JP2005154186A - インクジェット記録用無機質基材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット記録後ならびに焼成後も滲みの発生がなく、さらに取り扱いやすさにも優れたインクジェット記録用無機質基材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】無機質基材上にガラスフリット及び水溶性高分子からなるインク受容層を形成し、該インク受容層の空隙率を10〜40%とすることにより、インクジェット記録後ならびに焼成後も滲みの発生がなく、さらに取り扱いやすさにも優れるものとなる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット方式により画像形成をおこなうことに適したインクジェット記録用無機質基材及びその製造方法に関する。
近年、陶磁器、ガラス、琺瑯、金属などの無機質基材へ着色する方法としてインクジェットプリント方式を用いる方法が注目されている。
たとえば特許文献1おいては、無機質基材の表面に顔料の融着に適した釉薬を膜状に塗布し、その上に無機顔料からなるインクをインクジェット方式によって噴射して画像を描画する描画焼成体の製造方法が提案されている。
このようにインクジェット方式を用いる利点は、一般的な手法である手書き法や転写絵付け法と比較して、職人芸的な要素が必要とされず、また、精密な描画をすることが出来るなどの点において手書き法より優れているということであり、パーソナルオーダーといった1点ものを安価に製造できるなどの点において転写絵付け法より優れているということである。
しかしインクジェット方式を用いる場合、吐出可能なインクとするためにインクの粘度は低粘度である必要があり、手書き法や転写絵付け法と比べると、着色成分である無機顔料の濃度を高くすることが困難であり、高濃度の画像を得ようとすればインクの吐出量を多くすることとなるが、その場合には、インク受容能に乏しい無機質基材の表面ではインクを受容しきれずに滲みが発生してしまうおそれがある。
従来の手書き法や転写絵付け法による無機質基材への無機顔料の着色においては、多量の無機顔料及びガラスフリットからなる上絵の具と高粘度の溶剤を乳鉢で配合し練り合わせ、高粘度無機顔料分散液を用いている。そのため、インクジェット方式を用いる場合の滲みといった問題は発生しない。
前述した特許文献1では、無機質基材の表面に顔料の融着に適した釉薬を膜状に塗布することにより無機質基材の表面にインクを受容させる試みがなされている。
しかし、一般的に釉薬の主成分はガラスフリットと水であり、釉薬を塗布、乾燥した後に基材上に残っているのはガラスフリットのみとなる。よって、ガラスフリット自体にはインク保持力がないので、ガラスフリットとガラスフリットの間にできたわずかな空隙のみでインクを保持しなければならず、多量のインクを受容するのには限界があった。
また該発明では、ガラスフリットが基材上にただ載っている状態であるため基材との接着性に乏しく、製造工程で非常に慎重な取り扱いが必要となるといった問題もあった。
特開平7−125500号公報
本発明は、インクジェット記録後ならびに焼成後も滲みの発生がなく、さらに取り扱いやすさにも優れたインクジェット記録用無機質基材及びその製造方法を提供するものである。
かくして、本発明者はこのような課題背景に対して鋭意研究を重ねた結果、無機質基材上にガラスフリット及び水溶性高分子からなるインク受容層が形成されており、該インク受容層の空隙率が10〜40%であるインクジェット記録用無機質基材を用いることにより、インクジェット記録後ならびに焼成後も滲みの発生がなく、さらに取り扱いやすさにも優れるという顕著な効果が得られることを見出した。
したがって、本発明は、無機質基材上にガラスフリット及び水溶性高分子からなるインク受容層が形成されており、該インク受容層の空隙率が10〜40%であることを特徴とするインクジェット記録用無機質基材である。
本発明のインク受容層は、厚みが10〜500μmであるものがより好ましく用いられる。
本発明で用いるガラスフリットは、平均粒子径が1〜20μmであるものがより好ましく用いられる。
また、本発明は、無機質基材にガラスフリット、水溶性高分子及び水を含む前処理液を塗布する工程とその後80〜200℃で乾燥する工程とを有することを特徴とするインクジェット記録用無機質基材の製造方法である。
本発明の前処理液は、粘度が100〜20000cpsであるものがより好ましく用いられる。
本発明のインクジェット記録用無機質基材及びその製造方法は、インクジェット記録後ならびに焼成後も滲みの発生がなく、さらに取り扱いやすさにも優れたインクジェット記録用無機質基材及びその製造方法である。
以下、本発明の実施形態について詳しく説明する。
用いる基材としては無機質基材であり、その具体例として、陶磁器、ガラス、琺瑯、タイル及び金属などが挙げられる。無機質材料からなる基材であれば特に制限されない。
ここで本発明の好ましい実施形態の1つについてさらに詳しく説明すると、本発明ではかかる無機質基材にガラスフリット、水溶性高分子及び水を含む前処理液を塗布、乾燥することにより、無機質基材にガラスフリット及び水溶性高分子からなるインク受容層を設ける。
無機質基材上に塗布された該前処理液の水が蒸発することにより該インク受容層中には微細な空隙が形成されることになる。また、本発明においては、インク受容層中に水溶性高分子を含んでいるため、この水溶性高分子がガラスフリットと無機質基材とをくっつける接着剤の役割を果たし、インク受容層と無機質基材との接着が向上する。
この微細な空隙と水溶性高分子の存在により、インクジェットノズルから噴射されたインクが一旦空隙に吸収され、さらに水溶性高分子に吸収されることとなり、より多くのインクをインク受容層に受容できることになる。よって、用いる無機質基材がインク受容能に乏しい材料であってもインクを滲みなく受容することができる。
本発明においては、該インク受容層の空隙率を10〜40%、好ましくは15〜30%に設定する。インク受容層の空隙率が10%より少ないとインクの受容能が不充分であり、空隙率が40%より多いと必然的にガラスフリットの量が少なくなるため焼成後のガラス皮膜の強度が弱くなる傾向にある。
本発明で用いられる空隙率は以下のようにして求めることができる。本発明のインク受容層(以下試料)を厚さ50μmのポリエステルフィルム上に形成し、100℃の乾燥機中に24時間放置した後、重量を測定する。次に該試料を25℃のn−デカン溶液に10秒間浸漬し、表面を軽く濾紙で拭き取り速やかに重量を測定する。
〔空隙〕=〔n−デカンで置換された体積〕とすると、〔浸漬後の試料重量〕−〔浸漬前の試料重量〕=〔n−デカン重量〕となり、n−デカン重量をn−デカンの比重(0.727g/cm)で割ることによりn−デカンの体積を求めることができ、これはつまり空隙の体積となる。そして、この空隙の体積をインク受容層の体積で割ることにより、本発明の空隙率を計算することができる。
また、本発明におけるインク受容層の厚みについては、10〜500μmが好ましく、さらに好ましくは、50〜300μmである。厚みが10μmより薄いと、インクの受容能が不充分であり、500μmより厚いと、焼成後のガラス膜に亀裂が入るおそれがある。
ガラスフリット、水溶性高分子及び水を含む前処理液を無機質基材に塗布する方法としては、従来公知のコーティング方式、スプレー方式、スクリーン方式などが挙げられ、特には限定されない。
塗布回数としては、一度に塗布するのではなく、複数回にわけて塗布するのが好ましい。例えば、厚さ200μmのインク受容層を形成する場合、1回で200μmのインク受容層を形成することも可能であるが、50μmのインク受容層を4回重ねて200μmのインク受容層とする方が、空隙が微細なものとなり易く、また、各層間に空気を含ませることが出来、空隙率を容易に調整できる。さらに、複数回にわけて塗布することにより、インク受容層全体に微細な空隙を均一に形成することが出来、インク受容層の如何なる箇所においても均一なインク受容能を得ることが出来る。
また、前処理液の粘度としては、100〜20000cpsの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは500〜10000cpsである。100cpsより低いとインク受容層の厚みが不足する傾向となり、20000cpsより高いと塗布性が悪くなる。
前処理液の乾燥性を向上したい場合には、揮発性を有する溶媒を含有させることが好ましい。さらに揮発性を有する溶媒のなかでも、水溶性溶剤は水溶性高分子と溶解するのでより好ましい。
このような水溶性溶剤としては、アルコール類では、アリルアルコール、イソプロピルアルコール、エタノール、t−ブタノール、1−プロパノール、メタノールなどが挙げられ、エーテル類では、ジオキサン、ジプロピルエーテル、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフランなどが挙げられ、ケトン類では、アセトンなどが挙げられ、エステル類では、プロピオン酸エチルなどが挙げられ、含窒素化物では、アセトニトリル、アセトンシアノヒドリン、アリルアミン、イソブチルアミン、ジエチルアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、ピロリジン、モノーn−ブチルアミン、モノメチルアミンなどが挙げられる。これらは単独もしくは混合して使用することも可能である。
さらに、前処理液には、必要に応じて、分散剤、酸化防止剤、還元防止剤、熱安定剤、pH調整剤、消泡剤、湿潤剤、接着剤、防腐剤、浸透剤などの添加剤を加えることも当然可能である。
本発明において使用されるガラスフリットは主に二酸化珪素を主成分とし、使用目的に応じて補助剤を添加して使用される。補助剤としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酸化鉛、酸化ビスマス、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸、酸化ジルコニウム、酸化チタン、更には天然物の長石、珪石、硼砂、カオリン等の混合物も添加することができる。これら材料は単独または混合した形で用いることができる。
使用されるガラスフリットの粒径としては、インク受容能や塗布性の観点から好ましくは1〜20μmのものが好ましく、さらに好ましくは2〜10μmである。
また前処理液に含まれるガラスフリットの量としては、50〜99重量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは70〜90%の範囲である。50%より少ないと、焼成後のガラス膜が脆くなる傾向あり、99%より多いと、インク受容層のほとんどがガラスフリットとなり無機顔料インクジェットインクの受容能が悪くなる傾向にある。
次に本発明において使用される水溶性高分子について説明する。
水溶性高分子として具体的には、天然高分子のグアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアゴム、トライガント、ペクチン、デンプン、デキストリン、ゼラチン、カゼイン、コラーゲンなどが挙げられ、半合成高分子としてはメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられ、更に合成高分子のポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、酸化エチレンなどが挙げられ、単独もしくは複合した形での使用も可能である。また、これら水溶性高分子に加え、手書きなどで無機顔料を溶いて上絵の具とするのに使用される陶芸用の水溶性メジュウムなども使用可能である。
また、水溶性高分子は常温で固体であるものを使用する。その理由としては、前処理液を無機質基材に塗布、乾燥した後にも、常温で液体の水溶性高分子ではインク受容層が固まらず、流動性を持ったままであるためインク受容能が悪くなるからである。
さらに、これら水溶性高分子の中でも金属原子を含まないものが好ましい。その理由としては、本発明のインクジェット記録用無機質基材は、インクジェット方式により無機顔料インクで画像を記録した後、画像を定着させるために焼成されるが、この焼成する際に、水溶性高分子内の金属原子が酸化されて焼成後には透明となるべきインク受容層が白くにごったりするおそれがあるためである。
また、前処理液に含まれる水溶性高分子の量としては1〜40重量%の範囲が好ましく、さら好ましくは1〜30%の範囲である。1%より少ないとインク受容層のほとんどがガラスフリットだけとなり、無機質基材との接着やインク受容能が悪くなる傾向にあり、40%より多くなるとインク受容層中に水溶性高分子成分が多すぎるためガラスフリットがインク受容層中に少なくなり、焼成後のガラス膜が脆くなる傾向にある。
本発明においては無機質基材上に前処理液を塗布した後、水溶性高分子が融解しない温度で乾燥する。乾燥温度としては、使用する水溶性高分子により多少異なるが、80〜200℃であり、さらに好ましくは100〜150℃の範囲である。
このようにして作成された本発明のインクジェット記録用無機質基材は、通常、インクジェット方式により無機顔料インクで画像を記録した後、画像を定着させるために焼成されて最終製品となる。
使用する無機顔料インクとしては、無機顔料及び分散媒を必須成分とするものであり、インクの分散性、発色性がよい点で、無機顔料の平均粒子径が、0.8〜8.0μmであることが好ましい。
無機顔料成分としては酸化チタン、硫化亜鉛、黒色系酸化鉄、黒色系銅酸化物、黒色系クロム酸化物、黄色系酸化鉄、黄色系ニッケルチタン、硫化カドミウム、セレン、セレン化カドミウム、クロム酸鉛、モリブデン酸鉛、赤色系酸化鉄、酸化コバルト、含水酸化クロム、酸化クロム、金、鉛アンチモン、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化ネオジウム、酸化エルビウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、アルミニウム、ブロンズ、雲母、カーボンブラック、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、硫化水銀カドミウム、紺青、群青などが挙げられるが、これに限定されず使用可能である。またこれらは単品、混合物、複塩、または錯塩としても使用することが可能である。
また、無機顔料インクは、ガラスフリットを含有することが好ましい。無機顔料インク中に使用可能なガラスフリットとしては、上述したインク受容層中に使用されるガラスフリット成分と同様なものが例示できる。
なお、インク組成物中の無機顔料及びガラスフリットを分散させる媒体として好ましくは水が挙げられる。また、有機溶剤も使用可能である。
更に無機顔料インク中に分散剤を使用することにより無機顔料及びガラスフリットの分散性がよくなる。
これら分散剤の例としては、アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸せっけん、アルキルコハク酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩、アルキル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム塩、ジアルキルスルホサクシネートナトリウム塩、アルキルリン酸ナトリウム、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤などが挙げられ、カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライドなどが挙げられ、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられ、両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、アミドベタインなどが挙げられる。ここでアニオン性界面活性剤はナトリウム塩だけでなく、任意の金属塩やアンモニウム塩も使用可能である。
また、必要に応じて酸化防止剤、還元防止剤、熱安定剤、pH調整剤、消泡剤、湿潤剤、防腐剤、浸透剤などの添加剤を加えることも当然可能である。
無機顔料インクは上記材料を混合し、更にその混合物をロールミル、ボールミル、コロイドミル、ジェットミル、ビーズミルなどの分散機を使って分散させ、その後にろ過をすることで得ることができる。
また、インクジェットプリント方式に用いるインクジェット記録装置は特に限定されない。
また、画像を定着させるための焼成温度については、使用される無機質基材に対して適切な軟化点及び熱膨張率を持ったガラスフリットが選択されるので、そのガラスフリットの軟化点付近の温度で焼成する。
例えば、無機質基材として800℃付近に軟化点を有する施釉タイルを使用する場合、インク中のガラスフリット及びインク受容層中のガラスフリットの軟化点は800℃付近もしくはそれ以下のものを使用する。また、この場合の焼成温度は800℃±100℃に設定する。このとき、無機質基材とインク及びインク受容層中のガラスフリットの熱膨張率が著しく異なる場合には、焼成後にタイルが湾曲やガラス焼成膜へのクラック、もしくはガラスフリットと無機質基材とが全く接着しないといった現象が見られるため注意が必要である。
次に、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもその実施例に限定されるものではない。
実施例1
前処理液の作製
ガラスフリット 12−3699(軟化温度779℃、日本フェロー(株)製)を用いてボールミルで平均粒径3μmになるまで乾式粉砕を実施した。次に、そのガラスフリット粉末を60重量部、ポリエチレングリコール PEG#11000(日本油脂(株)製)を15重量部および純水25重量部を攪拌し、前処理液を作製した。(粘度:1800cps/25℃)
インク受容層の形成
無機質基材としてタイル(陶器質、施釉)を使用し、作製した前処理液をスクリーン(100メッシュ)にて塗布し、乾燥機にて120℃、10分で乾燥した。この塗布、乾燥工程を4回繰り返し、タイル上にインク受容層が形成された本発明のインクジェット記録用無機質基材を得た。
実施例2
前処理液の作製
ガラスフリット 12−3699(軟化温度779℃、日本フェロー(株)製)を用いてボールミルで平均粒径3μmになるまで乾式粉砕を実施した。次に、そのガラスフリット粉末を60重量部、ヒドロキシプロピルセルロース KLUCEL L(三晶(株)製)を2.5重量部および純水37.5重量部を攪拌し、前処理液を作製した。(粘度:1200cps/25℃)
インク受容層の形成
無機質基材としてタイル(陶器質、施釉)を使用し、作製した前処理液をスクリーン(100メッシュ)にて塗布し、乾燥機にて120℃、10分で乾燥した。この塗布、乾燥工程を4回繰り返し、タイル上にインク受容層が形成された本発明のインクジェット記録用無機質基材を得た。
実施例3
無機質基材として金属板(鉄系、琺瑯用鋼板)を使用した以外は、実施例2と同様にして本発明のインクジェット記録用無機質基材を得た。
実施例4
インク受容層の形成をスクリーンにて1回で行った以外は、実施例2と同様にして本発明のインクジェット記録用無機質基材を得た。
比較例1
前処理液を塗布し、乾燥する時の乾燥温度を400℃でおこなった以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用無機質基材を得た。
実施例、比較例にて得られたインクジェット記録用無機質基材のインク受容層の厚みおよび空隙率を以下の方法にて測定した。その結果を表1に示す。
(1)厚みの測定
デジタルマイクロメーター M−30(SONYマグネスケール製)にて測定した。
(2)空隙率の測定
本発明のインク受容層(以下試料)の空隙率の測定方法は、まず、タイルの角に厚さ50μmのポリエステルフィルムを貼り付け、ポリエステルフィルム上にインク受容層を形成した。そして該ポリエステルフィルムを剥がし、100℃の乾燥機中に24時間放置した後、重量を測定した。次に、該試料を25℃のn−デカン溶液に10秒間浸漬し、表面を軽く濾紙で拭き取り速やかに重量を測定した。空隙=n−デカンで置換された体積とすると、浸漬後の試料重量−浸漬前の試料重量=n−デカン重量となり、n−デカン重量をn−デカンの比重(0.727g/cm)で割ることによりn−デカンの体積を求めることができ、これはつまり空隙の体積となる。そして、この空隙の体積をインク受容層の体積で割ることにより、空隙率を計算した。
また、実施例、比較例にて得られたインクジェット記録用無機質基材を用いて実際にインクジェット方式にて画像を記録し、焼成をおこない記録物を得て、画像の滲みの状態を以下の方法で評価した。その結果を表1に示す。なお、使用した無機顔料インク、インクジェットの記録条件、焼成条件等は以下の通りである。
無機顔料インクの作製
無機顔料としてSUNSHINE COBALT(平均粒子径3μm、セルデック(株)製)を20重量部、分散剤としてハイドロパラート7003(リン酸エステル、コグニス(株)製)を10重量部、湿潤剤としてグリセリン(日本油脂(株)製)を10重量部および純水60重量部を混ぜ合わせ、ボールミルにて20時間分散した。この分散液をろ過して不純物を除去し、均一なブルー色の無機顔料インクを作成した。
インクジェット記録条件
あ)ノズル径:70μm
い)印加電圧:60V
う)パルス幅:15μs
え)駆動周波数:1kHz
お)解像度:180dpi
焼成条件
あ)焼成温度:800℃
い)使用機器:陶芸用電気炉(NSO−300RF、日陶科学(株)製)
(1)記録画像の滲み評価
記録後および焼成後の画像の滲みについて目視にて評価した。
○ ‥ 記録後、焼成後ともに、滲みが全く見られない。
△ ‥ 記録後、焼成後ともに、若干の滲みが見られる。
× ‥ 記録後、焼成後ともに、滲みがひどく、液ダレが見られる。
(2)ハンドリング評価
焼成前のインク受容層が形成された無機質基材のハンドリングについて、インク受容層表面にセロハンテープを貼り、テープを剥がしてテープ表面の状態を目視で評価した。
○ ‥ セロハンテープ上に剥離物が見られない。
△ ‥ セロハンテープ上に部分的に剥離物が見られる。
× ‥ セロハンテープ上全面に剥離物が見られる。
Figure 2005154186



Claims (5)

  1. 無機質基材上にガラスフリット及び水溶性高分子からなるインク受容層が形成されており、該インク受容層の空隙率が10〜40%であることを特徴とするインクジェット記録用無機質基材。
  2. インク受容層の厚みが、10〜500μmであることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用無機質基材。
  3. ガラスフリットの平均粒子径が、1〜20μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録用無機質基材。
  4. 無機質基材にガラスフリット、水溶性高分子及び水を含む前処理液を塗布する工程とその後80〜200℃で乾燥する工程とを有することを特徴とするインクジェット記録用無機質基材の製造方法。
  5. 前処理液の粘度が100〜20000cpsであることを特徴とする請求項4記載のインクジェット記録用無機質基材の製造方法。
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