JP2005154440A - プロトロンビンフラグメントf1+2に対する抗体、それらの製造および使用 - Google Patents

プロトロンビンフラグメントf1+2に対する抗体、それらの製造および使用 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、F1+2に対して向けられた抗体、特に治療および診断におけるそれらの製造および使用に関する。
【解決手段】 本抗体は、プロトロンビンのF2フラグメントのN末端側半分のエピトープに結合するもので、5〜25個のアミノ酸、好ましくは5〜21個のアミノ酸、さらに特に好ましくは5〜12個のアミノ酸からなり、アミノ酸配列Pro−Leu−Glu−Gln−Cysを含むペプチド、殊に、アミノ酸配列Ser−Glu−Gly−Ser−Ser−Val−Asn−Leu−Ser−Pro−Pro−Leu−Glu−Gln−Cys-Val−Pro−Asp−Arg−Gly−Gln−Gln−Tyr−Gln−Glyまたはそれらのフラグメントを有するペプチドである。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロトロンビンフラグメントF1+2に対する抗体、ならびに、それらの製造および使用に関する。
フラグメントの形成を伴うプロトロンビンから活性トロンビンへの変換は、凝固カスケードの進行における中心的な現象を代表する。プロトロンビンフラグメントF1+2を免疫化学的に測定することによって、実際に形成されたトロンビンを定量することができる。
血液凝固亢進状態や血栓性の現象の診断において、プロトロンビンフラグメントF1+2(以下「F1+2」という)測定は重要である。血栓症、肺塞栓症、汎発性血管内凝固(DIC)、多発外傷(polytrauma)および敗血症に罹った患者において、高いレベルが検出される。遺伝性のプロティンCまたはプロティンS欠乏症に罹った患者の血漿におけるF1+2濃度の増加も同様に説明されている。経口の凝固防止剤での治療の際、基準範囲を下回るF1+2レベルの著しい減少が観察される。
1+2分析に関する問題点は、一般的に、F1+2に比べて過剰量のプロトロンビンがサンプル中に存在するため、分析で用いるための抗F1+2抗体は、切断によって放出されるプロトロンビンフラグメントF2(以下「F2」という)やF1+2と、完全プロトロンビンとを極めて特異的に区別しなければならないことである。このような特異的抗体の製造は、欧州特許第0303983号で説明されている。プロトロンビンフラグメントF1+2濃度を測定するための市販の酵素免疫検査法は、例えば、この方法で製造されたポリクローナルウサギ抗F1+2抗体を利用している。抗F1+2抗体の特異性に関して重要なことは、抗F1+2抗体が、F2およびF1+2フラグメントの少なくとも4個のカルボキシ末端アミノ酸(Ile−Glu−Gly−Arg−OH)を含むエピトープに結合することである。対応するモノクローナル抗F1+2抗体もここ数年で報告されており(米国特許第6541275号、欧州特許第0594576号)、モノクローナル抗体の全般的な利益も当業者間では明白であるが、これまでに市販のF1+2分析においてモノクローナル抗体は用いられてこなかった。通常は、F1+2濃度の測定にサンドイッチイムノアッセイが用いられるため、2種の抗F1+2抗体が必要である。これまで、高い感度と特異性でF1+2測定を可能にする、特にモノクローナル抗体の組み合わせは明らかに見出されていない。
従って本発明は、精度と再現性が高められ、病理学的サンプルおよび非病理学的サンプルの識別能が改善されたプロトロンビンフラグメントF1+2を測定するための分析法を提供することを目的とする。
この目的は、請求項に記載の本発明の方法および観点を提供することにより達成される。
特に、この目的は、プロトロンビンのF2フラグメントのN末端側半分のエピトープに結合する、プロトロンビンフラグメントF1+2に対するモノクローナル抗体(以下「二次抗体」という)を提供することにより達成される。これら二次抗体は、エピトープがF2およびF1+2フラグメントの4個のカルボキシ末端アミノ酸を含む抗体(以下「一次抗体」という)と組み合わせて、F1+2測定のための改善されたサンドイッチイムノアッセイの基礎を形成する。
驚くべきことに、免疫化の研究から、試験された一次抗体はいずれもF1+2への結合を示したが、試験された二次抗体38種のうちF1+2に特異的に結合したのはわずか4種であったことが明らかになった。試験された一次抗体の75%は、サンドイッチイムノアッセイを構築するのに適していたが、二次抗体で適しているのは残りの4種のうちわずか1種であった。このような低い収率から、二次抗体は、特定の特性を有さなければならないことが示される。この点については、二次抗体により認識されたエピトープが特に重要である。本発明の抗体に関するエピトープは、アミノ酸配列Ser−Pro−Pro−Leu−Glu−Gln−Cysを有するペプチドとして明瞭に同定された。
本発明の特定の実施形態を以下で詳細に説明する:
本発明の1つの観点は、5〜25個のアミノ酸、好ましくは5〜21個のアミノ酸、さらに特に好ましくは5〜12個のアミノ酸からなり、アミノ酸配列Pro−Leu−Glu−Gln−Cysを含むペプチドである。好ましい本発明のペプチドは、アミノ酸配列Ser−Glu−Gly−Ser−Ser−Val−Asn−Leu−Ser−Pro−Pro−Leu−Glu−Gln−Cys−Val−Pro−Asp−Arg−Gly−Gln−Gln−Tyr−Gln−Glyまたはそれらのフラグメントを有するペプチド、特に、アミノ酸配列Ser−Pro−Pro−Leu−Glu−Gln−Cysを有するペプチドである。
用語「ペプチド」は、本発明の目的において、加水分解によってアミノ酸に分解するアミドを含み、例えば、アミノ酸ポリマー、例えばポリペプチド、オリゴペプチド、タンパク質、または、タンパク質フラグメントである。
本発明のペプチドは、本発明の抗体を製造するための免疫抗原として、または、本発明の抗体をアフィニティークロマトグラフィーで精製するために用いることができる。本発明のペプチドを、分析物、好ましくはF1+2を定量検出または定性検出する方法に用いることもできる。本発明のペプチドはまた、固相、および/または、シグナル発生システムの構成要素に結合させてもよい。
本発明のさらに好ましい観点は、プロトロンビンのF2フラグメントのN末端側半分のエピトープに結合する抗体であり、すなわち、Ser−Glu−Gly−Ser−Ser−Val−Asn−Leu−Ser−Pro−Pro−Leu−Glu−Gln−Cys−Val−Pro−Asp−Arg−Gly−Gln−Gln−Tyr−Gln−Gly−Arg−Leu−Ala−Val−Thr−Thr−His−Gly−Leu−Pro−Cys−Leu−Ala−Trp−Ala−Ser−Ala−Gln−Ala−Lys−Ala−Leu−Ser−Lys−His−Gln−Asp−Phe−Asn−Ser−Ala−Val−Gln−Leu−Val−Glu−Asnに結合する抗体である。
用語「抗体」は、本発明の目的において、免疫グロブリンを意味し、例えば、クラスまたはサブクラスIgA、IgD、IgE、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、IgG4、IgMの免疫グロブリンである。抗体は、抗原またはハプテンにあるエピトープ(抗原決定基ともいう)に対する少なくとも1つの結合部位(パラトープともいう)を有する。このようなエピトープは、例えば、その3次元構造、および/または、極性基および/または非極性基の存在により特徴付けられる。抗体の結合部位は、エピトープに相補的である。抗原−抗体反応、または、ハプテン−抗体反応は、いわゆる「錠前と鍵の原理」により作動し、通常は極めて特異的であり、すなわち、抗体は、抗原またはハプテンの一次構造、電荷、空間配置および立体配置におけるわずかな差を識別することができる。特に、抗体のいわゆる相補性を決定する領域が、抗体の抗原またはハプテンへの結合に寄与する。
用語「抗原」は、一価および多価の抗原を含む。多価の抗原は、2以上の免疫グロブリンが同時に結合することができる分子または分子複合体であり、それに対して、一価の抗原は、それぞれ特定の時点において1つの抗体しか結合できない。ハプテンは、通常、それ自体は免疫原性ではないが、一般的に免疫化の目的でキャリアーに結合する分子に対する呼称である。
用語「抗体」は、本発明の目的において、完全抗体を意味するだけでなく、特に、抗体フラグメント、例えばFab、Fv、F(ab’)2、Fab’;および、キメラ抗体、ヒト化抗体、二重特異的または多重特異的抗体、または単鎖抗体;加えて、免疫グロブリンの集合体、ポリマー、および結合体、および/または、それらのフラグメントであって、抗原またはハプテンに結合する特性が保持されているものを意味する。抗体フラグメントは、例えば、ペプシンまたはパパインのような酵素による抗体の酵素的な切断により製造することができる。抗体集合体、ポリマーおよび結合体は、様々な方法により生成させることができ、例えば熱処理、グルタルアルデヒドのような物質との反応、免疫グロブリン結合分子との反応、抗体のビオチン化、および、ストレプトアビジンまたはアビジンを用いた連続反応などによって生成させることができる。
本発明の目的に関する抗体は、モノクローナル抗体でもよいし、ポリクローナル抗体でもよい。このような抗体は、従来の方法で製造されたものでよく、例えば、ヒトまたは動物(例えば、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ)の免疫化(Messerschmid(1996年)BIOforum,11:500〜502も参照)、それに続く抗血清の単離;または、ハイブリドーマ細胞の作製、それに続く分泌された抗体の精製;または、自然抗体の抗原および/またはハプテンへの結合を引き起こすアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列またはそれらの改変型のクローニングおよび発現により製造することができる。
本発明の抗体は、特に、アミノ酸配列Pro−Leu−Glu−Gln−Cysを含む、5〜25個のアミノ酸、好ましくは5〜21個のアミノ酸、さらに特に好ましくは5〜12個のアミノ酸からなるペプチドに結合する抗体である。本発明の目的において極めて好ましい抗体は、アミノ酸配列Ser−Glu−Gly−Ser−Ser−Val−Asn−Leu−Ser−Pro−Pro−Leu−Glu−Gln−Cys−Val−Pro−Asp−Arg−Gly−Gln−Gln−Tyr−Gln−Glyを有するペプチド、または、このペプチドのフラグメントに特異的に結合する抗体であり、特に、アミノ酸配列Ser−Pro−Pro−Leu−Glu−Gln−Cysを有するペプチドに特異的に結合する抗体である。
本発明の目的において特に好ましい抗体はまた、ハイブリドーマ細胞株92−195/097で生産された抗体である。このハイブリドーマ細胞株は、2003年8月15日に、DSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zeilkulturen GmbH,Mascheroder Weg 1b,38124 Brunswick,Germany)に寄託番号DSM ACC2607で寄託された。
本発明のさらなる観点は、本発明の抗体により認識されたエピトープに結合する特異的な結合パートナーである。
「特異的な結合パートナー」は、特異的な結合対の構成要素を意味する。特異的な結合対の構成要素は、一方が、他方の分子構造に相補的な少なくとも1つの構造を有する2個の分子を含み、この2個の分子は、相補的な構造の結合を介して結合することができる。
用語「分子」はまた、分子複合体を含み、例えば、アポ酵素と補酵素とからなる酵素、複数のサブユニットからなるタンパク質、タンパク質と脂質とからなるリポタンパク質などである。特異的な結合パートナーは、天然に存在する物質でもよいし、または、例えば化学合成、微生物学的技術、および/または、遺伝子操作法により製造された物質でもよい。用語「特異的な結合パートナー」を説明するためにの例を言えば、これらに限定されないが、チロキシン結合グロブリン、ステロイド結合タンパク質、抗体、抗原、ハプテン、酵素、レクチン、核酸、リプレッサー、オリゴおよびポリヌクレオチド、プロティンA、プロティンG、アビジン、ストレプトアビジン、ビオチン、補体成分C1q、核酸結合タンパク質などが挙げられる。特異的な結合対は、例えば、抗体−抗原、抗体−ハプテン、オペレーター−リプレッサー、ヌクレアーゼ−ヌクレオチド、ビオチン−アビジン、レクチン−多糖類、ステロイド−ステロイド結合タンパク質、薬物−薬物受容体、ホルモン−ホルモン受容体、酵素−基質、IgG−プロティンA、相補オリゴまたはポリヌクレオチドなどである。
従って、本発明の抗体を提供することにより、当業者が、例えば競合実験(Peters等(1985年)Monoklonale Antikourper,シュプリンガー,フェルラーク,第12.2章の「Epitop−Analyse」も参照)により、本発明の抗体のエピトープに結合する他方の特異的な結合パートナー(特に抗体が挙げられる)を同定することを可能にする。従って、当業者既知の技術により、ファージディスプレイライブラリーの補助により、合成ペプチドデータベースにより、または、組換え抗体ライブラリーにより、特異的な結合パートナーを選択することが可能である(LarrickおよびFry(1991年)Human Antibodies and Hybridomas,:172〜189)。
本発明はまた、固相、および/または、シグナル発生システムの構成要素に結合する本発明の抗体に関する。
用語「固相」は、本発明の目的において、多孔質および/または非多孔質の、通常は水不溶性の材料からなる部材を含み、この部材は、多種多様な形であってよく、例えば、管、チューブ、マイクロタイタープレート、ビーズ、微粒子、ロッド、試験片、ろ紙、または、クロマトグラフィーペーパーなどの形状が可能である。固相の表面は、通常、親水性でもよいし、または、親水性にしてもよい。固相は、多種多様な材料から構成されていてもよく、例えば、無機および/または有機材料、合成材料、天然に存在する材料、および/または、改変された天然に存在する材料から構成することができる。固相材料の例は、ポリマー、例えば、セルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリアクリルアミド、架橋デキストラン分子、アガロース、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリレートまたはナイロン;セラミック;ガラス;金属、特に、金や銀のような貴金属;磁鉄鉱;混合物、または、それらの組み合わせ;などである。用語「固相」はまた、細胞、リポソーム、または、リン脂質小胞を含む。
固相は、例えば、サンプル成分が固相に非特異的に結合することを減少させる、または防ぐために、または、例えば、粒状の固相の懸濁安定性、貯蔵安定性、成形安定性、または、UV光、微生物もしくは損傷作用を有するその他の物質に対する耐性に関する改善を達成するために、例えばタンパク質、炭水化物、親油性物質、バイオポリマー、有機ポリマー、またはそれらの混合物の1またはそれ以上の層からなるコーティングを有してもよい。
「シグナル発生システム」は、1またはそれ以上の構成要素を含んでもよく、この場合、少なくとも1つの構成要素が検出可能なラベルを含む。ラベルとは、それ自身がシグナルを生産できるあらゆる分子、または、シグナル生産を誘導できるあらゆる分子を意味し、例えば、蛍光物質、放射活性物質、酵素、または、化学発光物質である。シグナルは、例えば、酵素活性、発光、光吸収、光散乱、放出された電磁放射もしくは放射活性放射、または、化学反応に基づき、検出または測定することができる。
ラベルは、それ自身で検出可能なシグナルを生成することができ、その場合、さらなる構成要素は必要ない。多くの有機分子は、紫外光および可視光を吸収し、光の吸収により転移したエネルギーは、これらの分子を励起エネルギー状態にし、分子は吸収したエネルギーを入射光の波長と異なる波長の光の形態で放出する。その他のラベルは、代わりに検出可能なシグナルを直接生成することができるものである(例えば、放射活性同位体または色素)。
その他のラベルは、シグナルを生成するのに、代わりにさらなる構成要素を必要とし、すなわちこのような場合、シグナル発生システムは、シグナル生産に必要な全ての構成要素、例えば、基質、補酵素、消光剤、促進剤、さらなる酵素、酵素産物と反応する物質、触媒、活性化剤、補因子、阻害剤、イオンなどを含む。
適切なラベル(欧州特許第0515194号(A2);米国特許第5,340,716号;米国特許第5,545,834号;Bailey等(1987年)J.Pharmaceutical & Biomedical Analysis :649〜658も参照)は、例えば、酵素、例えばホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、グルコースオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、ウレアーゼ、および、アセチルコリンエステラーゼ;色素;蛍光物質、例えばフルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、フィコエリトリン、フィコシアニン、エチジウムブロマイド、5−ジメチルアミノ−ナフタレン−1−塩化スルホニル、および、希土類の蛍光キレート;化学発光物質、例えばルミノール、イソルミノール、アクリジニウム化合物、オレフィン、エノールエーテル、エナミン、アリールビニルエーテル、ダイオキセン、アリールイミダゾール、ルシゲニン、ルシフェリン、および、エクオリン;増感剤、例えばエオシン、9,10−ジブロモアントラセン、メチレンブルー、ポルフィリン、フタロシアニン、クロロフィル、ローズベンガル;補酵素;酵素基質;放射活性同位体、例えば125I、131I、14C、3H、32P、35S、14C、51Cr、59Fe、57Co、および、75Se;例えば磁気粒子のような粒子、または、例えば色素、増感剤、蛍光物質、化学発光物質、同位体、もしくはその他の検出可能なラベルでそれ自身が標識可能な粒子、好ましくはラテックス粒子;ゾル粒子、例えば金または銀ゾル;それ自身検出可能なラベルで標識可能なリポソームまたは細胞などである。
シグナル発生システムはまた、空間的に互いに近接している場合、例えば、エネルギードナーとエネルギーレシピエントの形態で、例えば、光増感剤と化学発光物質(欧州特許第0515194号(A2))、光増感剤と蛍光団(WO95/06877)、放射活性ヨウ素−125と蛍光団(Udenfriend等(1985年)Proc.Natl.Acad.Sci.82:8672〜8676)、蛍光団と蛍光団(Mathis(1993年)Clin.Chem.39:1953〜1959)、または、蛍光団と蛍光消光剤(米国特許第3,996,345号)のような形態で、検出可能な相互作用に参加させることができる構成要素を含んでもよい。
構成要素間の相互作用としては、例えば光または電子の放出や、短時間の反応性の化学分子による構成要素間の直接的なエネルギートランスファーが挙げられる。またそれにより、1つの構成要素の活性が、1またはそれ以上の他の構成要素により阻害または増強される工程が含まれ、この工程としては、例えば酵素活性を阻害または増加すること、または、作用を受けた構成要素により放出された電磁放射を阻害、増加または改変すること(
例えば波長シフト、極性化)が挙げられる。構成要素間の相互作用はまた、酵素カスケードを含む。この場合、構成要素は酵素であり、そのうち少なくとも1つは他方の酵素の基質を提供し、それにより最大または最小反応速度で結合した基質の変換が起こる。
構成要素間の効率的な相互作用は通常、それらが空間的に近接している場合に起こり、すなわち例えば距離が数μmの範囲内、特に、距離が600nm未満、好ましくは400nm未満、さらに特に好ましくは200nm未満の範囲内で起こる。
微粒子はしばしば、固相として、および/または、ラベルとして使用される。用語「微粒子」は、本発明の目的において、およその直径が、20nm〜20μm、通常40nm〜10μm、好ましくは0.1〜10μm、特に好ましくは0.1〜5μm、さらに特に好ましくは0.15〜2μmの粒子を意味する。微粒子の形状は、一定でもよいし、または
不揃いでもよい。微粒子は、球状、回転楕円体、大きいまたは小さい空洞または孔を有する球状が可能である。微粒子は、有機材料または無機材料、または、これら2種の混合物または組み合わせから構成することができる。微粒子はまた、多孔質または非多孔質材料、膨潤性または非膨潤性材料から構成されてもよい。微粒子は、どのような比重を有していてもよいが、水の比重に近い比重(例えば約0.7〜約1.5g/ml)を有する粒子が好ましい。好ましい微粒子は、水性溶液に懸濁可能であり、懸濁液中で最も安定である。微粒子は、透明、半透明、または不透明であり得る。微粒子は、複数の層で構成されてもよく、例えば、コアと、1またはそれ以上の被服層とを有するいわゆるコア・シェル粒子が挙げられる。用語「微粒子」は、例えば色素結晶、金属ゾル、シリカ粒子、ガラス粒子、磁気粒子、ポリマー粒子、油滴、脂質粒子、デキストラン、および、タンパク質集合体を含む。好ましい微粒子は、水性溶液に懸濁可能であり、水不溶性ポリマー材料、特に置換ポリエチレンからなる粒子である。ラテックス粒子は極めて特に好ましく、例えば、ポリスチレン、アクリル酸ポリマー、メタクリル酸ポリマー、アクリロニトリルポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、ポリ酢酸ビニル−アクリレート、ポリビニルピリジン、塩化ビニル−アクリレートで構成される。表面に、共有結合(例えば特異的な結合パートナーとラテックス粒子との共有結合)を可能にする反応性基(例えば、カルボキシル、アミノまたはアルデヒド基)を有するラテックス粒子が、特に興味深い。ラテックス粒子の製造は、例えば欧州特許第0080614号、欧州特許第0227054号、および、欧州特許第0246446号で説明されている。
用語「結合した」は、広い意味を有し、例えば、共有結合および非共有結合、直接的および間接的な結合、表面への吸着、および、くぼみや空洞への取り込みなどを含む。共有結合の場合、抗体または結合パートナーは、化学結合で固相またはラベルに結合する。非共有結合の例としては、表面への吸着、空洞への取り込み、または、2つの特異的な結合パートナー結合が挙げられる。固相またはラベルへの直接的な結合のほかに、抗体または結合パートナーを、他方の特異的な結合パートナーと特異的な相互作用を介して固相またはラベルに間接的に結合させることも可能である(欧州特許第0411945号(A2)も参照)。これは、以下の例により詳細に説明される:ビオチン化抗体は、ラベル結合アビジンを介してラベルへ結合できる;または、フルオレセイン抗体結合体は、固相に結合した抗フルオレセイン抗体を介して固相に結合できる;または、抗体は、免疫グロブリンが結合したプロティンを介して固相またはラベルに結合できる。
本発明のさらなる観点は、インビトロでの診断補助物またはインビトロでの診断補助物の成分として用いられる、本発明の抗体または特異的な結合パートナーである。
インビトロでの診断補助物において、検出され得る分析物、例えばF1+2は、生きているヒトまたは動物の体外でサンプル中において検出されるか、または、それらの濃度または量が測定される。
「サンプル」は、本発明の目的において、検出され得る物質(用語「分析物」の例,欧州特許第0515194号(A2),8〜15頁を参照)を含む可能性がある材料を意味する。用語「サンプル」としては、例えば、特にヒトおよび動物からの生物学的な液体または組織、例えば血液、血漿、血清、痰、浸出液、気管支肺胞洗浄液、リンパ液、滑液、精液、粘膜液、便、尿、CSF、毛髪、皮膚、組織サンプルまたは切片が挙げられる。さらに、細胞培養サンプル、植物の液または組織、法医学的なサンプル、水および汚水サンプル、食品、医薬品も挙げられる。必要に応じて、検出方法で処理することができる分析物を作製するため、または、サンプルの干渉する成分を除去するために、サンプルを前処理することが必要である。このようなサンプルの前処理としては、細胞の除去および/または溶解、サンプルの成分(例えばタンパク質)の沈殿、加水分解または変性、サンプルの遠心分離、有機溶媒(例えばアルコール、特にメタノール)でのサンプルの処理;界面活性剤でのサンプルの処理が挙げられる。サンプルは、場合によっては、検出方法への干渉ができるだけ少ない様々な媒体(通常は水性媒体)に移される。
本発明の抗体は、サンプル中で、分析物、好ましくはF2、および/または、F1+2、および/または、プロトロンビンを定量検出または定性検出する方法で用いることができる。
定量検出において、サンプル中における分析物の量、濃度または活性(例えば酵素活性)が測定される。用語「定量検出」は、サンプル中の分析物のおよその量、濃度または活性を推測する程度、または、相対的な量、濃度または活性を示すのに役立つ程度の半定量方法も含む。定性検出は、サンプル中における分析物の存在、または、サンプル中における分析物の濃度または活性が、特定の閾値またはいくつかの特定の閾値より低いか、または高いかを示す指標を単に検出することを意味する。
従って本発明はまた、サンプルおよびそのための適切な試薬中における、分析物、好ましくはF2および/またはF1+2の定量検出または定性検出の方法に関する。
分析物は、場合によっては、サンプル中における分析物の存在、非存在または量が、検出され得る分析物の分析物に特異的な結合パートナーへの特異的な結合から推測できるような結合分析を用いることによって検出される。結合分析の例としては、イムノアッセイ、または、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドをハイブリダイズさせる方法がある。
いわゆる「不均質な結合分析」は、1またはそれ以上の分離工程および/または洗浄工程を特徴とする。分離は、例えば、免疫沈降、ポリエチレングリコールまたは硫酸アンモニウムのような物質を用いた沈殿、ろ過、磁気での除去、固相への付着により行うことができる。このような「固相」は、多孔質および/または非多孔質の材料(通常は水不溶性)からなる。固相は多種多様な形であってよく、例えば:管、チューブ、マイクロタイタープレート、ビーズ、微粒子、ロッド、試験片、ろ紙、または、クロマトグラフィーペーパーなどである。サンドイッチ様式の不均質な結合分析において、通常、分析物に特異的な結合パートナーの一方は、固相に結合し、「分析物/分析物に特異的な結合パートナー」が結合した複合体を液相から除去するのに役立ち、その一方で、もう一方の分析物に特異的な結合パートナーは、結合した複合体を検出するための検出可能なラベルを保持する(例えば酵素、蛍光ラベルまたは化学発光ラベルなど)。これら分析方法は、いわゆる1ステップサンドイッチ分析(2種の特異的な結合パートナーを同時にサンプルとインキュベートする)、および、2ステップサンドイッチ分析(最初にサンプルを固相試薬とインキュベートし、分離および洗浄工程後、固相が結合した分析物と分析物に特異的な結合パートナーとの複合体を検出試薬とインキュベートする)にさらに分類される。
「均質な結合分析」において、遊離のシグナル発生システムの構成要素と、「分析物/分析物に特異的な結合パートナー」複合体に結合した構成要素との分離は行われない。分析混合物(分析物に特異的な結合パートナー、シングルジェネレーティングの構成要素およびサンプルを含む)は、結合反応後または結合反応中でも、さらに分離および/または洗浄工程を行うことなく測定に用いられ、対応する測定シグナルが決定される。均質なイムノアッセイの例としては(BoguslaskiおよびLi(1982年)Applied Biochemistry and Biotechnology,:401〜414も参照)、様々な混濁度測定方法や比濁分析方法(この場合、検出に用いられた分析物に特異的な結合パートナーはラテックス粒子と結合する);EMIT(R)アッセイ;CEDIA(R)アッセイ/蛍光偏光イムノアッセイ;発光酸素チャネリングイムノアッセ
イ(luminescent oxygen channeling immunoassay)(「LOCI」,欧州特許第0515194号(A2);Ullman等(1994年)Proc.Natl.Acad.Sci.,91:5426〜5430;Ullman等(1996年)Clinical Chemistry,42:1518〜1526を参照);などが挙げられる。例えば比濁ラテックス分析のような均質なサンドイッチイムノアッセイにおいて、抗体試薬は、サンプルと共にインキュベートされ、測定前に分離または洗浄工程を行うことなく、インキュベート中および/またはインキュベート後にシグナルが測定される。言い換えれば、遊離の分析物または分析物と結合していない抗体から、抗体が結合した分析物を分離しなくてもよい。
均質および不均質な結合分析はまた、いわゆる「サンドイッチ分析」の形態で行うこともできる。この場合、分析物は、例えば、不均質な結合分析において、固相に結合した分析物に特異的な結合パートナーにより、および、シグナル発生システムの構成要素と結合した分析物に特異的な結合パートナーにより結合する。分析物に特異的な結合パートナーは、サンドイッチイムノアッセイにおいて、抗体、または、抗原もしくはハプテンにより形成することができる。
不均質または均質な結合分析のさらなる特定の実施形態は、「間接的なイムノアッセイ」である。この場合、分析物は抗体である。分析物に特異的な結合パートナーの1つは、検出され得る抗体(分析物)の抗原または改変された抗原であり、他方の分析物に特異的な結合パートナーは通常、免疫グロブリンが結合するタンパク質であり、例えば、検出され得る抗体(分析物)に特異的に結合することができる抗体である。
均質または不均質な「競合的な結合分析」において、サンプル分析物および試薬分析物(例えば「改変された分析物」、例えば、標識された分析物もしくはタグを付された分析物、分析物フラグメントまたは分析物類似体)は、限定された数の分析物に特異的な結合パートナーに対する結合に関して競合する。原理を説明する例を以下に挙げる:(i)サンプル分析物は、シグナル発生システムの構成要素と結合する試薬分析物と、固相に結合した分析物に特異的な結合パートナーへの結合に関して競合するか、または、(ii)サンプル分析物は、固相に結合した分析物(試薬分析物)と、シグナル発生システムの構成要素と結合した分析物に特異的な結合パートナーへの結合に関して競合する。
例えば、以下の方法によって、本発明の抗体を用いてF1+2を検出することもできる:
ウェスタンブロッティング、ドットブロッティング、免疫電気泳動法、免疫固定電気泳動、電気免疫拡散、免疫沈降、放射免疫拡散、免疫固定、イムノクロマトグラフィー、ラテックス凝集反応、混濁度測定分析または比濁分析、均質なまたは不均質な結合分析、1または2ステップ分析、サンドイッチ分析、間接的な分析、競合的分析、ポイント・オブ・ケア・テストなど。上記およびその他の検出方法は、例えば「Labor und Diagnose」,L.Thomas編,TH−Books Verlags−gesellschaft mbH,フランクフルト,1998年,第60章、または、「Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology−An Introduction to Radioimmunoassay and Related Techniques」,T.Chard編,エルゼビア,アムステルダム,1987年に説明されている。
用語「ポイント・オブ・ケア・テスト」または「POC試験」は、試験を実行または評価するのに別個の分析装置または測定装置を必要としない試験を含む。POC試験は、多くの場合、イムノクロマトグラフィー方法、ろ過による免疫複合体の除去、および/または、免疫固定技術に基づいている。POC試験は、大規模な研究所のためというよりむしろ、特に、例えば病院のベッドまたは自宅などの場所での測定、救急医および/または一次医療医を対象にしている。POC試験はまた、特に、臨床検査分野におけるきめ細かい医療技術の訓練を受けていない人々やそのような経験がない人々によって行うことができる。用語「POC試験」はまた、本発明の目的において、医療専門外の人々により実施することができるいわゆる自宅での検査またはOTC検査を意味し、例えば自宅での使用のために市販される様々な妊娠試験がある。その他のPOC試験は、例えば、心筋梗塞のマーカー、薬物、医薬品、感染や炎症のマーカーの検出に関する。多くのPOC試験において、特異的な結合パートナーは、試験の実行中に、フィルターまたはクロマトグラフィー試験片もしくはディスク上に存在するか、または、それらに結合する。ポジティブまたはネガティブな検出反応は、例えば特定の試験フィールドにおける着色されたバンドの出現または非出現、および/または、特定の記号(例えば「+」や「−」)の出現または非出現、および/または、特定の測定されたシグナルの強度と関連付けることができる。
1+2のためのPOC試験は、例えば以下のように設計することができる:サンプル、
および、F1+2に結合できる標識された抗体(好ましくは二次抗体)を試験片にアプライ
する。適切なラベルの例としては、着色されたラテックス粒子、コロイド金、酵素などが挙げられる。F1+2がサンプル中に存在する場合、F1+2/抗体複合体が形成され得る。これら複合体は、例えば毛細管力によって、他のF1+2エピトープに結合できる抗体(好ましくは一次抗体)が固定されている領域に移動してもよいし、または、試験方法の際に例えばバンド状に固定されてもよい(例えばビオチン−アビジン架橋を介して)。標識されたF1+2/抗体複合体はこの領域に結合し、固定された抗体とサンドイッチ複合体を形成する。この場合、ラベルのシグナルの強度は、F1+2のサンプル濃度に比例する。競合的POC試験方法において、例えばF1+2、および/または、F1+2フラグメントは、試験片の領域に固定されていてもよいし、試験方法の際に固定されてもよい。この固定されたF1+2は、サンプルからのF1+2と、標識された抗F1+2抗体への結合に関して競合し得る。また、その代わりの可能性は、固定された抗F1+2抗体と、標識されたF1+2とを用いて競合的F1+2試験を設計することである。
本発明の方法の特に好ましい実施形態は、比濁分析または混濁度測定分析であり、特に、本発明の抗体、好ましくは微粒子(特にラテックス粒子)に結合した本発明の抗体を用いるタイプの分析である。
本発明のその他の観点は、1またはそれ以上の本発明の抗体および/またはペプチドを含む試験キットである。このようなキットは通常、包装された状態で、試験の構成要素の全部またはそのうち数種のみを含む。本発明の抗体および/またはペプチドは、例えば1またはそれ以上の固相、および/または、1またはそれ以上のシグナル発生システムの構成要素と結合し得る。本試験キットは、例えば、標準;コントロール;および、その他の試薬、例えば、緩衝液、洗浄溶液、測定されるシグナル誘導溶液、および/または、酵素基質;キュベット;ピペット、および/または、試験の説明書を含んでもよい。本発明の特に好ましい試験キットは、ラテックス粒子に結合した本発明の抗体および/または本発明のペプチドを含む。
本発明の抗体およびペプチドは、アフィニティークロマトグラフィーに用いることもできる。用語「アフィニティークロマトグラフィー」は、物質、特にバイオポリマーを精製および単離するための方法を意味し、多くの物質が、それらに特異的な結合パートナーとの、選択的で非共有結合の可逆的な結合に参加することができるという事実に基づいている。この方法の原理は、特異的な結合パートナーは通常、共有結合により不溶性マトリックス(例えば多孔質ガラス、アガロース、セルロース、デキストラン、ポリマーおよびシリカゲルが主成分のゲル)に結合し、物質を含むサンプルと接触させることである。探索される物質は、マトリックスに結合した特異的な結合パートナーとの特異的な相互作用により固定され、保持され、それに対して、サンプル中に含まれる他の物質は全て溶出により除去される。続いて、探索される物質は、物質と特異的な結合パートナーとの間の非共有結合を解消する適切な溶出液を用いてマトリックスから解離される(E.Buddecke(1989年)Grundrisse der Biochemie,Walter de Gruyter,第7章の「Proteine」も参照)。
本発明のその他の観点は、製薬上許容できる滅菌注射用液中の、本発明の抗体、または、本発明のペプチドを含む。製薬上許容できる滅菌注射用液は、通常は医薬品、ワクチンまたはコントラスト剤の静脈内、筋肉内、腹腔内または皮下投与に用いられるような、例えば滅菌パイロジェンフリー溶液、例えば食塩水またはその他の電解質溶液を意味する。
代わりに、本発明のその他の観点は、本発明の抗体の、診断補助物または診断補助物の成分としての使用である。
本発明のその他の観点は、本発明の抗体の製造方法であり、本方法は、免疫化のために、5〜25個のアミノ酸、好ましくは5〜21個のアミノ酸、さらに特に好ましくは5〜12個のアミノ酸からなり、アミノ酸配列Pro−Leu−Glu−Gln−Cysを含む1またはそれ以上のペプチドを用いることを含む。特に好ましくは、本発明のこの方法で、抗原で免疫化するのに用いられるペプチドは、アミノ酸配列Ser−Glu−Gly−Ser−Ser−Val−Asn−Leu−Ser−Pro−Pro−Leu−Glu−Gln−Cys−Val−Pro−Asp−Arg−Gly−Gln−Gln−Tyr−Gln−Glyまたはそれらのフラグメントを有するペプチドであり、好ましくは、アミノ酸配列Ser−Pro−Pro−Leu−Glu−Gln−Cysを有するペプチドである。
本発明の抗体はまた、天然に存在する、および/または、組換えF1+2、F2またはプロトロンビンを免疫抗原として用いることにより製造することができる。
免疫抗原として用いられるペプチドは、免疫化に用いられる場合、キャリアーに結合していなくてもよいし、および/または、キャリアーに結合していてもよい。定型的なキャリアーの例としては、プロティン(例えば、オバルブミン、アルブミンまたはヘモシニアン)、または、ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミドまたはポリ−d−グルタミン−d−リシン)が挙げられる。このようなペプチドは、例えば、カルボジイミドまたはグルタルアルデヒドの補助により、または、スペーサーとしても作用し得る二官能価の試薬によりこれらのキャリアーに結合できる(例えばカップリング方法に関しては、例えば、Wong S.(1993年)Chemistry of Protein Conjugation and Cross−Linking,CRC Press,Inc,Boca Ratonを参照)。
免疫抗原は、例えばリン酸緩衝食塩水中に含ませてもよいし、フロインドアジュバントと混合してもよい。次にこの乳濁液を、動物(例えばウサギ、マウス、ラット、モルモット、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリなど)に、例えば皮内、腹腔内および/または皮下に、投与することができる。また、ブースター注射は(そのために免疫抗原を不完全フロインドアジュバントで乳化することもできる)、免疫反応の増加を助けることができる。
本発明のポリクローナル抗体は、免疫化された動物の抗血清から得ることができ、さらに、例えば免疫抗原として用いられたF1+2またはペプチドが結合したマトリックスでア
フィニティークロマトグラフィーにより精製することができる。
本発明のモノクローナル抗体は、一般的に既知の方法(例えば、HarlowおよびLane(1988年)Antibodies:A Laboratory Manual,コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー,コールド・スプリング・ハーバー;Peters等(1985年)Monoklonale Antikourper:Herstellung und Charakterisierung,シュプリンガー,フェルラークを参照)により、免疫化された動物(例えばマウス)の免疫細胞と骨髄腫細胞とを融合させてモノクローナル抗体生産ハイブリドーマ細胞を生成し、続いて、適切なクローンを単離することにより製造される。望ましいモノクローナル抗体を生産するクローンの選択は、特異的なスクリーニング方法を用いて行われる。この選択は、例えば免疫化された抗原、免疫化された抗原のあらゆるキャリアー、F1+2、プロトロンビンに対する、細胞培養上清に放出された抗体の結合特異性を必要とし、この結合特異性は、例えば酵素イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイ、および/または、ウェスタンブロットによってチェックされる。本発明の抗体を生産するハイブリドーマはクローン化される。続いて、この方法で得られたハイブリドーマ細胞系は、永続的なモノクローナル抗体生産用に利用できる。例えば細胞培養上清、特にファーメンターまたは回転式培養で得られた培養液、および腹水から、より大量の抗体を得ることができる。
望ましい使用目的に応じて、抗体の一部分のみ(例えばFab、F(ab’)2またはF
ab’フラグメント)を使用することが有利である。これらは、例えば当業者既知の酵素による切断法により製造することができる(例えば、HarlowおよびLane(1988年)Antibodies:A Laboratory Manual,コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー,コールド・スプリング・ハーバーも参照)。
抗体の抗原−結合部位は、V遺伝子によりコードされるいわゆる可変ドメインに存在する。既知の遺伝子操作法(例えば、Sambrook等(1989年)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー,コールド・スプリング・ハーバー,第2版;McCafferty等(1990年)Nature 348:552〜554を参照)を用いて、本発明の抗体の対応する核酸配列を決定し、さらに対応するアミノ酸配列を決定することができる(核酸配列やアミノ酸配列が、アミノ酸配列解析によりこれまでわかっていない場合)。このような分析に用いることができる出発材料は、ハイブリドーマ細胞、または、免疫化された動物の抗体生産免疫細胞である。
続いて、核酸配列および/またはアミノ酸配列の情報や、従来の遺伝子操作方法および分子生物学的方法を用いて(JohnsonおよびChiswell(1993年)Current Opinion in Structural Biology,:564〜571も参照)、プロトロンビンのF2フラグメントのN末端側半分のエピトープ、特に本発明のペプチドに結合する、ヒト化、キメラ、二重特異的または多重特異的抗体、および、相補性が決定された領域(最小の認識単位)由来のペプチド、単鎖フラグメント、および/または、機能的な融合産物、例えば組換えで製造された抗体−酵素コンストラクト(例えば、LarrickおよびFry(1991年)Human Antibodies and Hybridomas,:172〜189;Kitano等(1986年)Appl.Microbiol.Biotechnol,24:282〜286;Thompson等(1986年)J.Immunol.Methods,94:7〜12を参照)を調製することができる。用語「抗体」で挙げられたこのようなペプチドを用いて、例えば免疫原性を減少させる、および/または、医薬品またはインビボでの診断補助物として投与する際の有効性を増強することができ、および/または、インビトロでの診断補助物として、または、診断補助物中に用いるための利益が得られる。このような抗体はまた、必要に応じて、植物、例えば酵母細胞、動物細胞および原核細胞(例えばWO95/25172を参照)、および、単離されたヒト細胞中で遺伝子操作法を用いて製造することができる(Fischer等(1999年)Biol.Chem.,380:825〜839;Hiatt等(1992年)Genetic Engineering,14:49〜64)。
本発明のさらなる観点はまた、本発明の抗体を生産する動物細胞、植物細胞または原核細胞、および、単離されたヒト細胞である。本発明の好ましい実施形態は、本発明の抗体を生産するハイブリドーマ細胞株を含み、、例えば、ハイブリドーマ細胞株92−195/097である。このハイブリドーマ細胞株は、DSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zeilkulturen GmbH,Mascheroder Weg 1b,38124 Brunswick,Germany)に、寄託番号DSM ACC2607で寄託されている。
以下で説明する実施例は、本発明のそれぞれの観点の実施例を解明するためのものであり、限定として解釈すべきではない。
実施例1:プロトロンビンの精製
市販のプロトロンビン製品を免疫抗原を製造するための出発材料として用いることができる。これら製品の純度が不十分な場合、プロトロンビンを免疫化に用いる前にクロマトグラフィーで単離すべきである。プロトロンビンのクロマトグラフィーでの精製は、例えば以下のように行うことができる:
1.クエン酸緩衝液(25mM,pH6)中の陰イオン交換樹脂(モノQ−セファロース)で分画化し、プロトロンビン活性を示す分画を用いる。この工程によりX因子の濃度を減少させる。1M NaClで溶出させる。
2.クエン酸緩衝液(25mM,pH6)中のヘパリン−セファロースで分画化し、プロトロンビン活性を示す分画を用いる。この工程により、X因子の濃度をさらに減少させる。1M NaClで溶出させる。
3.クエン酸緩衝液(25mM,pH6)中のアフィニティークロマトグラフィーで、プロティンCに対するモノクローナル抗体を用いて、プロティンCを除去する。プロトロンビンを含むフロースルー液をさらに用いる。
4.セファデックスG200でのゲルクロマトグラフィーにより、緩衝液を50mMクエン酸塩/150mM NaCl(pH6)と交換する。
5.X因子に対するモノクローナル抗体を用いたアフィニティー精製により、クエン酸緩衝液(25mM,pH6)中でのバッチ法で、残存したX因子を除去する。プロトロンビンを含む上清を、免疫化に用いる。
実施例2:モノクローナル抗体の製造
A)モノクローナル一次抗体
モノクローナル一次抗体は、欧州特許第0303983号および米国特許第6,541/275号に記載の方法で製造することができる。
B)モノクローナル二次抗体
二次抗体は、免疫抗原として精製されたプロトロンビン(実施例1を参照)を用いて製造された(マウス1匹あたり20μg)。
a)マウスの免疫
それぞれのBALB/cマウスに、完全フロインドアジュバント中の免疫抗原(プロトロンビン)(20μg)を腹腔内に投与することにより免疫した。ブースターは、それぞれの場合において、4週間後に、不完全フロインドアジュバント(ICNバイオメディカル社(ICN Biomedical GmbH)製,エシュヴェーゲ,ドイツ)中の免疫抗原(20μg)で、および、8週間後に、それぞれの場合において、フロインドアジュバントなしで免疫抗原(20μg)で行われた。融合の前の最後の3日間、マウスは、それぞれの場合において免疫抗原(20μg)で静脈内ブースターを受けた。
b)融合
CO2吸入によりマウスを処置した後、脾臓を摘出し、無血清ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM,CCプロ社(CC Pro GmbH)製,ノイシュタット・アン・デア・ヴァインシュトラーセ(Neustadt/W),ドイツ)で単一細胞懸濁液を製造した。細胞を遠心分離し(652g)、DMEMで2回洗浄した。次に、トリパンブルー染色で細胞数を計数した。2×107個の骨髄腫細胞(Sp2/0)を、約108個の脾臓細胞に加えた。遠心分離(360g)後、上清を捨てて、1mlのポリエチレングリコール溶液(PEG4000,メルク・ユーロラボ(Merck Eurolab)製,ブルフザル,ドイツ;DMEM中、約50%の濃度)を細胞ペレットに加え、再懸濁した後、37℃で1分間インキュベートした。続いて、約10mlのDMEMを滴下して加え、混合物を室温で2〜4分間インキュベートした。融合した細胞を遠心分離し(326g)、DMEM+20%FCS(ウシ胎仔血清,バイオ・ウィタカー・ヨーロッパ(Bio Whittaker Europe)製,ヴェルヴィエ,ベルギー)+HAT溶液(CCプロ社,ノイシュタット・アン・デア・ヴァインシュトラーセ,ドイツ)にペレットを再懸濁し、24ウェルの細胞培養プレート(コースター(Costar)製)に分配した。ウェルあたりのおよその細胞濃度は、5×104〜5×106個の細胞であった。
2〜3週間後、得られた細胞コロニー(ハイブリッド)を除去し、新しい培養プレートに移した。
c)スクリーニング
細胞培養液中に放出された抗体の特異性を、プロトロンビンでコーティングしたマイクロタイタープレート(ヌンク(Nunc)製,タイプB)を用いた第一の試験工程で試験した(コーティングは1μg/ml、すなわち0.15μg/ウェル)。
細胞培養上清(1:2に希釈)100μl をマイクロタイタープレートの各ウェルにピペットで添加し、+15〜+25℃で1時間インキュベートした。プレートをPOD洗浄溶液(OSEW;デイド・ベーリング製,マールブルグ,ドイツ)で2回洗浄した後、100μlの抗マウスIgG/F(ab’)2−POD結合体(デイド・ベーリング製,マ
ールブルグ,ドイツ)を各ウェルに導入し、+15〜+25℃で1時間インキュベートした。プレートを再度2回洗浄した後、100μlのクロモゲンTMB溶液(デイド・ベーリング製,マールブルグ,ドイツ)を各ウェルに導入し、+15〜+25℃でさらに30分間インキュベートした。インキュベート後、100μlのPODストック溶液(デイド・ベーリング製,マールブルグ,ドイツ)を各ウェルに導入し、マイクロタイタープレートをBEPII(ベーリングELISAプロセッサーII,デイド・ベーリング製,マールブルグ,ドイツ)で、450nmで測定した。
第二の試験工程において、単離後のハイブリッドを上述したのと同じ試験様式で再度チェックした。
d)クローニング
プロトロンビン特異的抗体を生産するハイブリッドの単一の細胞を、マイクロマニピュレータ(ライツ(Leitz)製,ヴェッツラー,ドイツ)を用いてクローン化した。これらクローンの培養上清を、g)で説明するように精製し、e)、h)、および、i)で
説明するように詳細に特徴付けた。例えばクローン92−195/097により、本発明の抗体(ヒトプロトロンビンフラグメントF2のN末端側半分/領域のエピトープと結合
する)が生産される。このハイブリドーマ細胞株は、DSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zeilkulturen GmbH,Mascheroder Weg 1b,38124 Brunswick,Germany)に、寄託番号DSM ACC2607で寄託されている。
e)抗体サブクラス決定
イソストリップ(IsoStrip)TMマウスモノクローナル抗体アイソタイピングキット(ベーリンガー・マンハイム製,ドイツ)を用いて、抗体92−195/097のサブクラスがIgG1であることを決定した。
f)抗体生産
より大量の抗体を、適切な細胞クローンをローラーボトル(コーニング・コースター(Corning Costar)製,ボーデンハイム,ドイツ)に移し、37℃で望ましい最終容量にすることによって生産した。次に、回転させた培養懸濁液を0.22μmでろ過し、細胞を除去した。細胞を含まない抗体溶液を限外ろ過で(分離限界は30000ダルトン)濃縮し、精製した。
g)抗体精製
得られた抗体溶液の緩衝液を、0.14Mリン酸緩衝液(pH8.6)に交換し、その溶液を、rプロティンAセファロース・ファスト・フロー(rProtein A Sepharose Fast Flow)(アマシャム・ファルマシア製)が充填されたクロマトグラフィーカラムにローディングした(精製される抗体10mgあたりrプロティンAセファロース・ファスト・フロー1mlを用いた)。カラムを0.14Mリン酸緩衝液
(pH8.6)で洗浄することにより、全ての未結合の構成要素を除去した。結合した抗
体を、0.1Mクエン酸(pH3.0)でカラムから溶出させ、0.05M酢酸ナトリウム
+0.5M NaCl+0.05Mトリス+0.01%アジ化ナトリウム(pH7.0)に対して透析した。
h)プロトロンビンフラグメントF 1+2 サンドイッチELISAに適切な抗体の選択
モノクローナル抗プロトロンビン抗体と、トロンビンおよびF2との反応を調べた。
トロンビンを用いた反応:用いられた固相は、ウサギ抗マウスIgGでコーティングされたマイクロタイタープレートである。培養上清からの抗プロトロンビン抗体をそれに結合させた。洗浄工程の後、精製されたトロンビンとインキュベートした。さらなる洗浄工程の後、抗体のトロンビンへの結合は、モノクローナルマウス抗トロンビン抗体と酵素ペルオキシダーゼとからなる結合体と、それに続く着色反応により検出された。
2 を用いた反応:用いられた固相は、ウサギ抗マウスIgGでコーティングされたマ
イクロタイタープレートである。培養上清からの抗プロトロンビン抗体をそれに結合させた。洗浄工程の後、精製されたプロトロンビンフラグメントF2とインキュベートした。
さらなる洗浄工程の後、抗体のF2への結合は、ポリクローナルウサギ抗F2抗体と酵素ペルオキシダーゼとからなる結合体と、それに続く着色反応により検出された。
2と反応したが、同時にトロンビンとは反応しなかった抗体を選択した。これら抗体
が、F2特異的一次抗体およびF1+2特異的一次抗体を用いたサンドイッチELISAにおいて結合体として使用するのに適しているかどうかを調べた。この目的のために、当業者既知の方法で、精製された抗体をホースラディッシュペルオキシダーゼに結合させた(ナカネ(Nakane)カップリング)。
実施例3a)で説明したように、サンドイッチELISAにおける適性をチェックした。適性について決定するための必須の基準は、最適なシグナル強度、測定範囲の規模、検出の下限、および、キャリブレーションプロットの直線性とした。
クローン92−195/097で生産された抗体は、これらの基準に関して最良の結果を示した。
i)エピトープマッピング
プロトロンビンフラグメントF1+2を、11個のアミノ酸をそれぞれオーバーラップさ
せ、N末端からC末端へ連続して2−merずつの工程で伸長した13−merのペプチドに分配した。これらペプチドを合成により製造し、膜へ結合させ、分析される抗体のこれらペプチドそれぞれへの結合を調べた:検出のために、調べられる抗体を、前もってホースラディッシュペルオキシダーゼに共有結合させた。それに続く反応において、ホースラディッシュペルオキシダーゼは化学発光基質に変換され、この発光はイメージングシステムを用いてシグナルが定量化された。これは、特定のペプチドに抗体が結合する量が多ければ多いほど、このペプチドを用いて測定されたシグナルはより強くなることを意味する。
適切な二次抗体の検索において収率が低い理由は、プロトロンビンF1+2フラグメント
の遊離のC末端に対する一次抗体と組み合わせるために、二次抗体の特異的な結合部位(好ましくはF2フラグメントのN末端側半分の)が必要であることは明らかである。特に、アミノ酸配列Ser−Pro−Pro−Leu−Glu−Gln−Cysに対する特異的な結合が好ましい:
クローン92−195/097で生産された二次抗体のエピトープマッピングの結果を示す(トータルで180種のペプチド(いずれもアミノ酸配列が各ペプチドあたり2個のアミノ酸で置換されている)から抽出したものを示す):
Figure 2005154440
実施例3:サンプル中のF 1+2 の検出
a)分析方法
サンドイッチの原理による酵素イムノアッセイにおいて、本発明の二次抗体を一次抗体と組み合わせて用いた:最初のインキュベートの際、サンプル中に存在するF1+2抗原は、マイクロタイタープレートのウェル表面に固定されたF1+2に対する一次抗体に結合する。ウェルを洗浄した後、第二の反応において、ペルオキシダーゼが結合した本発明の二次抗体は遊離のF1+2決定基に結合する。過量の酵素が結合した次抗体を洗い流した。次に、ウェル中の結合した酵素の活性を測定した。過酸化水素とテトラメチルベンジジンの酵素による変換を希硫酸を添加して止めた。
着色強度(F1+2濃度に比例する)は、光度測定により測定され、別途提供された標準
から得られたキャリブレーションプロットにより定量した。
このような本発明のサンドイッチイムノアッセイは、以下の特性に関して、既知のF1+2分析に比べて改善された結果を示す。
b)分析の均一性
20個の分析プレートにおいてそれぞれ96回の測定によって測定されたサンプルの均一性は、CV(変動係数)=5.2%であった。
c)測定範囲の直線性
全測定範囲にわたり、直線的な希釈可能性が観察された:
Figure 2005154440
d)診断上の感度
本発明のサンドイッチイムノアッセイの診断上の感度は、従来技術に比べて改善された:
Figure 2005154440

Claims (21)

  1. 5〜25個のアミノ酸、好ましくは5〜21個のアミノ酸、さらに特に好ましくは5〜12個のアミノ酸からなり、アミノ酸配列Pro−Leu−Glu−Gln−Cysを含むペプチド。
  2. アミノ酸配列Ser−Glu−Gly−Ser−Ser−Val−Asn−Leu−Ser−Pro−Pro−Leu−Glu−Gln−Cys-Val−Pro−Asp−A
    rg−Gly−Gln−Gln−Tyr−Gln−Glyまたはそれらのフラグメントを有し、特に、アミノ酸配列Ser−Pro−Pro−Leu−Glu−Gln−Cysを有するペプチドである、請求項1に記載のペプチド。
  3. 固相、および/または、シグナル発生システムの構成要素に結合した、請求項1または2に記載のペプチド。
  4. 免疫化および/または抗体を精製するための、請求項1または2に記載のペプチドの使用。
  5. 分析物、好ましくはF1+2を定量検出または定性検出する方法における、請求項1〜3のいずれか一項に記載のペプチドの使用。
  6. プロトロンビンのF2フラグメントのN末端側半分でエピトープに特異的に結合する抗体。
  7. モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である、請求項6に記載の抗体。
  8. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のペプチドに特異的に結合する、請求項6または7に記載の抗体。
  9. ハイブリドーマ細胞株DSM ACC2607で生産された、請求項6〜8のいずれか一項に記載の抗体。
  10. 固相、および/または、シグナル発生システムの構成要素に結合した、請求項6〜9のいずれか一項に記載の抗体。
  11. 製薬上許容できる滅菌注射用液中の、請求項6〜9のいずれか一項に記載の抗体。
  12. 分析物、好ましくはF1+2を定量検出または定性検出する方法における、請求項6〜9のいずれか一項に記載の抗体の使用。
  13. アフィニティークロマトグラフィーにおける、請求項6〜9のいずれか一項に記載の抗体の使用。
  14. 診断補助物または診断補助物の成分としての、請求項6〜9および11のいずれか一項に記載の抗体の使用。
  15. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の1つまたはそれ以上のペプチド、および/または、請求項6〜11のいずれか一項に記載の1またはそれ以上の抗体を含む試薬。
  16. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の1つまたはそれ以上のペプチド、および/または
    、請求項6〜11のいずれか一項に記載の1つまたはそれ以上の抗体、および/または、請求項15に記載の試薬を含む試験キット。
  17. 請求項6〜9のいずれか一項に記載の抗体を生産する、動物、植物または原核細胞、および、単離されたヒト細胞。
  18. 請求項17に記載のハイブリドーマ細胞株。
  19. DSMZに、寄託番号DSM ACC2607で寄託された、請求項18に記載のハイブリドーマ細胞株。
  20. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の1つまたはそれ以上のペプチド、および/または、請求項6〜11のいずれか一項に記載の1つまたはそれ以上の抗体を用いて、サンプル中のプロトロンビンのフラグメントF1+2および/またはF2を定量検出または定性検出する方法。
  21. 請求項6〜11のいずれか一項に記載の抗体を、エピトープがF2およびF1+2フラグメントの4個のカルボキシ末端アミノ酸を含む抗体と組み合わせて用いる、請求項20に記載の方法。
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