JP2005155262A - ブレース、ブレースユニット及びそれを備えた建築構造物 - Google Patents

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Hideki Ueda
秀樹 上田
Tomio Kurata
富雄 蔵田
Masahiro Nakajima
正博 中島
Shigeru Otsuka
繁 大塚
Masami Noumori
雅己 能森
Hiroshi Mikami
博 三上
Yukihiko Kurokawa
幸彦 黒川
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Abstract

【課題】ブレース構造体の完成までに時間をさほど必要とせず、構造を単純なものとし、製造コストを安価とする。
【解決手段】所定間隔を設けて設置される柱10,11と各柱10,11の上端部間に設置される梁20とからなる架構式構造フレームと、複数の高降伏点鋼材41,42と高降伏点鋼材41,42間に位置しており偏心として機能させる低降伏点鋼材43とが溶接されて一体化されているブレース40とを備え、架構式構造フレームの面内であって柱10の柱脚12と柱11の上端部である接合部22とに亘ってブレース40を取り付ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブレース、ブレースユニット及びそれを備えた建築構造物に関し、特に、地震時や暴風時に建物の崩壊を防止するための自己偏心を有する鉄骨からなるブレース、ブレースユニット及びそれを備えた建築構造物に関する。
従来、ブレース構造体として、例えば以下説明するものがあった。
図5〜図8は、従来のブレース構造体の模式図である。
図5には、柱10,11と梁20とを接合部21,22で接続してなる架構式構造フレームに対して、柱10の柱脚12と接合部22との間にブレース31を取付け、柱11の柱脚13と接合部21との間にブレース32を取り付けた状態を示している。
このようなブレース構造体は、地震によって生じる水平力をブレース31,32本体で地盤へ伝えることで建物の崩壊を防止している。このようなブレース構造体については、例えば特許文献1に記載されている。
図6には、柱10,11と梁20とを接合部21,22で接続してなる架構式構造フレームに対して、柱10の柱脚12と梁20の接続点23との間にブレース31を取付け、柱11の柱脚13と梁20の接続点24との間にブレース32を取付け、所定の偏心量25を持たせた状態を示している。
このようなブレースは、偏心K型ブレースと称されており、地震によって生じる水平力をブレース31,32本体で地盤へ伝えることで建物の崩壊を防止するとともに、梁20の降伏点を越える水平力が生じた場合には偏心量25に応じて梁20が変形することで水平力のエネルギーを吸収するようにしている。このようなブレース構造体については、例えば特許文献2に記載されている。
図7には、柱10,11と梁20とを接合部21,22で接続してなる架構式構造フレームに対して、柱10の柱脚12と梁20の中央部26との間に座屈防止用補剛筒33を備えるブレース31を取付け、柱11の柱脚13と梁20の中央部26との間に座屈防止用補剛筒34を備えるブレース32を取り付けた状態を示している。
このようなブレースは、アンボンドブレースと称されており、地震によって生じる水平力をブレース31,32本体で地盤へ伝えることによって建物の崩壊を防止するとともにとともに、ブレース31,32本体の降伏点を越える水平力が生じた場合にはブレース31,32本体が変形することで水平力のエネルギーを吸収するようにしている。このようなブレース構造体については、例えば特許文献3に記載されている。
図8には、柱10,11と梁20とを接合部21,22で接続してなる架構式構造フレームに対して、柱10の柱脚12と接合部22との間にダンパー35を備えるブレース30を取り付けた状態を示している。
このようなブレースは、地震によって生じる水平力をブレース31,32本体で地盤へ伝えることによって建物の崩壊を防止するとともに、ダンパー35が伸張することでブレース31,32本体で水平力のエネルギーを吸収するようにしている。このようなブレース構造体については、例えば特許文献4に記載されている。
特開2001−182359号公報 特開平6−167138号公報 特開平11−36444号公報 特開平9−268802号公報
しかし、特許文献1に記載されている技術は、ブレースのスパン長と階高とによって、その剛性と耐力とが一義的に決まるため、地震が起きた時に、ブレースによってフレームに過大な応力が生じたり、基礎の浮上りが生じる場合があった。また、ブレースの接合場所が4個所必要であり、ブレース構造体の完成までに時間を要していた。
また、特許文献2に記載されている技術は、現場作業の際にブレースの偏心量の制御が強いられる。また、特許文献1に記載されている技術と同様に、ブレースの接合場所が4個所必要であり、ブレース構造体の完成までに時間を要していた。
さらに、特許文献3に記載されている技術は、地震が起きた時に、アンボンドブレースが軸方向力で降伏すると、その剛性と耐力とが一義的に決まるため、特許文献1に記載されている技術と同様に、ブレースによってフレームに過大な応力が生じたり、基礎の浮上りが生じる場合があった。
さらにまた、特許文献4に記載されている技術は、ブレース構造体の完成までに時間をさほど必要としないが、ダンパーを備えているため構造が単純でなく、また製造コストも割高であった。
そこで、本発明は、ブレース構造体の完成までに時間をさほど必要とせず、構造を単純なものとし、製造コストを安価とすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のブレースは、所定間隔を設けて設置される柱と当該柱間を結ぶ少なくとも一つの梁とからなる架構式構造フレーム上の2点間に取り付けられるブレースであって、自己偏心を有する複数の鋼材と複数の連結部とから構成されていることを特徴とするブレースである。
このように、架構式構造フレームに対して取り付ける一つのブレースに偏心を備えることによって、一つのブレースを取り付けるだけでブレース構造体を施工できるようにしている。また、鋼材の組み合わせだけでブレースを構成することによって構造を単純化するとともに、製造コストを安価としている。さらに、ブレースの偏心量を所定の鋼材のスパン長で調整することが可能であり、偏心量を調節することでブレースの剛性と耐力とを調整することが可能となる。
また、本発明は、2点間に取り付けられるブレースであって、前記2点の第1点と一端部が連結される第一鋼材と、前記第一鋼材の他端部と一端部で連結される第二鋼材と、前記第二鋼材の他端部と一端部で連結される第三鋼材とからなり、前記第三鋼材の他端部が前記2点の第2点と接続されて前記第二鋼材と前記第一鋼材ならびに第三鋼材とが前記2点間を結ぶ直線上から偏心するように互いに固着されているブレースである。
このように、一つのブレースで、引っ張り力と圧縮力との双方に対し特定の構造を構成することで応答可能とし、且つ、鋼材の組み合わせだけで偏心ブレースを構成することによって構造を単純化するとともに、製造コストを安価としている。さらに、ブレースの偏心量を第二鋼材のスパン長で調整することを可能であり、偏心量を調節することでブレースの剛性と耐力とを調整することが可能となる。
なお、第一鋼材と前記第二鋼材と前記第三鋼材とが溶接等によって、一体的に形成させるようにしてもよい。
一体形成することで、第一鋼材または第三鋼材側に印加された力を第二鋼材に伝えて、第二鋼材が軸方向に垂直な方向に変形することでエネルギーを吸収するようにしている。
また、第一鋼材長並びに第三鋼材長に対する第二鋼材長の比である偏心率を増大させることでブレース全体としての耐力を低下させることができる。
さらに、第二鋼材の断面を小さくすることでブレース全体としての耐力を低下させることができる。
ブレース本体の両端は高い剛性を備え、ブレース本体の中央部は靭性を備えることによって変形可能としてエネルギーを吸収するようにしている。
また、前記第二鋼材の先端部と前記第一鋼材の基端部とが所定の角度で一体接続されるようにしてもよい。
こうして、第二鋼材の軸方向と垂直な方向において変形することでエネルギーを吸収するようにしている。
さらに、前記第二鋼材の先端部と前記第一鋼材の先端部とが所定の角度で一体接続されていてもよいし、前記第二鋼材の先端部と前記第一鋼材の基端部とが所定の角度で一体接続されてもよい。
こうして、第二鋼材の軸方向と垂直な方向において変形することでエネルギーを吸収するようにしている。
また、本発明は、第一鋼材と第三鋼材とは高降伏点鋼材とから構成され、第二鋼材は低降伏点鋼材から構成されることを特徴としてもよい。
このように、ブレースの偏心量を低降伏点鋼材のスパン長で調整することを可能である。
さらに、本発明は、第1高降伏点鋼材の一端部と第1低降伏点鋼材の一端部とが一体接続され、第2高降伏点鋼材の一端部と第2低降伏点鋼材の一端部とが一体接続され、第1高降伏点鋼材の基端部と第2低降伏点鋼材の他端部とが一体接続され、第2高降伏点鋼材の基端部と第1低降伏点鋼材の他端部とが一体接続され、前記第1高降伏点鋼材と第2高降伏点鋼材とが自己偏心を有することを特徴とするブレースである。
このように、ブレースに偏心を備えることによって、一つのブレースを取り付けるだけで引っ張り力と圧縮力との双方に対し低い剛性で応答可能とし、且つ、最小限の構成要素を組み合わせだけで偏心ブレースを構成することによって構造を単純化するとともに、製造コストを安価としている。さらに、ブレースの偏心量を低降伏点鋼材のスパン長で調整することを可能であり、偏心量を調節することでブレースの剛性と耐力とを調整することが可能となる。さらにまた、高降伏点鋼材の基端部においても低降伏点鋼材と一体接続しているので、ブレースに対して圧縮力が印加された際でも、ブレースを取り付ける構造体の面外へのブレースの座屈を防止している。
本発明は、第1高降伏点鋼材の一端部と第1低降伏点鋼材の一端部とが一体接続され、第1低降伏点鋼材の他端部と第2高降伏点鋼材の一端部とが一体接続され、第2高降伏点鋼材の他端部と第2低降伏点鋼材の一端部とが一体接続され、第2低降伏点鋼材の他端部と第3高降伏点鋼材の一端部とが一体接続され、前記第1高降伏点鋼材と第2高降伏点鋼材と前記第3高降伏点鋼材との少なくとも2つが自己偏心を有することを特徴とするブレースである。
このように、ブレースに偏心を備えることによって、一つのブレースを取り付けるだけで引っ張り力と圧縮力との双方に対し低い剛性で応答可能とし、且つ、最小限の構成要素を組み合わせだけで偏心ブレースを構成することによって構造を単純化するとともに、製造コストを安価としている。さらに、ブレースの偏心量を低降伏点鋼材のスパン長で調整することを可能であり、偏心量を調節することでブレースの剛性と耐力とを調整することが可能となる。さらにまた、低降伏点鋼材を複数異なる位置に備えることで、ブレースの両端の相対距離の変量が大きい場合でも、一つの低降伏点鋼材が負担する変形量を低減し、ブレースの破断を防止している。
また、本発明は、所定間隔を設けて設置される柱と当該柱間を結ぶ少なくとも一つの梁とからなる架構式構造フレームと、上記何れかに記載のブレースとを備え、前記ブレースは、前記架構式構造フレームの面内に延在しており、且つ前記架構式構造フレーム上の2点間に取り付けていることを特徴とするブレースユニットである。
このように、ブレースに偏心を備えることによって、一つのブレースを取り付けるだけで引っ張り力と圧縮力との双方に対し低い剛性で応答可能とし、且つ、最小限の構成要素を組み合わせだけで偏心ブレースを構成することによって構造を単純化するとともに、製造コストを安価としている。さらに、ブレースの偏心量を低降伏点鋼材のスパン長で調整することを可能であり、偏心量を調節することでブレースの剛性と耐力とを調整することが可能となる。
また、本発明は、上記ブレースユニットを備えることを特徴とする建築構造物である。
このように、ブレースに偏心を備えることによって、一つのブレースを取り付けるだけで引っ張り力と圧縮力との双方に対し低い剛性で応答可能とし、且つ、最小限の構成要素を組み合わせだけで偏心ブレースを構成することによって構造を単純化するとともに、製造コストを安価としている。さらに、ブレースの偏心量を低降伏点鋼材のスパン長で調整することを可能であり、偏心量を調節することでブレースの剛性と耐力とを調整することが可能となる。
本発明によると、架構式構造フレームに対して取り付ける一つのブレースに、偏心機能を備えているので、一つのブレースを取り付けるだけでブレース構造体を施工できるようになる。また、鋼材の組み合わせだけでブレースを構成しているので、構造を単純化することができるし、製造コストを安価とすることもできる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1のブレース構造体の模式図である。
図1には、柱10,11と梁20とを接合部21,22で接続してなる架構式構造フレームに対して、柱10の柱脚12と接合部22とに亘って以下説明するように高降伏点鋼材41,42及び低降伏点鋼材43からなるブレース40を取り付けた状態を示している。なお、柱11の柱脚13と接合部21との間にブレース40を取り付けてもよい。
ブレース40は、偏心接合などの固着によって一体化構造としたものであり、高降伏点鋼材41の一端と低降伏点鋼材43の一端とを角度θで例えば突合せ溶接で接合して接合部41Aとするとともに、高降伏点鋼材42の一端と低降伏点鋼材43の他端とを角度θで例えば突合せ溶接で接合することによって接合部42Aとしている。
ここでは、高降伏点鋼材41,42は、それぞれ柱10の柱脚12と接合部22とを結ぶ対角線(破線で図示)に対して所定角度ずらしてこの対角線から偏心させた位置させた状態で、高降伏点鋼材41,42の他端側で架構式構造フレームに取り付けている。
なお、ブレース40の形状は、高降伏点鋼材41,42のいずれか一方を図面の破線上に位置させて他方を上記対角線からずらしたような非対称な形状としてもよい。また、図1には、高降伏点鋼材を例えば2本とし、低降伏点鋼材を例えば1本とし、ブレース40がN字状になるようにした例を示しているが、高降伏点鋼材及び低降伏点鋼材の数は例示でありこれに限定されるものではない。
ちなみに、低降伏点鋼材43のスパン長を所要の長さとすることで、上記対角線からの偏心量を制御して、ブレース構造体の剛性と耐力とを調整するようにしている。なお、偏心量はブレスの長さに対する比として0%から30%程度である。
また、低降伏点鋼材43は、地震時あるいは暴風時にブレース40に軸力が生じることによって低降伏点鋼材43に曲げ又はせん断力が生じる場合に、この曲げ又はせん断力をブレース40の引っ張り力又は圧縮力よりも小さくすることで靭性に富んだブレース構造体としている。
さらに、地震によって生じる水平力をブレース40で地盤へ伝えるとともに、ブレース40に部材43の降伏点を越える引っ張り力又は圧縮力を受けた際に低降伏点鋼材43が変形することによって、ブレース40にかかる引っ張り力又は圧縮力を吸収して建物の崩壊を防止している。
ここで、高降伏点鋼材41と低降伏点鋼材43とのなす角度θは、例えば30°から150°の範囲とすることが可能であり、好適には70°から90°である。連結部の角度が対角線に対して常に直角であることが望ましい。ここでは例えば90°としている。
高降伏点鋼材41,42の降伏点は低降伏点鋼材43の降伏点に比して相対的に高ければよいが、高降伏点鋼材41,42には降伏点が例えば215〜540N/mm、低降伏点鋼材43には降伏点が例えば80〜245N/mmの範囲のものとしている。なお、高降伏点鋼材41,42及び低降伏点鋼材43は溶接構造用圧延鋼材であると好ましい。
なお、柱10の柱脚12と高降伏点鋼材41との接合及び接合部22と高降伏点鋼材42との接合は、それぞれ、ガセットプレートを介して例えばボルト接合又は高力ボルト接合としている。
図2は、図1の領域Aの拡大図である。
図2に示すように、高降伏点鋼材41はフランジ41a,41bとウェブ41cとからなるH型鋼としている。なお、高降伏点鋼材42も高降伏点鋼材41と同様としている。低降伏点鋼材43は、フランジ43a,43bとウェブ(図示せず)とからなるH型鋼としている。
ここで、連結部に低降伏点鋼を使用して曲げ降伏とする場合には、フランジ43a、43bとウェブとの双方を低降伏点鋼とすればよいが、せん断降伏とする場合には、ウェブだけを低降伏点鋼とすることも可能である。
なお、高降伏点鋼材41,42及び低降伏点鋼材43であるH型鋼の向きは、図2に示すように図面手前側にウェブ41cが位置するようにされる。また、高降伏点鋼材41,42及び低降伏点鋼材43の形状はH型鋼に限られず、例えばI型鋼、L型鋼、コ型鋼であってもよい。
溶接は、ガスシールドアーク溶接、被覆アーク溶接、セルフシールドアーク溶接、サブマージアーク溶接、エレクトロスラグ溶接のいずれであってもよい。
以上説明したように、本実施形態で説明したブレース40、ブレース40と架構式構造フレームとを備えるブレースユニット及びこのブレースユニットを備える建築構造物は、ブレース40を最小限の構成要素を組み合わせだけで構成するようにしているため、構造を最も単純化するとともに、製造コストを最も安価とすることが可能となる。
(実施形態2)
図3は、本発明の実施形態2のブレース構造体の模式図である。なお、図3において、図1に示した部分と同様の部分には同一符号を付している。
図3には、柱10,11と梁20とを接合部21,22で接続してなる架構式構造フレームに対して、柱10の柱脚12と接合部22に亘って以下説明するように高降伏点鋼材41,42及び低降伏点鋼材44−1,44−2からなるブレース40を取り付けた状態を示している。なお、柱11の柱脚13と接合部21との間にブレース40を取り付けてもよい。
図3に示すブレース40は、偏心接合によって一体化構造としており、高降伏点鋼材41の一端と低降伏点鋼材44−1の一端とを角度θで例えば突合せ溶接で接合して接合部41Aとするとともに、高降伏点鋼材42の一端と低降伏点鋼材44−2の一端とを角度θで例えば突合せ溶接で接合することによって接合部42Aとし、且つ、高降伏点鋼材41の基端と低降伏点鋼材44−2の他端とを角度θで例えば突合せ溶接で接合して接合部41Bとするとともに、高降伏点鋼材42の基端と低降伏点鋼材44−1の他端とを角度θで例えば突合せ溶接で接合することによって接合部42Bとしている。
なお、接合部41A,41Bの位置は、高降伏点鋼材41等の長さの1/10から1/2であることが可能である。
本実施形態では、地震によって生じる水平力をブレース40で地盤へ伝えることとともに、ブレース40に部材44−1と44−2の降伏点を越える引っ張り力又は圧縮力を受けた際に低降伏点鋼材44−1,44−2が変形することによって、ブレース40にかかる引っ張り力又は圧縮力を吸収して建物の崩壊を防止している。
高降伏点鋼材41,42の基端部においても低降伏点鋼材44−1,44−2と一体接続しているので、ブレース40に対して圧縮力が印加された際でも、ブレース40を取り付ける構造体である架構式構造フレームの面外へのブレース40の座屈を防止できる。
このブレース40は、低降伏点鋼材44−1,44−2という2本の鋼材を備えているので、曲げ降伏で耐力が決まる場合には、部材41と42の断面が同じであっても、実施形態1の場合よりも、容易に大きな耐力を得ることができる。
なお、高降伏点鋼材41,42及び低降伏点鋼材44−1,44−2の材質、溶接条件、高降伏点鋼材41と柱10との接合等については、実施形態1と同様としている。
以上説明したように、本実施形態で説明したブレース40、ブレース40と架構式構造フレームとを備えるブレースユニット及びこのブレースユニットを備える建築構造物は、高降伏点鋼材41,42の基端部においても低降伏点鋼材44−1,44−2と一体接続しているので、ブレース40に対して圧縮力が印加された際でも、ブレース40を取り付ける架構式構造フレームの面外へのブレースの座屈を防止することが可能となる。
(実施形態3)
図4は、本発明の実施形態3のブレース構造体の模式図である。なお、図4において、図1に示した部分と同様の部分には同一符号を付している。
図4には、柱10,11と梁20とを接合部21,22で接続してなる架構式構造フレームに対して、柱10の柱脚12と接合部22に亘って以下説明するように高降伏点鋼材46〜48及び低降伏点鋼材49,50からなるブレース40を取り付けた状態を示している。なお、柱11の柱脚13と接合部21との間にブレース40を取り付けてもよい。
図4に示すブレース40は、偏心接合によって一体化構造としており、高降伏点鋼材46の一端と低降伏点鋼材49の一端とを角度αで例えば突合せ溶接で接合して接合部51とし、低降伏点鋼材49の他端と高降伏点鋼材47の一端とを角度βで例えば突合せ溶接で接合して接合部52とし、高降伏点鋼材47の他端と低降伏点鋼材50の一端とを角度βで例えば突合せ溶接で接合して接合部53とするとともに、低降伏点鋼材50の他端と高降伏点鋼材48の一端とを角度αで例えば突合せ溶接で接合して接合部54としている。
なお、接合部41A,41Bの位置は、高降伏点鋼材41等の長さの1/10から1/2であることが可能である。
ここで、角度α、βいずれもは例えば30°から150°の範囲とすることが可能であり、好適には70°から90°である。連結部の角度が対角線に対して常に直角であることが望ましい。ここでは例えば90°としている。
本実施形態では、地震によって生じる水平力をブレース40で地盤へ伝えることとともに、ブレース40に部材49と50の降伏点を越える引っ張り力又は圧縮力を受けた際に低降伏点鋼材49,50が変形することによって、ブレース40にかかる引っ張り力又は圧縮力を吸収して建物の崩壊を防止している。
このブレース40は、低降伏点鋼材49,50という2本の鋼材を備えているので、実施形態1の場合よりも、柱脚12と接合部22との相対距離の変量が大きい場合でも、低降伏点鋼材49,50のそれぞれが負担する変形量を低減し、低降伏点鋼材49,50の破断を防止している。
なお、高降伏点鋼材46〜48及び低降伏点鋼材49,50の材質、溶接条件、高降伏点鋼材46と柱10との接合等については、実施形態1と同様としている。
以上説明したように、本実施形態で説明したブレース40、ブレース40と架構式構造フレームとを備えるブレースユニット及びこのブレースユニットを備える建築構造物は、低降伏点鋼材49,50を異なる位置に備えているので、ブレース40の両端の相対距離の変量が大きい場合でも、低降伏点鋼材49,50がそれぞれ負担する変形量を低減し、ブレース40の破断を防止することが可能となる。
なお、本実施の形態はいずれも高降伏点鋼材と低降伏点鋼材とを組み合わせた形態を示した。これらの低降伏点鋼材については、高降伏点鋼材で代替することができる。この場合、ブレース全体としての耐力を低下させるための方法が2つ存在する。
第一の方法は、偏心量による調整である。すなわち実施形態1では、鋼材43を高降伏点鋼材とし、鋼材43のスパン長を高降伏点鋼材41、42のスパン長より短くしてその比である偏心量を適切なものとする方法である。
実施形態2では、鋼材44−1、44−2を高降伏点鋼材とし、鋼材43のスパン長を高降伏点鋼材44−1、44−2のスパン長より短くしてその比である偏心量を適切なものとする方法である。
実施形態3では、鋼材49、50を高降伏点鋼材とし、鋼材49、50のスパン長を高降伏点鋼材46〜48のスパン長より短くしてその比である偏心量を適切なものとする方法である。
第2の方法は、鋼材43の断面を変える方法である。すなわち実施形態1では、鋼材43の断面を小さくすることで、ブレース全体として耐力を下げることができる。
実施形態2では、鋼材44−1及び44−2の断面を小さくすることで、ブレース全体としての耐力を下げることができる。
実施形態3では、鋼材47の断面を小さくすることで、ブレース全体としての耐力を下げることができる。
本発明の実施形態1のブレース構造体の模式図である。 図1の領域Aの拡大図である。 本発明の実施形態2のブレース構造体の模式図である。 本発明の実施形態3のブレース構造体の模式図である。 従来のブレース構造体の模式図である。 従来のブレース構造体の模式図である。 従来のブレース構造体の模式図である。 従来のブレース構造体の模式図である。
符号の説明
10,11 柱
12,13 柱脚
20 梁
21,22 接合部
23,24 接続点
25 偏心量
26 中央部
30,31,32,40 ブレース
33,34 座屈防止用補剛筒
35 ダンパー
41,42,46〜48 高降伏点鋼材
41A,41B,42A,42B,51〜54 接合部
41a,41b,43a,43b フランジ
41c ウェブ
43、44−1、44−2,49,50 低降伏点鋼材

Claims (12)

  1. 所定間隔を設けて設置される柱と当該柱間を結ぶ少なくとも一つの梁とからなる架構式構造フレーム上の2点間に取り付けられるブレースであって、
    自己偏心を有する複数の鋼材と複数の連結部とから構成されていることを特徴とするブレース。
  2. 2点間に取り付けられるブレースであって、
    前記2点の第1点と一端部が連結される第一鋼材と、前記第一鋼材の他端部と一端部で連結される第二鋼材と、前記第二鋼材の他端部と一端部で連結される第三鋼材とからなり、前記第三鋼材の他端部が前記2点の第2点と接続されて前記第二鋼材と前記第一鋼材ならびに第三鋼材とが前記2点間を結ぶ直線上から偏心するように互いに固着されていることを特徴とするブレース。
  3. 前記第一鋼材と前記第二鋼材と前記第三鋼材とが一体的に形成させることを特徴とする請求項2記載のブレース。
  4. 第一鋼材長並びに第三鋼材長に対する第二鋼材長の比である偏心率を増大させることでブレース全体の耐力を低下させることを特徴とする請求項2記載のブレース。
  5. 第二鋼材の断面を小さくすることでブレース全体としての耐力を低下させることを特徴とする請求項2記載のブレース。
  6. 前記第二鋼材の先端部と前記第一鋼材の先端部とが所定の角度で一体接続されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のブレース。
  7. 前記第二鋼材の先端部と前記第一鋼材の基端部とが所定の角度で一体接続されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のブレース。
  8. 第一鋼材と第三鋼材とは高降伏点鋼材とから構成され、第二鋼材は低降伏点鋼材から構成されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のブレース。
  9. 第1高降伏点鋼材の一端部と第1低降伏点鋼材の一端部とが一体接続され、
    第2高降伏点鋼材の一端部と第2低降伏点鋼材の一端部とが一体接続され、
    第1高降伏点鋼材の基端部と第2低降伏点鋼材の他端部とが一体接続され、
    第2高降伏点鋼材の基端部と第1低降伏点鋼材の他端部とが一体接続され、
    前記第1高降伏点鋼材と第2高降伏点鋼材とが自己偏心を有することを特徴とするブレース。
  10. 第1高降伏点鋼材の一端部と第1低降伏点鋼材の一端部とが一体接続され、
    第1低降伏点鋼材の他端部と第2高降伏点鋼材の一端部とが一体接続され、
    第2高降伏点鋼材の他端部と第2低降伏点鋼材の一端部とが一体接続され、
    第2低降伏点鋼材の他端部と第3高降伏点鋼材の一端部とが一体接続され、
    前記第1高降伏点鋼材と第2高降伏点鋼材と前記第3高降伏点鋼材との少なくとも2つが自己偏心を有することを特徴とするブレース。
  11. 所定間隔を設けて設置される柱と当該柱間を結ぶ少なくとも一つの梁とからなる架構式構造フレームと、
    請求項1から10の何れかに記載のブレースとを備え、
    前記ブレースは、前記架構式構造フレームの面内に延在しており、且つ前記架構式構造フレーム上の2点間に取り付けていることを特徴とするブレースユニット。
  12. 請求項11に記載のブレースユニットを備えることを特徴とする建築構造物。
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