JP2005158398A - 電池及び発電方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 バイポーラ型の電池であって、安定に発電することが可能な、新規な構成の電池、及び該電池を用いた発電方法を提供すること。
【解決手段】 酸性媒体と、該酸性媒体中に配置された第1の電極と、前記酸性媒体と接する塩基性媒体と、該塩基性媒体中に配置された第2の電極と、を備え、前記酸性媒体中に、前記酸性媒体中に含まれる水素イオンを伴って前記第1の電極から電子を奪う反応を生じさせる第1の物質を含有し、かつ、前記塩基性媒体中に、前記塩基性媒体中に含まれる水酸化物イオンを伴って前記第2の電極へと電子を供与する反応を生じさせる第2の物質を含有することを特徴とする電池、及び該電池を用いた発電方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電池及び該電池を用いた発電方法に関し、特に、酸性媒体とそれに接した塩基性媒体(バイポーラー型反応場)を利用した電池及び発電方法に関する。
電池は、物質が持つ化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する装置である。また、その化学エネルギーを使い切るまで電力を提供する一次電池、使い切った後に充電操作によって化学エネルギーを再び蓄えて再使用が可能な二次電池、更に、外部から化学エネルギーを有する物質を継続的に供給することで電気エネルギーを得る燃料電池に分類できる。現在、多種類の電池が開発されているが、各電池はそれぞれ、環境安全性、経済性、供給できる電気エネルギー量、携帯性や貯蔵性、使用環境対応性、リサイクル性等の各項目について長所と短所が異なるので、使用目的に合わせて電池が選択され、実用に供されている。いずれの電池においても共通の重要な技術要素は、どのような化学物質の反応を利用するのか、その反応をどのようにして促進するのか、また、その化学物質をどのような形態で貯蔵・供給・回収するのかという点にある。
電池では、還元反応(相手に電子を与えるか、若しくは酸素を引き抜く)を引き起こす還元剤と、酸化反応(相手から電子を引き抜くか、若しくは酸素を与える)を引き起こす酸化剤と、の2種の化学物質を使用する。その化学反応を、相対する2つの電極で別々に引き起こすことによって、発生した電子のエネルギーを外部に取り出す(電子の発生に伴って両極で生成したイオンは電池内部で中和される)。それらの反応効率は、使用する化学物質の種類と反応様式、電極材質や活性度、また、電解質を含めた反応場の環境に依存する。更に、どのような物質を選択して電池を構成するかは、前述した使用時のみならず、製造時・廃棄時も含めた電池システム全体の良否に関わるポイントである。
例えば、マンガン系や水銀系の一次電池の場合、経済性や化学物質の貯蔵性に優れるが、使用後に有害性の重金属類を放置すると環境に悪影響を与えてしまうため、厳密な回収が必要になる。また、充電による再利用ができないため、使用後の電池廃棄や再資源化に多くのコストがかかってしまう。
また、例えば、リチウムイオン二次電池は、電気エネルギー量に優れ、また、充電による再利用が可能であるが、リチウムが空気中の水分や酸素に対して非常に不安定な発火物であるため、その危険性を回避するためには電池のパッケージングや使用環境に十分な安全対策を払わねばならない。更に、電池寿命後の回収や再資源化は必須であり、電池の製造から使用・廃棄までの全体コストを引き上げてしまう。この問題は鉛系蓄電池の場合でも同様であるが、製造価格や供給電気エネルギーの観点から、自動車用バッテリー等の用途でのみ大量に使用されているのが現状である。
一方、燃料電池としては、主に、還元剤(燃料)として水素やメタノール等を、また、酸化剤として酸素や過酸化水素等を用いる電池が知られている。例えば、メタノールを還元剤(燃料)、過酸化水素水溶液を酸化剤とした、所謂、ダイレクトメタノール電池が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この電池の場合、メタノール及び過酸化水素水溶液が常温常圧下で液体であるため、携帯性や貯蔵性に優位点がある。しかし、反応に伴って地球温暖化の原因物質である二酸化炭素を排出して環境に負荷をかけてしまう本質的な問題がある。また、燃料のメタノールが可燃性であるため、その漏洩は非常に危険である。更に、反応に必要な貴金属反応触媒の使用量が多く高コストであることに加えて、負極側のメタノール燃料が固体電解質膜を通過して正極側へ達してしまい、そのため、反応効率の低下を招くメタノールクロスオーバーという問題等も残っている。
また、水素−酸素系の燃料電池は、供給できる電気エネルギー量が多く、かつ、反応生成物が水のみであるため、環境安全性の面で非常に優れている。しかし、燃料の水素が可燃性であるため、その漏洩は非常に危険な状態を招く。
更に、非特許文献2には、水素−酸素系の燃料電池として、アノード(負極)側に強酸性、カソード(正極)側に強塩基性の高分子膜を配するバイポーラ型の構成をとるものが開示されている。また、該非特許文献2は、この燃料電池が、カソードでの律速反応である酸化反応が比較的良好に行なわれる点、電極触媒の選択性が高い点、反応で生成した水が電極に影響を及ぼし難い点、などの長所を有すると述べている。
米国特許6,485,851号公報 Electrochemistry 71,No.5(2003)、313−317
ところで、このバイポーラ型電池では、強酸性高分子膜側の電極で還元反応が生じ、強塩基性の高分子膜側で酸化反応を生ずるが、これらの酸化・還元反応による起電力よりも、電池の中心部における水素イオンH+と水酸化物イオンOH-の中和による電位が起電力の大部分を占める構成となっている。これは、水素イオンH+と水酸化物イオンOH-の中和により生ずる電位が、他のイオンの場合に比べて一般的に高いためである。
このため、このタイプのバイポーラ型電池の起電特性は、酸性と塩基性の高分子膜の境界近辺で発生する水の中和反応に大きく依存する。ところが、水素イオンH+と水酸化物イオンOH-が実際に出会う領域は厳密に高分子膜の境界部にはならず、境界を中心とした広範囲に分散する。また、中和反応に伴い生じた水が、これら水素イオンH+と水酸化物イオンOH-の移動を困難にする。したがって、水素イオンH+と水酸化物イオンOH-の実際に中和する領域が変動するため、このタイプのバイポーラ型電池の起電力は、安定的に起電力を生じさせるのが困難であるという性質を有している。
また、このバイポーラ型電池においては、生成する水が両高分子膜の界面に蓄積して、水の層が形成される恐れがある。この水の層の存在は、両電極で生成された水素イオンH+及び水酸化物イオンOH-の中和反応を抑制してしまい、結果的に、経時による水の層の形成、増加に伴い、電気エネルギーの供給が困難となる性質を有している。
そこで、本発明は、バイポーラ型の電池であって、安定に発電することが可能である、新規な構成の電池、及び該電池を用いた発電方法を提供することを目的とする。
また、本発明のいくつかの形態においては、従来電池が抱える多様な問題点、例えば、可燃性・発火性の燃料の使用、二酸化炭素を排出しないこと、貯蔵が簡便であること、構造が簡単であること、などを解決し、多様なニーズに適合した新たな電池を提供することも目的の一部とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。
即ち、本発明の電池は、酸性媒体と、該酸性媒体中に配置された第1の電極と、前記酸性媒体と接する塩基性媒体と、該塩基性媒体中に配置された第2の電極と、を備え、
前記酸性媒体中に、前記酸性媒体中に含まれる水素イオンを伴って前記第1の電極から電子を奪う反応を生じさせる第1の物質を含有し、かつ、前記塩基性媒体中に、前記塩基性媒体中に含まれる水酸化物イオンを伴って前記第2の電極へと電子を供与する反応を生じさせる第2の物質を含有することを特徴とする。
本発明の電池によれば、電極での反応に水酸化イオンH+と水酸化物イオンOH-が関与する場合、酸性媒体中で第1の物質が水素イオンH+を伴って第1の電極から電子を奪う酸化反応を生じさせ、塩基性媒体中で第2の物質が水酸化物イオンOH-を伴って電極へと電子を供与する還元反応を生じさせる。この時、酸性媒体中での酸化反応による起電力は、塩基性媒体中で酸化反応させるよりも、原理的に大きくなる。これは、水素イオンH+が反応系の物質であるため、水素イオン濃度の高い酸性媒体中では化学平衡が生成系に傾き、結果として酸化電位を高くするためである。また、塩基性媒体中での還元反応による起電力は、酸性媒体中で還元反応させるよりも、原理的に大きくなる。これは、水酸化物イオンOH-が反応系の物質であるため、水酸化物イオン濃度の高い塩基性媒体中では化学平衡が生成系に傾き、結果として酸化電位を低くするためである。
このため、本発明のバイポーラ型電池の構成では、電極における酸化・還元反応により生ずる起電力が、電池から得られる電圧の主体的な源であり、上述の非特許文献2のように、電池内部の中和反応の発生箇所が変動する性質を有する領域での起電力が主体的となるバイポーラ型の電池と比べて、安定に電力を発生させることができる。
また、本発明の発電方法は、酸性媒体と、該酸性媒体中に配置された第1の電極と、前記酸性媒体と接する塩基性媒体と、該塩基性媒体中に配置された第2の電極と、を備える電池を用いた発電方法であって、
前記酸性媒体に含有される第1の物質が水素イオンを伴って前記第1の電極から電子を奪う反応を生じ、かつ、前記塩基性媒体に含有される第2の物質が水酸化イオンを伴って前記第2の電極へと電子を供与する反応を生じさせて発電することを特徴とする。
本発明の発電方法によれば、上述の如く、電極における酸化・還元反応により生ずる起電力が、電池から得られる電圧の主体的な源となり、その結果、安定に電力を発生させることができる。
本発明によれば、バイポーラ型の電池であって、固体物である電極における酸化・還元反応により生ずる起電力が、電池から得られる主体的な源であるため、安定に発電することが可能な、新規な構成の電池、及び該電池を用いた発電方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<電池>
本発明の電池は、酸性媒体と、該酸性媒体中に配置された第1の電極と、前記酸性媒体と接する塩基性媒体と、該塩基性媒体中に配置された第2の電極と、を備え、
前記酸性媒体中に、前記酸性媒体中に含まれる水素イオンを伴って前記第1の電極から電子を奪う反応を生じさせる第1の物質を含有し、かつ、前記塩基性媒体中に、前記塩基性媒体中に含まれる水酸化物イオンを伴って前記第2の電極へと電子を供与する反応を生じさせる第2の物質を含有することを特徴とする。
本発明の電池は、上述の各部材を備える構成を有するバイポーラ型の電池であり、一次電池、二次電池、燃料電池の種類を問わず適用することができる。
なお、本発明において、バイポーラ型の電池とは、酸性媒体と塩基性媒体が隣接し、この中に電気エネルギーを取り出すための物質と電極が含まれる構成を有するものである。
特に本発明におけるバイポーラ型電池は、(1)上記の酸性媒体中或いはこれに接触する電極近傍で第1の物質及び水素イオンが共存し、共に反応系物質として第1の電極から電子を奪う(酸化する)反応を引き起こす、(2)上記塩基性媒体中或いはこれに接触する電極近傍で第2の物質及び水酸化物イオンが共存し、共に反応系物質として電極に電子を与える(還元する)反応を引き起こす、以上(1)及び(2)が同時に進行して、外部回路を駆動する電気エネルギーを発生する。
なお、本発明の電池は、バイポーラー型反応場において、酸性媒体中の水素イオンは第1の物質による第1の電極から電子を奪う反応に加わり、また、その濃度増加は反応を促進する(化学平衡を生成系方向にずらす)作用を有する。また、塩基性媒体を構成する水酸化物イオンは第2の物質による第2の電極へと電子を供与する反応に加わり、また、その濃度増加は反応を促進する作用を有する。このため、水素イオン或いは水酸化物イオンを高くする、即ち、酸性媒体中ではpHを低くし、塩基性媒体ではpHを高くすることで反応を増強させることが可能となり、出力が高めることが可能な構成を有している点でも有効である。
このような、本発明の電池を構成する各部材について、詳細に説明する。
〔酸性媒体及び塩基性媒体〕
本発明において、酸性媒体はpH7未満である媒体を指し、水素イオンが存在する酸性反応場を形成し得ることが好ましく、また、塩基性媒体はpH7を超える媒体を指し、水酸化物イオンが存在する塩基性反応場を形成し得ることが好ましい。
これらの酸性媒体及び塩基性媒体としては、それぞれが独立に、液体状態、ゲル状態、固体状態のいずれの態様であってもよいが、両媒体が同じ態様であることが好ましい。また、酸性媒体及び塩基性媒体としては、有機化合物、無機化合物の種類に関らず用いることができる。
酸性媒体と塩基性媒体との好ましい組み合わせは、例えば、硫酸や塩酸、リン酸等の酸性水溶液と、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、アンモニウム化合物等の塩基性水溶液と、の水溶液の組み合わせ;それらの水溶液をゲル化剤によってゲル化したイオン伝導性ゲルの組み合わせ;スルホン酸基やリン酸基を有する酸性のイオン交換部材と、4級アンモニウム基を有する塩基性のイオン交換部材と、のイオン交換部材(イオン交換樹脂を用いた膜、濾紙などの形態を含む)の組み合わせ;硫酸処理した酸化ジルコニアや貴金属含有酸化ジルコニア等の固体超強酸及び固体酸と、酸化バリウム等の固体超強塩基及び固体塩基と、の固体物の組み合わせ;などが挙げられる。
より具体的には、前記酸性水溶液としては、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、塩化水素酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、過塩素酸、過ヨウ素酸、オルトリン酸、ポリリン酸、硝酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロ珪酸、ヘキサフルオロリン酸、ヘキサフルオロ砒酸、ヘキサクロロ白金酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、蓚酸、サリチル酸、酒石酸、マレイン酸、マロン酸、フタル酸、フマル酸、及びピクリン酸からなる群より選択される酸を1以上含む水溶液を用いることが好ましく、中でも、強酸である、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸を含むことがより好ましい。
また、前記塩基性水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、及び、水酸化テトラブチルアンモニウムを含む群から選択される塩基を1以上含む、又は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、アルミン酸ナトリウム、及びアルミン酸カリウムを含む群から選択される弱酸のアルカリ金属塩を1以上含む水溶液を用いることができ、中でも、強塩基である、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを含むことがより好ましい。
更に、酸性媒体としての酸性のイオン伝導性ゲルは、上記のような酸性水溶液を、水ガラス、無水二酸化ケイ素、架橋ポリアクリル酸、又はその塩類などのゲル化剤を用いて、ゲル化したものが好ましい。
一方、塩基性媒体としての塩基性のイオン伝導性ゲルは、上記のような塩基性水溶液を、例えば、カルボキシメチルセルロース、架橋ポリアクリル酸やその塩類、をゲル化剤として用いて、ゲル化したものが好ましい。
なお、上記の酸や塩基は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、ゲル化剤の使用方法も同様である。
また、前記の酸性のイオン交換部材及び塩基性のイオン交換部材としては、イオン交換樹脂を用いた、イオン交換膜、固体高分子電解質膜、濾紙などの形態を含む。好適なものとしては、スルホン酸基やリン酸基などの強酸性基を有する強酸性イオン交換樹脂や、4級アンモニウム基などの強塩基性基を有する強塩基性イオン交換樹脂を用いた各イオン交換部材である。
より具体的には、例えば、製品名ダウエックス(Dow社製)や、製品名ダイヤイオン(三菱化学社製)、製品名アンバーライト(Rohm and Hass社製)に代表されるポリビニルスチレン系のイオン交換樹脂や、製品名ナフィオン(DuPont社製)、製品名フレミオン(旭ガラス社製)、製品名アシプレックス(旭化成工業社製)に代表されるポリフルオロヒドロカーボンポリマー系の固体高分子電解質膜、製品名ネオセプタ(トクヤマ社製)、製品名ネオセプタBP−1(トクヤマ社製)に代表されるポリビニルスチレン系のイオン交換膜、ポリスチレン系の繊維状イオネックスイオン交換体で形成されたイオン交換濾紙製品名RX−1(東レ社製)等が挙げられる。
更に、固体超強酸として好適なものとしては、硫酸処理した酸化ジルコニアや貴金属含有酸化ジルコニア等が挙げられる。その他、固体酸として、カオリナイトやモンモリナイト等の粘度鉱物、ゼオライト、複合酸化物、水和酸化物、また酸性物質を添着した活性炭を用いることもできる。
固体超強塩基として好適なものとしては、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム等が挙げられる。その他、固体塩基として、酸化マグネシウム等の金属酸化物及びそれらを含む複合酸化物、水酸化カルシウムのように水への溶解度の低い水酸化物、アルカリ金属やアルカリ土類金属イオン交換ゼオライト、また塩基性物質を添着した活性炭を用いることもできる。
本発明の電池において、酸性媒体及び塩基性媒体は、互いに接することを必須とするが、これは、酸性媒体中で、水素イオンを放出することにより生成した対陰イオンと、塩基性媒体中で、水酸化物イオンを放出したことにより生成した対陽イオンと、で塩を形成させて電荷のバランスをとることを可能とするためである。そのため、例えば、上述のように、両媒体が、酸性水溶液と塩基性水溶液とからなる場合、生成した陽イオン及び/又は陰イオンを透過可能な特性を有している膜を用いれば、酸性媒体と塩基性媒体との間が分離される態様であってもかまわない。
〔第1の物質及び第2の物質〕
本発明において、第1の物質としては、酸性媒体中で、水素イオンを伴って第1の電極から電子を奪う酸化反応を生成させる物質(酸化剤)であれば、如何なるものをも用いることができるが、水素イオン濃度が高い場合に反応が促進される物質であることが好ましい。具体的には、過酸化水素、酸素、次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸等の次亜ハロゲン酸等をもちいることができる。また、これらの物質を含有する液体或いは固体、また化学変化によってこれらの物質を放出する液体或いは固体を用いて、第1の物質を供給するようにしてもよい。
また、第2の物質としては、水酸化物イオンを伴って第2の電極へと電子を供与する還元反応を生成させる物質(還元剤)であれば、如何なるものをも用いることができるが、水素イオン濃度が高い場合に反応が促進される物質であることが好ましい。具体的には、過酸化水素、水素、ヒドラジン等を用いることができる。また、これらの物質を含有する液体或いは固体、また化学変化によってこれらの物質を放出する液体或いは固体を用いて第2の物質を供給するようにしてもよい。
また、第1の物質或いは第2の物質としては、鉄、マンガン、クロム、バナジウムといった酸化・還元反応によって価数を変化できる金属イオンや、それらの金属錯体を用いることができ、やはりこれらを含有する液体や固体等を用いてこの物質を供給することもできる。
上記の中でも、第1の物質及び第2の物質が、同一成分からなることが好ましい。このような物質は、酸性媒体中で、水素イオンを伴って第1の電極から電子を奪う酸化反応を生成させ、塩基性媒体中では、水酸化物イオンを伴って第2の電極へと電子を供与する還元反応を生成させる性質を有する。この場合には、電池の構成が容易になり、従来の電池で大きな課題であった正極側と負極側の化学物質の分離膜の選択の自由度が拡がるとともに、酸性媒体と塩基性媒体が混合されない状態に保てる場合には必ずしも分離膜を必要としない。
酸化剤及び還元剤のどちらにも使用できる物質としては、特に過酸化水素が好ましい。この理由については後で詳細に説明する。なお、過酸化水素を含有する液体或いは固体、また、化学変化によって過酸化水素を放出する液体或いは固体を用いて、過酸化水素を供給することが、取り扱いがより簡易になる点で好ましい。
第1の物質及び第2の物質の供給手段の1つである「液体」は、溶液(溶媒として、水、有機溶媒等を含む)、分散液、ゲルの形態のいずれであってもよい。また、これらの使用形態は、上述した酸性媒体及び塩基性媒体の形態との好ましい組み合わせにより選択されることが望ましい。
また、これらの両物質は、一次電池の場合、反応開始以前から媒体中に混合若しくは分散される。また、燃料電池の場合は、液体状の媒体中に始めから混合若しくは分散されるか、電極の近傍に設置された流路を通して、或いは、毛細管への染込みを利用して、或いは直接的に媒体へ添加される方式としてもよい。
〔第1の電極及び第2の電極〕
本発明において、第1の電極は正極であり、第2の電極は負極として機能する。これら第1の電極及び第2の電極の材質としては、従来の電池における電極と同様のものを用いることができる。より具体的には、第1の電極(正極)として、白金、白金黒、酸化白金被覆白金、銀、金等が挙げられる。また、表面を不動態化したチタン、ステンレス、ニッケル、アルミニウム等が挙げられる。また、グラファイトやカーボンナノチューブ等の炭素構造体、アモルファスカーボン、グラッシーカーボン等が挙げられる。ただし、耐久性の点から、白金、白金黒、酸化白金被覆白金がより好ましい。
また、第2の電極(負極)としては、白金、白金黒、酸化白金被覆白金、銀、金等が挙げられる。また、表面を不動態化したチタン、ステンレス、ニッケル、アルミニウム等が挙げられる。また、グラファイトやカーボンナノチューブ等の炭素構造体、アモルファスカーボン、グラッシーカーボン等が挙げられる。ただし、耐久性の点から、白金、白金黒、酸化白金被覆白金がより好ましい。
更に、本発明において、第1の電極及び第2の電極のいずれもが、板状、薄膜状、網目状、又は繊維状であることが好ましい。特に、本発明の実施形態〔(2)ペーパー型燃料電池〕と〔(3)ゲル型一次電池〕の場合は、電池内で発生した気体の排出流路となるべく、網目状であることが好ましい。ここで、「網目状」とは、少なくとも、排出しようとする気体が通り抜けられる貫通路が存在する多孔室状態であることを指す。
網目状の電極として、具体的には、金属製のメッシュやパンチングメタル板、発泡金属シートに、上記の電極用材料を、無電解メッキ法、蒸着法、又はスパッタ法によって付着させてもよいし、また、セルロースや合成高分子製の紙類に、同様の方法或いはその組合せを用いて上記の電極用材質を付着させてもよい。
また、第1の電極及び第2の電極が、イオン交換樹脂やイオン伝導性ゲルのような形状保持性の高い両媒体に配置される場合、かかるイオン交換樹脂やイオン伝導性ゲルの表面に、所望の電極用材料を、無電解メッキ法、蒸着法、又はスパッタ法を用いて配置することも好ましい態様である。
<発電方法>
本発明の発電方法(発電機構)について、詳細に説明する。
本発明の発電方法は、酸性媒体と、該酸性媒体中に配置された第1の電極と、前記酸性媒体と接する塩基性媒体と、該塩基性媒体中に配置された第2の電極と、を備える電池を用いた発電方法であって、
前記酸性媒体に含有される第1の物質が水素イオンを伴って前記第1の電極から電子を奪う反応を生じさせ、かつ、前記塩基性媒体に含有される第2の物質が水酸化イオンを伴って前記第2の電極へと電子を供与する反応を生じさせて発電することを特徴とする。
この反応により、第1物質及び第2の物質が内部エネルギーの低い複数の物質に化学変化することによって、その分のエネルギーを外部に電気エネルギーとして放出して電力を得ることができる。
なお、ここでは、酸性媒体が酸性水溶液、塩基性媒体が塩基性水溶液からなり、第1の物質及び第2の物質が、いずれも過酸化水素である態様について説明するが、これは本発明の最も好ましい態様として示すものであって、本発明をこれに限定するものではない。
過酸化水素は、分解反応によって水と酸素を生成する。この化学反応を、本発明の電池のように、別々の電極で酸化反応と還元反応に分離して行うと、起電力を生じる。即ち、過酸化水素は、酸性反応場では酸化作用を有し、一方で、塩基性反応場では還元作用を有するため、起電力が発生する。このような、酸−塩基バイポーラー反応場を利用することで、本発明の発電方法が実現される。
より具体的に、本発明の発電方法について、図1を参照して説明する。図1に示されるように、正極(第1の電極)が配置されている酸性反応場(酸性媒体)では、過酸化水素が酸化剤として働き、下記(式1)に示されるように、過酸化水素の酸素原子が電極から電子を受け取り、水を生成する。また、負極(第2の電極)が配置されている塩基性反応場(塩基性媒体)では、過酸化水素が還元剤として働き、下記(式2)に示されるように、過酸化水素の酸素原子が電極に電子を供与して、酸素と水を生成する。これら反応により、起電力が発生し、発電が行なわれる。
22+2H++2e- → 2H2O (式1)
22+2OH- → O2+2H2O+2e- (式2)
なお、反応場内においては、酸性媒体中に存在する水素イオンの対アニオン(図1中では、硫酸イオンSO4 2-に相当する)と、塩基性媒体中に存在する水酸化物イオンの対カチオン(図1中では、ナトリウムイオンNa+)と、が両媒体の界面で塩を形成することで、電荷のバランスを取ることができる。このとき、形成される塩は、水溶液中では通常イオン化する方が安定であるため、塩の形成による起電力への効果は、電極における酸化或いは還元反応における起電力と比べるとはるかに小さい。この結果、電極反応が主体的となる本発明のバイポーラ型電池は、酸性・塩基性媒体界面における中和反応を主体としたバイポーラ型電池と比べ、安定した発電を行える性質を有することとなる。
上記(式1)と(式2)の半反応式をまとめたイオン反応式を下記(式3)に示す。
22→H2O+1/2O2 (式3)
熱力学計算によると、この反応のエンタルピー変化(ΔH)、エントロピー変化(ΔS
)、ギブスの自由エネルギー変化(ΔG、温度T:単位はケルビン(K))は、それぞれ
、ΔH=−96.7kJ/mol、ΔS=18.9J/Kmol、ΔG=ΔH−TΔS=
−115.5kJ/molとなる。
また、理論起電力(nは反応に関る電子数、Fはファラデー定数)と理論最大効率(η)は、それぞれ、E=−ΔG/nF=1.2V、η=ΔG/ΔH×100=120%と計算される。この反応の理論的特徴は、過酸化水素分解反応でエントロピーが増加してΔSの符号が正になることである。そのため、ΔGの絶対値がΔHより大きくなり、理論最大効率が100%を超える。これとは異なり、水素−酸素系やダイレクトメタノール系等、他の燃料電池反応では、ΔSの符号は負である。
これらのことから、本発明の発電方法において、第1の物質及び第2の物質に過酸化水素を用いた場合の理論的特徴を以下に挙げる。
従来より知られている他の燃料電池では、原理的に、エントロピー変化量TΔSを発電
に利用できず熱として放出する。一方、本機構では、外界から熱を吸収して得たエントロピーの増加分を発電に利用することができる。そして、反応温度Tが高い場合の方が、Δ
Gの絶対値が大きくなり起電力が高くなる。
実用電池では、イオン反応式の理論起電力だけで出力電圧が決まるのではなく、過電圧等によって電圧が低下し同時に熱を発生する。例えば、単位電池をスタックして集積化する場合、或いは、電池を製品内部に組み込む場合に、この熱が大きな問題になる。しかし、上述のように、本発明の発電方法によれば、理論的にはその熱を発電に再利用することができ、全体的な熱発生が少なくなる可能性がある。また、発電に利用できるエネルギー総量に相当するΔGは水素・酸素燃料電池に比較して半分程度であるが、n=1(水素−酸素系の燃料電池の場合はn=2)であるために理論起電力は同程度となる。
また、上記のことから、本発明の電池及び本発明の発電方法において、第1の物質及び第2の物質に過酸化水素を用いた場合には、下記に示すような効果が得られる。
(1)過酸化水素は、化学エネルギーを電気エネルギーに変換する反応に伴って二酸化炭素を放出せず、その代わりに酸素を放出する。また、電池内の構造要素に、発火物・可燃物や有害な重金属類等を使用しないため、製造・使用・廃棄の製品サイクル全体に渡って環境安全性に優れる。
(2)過酸化水素は、常温常圧で液体であるため貯蔵のために重い金属ボンベ等を必要としないし、水と自由に混合できるためゲル化が容易であり、貯蔵性・携帯性の優れた燃料供給方法を取ることができる。
(3)酸化剤として酸素を使用する必要が無いため、空気量の限られた閉鎖環境下、また空気中に塵やゴミ等が多く含まれる過酷環境下でも、その使用に支障がない。
(4)過酸化水素は、その工業的製造方法として有機法(アントラキノンを中間体(何度も再利用するので消費しない)として、触媒による水素の接触還元と空気酸化によって合成する方法)等がすでに確立されており、現状でも安定的に安価で供給されている。これに加え、周辺部品が少なくシンプルな構造で電池を構成しうるため、電池システム全体の重量及び体積を小さくでき、かつ低コスト化や高耐久性を図れる。
上記においては、第1の物質及び第2の物質として過酸化水素を用いた発電方法について述べたが、両物質に他の物質(化合物)を用いた場合にも、電極側で酸化・還元反応を生じさせる点では実質的に同じである。
そのため、本発明の電池及び本発明の発電方法によれば、その発電機構により、安定した発電が可能となる。
また、本発明の電池及び本発明の発電方法において、電極反応で生成した生成物は、電極間ではなく電極近傍に生成されるため、これらを除去する必要がある場合には、電池構造を内包する筐体の外側から容易に除去することが可能となる。また、電極反応で生成した生成物が水であって、酸性媒体或いは塩基性媒体が水溶液である場合、若しくは、第1の物質及び第2の物質を水溶液に混合、溶解、分散させて用いる場合には、生成された水を両媒体中に拡散させることや、電池外に排出することで、容易に電極近傍から除去することができる。
以下、本発明の電池の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの限定されるものではない。本発明の電池としては、例えば、下記に示す、(1)チップ型流体燃料電池、(2)ペーパー型燃料電池、及び(3)ゲル型一次電池が、好ましい実施態様として挙げられる。
〔(1)チップ型流体燃料電池〕
このチップ型流体燃料電池は、酸性媒体として、硫酸水溶液などの液体を、塩基性媒体として水酸化ナトリウム水溶液などの液体を用いた、酸−塩基バイポーラー反応場を有する。具体的な構成に関して、図2を用いて説明する。
図2(a)は、チップ型流体燃料電池の概略上面透視図である。ここに示されるように、チップ型流体燃料電池は、スライドガラス11とカバーガラス10との間にスペーサ(図2(b)における部材12)を介し、毛管流路1(深さ50μm、幅1000μm)が形成されている。この毛管流路1は、液体の酸性媒体と、液体の塩基性媒体と、を供給するための入口2及び入口3と、排出するための出口4及び出口5とを有する。例えば、入口2から酸性水溶液aを、入口3から塩基性水溶液bを、毛管流路1に流した時、両液体の粘度やその流速が適当である場合には毛管流路1の合流部分において層流(レイノルズ流)が形成される。
この層流について、図2(b)を参照して説明する。図2(b)は、図2(a)のチップ型流体燃料電池をA−A’で切断した際に、両媒体の流れの方向からみた断面図である。これに示すように、酸性水溶液a及び塩基性水溶液bは、毛管流路1の合流部分であっても、それぞれ、層流a及び層流bを形成し、各々が互いに接しながらも、交じり合うことなく、毛管流路1内を流れることになる。そして、層流a及び層流bを形成したまま、合流部分を通過して、分岐部分で再び分離し、出口4から酸性水溶液aが、出口5から塩基性水溶液bが排出され、それぞれが独立して回収される。
このような層流を形成している毛管流路1の合流部分の底部には、2つの白金電極6及び8が設けられており、それぞれの接続端子7及び9を通じて、外部へと電力を取り出すことができる。
このように、層流を形成し、2つの液体が接触しているにも関らず、混合しない状態を形成するためには、毛細管流路における粘性流体の特性を応用することで実現できる。これは、液体の粘性、流速、また、流路形状(管径或いは流路幅や深さ)に依存した定数のレイノルズ数(Re)が約2000以下の場合に起きる現象(レイノルズ流現象)である。この現象を用いると、毛細管中で、適当な粘度と移動速度とを有する2液は、層流となって、非常に混合し難くなる特性が付与される。そのため、両層流に、第1の物質と第2の物質とをそれぞれ共存させた状態で、それぞれの層流中に電極を置くと、酸性媒体中における酸化反応と、塩基性媒体中における還元反応が生じ、起電力が発現して、電池となる。
このチップ型流体燃料電池を1つの単位セルとすると、複数の単位セルを並列若しくは直列に配列することで、それぞれ電流量及び電圧の増加が達成される。このような毛細管流路の複雑な構造は、ガラス、石英、シリコン、高分子フィルム、プラスチック樹脂、セラミック、グラファイト、金属等の基板(チップ)に対して、超音波研削や半導体フォトリソグラィー、また、サンドブラストや射出形成、シリコン樹脂モールディング等の既存加工技術を適用することで容易に作製できる。したがって、単位セルの集積化及び複数のチップを重ねる積層化を行うことで、所望の性能(電流及び電圧)を有する電池システムが構築可能になる。
〔(2)ペーパー型燃料電池〕
このペーパー型燃料電池は、酸性媒体及び塩基性媒体として固体状であるものを用い、それらを接触配置してなる、酸−塩基バイポーラー反応場を有する。具体的な構成に関して、図3(a)及び(b)に示されるペーパー型燃料電池の概略断面透視図を用いて説明する。
図3(a)に示されるペーパー型燃料電池は、第1の電極22及び酸性媒体20からなる酸性反応場と、第2の電極32及び塩基性媒体30からなる塩基性反応場と、が接触している状態の構成を有し、そこに、第1の物質及び第2の物質を供給して、発電を行うものである。例えば、第1の物質及び第2の物質が過酸化水素である場合、過酸化水素の水溶液Lを、図3(a)の矢印のように、滴下若しくは浸透させることで供給する。これにより、酸性反応場における酸化反応と、塩基性反応場における還元反応が生じ、起電力を発現する。また、ここで電極形状は、電池内で発生した気体の排出流路となるべく、網目状であることが好ましい。
また、図3(b)に示されるペーパー型燃料電池は、図3(a)の過酸化水素水溶液の供給方法を変えた態様である。このように、酸性媒体20と塩基性媒体30との界面の一部分に、過酸化水素水溶液を浸透・吸収することの可能な繊維若しくは毛管部材を含む供給部材40を設置することで、この部材40を介して、過酸化水素水溶液が、酸性媒体20及び塩基性媒体30に供給されることになる。これにより、酸性反応場における酸化反応と、塩基性反応場における還元反応が生じ、起電力を発現する。また、ここでも、電極形状は、電池内で発生した気体の排出流路となるべく、網目状であることが好ましい。
上記のように、酸性媒体20及び塩基性媒体30としては、強酸性置換基(スルホン酸基やリン酸基など)を含有するマトリックスと、強塩基性置換基(4級アンモニウム基など)を含有するマトリックスと、の組み合わせ、強酸性イオン交換樹脂と強塩基性イオン交換樹脂との組み合わせ、強酸性イオン交換濾紙と強塩基性イオン交換濾紙との組み合わせ、固体超強酸と固体超強塩基との組み合わせが好ましい。
上記のような、ペーパー型燃料電池において、酸−塩基バイポーラー反応場の接触界面では、水が水素イオンと水酸化イオンに分解して供給される。そして、この反応場に外部から過酸化水素水溶液が供給されることで、電力を継続的に発生させることができる。なお、ペーパー型燃料電池においては、過酸化水素水溶液の供給時に、滴下や浸透の手段をとるため、外部ポンプは必要ないという利点がある。また、ペーパー型燃料電池は、電池表面から反応生成物の水が大気中に蒸散する現象を利用することもできる。
〔(3)ゲル型一次電池〕
このゲル型一次電池は、酸性媒体として、酸性水溶液をゲル化したイオン伝導性ゲルと、塩基性媒体として、塩基性水溶液をゲル化したイオン伝導性ゲルと、を接触配置してなる、酸−塩基バイポーラー反応場を有する。具体的な構成に関して、図4に示されるゲル型一次電池の概略断面透視図を用いて説明する。
図4に示されるゲル型一次電池は、第1の電極22及び酸性媒体20からなる酸性反応場と、第2の電極32及び塩基性媒体30からなる塩基性反応場と、が接触しており、酸性媒体20に第1の物質を、塩基性媒体30に第2の物質を含有させた構成を有する。例えば、第1の物質及び第2の物質が過酸化水素である場合、過酸化水素水溶液を、酸性媒体20又は塩基性媒体30、若しくはその両方に、共存させておく。これにより、酸性反応場における酸化反応と、塩基性反応場における還元反応が生じ、起電力を発現する。また電極は、媒体に対して片面から若しくは両面から接触していればよく、その形状は、電池内で発生した気体の排出流路となるべく、網目状であることが好ましい。
このようなゲル型一次電池は、発電に伴って、導電性ゲルに含まれる水素イオンや水酸化物イオン、また、過酸化水素水溶液が消費され(同時に塩が生成する)、それらが無くなった時点で電力の供給は止まる。また、これらの消費される物質は、外部から再供給できないため、一次電池となるが、構成が単純であることに加え、両反応場として、自己保持性の高いゲル状態を利用するため、その反応場を安定に維持することができるため、携帯性・経済性に優れたシール状の電池形態をとることが可能である。
以上、本発明の電池の実施態様について説明したが、本発明の構成はこの用途に限定されるものではなく、例えば、上記構成の電池と、従来の水素燃料やメタノール燃料による電池を組み合せて複合発電機として使用することも可能である。
以下に本発明の効果を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図2で表されるチップ型流体燃料電池において、下記条件にて発電実験を行い、電流−電圧特性を求め、電池の評価を行った。
市販の3重量%過酸化水素水溶液(日本薬局方オキシドール、健栄製薬株式会社)に、硫酸(特級96%、関東化学株式会社)及び蒸留水を混合して、試料液A(過酸化水素0.75mol/l、硫酸0.75N(1.5mol/l))を調製した。また、同過酸化水素水溶液に水酸化ナトリウム(特級97%、関東化学株式会社)及び蒸留水を混合して、試料液B(過酸化水素0.75mol/l、水酸化ナトリウム0.75N(0.75mol/l))を調製した。
そして、チップ型流体燃料電池の入口2から試料液Aを、入口3から試料液Bをそれぞれ外部ポンプにより注入した。試料液の流速は、いずれも、流路中央部分で24μl/sec(レイノルズ数Re:約670)、実験温度は室温であった。試料液Aと接触する流路底面の電極(白金薄膜、面積:0.026cm2)8表面ではガス発生が見られなかったのに対して、試料液Bと接触する流路底面の電極(白金薄膜、面積:0.026cm2)6表面で酸素ガスの発生が観測された。これは、電極8は、上記(式1)の反応によって水が生成して正極の働きをし、電極6は、上記(式2)の反応によって酸素と水が生成して負極の働きをしたためである。
上記の実験条件の燃料電池を用いて得られた、電流−電圧特性を図5に示す。本実施例の場合、開放電圧700mV、また、最大出力23mW/cm2(起電圧:300mV、電流77mA/cm2の時)が得られた。
[実施例2]
上記の実施例1と同じチップ型流体燃料電池を使用して、試料液に含まれる過酸化水素濃度を変え、実施例1と同様の評価を行った。チップ型流体燃料電池の入口2及び入口3から注入した試料液A及びBの過酸化水素濃度は、いずれも0.45mol/lであった。なお、流速及び実験温度は実施例1と同一である。
かかる実験条件の燃料電池を用いて得られた、電流−電圧特性を図5に示す。本実施例の場合、開放電圧675mV、また、最大出力9mW/cm2が得られた。
[実施例3]
上記の実施例1と同じチップ型流体燃料電池を使用して、試料液に含まれる過酸化水素濃度を変え、実施例1と同様の評価を行った。チップ型流体燃料電池の入口2及び入口3から注入した試料液A及びBの過酸化水素濃度は、いずれも0.22mol/lであった。なお、流速及び実験温度は実施例1と同一である。
かかる実験条件の燃料電池を用いて得られた、電流−電圧特性を図5に示す。本実施例の場合、開放電圧620mV、また、最大出力3mW/cm2が得られた。
[実施例4]
上記の実施例1と同じチップ型流体燃料電池を使用して、試料液に含まれる過酸化水素濃度を変え、実施例1と同様の評価を行った。チップ型流体燃料電池の入口2及び入口3から注入した試料液A及びBの過酸化水素濃度は、いずれも0.10mol/lであった。なお、流速及び実験温度は実施例1と同一である。
かかる実験条件の燃料電池を用いて得られた、電流−電圧特性を図5に示す。本実施例の場合、開放電圧611mV、また、最大出力1mW/cm2が得られた。
[実施例5]
上記の実施例1と同じチップ型流体燃料電池を使用して、第1の電極及び第2の電極の材質をそれぞれ次のように変え、更に、試料液に含まれる過酸化水素濃度を変えて実施例1と同様の評価を行った。電極の材質を電極6は銀に、また、電極8は白金とした。また、チップ型流体燃料電池の入口2及び入口3から注入した試料液A及びBの過酸化水素濃度は、いずれも0.45mol/lであった。なお、流速及び実験温度は実施例1と同一である。
かかる実験条件の燃料電池を用いて得られた電流−電圧特性から、本実施例の場合、開放電圧540mV、また、最大出力6mW/cm2が得られた。
[実施例6]
図3(a)に示されるペーパー型燃料電池において、下記条件にて発電実験を行い、電流−電圧特性を求め、電池の評価を行った。
酸性媒体20には強酸性イオン交換濾紙(東レケミカル、RX−1シリーズCP−1)の小片(縦1.5cm×横1.5cm)を、塩基性媒体30には強塩基性イオン交換濾紙(東レケミカル、RX−1シリーズAP−1)の小片(縦1.5cm×横1.5cm)を用いた。また、第1の電極22及び第2の電極32としては、酸性媒体及び塩基性媒体と同面積の白金黒メッシュ(100メッシュのニッケルメッシュ表面を白金黒化したもの)を用い、これを酸性媒体と塩基性媒体とにそれぞれ密着させた。
そして、図3(a)の矢印のように、3重量%過酸化水素水溶液(日本薬局方オキシドール、健栄製薬株式会社)Lを、滴下することで、第1の物質及び第2の物質を供給した。これにより、酸性反応場における酸化反応と、塩基性反応場における還元反応が生じ、起電力が発現した。
上記の実験条件の燃料電池を用いて得られた、電流−電圧特性を図6に示す。本実施例の場合、開放電圧120mV、また、最大出力0.35μW/cm2(起電圧:80mV、電流0.01mA/cm2の時)が得られた。
[実施例7]
図4に示されるゲル型一次電池において、下記条件にて発電実験を行い、電流−電圧特性を求め、電池の評価を行った。
酸性媒体20(0.25mol/lの硫酸、0.5mol/lの過酸化水素を、10重量%の無水二酸化ケイ素でゲル化したもの)と、塩基性媒体30(0.5mol/lの水酸化ナトリウム、0.5mol/lの過酸化水素を、8重量%の架橋ポリアクリル酸ナトリウムでゲル化したもの)を用い、第1の電極22及び第2の電極32としては、2.6cm2の白金黒メッシュ(100メッシュのニッケルメッシュ表面を白金黒化したもの)をそれぞれの媒体に密着させた。
上記の実験条件の一次電池を用いて得られた電流−電圧特性から、本実施例の場合、開放電圧570mV、また、最大出力0.2mW/cm2(起電圧:300mV、電流1.7mA/cm2の時)が得られた。
[比較例1]
上記の実施例1と同じチップ型流体燃料電池を使用して、試料液に過酸化水素を含有させず、硫酸及び水酸化ナトリウム濃度を変えて、実施例1と同様の評価を行った。チップ型流体燃料電池の入口2及び入口3から注入した試料液A及びBの硫酸及び水酸化ナトリウム濃度は、いずれも0.45mol/lであった。なお、流速及び実験温度は実施例1と同一である。
かかる実験条件の燃料電池を用いて得られた、電流−電圧特性を図5に示す。比較例1では、液間電圧による開放電力(300mV)は測定されたものの、有意な電流は得られなかった。
以上、本実施例によれば、図5及び図6に示すように、電圧及び電流が得られており、また、実施例5及び実施例7においても電圧及び電流が得られており、本発明の新規な構成の電池、及び該電池を用いた発電方法により、発電が行なわれて、電気エネルギーを供給できることが判明した。
本発明の電池を用いた発電機構(発電方法)を示す図である。 (a)は、本発明の電池の1実施態様であるチップ型流体燃料電池の概略上面透視図であり、(b)は、(a)のチップ型流体燃料電池をA−A’で切断した際に、両媒体の流れの方向からみた断面図である。 本発明の電池の1実施態様であるペーパー型燃料電池の概略断面透視図である。 本発明の電池の1実施態様であるゲル型一次電池の概略断面透視図である。 チップ型流体燃料電池を用いた実施例における電流−電圧特性を示す図である。 ペーパー型燃料電池を用いた実施例における電流−電圧特性を示す図である。
符号の説明
1 毛管流路
2、3 入口
4、5 出口
6 電極(第2の電極)
7 接続端子
8 電極(第1の電極)
9 接続端子
10 カバーガラス
11 スライドガラス
12 スペーサ
20 酸性媒体
22 第1の電極
30 塩基性媒体
32 第2の電極
40 供給部材
a 酸性水溶液
b 塩基性水溶液
L (過酸化水素)水溶液

Claims (18)

  1. 酸性媒体と、該酸性媒体中に配置された第1の電極と、前記酸性媒体と接する塩基性媒体と、該塩基性媒体中に配置された第2の電極と、を備え、
    前記酸性媒体中に、前記酸性媒体中に含まれる水素イオンを伴って前記第1の電極から電子を奪う反応を生じさせる第1の物質を含有し、かつ、前記塩基性媒体中に、前記塩基性媒体中に含まれる水酸化物イオンを伴って前記第2の電極へと電子を供与する反応を生じさせる第2の物質を含有することを特徴とする電池。
  2. 前記第1の物質及び前記第2の物質が同一の物質であることを特徴とする請求項1に記載の電池。
  3. 前記第1の物質及び前記第2の物質が、いずれも過酸化水素であることを特徴とする請求項2に記載の電池。
  4. 過酸化水素を含有する、又は、化学変化によって過酸化水素を放出する、液体或いは固体により前記過酸化水素を供給することを特徴とする請求項3に記載の電池。
  5. 前記酸性媒体が酸性水溶液からなり、かつ、前記塩基性媒体が塩基性水溶液からなることを特徴とする請求項1に記載の電池。
  6. 前記酸性水溶液と前記塩基性水溶液とがその内部で層流を形成する流路構造を備えることを特徴とする請求項5に記載の電池。
  7. 前記酸性水溶液が、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、塩化水素酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、過塩素酸、過ヨウ素酸、オルトリン酸、ポリリン酸、硝酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロ珪酸、ヘキサフルオロリン酸、ヘキサフルオロ砒酸、ヘキサクロロ白金酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、蓚酸、サリチル酸、酒石酸、マレイン酸、マロン酸、フタル酸、フマル酸、及びピクリン酸からなる群より選択される酸を1以上含むことを特徴とする請求項5に記載の電池。
  8. 前記塩基性水溶液が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、及び水酸化テトラブチルアンモニウムを含む群から選択される塩基を1以上含む、又は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、アルミン酸ナトリウム、及びアルミン酸カリウムを含む群から選択される弱酸のアルカリ金属塩を1以上含むことを特徴とする請求項5に記載の電池。
  9. 前記酸性媒体が酸性のイオン交換部材から構成され、かつ、前記塩基性媒体が塩基性のイオン交換部材から構成されることを特徴とする請求項1に記載の電池。
  10. 前記イオン交換部材が、ポリビニルスチレン系のイオン交換樹脂、ポリフルオロヒドロカーボンポリマー系の高分子電解質膜、ポリビニルスチレン系のイオン交換膜、及び繊維状ポリスチレン系のイオン交換濾紙からなる群より選択されることを特徴とする請求項9に記載の電池。
  11. 前記酸性媒体が酸性のイオン伝導性ゲルから構成され、かつ、前記塩基性媒体が塩基性のイオン伝導性ゲルから構成されることを特徴とする請求項1に記載の電池。
  12. 前記酸性のイオン伝導性ゲルが、酸性水溶液を水ガラス、無水二酸化ケイ素、架橋ポリアクリル酸、又はその塩類によりゲル化してなることを特徴とする請求項11に記載の電池。
  13. 前記塩基性のイオン伝導性ゲルが、塩基性水溶液をカルボキシメチルセルロース、架橋ポリアクリル酸、又はその塩類によりゲル化してなることを特徴とする請求項11に記載の電池。
  14. 前記第1の電極が、白金、白金黒、酸化白金被覆白金、銀、金、表面を不動態化したチタン、表面を不動態化したステンレス、表面を不動態化したニッケル、表面を不動態化したアルミニウム、炭素構造体、アモルファスカーボン、及びグラッシーカーボンからなる群より選択される1以上の材料から構成されることを特徴とする請求項1に記載の電池。
  15. 前記第2の電極が、白金、白金黒、酸化白金被覆白金、銀、金、表面を不動態化したチタン、表面を不動態化したステンレス、表面を不動態化したニッケル、表面を不動態化したアルミニウム、炭素構造体、アモルファスカーボン、及びグラッシーカーボンからなる群より選択される1以上の材料から構成されることを特徴とする請求項1に記載の電池。
  16. 前記第1の電極及び第2の電極のいずれもが、板状、薄膜状、網目状、又は繊維状であることを特徴とする請求項1に記載の電池。
  17. 前記第1の電極及び前記第2の電極が、無電解メッキ法、蒸着法、又はスパッタ法により、酸性媒体及び塩基性媒体にそれぞれ配置されることを特徴とする請求項1に記載の電池。
  18. 酸性媒体と、該酸性媒体中に配置された第1の電極と、前記酸性媒体と接する塩基性媒体と、該塩基性媒体中に配置された第2の電極と、を備える電池を用いた発電方法であって、
    前記酸性媒体に含有される第1の物質が水素イオンを伴って前記第1の電極から電子を奪う反応を生じさせ、かつ、前記塩基性媒体に含有される第2の物質が水酸化イオンを伴って前記第2の電極へと電子を供与する反応を生じさせて発電することを特徴とする発電方法。
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