囲について、検討した結果、0.80〜15.92kA/m(10〜200エルステッド)の範囲であれば、実用上問題がないことを見い出した。

保磁力が15.92kA/mより大きくなると、磁性複合粒子の分散性が低下するが、15.92kA/m以下の保磁力であれば、実用上問題ないことがわかった。また、保磁力が低いぶんにはとくに問題とならないが、0.80kA/mより低くするには、強磁性酸化鉄粒子の粒子サイズを大きくするなど、強磁性酸化鉄粒子を本発明の目的に適さない形状や構造にする必要があり、好ましくない。
つぎに、磁性複合粒子の飽和磁化は、強磁性酸化鉄粒子の飽和磁化と被着形成する架橋被覆層の量により決まり、20A・m2 /kg(20emu/g)以上であるのが最適である。磁性複合粒子の飽和磁化が20A・m2 /kgより小さいと、磁石による捕集性が低下する傾向にある。磁性複合粒子の飽和磁化は40A・m2 /kg以上であるのがより好ましく、60A・m2 /kg以上であるのがさらに好ましい。とくに75A・m2 /kg以上のものは捕集性が高く、広範囲の用途に適用可能である。
なお、磁性複合粒子の飽和磁化の上限については、とくに限定されないが、強磁性酸化鉄粒子の飽和磁化により制限される。強磁性酸化鉄粒子の飽和磁化の上限も限定されず、現状の磁性酸化鉄粒子として飽和磁化90A・m2 /kg程度まで確認したが、高いものほど好適であって、とくに問題は生じていない。
本発明の磁性複合粒子は、針状、板状、球状、粒状、楕円状、立方形状などの各種の形状のものを使用できる。しかし、粒子形状は生理活性物質の固定化量を左右し、球状ないし粒状のものが分散性が最も良好であり、好ましい。本発明の磁性複合粒子においては、個々の強磁性酸化鉄粒子に対して架橋被覆層が設けられているため、磁性複合粒子の形状は強磁性酸化鉄粒子の形状によりほぼ決まる。したがって、磁性複合粒子を所望の形状にするには、これと同じ形状の強磁性酸化鉄粒子を用いればよい。
ここで、「球状」とは、アスペクト比(あらゆる方向で測定した場合の最大長さと最小長さとの比)が1.0〜1.2の範囲内である形状を指し、「楕円状」とは、アスペクト比が1.2〜1.5の範囲内である形状を指している。

また、「粒状」とは、球状のように粒子の長さが全方向で揃っているものや、楕円状のように一方向の長さのみ大きいもの以外に、方向による長さの差異はあるが、全体として形状にとくに異方性がない粒子を指している。
本発明の磁性複合粒子を製造するには、まず、基材として使用する強磁性酸化鉄粒子を用意する。強磁性酸化鉄粒子は、市販品をそのままあるいは必要な処理を施して使用してもよいし、適宜の方法で合成して使用してもよい。合成方法はとくに限定されない。一例として、マグネタイト粒子の合成法を、以下に、説明する。
すなわち、硫酸第一鉄(FeSO4 ・6H2 O)を溶解した2価のFeイオン水溶液にNaOH水溶液を滴下し、水酸化第一鉄〔Fe(OH)2 〕を析出させる。この水酸化第一鉄の懸濁液のpHを9〜10に調整し、空気を吹き込んで酸化して、マグネタイト粒子を成長させる。pHが上記範囲より小さいと、マグネタイトの析出が遅くなり、上記範囲より大きいと、ゲーサイト(α−FeOOH)が生成しやすい。
空気吹き込み速度と、懸濁液の保持温度とは、マグネタイト粒子の粒子サイズに大きく影響する。一般に、空気吹き込み速度は100〜400リットル/時間に、懸濁液の保持温度は50〜90℃に調整するのが望ましい。

空気吹き込み速度が大きいと、マグネタイトの結晶成長が速くなり、粒子サイズは小さくなる。また、空気吹き込み速度が小さすぎるか、あるいは大きすぎると、マグネタイト以外の物質が混在析出しやすくなる。さらに、保持温度が高くなるほど、マグネタイトが結晶成長しやすくなり、粒子サイズが大きくなる。一方、保持温度が低すぎると、ゲーサイト(α−FeOOH)粒子が生成しやすくなる。
このような方法により、本発明に使用する強磁性酸化鉄粒子として、平均粒子サイズが0.01〜0.5μmであるマグネタイト粒子を合成できる。

ここで、上記の平均粒子サイズは、走査型電子顕微鏡写真上で50個の粒子のサイズを測定し、その平均値から求められる値である。
本発明においては、つぎに、上記のマグネタイト粒子などからなる強磁性酸化鉄粒子の表面に、生理活性物質と反応可能な反応性官能基を有する重合体の架橋被膜であって、この架橋被膜中に上記反応性官能基が残存し、かつこの架橋被膜の強磁性酸化鉄粒子に対する割合が10重量%以下である架橋被覆層を形成する。この形成方法はとくに限定されないが、製造コストを低く抑えることができる以下の方法を採用するのが望ましい。
すなわち、強磁性酸化鉄粒子を純水で十分に水洗したのち、乾燥させることなく、水に分散させて懸濁液とする。水に対する強磁性酸化鉄粒子の量は1〜50重量%とするのが好ましい。上記の量が1重量%未満となると、濃度が希薄すぎて、強磁性酸化鉄粒子の表面に被着されずに水中に残る比率が高くなる。また、上記の量が50重量%を超えると、濃度が高すぎて、強磁性酸化鉄粒子が凝集しやすくなり、個々の強磁性酸化鉄粒子の表面近傍に均一に重合体を被着形成するのが難しくなる。
つぎに、この懸濁液に、生理活性物質と反応可能な反応性官能基を有する重合体および架橋剤を加えて、混合撹拌し、必要により加熱、pH調整、触媒や反応基活性化物質などの添加などを行って、強磁性酸化鉄粒子の表面に前記の架橋被覆層を形成する。

この架橋被覆層に形成において、生理活性物質と反応可能な反応性官能基を有する重合体および架橋剤は、強磁性酸化鉄粒子を凝集させないように、添加するのが望ましく、通常、溶解または希釈して添加する。また、強磁性酸化鉄粒子への吸着性、反応性、最表面の重合体中反応性官能基の残存性などにより、添加順序、添加の間隔は適宜選択する。
また、生理活性物質と反応可能な反応性官能基を有する重合体および架橋剤の添加量は、強磁性酸化鉄粒子に対する上記反応性官能基を有する重合体の量、磁性複合粒子の残存重合体中反応性官能基の量、重合体中反応性官能基に対する架橋剤中架橋用官能基の量などや、用途に応じて必要とされる特性などにより、決定されるものである。

生理活性物質と反応可能な反応性官能基を有する重合体および架橋剤の強磁性酸化鉄粒子に対する吸着率や反応率などの要素により、最終的に得られるこれらの量や特性は変化する。したがって、ある程度の試行錯誤により、上記の添加量を決定する必要がある。
このようにして得られる磁性複合粒子は、洗浄などにより、未被着物や未反応物などを除去し、必要に応じて濃縮、乾燥、溶媒置換、添加物混合などの処理を施すことにより、本発明の磁性複合粒子とすることができる。

このように製造される本発明の磁性複合粒子は、生理活性物質を高収率で固定化できるとともに、磁気による捕集性が高く、しかも安価な材料として、たとえば、診断薬担体、細菌分離担体、核酸分離精製担体、タンパク質精製担体、固定化酵素担体、抗体固定化担体などの広範囲の担体用途に、有効に利用することができる。
以下に、本発明の実施例1,2と、これと対比させるための比較例1〜3とを記載し、本発明の磁性複合粒子とその製造方法について、より具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例1,2にのみ、限定されるものではない。
<マグネタイト粒子の合成>
100gの硫酸第一鉄(FeSO4 ・7H2 O)を1,000ccの純水に溶解した。また、これとは別に、上記の硫酸第一鉄と等倍モルになるように、28.8gの水酸化ナトリウムを500ccの純水に溶解した。

つぎに、上記の硫酸第一鉄水溶液を攪拌しながら、これに、1時間かけて上記の水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、水酸化第一鉄の沈殿物を生成させた。滴下終了後、攪拌しながら、水酸化第一鉄の沈殿物を含む懸濁液の温度を75℃まで昇温した。懸濁液の温度が75℃に達したのち、250リットル/時間の速度で、エアーポンプを使用して空気を吹き込みながら、8時間酸化して、マグネタイト粒子を生成させた。

このように生成したマグネタイト粒子は、ほぼ球形であり、平均粒子サイズが約0.23μm、比表面積が6.5m2 /gであった。

なお、マグネタイト粒子の粒子サイズは、透過型電子顕微鏡写真上、約50個の粒子サイズを測定し、その平均粒子サイズから求めた。
<重合体の架橋被覆層の形成処理>
上記のマグネタイト粒子の分散液を、純水を用いて十分に水洗したのち、乾燥させることなく、マグネタイトと純水の重量がそれぞれ50gと250gになるように調整した。水洗後の分散液中のマグネタイトの含有量は、一部採取し乾燥させて求めた。

この分散液を撹拌しながら、1級アミノ基を有する重合体であるポリアリルアミン〔日東紡績(株)製の「PAA−H−10C」、アミン当量57、10重量%水溶液〕5g(アミノ基=8.8mmol)と、多官能エポキシ化合物〔ナガセ化成工業(株)製の「EX−313」、エポキシ当量141、1重量%水溶液〕7.5g(エポキシ基=0.53mmol)を加え、室温で反応させたのち、70℃まで昇温して反応率を高めた。

得られた磁性複合粒子は、純水を用いて十分に水洗したのち、ろ過し、90℃で加熱減圧乾燥を行った。このようにしてマグネタイト粒子の表面に生理活性物質と反応可能な反応性官能基として1級アミノ基を有する重合体の架橋被覆層が形成され、かつこの被覆層中に上記反応性官能基である1級アミノ基が残存した磁性複合粒子を得た。
実施例1の重合体の架橋被覆層の形成処理において、多官能エポキシ化合物1重量%水溶液7.5gの代わりに、グルタールアルデヒド〔ナカライテスク(株)製、アルデヒド当量50〕0.01重量%水溶液250g(アルデヒド基=0.50mmol)を使用した以外は、実施例1と同様にして、マグネタイト粒子の表面に生理活性物質と反応可能な反応性官能基として1級アミノ基を有する重合体の架橋被覆層が形成され、かつこの被覆層中に上記反応性官能基である1級アミノ基が残存した磁性複合粒子を得た。
比較例1
実施例1で生成したマグネタイト粒子の分散液を、純水を用いて十分に水洗したのち、ろ過し、90℃で加熱減圧乾燥を行い、生理活性物質と反応可能な反応性官能基を有する重合体の被覆処理を全く施していないマグネタイト粒子を得、これを磁性粒子とした。
比較例2
実施例1の重合体の架橋被覆層の形成処理において、架橋剤としての多官能エポキシ化合物1重量%水溶液7.5gを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、マグネタイト粒子の表面に生理活性物質と反応可能な反応性官能基として1級アミノ基を有する重合体の架橋されていない被覆層を有する磁性複合粒子を得た。
比較例3
実施例1で合成したマグネタイト粒子40g、シクロヘキシルメタクリレート95g、メタクリル酸5g、ビス(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド3gを混合撹拌したものを、ポリビニルアルコール10g、ポリエチレンオキシドノニルフェニルエーテル0.1gを溶解した水1,000gに添加し、超音波分散処理を行ったのち、窒素雰囲気下、75℃で5時間、反応させた。

このようにして得られた磁性複合粒子は、実施例1と同様に、精製し、乾燥したのち、その1gを20mlのpH5.8のリン酸緩衝液に添加し、さらに実施例1で用いたのと同じポリアリルアミンの1重量%水溶液1mlおよび水溶性カルボジイミド〔1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩〕0.2gを添加し、20℃で2時間反応させた。得られた磁性複合粒子は、純水を用いて十分に水洗したのち、ろ過し、90℃で加熱減圧乾燥を行った。このようにして被覆層表面に生理活性物質と反応可能な反応性官能基として1級アミノ基を有する磁性複合粒子を得た。
上記の実施例1,2で得た磁性複合粒子、比較例1で得た磁性粒子および比較例2,3で得た磁性複合粒子について、その平均粒子サイズ、飽和磁化、マグネタイト粒子に対する被覆層の割合(仕込み組成からの計算値)、残存する重合体中反応性官能基(1級アミノ基)の量を、表1にまとめて示した。なお、各種の測定は、以下の手法を用いた。
<平均粒子サイズの測定>
平均粒子サイズは、磁性複合粒子の走査型電子顕微鏡写真を撮影し、この写真上で50個の粒子のサイズを測定し、その平均値を求めた。
<保磁力および飽和磁化の測定>
保磁力および飽和磁化は、振動試料型磁力計(東英工業社製)を用いて、測定した。飽和磁化は、797kA/m(10キロエルステッド)の磁界を印加したときの磁化量から求めた。
<残存重合体中反応性官能基量の測定>
磁性複合粒子の残存重合体中反応性官能基の量は、滴定により求めた。エタノール中に磁性複合粒子を入れ、磁性複合粒子が十分に撹拌される回転速度でスターラチップを回転させる。電位が安定するまで待ったのち、滴定試薬として塩酸のエタノール溶液を用いて電位差滴定する。滴定は、少量の滴定試薬を注入したのち、電位が安定するまで待ってつぎの滴定試薬を注入する、間欠滴定を行った。

なお、実施例1,2および比較例1,2では、十分に洗浄しているうえ、製造時にpH調整や反応促進などのために酸や塩基を加えていないため、イオン交換樹脂処理は行わなかった。比較例3のみ、混床式イオン交換樹脂を混合した水洗処理を2回行った。
<磁界捕集性の評価>
磁性複合粒子の磁界による捕集性は、磁性複合粒子0.5gを水1.5g中に添加し、良く撹拌したのち、フェライト磁石を容器下部に接触させ、磁性複合粒子が磁石部に捕集されて液がほぼ透明になるまでの時間を調べた。10秒以内に透明になるものを◎、30秒以上かかって透明になるものを△、その間のものを○とした。









表1
┌────┬────┬─────┬─────┬─────────┬───┐
│ │平均粒子│飽和磁化 │被覆/ │残存重合体中反応性│磁界 │
│ │サイズ │(A・m2 │Fe3 4 │官能基量 │捕集性│
│ │(μm)│ /kg)│(重量%)│(mmol/g) │ │
├────┼────┼─────┼─────┼─────────┼───┤
│実施例1│0.23│ 82.2│ 1.08│ 0.12 │ ◎ │
│ │ │ │ │ │ │
│実施例2│0.23│ 82.6│ 1.03│ 0.15 │ ◎ │
├────┼────┼─────┼─────┼─────────┼───┤
│比較例1│0.23│ 83.4│ 0 │ 0 │ ◎ │
│ │ │ │ │ │ │
│比較例2│0.23│ 83.2│ 1.00│ 1.00 │ ◎ │
│ │ │ │ │ │ │
│比較例3│1.2 │ 24.5│ 71 │ 0.03 │ △ │
└────┴────┴─────┴─────┴─────────┴───┘
上記の表1の結果から明らかなように、実施例1,2の磁性複合粒子は、マグネタイト粒子表面に生理活性物質と反応可能な反応性官能基を有する重合体の架橋被覆層を有し、この被覆層がマグネタイト粒子に対して約1重量%程度の僅かであり、しかもこの被覆層中に上記反応性官能基が残存しており、単純な工程でかつ被覆材使用量も少量でありながら、生理活性物質と反応可能な反応性官能基を有する重合体を磁性粒子表面に上記反応性官能基を残しながら固定できていることがわかる。また、被覆層の比率が上記のように低いため、分散重合法により製造した比較例3の磁性複合粒子に比べて、磁界による捕集性が高くなっていることがわかる。
つぎに、上記の実施例1〜2で得た磁性複合粒子、比較例1で得た磁性粒子および比較例2で得た磁性複合粒子について、酵素の固定化試験を行った。

まず、これらの磁性複合粒子(ないし磁性粒子)の一定量を水に分散させた。つぎに、この分散液に、酵素として一定量のペルオキシダーゼを添加し、撹拌して、磁性複合粒子(ないし磁性粒子)にペルオキシダーゼを固定化した。
固定化した酵素の量および活性を測定する方法として、TOOS−4−AA系の発色反応を使用した。この発色反応は、ペルオキシダーゼにより触媒される過酸化水素の還元によって生成した酸素と、TOOS〔N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メチルアニリン〕および4−AA(4−アミノアンチピリン)の反応により、波長546nmに吸収を有する色素が生成することを利用したものであり、当業者間で公知の方法である。
すなわち、まず、0.9重量%の過酸化水素を含有する水溶液0.1mlに、反応液〔50mM・トリス塩酸バッファー(pH7.5)、0.6mM・TOOS、0.5mM・4−AA〕を3ml添加して攪拌し、測定液を調製した。つぎに、この測定液にペルオキシダーゼ固定化磁性粒子を100mg添加し、37℃で加温した。この溶液について、吸光度計により磁性粒子の添加直後から5分間の吸光度(OD:546nm)を30秒間隔で測定して、上記試料中の過酸化水素の改質により生成した色素を比較した。
その結果、実施例1,2の磁性複合粒子は、比較例1の生理活性物質と反応可能な反応性官能基を有する重合体の被覆を有さない磁性粒子に比べて、さらに比較例2の重合体の架橋を施していない磁性複合粒子に比べても、多量の酵素が固定化されており、またこの固定化された酵素は高い活性を示すものであることがわかった。

なお、比較例2の磁性複合粒子が実施例1,2の磁性複合粒子よりも酵素の固定化能に劣る理由は、重合体の架橋を施していないため、被覆層がマグネタイト粒子表面から剥離しやすいためと思われる。

Claims (10)

  1. 強磁性酸化鉄粒子の表面に、生理活性物質と反応可能な反応性官能基を有する重合体の架橋被覆層を有するとともに、この被覆層中に上記反応性官能基が残存しており、かつこの被覆層の強磁性酸化鉄粒子に対する割合が10重量%以下であることを特徴とする生理活性物質を固定化するための磁性複合粒子。
  2. 重合体において、生理活性物質と反応可能な反応性官能基が、1級または2級アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、チオール基、イソチオシアネート基、イソシアネート基、アルデヒド基、水酸基の中から選ばれた基である請求項1に記載の生理活性物質を固定化するための磁性複合粒子。
  3. 架橋被覆層が、重合体に対して、この重合体中に含まれる官能基の少なくとも2個と反応可能な化合物を架橋反応させて形成されたものである請求項1または2に記載の生理活性物質を固定化するための磁性複合粒子。
  4. 架橋反応させるための化合物が、官能基として、エポキシ基、アルデヒド基、カルボキシル基、酸無水物基、1級または2級アミノ基、イソシアネート基、オキサゾリン基、重合性二重結合の中から選ばれた基を有する請求項3に記載の生理活性物質を固定化するための磁性複合粒子。
  5. 重合体が、生理活性物質と反応可能な反応性官能基としてアミノ基を有するポリアリルアミンまたはポリエチレンイミンであり、この重合体を架橋反応させるための化合物が、アルデヒド基またはエポキシ基を2個以上有する化合物である請求項3に記載の生理活性物質を固定化するための磁性複合粒子。
  6. 架橋被覆層中に残存する生理活性物質と反応可能な反応性官能基の量が、磁性複合粒子1gあたり、0.1μmol〜1mmolの範囲である請求項1〜5のいずれかに記載の生理活性物質を固定化するための磁性複合粒子。
  7. 平均粒子サイズが0.01〜10μmの範囲である請求項1〜6のいずれかに記載の生理活性物質を固定化するための磁性複合粒子。
  8. 強磁性酸化鉄粒子が、マグネタイト粒子、マグへマイト粒子、マグネタイト−マグヘマイト中間体粒子またはマンガン亜鉛フェライト粒子である請求項1〜7のいずれかに記載の生理活性物質を固定化するための磁性複合粒子。
  9. 強磁性酸化鉄粒子の比表面積が0.1〜100m2 /gの範囲である請求項1〜8のいずれかに記載の生理活性物質を固定化するための磁性複合粒子。
  10. 強磁性酸化鉄粒子の分散液中に、生理活性物質と反応可能な反応性官能基を有する重合体およびこの重合体中に含まれる官能基の少なくとも2個と反応可能な化合物を加えて、混合撹拌することにより、強磁性酸化鉄粒子の粒子表面に生理活性物質と反応可能な反応性官能基を有する重合体の架橋被覆層を有するとともに、この被覆層中に上記反応性官能基が残存し、かつこの被覆層の強磁性酸化鉄粒子に対する割合が10重量%以下である請求項1〜9に記載の生理活性物質を固定化するための磁性複合粒子を得ることを特徴とする磁性複合粒子の製造方法。
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JP2012013687A (ja) * 2010-06-03 2012-01-19 Hitachi Maxell Ltd 磁性マーカー粒子およびその製造方法
JP2014156368A (ja) * 2013-02-14 2014-08-28 Toda Kogyo Corp 複合磁性微粒子粉末、分散体

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