JP2005157242A - 光学部品とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】泡の発生を防止し、比較的短い時間で光学部品を製造できるようにする。
【解決手段】2つの光学材料を貼り合わせて光学部品を製造する。一方の光学材料の一つの面に蒸着された誘電体積層膜に、まずシランカップリング剤を塗布し、その上に接着剤を塗布し、その接着剤の上に他方の光学材料の1つの面を貼りつける。接着剤が、硬化剤としてアミンを含む炭化水素系樹脂である。2つの光学材料を貼り合わせた光学部品において、2つの光学材料の間に、順に、誘電体積層膜、シランカップリング剤、および接着剤が3つの層の形で設けられている。
【選択図】図2

Description

この発明は、光学部品と、それを製造する方法に関する。光学部品の最適例は、光ピックアップ装置に用いられるビームスプリッター等である。
光ディスクの記録及び再生に使用される光ピックアップ装置は、ビームスプリッターを有する。この種のビームスプリッターは、高い屈折率を有するものの紫外線には弱いSF11等の光学ガラスのプリズムの一つの面に、例えばTiO及びSiOを蒸着して誘電体積層膜を形成し、その誘電体積層膜にエポキシ樹脂のような熱硬化性の炭化水素系樹脂からなる接着剤を塗布し、その上に別のプリズムの1つの面を重ね合わせて、2つのプリズムを貼り合わせ、さらに、それを所定の大きさに切断して製造されていた(特許文献1、2参照)。
特許2806293号公報 特開2003−114312号公報
エポキシ樹脂の接着剤には、硬化剤としてアミン、アミンアミド系硬化剤等のアミン系硬化剤、アミド系硬化剤、酸無水物硬化剤等が添加されている。そのため、アミン系硬化剤やアミド系硬化剤や酸無水物硬化剤等と誘電体積層膜とが化学反応を起こして、泡が発生してしまう問題が生じる。
また、硬化剤を含まないエポキシ樹脂だけでも泡が発生してしまうことがある。例えば、硬化剤を含まないエポキシ樹脂だけでTiO及びSiOの交互層からなる誘電体積層膜で2つのプリズムを貼り合わせた光学部品を60℃の環境下に3時間放置すると、ほとんどのサンプルに泡が発生していた。
また、プリズムの一つの面に誘電体積層膜を蒸着で形成した後の不良率をみると、本出願人の実験によれば、通例、1日目では50%、2日目では30%、3日目では20%、4日目では10%で、その後は10%程度である。そのため、誘電体積層膜の蒸着形成後、4日以上そのままの状態に置いておき、それからエポキシ樹脂の接着剤を塗布し、2つのプリズムを貼り合わせる作業を行わざるをえない。その結果、光学部品の製造に多大の時間を要し、急を要する場合、発注元への納品に支障を生じがちであった。
そこで、本発明の目的は、泡を発生せず、比較的短時間で製造することができる光学部品とその製造方法を提供することである。
本発明の解決手段を例示すると、次のとおりである。
(1)2つの光学材料を貼り合わせて光学部品を製造する方法において、一方の光学材料の一つの面に蒸着された誘電体積層膜に、まずシランカップリング剤を塗布し、その上に接着剤を塗布し、その接着剤に他方の光学材料の1つの面を貼りつけて、2つの光学材料を貼り合わせることを特徴とする光学部品の製造方法。
(2)接着剤が、硬化剤としてアミンを含む炭化水素系樹脂であることを特徴とする前述の光学部品の製造方法。
(3)2つの光学材料を貼り合わせた光学部品において、2つの光学材料の間に、順に誘電体積層膜、シランカップリング剤、および接着剤が3つの層の形で設けられていることを特徴とする光学部品。
(4)接着剤が、硬化剤としてアミンを含む炭化水素系樹脂であることを特徴とする前述の光学部品。
本発明は、一方の光学材料の一つの面に蒸着された誘電体積層膜に接着剤を塗布して他方の光学材料を貼り合わせることにより光学部品を製造する方法を改良したものであり、とくに誘電体積層膜と接着剤との間にシランカップリング剤を介在することを特徴とする。
ビームスプリッター等の光学部品およびその製造方法において、光学部品に蒸着された誘電体積層膜にシランカップリング剤を塗布し、その上にエポキシ樹脂等の炭化水素系樹脂の接着剤を塗布し、他の光学部品で挟み込むことにより、誘電体積層膜の層と、接着剤の層との間に、シランカップリング剤の層を介在させる。この結果、シランカップリングのアルコシキド基が、誘電体積層膜の膜表面と反応してシロキサン結合し、一方の有機官能基である、例えばエポキシ基が接着剤に含まれている硬化剤のアミン系硬化剤、アミド系硬化剤、酸無水物硬化剤等と反応することで誘電体多層膜と対向するプリズム(ガラス)表面とを強く結合させる。つまり、反応性が高い蒸着直後の誘電体積層膜の膜物質と、反応性が高いアミン系硬化剤等との直接の接触をさけることで、接着層の発泡現象や透過率の低下などの不具合を避けることが可能となる。これは接着力を強化するという対策にもなる。
また、硬化剤を含まないエポキシ樹脂と誘電体積層膜との間にシランカップリング剤の層が介在することによって、炭化水素系樹脂であるエポキシ樹脂と誘電体積層膜との直接の接触をさせることができ、反応性が高い蒸着直後の誘電体積層膜の膜物質によるエポキシ樹脂の分解が防止され、上述した同様の効果を奏することができる。
別の観点からいえば、誘電体積層膜にシランカップリング剤を塗布し、その上に接着剤を塗布する工程を配することにより、誘電体積層膜とエポキシ樹脂等の炭化水素系樹脂との間にシランカップリング剤が配置され、そのため、アルコキシド基とアミン基が反応し、−ケイ素(Si)−を架橋として誘電体積層膜と炭化水素系樹脂とが強力に結合し、あるいは、アルコキシド基とアミン基、アミド基、酸無水物基等が反応し、−ケイ素(Si)−酸素(O)−を架橋として誘電体積層膜と炭化水素系樹脂とが強力に結合し、硬化剤またはエポキシ樹脂と誘電体積層膜とが化学反応することなく、泡の発生を防止し、光学部品の大量生産を可能にする。
図面を参照しつつ、本発明の好的な実施例の1つを説明する。
図1〜3の実施例においては、光学材料としてSF11等の光学ガラスの2つのプリズム1、2が使用される。
まず、下側のプリズム2の一つの面(上面)にSiO及びTiOからなる誘電体積層膜3が、図示しない蒸着装置を使用して蒸着されて、第1の層が形成される。その上にシランカップリング剤4が塗布されて、第2の層が形成される。さらに、その上に接着剤5が塗布されて、第3の層が形成される。
シランカップリング剤4は、有機ケイ素化合物であり、アルコキシ基−Si−Xの化学式からなり、Xには、エポキシ樹脂、アルキル基、ビニル基、アミノ基などの有機質と反応しやすい物質が結合している。
このようなシランカップリング剤4を例示すると、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1、3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、特殊アミノシラン等がある。
このシランカップリング剤4のアルコキシ基が接着剤5のアミンと結合し、図3(A)に示すように、ケイ素(Si)を間においてSiO及びTiOの誘電体積層膜3と接着剤5のエポキシ基が結合し、その上に塗布される接着剤5のエポキシ樹脂と同一のエポキシ基が存在することで、エポキシ樹脂と強い化学結合を形成する。
また、シランカップリング剤4のアルコキシ基が硬化剤を含まない接着剤のエポキシ基と結合し、図3(B)に示すように、ケイ素(Si)と酸素(O)を間においてSiO及びTiOの誘電体積層膜3と接着剤5のエポキシ基が結合し、その上に塗布される接着剤5のエポキシ樹脂と同一のエポキシ基が存在することで、同様の化学結合を形成する。
以上のように、シランカップリング剤4は、誘電体積層膜3とエポキシ樹脂の接着剤5の架橋(有機材料同士の架橋)として作用し、新たな強力な結合関係を作ることができる。
上記実施例では、アルコキシ基−Si−Xのケイ素(Si)を含むシランカップリング剤を用いたが、本発明は、これに限定されず、アルコキシ基−Ti−Xのチタン(Ti)を含むシランカップリング剤でもよい。
2つのプリズム1、2は、重ね合わせて貼り合わせたあと、所定の寸法(図1の左端に細い実線で示したような寸法)で切断する。
なお、誘電体積層膜3、シランカップリング剤4、接着剤5の各層の厚みは、図2には誇大して示されているが、実際には、非常に薄い。たとえば、誘電体積層膜3、シランカップリング剤4、接着剤5の各層の厚みは、それぞれ300〜800Å、10〜60Å、10〜20μmである。
実験例
上述したようなシランカップリング剤であるアルコキシ基−Si−X(Xはエポキシ樹脂、アルキル基、ビニル基、アミノ基などの有機質と反応しやすい物質)で誘電体積層膜3とアクリル樹脂の接着剤5を結合させ、製造したビームスプリッターに紫外線を照射したところ、以下の性質を示すことがわかった。
2つのプリズム1、2を図2に示すように貼り合わせた後、紫外線を照射すると、図4〜6に示す光学特性を示す。なお、プリズムはBK、白板などの光学ガラスである。
これに対し、シランカップリング剤を介在させずに、通常のアクリル樹脂で接合したビームスプリッタに紫外線を照射すると、図7に示す光学特性を示す。
図4〜7において、縦軸は透過率(%)を、横軸は照射する光の波長(nm)を示す。接着試験とはサンプルのことを示し、たとえば、接着試験1、接着試験2とはサンプル1、サンプル2のことを示す。また、仮接着とは、徐々に接着剤を硬化しながら2つのプリズムの相対位置を正確に決めて接着(接合)した状態であるが、接着剤は完全硬化はしていない状態のことを示し、本接着とは2つのプリズムを正確に位置決めして接着(接合)したことを示し、切断前とは接合した2つのプリズムを所定の大きさに切断しない前の状態を示し、切断後とは接合した2つのプリズムを所定の大きさに切断した後の状態を示す。また、環境試験後、環境試験後(2)、環境試験後(3)、環境試験後(4)とは、接合した2つのプリズムを所定の大きさに切断した後に、温度試験、耐久試験等のそれぞれの環境試験を行った後に、測定したことを示す。また、各サンプルの透過率が安定する波長帯域のみ拡大した図を示す。透過率が低下する様子を分かりやすく示すためである。通例、実際にDVDに使用される波長域は、600〜700nmである。
図4〜7を参照すると、シランカップリング剤4を介在して誘電体積層膜3とアクリル樹脂の接着剤5を結合させて接合したビームスプリッターに紫外線を照射すると、泡が発生せず、図4〜6(接着試験1〜3)に示すように、透過率の低下が抑えられ、透過率の低下のない安定した光学特性が得られる。
これに対し、図7に示すように、シランカップリング剤が介在しない場合、誘電体積層膜にTiOが含まれるため、紫外線により光触媒のように作用してしまい、透過率が低下し、光学特性が変動してしまうものと考えられる。
また、紫外線を照射すると光学特性が変化してしまう多層膜の表面に、紫外線吸収力があるシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤を塗布すれば、多層膜に当たる紫外線がカットされて光学特性が維持される。
なお、上記実施例のシランカップリング剤の塗布方法は、ゾルーゲル法、化学的真空蒸着法などを用いてもよい。
本発明による光学部品の製造方法の1つの工程を示す説明図。 図1の光学部品の側面図。 (A)と(B)は、図1の光学部品の2種類の接着状況を示す説明図。 本発明による1つの光学部品の接着試験を示すグラフ。 本発明による他の光学部品の接着試験を示すグラフ。 本発明によるさらに他の光学部品の接着試験を示すグラフ。 本発明の範囲には入らない比較例の光学部品の接着試験を示すグラフ。
符号の説明
1 プリズム
2 プリズム
3 誘電体積層膜
4 シランカップリング剤
5 接着剤

Claims (4)

  1. 2つの光学材料を貼り合わせて光学部品を製造する方法において、一方の光学材料の一つの面に蒸着された誘電体積層膜に、まずシランカップリング剤を塗布し、その上に接着剤を塗布し、その接着剤に他方の光学材料の1つの面を貼りつけて、2つの光学材料を貼り合わせることを特徴とする光学部品の製造方法。
  2. 接着剤が、硬化剤としてアミンを含む炭化水素系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の光学部品の製造方法。
  3. 2つの光学材料を貼り合わせた光学部品において、2つの光学材料の間に、順に、誘電体積層膜、シランカップリング剤、および接着剤が3つの層の形で設けられていることを特徴とする光学部品。
  4. 接着剤が、硬化剤としてアミンを含む炭化水素系樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の光学部品。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021053424A1 (en) * 2019-09-20 2021-03-25 3M Innovative Properties Company Low wave-front error optical filter film

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