JP2005156274A - 金属メッキ層の膜厚測定方法及び装置 - Google Patents

金属メッキ層の膜厚測定方法及び装置 Download PDF

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秀和 宮内
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優 井谷
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Abstract

【課題】電磁ノイズ対策としてプラスチック製筐体の表面にメッキされる金属メッキ層のメッキ膜厚を測定する方法を提供する。
【解決手段】検査対象物2と素地及び金属メッキの材質が同じ複数のサンプルについて既知のメッキ膜厚測定方法を用いてメッキ膜厚を予め求めておく。次に光量が調節可能なレーザ発振器から発光されるレーザ光をレンズにより絞って金属メッキ面に斜め方向から焦点を合わせて照射し、反射光量を光センサー3で検出して照射光量と反射光量の差が一定となるようにレーザ発振器の光量をフィードバック制御する。そして照射光と反射光の光量差を一定にした状態で照射点の温度を赤外線温度センサー5で測定し、その温度差を求める作業を上記各サンプルについて行ってメッキ膜厚と温度差との関係である校正式を求める。次に検査対象物2に対し同じく照射点での温度差を求め、これより上記校正式を用いてメッキ膜厚を算出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラスチックのような熱伝導率の低い材質にメッキされた金属メッキ層の膜厚を簡易かつ精度よく測定することができる方法及び装置に関する。
パソコン等では、電磁ノイズ対策として、プラスチック製筐体の表面に金属メッキを施している。
メッキ工程では、メッキ膜厚が所要の厚みをなすようにするための膜厚管理をメッキ時間により行っているが、部品の形状が複雑で、奥まった箇所、コーナ部、曲面、凹凸、段差等があるような箇所ではメッキ液の流動性が悪く、均一な膜厚のメッキを行うことが困難であり、上述するようなメッキ液の流動性が悪い箇所では、メッキ膜厚が薄くなったり、メッキむらができて、膜厚の薄い部分から電磁波が洩れることがあった。そこでこうした用途ではことに、メッキ膜厚が必要な厚みを有していて、しかも膜厚にむらのないことが求められ、こうした膜厚に管理するうえで膜厚を測定する必要があった。
メッキの膜厚測定方法としては従来、電解法、渦電流法、磁力法、蛍光X線法、ベータ線法、顕微鏡法などが知られ、このほか測微法や質量計測法などが知られている。このうち、電解法は、メッキ面に電解装置(測定ヘッド)をセットして電解液を入れ、メッキ面の一定面積を陽極として定電流電解することによってメッキを溶解し、それに要した電気量でメッキの厚さを測定する方法であるが、メッキ層が溶解によって損傷し、検査対象物を傷付ける難点がある。
渦電流法は、コイルが巻かれる測定子(プローブ)に高周波電流を流してメッキ面に当て、メッキ表層部に発生する高周波電流を測定することによりメッキ厚さを測定する方法であるが、メッキや素地材質の導電率、厚み、形状、表面形態により測定値が大幅に変化する嫌いがある。
磁力法は、鉄心にコイルを巻いたプローブに交流電流を流してメッキ面に当て、メッキ層と素地金属を通過する磁束の磁気抵抗の変化を測定してメッキ厚さを測定する方法であるが、素地がプラスチックのような非磁性体である場合には適用することができない。
蛍光X線法は、メッキ面にX線を照射してメッキ層と素地から発生する蛍光X線の量を測定してメッキ厚さを測定する方法であるが、X線を用いるために装置が大掛かりなものとなり、現場での測定に適さない。
ベータ線法はメッキ面にベータ線を照射し、後方散乱した量からメッキ厚さを測定する方法であるが、X線の場合と同様、現場での測定に適さない。
顕微鏡法は、メッキ面の一部を切取り、顕微鏡で拡大してメッキ厚さを測定する方法であるが、検査対象物を傷つける難点がある。測微法や質量計測法についても検査対象物を傷つける難点がある。
以上のように、上述する従来の方法では、検査対象物が傷付けられ、非破壊法である場合も測定精度、検出部の大きさ、簡便性において一長一短があり、現場で手軽に利用できるものはなかった。
本発明の目的は、上記従来法による問題を解消し、メッキ膜厚を非接触で精度よく手軽に測定することができる方法及び装置を提供しようとするものである。
請求項1に係る発明は、プラスチックのような熱伝導率の低い材質よりなる素地にメッキされた金属メッキ層の膜厚を測定する方法であって、光源からのレーザ光をレンズにより絞って上記素地に金属メッキされたメッキ面に斜め方向から、照射光と反射光の光量差が一定となるようにして照射し、照射点での温度上昇量を非接触温度センサーで測定する作業をメッキ膜厚が既知のサンプルに対し、それぞれ行ってメッキ膜厚と温度上昇量との関係である校正式を予め求めておき、上記サンプルと素地及びメッキ層の材質が同じ検査対象物に対し、上記作業と同じ作業を行ってレーザ光照射点での温度上昇量を測定し、該測定温度から上記校正式を用いて検査対象物のメッキ膜厚を求めることを特徴とする
メッキ面に照射されたレーザ光は、照射光量と反射光量の差が光熱変換された光量となり、該光量の変換した熱量が照射点に加えられる。メッキ層の素地は熱伝導率が低いため、照射点に加えられた熱量は一部が熱伝導されることなく、照射点の温度を上昇させる。この温度上昇は、メッキ層の熱容量によって異なり、メッキ膜厚が厚い程熱容量が大となって温度上昇は低くなる。したがって照射点での温度上昇が求められると、メッキ膜厚の程度が分かり、照射点での温度上昇量から上記校正式を用いてメッキ膜厚を求めることができる。
上記校正式は具体的には、例えば次のように求めることができる。
金属メッキ、例えばCuメッキを施したメッキ膜厚の異なる複数のサンプルについて、それぞれ上述する従来法のいずれかによりメッキ膜厚を予め求めておく。ついで平面鏡を用い、光量を任意に調節することができるレーザ発振器よりレーザ光を平面鏡に照射し、全反射する光量を光検出器で測定して照射光量を予め求めておく。次に上記サンプルを平面鏡に置き換え、同様にして反射光量を測定し、先に求めた照射光量との差を求めると共に、照射点の温度を非接触温度計により計測する。この作業をサンプル毎に行って照射光と反射光の光量差及び照射点での温度上昇量を測定する。この温度上昇量は、照射点のレーザ光照射直前の温度と照射後の温度との温度差から求められるが、照射点とその周辺の温度上昇を生じていない箇所との温度差によって求めることもできる。
上述する照射光と反射光の光量差がサンプルによって異なるときは、レーザ発振器の光量を調節し、上記作業を繰返す。そして照射光と反射光の光量差が他のサンプルと一致したときに照射点での温度を測定する。そして予め求めておいたメッキ膜厚と測定温度から最小二乗法を用いてメッキ膜厚tと、レーザ照射点の温度Tとの関係を示す実験式である校正式t=f(T)を求める。図1の各プロットは、予め求めておいたメッキ膜厚におけるレーザ光照射点の測定温度を示し、一次曲線はt=aTbを示すものである。
本発明においては、レーザ光を照射光量と反射光量の差が一定となるようにして照射しているが、これは次の理由による。
レーザ光を照射したときの光熱変換量は、メッキ面の表面性状、ことに色彩によって大きく変化する。そのため照射光量を一定にして照射した場合、メッキ膜厚は同じでもメッキ面の表面性状によって光熱変換量が異なり、照射点の温度上昇量が異なるようになる。したがって照射光量を一定にした場合、照射光と反射光の光量差ごとに校正式を求めておく必要がある。これに対し、照射光量と反射光量の差が一定になるようにして測定すれば、校正式が一つで済むようになる。
なお、照射点での温度上昇量を測定する非接触温度計としては、例えば赤外線温度センサーを用いることができる。
請求項2に係る発明は、照射光の光量を一定にしてメッキ膜厚を測定する方法に関するもので、光源からのレーザ光をレンズにより絞って熱伝導率の低い材質よりなる素地に金属メッキされたメッキ面に斜め方向から照射量を一定にして照射し、反射光量を光センサーにより検出して照射光量との差を求めると共に、照射点での温度上昇量を非接触温度センサーで測定する作業をメッキ膜厚が既知のサンプルに対し、それぞれ行って照射光量と反射光量の差毎にメッキ膜厚と温度上昇量との関係である校正式を予め多数求めておき、上記サンプルと素地及びメッキ層の材質が同じ検査対象物に対し、上記作業と同じ作業を行って照射光と反射光との光量差と、レーザ光照射点での温度上昇量を測定し、照射光と反射光の光量差から校正式を選択すると共に、レーザ光照射点での温度上昇量から検査対象物の膜厚を求めることを特徴とする。
本発明においては、照射光と入射光の光量差が異なるごとに校正式tn=f (Tn)が多数求められる。検査対象物の測定に際しては、前記発明のように、照射光と反射光の光量差が一定となるように照射光量を調節する必要がない。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、上記校正式がメッキ膜厚の設定範囲ごとに、例えば5μm以下、5〜30μm、30μm以上ごとに認定される。
メッキ層の膜厚は、その大小によって熱容量、熱伝導を異にし、光熱変換量が同じでも温度上昇を異にする。したがって校正式をメッキ膜厚の設定範囲ごとに設定しておけば、メッキ膜厚をより精度よく測定することができる。
上記各発明を実施する装置は、レーザ光源と、該光源からのレーザ光を絞るレンズを有し、金属メッキされたメッキ面に焦点を合わせてレーザ光を斜め方向から照射するレーザ光照射装置と、該装置からメッキ面に照射されたレーザ光の反射光量を測定する光センサーと、上記装置からメッキ面に照射されたレーザ光の照射点の温度を計測する非接触センサーを有し、請求項1に係る発明においては、レーザ光源として光量が調節可能なレーザ発振器が用いられる。
上記装置において、校正式を求めたり、該校正式を用いて温度上昇量からメッキ膜厚を求める作業、更にはレーザ光源の光量を調節する作業はマニュアル操作によって行ってもよいが、好ましくは自動的に行われるようにされる。
請求項4に係る発明は、そのための装置、すなわち熱伝導率の低い材質よりなる素地にメッキされた金属メッキ層の膜厚を自動的に測定する装置であって、光量が調節可能なレーザ光源及び該光源からのレーザ光を絞るレンズを有し、金属メッキされたメッキ面に焦点を合わせてレーザ光を斜め方向から照射するレーザ光照射装置と、該装置からメッキ面に照射されたレーザ光の光量を測定する光センサーと、上記レーザ光照射装置からメッキ面に照射されたレーザ光の照射点の温度を計測する非接触温度センサーと、メッキ膜厚が既知のサンプルのメッキ面に対し、レーザ光を照射し、このときの照射光量を予め求めておいて上記光センサーで測定した反射光量との差が一定となるようにレーザ光源の光量をフィードバック制御する制御部、レーザ光照射直前の照射点の温度と照射後の温度との温度差、或いは照射点の温度とその周辺の温度上昇を生じていない箇所での温度差を算出する機能、上記照射光と反射光の光量差を算出する機能、算出されたレーザ光照射点の温度差と既知のメッキ膜厚とから、温度差とメッキ膜厚の関係である校正式を演算する機能及び算出された温度差から上記校正式を用いてメッキ膜厚を演算する機能を有する演算部、予め求めておいたメッキ膜厚、上記演算部で演算した照射光と反射光の光量差及び上記校正式を一時的に記憶する領域及び測定のプログラム、上記校正式を求めるためのプログラム等を格納する領域よりなる記憶部を有する、マイコンやパソコン等よりなる制御装置と、上記演算部で演算されたデータのうち、少なくともメッキ膜厚を表示するディスプレイ、プリンター等の表示手段を有することを特徴とする。
本発明によると、照射光量と、サンプルのメッキ膜厚を他の方法で予め求めておいたのちは検査対象物に対し、レーザ光は照射光と反射光の光量差が一定となるように照射され、メッキ膜厚が自動的に算出され、表示手段に表示される。
請求項5に係る発明は、請求項2に係る発明に対応する装置に関するもので、熱伝導率の低い材質よりなる素地にメッキされた金属メッキ層の膜厚を自動的に測定する装置であって、光量が一定のレーザ光源および該光源からのレーザ光を絞るレンズを有し、金属メッキされたメッキ面に焦点を合わせてレーザ光を斜め方向から照射するレーザ光照射装置と、該装置からメッキ面に照射されたレーザ光の反射光量を測定する光センサーと、上記レーザ光照射装置からメッキ面に照射されたレーザ光の照射点の温度を計測する非接触温度センサーと、レーザ光照射直前の照射点の温度と照射後の温度との温度差、或いは照射点の温度とその周辺の温度上昇を生じていない箇所での温度差を算出する機能、メッキ膜厚が既知のサンプルのメッキ面に対し、レーザ光を照射したときの反射光量を測定する上記光センサーから出力される光量と照射光量との差を算出する機能、算出されたレーザ光照射点の温度差と既知のメッキ膜厚とから、照射光と反射光の光量差での温度差とメッキ膜厚の関係である校正式を演算する機能及び算出された温度差から照射光と反射光の光量差に対応する校正式を用いてメッキ膜厚を演算する機能を有する演算部、予め求めておいたメッキ膜厚、上記演算部で演算した照射光と反射光の光量差、及び上記校正式等を一時的に記憶する領域及び測定のプログラム、上記校正式を求めるためのプログラム等を格納する領域からなる記憶部、該記憶部から照射光と反射光の光量差に対応する校正式を読出す読出部を有する、マイコンやパソコン等よりなる制御装置と、上記演算部で演算されたデータのうち、少なくともメッキ膜厚を表示するディスプレイ、プリンター等の表示手段を有することを特徴とする。
本発明によると、照射光量と各サンプルのメッキ膜厚を他の方法で予め求めておいたのちは検査対象物に対しレーザ光を一定の光量で照射することによりメッキ膜厚が自動的に算出され、表示される。
請求項1に係る発明によると、検査対象物のメッキ面に対し、照射光と反射光の光量差が一定となるようにレーザ光を照射し、照射点での温度上昇量を算出することにより校正式を用いて照射点での膜厚を求めることができ、校正式は一つでよいから、校正式を求める作業が簡易となる。またレーザ光は、レンズにより絞って検査対象物に焦点を合わせて照射されるが、焦点の大きさは例えば0.2mm程度と小さいため奥まった箇所、コーナ部、曲面、凹凸、段差等のある箇所にも、該箇所に焦点を当ててレーザ光を照射することが可能で、これにより上記箇所のメッキ膜厚を求めることができる。
請求項2に係る発明によると、照射光と反射光の光量差に対応した校正式を多数予め求めておくことにより、レーザ光の照射光の光量を一定にして照射点でのメッキ膜厚を求めることができ、請求項1に係る発明のように照射光と反射光の光量差が一定となるようにしてレーザ光を照射する必要がない。
請求項3に係る発明においては、メッキ膜厚をより精度よく求めることができる。
請求項4に係る発明においては、請求項1に係る発明の、請求項5に係る発明においては、請求項2に係る発明のメッキ膜厚の測定を自動的に行うことができる。
図2は、本発明に係る自動測定装置について示すもので、レーザ光照射装置1は図示していないが、光量が調節可能なレーザ光源としてのレーザ発振器とレンズを有し、該レーザ発振器からレーザ光がレンズにより絞られてプラスチックのような熱伝導率の低い材質よりなる素地に金属、例えばCuメッキされた検査対象物2のメッキ面に照射されるようになっている。
メッキ面に照射されるレーザ光は一部が光熱変換され、他が反射光となって、その光量が光センサー3により検出され、その光量データがパソコンよりなる制御装置4に出力されるようになっている。
メッキ面に照射されるレーザ光照射点と、その周辺の温度上昇を生じていない箇所との温度差である温度上昇量は、非接触温度センサーとしての赤外線温度センサー5によって計測され、その温度データが同じく制御装置4に出力されるようになっている。
制御装置4は、後述する方法により求めた照射光の光量と、光センサー3により検出された反射光の光量、照射光と反射光の光量差、検査対象物2と素地及びメッキ層の材質が同じ複数のサンプルについて、既存の他の方法を用いて予め求めておいたメッキ膜厚、照射点における温度上昇量Tとメッキ膜厚tの関係である校正式t=aTb(図示する例では、メッキ膜厚が3μm以下の校正式であるt=5.5T-0.89を示す)等を一時的に記憶するメモリー領域6a及び測定のプログラムや温度とメッキ膜厚に関するデータから最小二乗法を用いて上記校正式を求めるためのプログラム等を格納するメモリー領域6bを備えた記憶部6と、レーザ光照射直前の照射点の温度と照射後の温度との温度差である温度上昇量を算出する機能、照射光と反射光の光量差を算出する機能、メッキ膜厚が既知のサンプルに対し、レーザ光を照射したときの照射点における上記温度差とメッキ膜厚に関するデータから温度差とメッキ膜厚の関係式である校正式を演算する機能、検査対象物に対し、レーザ光を照射したときの照射点の温度上昇量から上記校正式を用いてメッキ膜厚を演算する機能を有する演算部7と、照射光と反射光の光量差が一定となるようにレーザ発振器の光量をフィードバック制御する制御部8と、演算部7で演算されたメッキ膜厚を表示する表示手段としてのディスプレイ9と、データを入力するキーボード10よりなっている。
本装置による検査対象物2のメッキ面の膜厚測定は次のようにして行われる。
先ず検査対象物2と素地及びメッキ層の材質が同じで、メッキ層の厚みが3μm以下の複数サンプルに対し、上述する既知の方法、例えば蛍光エックス線法を用いてメッキ層の膜厚をそれぞれ測定し、キーボード10から各サンプルのメッキ膜厚を制御装置4に入力し、各膜厚データを記憶部6のメモリー領域6aに一時的に記憶させておく。
次に図2に示す検査対象物2の位置に平面鏡を置き、レーザ光照射装置1からレーザ光を平面鏡に焦点(0.2mm径)を合わせて照射し、全反射する反射光を光センサー3により検出し、その光量、すなわち照射光量を同様に記憶部6のメモリー領域6aに一時的に記憶させる。その後、平面鏡に代えて上述するサンプルを置き、レーザ光照射装置1からレーザ光を同じく焦点を合わせて照射し、その反射光の光量を光センサー3により同様にして検出すると共に、照射点の温度を赤外線温度センサー5によって計測し、光量及び温度を記憶部6のメモリー領域6aに一時的に記憶させる。そして光センサー3により検出された反射光の光量は照射光量との差が、また赤外線温度センサー5によって計測された照射直前と直後の照射点の温度差が演算部7により算出され、それぞれメモリー領域6aに記憶される。
次にサンプルを代え、レーザ光照射装置1からレーザ光をサンプルに照射し、同様にしてその反射光の光量と照射点の温度を計測し、メモリー領域6aに記憶させると共に、照射前後の照射店の温度差と照射光と反射光の光量差を求めるが、この光量差が先に算出され、メモリー領域6aに記憶される光量差と一致しないときは、制御部8がレーザ光照射装置1のレーザ発振器の光量を調節して、光量差が一致するようにフィードバック制御する。この作業が各サンプルに対しても同様に行われて光量差が一定の条件の下で、各サンプルについてメッキ膜厚と照射点の温度上昇量がメモリー領域6aに記憶される。ついで演算部7がメモリー領域6bより読出した校正式を求めるためのプログラムに基づいて、メッキ膜厚tと照射点の温度差Tとの関係式である校正式t=aTbを演算し、その校正式t=aTbをメモリー領域6aに記憶させる。
なお、メッキ層の厚みが3〜30μm、或いは30μm以上であるときは、別のプログラムが選択され、別の校正式が求められる。
次にサンプルに代えて検査対象物2を置き、レーザ光照射装置1からレーザ光を検査対象物に照射し、その反射光の光量と照射点の温度を計測し、照射光と反射光の光量差と照射前後の温度差を求めてメモリー領域6aに記憶させる。このとき光量差が先にサンプルに対しレーザ光を照射したときの光量差と一致しないときは、上記と同様にして制御部8がレーザ発振器をフィードバック制御して上記光量差を一致させる。算出された照射点の温度差から演算部7は上記校正式t=aTを用いて照射点でのメッキ膜厚tを演算し、その結果をメモリー領域6aに記憶させると共に、ディスプレイ9に表示する。
図3は、自動測定装置の別の例について示すもので、レーザ発振器1は光量が一定で調節できるようになっていない点、制御装置12にはレーザ発振器1の光量を制御する制御部8を有していない点、メモリー6の照射光と反射光の光量差と、検査対象物2と素地及びメッキ層の材質が同じ多数のサンプルについて、他の方法を用いて予め求めておいたメッキ膜厚のほか、温度差とメッキ膜厚の関係式である校正式を光量差ごとに多数一時的に記憶する点、上記メモリー領域6aに記憶される校正式t1=a1b1、t2=a2b2、・・tn=abnの中から、特定の光量差に対応する校正式を読出す読出部13を備えているほかは、図2に示す装置と同じ構造となっている。
本装置を用いた検査対象物2のメッキ面の膜厚測定は、次のようにして行われる。
先ず前述したものと同様、検査対象物と素地及びメッキ層の材質が同じ多数のサンプルについて、既知の方法によりメッキ厚の膜厚を予め求めておき、キーボード10から各サンプルのメッキ膜厚を制御装置12に入力し、各膜厚データを記憶部6のメモリー領域6aに記憶させておく。
レーザ光照射装置1の照射光の光量も同様にして測定しメモリー領域6aに記憶させる。
次に各サンプルに対し、レーザ光照射装置1よりレーザ光を照射し、その反射光の光量を光センサー3により検出してメモリー領域6aに記憶させると共に、赤外線温度センサー5によって計測した照射点の温度上昇量をメモリー領域6aに記憶させる。そして光センサー3により検出された反射光の光量は照射光との光量差が、また赤外線温度センサー5によって計測された照射直前と直後の照射光の温度差が演算部7によりそれぞれ算出され、メモリー領域6aに記憶される。メモリー領域6aに記憶された光量差、照射点の温度上昇量、各サンプルのメッキ膜厚は、温度差やメッキ膜厚が光量差ごとに整理され、並べ換えられる。
ついで演算部7がメモリー領域6bより読み出した校正式を求めるためのプログラムに基づいて、各光量差ごとにメッキ膜厚と温度差との関係式である校正式t1=a1b1、t2=a2b2、・・tn=anbnを演算し、メモリー領域6aに記憶させる。
次にサンプルに代えて検査対象物2を置き、レーザ照射装置1からレーザ光を照射して反射光の光量と照射点の温度差を計測し、反射光の光量から照射光量との差を演算部7により算出し、メモリー領域6aに記憶させる。読み出し部13はメモリー領域6aから照射光と反射光の光量差に対応する校正式ti=f(Ti)を読み出し、この式ti=f(Ti)より演算部7が照射点の温度差から照射点での膜厚tiを演算し、その結果をメモリー領域に記憶させると共に、ディスプレイ9に表示する。
本発明は、電磁ノイズ対策としてプラスチック製筐体の表面にメッキされる金属メッキ層が所定の厚みを有しているか否かを検査するのに用いることができるが、このほか熱伝導率の低い材質よりなる素地にメッキされた金属メッキ層の膜厚測定一般に用いることができる。
メッキ膜厚と温度との関係を示す校正式のグラフ。 本発明に係る自動測定装置の模式図。 本発明に係る自動測定装置の別の態様を示す模式図。
符号の説明
1・・レーザ光照射装置
2・・検査対象物
3・・光センサー
4、12・・制御装置
5・・赤外線温度センサー
6・・記憶部
7・・演算部
8・・制御部
9・・ディスプレイ
10・・キーボード
13・・読出し部

Claims (5)

  1. 熱伝導率の低い材質よりなる素地にメッキされた金属メッキ層の膜厚を測定する方法であって、光源からのレーザ光をレンズにより絞って上記素地に金属メッキされたメッキ面に斜め方向から、照射光と反射光の光量差が一定となるようにして照射し、照射点での温度上昇量を非接触温度センサーで測定する作業をメッキ膜厚が既知のサンプルに対し、それぞれ行ってメッキ膜厚と温度上昇量との関係である校正式を予め求めておき、上記サンプルと素地及びメッキ層の材質が同じ検査対象物に対し、上記作業と同じ作業を行ってレーザ光照射点での温度上昇量を測定し、該測定温度から上記校正式を用いて検査対象物のメッキ膜厚を求めることを特徴とする金属メッキ層の膜厚測定方法。
  2. 熱伝導率の低い材質よりなる素地にメッキされた金属メッキ層の膜厚を測定する方法であって、光源からのレーザ光をレンズにより絞って上記素地に金属メッキされたメッキ面に斜め方向から照射量を一定にして照射し、反射光量を光センサーにより検出して照射光量との差を求めると共に、照射点での温度上昇量を非接触温度センサーで測定する作業をメッキ膜厚が既知のサンプルに対し、それぞれ行って照射光と反射光の光量差ごとにメッキ膜厚と温度上昇量との関係である校正式を予め多数求めておき、上記サンプルと素地及びメッキ層の材質が同じ検査対象物に対し、上記作業と同じ作業を行って照射光と反射光との光量差と、レーザ光照射点での温度上昇量を測定し、照射光と反射光の光量差に対応する校正式を選択してレーザ光照射点での温度上昇量から検査対象物の膜厚を求めることを特徴とする金属メッキ層の膜厚測定方法。
  3. 上記校正式がメッキ膜厚の設定範囲ごとに認定されることを特徴とする請求項1又は2記載の金属メッキ層の膜厚測定方法。
  4. 熱伝導率の低い材質よりなる素地にメッキされた金属メッキ層の膜厚を自動的に測定する装置であって、光量が調節可能なレーザ光源及び該光源からのレーザ光を絞るレンズを有し、金属メッキされたメッキ面に焦点を合わせてレーザ光を斜め方向から照射するレーザ光照射装置と、該装置からメッキ面に照射されたレーザ光の光量を測定する光センサーと、上記レーザ光照射装置からメッキ面に照射されたレーザ光の照射点の温度を計測する非接触温度センサーと、メッキ膜厚が既知のサンプルのメッキ面に対し、レーザ光を照射し、このときの照射光量を予め求めておいて上記光センサーで測定した反射光量との差が一定となるようにレーザ光源の光量をフィードバック制御する制御部、レーザ光照射直前の照射点の温度と照射後の温度との温度差、或いは照射点の温度とその周辺の温度上昇を生じていない箇所での温度差を算出する機能、上記照射光と反射光の光量差を算出する機能、算出されたレーザ光照射点の温度差と既知のメッキ膜厚とから、温度差とメッキ膜厚の関係である校正式を演算する機能及び算出された温度差から上記校正式を用いてメッキ膜厚を演算する機能を有する演算部、予め求めておいたメッキ膜厚、上記演算部で演算した照射光と反射光の光量差及び上記校正式を一時的に記憶する領域及び測定のプログラム、上記校正式を求めるためのプログラム等を格納する領域よりなる記憶部を有する制御装置と、上記演算部で演算されたデータのうち、少なくともメッキ膜厚を表示する表示手段を有することを特徴とする金属メッキ層の膜厚測定装置。
  5. 熱伝導率の低い材質よりなる素地にメッキされた金属メッキ層の膜厚を自動的に測定する装置であって、光量が一定のレーザ光源および該光源からのレーザ光を絞るレンズを有し、金属メッキされたメッキ面に焦点を合わせてレーザ光を斜め方向から照射するレーザ光照射装置と、該装置からメッキ面に照射されたレーザ光の反射光量を測定する光センサーと、上記レーザ光照射装置からメッキ面に照射されたレーザ光の照射点の温度を計測する非接触温度センサーと、レーザ光照射直前の照射点の温度と照射後の温度との温度差、或いは照射点の温度とその周辺の温度上昇を生じていない箇所での温度差を算出する機能、メッキ膜厚が既知のサンプルのメッキ面に対し、レーザ光を照射したときの反射光量を測定する上記光センサーから出力される光量と照射光量との差を算出する機能、算出されたレーザ光照射点の温度差と既知のメッキ膜厚とから、照射光と反射光の光量差での温度差とメッキ膜厚の関係である校正式を演算する機能及び算出された温度差から照射光と反射光の光量差に対応する校正式を用いてメッキ膜厚を演算する機能を有する演算部、予め求めておいたメッキ膜厚、上記演算部で演算した照射光と反射光の光量差、及び上記校正式等を一時的に記憶する領域及び測定のプログラム、上記校正式を求めるためのプログラム等を格納する領域からなる記憶部、該記憶部から照射光と反射光の光量差に対応する校正式を読出す読出部を有する制御装置と、上記延残部で演算されたデータのうち、少なくともメッキ膜厚を表示する表示手段を有することを特徴とする金属メッキ層の膜厚測定装置。
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