JP2005156333A - 円筒形構造物の欠陥検出方法 - Google Patents

円筒形構造物の欠陥検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 埋設状態にある円筒形構造物の欠陥の検出に適用され、送受信されるSH波の伝達効率に優れ、その欠陥を精度よく容易に検出することができる円筒形構造物の欠陥検出方法を提供する。
【解決手段】 一部が埋設された円筒形構造物の露出面にSH波を受信する超音波受信子とSH波を発信する超音波発信子とを接触媒質を介して密着させ、前記受信子で受信されるSH波のパターンを解析して前記円筒形構造物の欠陥の位置やサイズを検出することを特徴とする円筒形構造物の欠陥検出方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、埋設された建築構造物や道路標識等の破断状況を効率よく調査することのできる円筒形構造物の欠陥検出方法に関する。
従来、地盤などに埋設された構造物の耐震診断や、建築物の破断状況を調査する方法としては、超音波の横波の内で振動方向が被検体の表面に垂直となるSV波を用いた斜角探傷法または表面波法が一般に適用されている。これらのSV波は、塗膜や耐火被覆等の表面付着物で反射・散乱、モード変換によるエネルギー損失を受けやすく、超音波ビームを遠方まで伝搬できない。
これに対して、表面SH波は同じ横波でも、表面に平行で進行方向に垂直な振動で表面直下を潜行し、モード変換がないため、超音波エネルギーを遠方まで伝搬させることができ、破断部及び腐食部から十分大きなエコーが得られるという利点を有している。このようなSH波を用いる技術に関して、例えば以下のようなものが知られている。
(1)特開平10−221308号公報には、耐火被覆材で覆われた鉄骨建造物の破断予想位置から所定距離離れた鉄骨表面の耐火被覆を、所定面積剥離して測定面を形成し、該測定面から前記破断予想位置に向けて表面SH波を発信し、該部で受信した反射波を実験値と比較して、破断部の有無を検出する鉄骨破断部の検出方法が記載されている。
(2)特開平11−51910号公報には、超音波の斜角波又は表面SH波を送信用探触子から部材に入射し、受信用垂直探触子を走査させながら部材に発生した亀裂での反射波を受信し、受信信号に基づいて亀裂を検出すると共に亀裂発生箇所の板厚を測定するようにした亀裂の検出及び亀裂発生部板厚の測定方法が記載されている。
(3)特開2000−180419号公報には、被検体表面に接触媒質を介してSH波斜角探触子を接して超音波探傷を行う方法において、斜角形成用くさびの探傷面に所定の音響インピーダンスで且つ所定の厚さの高分子膜を生成し、前記くさび、高分子膜、接触媒質及び被検体の伝播路によりSH波を被検体に送波し、前記被検体から反射されたSH波を前記伝播路と逆方向の伝播路により受波するようにしたSH波による超音波探傷方法が記載されている。
特開平10−221308号公報 特開平11−51910号公報 特開2000−180419号公報
しかしながら、上記従来の技術は以下のような課題を有していた。
(1)特開平10−221308号公報に記載の検出方法は、測定面が平行である鉄骨構造を対象としており、円筒形構造物の地中埋設部などは対象としていない。
(2)特開平11−51910号公報に記載の方法は、受信用垂直探触子を走査させながら亀裂を検出するものであり、亀裂の深さを精度良く測定する方法であり、亀裂が埋設部に存在するときには亀裂の深さを測定することができないという問題があった。
(3)特開2000−180419号公報に記載のものは、
くさびと被検体の間に高分子膜を設けることにより、超音波波長の整数倍の空隙をつくり、くさびと被試験体の音響インピーダンスが全く等しいかのような挙動を示す性質を利用するものであり、単一の超音波波長を用いる場合は有効であるが、広帯域の超音波を用いて、パソコン等でデジタルフィルター操作を行う場合は不向きである。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、埋設状態にある標識等の円筒形構造物の欠陥の検出に適用され、送受信されるSH波の伝達効率に優れ、その欠陥を精度よく容易に検出できる円筒形構造物の欠陥検出方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、次のように構成されている。
請求項1に記載の円筒形構造物の欠陥検出方法は、一部が埋設された標識等の円筒形構造物の露出面にSH波を受信する超音波受信子とSH波を発信する超音波発信子とを接触媒質を介して密着させ、前記受信子で受信されるSH波のパターンを解析して前記円筒形構造物の欠陥の位置やサイズを検出するように構成されている。
この構成によって以下の作用が得られる。
(a)地盤等にその一部が埋設された円筒形構造物の露出面に受信子と発信子とを所定の粘性を有する接触媒質を介して密着させて測定作業を行えるので、作業が制約される箇所でも容易に取り付けて、経年変化を受けた円筒形構造物等の損傷を効率よく調査することができる。
(b)水ガラスや合成樹脂等の粘性の大きい所定粘度の接触媒質を介して発信子及び受信子が取り付けられるので、密着性を維持させ露出面と受信子及び発信子との間で送受信されるSH波の伝達効率を高めて、このSH波のパターンを解析することにより標識等の円筒形構造物に内在するひび割れ等の欠陥を精度よく検出できる。
(c)SH波を用いるので、反射によるモード変換が起こりにくく、反射は通常の鏡面反射と同じになり、その解析処理を容易にできる。
(d)SH波は被試験体表面直下を進行するように設計されているので、表面被覆物の影響を受けず3m以上の距離まで伝搬させることができ、欠陥部から大きなエコーが得られる。これにより埋設された円筒形構造物に凹凸部等があったり、その表面に耐火被膜や塗装などが施されている場合でもこれに影響されることなく、内部の欠陥を精密に検出できる。
請求項2に記載の円筒形構造物の欠陥検出方法は、請求項1に記載の発明において、前記発信子が前記円筒形構造物の露出面の複数箇所に設け、これら複数の発信子から発信されるSH波を前記受信子でそれぞれ受信してSH波のパターンの解析を行うように構成されている。SH波の発信子が円筒形構造物の複数箇所に設けられているので、受信子で取得される複数の発信子毎のSH波データに基づいて、円筒形構造物の内部を三次元的に解析することができ、傾きをもった欠陥の位置やサイズをさらに精密に特定することができる。
請求項3に記載の円筒形構造物の欠陥検出方法は、請求項1又は2に記載の欠陥検出方法において、
円筒形構造物の露出面の周上に固定リングを設け、該固定リング上を探触子を移動させて用いるように構成されている。
これによって、地盤にその一部が埋設された円筒形構造物の検査を行う際に、複数の探触子の取り付け作業を容易に行うことができ、作業性に優れている。
請求項4に記載の円筒形構造物の欠陥検出方法は、請求項3に記載の円筒形構造物の欠陥検出方法において、
前記探触子を進退できるようにし、欠陥検出時においては探触子を円筒形構造物に接触させ、非測定時には探触子を円筒形構造物から離間させておくように構成されている。
これによって、円筒形構造物の欠陥をもれなく検出することができ、取得されるデータの信頼性に優れている。
ここで、接触媒質としては、水ガラスや合成樹脂等の所定粘度を有するものが適用でき、その粘度の調整に際しては必要に応じて、アルミナやシリカ等の酸化物や、黒鉛、カーボン等の粉末を添加したり水分量を調節したりすること等により行うことができる。この粘度が1000パスカル・秒より小さくなると、円筒形構造物の露出面との密着性が低下する上にSH波の伝達効率が極端に低下するので好ましくない。逆にその粘度が1300パスカル・秒を超えると、露出面や受信子及び発信子との密着性が悪くなりばらつきの少ない安定したデータを得るのが困難となるので好ましくない。
本発明の円筒形構造物の欠陥検出方法によれば、埋設状態にある円筒形構造物の欠陥の検出に適用され、送受信されるSH波の伝達効率に優れ、その欠陥を精度よく容易に検出することができる。
本発明の円筒形構造物の欠陥検出方法によれば、以下の効果が得られる。
(a)地盤にその一部が埋設された円筒形構造物の露出面に受信子と発信子とを接触媒質を介して密着させて測定作業を行えるので、作業が制約される箇所でも容易に取り付けて、経年劣化を受けた円筒形構造物等の損傷状況を効率よく調査することができる。
(b)水ガラスや合成樹脂等の粘性の大きい所定粘度の接触媒質を介して発信子及び受信子が取り付けられるので、密着性を維持させ露出面と受信子及び発信子との間で送受信されるSH波の伝達効率を高めて、このSH波のパターンを解析することにより円筒形構造物に内在するひび割れ等の欠陥を精度よく検出できる。
(c)SH波を用いるので、反射、散乱によるモード変換が起こりにくく、反射は通常の鏡面反射と同じになり、その解析処理を容易にできる。
(d)SH波は被試験体表面直下を潜行するように設計されているので、表面被覆物の影響をあまり受けず3m以上の距離まで伝搬させることができ、欠陥部から大きなエコーが得られる。これにより埋設された円筒形構造物に凹凸部等があったり、その表面に耐火被膜や塗装などが施されている場合でもこれに影響されることなく、内部の欠陥を精密に検出できる。
また、SH波の発信子が円筒形構造物の複数箇所に設けられているので、受信子で取得される複数の発信子毎のSH波データに基づいて、円筒形構造物の内部を三次元的に解析してその欠陥の位置やサイズをさらに精密に特定することができる。
さらに、地盤にその一部が埋設された円筒形構造物の検査を行う際に、探触子の取り付け作業を容易に行うことができる。また、そのデータ処理に際してコンピュータを用いる計算手順の設定を単純化できる。
以下、本発明の一実施の形態につき図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る円筒形構造物の欠陥検出方法が適用される探傷装置の説明図であり、図2はそのブロック図である。
図1において、10は探傷装置、11は地盤等に下部が埋設された円筒形構造物であり、12は探触子であり、円筒構造物11上部の露出面に水ガラス等の接触媒質を介して配置されたSH波の受信子及び発信子を兼ねているので、一つの発信子で超音波を発して、当該発信子で受信する方式を採用することができる。13は探触子12の受発信を制御するための超音波ユニット、14はコンピュータであり、超音波ユニット13に接続され、SH波の発信制御や取り込まれたデータの処理を行うためのものである。
本発明の円筒構造物11としては、コンクリート管、鋼管などが挙げられる。欠陥検出対象の円筒構造物11が設置されている状態としては、例えば、その全長が約7mであって、下部3mが地盤中に埋められて立設されているような状態が挙げられる。
なお、コンクリート管としては、内部に鉄筋等で補強された橋脚や杭等の構造物が含まれる。また、鋼管としては、街灯支柱、広告塔、配管、鋼管杭等の構造物が挙げられる。
図3は地盤にその一部が埋設された円筒形構造物の適用例を示す模式図であり、図3(a)〜(c)は道路標識等の基礎部、建築用の杭や電信柱の基部、傾斜した路盤等に打ち込まれたアンカー部等の状態をそれぞれ示しており、探触子12と内部にある欠陥との位置関係を表している。
図3に示すように、円筒形構造物の種々の形態に応じて円筒形構造物の露出面に探触子12を設けることができ、地盤中に埋設された部分や境界部分のヒビ割れや腐食等の欠陥をSH波を用いて定量的に検出することができる。以下この測定方法についてさらに具体的に説明する。
探触子12は、鋼管を対象に超音波検査を行う場合には、発信周波数を約0.5MHz〜10MHzとし、受信帯域を約0.5MHz〜10MHzに設定することで探傷を効果的に行うことができる。
また、コンクリート管では約100KHz〜500KHzの発信周波数を有し、受信帯域が約10KHz〜1MHzであり超音波ユニット13により発信パワーの切替えが行えるようになっている。
探触子12はSH波を送受信できるよう水晶のYカット相当の横波振動子が組み込まれており、スネルの法則により、試験体中に約90度の屈折角で伝搬するよう入射角が設定されている。このようなSH波は円筒形構造物を垂直に振動させる成分が少ない上、表面直下を伝搬するので、表面が塗装膜や耐火被覆等で覆われていてもそれらに超音波エネルギーが吸収されず、SV波に比べて遠方まで伝搬させることができるという利点がある。
探触子12は円筒形構造物11の露出面に所定粘度、例えば1000〜1300パスカル・秒の範囲に設定した水ガラスや合成樹脂等からなる接触媒質を介して密着させ、これによって効率的にSH波の受発信を行うようにしている。
接触媒質としては、所定粘度に設定した水ガラスや合成樹脂等を用いることが好ましい。SH波は横波の一種であり、液体中では剪断波は伝搬できないため、SH波を安定して伝搬するには所定粘度の接触媒質を用いなければならない。
従来のSH波探傷法では、振動子−接触媒質−検査対象との経路を全てSH波で伝搬させるために、粘性の高い接触媒質を使用することが必要であった。この場合、接触媒質の層が十分に薄くならなければ安定したエコー高さが得られず、従来のSH波探触子では、探触子のサイズを大きくした場合、エコーが安定せず、信頼性の高いデータを得るのには測定に長時間を要していた。
そこで、本実施の形態の探触子では、接触媒質の粘度を適正化して用いることによって、そのサイズが大きい探触子でも短時間で効率的に測定を行うことが可能となった。これによって、塗膜等で覆われた円筒形構造物の損傷予想位置から任意に離れた表面の塗膜等を剥離して測定面を形成し、測定面から損傷予想位置に向けて表面SH波を発信し、受信した反射波を実験値と比較して、破断部の有無を検出することなどが可能になる。また、表面SH波の発信は、円筒形構造物の全周に亘って所定ピッチ毎に行うことができ、地盤にその一部が埋設された円筒形構造物の内部状態をそのままの状態で的確に把握でき、経年劣化等を受けた円筒形構造物等の損傷状況を効率よく調査できる。
接触媒質の厚みは0.1〜0.3mmとすることが好ましい。これは用いる接触媒質の種類やSH波の周波数等にもよるが、厚みが0.1mmより薄くなると、SH波の伝達効率が極端に減少して測定感度が悪化する傾向が現れ、逆に0.3mmを超えると、SH波の機械的振動を伝達することができない。
また、探触子12の下部において、発信子および受信子の超音波通過面全面に一定の間隔をおいて、矩形または円形のアクリル板を張り付けたものを使用することもできる。超音波通過面に円形または矩形のアクリル板を一定の間隔で張り付けると、安定したエコーが得られる時間を大幅に短縮することができる。粗骨材、鉄筋等の異物の存在する組成が均一でないコンクリート構造物では、超音波波長の長いものを使用する必要があり、その送受信にはサイズの大きい振動子が有利であることが判明した。
振動子サイズが大きくなればそれに見合う大きさの超音波通過面が必要となる。これら大型の発信子、受信子を円筒形構造物上に配して短時間の内に安定した信号を得るためには素早く薄く均一な接触媒質の膜を形成する必要があるが、本発明では超音波通過面にアクリル板を部分的に張り付けることにより、余分な接触媒質をアクリル板が張り付けられていない凹部空間(隙間)に押しやるため、サイズの小さい送受信と同様な速さで安定した信号を得られるという効果がある。
超音波ユニット13は図2に示すように複数の発信器と、受信アンプコントロールとを備え、それぞれパワーや発信周波数の異なる発信器を必要に応じて切替えて探触子12を発振させることができ、探触子12から取り込まれデータ信号をインターフェースを介してコンピュータ14のA/Dボード等のI/Oボードを介して送受信するようになっている。
コンピュータ14では探触子12から取り込まれたデータに基づいて超音波ユニット13のコントロール、超音波波形表示、周波数解析、Cマップ表示、データファイルの保存、読み出し等の処理が行われる。
以上のように構成された探傷装置10を用いるコンクリート構造物の欠陥検出方法について説明する。
図4は実施の形態の円筒形構造物の欠陥検出方法の概念図である。図4(a)における矢印は表面波及びSH波の進行経路を示す。表面波を用いて反射波を表示させた図4(b)の場合は各コーナーからの反射が表示器に現れており亀裂Eからの反射はほとんどみられず、多くのエコーが見られ、どれが目的とする亀裂からのエコーであるか明確でない。
これに対してSH波を用いた図4(c)の場合では突起部の下側を潜行するので高いエコーが明確に観察される。
即ち、表面波を用いた場合には、突起部を経由するので、図4(b)に示すようにその表示波形には突起状部のコーナー等に起因する反射波のピークA〜Dが取り込まれ、これらから亀裂に起因した反射波のピークE、Fを識別するのが困難であることがわかる。
このように、突起部を表面に密着する土砂、アスファルト等に置き換えた場合にも同じ結果が予測される。
図5は探触子を円筒形構造物の表面に複数個配置して欠陥を検出する場合の説明図である。図5(a)に示すように1個の探触子を用いて送受信を行った場合、欠陥が超音波の進行方向に垂直に形成されている時は大きなエコーを受信することができる。しかし、図5(b)に示すように欠陥が超音波の進行方向に垂直でない傾きをもって形成されている場合、超音波のエコーは、探触子の設置されている方向には反射されず、拡散による小さなエコーしか得られない。そこで図5(c)に示すように受信専用の第2の探触子を用いることによって大きなエコーを得ることができるようになる。
探触子間の設置間隔を狭めることによって、円筒形構造物に発生が予想される損傷(欠陥)の検出をほとんどカバーすることができるようになる。だが、探傷現場において、探触子間の距離を増減することは煩に耐えない。
また、通常、超音波送受信機は、発信側のターミナルと受信側のターミナルが短絡してあり、超音波パルスの発信と同時に受信ができるようになっているが、複数の探触子を用いる場合はその短絡部分を解放して用いる。
それを解決するために、探傷範囲と超音波ビームの拡散を考慮して、複数個の探触子を固定して円周上に配置し、スイッチング回路で受信探触子を選択し、超音波信号を取り込むようにする。このように配列された探触子は送受信可能であるので、ある時刻に送信用に用いた探触子をそれと異なる時刻に受信用とすることで探触子を移動することなく探傷作業を完了できる利点がある。
さらに、図5(d)に示すように大きな欠陥の陰に隠れた小さな欠陥も補足することができる利点がある。
図6は、円筒形構造物の円周上に複数の探触子を所定の間隔をおいて設置した水平断面概略図である。図6において、円筒形構造物11の円周上に、固定リング22の左右方向Yに移動自在に探触子12a、12bが設置されている。
探触子12a、12bには、検査対象である円筒形構造物11とは反対側に、水平方向駆動装置23が設けられており、探触子12aを前後方向Xに進退させ、円筒形構造物11と接触、離間させることができる。
したがって、欠陥検査をするときには、水平方向駆動装置23を前方へ進出させることによって探触子12aを円筒形構造物11に接触させ、測定終了後は、水平方向駆動装置23を後方へ退出させることによって探触子12aを円筒形構造物11から離間させることができる。
このような水平方向駆動装置23としては、エアーシリンダ、電磁石、バネ等を用いた公知のアクチュエータが挙げられる。
固定リング22には、ネジが形成されていて、探触子12a内に設けられた雌ねじを回転させることにより、探触子12aは固定リング22上を左右方向Yに移動可能である。
なお、探触子12aを左右へ移動させる手段としては、上記のように固定リング22にネジを形成する他、固定リング22をレールとして、探触子12a内に車輪を設けて車輪を回転させることによりレール上を移動させるような構造にすることもできる。
また、本発明においては、探触子12aを左右へ移動させる手段としては、公知の駆動手段でも差し支えない。
探触子は、固定リング22上に2個設置する場合は、図6に示すように、2個の探触子12a、12bを45°間隔に設置して、円筒形構造物11上を順に移動させて欠陥検出作業を行っていくことが望ましい。
また、固定リング22上に2個以上の探触子を設置し、移動させることなく、超音波の発信・受信を切り替えることによって、欠陥検出をすることもできる。
なお、円筒形構造物が、鋼管のような強磁性(磁石に吸い付くような強い磁性を示すような性質)体の場合にいては、個々の探触子に磁石を設けて、間隔をあけて探触子を円筒形構造物上に直接吸い付かせて(固着させて)欠陥検出をすることもできる。この場合は固定リング22が不要となる。
本発明の一実施の形態に係る円筒形構造物の欠陥検出方法は以上のように構成されているので以下の作用を有する。
(a)基部が埋設された鋼管等の道路標識やコンクリート管等のコンクリート構造物が倒れたり、落下したりする事故は、埋設部や埋設境界部に繰り返し応力や腐蝕等により発生するヒビ割れや変形で強度が低下して発生する。このような欠陥を検出するために打診法やAE法による点検が行われるが、これらでは確実度が低くて実施不可能な場合がある。
本実施の形態によれば、表面の突起部等の状態に影響されず到達距離の長いSH波を用いてその欠陥を精密に測定して、円筒形構造物の余寿命を推測して事前に修復を行うことができ、メンテナンス効率を高めると共に、産業廃棄物の排出を減少させることができる。
(b)従来の検査法のように表面の耐火被覆等を大規模に剥がす必要がなく、探触子を接触させる部分のみを剥がすだけで、破断の程度や溶接欠陥を短時間に測定でき、経年劣化等を受けた円筒形構造物の破断状況を効率よく調査することができる。
(c)地盤にその一部が埋設された管11の露出面に探触子12を所定粘度の接触媒質を介して密着させて測定作業を行うので、円筒形構造物等の破断状況を効率よく調査できる。
(d)水ガラスや合成樹脂等の所定粘度の接触媒質を介して探触子12が取り付けられるので、密着性を維持させ露出面と受信子及び発信子との間で送受信されるSH波の伝達効率を高めて、円筒形構造物に内在するひび割れ等の欠陥を精度よく検出できる。
(e)SH波は振動方向が被検体表面に平行であるため、3m以上の遠方まで伝搬させることができ、欠陥部から大きなエコーが得られ、埋設された円筒形構造物に凹凸部等の突起部があり、その表面に耐火被膜や塗装などが施されている場合でもこれらに影響されることなく内部欠陥を精密に検出できる。
(f)SH波の発信子を円筒形構造物の複数箇所に設けることもできるので、探触子の受信部で取得される複数の発信子毎のSH波のデータに基づいて、円筒形構造物の内部を三次元的に解析してその欠陥の位置やサイズをさらに精密に特定できる。
(g)探触子12が発信子と受信子を兼ねるのでその取り付け作業を容易に行うことができ、作業性に優れている。また、そのデータ処理に際して計算を単純化できる。
(h)適正粘度の接触媒質を用いるので、探触子12と円筒形構造物の露出面との密着性を確保して安定化させると共に、露出面に対して水平方向に振動するSH波の伝達効率を高めることができる。
本発明の円筒形構造物の欠陥検出方法によれば、埋設状態にある円筒形構造物の欠陥の検出に適用され、送受信されるSH波の伝達効率に優れ、その欠陥を精度よく容易に検出することができる。
また、SH波の発信子が円筒形構造物の複数箇所に設けられているので、受信子で取得される複数の発信子毎のSH波データに基づいて、円筒形構造物の内部を三次元的に解析してその欠陥の位置やサイズをさらに精密に特定することができる。
さらに、地盤にその一部が埋設された円筒形構造物の検査を行う際に、探触子の取り付け作業を容易に行うことができる。また、そのデータ処理に際してコンピュータを用いる計算手順の設定を単純化できる。
本発明の円筒形構造物の欠陥検出方法が適用される探傷装置の説明図である。 本発明の探傷装置のブロック図である。 円筒形構造物への適用例を示す模式図である。 実施の形態の円筒形構造物の欠陥検出方法の概念図である。 探触子を複数配置して欠陥を検出する場合の説明図である。 円筒形構造物の円周上に複数の探触子を所定の間隔をおいて設置した水平断面概略図である。
符号の説明
10: 探傷装置
11: 円筒形構造物
12、12a、12b: 探触子
13: 超音波ユニット
14: コンピュータ
20: SH波探触子
21: 欠陥
22: 固定リング
23: 水平方向駆動装置

Claims (4)

  1. 一部が埋設された円筒形構造物の露出面にSH波を受信する超音波受信子とSH波を発信する超音波発信子とを接触媒質を介して密着させ、前記受信子で受信されるSH波のパターンを解析して前記円筒形構造物の欠陥の位置やサイズを検出することを特徴とする円筒形構造物の欠陥検出方法。
  2. 前記発信子を前記円筒形構造物の露出面の複数箇所に設け、これら複数の発信子から発信されるSH波を前記受信子でそれぞれ受信してSH波のパターンの解析を行うことを特徴とする請求項1に記載の円筒形構造物の欠陥検出方法。
  3. 前記円筒形構造物の露出面の周上に固定リングを設け、該固定リング上を探触子を移動させて用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の円筒形構造物の欠陥検出方法。
  4. 前記探触子を進退できるようにし、欠陥検出時においては探触子を円筒形構造物に接触させ、非測定時には探触子を円筒形構造物から離間させておくことを特徴とする請求項3に記載の円筒形構造物の欠陥検出方法。
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