JP2005159171A - 太陽電池素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パッシベーション効果を充分に発揮させるとともに、反射防止の効果も最大限に発揮することのできる、改善された特性を有するパッシベーション膜を有する太陽電池素子とその製造方法を提供する。
【解決手段】表面にパッシベーション膜4を有する半導体基板1を用いて構成された太陽電池素子であって、パッシベーション膜4は、半導体基板1との界面近傍に酸素の濃度が高くなった酸素含有領域3を有するように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は特に半導体基板の表面に改良された特性のパッシベーション膜を有する太陽電池素子とその製造方法に関する。
従来の一般的な太陽電池素子の構造を図5に示す。例えば多結晶シリコンなどからなるp型の半導体基板1の表面近傍の全面に一定の深さまでn型不純物を拡散させてn型を呈する拡散層2が設けられている。そして、半導体基板1の表面に窒化シリコン膜などからなるパッシベーション膜4を設け、表面に表面電極5を設けるとともに、裏面に集電電極6と出力取出電極7とで構成される裏面電極(6、7)を設けている。また、半導体基板1の裏面には高濃度のp型拡散層であるBSF(Back Surface Field)層8が形成される。
この太陽電池素子の製造方法を図6を用いて詳細に説明する。まず半導体基板1を用意する。この半導体基板1はp型、n型いずれでもよい。例えば単結晶シリコンの場合は引き上げ法などで形成され、多結晶シリコンの場合は鋳造法などで形成される。多結晶シリコンは、大量生産が容易で製造コスト面で単結晶シリコンよりもきわめて有利である。引き上げ法や鋳造法で形成された半導体インゴットを300μm程度の厚みにスライスして、15cm×15cm程度の大きさに切断して半導体基板1を得る。その後アルカリなどの溶液でエッチングすることにより、スライスや切断の際に表面に付着した汚れや、ダメージを除去し清浄化する(図6(a)参照)。
次に半導体接合を形成するために、p型もしくはn型の一導電型を呈する半導体基板1の一主面側に逆導電型の半導体領域である拡散層2を形成する。この拡散層2の形成方法としては、例えば、半導体基板1を設置した容器内に加熱しながらキャリアガスを用いて行う。例えば、半導体基板1がp型である場合、POClを流すことでn型のドーパントであるPを含有する不純物拡散源となるリンガラス(図不示)を半導体基板1の表面に形成し、同時に半導体基板1の表面への熱拡散も行うという気相拡散法が一般的である。その後、例えば、希釈したフッ酸溶液などの薬品に浸漬させることにより、リンガラスを除去し、半導体基板1に拡散層2を形成する(図6(b)参照)。このとき半導体基板1は大気との接触によって、その表面には、図6(c)に示すように、表面に薄い酸化膜9が形成されている。
次に、半導体基板1の表面側にパッシベーション膜4を形成する(図6(d)参照)。このパッシベーション膜4は、窒化シリコン膜などからなり、例えばシラン(SiH)とアンモニア(NH)との混合ガスを窒素(N)で希釈し、グロー放電分解してプラズマ化させて堆積させるプラズマCVD法などで形成される。具体的には、半導体基板1をプラズマCVD装置の反応室内に搬送し、一旦反応室を高真空状態にした後、反応ガスを導入し、その後、高周波やマイクロ波などによって、グロー放電を起こさせてプラズマを励起し、反応ガスを分解することによって、半導体基板1の拡散層2の上に、窒化シリコン膜を成膜する。このときヒーターなどを用いて反応室内は500℃程度の高温に保たれる。このパッシベーション膜4は膜中に水素(H)を含有しており、成膜中および成膜後の加熱により半導体基板1内に水素が拡散し、パッシベート効果をもたらすことが知られている(例えば、特許文献1参照)。また半導体基板1との屈折率差などを考慮して屈折率および膜厚を決めることにより、反射防止膜としての機能も発揮する。例えば半導体基板1がシリコン基板である場合、屈折率は1.8〜2.3程度、厚み500〜1000Å程度にすればよい。
次に、裏面側の不要な領域の拡散層2を除去(図不示)した後、裏面に例えばアルミニウムを主成分とするペーストをスクリーン印刷などによって塗布して焼き付けることによって集電電極6が形成されるともに、半導体基板1中にp型のドーパントであるアルミニウムが拡散してp型高濃度層であるBSF層8が形成される。また、表裏面に銀からなる電極材料を塗布して焼き付けることよって表面電極5および出力取出電極7を形成する(図6(e)参照)。
またパッシベーション膜4は受光面側だけでなく、裏面側にも成膜すれば、さらにパッシベーションの効果を高められることが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−277605号公報 特許第2033620号
しかし、上述した従来の方法によれば、パッシベーション膜の特性が不安定であり、パッシベートの効果を充分に発揮できないことがあった。また、パッシベーション膜の膜厚や色が変化してしまい、反射防止膜として用いたときにその機能が低下してしまうという問題が発生することもあった。
この問題について、発明者らは鋭意検討を行った結果、パッシベーション膜4と半導体基板1の間に酸化膜9が存在する事実をつきとめた。この酸化膜9は、例えば、不純物であるPを拡散させるときに用いたリンガラスを除去するため希釈したフッ酸溶液などの薬品に浸漬させた後、大気に触れることによって、半導体基板1の表面に形成される(図6(c)参照)。この酸化膜9は一般に自然酸化膜(Native Oxide)と呼ばれるもので、その厚みは半導体基板1を薬品に浸漬させたあとに触れる大気の温度や湿度などによって変化するが、例えば、単結晶シリコンの場合、数Å〜十数Å程度である。
このような自然酸化膜に由来する酸化膜9は非常に薄いため、その後のプラズマCVDを用いてパッシベーション膜4を形成する工程(図6(d)参照)において、ほとんどが除去されると考えていた。例えば、窒化シリコン膜によってパッシベーション膜4を形成する場合には、シラン(SiH)とアンモニア(NH)との混合ガスを窒素(N)で希釈し、グロー放電分解してプラズマ化させる。このプラズマは強い還元雰囲気となるため、酸化膜9は還元されて次第に除去されるはずである。
しかしながら、発明者らが検討を行った結果、おおむね以下のような機構で酸化膜9が完全に除去されずに残存することがわかった。
半導体基板1の表面の酸化膜9は、プラズマの還元作用および衝撃により一部が破壊され、パッシベーション膜に酸素が含有された酸素含有領域3となるが、残りの領域は酸化膜9として残る(図5、図6(d)参照)。
このようにパッシベーション膜4と半導体基板1の間に酸化膜9が残存すると、半導体基板1表面の欠陥密度が増大したり、酸化膜に含まれる不純物が半導体基板1内に拡散したり、水素のバリアとして働いてしまうなどの現象が起きるため、パッシベーション膜4は、そのパッシベーション効果を充分に発揮することができなかったり、膜厚や色にばらつきが生じたりするものと思われる。
このときに残存する酸化膜9はいわゆる自然酸化膜であり、不均一で不純物を含んでいる。これにより半導体基板1の表面の結晶にゆがみが生じたり、熱が加わることによって不純物が半導体基板1内に拡散したりしてしまうため、太陽電池素子の出力特性が向上しない。またプラズマCVD法で成膜した窒化シリコン膜はその中に含まれる水素が拡散し、パッシベート効果をもたらすことが知られているが、その水素が酸化膜9にブロックされてしまい、半導体基板1にたどり着かない、もしくはたどり着く量が減ってしまうため、パッシベート効果を有効に発揮できない。
さらにパッシベーション膜4には反射防止膜としての機能も求められ、半導体基板1がシリコン基板である場合、屈折率は1.8〜2.3程度、厚み500〜1000Å程度にする必要がある。しかし、膜厚制御のできない酸化膜9が半導体基板1の表面に不均一に形成されていると、その上にパッシベーション膜4を形成しても半導体基板1の表面に形成された膜の総厚にばらつきが生じ、外観上不適なものとなってしまうことがある。そして、酸化膜9が均一に形成されたとしても、その膜厚の制御ができないため反射防止膜として最適な屈折率や膜厚とすることが難しいという問題があった。
このように酸化膜9の存在によって、パッシベーション膜4の膜特性が損なわれるが、これについて、発明者らは次のような現象を見出した。
図7は、図6(e)の工程を経た多結晶シリコン太陽電池素子の窒化シリコン膜の表面を100倍の倍率で金属顕微鏡を用いて観察したときの図面代用写真である。図7の(a)と(b)は同じ部位でコントラストを変えて撮影したものであるが、特に(b)の方では、周囲とは色が異なり、白色を呈する変色点Aが多数存在していることがはっきりと確認できる。この図7の撮影領域の面積は0.6935mmで、この領域中に250個以上の変色点Aを観察することができるから、1mmあたりであれば、360個以上の変色点Aが存在することになる。
ここで観察した変色点Aは、その周囲と色が違うため、例えば、金属顕微鏡やルーペなどによって認識可能であり、50μm以下の非常に微小な領域として窒化シリコン膜の表面に観察され、その周囲の部分とは、膜質が異なっている。
例えば、発明者らは、パッシベーション膜4をフッ酸溶液に浸漬したときに、この変色点Aは周囲の箇所と比べて、非常にエッチングされやすいことを確認した。この事実から見ても、この変色点Aは十分なパッシベーション効果を期待できず、パッシベーション膜4中に含まれる水素が、この変色点Aを経て太陽電池素子外へ放出されてしまうものと推測される。さらに、この変色点Aは周囲の箇所と屈折率が異なっているため、図7のように白点として観察される。こういった箇所が膜中に多く存在していると、外観上好ましくないばかりか、反射防止膜としても十分に効果を発揮することができない。
このように、変色点Aによって、パッシベーション膜4の反射防止膜としての機能も奏さなくなり、結果として太陽電池素子の出力特性が低下してしまうという問題があったが、従来の方法では、この変色点Aの発生を効果的に防止することができなかった。
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、パッシベーション効果を充分に発揮させるとともに、反射防止の効果も最大限に発揮することのできる、改善された特性を有するパッシベーション膜を有する太陽電池素子とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1にかかる太陽電池素子は、表面にパッシベーション膜を有する半導体基板を用いて構成された太陽電池素子であって、前記パッシベーション膜は、前記半導体基板との界面近傍に酸素の濃度が高くなった領域を有してなる。
このようにすることにより従来とは異なり、半導体基板の表面に酸化膜が単独で存在しないことから、パッシベーション膜の効果が半導体基板に直に与えられ、従来よりも太陽電池素子のパッシベーション効果を高めることができる。そして、半導体基板の表面に形成されるパッシベーション膜の厚みや色といった性質に影響が与えられることはなく、反射防止膜としての機能も最大限に生かすことができる。よってパッシベーション効果と反射防止効果の高い高性能の太陽電池素子を得ることができる。
さらに、パッシベーション膜と半導体基板の界面近傍に酸素の濃度が高くなった領域が存在することから、太陽電池素子の電極を形成する際に、パッシベーション膜の上から直接電極材料を塗布し、焼き付けることによって、半導体基板と電極のオーミックコンタクトをとるいわゆるファイヤースルー法において、電極材料中に含まれるガラスフリットが有効に作用し、基板材料のシリコンと共融状態を作って密着強度を向上するので、良好なオーミックコンタクト性を得ることができる。
本発明の請求項2にかかる太陽電池素子は、請求項1に記載の太陽電池素子において、前記半導体基板は一導電型を有するとともに、この半導体基板と前記パッシベーション膜との間に逆導電型の拡散層が設けられてなる。さらに、本発明の請求項3にかかる太陽電池素子は、請求項1または2に記載の太陽電池素子において、前記半導体基板はシリコン基板である。このように一般的なバルク結晶型のシリコン太陽電池素子に適用することができ、高い汎用性となる。
本発明の請求項4にかかる太陽電池素子は、請求項1から3のいずれかに記載の太陽電池素子において、前記パッシベーション膜は、窒化シリコンを主成分としてなる。このようにすることにより、特に半導体基板がシリコン基板である場合、パッシベーション効果が高くなる。さらに単結晶と比較して基板品質の劣る多結晶シリコン基板を使用したときには、さらにその効果が明白になる。
本発明の請求項5にかかる太陽電池素子は、請求項3に記載の太陽電池素子において、前記パッシベーション膜の屈折率が1.8〜2.6、厚みが50〜1200Åである。このようにすることにより、パッシベーション膜が反射防止膜としての効果をも兼ね備えることができ、太陽電池素子の特性向上につながる。
本発明の請求項6にかかる太陽電池素子は、表面にパッシベーション膜を有する半導体基板を用いて構成された太陽電池素子であって、そのパッシベーション膜の表面には、その周囲と色の違いによって認識可能な、差し渡し寸法が50μm以下の変色部が存在するとともに、この変色部は、パッシベーション膜の全面にわたって、1mmあたり40個以下の密度で存在する。このように構成されたパッシベーション膜はパッシベーション効果と反射防止効果を有効に発揮することができ、太陽電池素子の出力特性の向上につながる。
なお、本明細書において、「ある対象物の差し渡し寸法がXμm以下である」とは、Xμmの直径を有する円によって、その対象物を隠すことができることを意味するものとする。
本発明の請求項7にかかる太陽電池素子の製造方法は、半導体基板の表面にプラズマCVDによってパッシベーション膜を成膜する太陽電池素子の製造方法であって、前記半導体基板の表面に対して窒素プラズマ処理を行った後に、前記パッシベーション膜の成膜を行う。このようにすることにより、例えば希釈したフッ酸溶液などの薬品に浸漬させリンガラスを除去した後、大気に触れることによって半導体基板の表面に形成された酸化膜を除去することができる。よって半導体基板の上に直接、パッシベーション膜を形成することができるため、パッシベーション効果を充分に発揮するとともに、膜厚や色にばらつきのない膜を成膜することによって反射防止の効果も最大限に発揮することのできる太陽電池素子を得ることができる。
本発明の請求項8にかかる太陽電池素子の製造方法は、請求項6に記載の太陽電池素子の製造方法において、前記窒素プラズマ処理と、前記パッシベーション膜の成膜とを、大気開放せずに連続して行う。このようにすることにより例えば希釈したフッ酸溶液などの薬品に浸漬させリンガラスを除去した後、大気に触れることによって半導体基板の表面に形成された酸化膜を窒素プラズマ処理によって除去したあと、大気に触れることなく成膜を行うことが可能になる。そのため窒素プラズマ処理後、パッシベーション膜の成膜までに酸化膜が半導体基板の表面に形成されることを防ぐことができる。
以上のように、本発明の請求項1にかかる太陽電池素子によれば、半導体基板の表面に酸化膜が単独では存在しないことから、パッシベーション膜の効果が半導体基板に直に与えられ、より太陽電池素子のパッシベーション効果を高めることができる。そして、半導体基板の表面に形成されるパッシベーション膜の厚みや色といった性質に影響が与えられることはなく、反射防止膜としての機能も最大限に生かすことができる。よってパッシベーション効果と反射防止効果の高い高性能の太陽電池素子を得ることができる。
さらに、ファイヤースルー法を用いた場合においても、良好なオーミックコンタクト性を得ることができる。
本発明の請求項2または3にかかる太陽電池素子によれば、本発明を一般的なバルク結晶型のシリコン太陽電池素子に適用することができ、汎用性が高く、広い分野で応用することができる。
本発明の請求項4にかかる太陽電池素子によれば、特に半導体基板がシリコン基板である場合、パッシベーション効果が高くなり、特に多結晶シリコン基板を使用したときに、効果が明白に現れる。
本発明の請求項5にかかる太陽電池素子によれば、パッシベーション膜が反射防止膜としての効果をも兼ね備えることができ、太陽電池素子の特性を向上させることができる。
本発明の請求項6にかかる太陽電池素子によれば、パッシベーション膜のパッシベーション効果と反射防止効果を有効に発揮することができ、太陽電池素子の出力特性を向上させることができる。
本発明の請求項7にかかる太陽電池素子の製造方法によれば、半導体基板の上に直接、パッシベーション膜を形成することができるため、パッシベーション効果を充分に発揮するとともに、膜厚や色にばらつきのない膜を成膜することによって反射防止の効果も最大限に発揮することのできる太陽電池素子を得ることができる。
本発明の請求項8にかかる太陽電池素子の製造方法によれば、窒素プラズマ処理後、パッシベーション膜の成膜までに酸化膜が半導体基板の表面に形成されることを防ぐことができる。
以下、本発明を添付図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明の太陽電池素子の構造を示す断面図である。図1において、1は半導体基板、2は拡散層、3は酸素含有領域、4はパッシベーション膜、5は表面電極、6は集電電極、7は出力取出電極、8はBSF層を示す。本発明においても太陽電池素子の構造は、従来のものとほぼ同じである。
例えば、p型の半導体基板1の表面近傍の全面に一定の深さまでn型不純物を拡散させてn型を呈する拡散層2が設けられている。そして、半導体基板1の表面に窒化シリコン膜などからなるパッシベーション膜4を設け、表面に表面電極5を設けるとともに、裏面に集電電極6と出力取出電極7とで構成される裏面電極(6、7)を設けている。また、半導体基板1の裏面には高濃度のp型拡散層であるBSF層8が形成される。
そして、本発明の太陽電池素子においては、パッシベーション膜4は、半導体基板1との界面近傍が、酸素の濃度が高くなった酸素含有領域3となっている。このように構成されているので、図5に示した従来の太陽電池素子構造とは異なり、半導体基板1の表面に酸化膜9が単独で存在しないので、パッシベーション膜4の影響が半導体基板1に直に与えられ、従来よりもパッシベーション効果を高めることができる。
一般的に太陽電池素子に電極を形成する方法は数多くあるが、低コスト化のため、銀粉末と有機ビヒクルおよびガラスフリットを含む電極材料を半導体基板1の表面に印刷し、600〜800℃で1〜30分程度焼成することによって焼き付けて形成することが多い。電極材料中のガラスフリットは、電極材料中の金属成分の焼結を促進させるとともに、基板材料のシリコンと共融状態を作って密着強度を向上させる。
表面電極を形成する際、パッシベーション膜4の電極形成部を除去して、この部分に電極材料を焼き付けて形成する場合と、パッシベーション膜の電極形成部の除去を行わずに、パッシベーション膜の上から直接電極材料を塗布し焼き付けて形成するいわゆるファイヤースルー法を用いる場合とがある。このファイヤースルー法を用いる場合は、特に、電極と半導体基板のコンタクト抵抗が増大したり、密着強度が充分でないなどの問題が発生することがあった。
これに対して、本発明ではパッシベーション膜4は、半導体基板1との界面近傍が、酸素濃度の高い酸素含有領域3となっているので、電極材料中のガラスフリットとともに電極材料中の金属成分の焼結を促進させるとともに、基板材料のシリコンと共融状態を作って密着強度を向上させ、従来よりもパッシベーション効果を高めることができるとともに、従来と同等以上のファイヤースルー性を得ることができる。
さらに、酸化膜9が単独では存在しないことから、半導体基板1の表面に形成される膜の厚みや色といった性質に影響が与えられることはない。
このときパッシベーション膜4は、受光面側もしくは受光面側と側面のみに形成してもよいし、裏面にも形成してもかまわない。裏面にも形成することによってパッシベーション効果をさらに高めることができる。しかし、工程の増加につながることから、例えば裏面のほぼ全面にアルミニウムを主成分とする集電電極6を形成することによって、裏面にパッシベーション膜を形成したときと同様の効果を得ることが可能である。
このときパッシベーション膜4は窒化シリコン膜であることが望ましい。特に半導体基板1がシリコン基板である場合、パッシベーション効果が高くなるからである。さらに単結晶と比較して基板品質の劣る多結晶シリコン基板を使用したときには、さらにその効果が明白になる。
受光面側に形成するパッシベーション膜4の屈折率は1.8〜2.6、厚みが50〜1200Åとすることが望ましい。このようにすれば、パッシベーション膜4が反射防止膜としての効果を兼ね備えることができ、太陽電池素子の特性向上につながる。
また、本発明にかかる太陽電池素子のパッシベーション膜4の表面には、その周囲と色の違いによって認識可能な、差し渡し寸法が50μm以下の変色部Aが存在し、変色部Aは、パッシベーション膜4の全面にわたって1mmあたり40個以下の密度で存在する。
図4に、本発明にかかる太陽電池素子の窒化シリコン膜の表面を100倍の倍率で金属顕微鏡を用いて観察したときの図面代用写真を示す。図4の(a)と(b)は同じ部位でコントラストを変えて撮影したものであるが、特に(b)の方では、周囲とは色が異なり、白色を呈する変色点Aが存在していることが確認できる。この図4の撮影領域の面積は0.6935mmで、変色点Aは20個存在しているので、1mmあたりの変色点Aの数は29個である。
すでに、発明が解決しようとする課題の箇所でも述べたが、この変色点Aは、その周囲の部分とは、膜質が異なっており、十分なパッシベーション効果を発揮できず、周囲の箇所と屈折率が異なっており、外観上好ましくないばかりか、反射防止膜としても十分に効果を発揮できない。従来は、図7に示すように、この変色点Aが多く存在し、パッシベーション膜4の特性を下げる原因となっていたが、本発明にかかる太陽電池素子にかかるパッシベーション膜4では、この変色点Aの存在密度を、パッシベーション膜4全体にわたって、1mmあたり40個以下としたので、パッシベーション効果と反射防止効果を有効に発揮することができ、太陽電池素子の出力特性の向上につながる。
次に本発明にかかる太陽電池素子の製造方法を図2を用いて詳しく説明する。図2においても、1は半導体基板、2は拡散層、3は酸素含有領域、4はパッシベーション膜、5は表面電極、6は集電電極、7は出力取出電極、8はBSF層、9は酸化膜を示す。
まず半導体基板1を用意する。この半導体基板1はp型、n型いずれでもよい。例えば単結晶シリコンの場合は引き上げ法などで形成され、多結晶シリコンの場合は鋳造法などで形成される。多結晶シリコンは、大量生産が容易で製造コスト面で単結晶シリコンよりもきわめて有利である。引き上げ法や鋳造法で形成されたインゴットを300μm程度の厚みにスライスして、15cm×15cm程度の大きさに切断して半導体基板1となる。
その後アルカリなどの溶液でエッチングすることにより、スライスや切断の際に表面に付着した汚れや、ダメージを除去し清浄化する(図2(a)参照)。
次に半導体接合を形成するために、一導電型を呈する半導体基板1の一主面側に逆導電型半導体領域である拡散層2を形成する。この拡散層2の形成方法としては、半導体基板1を設置した容器内に加熱しながらキャリアガスを用いて行う。例えば、半導体基板1がp型である場合POClを流すことで不純物拡散源となるリンガラス(図不示)を半導体基板1の表面に形成し、同時に半導体基板1の表面への拡散も行うという気相拡散法が一般的である。また、拡散源を半導体基板1の上に塗布し熱処理を行う塗布拡散法や、固体の拡散源を半導体基板1とともに容器内に設置し、加熱処理を行う固相拡散法を用いることも可能である。その後、例えば希釈したフッ酸溶液などの薬品に浸漬させることにより、拡散時に半導体基板1の表面に形成されたリンガラスを除去する(図2(b)参照)。
本発明の太陽電池素子の製造方法では、この後、窒素プラズマ処理工程が設けられている。窒素プラズマ処理工程は次のようにして行う。
被処理体である半導体基板1は拡散層2を形成した後、上述の工程によってその表面からリンガラスを除去するために、フッ酸溶液に浸漬した後、洗浄・乾燥を経ている。このとき半導体基板1は大気との接触によって、その表面には、図2(c)に示すように、表面に薄い酸化膜9が形成されている。
この半導体基板1を窒素プラズマ処理を行うための、プラズマ処理装置のチャンバー(処理室)内に載置する。このプラズマ処理装置としては、プラズマCVD装置や、プラズマエッチング装置を用いることができる。特に、パッシベーション膜を成膜するプラズマCVD装置を用いて行えば、その後引き続いてパッシベーション膜の成膜工程と連続して行うことができるため望ましい。なお、装置構成について詳細は後述する。
半導体基板1が載置されたプラズマCVD装置のチャンバー内を高真空に引いた後、所定流量の窒素を導入し、高周波やマイクロ波によってグロー放電を起こさせる。このようにプラズマ状態となった窒素は、拡散層2の表面に薄い酸化膜9が形成された半導体基板1に入射する。この窒素プラズマは、気体温度に比べて電子温度が高くなったいわゆる非平衡プラズマであり、主に半導体基板1に対しては、窒素分子や窒素イオン、窒素ラジカルなどの活性種が入射して、半導体基板1の表面の酸化膜9を除去することができる。
窒素ガスの流量としては、500〜4000ml/min(sccm)の範囲とすることが望ましく、この範囲よりも低いと、プラズマによる活性種の供給が律速となり、処理速度が遅くなる。また、この範囲よりも大きいと、プラズマによる活性種が半導体基板1上の酸化膜9と反応を起こす前に排気される割合が増えて、逆に処理速度が遅くなる。
また、反応圧力としては、50〜140Paの範囲とすることが望ましく、この範囲よりも小さいときは、プラズマ種の平均自由工程が伸びて、プラズマ温度が高くなりすぎ、半導体基板1にダメージを与える恐れがあり、逆にこの範囲を超えると均一なプラズマとならない恐れがある。
なお、プラズマ装置の処理条件については、装置によって条件が異なり、規定することはできないが、例えば、周波数としては200〜500kHz、電力としては600〜1000W、処理時間としては5〜30sec程度を目安として各装置ごとに条件出しを行えばよい。
この窒素プラズマ処理工程で起こっている現象については、詳細は不明であるが、おおよそ次のような機構となっているものと推測する。
窒素プラズマ処理を行うことにより、窒素分子や窒素イオン、窒素ラジカルなどの活性種が、半導体基板1の表面の酸化膜9に入射する。このとき、例えば、フッ素系ガスなどのエッチングガスと異なり、窒素自体にはエッチング作用がないため、化学的な作用により酸化膜9がエッチングされるのではなく、これらのプラズマ種による衝撃などにより、Si−Oの結合が切れてラジカル化し、結果的に酸化膜9が除去されるものと考えられる。
そして半導体基板1の表面には、窒素プラズマ処理時にプラズマ改質を受けて、半導体基板1の材料と、プラズマの活性種に由来する窒素、酸化膜9に由来する酸素とが混在した薄い変成層を形成しているものと思われる。このような変成層は、その上にパッシベーション膜4を形成する際にパッシベーション膜4に取り込まれて、酸素含有領域3が形成される。
従来の方法によれば、半導体基板1の表面に酸化膜9が残っているため、パッシベーション膜4を形成する際に、この酸化膜9の一部は還元されるなどして除去されるものが完全には除去されずに残っていた。このように残存した酸化膜9がパッシベーション膜4を形成する際に、核生成の基点となるなど、下地の影響を大きく受ける可能性がある。したがって、パッシベーション膜4が一様に成長することができず、膜特性が局所的に変動してしまう恐れが大きい。
さらに、半導体基板1を結晶シリコンとし、パッシベーション膜4として、窒化シリコン膜を用いて構成した場合には、シリコンと窒化シリコンとの間に酸化膜9が形成されており、相互の接着強度が高くないため、その後のファイアースルーによる焼成電極形成などによって、熱プロセスを経た場合、窒化シリコン膜が壊れてしまう恐れがある。
このような理由により、従来の方法では図7に示したような変色点Aが高い密度で存在していたものと考えられる。
これに対して、本発明の太陽電池装置の製造方法によれば、半導体基板1の表面に酸化膜9が単独では存在せず、半導体基板1の材料と酸化膜9に由来するOと窒素プラズマに由来するNとが混在した薄い変成層が表面に形成されている。その後、この変成層上に、パッシベーション膜4を形成する際に、変成層が取り込まれて、酸素含有領域3が形成される。このような薄い変成層はパッシベーション膜4の形成に当たっては、ほとんど問題とならず、パッシベーション膜4は下地の影響を受けずに、従来の方法に比べて、より均一に成長することが可能となる。
さらに、半導体基板1を結晶シリコンとし、パッシベーション膜4として、窒化シリコン膜を用いて構成した場合には、層構成としては、Si/Si(O,N)/SiNのようになり、シリコンと窒化シリコンとの間には、酸素の濃度が高くなった薄い酸素含有領域3が存在しているだけであるため、相互の接着強度が高い。したがって、その後のファイアースルーによる焼成電極形成などって、熱プロセスを経た場合にも、窒化シリコン膜が壊れる可能性が低いと予想される。
このような理由により、本発明の太陽電池素子の製造方法によれば、従来(図7)に比べて、変色点Aの存在密度を半導体基板1の全体にわたって図4のように抑えることができるものと考えられる。
このように、本発明にかかる窒素プラズマ処理工程を行うことによって、得られたパッシベーション膜4は、パッシベーション効果を充分に発揮するとともに、膜厚や色にばらつきのない膜となるので、反射防止の効果も最大限に発揮することのできる太陽電池素子を得ることができる。
酸化膜9を除去するための方法としては、本発明にかかる窒素プラズマ処理工程以外に、再度薬品に浸漬させる湿式処理の方法もあるが、半導体基板1が液体に触れるため、その乾燥時に再度、酸化膜が形成されてしまう可能性が高く、好ましくない。それに対して、本発明にかかる窒素プラズマ処理工程では、乾式処理であるため、酸化膜9の再付着を抑制することができる。
なお、半導体基板1から酸化膜9を除去するという目的だけであれば、窒素のかわりに例えばフッ素系ガスなどのエッチングガスを用いても酸化膜9の除去は可能である。しかし、上述のようなパッシベーション膜4を形成する際の効果が得られないばかりか、これらのガスはガス自体が高価である上に、取り扱いが難しく、また排ガスの特別な処理が必要となることから、結果として太陽電池素子の製造コストの高騰を招く。さらに、このようなエッチングガスは半導体基板1表面の酸化膜9を除去できるものの、同時に装置内部もエッチングしてしまう。そのため装置の寿命が低下するなどの問題が発生し、適当ではない。
これに対して、窒素は安全で安価な安定したガスであり、窒素のためには特別な取り扱いや、安全装置、排ガス処理装置などの付帯設備を必要としない。また、成膜時のキャリアガスとしても使用できるので、ガスを使用するための付帯設備の導入や、設備改造などを別途行う必要もない。
このように安全面、コストの点からも、本発明にかかる窒素プラズマ処理工程は極めて有効である。
さらに、この窒素プラズマ処理とパッシベーション膜4の成膜とを大気開放せずに連続して行うことが望ましい。例えば、同一のチャンバーもしくは隣接するチャンバー内で行うことにより、半導体基板1の表面に形成された酸化膜9を窒素プラズマ処理によって除去したあと、大気に触れることなく成膜を行うことが可能になる。
ここで同一チャンバーもしくは隣接するチャンバーとは、窒素プラズマ処理を行った後、大気に戻すことなく高真空状態を保ったままパッシベーション膜4の成膜を行える状態を示したものであり、例えば第1のチャンバーで窒素プラズマ処理を行い、第2のチャンバーを素通りし、第3のチャンバーで成膜を行ったとしても、第1から第3まで高真空状態にあるチャンバーであれば、本発明にかかる太陽電池素子の製造方法と同一である。
その後、半導体基板1の表面にパッシベーション膜4を形成する。このパッシベーション膜4は、窒化シリコン膜などからなり、例えばシラン(SiH)とアンモニア(NH)との混合ガスを窒素(N)で希釈し、グロー放電分解してプラズマ化させて堆積させるプラズマCVD法などで形成される。このときプラズマCVD装置のチャンバー内にわずかに残る酸素成分や、半導体基板1の表面に付着した酸素成分によって半導体基板1の表面にはわずかに酸化膜が付着する。しかし、半導体基板1の表面に形成された酸化膜9は、パッシベーション膜4の成膜時のプラズマの衝撃などにより破壊され、酸化膜9単独の層として残ることはなく、パッシベーション膜4中において、酸素濃度が高い酸素含有領域3となる(図2(e)参照)。
次に、裏面側の不要な領域の拡散層2を除去(図不示)した後、裏面に例えばアルミニウムを主成分とするペーストをスクリーン印刷などによって塗布して焼き付けることによって集電電極6が形成されるともに、半導体基板1中にアルミニウムが拡散してp型高濃度層であるBSF層8が形成される。また、表裏面に銀からなる電極材料を塗布して焼き付けることによって表面電極5および出力取出電極7を形成し太陽電池素子が完成する(図2(f)参照)。
次に図3を用いて本発明にかかるプラズマCVD装置について説明する。図3において、1は半導体基板、10はカート、11はロード室、12は反応室、13はアンロード室、14は搬送機構、15はリーク弁、16は仕切弁、17はヒーター、18はRF電源、19は電極板、20はマスフローメーターを示す。
真空を解除するリーク弁15と仕切弁16(16a〜16d)を設けて高真空状態に保たれるロード室11、反応室12、およびアンロード室13を設けるとともに、反応室12にはヒーター17とRF電源18から電源が供給される電極板19と供給ガスの流量を制御するマスフローメーター20を設けたものである。
半導体基板1が載置されたカート10は搬送機構14で入口側からロード室11に搬入される。ロード室11を高真空にした後、仕切弁16bが開放されて反応室に搬入される。反応室12で薄膜が成膜されたあと、仕切弁16cが開放されアンロード室13に運ばれる。仕切弁16cが閉じられたあと、アンロード室13が大気に戻され、仕切弁16dを開放して出口側から搬出される。さらに連続して処理するために、出口側から搬出されたカート10は外部を通り入口側にもどされる。このときロード室11の入口側に半導体基板1の供給機構を設けて装置の上部側からロボットなどで成膜前の半導体基板1をカート10の上に供給したり、アンロード室13の出口側に半導体基板1の回収機構を設けて成膜した半導体基板1を回収する。
このとき本発明によるプラズマCVD装置によれば、カート10に積載された半導体基板1を高真空の反応室12内に搬送した後、窒素のみを導入してからプラズマを印加して窒素プラズマ処理を行う。その後窒素ガスとプラズマ印加を一旦停止し、再び高真空状態にした後、成膜に必要な全ての反応ガスを反応室内に導入する。その後再度プラズマを印加することによってパッシベーション膜4を成膜する。
このような機構を有するプラズマCVD装置を使用することにより、表面が清浄化された半導体基板1にパッシベーション膜4を成膜できるようになるため、パッシベーション効果を充分に発揮するとともに、変色部Aの存在密度を抑え、膜厚や色にばらつきのない膜を成膜できるので反射防止の効果も最大限に発揮することができる太陽電池素子を得ることができる。
またこの窒素プラズマ処理をする処理室を、パッシベーション膜4の成膜と同一のチャンバーもしくは隣接するチャンバーにすることにより、例えば希釈したフッ酸溶液などの薬品に浸漬させリンガラスを除去した後、大気に触れることによって半導体基板1の表面に形成された酸化膜9を窒素プラズマ処理によって除去したあと、大気に触れることなく成膜を行うことが可能な装置となる。
ここで同一チャンバーもしくは隣接するチャンバーとは、窒素プラズマ処理を行った後、大気に戻すことなく高真空状態を保ったままパッシベーション膜4の成膜を行える状態を示したものであり、例えば第1のチャンバーで窒素プラズマ処理を行い、第2のチャンバーを素通りし、第3のチャンバーで成膜を行う装置であっても、第1から第3まで高真空状態にあるチャンバーであれば、本発明にかかる装置と同一である。
なお、本発明の実施形態は上述の例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることはもちろんである。
例えば半導体基板はp型多結晶シリコン基板を例にとり説明したが、これに限定されるものではなく例えばn型多結晶シリコン基板、単結晶シリコン基板そして薄膜系などに応用することは可能である。
また、電極の構造および形成方法についてもこれに限定されるものではない。例えば、電極材料を塗布し焼きつける方法以外にも、スパッタ法や蒸着法を利用した方法で電極を形成することも可能であるし、表裏両面に電極を有する構造以外でも、本発明は裏面のみに電極を有する太陽電池素子に使用してもその効果を充分に発揮する。
本発明にかかる太陽電池素子の一実施形態を示す図である。 本発明にかかる太陽電池素子の形成方法を説明するための図である。 本発明にかかるプラズマCVD装置を説明するための図である。 本発明にかかる太陽電池素子の表面を金属顕微鏡で観察した図面代用写真であり、(a)、(b)は同一箇所をコントラストを変えて撮影したものである。 従来の太陽電池素子の構造を説明するための図である。 従来の太陽電池素子の形成方法を説明するための図である。 従来の太陽電池素子の表面を金属顕微鏡で観察した図面代用写真であり、(a)、(b)は同一箇所をコントラストを変えて撮影したものである。
符号の説明
1:半導体基板
2:拡散層
3:酸素含有領域
4:パッシベーション膜
5:表面電極
6:集電電極
7:出力取出電極
8:BSF層
9:酸化膜
10:カート
11:ロード室
12:反応室
13:アンロード室
14:搬送機構
15:リーク弁
16:仕切弁
17:ヒーター
18:電源
19:電極板
20:マスフローメーター
変色部:A

Claims (8)

  1. 表面にパッシベーション膜を有する半導体基板を用いて構成された太陽電池素子であって、前記パッシベーション膜は、前記半導体基板との界面近傍に酸素の濃度が高くなった領域を有してなる太陽電池素子。
  2. 前記半導体基板は一導電型を有するとともに、この半導体基板と前記パッシベーション膜との間に逆導電型の拡散層が設けられてなる請求項1に記載の太陽電池素子。
  3. 前記半導体基板はシリコン基板である請求項1または2に記載の太陽電池素子。
  4. 前記パッシベーション膜は、窒化シリコンを主成分としてなる請求項1から3のいずれかに記載の太陽電池素子。
  5. 前記パッシベーション膜の屈折率が1.8〜2.6、厚みが50〜1200Åである請求項3に記載の太陽電池素子。
  6. 表面にパッシベーション膜を有する半導体基板を用いて構成された太陽電池素子であって、そのパッシベーション膜の表面には、その周囲と色の違いによって認識可能な、差し渡し寸法が50μm以下の変色部が存在するとともに、この変色部は、パッシベーション膜の全面にわたって、1mmあたり40個以下の密度で存在してなる太陽電池素子。
  7. 半導体基板の表面にプラズマCVDによってパッシベーション膜を成膜する太陽電池素子の製造方法であって、前記半導体基板の表面に対して窒素プラズマ処理を行った後に、前記パッシベーション膜の成膜を行う太陽電池素子の製造方法。
  8. 前記窒素プラズマ処理と、前記パッシベーション膜の成膜とを、大気開放せずに連続して行う請求項7に記載の太陽電池素子の製造方法。
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