JP2005155321A - 外ケーブル用透明保護管 - Google Patents
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Abstract
【課題】 透明性が高く内部のモルタルの充填状態を外部から目視できるとともに、耐圧性の高い外ケーブル用保護管を提供する。
【解決手段】 ケーブルを収容し、かつ内部にモルタルを充填するための外ケーブル用保護管は、透明性などに優れるアイオノマー樹脂で構成された内外面が平滑な保護管1と、この保護管を補強するためのスパイラル状又は網目状補強材2とで構成されている。補強材2は、前記保護管1内に埋設してもよい。前記保護管1は、平滑状管に限らずスパイラル状波形管であってもよい。
【選択図】 図1
【解決手段】 ケーブルを収容し、かつ内部にモルタルを充填するための外ケーブル用保護管は、透明性などに優れるアイオノマー樹脂で構成された内外面が平滑な保護管1と、この保護管を補強するためのスパイラル状又は網目状補強材2とで構成されている。補強材2は、前記保護管1内に埋設してもよい。前記保護管1は、平滑状管に限らずスパイラル状波形管であってもよい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、プレストレストコンクリート用緊張材(以下,単に緊張材という場合がある)を収容し、かつ充填材を充填して橋梁などに適用される外ケーブル用透明保護管及びその製造方法に関する。
橋梁などに用いられる外ケーブルには、一般に緊張材を収容する保護管が使用されている。この外ケーブル保護管では、収容する緊張材の周囲に緊密に充填材を充填することにより、緊張材の腐蝕を防止している。
このように、外ケーブル用保護管には充填材を緊密に充填する必要があるため、この保護管は充填材の充填状況を目視可能であることが好ましく、さらに充填材の充填圧力に耐える必要がある。
このように、外ケーブル用保護管には充填材を緊密に充填する必要があるため、この保護管は充填材の充填状況を目視可能であることが好ましく、さらに充填材の充填圧力に耐える必要がある。
特開2000−320071号公報には、緊張材を内包させ、かつ、内部に充填材が充填される透明な合成樹脂管であって、ポリ塩化ビニル樹脂で軟質部と硬質部とを形成するとともに、軟質部が可塑剤20〜40部を含むポリ塩化ビニル樹脂からなる緊張材保護用合成樹脂管が開示されている。
この文献には、前記合成樹脂管は硬質部を芯材として、内部に含む軟質合成樹脂帯状体を管の長手方向へ螺旋状に巻回して成形されている。さらに、緊張材はPC鋼線又はPC鋼撚り線で構成され、外ケーブル式ポストテンション用緊張材として用いることも記載されている。
この文献には、前記合成樹脂管は硬質部を芯材として、内部に含む軟質合成樹脂帯状体を管の長手方向へ螺旋状に巻回して成形されている。さらに、緊張材はPC鋼線又はPC鋼撚り線で構成され、外ケーブル式ポストテンション用緊張材として用いることも記載されている。
しかし、この合成樹脂管では、軟質部に含有された多量の可塑剤が移行し、時間の経過とともに軟質度が低下する。しかも、紫外線などにより劣化し易いポリ塩化ビニル樹脂を用いるため、耐久性を高めることが困難であるとともに、ダイオキシンを発生させる可能性をも懸念される。
特開平9−144210号公報には、プレストレストコンクリート用として使用するPC鋼線・PC鋼撚線・PC鋼棒等の緊張材を挿通し、この緊張材を被覆保護する管であって、内外面がともに螺旋凹凸状に形成されていて、全体がポリオレフィン系樹脂素材によって形成されている緊張材用保護管が開示されている。この文献には、高密度ポリエチレン樹脂を使用することも記載されている。
しかし、この内外面スパイラル状管では、充填材を充填する際に径方向に対する耐圧性が弱く、しかも透明性が低下する。そのため、内部の充填材の充填状況を目視で精度よく確認することができない。
特開平6−55636号公報には、アイオノマー樹脂を主体とする樹脂形成物からなる架橋チューブであって、アイオノマー樹脂が、エチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体の分子間がカリウムイオンで架橋されたアイオノマー樹脂100部に対して、エチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体の分子間がナトリウムイオン又は/及び亜鉛イオンで架橋されたアイオノマー樹脂0〜50重量部を含むことが記載されている。この架橋チューブは、押出機からチューブ状に成形した後、電子線を照射する方法により得られ、リヒテンベルグ放電による放電痕がない。この文献には、架橋チューブの内面にエチレン−アクリル酸エチル−一酸化炭素共重合体で構成された接着剤層又は粘着材層を形成することも記載されている。
しかし、電子線照射により不可逆的に架橋しているため、アイオノマー樹脂を再利用できない。さらに、耐圧性を向上することも困難である。
特開2000−320071号公報
特開平9−144210号公報
特開平6−55636号公報
しかし、電子線照射により不可逆的に架橋しているため、アイオノマー樹脂を再利用できない。さらに、耐圧性を向上することも困難である。
従って、本発明の目的は、透明性が高く、内部の充填材の充填状況を外部から目視できるとともに、耐圧性の高いケーブル保護管を提供することにある。
本発明の他の目的は、耐寒性、柔軟性及び耐久性に優れ、緊張材を収容するとともに充填材を充填して外ケーブルを得るのに有用なケーブル保護管を提供することにある。
本発明者らは、アイオノマー樹脂で保護管を構成し、かつ補強することにより、前記課題を達成できることを見いだした。すなわち、本発明の外ケーブル用透明保護管(以下、単に保護管という場合がある)は、緊張材を収容し、かつ内部に充填材を充填するための透明な合成樹脂管であって、アイオノマー樹脂で構成された保護管と、この保護管を補強するためのスパイラル状又は網目状補強材とで構成されている。この保護管において、前記補強材は保護管内に埋設してもよい。また、保護管は、スパイラル状波形管、平滑状管などであってもよい。
さらに、本発明の外ケーブル用透明保護管の製造方法は、押出機からアイオノマー樹脂をテープ状に押出して、管体成形軸にスパイラル状に巻き付けて外ケーブル用透明保護管を製造する方法において、隣接する同アイオノマー樹脂製テープの側縁(重合部)間に補強材又は補強糸を挟みつつ、同隣接するテープの側縁を重ねながら、前記管体成形軸にスパイラル状に巻き付けることを特徴とする外ケーブル用透明保護管の製造方法である。
さらに、本発明の外ケーブル用透明保護管の製造方法は、押出機からアイオノマー樹脂をテープ状に押出して、管体成形軸にスパイラル状に巻き付けて外ケーブル用透明保護管を製造する方法において、隣接する同アイオノマー樹脂製テープの側縁(重合部)間に補強材又は補強糸を挟みつつ、同隣接するテープの側縁を重ねながら、前記管体成形軸にスパイラル状に巻き付けることを特徴とする外ケーブル用透明保護管の製造方法である。
本発明は、外ケーブル用透明保護管に用いられる樹脂又は樹脂組成物であって、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の一部又は全部が、金属イオン又はアンモニウムイオンで中和されたアイオノマー樹脂を30重量%以上含む樹脂又は樹脂組成物も包含する。
本発明の外ケーブル用透明保護管は、アイオノマー樹脂で保護管を構成して補強するので、透明性が高く内部の充填材の充填状況を外部から目視でき、かつ耐圧性が高いので、充填材の充填性や充填作業性も高めることができる。さらに、耐寒性、柔軟性及び耐久性に優れている。
以下、必要により添付図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。
本発明による外ケーブル用透明保護管を構成するアイオノマー樹脂とは、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基を金属イオンやアンモニウムイオンなどのカチオンで部分中和したイオン架橋性樹脂として定義される。このようなアイオノマー樹脂の性状は、分子量やベースポリマーのカルボキシル基濃度、金属イオン種、中和度などによって変化するが、一般に透明性が高く、成形加工性、反発弾性、柔軟性、耐衝撃性および耐寒性に富み、強靭であるという特色を有している。
前記アイオノマー樹脂において、ペースポリマーとなるエチレン−不飽和カルボン酸共重合体としては、エチレン成分と不飽和カルボン酸成分との割合が、前者/後者=80/20〜99/1(モル%)、好ましくは85/15〜98/2(モル%)、特に好ましくは90/10〜98/2(モル%)の樹脂が用いられる。
また、エチレン成分と不飽和カルボン酸成分以外にその他の不飽和モノマー成分を0〜20モル%、好ましくは0〜15モル%の割合で共重合させてもよい。さらに、総和が上記条件を満たす限り、種類の異なる2種以上の不飽和カルボン酸成分を用いてもよい。
また、本発明ではベースポリマーとして、不飽和カルボン酸成分の種類の異なる2種以上のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体の混合物を用いてもよい。
また、エチレン成分と不飽和カルボン酸成分以外にその他の不飽和モノマー成分を0〜20モル%、好ましくは0〜15モル%の割合で共重合させてもよい。さらに、総和が上記条件を満たす限り、種類の異なる2種以上の不飽和カルボン酸成分を用いてもよい。
また、本発明ではベースポリマーとして、不飽和カルボン酸成分の種類の異なる2種以上のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体の混合物を用いてもよい。
不飽和カルボン酸成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル(マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステルなど)、無水マレイン酸などが例示される。これらの不飽和カルボン酸成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。特にアクリル酸あるいはメタクリル酸が好ましい。
他の不飽和モノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ブチルなどのアクリル酸エステル類やメタクリル酸エステル類、酢酸ビニルなどのビニルエステル類、スチレンなどのスチレン系モノマー、ブタジエン、塩化ビニル、テトラフルオロエチレンなどのハロゲン含有モノマーあるいはシラン化合物などが例示できる。
エチレン−不飽和カルボン酸共重合体アイオノマーにおける金属イオン種としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属、亜鉛、銅、マンガン、コバルト、アルミニウムなどの遷移金属が例示される。これらの金属イオン種は、単独で、あるいは二種類以上組み合せて使用できる。好ましい金属イオン種は、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛などである。
充填剤の硬化に伴う発熱および内圧に対する耐性という観点では、マグネシウムイオンで中和されたアイオノマー樹脂が最も優れている。そのため、金属イオン種は少なくともマグネシウムイオンを含むのが好ましい。
充填剤の硬化に伴う発熱および内圧に対する耐性という観点では、マグネシウムイオンで中和されたアイオノマー樹脂が最も優れている。そのため、金属イオン種は少なくともマグネシウムイオンを含むのが好ましい。
上記金属イオンによる中和度は、特に限定されないが、平均中和度が20%以上、好ましくは30〜95%程度である。
前記アイオノマー樹脂のメルトフローレート(MFR)は、温度190℃、荷重2160gにおいて、0.01〜50g/10分、好ましくは0.05〜15g/10分、特に好ましくは0.1〜5g/10分である。
本発明に係る透明保護管用材料としてはまた、透明性、耐衝撃性、耐寒性、強靭性などの本用途において重要なアイオノマー樹脂の特性を損なわない限り、アイオノマー樹脂にそれ以外の合成樹脂等を溶融混練することもできる。
そのような合成樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン類、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などのポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル類、一般用ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ABS樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)などのポリスチレン系樹脂の他、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、各種熱可塑性エラストマーなどが例示される。これらの合成樹脂は単独であるいは二種類以上でアイオノマー樹脂と溶融混練して使用される。このような混合物中のアイオノマー樹脂の重量比は30重量%以上、好ましくは50重量%以上である。
そのような合成樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン類、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などのポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル類、一般用ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ABS樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)などのポリスチレン系樹脂の他、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、各種熱可塑性エラストマーなどが例示される。これらの合成樹脂は単独であるいは二種類以上でアイオノマー樹脂と溶融混練して使用される。このような混合物中のアイオノマー樹脂の重量比は30重量%以上、好ましくは50重量%以上である。
アイオノマー樹脂には、必要により慣例の添加剤、例えば、安定剤(熱安定剤、キレータ、抗酸化剤及び紫外線吸収剤など)、難燃剤、耐電防止剤、着色剤、滑剤などを添加してもよい。
前記補強材(又は補強糸)は、金属線、硬質樹脂、繊維(無機繊維、有機繊維)などで構成できる。硬質樹脂としては、ポリエステル系樹脂などの硬質熱可塑性樹脂などが挙げられる。
繊維のうち有機繊維としては、例えば、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維などが挙げられる。無機繊維としては、例えば、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、セラミック繊維、金属繊維(スチール繊維、ステンレス繊維など)、炭素繊維などが挙げられる。これらの繊維は単独で又は2種類以上組合わせて使用できる。好ましい繊維は、ガラス繊維などの無機繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維などの有機繊維である。補強材(補強糸)は、通常、ポリエステル繊維などの繊維を撚糸したコードなどの形態(例えば、1000〜50000デニール、好ましくは2000〜25000デニールのコードなどの形態)で利用できる。
繊維のうち有機繊維としては、例えば、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維などが挙げられる。無機繊維としては、例えば、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、セラミック繊維、金属繊維(スチール繊維、ステンレス繊維など)、炭素繊維などが挙げられる。これらの繊維は単独で又は2種類以上組合わせて使用できる。好ましい繊維は、ガラス繊維などの無機繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維などの有機繊維である。補強材(補強糸)は、通常、ポリエステル繊維などの繊維を撚糸したコードなどの形態(例えば、1000〜50000デニール、好ましくは2000〜25000デニールのコードなどの形態)で利用できる。
本発明の外ケーブル保護管は、図1に示されるように、アイオノマー樹脂で構成された内外平滑中空透明管(内外面平滑中空管)1と、この透明管の管壁に埋設され、一体化したスパイラル状もしくは網目状補強材(又は補強糸)2とで構成されている。
このような保護管は、透明性が高いだけでなく、補強糸2により高い耐圧性も有している。そのため、中空透明管1内に緊張材を収容して充填材を充填しても、外部から充填材の充填状態を確実に観察できるとともに、充填材を円滑に充填できる。
このような保護管は、透明性が高いだけでなく、補強糸2により高い耐圧性も有している。そのため、中空透明管1内に緊張材を収容して充填材を充填しても、外部から充填材の充填状態を確実に観察できるとともに、充填材を円滑に充填できる。
前記保護管の肉厚dは、例えば、15〜35mm、好ましくは20〜30mm、さらに好ましくは22〜28mm程度であってもよい。さらに平均内径D1は、例えば、30〜150mm、好ましくは55〜125mm、さらに好ましくは75〜105mm程度であってもよい。また、保護管がスパイラル状の形態である場合は、山部内面における管内径D1と谷部内面における管内径D2との割合(D1/D2)は、例えば、1.1〜1.5程度であってもよい。
前記保護管は、図1に示すように、押出機からアイオノマー樹脂をテープ状に押出して、隣接するテープ1a,1aの側縁(重合部)間に補強材又は補強糸2を挟みつつ、隣接するテープ1a,1aの側縁を重ねながら、管体成形軸にスパイラル状に巻き付けることにより製造できる。
このような方法では、安価な製造設備で保護管を連続的に成形可能であり、かつ不定長の管に成形でき、長尺管を効率よく得ることができる。
このような方法では、安価な製造設備で保護管を連続的に成形可能であり、かつ不定長の管に成形でき、長尺管を効率よく得ることができる。
なお、テープの幅(スパイラル状樹脂管本体のピッチp)は、通常10〜200mm、好ましくは20〜100mm、さらに好ましくは30〜80mm程度である。また、補強材又は補強糸のピッチは、例えば、3〜50mm、好ましくは5〜30mm、さらに好ましくは5〜20mm程度であってもよい。
このような構造の保護管は、押出機からアイオノマー樹脂をテープ状に押出すとともに、補強糸を埋設したテープを調製して巻回することにより形成してもよい。
なお、補強糸を埋設又は内包したテープは、複数のテープ状溶融体間に補強糸を挟み込むことにより形成してもよく、補強部材が硬質樹脂である場合には、補強樹脂を線状に押し出すとともに、線状に押し出された樹脂の周囲にアイオノマー樹脂をダイから押し出すことにより調製してもよい。さらに、透明管に対して金属線などの補強材を巻回し、必要により接合することにより調製してもよい。
なお、補強糸を埋設又は内包したテープは、複数のテープ状溶融体間に補強糸を挟み込むことにより形成してもよく、補強部材が硬質樹脂である場合には、補強樹脂を線状に押し出すとともに、線状に押し出された樹脂の周囲にアイオノマー樹脂をダイから押し出すことにより調製してもよい。さらに、透明管に対して金属線などの補強材を巻回し、必要により接合することにより調製してもよい。
なお、保護管は単層構造である必要はなく、複数の層で構成された積層構造を有していてもよく、このような積層構造において補強材は各樹脂層の間に介在してもよい。
例えば、図2に示すように、前記アイオノマー樹脂で形成した平滑な内層樹脂層1bと、この内層樹脂層1bの外面に所定のピッチで巻き付けられた補強材(又は補強糸)2と、アイオノマー樹脂で形成され、かつ前記内層樹脂層1b及び補強材2に対して融着積層された平滑な外層樹脂層1cとで保護管を構成してもよい。
さらに、保護管の内壁および外壁のうち少なくとも一方の壁面には樹脂層を形成してもよい。図3は本発明の保護管のさらに他の例を示す概略部分断面図であり、図4は本発明の保護管の別の例を示す概略部分断面図である。図3に示す保護管は、図1に示す保護管と同様に、アイオノマー樹脂で構成された内外平滑中空透明管(内外面平滑中空管)1と、この透明管の管壁に埋設されたスパイラル状もしくは網目状補強材(又は補強糸)2とで構成されており、前記透明管1の内壁には、アイオノマー樹脂で構成された内壁樹脂層3bが形成されている。なお、前記透明管1は透明性の高いアイオノマー樹脂で構成され、内壁樹脂層3bは透明性を有するとともに耐熱性及び剛性の高いアイオノマー樹脂で構成されている。
図4に示す例では、アイオノマー樹脂で構成された内外平滑中空透明管(内外面平滑中空管)1と、この透明管の管壁に埋設されたスパイラル状もしくは網目状補強材(又は補強糸)2とで構成された保護管のうち内壁及び外壁には、それぞれ、アイオノマー樹脂で構成された外壁樹脂層3a及び内壁樹脂層3bが積層されている。なお、前記透明管1は透明性の高いアイオノマー樹脂で構成され、外壁及び内壁樹脂層3a,3bは透明性を有するとともに耐熱性及び剛性の高いアイオノマー樹脂で構成されている。
なお、補強材は保護管内に埋設する必要はなく、保護管を補強すればよく、埋設などにより前記内壁樹脂層及び/又は外壁樹脂層と一体化してもよい。図5は本発明の他の保護管の例を示す概略部分断面図である。
この例では、アイオノマー樹脂で構成された内外平滑中空透明管(内外面平滑中空管)1と、この透明管の内壁及び外壁のうち、少なくとも一方の壁面に形成又は積層された樹脂層(この例では、外壁樹脂層3a)と、この樹脂層3a内にスパイラル状もしくは網目状に埋設された補強材(又は補強糸)2とで構成されている。なお、前記透明管1は透明性の高いアイオノマー樹脂で構成され、樹脂層(外壁樹脂層3a)は透明性を有するとともに耐熱性及び剛性の高いアイオノマー樹脂で構成されている。また、補強材2は、互いに隣接する複数の細条補強材で構成されている。
保護管は複数の補強材で補強してもよい。図6は本発明のさらに他の保護管の例を示す概略部分断面図である。この例では、アイオノマー樹脂で構成された内外平滑中空透明管(内外面平滑中空管)1と、この透明管内にそれぞれ隣接して螺旋状に埋設された第1の補強材2及び第2の補強材4とで構成されている。前記第1の補強材2は、金属線、ガラス繊維などの無機補強材又は有機繊維などの有機補強材で構成でき、第2の補強材4は、剛性の高い樹脂(例えば、耐熱性及び剛性の高いアイオノマー樹脂など)で構成できる。
なお、前記の例において、内壁及び外壁樹脂層や第2の補強材を構成する内壁及び外壁樹脂層や第2の補強材は、アイオノマー樹脂に限らず、オレフィン系樹脂(例えば、高密度ポリエチレン、低密度線状ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂など)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などで形成してもよい。さらに、補強糸などで構成された第1の補強材に代えて、第2の補強材(例えば、剛性の高いアイオノマー樹脂、ポリオレフィン系樹脂など)で補強してもよい。
保護管は、上記の内外平滑管に限らず波形状管であってもよい。波形状管は、例えば、図7に示すように、コルゲーター11により連続ブロー成形で成形された波付管状内層樹脂層1bの外面に、補強材供給機12により供給された補強材2を巻き付け、更に内層樹脂層1bの外面にチューブダイ13により外層樹脂層1cを被覆又は積層することにより製造してもよい。
なお、前記コルゲーター11は、ループ状に循環し、互いに対向して成形領域を形成する2つの循環路と、押出機から押し出された樹脂パリソンをスパイラル波形状に成形可能な鋳型11aを構成する複数対の成形部材とを備えている。
このようなコルゲーターにおいて、前記各循環路にそれぞれ循環可能に配設され、かつ複数対の成形部材を形成する各成形部材は、成形領域の始端部において合流して成形領域において複数の鋳型11aで構成された成形部を形成し、成形領域の終端部において離反して各循環路を循環する。そのため、押出機から押し出された樹脂パリソンは、成形領域において前進しながら連続的に波形に成形される。
前記補強材供給機12は、補強材又は補強糸を適度の張力で緊張させながら繰り出し供給可能な供給ユニットを備えており、しかも内層樹脂層1bを中心軸として回転可能である。そのため、補強材供給機12の回転に伴って、前進に伴って波形に成形される樹脂パリソンの外周にスパイラル状に巻回できる。そして、前記チューブダイ13は、補強材2が巻き付けられた内層樹脂層1bが通過可能な波形形成部を有しており、内層樹脂層1b及び補強材2の外面に外層樹脂層1cを形成する。
このような積層構造の保護管において、外層樹脂層1cと内層樹脂層1bとは、補強材が位置ずれしない程度に保持すればよく、互いに接着又は熱融着しない異材質であってもよいが、同材質又は同系統樹脂で形成するのが好ましい。例えば、外層樹脂層及び内層樹脂層の一方の層をアイオノマー樹脂で形成し、他方の層を透明性樹脂[エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂など]で形成してもよいが、双方の層を同一又は異なる種類のアイオノマー樹脂で形成するのが好ましい。
なお、前記ケーブル保護管は、内外面のいずれか一方の面又は両面が平滑又は曲線状(又は湾曲状)であってもよいが、通常、図1に示すような、内面及び外面が平滑な内外面平滑状管が好ましい。
前記補強材又は補強糸は、前記保護管を補強できればよく、保護管の長手方向に対して所定のピッチでスパイラル状に形成してもよく、所定のピッチで交差させてもよい。
さらに、前記の例では、前記補強材2を保護管1や樹脂層3a内に埋設しているが、補強材又は補強糸は、保護管内に埋設してもよく、保護管や樹脂層の内面又は外面にスパイラル状に形成され、保護管と一体化していてもよい。例えば、補強材は保護管の外面にスパイラル状に巻回し、添着したり、接着又は融着などにより一体化してもよい。さらに、保護管内の補強材又は補強糸は、単一の補強材又は補強糸に限らず、前記のように、互いに隣接して又は並行に位置させて複数の補強材又は補強糸を所定のピッチで保護管に形成した補強材又は補強糸(ダブルピッチ、トリプルピッチ補強材など)であってもよい。さらに、補強材は前記糸状又は線状補強材に限らずメッシュ状又は網目状補強材であってもよい。
さらに、前記の例では、前記補強材2を保護管1や樹脂層3a内に埋設しているが、補強材又は補強糸は、保護管内に埋設してもよく、保護管や樹脂層の内面又は外面にスパイラル状に形成され、保護管と一体化していてもよい。例えば、補強材は保護管の外面にスパイラル状に巻回し、添着したり、接着又は融着などにより一体化してもよい。さらに、保護管内の補強材又は補強糸は、単一の補強材又は補強糸に限らず、前記のように、互いに隣接して又は並行に位置させて複数の補強材又は補強糸を所定のピッチで保護管に形成した補強材又は補強糸(ダブルピッチ、トリプルピッチ補強材など)であってもよい。さらに、補強材は前記糸状又は線状補強材に限らずメッシュ状又は網目状補強材であってもよい。
本発明では、高い透明性により保護管の外部から充填材の充填状況を高い精度で確認できるとともに、高い耐圧性により充填材の充填作業を円滑に行うことができる。そのため、本発明の保護管は、種々のケーブルを保護して橋梁などに適用するために有用である。
さらに、本発明では、アイオノマー樹脂を架橋させる必要がないので、アイオノマー樹脂を再利用することも容易である。特に、アイオノマー樹脂は加熱により金属イオン成分とカルボキシル基との結合力が低下するので、加熱により保護管と充填材との密着力も低減して剥離性も改善でき、保護管の再利用性を高めることができる。
さらに、本発明では、アイオノマー樹脂を架橋させる必要がないので、アイオノマー樹脂を再利用することも容易である。特に、アイオノマー樹脂は加熱により金属イオン成分とカルボキシル基との結合力が低下するので、加熱により保護管と充填材との密着力も低減して剥離性も改善でき、保護管の再利用性を高めることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1:
エチレン−メタクリル酸共重合ベースアイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、「ハイミランAM7311」金属イオン種Mg、温度190℃及び荷重2160gでのMFR=0.7g/10分)を押出機からテープ状に押出し、テープを管体成形軸にスパイラル状に巻き付け、巻き付けたテープの側縁部と、この側縁部に隣接する押し出されたテープの側縁部との間にポリエステル繊維コード(8000デニール)の補強糸を介在させて、前記管体成形軸にスパイラル状に巻き付けることにより、肉厚2.4mmであり、前記コードが樹脂層内に埋設されたケーブル保護管(内径75mm、外径85mm)を得た。なお、保護管本体のピッチ及び補強繊維のピッチは15mmである。得られたケーブル保護管について耐圧試験を行い、破壊圧力を調べたところ、1.4MPaであった。
エチレン−メタクリル酸共重合ベースアイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、「ハイミランAM7311」金属イオン種Mg、温度190℃及び荷重2160gでのMFR=0.7g/10分)を押出機からテープ状に押出し、テープを管体成形軸にスパイラル状に巻き付け、巻き付けたテープの側縁部と、この側縁部に隣接する押し出されたテープの側縁部との間にポリエステル繊維コード(8000デニール)の補強糸を介在させて、前記管体成形軸にスパイラル状に巻き付けることにより、肉厚2.4mmであり、前記コードが樹脂層内に埋設されたケーブル保護管(内径75mm、外径85mm)を得た。なお、保護管本体のピッチ及び補強繊維のピッチは15mmである。得られたケーブル保護管について耐圧試験を行い、破壊圧力を調べたところ、1.4MPaであった。
比較例前記ポリエステル繊維コードを用いることなく、ケーブル保護管(内径75mm、外径85mm)を得た。得られた保護管について耐圧試験を行い、破壊圧力を調べたところ、0.8MPaであった。
1:ケーブル保護管
1a:テープ状アイオノマー樹脂
1b:内層樹脂層
1c:外層樹脂層
2:補強材(第1の補強材)
3a:外壁樹脂層
3b:内壁樹脂層
4:第2の補強材
11:コルゲーター
11a:コルゲーターの鋳型
12:補強材供給機
13:チューブダイ
1a:テープ状アイオノマー樹脂
1b:内層樹脂層
1c:外層樹脂層
2:補強材(第1の補強材)
3a:外壁樹脂層
3b:内壁樹脂層
4:第2の補強材
11:コルゲーター
11a:コルゲーターの鋳型
12:補強材供給機
13:チューブダイ
Claims (4)
- プレストレストコンクリート用緊張材を収容し、かつ内部に充填材を充填するための透明な合成樹脂管であって、アイオノマー樹脂で構成された保護管と、この保護管を補強するためのスパイラル状又は網目状補強材とで構成されている外ケーブル用透明保護管。
- 補強材が保護管内に埋設されている請求項1記載の外ケーブル用透明保護管。
- 保護管がスパイラル状波形管又は平滑状管である請求項1記載の外ケーブル用透明保護管。
- 押出機からアイオノマー樹脂をテープ状に押出して、管体成形軸にスパイラル状に巻き付けて外ケーブル用透明保護管を製造する方法において、隣接する同アイオノマー樹脂製テープの側縁(重合部)間に補強材又は補強糸を挟みつつ、同隣接するテープの側縁を重ねながら、前記管体成形軸にスパイラル状に巻き付けることを特徴とする外ケーブル用透明保護管の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2005015858A JP2005155321A (ja) | 2005-01-24 | 2005-01-24 | 外ケーブル用透明保護管 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007247267A (ja) * | 2006-03-16 | 2007-09-27 | Shoki:Kk | 架橋道路埋設用ケーブル保護シース部材および架橋道路埋設用ケーブル保護シース |
-
2005
- 2005-01-24 JP JP2005015858A patent/JP2005155321A/ja active Pending
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