JP2005154401A - 便消臭組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 独自で排便処理できない患者に対して特に有効な便消臭効果を有する便消臭組成物を提供すること。
【解決手段】 蛋白質源として少なくとも乳蛋白質、植物性蛋白質、アミノ酸のうちいずれか1種を含有し、炭水化物源として少なくとも砂糖、デキストリン、マルトデキストリン、とうもろこしデンプンのうちいずれか1種を含有し、更に脂質源及びポリフェノール類を含有する便消臭組成物、及び便消臭組成物を含有するキット製品を提供する。

Description

本発明は、消臭効果を有する便を排泄させることが可能な便消臭組成物に関する。
現在、病院の入院患者等において、寝たきりなど独自で排便できない患者はオムツを着用しているが、排便からオムツ交換までの間及びオムツ交換時における便の臭いは、患者本人や周囲の患者のみならず、介護人等をも悩ませ、更には便臭が院内に充満することにより、その病院の不衛生的なイメージを増強させている。したがって、そのような患者の便消臭が望まれている。
特に脳神経外科領域の脳疾患患者は、寝たきりで褥痩もひどく運動も十分に行えないことから、独自排便できない患者が多い。これらの患者は、必ずしも消化管機能は障害されていないので普通食を取ることが可能であり、そのため排便後の便臭は非常に問題となっている。
便消臭組成物としては、消臭効果を高めた人若しくは家畜用の便消臭剤が見出されているが、必ずしも上記患者等に適したものではなく、(特許文献1)、寝たきり等の入院患者等の便消臭に適した便消臭組成物が望まれている。
特開2002−114690
本発明は、独自で排便処理できない患者に対して特に有効な便消臭効果を有する便消臭組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、前述の独自で排便処理できない患者、特に脳疾患患者について、便臭を確実に消臭する方法等を鋭意研究した。その結果、このような患者においては、腸管運動が正常に働かない事が食欲不振となり、体重減少を示し、痩せの症状が見られることから、患者の体力回復・増強への対応を図るために、しばしば普通食に加えて経腸栄養剤を用いて栄養管理を行っているという現状に着目し、該患者が摂取している経腸栄養剤に、便消臭効果を有する成分、具体的にはポリフェノール類を添加することにより、極めて優れた便消臭作用を有するとの知見を得、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の組成物を提供する。
(1)蛋白質源として少なくとも乳蛋白質、植物性蛋白質、アミノ酸のうちいずれか1種を含有し、炭水化物源として少なくとも砂糖、デキストリン、マルトデキストリン、糖アルコール類のうちいずれか1種を含有し、更に脂質源及びポリフェノール類を含有することを特徴とする便消臭組成物。
(2)使用時にポリフェノール類を他の成分に添加する(1)記載の便消臭組成物を含有するキット製品。
(3)便消臭剤を含有する経腸栄養剤。
(4)使用時に便消臭剤を添加することを特徴とする(3)記載の経腸栄養剤を含有するキット製品。
(5)経腸栄養剤に便消臭剤を添加し、経腸投与することを特徴とする便消臭方法。
本発明の便消臭組成物は、その優れた便消臭能によって、独自で排便できない患者等のみならず他の患者等の環境及びQOLを改善する。さらに本発明の便消臭組成物は投与患者の栄養管理も合わせて行うことが可能である。
以下に本発明の第1の形態である便消臭組成物について説明する。
本発明の便消臭組成物において、蛋白質源とは、栄養供給のために有用な蛋白質であれば良く、動物性、植物性いずれの蛋白質でも良い。動物性蛋白質としては、乳蛋白質が好ましく、特に、低乳糖乳蛋白質、カゼインなどが好ましい。植物性蛋白質としては分離大豆蛋白質などが好ましい。2種類以上の蛋白質を配合しても良い。また蛋白質源は、加水分解された蛋白質のペプチドでもよい。蛋白アレルギーを考慮すると、アミノ酸であることがより好ましい。アミノ酸としては、通常輸液や経腸栄養剤等栄養供給の目的で用いられるアミノ酸であれば特に制限はないが、結晶アミノ酸であることが好ましい。アミノ酸は、D体、L体、DL体のいずれでもよいが、L体が好ましい。具体的には、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−バリン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−トレオニン、L−トリプトファン、L−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン酸、L−システイン、L−グルタミン酸、L−ヒスチジン、L−プロリン、L−セリン、L−チロシン、グリシンなどを挙げることができる。これらのアミノ酸は1種類でも、複数種類組み合わせても使用(配合)することができるが、複数種類組み合わせるのが好ましく、中でも、L−トリプトファン、L−メチオニン、L−リジン、L−フェニルアラニン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−バリン、L一トレオニンの8種の必須アミノ酸を併用することが好ましく、更に好ましくは、8種の必須アミノ酸と非必須アミノ酸を組み合わせて使用することである。更に、保存安定性の面からはL−バリン、L−イソロイシン及びL−ロイシンの分岐鎖アミノ酸を配合することが特に好ましい。各アミノ酸は必ずしも遊離アミノ酸として用いられる必要はなく、無機酸塩、有機酸塩、生体内で加水分解可能なエステル体などの形態で用いてもよい。また、同種あるいは異種のアミノ酸をペプチド結合させたジペプチド類の形態で用いてもよい。蛋白質源として少なくとも乳蛋白質、植物性蛋白質、アミノ酸のうちいずれか1種を含有することが好ましい。
炭水化物源としては、糖類が好ましく、単糖、二糖及び多糖を挙げることができ、より具体的にはブドウ糖、果糖、マンノース、ガラクトース、ショ糖、砂糖(精製白糖でも良い)、麦芽糖、乳糖、デキストリン、マルトデキストリン、デンプン、とうもろこしデンプン、大豆オリゴ糖、糖アルコール類などを挙げることができる。これら2種類以上の糖類を配合でも良い。炭水化物源として少なくとも砂糖、デキストリン、マルトデキストリン、とうもろこしデンプンのうちいずれか1種を含有することが好ましい。
脂質源としては、特に制限はないが、植物性油・動物性油が好ましい。植物油には、大豆油、シソ油、トウモロコシ油などがあるが、大豆油が好ましい。2種類以上の油を配合しても良い。動物油としては、DHAやEPAなどのn-3系多価不飽和脂肪酸を含有する魚油が好ましい。2種以上の脂質を配合してもよい。
ポリフェノール類とは、様々なポリフェノール化合物からなる一群の化合物をいう。植物由来のポリフェノールが好ましいが、消臭作用を有するという点から、特に茶ポリフェノールが好ましい。茶ポリフェノールとは、茶由来のポリフェノールであれば良く、特にその原料・成分抽出方法等に制限はなく、カテキン、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、ガロカテキン、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピカテキンガレート、などのカテキン類を含む。市販の緑茶抽出品も使用できるが、好ましくは鉄供給源との反応による呈色を軽減させるため、更にはポリフェノール類の渋味・苦味を軽減させるため、被覆化ポリフェノール製剤であることが良い。被覆化ポリフェノール製剤とは、ポリフェノールが被覆化されている製剤をいうが、その製造方法に特に制限はなく、例えば、特開2001−316259や特開2001−269115に記載されている方法で製造された、ポリフェノール類製剤や機能性エマルジョン形態のものでも良い。特にアルギン酸、より好ましくはアルギン酸ナトリウムを含む被覆化ポリフェノール製剤が良い。アルギン酸ナトリウムを1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%含有させることにより、造膜性が高まりポリフェノールの溶出を制御しやすく、また噴霧乾燥における生産性が向上することから好ましい。
本発明の便消臭組成物は、栄養補給に適した量の上記蛋白質源・炭水化物源・脂質源を配合すればよく、茶ポリフェノールは、便消臭効果を発揮させるために必要な量を含有させればよい。好ましい各成分の含量は、乾燥重量で、蛋白質源は5〜30W/W%、好ましくは10〜20W/W%、炭水化物源は40〜90W/W%、好ましくは70〜85W/W%、脂質源は0.1〜30W/W%、好ましくは0.2〜10W/W%である。ポリフェノール類は0.01〜10W/W%、好ましくは0.06〜5W/W%、より好ましくは0.1〜1W/W%である。蛋白質源がアミノ酸である場合は、以下の配合が好ましい。
全アミノ酸中の各アミノ酸の含量
L-イソロイシン 2.0〜6.0W/W%
L-ロイシン 4.0〜8.0W/W%
L-リジン 4.0〜8.0W/W%
L-メチオニン 2.0〜6.0W/W%
L-フェニルアラニン 4.0〜8.0W/W%
L-トレオニン 1.0〜5.0W/W%
L-トリプトファン 0.5〜3.0W/W%
L-バリン 2.0〜6.0W/W%
L-ヒスチジン 1.0〜5.0W/W%
L-アルギニン 5.0〜9.0W/W%
L-アラニン 4.0〜8.0W/W%
L-アスパラギン酸 10.0〜15.0W/W%
L-グルタミン 10.0〜15.0W/W%
グリシン 1.0〜5.0W/W%
L-プロリン 2.0〜6.0W/W%
L-セリン 6.0〜10.0W/W%
L-チロシン 0.2〜3.0W/W%
また組成物中の各アミノ酸の配合量としては、以下の配合が好ましい。
L-イソロイシン 0.2〜1.5W/W%
L-ロイシン 0.5〜2.0W/W%
L-リジン 0.5〜2.0W/W%
L-メチオニン 0.2〜1.5W/W%
L-フェニルアラニン 0.5〜2.0W/W%
L-トレオニン 0.2〜1.5W/W%
L-トリプトファン 0.05〜0.5W/W%
L-バリン 0.2〜1.5W/W%
L-ヒスチジン 0.5〜2.0W/W%
L-アルギニン 0.5〜2.5W/W%
L-アラニン 0.5〜2.0W/W%
L-アスパラギン酸 1.0〜4.0W/W%
L-グルタミン 1.0〜4.0W/W%
グリシン 0.2〜1.5W/W%
L-プロリン 0.2〜1.5W/W%
L-セリン 0.5〜2.5W/W%
L-チロシン 0.05〜0.5W/W%
この際、炭水化物源としてはデキストリン、脂質はダイズ油であることが好ましい。
投与量は、成人で1日80〜640g(300〜2400kcal)を投与することが好ましいが、500〜1500kcalであることが更に好ましい。年令、体重、症状により適宜増減することが可能である。
本発明の組成物においては、ポリフェノール類は使用直前に、蛋白質源、炭水化物源、脂質源を含む組成物に添加してもよい。したがって、ポリフェノール類と、蛋白質源・炭水化物源・脂質源を含む組成物との便消臭組成物キット製品の形態でもよい。この際、蛋白質源、炭水化物源、脂質源を含む組成物は、市販の経腸栄養剤、流動食などでも良い。
本発明組成物には、ビタミン類として、ビタミンBl、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンH、葉酸、パントテン酸類、ニコチン酸類等を添加してもよい。特にビタミンCとビタミンEが抗酸化剤としての特性に富み好ましい。またミネラルも添加してもよく、一般にこの分野で用いられる成分であれば特に制限は無い。具体的には、無機及び有機塩の形態のカルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、塩素及びリンを挙げることができる。各無機及び有機塩については、既に上市されている輸液や経腸栄養剤に配合される有効成分と同じものを用いることができる。また、ミネラルとして微量元素も添加することができる。緻量元素とは、微量ではあるが生体にとって必要不可欠とされる金属元素である。具体的には、無機及び有機塩の形態の亜鉛、鉄、マンガン、銅、クロム、モリブデン、セレン、フッ素およびヨウ素を挙げることができる。各微量元素は、一日必要量を考慮して配合すればよい。
なお本発明組成物が鉄を含有する場合、鉄とポリフェノール類の反応により組成物全体が紫色を呈する場合があるため、好ましくは本発明組成物を遮光性の容器または包装に入れることが好ましい。
また本発明組成物は、適宜の剤形でよく、例えば散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、液剤等に調製される。投与時は液状であることが好ましいので、液剤又は使用時に適量の水等に溶解できる剤形であることが好ましい。前記各剤形のうち、老人や小児においても服用されやすいようにするには、矯味、矯臭処理された製剤に調製するのが好ましい。液状とするには、1cc当たり1kcal程度となるように水で希釈するのが好ましい。
本発明組成物を溶液となるよう調製した際、その溶液粘度は5mPa・s以下が好ましく、この粘度範囲であれば鼻腔ゾンデ、胃、腸で容易に経腸的に投与できる。一方、独自で排便処理できない患者、特に脳疾患患者は寝たきりの状態が続き、前記低粘度の溶液を投与した場合、食道を逆流し嘔吐する、また逆流性肺炎の要因となるとの問題を抱えている。このような患者には本発明組成物に溶液粘度を増加させる増粘剤を添加することが好ましい。増粘剤としては、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、カラギーナン類を使用することが好ましい。また、増粘剤は溶液粘度を300mPa・s以上に調製できるように添加することが好ましい。
本発明組成物は、便臭をより効果的に低減するために食物繊維例えば水溶性食物繊維や不溶性食物繊維を添加することが好ましい。食物繊維の添加量としては、一日当たりの投与量として1〜30g、好ましくは5〜15g、より好ましくは3〜8gを添加することが好ましい。
食物繊維としては、ペクチン、メトキシペクチン、ガラクトマンナン、アルギン酸及びその塩、テングザ、オゴノリ等のガラクタンを含む海藻より抽出された寒天、カルボキシメチルセルロース及びその塩を水溶性食物繊維として挙げることができる。不溶性繊維としては、リンゴファイバー、コーンファイバー、パインファイバーなどの植物から得られた繊維や、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、ほうれん草などの野菜乾燥物、セルロース、ヘミセルロース、カラギーナン、リグニンなどを構成成分とする大豆や小麦のふすまなどを挙げることができる。
散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤等に加える添加剤としては、賦形剤(例えば、乳糖、ブドウ糖、D‐マンニトール、澱粉、結晶セルロース、炭酸カルシウム、カオリン、軽質無水ケイ酸、トレハロースなど)、結合剤(例えば、デンプン糊液、ゼラチン溶液、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、エタノールなど)、崩壊剤(例えば、デンプン、ゼラチン末、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム塩など)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクなど)、コーティング剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アセチルセルロース、白糖、酸化チタンなど)等があり、その他必要に応じて着色剤、矯味・矯臭剤等が加えられる。また、内用液剤に加えられる添加剤としては、保存剤(例えば、安息香酸、パラオキシ安息香酸エステル、デヒドロ酢酸ナトリウムなど)、懸濁化剤または乳化剤(例えば、アラビアゴム、トラガント、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、メチルセルロース、卵黄、界面活性剤など)、甘味・酸味剤(例えば、トレハロース、クエン酸など)等があり、その他必要に応じて着色剤、安定剤等が加えられ、これらに使用される溶剤は、主として精製水であるが、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール等も使用することができる。
これらの製剤は、各有効成分をそのままか、または各剤形に応じた薬学的、製剤学的に許容される添加剤と混合・造粒し、もしくは適当な溶剤中に溶解して乳化または懸濁し、さらには適当な基剤と混合する等して、常法により調製することができる。
以下に本発明の第2の形態である便消臭剤を含有する経腸栄養剤について説明する。
便消臭剤とは、便の臭いを軽減する効果を有する成分であればよく、必ずしも剤の形態でなくても良い。その形状も、粉末、液体、固形等、特に限定されない。経口から摂取することにより便消臭効果を発揮するものであればよく、入院患者でも安心して摂取できる副作用の無いものが良い。好ましくは、ポリフェノール類が良く、より好ましくは茶ポリフェノールである。上記便消臭組成物に用いられる茶ポリフェノールが好ましい。
経腸栄養剤とは、種々の原因による低栄養状態や消化吸収機能低下患者の栄養状態の改善、維持を目的として作られている栄養組成物であり、調製・投与が容易で、栄養価が高く各成分バランスのとれた流動態であるばかりではなく、消化管での安定性、消化性、吸収性に優れ、腸管への刺激性が少ないなどの性質を有するものである。通常、経腸栄養剤には三大栄養素(蛋白質、脂質、炭水化物)が配合されており、経鼻もしくは経口より摂取される。蛋白質は、栄養供給のために有用な蛋白質であれば良く、上記便消臭組成物に適した蛋白質、加水分解された蛋白質のペプチド、アミノ酸であればよい。脂質、炭水化物についても同様に、栄養供給のために有用な蛋白質であれば良く、上記便消臭組成物に適したものであればよい。
その他、適量のミネラル・ビタミン類を含んでいてもよく、更に必要に応じて食物繊維を含んでいてもよい。
本発明に使用できる経腸栄養剤に特に制限はないが、三大栄養素含量が、エネルギー%で、蛋白質5〜30%、炭水化物40〜90%、脂質0.5〜40%である経腸栄養剤であることが好ましい。また便消臭剤は、その消臭効果によって含量を任意に設定すればよいが、茶ポリフェノールの場合は、1日当たり10〜2000mg、好ましくは50〜1000mg、より好ましくは100〜500mgの投与量となるように個々の患者で必要とされる投与量の経腸栄養剤に配合すればよい。被覆化ポリフェノール製剤の場合は、茶ポリフェノール換算で上記範囲となるように配合すればよい。また便消臭剤は、使用時にその必要量を経腸栄養剤に添加してもよい。したがって、便消臭剤と経腸栄養剤のキット製品の形態でもよい。
なお上記経腸栄養剤が鉄を含有する場合、鉄とポリフェノール類の反応により組成物全体が紫色を呈する場合があるため、好ましくは本発明組成物を遮光性の容器または包装に入れることが好ましい。
本発明の経腸栄養剤の投与方法は、特に限定されるものではなく、通常の経腸栄養剤の投与経路(経口又は経管投与など)でよい。
本発明の便消臭組成物及び便消臭剤を含有する経腸栄養剤は、優れた便消臭効果と合わせて、糞便中のアンモニア含量の軽減、クロストリジウム菌及びMRSA菌含量の軽減などの効果をも有する。すなわち本発明の便消臭組成物及び便消臭剤を含有する経腸栄養剤は寝たきりの患者又は独自に排便できない患者、特に脳梗塞、クモ膜下出血、脳腫瘍、頚椎損傷後遺症及びシャイ・ドレーガー症候群等の脳神経外科領域の脳疾患患者において、栄養管理と共に優れた便消臭効果を発揮することにより、患者本人や周囲の患者等のQOL及び環境を改善し、病院の不衛生的なイメージを払拭する効果を有する。
以下、実施例を以って本発明をより具体的に説明する。
実施例1
1.便消臭組成物の調製
表1及び表2の組成表から本発明の便消臭組成物A及びBが調製できる。被覆化ポリフェノール製剤は、表3の組成のものを用いることができる(茶ポリフェノール中の各ポリフェノール成分は、エピガロカテキンガレート31.8%、エピガロカテキン12.3%、ガロカテキン4.6%、エピカテキンガレート9.7%、エピカテキン6.4%、カテキン1.7%、ガロカテキンガレート1.5%)。
なお組成物A及びB中の茶ポリフェノール含量は、それぞれ0.15W/W%、0.25W/W%である。



























表1
Figure 2005154401

















表1の続き
Figure 2005154401

















表2
Figure 2005154401

















表2の続き
Figure 2005154401
表3
Figure 2005154401
表中、植物油脂は、MCT(ヤシ油由来の中鎖脂肪酸トリグリセラド)であり、乳化剤は、グリセリン脂肪酸エステルである。
2.被覆化ポリフェノール製剤を含有する経腸栄養剤の調製
表3組成の被覆化ポリフェノール製剤1g(茶ポリフェノール換算200mg)を市販の経腸栄養剤エレンタール(登録商標)133gに添加し、約500ml溶量のプラスチック容器に充填、密封した。組成物を充填した前記プラスチック容器に常水又は微温湯を約420ml入れ、速やかに振盪し、液量が約500ml(1Kcal/ml)の経腸栄養剤Cを調製した。一方、同様に市販の濃厚流動食サンエット(登録商標)に被覆化ポリフェノール製剤1g(茶ポリフェノール換算200mg)を添加し、経腸栄養剤Dを調製した。なお経腸栄養剤Cのエネルギー%は、蛋白質約17%、糖質約82%、脂質約1.5%であり、経腸栄養剤Dでは、それぞれ約16%、約59%、約23%である。
試験例
年齢60〜90歳の高齢者の男女で、脳梗塞、クモ膜下出血、脳腫瘍、頚椎損傷後遺症及びシャイ・ドレーガー症候群等で脳神経外科病院に寝たきりの入院患者11名を対象に以下の便消臭の効果確認試験を実施した。経腸栄養剤A(4名)、経腸栄養剤B(4名)投与は1日1回、週7回午前中に14日間連続投与した。便採取は、投与開始前に1回、投与開始後に3回午前中に行った。対照群は、エレンタール(登録商標)(経腸栄養剤E)投与(2名)、サンエット(登録商標)(経腸栄養剤F)投与(1名)とし、便採取は、投与期間中4回行った。投与は、何れも鼻腔ゾンデを使用した。
[試験1]官能試験
採取した便の便臭の強弱を0、1、2、3の4段階のスコアで官能的に評価した。試験の結果、経腸栄養剤C及びDは、消臭効果を有していることが確認された(表4)。


































表4
Figure 2005154401
[試験2]ガステック法による評価
採取した便を100ml容量の容器に入れ、50℃、30分間インキュベートした後、容器内の空気を吸引し、空気中のアンモニア濃度をガステック法にて測定した。便臭をアンモニア濃度を指標とした測定、比較した結果、経腸栄養剤C及びDは摂取継続につれて、アンモニア含量濃度が低減していることが認められ、便消臭効果を有することが判った(表5)。














表5
Figure 2005154401
[試験3]腸内細菌数測定
採取した便につき腸内細菌群のなかから、有害菌のクロストリジウム菌及びMRSA菌の2種類を選択しその菌数を測定した。なお、クロストリジウム菌は、嫌気培養法(ニッケン医学微生物学研‐CCMA培地法)及びC. difficile培養法、MRSA菌は、極東製薬‐MDRSII培地法で測定した。菌数は3(非常に多い、108個)、2(多い、106個)、1(やや多い、104個)、少(少ない、102個)、−(認められない、0個)のスコアで評価した。結果、両有害菌は経腸栄養剤C及びD投与継続に伴い菌の減少が認められた(表6)。




















表6
Figure 2005154401
表6の続き
Figure 2005154401





表6の続き
Figure 2005154401

Claims (13)

  1. 蛋白質源として少なくとも乳蛋白質、植物性蛋白質、アミノ酸のうちいずれか1種を含有し、炭水化物源として少なくとも砂糖、デキストリン、マルトデキストリン、とうもろこしデンプンのうちいずれか1種を含有し、更に脂質源及びポリフェノール類を含有することを特徴とする便消臭組成物。
  2. ポリフェノール類が茶ポリフェノールである請求項1記載の便消臭組成物。
  3. 茶ポリフェノールが被覆化ポリフェノール製剤である請求項1又は2記載の便消臭組成物。
  4. 被覆化ポリフェノール製剤がアルギン酸を含む被覆化ポリフェノール製剤である請求項1〜3のいずれか記載の便消臭組成物。
  5. 乾燥重量で、蛋白質源が5〜30W/W%、炭水化物源が40〜90W/W%、脂質源が0.1〜30W/W%、ポリフェノール類が0.01〜10W/W%である請求項1〜4のいずれか記載の便消臭組成物。
  6. 蛋白質源が、アミノ酸である請求項1〜5のいずれか記載の便消臭組成物。
  7. アミノ酸中の各アミノ酸含量が、以下のものである請求項6記載の便消臭組成物。
    L-イソロイシン 2.0〜6.0W/W%
    L-ロイシン 4.0〜8.0W/W%
    L-リジン 4.0〜8.0W/W%
    L-メチオニン 2.0〜6.0W/W%
    L-フェニルアラニン 4.0〜8.0W/W%
    L-トレオニン 1.0〜5.0W/W%
    L-トリプトファン 0.5〜3.0W/W%
    L-バリン 2.0〜6.0W/W%
    L-ヒスチジン 1.0〜5.0W/W%
    L-アルギニン 5.0〜9.0W/W%
    L-アラニン 4.0〜8.0W/W%
    L-アスパラギン酸 10.0〜15.0W/W%
    L-グルタミン 10.0〜15.0W/W%
    グリシン 1.0〜5.0W/W%
    L-プロリン 2.0〜6.0W/W%
    L-セリン 6.0〜10.0W/W%
    L-チロシン 0.2〜3.0W/W%
  8. 使用時にポリフェノール類を他の成分に添加する請求項1〜7のいずれか記載の便消臭組成物を含有するキット製品。
  9. 遮光性包装をされている請求項1〜7のいずれか記載の便消臭組成物。
  10. 便消臭剤を含有する経腸栄養剤。
  11. 便消臭剤がポリフェノール類である請求項10記載の経腸栄養剤。
  12. 使用時に便消臭剤を添加する請求項10又は11記載の経腸栄養剤を含有するキット製品。
  13. 経腸栄養剤に便消臭剤を添加し、経腸投与することを特徴とする便消臭方法。
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