JP2005154120A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】転写部より下流での記録材の搬送性が良好で、且つ、記録材上の未定着の現像剤像が乱れる画像不良を防止することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、転写手段51と定着手段60との間に記録材Sの搬送方向と交差する軸線方向に沿って配置され、上記軸線方向において記録材Sの搬送領域以上の範囲で所定のピッチで複数の突起部71aを有し、転写手段51から搬送される記録材Sを除電するための除電手段71と、転写手段51と定着手段60との間で除電手段71よりも記録材Sの搬送方向下流側に配置され、記録材Sを搬送するための記録材搬送手段72とを有し、記録材搬送手段72の記録材搬送面Dは、転写手段51によって搬送される記録材Sの搬送軌跡aよりも下方に位置し、且つ、上記軸線方向において除電手段71の突起部71aと記録材搬送手段72の中心部が略一致する位置に配置する。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子写真方式或いは静電記録方式を用いて形成した現像剤像を記録材に転写した後定着させて記録画像を得る、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などの画像形成装置に関するものである。
従来、例えば電子写真方式を利用して画像を形成する複写機、プリンタなどの画像形成装置がある。斯かる画像形成装置では、像担持体としての電子写真感光体(感光体)を帯電させた後、その表面を画像情報信号に応じて露光して静電像を形成し、この静電像を現像剤を用いて現像剤像(トナー像)として現像する。そして、このトナー像を記録材に転写した後、加熱加圧するなどして定着して記録画像を得る。
又、例えば4色フルカラー画像を形成可能なカラー画像形成装置においては、例えば、第1の像担持体としての複数の感光体に色分解された画像情報信号に応じて形成されたトナー像を、第2の像担持体としての中間転写体(中間転写ベルトなど)に順次重ね合わせて一次転写し、その後、このトナー像を記録材に一括して二次転写する、中間転写方式の画像形成装置がある。
中間転写方式の画像形成装置は、例えば図6に示すように、記録材Sに転写するためのトナー像を形成する像形成手段Gは、第1の像担持体として複数の感光体221を有する画像形成部Pと、各感光体221から一次転写部T1においてトナー像が一次転写される中間転写体235と、を有する。画像形成部Pでは、周知の電子写真画像形成プロセスにて各感光体221にトナー像を形成する。そして、中間転写体235上に一次転写したトナー像は、二次転写部T2において二次転写手段251によって記録材Pに二次転写する。
この時、記録材Sは、記録材給送部から一枚ずつ分離して送り出され、レジストローラ対244で中間転写体235上のトナー像と同期をとって二次転写部T2へと給送される。中間転写体235からトナー像が転写された記録材Sは、二次転写部T2において中間転写体235から分離される。
中間転写体235から分離された、未定着のトナー像を担持した記録材Sは定着器260に導入され、加熱加圧されることによってその上にトナー像が溶融定着される。
二次転写部T2において、中間転写体235から静電的にトナー像を二次転写した後の記録材Sは、除電して中間転写体235から分離すると共に、その上に二次転写したトナー像を乱すことなく確実に定着器260へと搬送することが要求される。
記録材Sの搬送方向において二次転写部T2の下流側には、除電針などとされる除電手段271と、無終端ベルトなどとされる記録材搬送手段272とが設けられた分離搬送部270が配置されている。転写工程後に像担持体から記録材を分離するための分離手段として除電針を用い、又転写工程後に記録材を定着器へと搬送する被記録材搬送部を備える構成は、例えば、特許文献1に記載されている。
図7は、従来の画像形成装置における分離搬送部270の近傍の概略断面を示す。又、図8は、図7中矢印βから分離搬送部270を見た様子を示す。
分離搬送部270には、記録材Sの搬送方向において二次転写部T2と定着器260との間の長さよりも短い記録材(以下、「ショートメディア」という。)を搬送することを目的として、二次転写部T2の下流側に記録材搬送手段として無終端ベルトとされる記録材搬送ベルト(以下、単に「搬送ベルト」という。)272が設けられる。図示のように、搬送ベルト272は、記録材Sの搬送方向において、上流側、下流側の各搬送ベルト272a、272bに分離して設けられることがある。
従来、記録材Sを確実に搬送するために、図7に示すように、搬送ベルト272の搬送面Dが、記録材Sの搬送軌跡aとオーバラップするか、或いは搬送ベルト272の搬送面Dが記録材Sの搬送軌跡aと接するように配置されていた。
一方、分離搬送部270には、中間転写体235から記録材Sを分離し、且つ、帯電している記録材Sを除電して、トリ足画像(記録材上のトナー像が、放電模様で乱された画像。記録材が剥離する際に、その剥離対象との間で放電現象が発生し、記録材上のトナー像を乱す現象と考えられる。)、水玉画像(記録材上のトナー像の一部が白く略円形に抜ける現象。除電針等から、記録材の裏に過剰に電荷が入り、記録材の表のトナー像が周囲に拡散する現象と考えられる。)などとよばれる画像不良の発生を防止する目的で、除電手段として、接地或いは二次転写手段の出力と逆極性の電圧が印加された除電針271が二次転写部T2の下流側に設けられている。除電針271は、これを支持枠体などに取り付けるための基部271bから、複数の突起部271aが記録材Sの設計上の正規の搬送軌跡a側に突出して形成される。
図8に示すように、記録材の搬送性能を向上させようとして、従来、搬送ベルト272aの位置に除電針の突起部271aが配置されていない構成になっていることが多かった。又、除電針271の配置は、帯電する記録材Sの位置、二次転写部T2の位置などに大きく依存しているため、一般に、トリ足画像、水玉画像を発生させないための除電針71の配置には制限がある。
一般的に、二次転写部T2で中間転写体235と二次転写ローラ51とで挟持搬送される記録材Sが、図7中矢印b方向、或いは矢印c方向、即ち、図7中二点鎖線aにて示す記録材Sの正規の搬送軌跡よりも鉛直方向上方又は下方に搬送されると、除電針271の除電効果を充分に得ることができず、二次転写工程後に記録材Sと周囲の部材との間での異常放電により上記水玉画像やトリ足画像などの画像不良が発生することは公知の事実である。
又、従来、転写部での像担持体と転写手段との周速差を設定できることで画像中抜けや画像濃度薄を解決する目的で、像形成手段Gから記録材Sにトナー像を転写させる転写手段として用いられるローラも、記録材Sに転写すべきトナー像を担持する像担持体も、両方とも別の駆動源によって回転駆動している。即ち、図示の例では、二次転写手段251として用いられるローラと、中間転写体235とは、各々に駆動源によって回転駆動される。
しかしながら、従来、二次転写部T2を通過した記録材Sを効果的に除電して中間転写体235から分離し、且つ、上記水玉画像やトリ足画像、或いは搬送ベルト272が記録材Sの非転写面(裏面)を擦ることで生じる未定着トナー像のベルト擦れ痕(以下、「搬送ベルト痕」という。)などの記録材S上の未定着トナー像が乱れることによる画像不良を発生させることなく、しかも、ショートメディアの搬送性をも損なわずに定着器260へと導入するという観点で、未だ満足行くものではなかった。
従来、搬送ベルト痕、トリ足画像、水玉画像が発生せず、且つ、ショートメディアの搬送性が良好な位置に、記録材Sを二次転写部T2から精度良く搬送することが極めて困難であり、潜在的にこれらの不良画像が発生する要因を持っていた。
尚、ここでは中間転写方式の画像形成装置を例に説明したが、像形成手段Gが、単一の像担持体を備える単色の画像形成装置が備える分離搬送部であっても同様である。
特開平7−287451号公報
本発明の目的は、記録材への現像剤の転写部より下流での記録材の搬送性が良好で、且つ、記録材上の未定着の現像剤像が乱れることによる画像不良を良好に防止することのできる画像形成装置を提供することである。
又、本発明の他の目的は、転写部から記録材を、その上の未定着の現像剤像が乱れることによる画像不良が発生しない位置に精度良く搬送することのできる画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、第1の本発明は、像担持体に形成した現像剤像を転写手段にて記録材の表面に静電的に転写した後、定着手段にて定着させて記録画像を得る画像形成装置において、前記転写手段と前記定着手段との間に記録材の搬送方向と交差する軸線方向に沿って配置され、少なくとも前記軸線方向において記録材の搬送領域以上の範囲において所定のピッチで複数の突起部を有する、前記転写手段から搬送される記録材を除電するための除電手段と;前記転写手段と前記定着手段との間で前記除電手段よりも記録材の搬送方向下流側に配置され、記録材を搬送するための記録材搬送手段と;を有し、前記記録材搬送手段の記録材搬送面は、前記転写手段によって搬送される記録材の搬送軌跡よりも下方に位置し、且つ、前記軸線方向において前記除電手段の前記突起部と前記記録材搬送手段の中心部が略一致する位置に配置されることを特徴とする画像形成装置である。本発明の一実施態様によると、画像形成装置は更に、記録材の搬送方向において前記転写手段の上流側に配置され、前記転写手段に向けて記録材を搬送するための転写前搬送手段を有し、前記転写前搬送手段の記録材搬送速度が、前記像担持体に当接してニップを形成する前記転写手段の記録材搬送速度に対して100〜102%である。
第2の本発明によると、像担持体に形成した現像剤像を転写手段にて記録材の表面に静電的に転写した後、定着手段にて定着させて記録画像を得る画像形成装置において、記録材の搬送方向において前記転写手段の上流側に配置され、前記転写手段に向けて記録材を搬送するための転写前搬送手段と;前記転写手段と前記定着手段との間に記録材の搬送方向と交差する軸線方向に沿って配置され、少なくとも前記軸線方向において記録材の搬送領域以上の範囲において所定のピッチで複数の突起部を有する、前記転写手段から搬送される記録材を除電するための除電手段と;前記転写手段と前記定着手段との間で前記除電手段よりも記録材の搬送方向下流側に配置され、記録材を搬送するための記録材搬送手段と;を有し、前記記録材搬送手段の記録材搬送面は、前記転写手段によって搬送される記録材の搬送軌跡よりも下方に位置し、且つ、前記軸線方向において前記除電手段の前記突起部と前記記録材搬送手段の中心部が略一致する位置に配置され、前記転写前搬送手段の記録材搬送速度が、前記像担持体に当接してニップを形成する前記転写手段の記録材搬送速度に対して100〜102%であることを特徴とする画像形成装置が提供される。
上記各本発明の一実施態様によると、前記転写手段は、前記像担持体の表面移動に従動するローラである。
上記各本発明の他の実施態様によると、前記記録材搬送手段は、前記軸線方向において所定のピッチで複数個配置され、該記録材搬送手段のピッチと、前記除電手段の突起部のピッチとの関係が略整数倍である。一実施態様では、前記除電手段の前記突起部は、3mm以上7mm以下のピッチで配置される。
本発明において、前記像担持体は、電子写真感光体又は中間転写体であってよい。
本発明によれば、記録材への現像剤の転写部より下流での記録材の搬送性が良好で、且つ、記録材上の未定着の現像剤像が乱れることによる画像不良を良好に防止することができる。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
[画像形成装置の全体構成]
先ず、本実施例の画像形成装置の全体構成について概略説明する。図1は、本実施例の画像形成装置100の概略構成を示す。本実施例の画像形成装置100は、装置本体Aに対して通信可能に接続されたパーソナルコンピュータなどの外部機器からの画像情報信号に応じて、記録材S、例えば、記録用紙、OHPシート、布などに電子写真方式を用いて4色フルカラー画像を形成することのできるカラーレーザビームプリンタである。
画像形成装置100は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色用毎に一定速度で回転する、第1の像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(感光体)21を有する画像形成部PY、PM、PC、PKと、各画像形成部PY、PM、PC、PKで形成され一次転写されたトナー像を保持し、記録材給送部から給送された記録材Sに更に二次転写するための中間転写体35とを有する。そして、中間転写体35からトナー像が転写された記録材Sを定着器60へ搬送して、ここで未定着のトナー像を記録材Sに定着し、排出ローラ群81、82、83によって装置本体Aの上面の排出部たる排出トレイ84上へ排出する。
次に、本実施例の画像形成装置100の各部の構成について順次詳細に説明する。尚、本実施例では、各画像形成部PY、PM、PC、PKの構成は、用いる現像剤の色が異なることを除けば、基本的に同一であるので、以下、特に区別を要しない場合は、各色用の画像形成部に属する要素であることを表すように図中符号に与えた添え字Y、M、C、Kは省略し、総括的に説明する。
[第1の像担持体]
第1の像担持体としての感光体21は、後述する現像器20の容器24と一体的にプロセスカートリッジBとしてカートリッジ化され、画像形成装置本体Aに対して着脱自在とされている。そして、感光体21の寿命或いは現像剤の消尽に合わせて容易にユニット交換可能である。本実施例では感光体21はアルミシリンダーの外側に有機光導電体層を塗布して構成し、容器24に回転自在に支持されている。又、図1の紙面奥側の一方端に図示しない駆動モーターの駆動力を伝達することにより、感光体21を画像形成動作に応じて図示反時計回りに回転させるようにしている。
[帯電手段]
帯電手段としては、感光体21に接触して回転可能なローラ状の帯電ローラ23(ローラ帯電方法)を用いた。この帯電ローラ23に、電圧印加手段(図示せず)により所定の帯電バイアス電圧を印加して感光体21の表面を一様に帯電させる。
[露光手段]
感光体21の露光は、スキャナー部1から行う。画像信号がレーザダイオードに与えられると、このレーザダイオードは画像信号に対応する画像光Lをポリゴンミラー13へ照射する。このポリゴンミラー13は、スキャナーモータ(図示せず)によって高速回転し、ポリゴンミラー13で反射した画像光Lが、反射ミラー12などの光学系を介して、一定速度で回転する感光体21の表面を選択的に露光する。その結果、感光体21上に静電像が形成される。
[現像手段]
現像手段としての現像器20は、感光体21上に形成された静電潜像を可視像化するために、現像剤としてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーをそれぞれ容器24内に収容している。現像器20は、感光体21に対向する容器24の開口部に位置して、現像剤担持体としての現像ローラ22を有する。現像ローラ22が感光体21に対し回転しながら接触することで、容器24内の各色のトナーを、静電像に応じて感光体21へと供給し、可視像(トナー像)を形成する。
[第2の像担持体]
第2の像担持体としての中間転写体35は、各現像器20により可視化された感光体21上のトナー像を一次転写するために感光体21の外周速度と同期して図示時計回りに回転する。例えば、4色フルカラー画像の形成動作時には、各感光体21上に形成されたトナー像は、一次転写手段として電圧印加手段(図示せず)より電圧を印加された一次転写ローラ34との接点である一次転写部T1で、中間転写体35上に多重転写(一次転写)される。中間転写体35は、各感光体21からトナー像の多重転写を受けた後、二次転写部T2において二次転写手段として電圧印加手段(図示せず)より電圧を印加された2次転写ローラ51との間に記録材Sを挟み込み搬送することにより記録材Sにその上のトナー像を一括して二次転写する。
本実施例では、中間転写体35はシームレスベルト(中間転写ベルト)で形成されており、駆動ローラ31、二次転写対向ローラ32、テンションローラ33の3軸で張架され、テンションローラ33の両端をばねで荷重し、中間転写体35の周長が装置本体A内の温湿度や経時変化により変化しても、変化量を吸収できるように構成されている。
中間転写体35の内側において、中間転写体35の走行方向に略直交する方向の片側縁部全周には、ガイドリブ(図示せず)が接着剤により貼り付けられて突起している。そして、テンションローラ33の、長手方向(中間転写体35の走行方向と略直交する方向)片側端部には、勾配を持ち、樹脂で形成したフランジ(図示せず)が配置されている。これらガイドリブとフランジで、中間転写体35の走行方向に略直行する方向の動き(寄り)を規制している。
中間転写体35は、装置本体Aに駆動ローラ31を支点とし支持され、駆動ローラ31の図1の紙面奥側の一方端に図示しない駆動モーターの駆動力を伝達することにより、中間転写体35を画像形成動作に応じて図示時計回りに回転させる。
[プロセスカートリッジ]
各色用の画像形成部PY、PM、PC、PKが備えるプロセスカートリッジBは、本実施例では、画像形成装置本体Aに対して個別に着脱可能に構成されている。プロセスカートリッジBは、装置本体Aが備える装着ガイド、位置決め部材などとされる装着手段50を介して取り外し可能に装置本体Aに装着される。
[記録材給送部]
記録材給送部は、像形成手段から記録材Sへのトナー像の転写部、本実施例では中間転写体35から記録材Sへのトナー像の二次転写部T2へ記録材Sを給送するものであり、主に複数枚の記録材Sを収納した記録材収容部たるカセット7、送給ローラ41、分離パッド42、中間搬送ローラ対45、送給ガイド(ガイド板)43、レジストローラ対(転写前搬送手段)44を有して構成される。画像形成時には、送給ローラ41が画像形成動作に応じて駆動され回転し、カセット7内の中板7a上に積載された記録材Sを一枚ずつ分離給送すると共に、送給ガイド43によってガイドし、中間搬送ローラ45を経由してレジストローラ44へと至らしめる。画像形成動作中にレジストローラ44は、記録材Sを静止待機させる非回転の動作と記録材Sを中間転写体35に向けて搬送する回転の動作とを所定のシーケンスで行い、次工程である転写工程時の画像と記録材Sとの位置合わせを行う。
[二次転写部]
二次転写部T2は、中間転写体35と、二次転写手段としての二次転写ローラ51との当接部(ニップ部)である。本実施例では、二次転写ローラ51は、金属軸を中抵抗発泡弾性体で巻いてあり、図示略上下方向に移動可能で且つ同方向への駆動を有する。記録材Sにトナー像を転写するタイミングに合わせて二次転写ローラ51は記録材Sを介して中間転写体35に所定の圧力で押しつけられる。この時、同時に二次転写ローラ51には二次転写バイアス電圧が印加され、中間転写体35上のトナー画像は記録材Sに二次転写される。
ここで、本実施例では、中間転写体35が上述のようにして駆動され、一方二次転写ローラ51は中間転写体35に対して従動で回転する。そして、両者に挟まれた状態の記録材Sは転写工程が行われると同時に、詳しくは後述する除電手段71、記録材搬送手段72が設けられた分離搬送部70に向けて図示左方向に所定の速度で搬送される。こうして、記録材Sは、記録材搬送手段72を介して次工程である定着器60に向けて搬送される。
[定着手段]
定着手段としての定着器60は、記録材S上に二次転写したトナー像を加熱・定着させる。定着器60は、記録材Sに熱を加えるためのセラミックヒータを内蔵しているフィルムガイドユニット61と記録材Sをフィルムガイドユニット61に圧接させるための加圧ローラ62とを有する。即ち、トナー像を保持した記録材Sは、フィルムガイドユニット61と加圧ローラ62とにより挟持搬送されると共に熱及び圧力を加えられることにより、その上にトナーが定着される。
[画像形成動作]
次に、上記構成の画像形成装置100による画像形成動作について説明する。
先ず、給紙ローラ41を回転して給紙カセット7内の記録材Sを一枚分離し、レジストローラ44へと搬送する。一方、感光体21と中間転写体35とが各々所定の外周速度(プロセス速度)で図示矢印方向へ回転する。そして、帯電ローラ23によって表面を均一に帯電された感光体21はレーザ露光Lを受ける。例えば、4色フルカラー画像の形成動作(フルカラーモード)時には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各画像形成部PY、PM、PC、PKは次のように動作する。
イエロー画像の形成:
イエロー画像形成部PYのスキャナー部1Yによりイエロー画像情報信号に応じて発されたレーザ光Lを、感光体21Yに照射し、感光体21Y上にイエロー画像情報に応じた静電像を形成する。この静電像の形成と同時にイエロー現像器20Yを駆動し、感光体21Y上の静電像にイエロートナーが付着するように、感光体21Yの帯電極性と同極性で略同電位の電圧を現像ローラ22に印加してイエロートナーにより現像を行う。同時に現像ローラ22Yが感光体21Yに当接する現像部の下流の一次転写部T1Yで、感光体21Y上のイエロートナー像を中間転写体35の外周に一次転写する。この時、中間転写体35には、一次転写ローラ34Yに上記イエロートナーと逆特性の電圧を印加して一次転写を行う。
マゼンタ画像の形成:
次いで、中間転写体35の外周のイエロートナー像と先端が一致するように、マゼンタ画像形成部PMのスキャナー部1Mにより、マゼンタ画像情報信号に応じて発されたレーザ光Lの感光体21M上への照射がスタートされる。その後、上記イエロー画像の場合と同様にして、感光体21M上の静電像をマゼンタトナーにより現像し、感光体21M上にマゼンタトナー像を形成する。そして、このマゼンタトナー像を、一次転写部T1Mにて、中間転写体35上にイエロートナー像に重ねて一次転写する。
シアン画像の形成:
次いで、中間転写体35の外周のイエロー及びマゼンタの各トナー像と先端が一致するように、シアン画像形成部PCのスキャナー部1Cにより、シアン画像情報信号に応じて発されたレーザ光Lの感光体21Cへの照射がスタートされる。その後、上記イエロー及びマゼンタ画像の場合と同様にして、感光体21C上の静電像をシアントナーにより現像し、感光体21C上にシアントナー像を形成する。そして、このシアントナー像を、一次転写部T1Cにて、中間転写体35上にイエロー及びマゼンタの各トナー像に重ねて一次転写する。
ブラック画像の形成:
最後に、中間転写体35の外周のイエロー、マゼンタ及びシアンの各トナー像と先端が一致するように、ブラック画像形成部PKのスキャナー部1Kにより、ブラック画像情報信号に応じて発されたレーザ光Lの感光体21Kへの照射がスタートされる。その後、上記イエロー、マゼンタ及びシアン画像の場合と同様にして、感光体21K上の静電像をブラックトナーにより現像し、感光体21K上にブラックトナー像を形成する。そして、このブラックトナー像を、一次転写部T1Kにて、中間転写体35上にイエロー、マゼンタ及びシアンの各トナー像に重ねて一次転写する。
以上のように、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で静電像の形成、現像及び中間転写体35への1次転写を行い、中間転写体35の表面にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種のトナーから成るフルカラーの画像を形成する。
そして、ブラックトナーの中間転写体35への転写が終了する前に、即ち、4色目のブラックトナーの一次転写を終えて、中間転写体35に形成されたフルカラートナー像の先端が二次転写部T2へ到達する前に、先述のレジストローラ44で待機させておいた記録材Sの搬送を、タイミングを合わせてスタートさせる。又、同時に、中間転写体35上への各色トナー像の形成時には下方に待機し、中間転写体35と非接触状態であった二次転写ローラ51を、カム(図示せず)で上方に移動させて二次転写部T2にて記録材Sを中間転写体35に圧接させる。又、同時に、二次転写ローラ51にトナーと逆特性のバイアスを印加する。これにより、中間転写体35上のフルカラートナー像を4色同時に記録材Sに二次転写する。
尚、単色のみの画像形成(単色モード)時には、上述のような帯電、露光、一次転写の各工程は、目的の色についてのみ行われる。
二次転写部T2を経た記録材Sは、中間転写体35から剥離され定着器60へ搬送され、ここで記録材Sに対してトナー像を定着させる。その後、記録材Sは、排出ローラ対81、82、83を介して装置本体Aの上部に設けられた排出トレイ84上へ画像面を下向きにして排出され、画像形成動作を終了する。
[分離搬送部]
次に、図2〜図4をも参照して、本発明にて最も特徴的な、二次転写部Tより記録材Sの搬送方向下流側に設けられた分離搬送部70について説明する。
図2は、装置本体A内の二次転写部T2及び分離搬送部70の近傍を示す概略斜視図である。図3は、二次転写部T2、分離搬送部70の近傍の概略断面を示す。図4は、図3中矢印α方向から分離搬送部70を見た様子を示す。
図2及び図3を参照して、二次転写部T2は、中間転写体35を挟んだ二次転写対向ローラ32と二次転写手段51との対向部に形成される。テンションローラ33は、中間転写体35に駆動をかけるための張力を発生させる。レジストローラ44は、二次転写ニップT2に記録材Sを搬送する。レジストローラ44によって送り出された記録材Sは、転写前ガイド群46によって二次転写ニップT2に導かれる。二次転写部T2において、記録材Sは中間転写体35に吸着して、二次転写ローラ51の作用によって中間転写体35からトナー像が二次転写される。
そして、二次転写部T2にてトナー像が転写された記録材Sは、分離搬送部70に設けられた除電手段としての除電針71を接地するか、或いは除電針71に二次転写ローラ51の出力と逆極性の電圧を印加することで、中間転写体35の表面から分離される。二次転写部T2から分離された記録材Sは、分離搬送部70が備える記録材搬送手段としての搬送ベルト72(72a、72b)、転写後ガイド73によって定着器60へと導入される。
分離搬送部70は、像形成手段Gから記録材Sにトナー像を転写する転写部、即ち、本実施例では中間転写体35から記録材Sにトナー像を二次転写する二次転写部T2より、記録材Sの搬送方向下流側において、二次転写部T2と定着器50との間に設けられており、除電手段、記録材搬送手段の保持部材たる分離搬送ユニット枠体70aに、二次転写ローラ51と定着器60との間の長さよりも短い記録材Sを搬送するための搬送ベルト72と、二次転写ローラ51から搬送される記録材Sを除電するための除電針71とを有する。そして、本実施例では、搬送ベルト72の搬送面Dは、二次転写ローラ51によって搬送される記録材Sの搬送軌跡aよりも鉛直方向下方に位置する。又、除電針71は、少なくとも記録材Sの搬送方向に交差する軸線方向、本実施例では記録材Sの搬送方向に略直交する方向における記録材Sの搬送領域R(図4参照)以上の範囲において所定のピッチで複数の突起部71aを有し、且つ、除電針71の突起部71aと記録材Sの搬送方向に略直交する方向における搬送ベルト72の中心部が略一致する位置に配置される。
ここで、搬送ベルト(記録材搬送手段)72の搬送面とは、記録材Sに対する接触点で規定される面であって、例えば、搬送ベルト72の外周に搬送用の突起などが設けられている場合には、この複数の突起の記録材Sに対する接点で形成される面をいう。
搬送軌跡aは、二次転写部T2にて中間転写体35と二次転写ローラ51とで挟持されて搬送されている記録材Sが辿る経路である。
又、記録材Sの搬送領域Rとは、画像形成装置100が画像形成可能な記録材Sのうち、その搬送方向に略直交する方向における長さが最大である記録材Sの、同方向における長さに相当する。
更に説明すると、分離搬送部70は、記録材搬送手段たる搬送ベルト72として、記録材Sの搬送方向において上流側に設けられた第1の搬送ベルト72aと、下流側に設けられた第2の搬送ベルト72bとを有する。図2に示すように、第1の搬送ベルト72aは、記録材Sの搬送方向に対して略直交する方向に複数配置されている。詳しくは後述するが、第1の搬送ベルト72aは、記録材Sの搬送方向と略直交する方向に所定のピッチで、記録材Sの搬送領域Rの中央よりに設けられている。第2の搬送ベルト72bは、記録材Sの搬送方向に略直交する方向に複数配置されている。第2の搬送ベルト72bは、記録材Sの搬送方向に略直交する方向において、同方向における第1の搬送ベルト72aの設けられた領域よりも更に中央よりに所定の間隔で設けられている。即ち、本実施例では、記録材Sの搬送方向の中央よりに搬送される、同方向の長さが短い記録材S、例えば、ショートメディアをより確実に定着器60へと搬送し得るようになっている。
又、記録材Sの搬送方向において、第2の搬送ベルト72bの略中間から下流へと、第2の搬送ベルト72bの搬送面Dよりも鉛直方向上方に向かって漸次突出する転写後ガイド73が設けられている。転写後ガイド73は、分離搬送ユニット枠体70aに記録材Sの搬送方向に略直交する方向に複数条突起するリブ73aで形成される。
第1の搬送ベルト72aは、記録材Sの搬送方向において上流側及び下流側の2つのプーリ(上流側プーリ72a1、下流側プーリ72a2)に掛け回されている。いずれのプーリも分離搬送ユニット枠体70aに回転可能に支持されている。本実施例では、第1の搬送ベルト72aは、幅3mm、周長38mmであり、断面略長円状に上流側及び下流側プーリ72a1、72a2に巻回されている。又、第1の搬送ベルト72aは、記録材Sの搬送方向と略直交する方向に沿う突起72a3を、その外周に沿って所定間隔で有し、その頂点が搬送面Dを規定する。第1の搬送ベルト72aは、記録材Sの搬送方向に略直交する方向において、8個設けられている。
又、第2の搬送ベルト72bは、記録材Sの搬送方向において上流側及び下流側の2つのプーリ(上流側プーリ72b1、下流側プーリ72b2)に掛け回されている。いずれのプーリも分離搬送ユニット枠体70aに回転可能に支持されている。本実施例では、第2の搬送ベルトは、幅5mm、周長140mmであり、断面略長円状に上流側プーリ72b1、72b2に巻回されている。第2の搬送ベルト72bは、略一様に平坦な外周面を有する。第2の搬送ベルト72bによる搬送面Dは、第1の搬送ベルト72aの突起72a3以外の部位と略同一平面上にあり、即ち、第1の搬送ベルト72aの突起72a3で形成される搬送面Dよりも鉛直下方に位置する。このように、本実施例では、第2の搬送ベルト72bに関しても搬送面Dは、記録材Sの搬送軌跡aよりも鉛直下方に位置する。但し、搬送ベルト(記録材搬送手段)72が記録材Sの搬送方向において上流側、下流側で複数に分離されている場合には、そのうち少なくとも除電手段に最も近接する搬送ベルト、典型的には記録材Sの搬送方向最上流の搬送ベルトの搬送面Dを記録材Sの搬送軌跡aよりも下方に配置する。好ましくは、記録材Sの搬送方向上下流のいずれの搬送ベルト72の搬送面Dも記録材Sの搬送軌跡aよりも下方に配置する。第2の搬送ベルト72bは、記録材Sの搬送方向に略直交する方向において、2個設けられている。
尚、本実施例では、複数の第1の搬送ベルト72a用の下流側プーリ72a2は同じ回転軸に固定されており、図3中矢示反時計方向に同期して回転する。又、第2の搬送ベルト72b用の上流側プーリ72b1は、第1の搬送ベルト72a用の下流側プーリ72a2の回転軸に固定されており、同軸的に同期して回転する。これにより、第1の搬送ベルト72aと第2の搬送ベルト72bとは、記録材Sの搬送方向において連続して記録材Sを搬送する。本実施例では、第2の搬送ベルト用の下流側プーリ72b2に図示せぬ駆動源からの回転駆動力が伝達され、第1、第2の搬送ベルト72a、72bが回転駆動される。
このように、記録材Sの搬送方向において、所定幅の搬送ベルト72(72a、72b)を設けることによって、例えば、記録材Sの搬送領域Rの全域にわたるベルトを用いる場合と比べて、ベルトを張架・搬送するローラーの平行が確保できていなくても、ベルトに歪みが生じにくく、結果として記録材を安定的に搬送することができる点で有利である。
そして、本発明によれば、中間転写ベルト35と二次転写ローラ51とで挟持して搬送される記録材Sは、図3中二点鎖線にて示す搬送軌跡aを通り搬送される。図3に示すように、第1、第2の搬送ベルト72a、72bは、記録材Sの搬送軌跡aよりも下方に配置されている。このため、記録材Sが中間転写体35と二次転写ローラ51で形成する二次転写ニップT2によって搬送されている間は、第1、第2の搬送ベルト72a、72bと記録材Sとは接触しない。
その後、記録材Sの搬送方向先端が、転写後ガイド73に接触すると、記録材Sは、その搬送方向において、転写後ガイド73に沿って湾曲され、定着器60へと差し向けられる。
又、記録材Sの後端が二次転写ニップT2を通過すると、記録材Sは重力によって落下し、記録材Sの後端が搬送ベルト72の上に乗る。そして、記録材Sの後端を第1の搬送ベルト72a、次いで第2の搬送ベルト72bが押すことによって、記録材Sは定着器60へと搬送される。
このように、記録材Sが二次転写部T2で中間転写体35と二次転写ローラ51とによって挟持搬送されている間中、常に記録材Sの非転写面を搬送ベルト72(72a、72b)が押すのではなく、二次転写部T2を通過した後に記録材Sの後端のみを搬送ベルト72が押すことによって、未定着のトナー画像を乱すことなく定着手段へ搬送することが可能になる。その結果、搬送ベルト72が記録材Sの非転写面(裏面)を擦ることによって記録材S上の未定着画像にベルト擦れ痕が発生することを防止することができる。
又、記録材Sが二次転写部T2と定着器60との間の長さよりも短いショートメディアである場合にも、定着器60まで記録材Sを搬送するために、記録材Sの非転写面全面を搬送ベルト72で押す必要はなく、後端のみを押せば定着器60へ搬送することができる。このため、ショートメディアの搬送性も損ねることはない。
但し、搬送ベルト72の搬送面Dは、極端に記録材Sの搬送軌跡aよりも下方に配置すると、ショートメディアの搬送性が悪くなる虞がある。本発明者の検討では、ショートメディアの搬送性を損なうことなく、搬送ベルト痕を防止するには、設計上の正規の搬送軌跡aと搬送面Dとの垂直距離で0.3mm〜1.5mm程度、より好ましくは、0.3mm〜0.7mmとなるように搬送面Dを搬送軌跡aより鉛直下方に設定することで好結果が得られる。
一方、分離搬送部70は、二次転写部T2と搬送ベルト72(72a、72b)の間に、除電手段として導電材料で形成された除電針71が配置されている。除電針71は、図4に示すように、除電針71を支持枠体、本実施例では、搬送ベルト72(72a、72b)を支持し、転写後ガイド73が形成された分離搬送ユニット枠体70aに取り付けるための、記録材Sの搬送方向に略直交する方向に連続する長尺の基部71bを有する。そして、この基部71bから、複数の突起部71aが、記録材Sの搬送軌跡a側に突出して形成される。除電針71は、突起部71aの先端が記録材Sの搬送軌跡aに対して所定間隙(本実施例では、0.5mm)を有するように配設されている。そして、本実施例では、この除電針71に図示を省略した電圧印加手段から、二次転写ローラ51の出力と逆極性の電圧を印加して、二次転写部T2において二次転写バイアス電圧で帯電した記録材Sの帯電電荷を打ち消すようにして除電する。
ここで、搬送ベルト痕、水玉画像、トリ足画像などの画像不良を防止するためには、搬送ベルト72(72a、72b)に侵入する前に、除電針71により充分に記録材Sを除電することが重要である。
図4に示すように、除電針71の突起部71aは、記録材Sの搬送領域R以上の範囲に所定のピッチで複数本設けられている。これにより、記録材Sの搬送方向に略直交する方向の全域で、良好な除電効果を得ることができる。
そして、記録材Sの搬送方向に略直交する方向において、同方向に所定幅で複数個設けられた第1の搬送ベルト72aの位置にも、除電針71の少なくとも1つの突起部71aを配置する。これにより、記録材Sの搬送方向に略直交する方向において、第1の搬送ベルト72aの位置での記録材Sの除電不足が発生することがない。このため、第1の搬送ベルト72の位置でのトリ足画像、水玉画像、搬送ベルト痕などの画像不良の発生を防ぐことができる。
更に説明すると、記録材Sの搬送方向に略直交する方向における第1の搬送ベルト72aの中心と、除電針71の突起部71aの同方向の中心が略同一位置になっている。このように、記録材Sの搬送方向に略直交する方向において、第1の搬送ベルト72aの中心と除電針71の突起部71aとを略同一位置とすることで、搬送ベルト位置における水玉画像、トリ足画像、搬送ベルト痕を発生させない効果がある。
ここで、第1の搬送ベルト72aの中心と除電針71の突起部71aの中心が一致していない場合には、第1の搬送ベルト72aの幅方向で電気特性のムラが生じ、第1の搬送ベルト72aのある領域の一部にやはり、トリ足画像、水玉画像、搬送ベルト痕が発生する要因となる。第1の搬送ベルト72aの中心と除電針71の突起部71aの中心を略一致させることによって、第1の搬送ベルト72aの位置での記録材Sの電気特性均等にし、安定して良好な画像を得ることが可能となる。
更に、本実施例では、図4に示すように、記録材Sの搬送方向に略直交する方向における除電針71の突起部のピッチXdと、第1の搬送ベルト72aの配置ピッチX1、X2は、それぞれ、
1=2・Xd、X2=3・Xd
の関係になっている。ここで、第1の搬送ベルト72aの配置ピッチX1は、記録材Sの搬送領域Rにおいて外側よりに3個ずつ設けられた6個の第1の搬送ベルト72aの配置ピッチである。配置ピッチX2は、上記配置ピッチX1で記録材Sの搬送領域Rの外側よりに3個ずつ設けられた第1の搬送ベルト72aより、記録材Sの搬送領域において中央よりに設けられた2個の第1の搬送ベルト72aの間隔である。
本実施例では、X1は10mm、X2は15mmに設定した。この除電針71の突起部71aのピッチX1、X2は、3mm以上7mm以下とすることが好ましい。3mmより小さいと水玉画像が発生し易くなり、又、7mmより大きいとトリ足画像が発生し易くなる虞がある。
除電針71の突起部71aのピッチXdと、第1の搬送ベルト72aの配置ピッチX1、X2とが整数倍の関係になることによって、複数ある除電針71の突起部71aと、複数ある第1の搬送ベルト72aの幅中心を容易に一致させることが可能となる。その結果、第1の搬送ベルト72aが複数ある場合であっても、トリ足画像、水玉画像、搬送ベルト痕などの不良画像のない高画質な転写画像を定着器60に搬送することが可能となる。
ところで、第2の搬送ベルト72bについては、除電針71の突起部71aを阻害しないほど記録材Sの搬送方向下流側に存在するためであるため、除電針71の突起部71aとの配置関係は、上述のような第1の搬送ベルト72aに対するように設定しなくともよい。
上記構成とすることによって、ショートメディアの搬送性を損なうことなく、且つ、搬送ベルト痕、トリ足画像、水玉画像などの画像不良を極めて良好に防止することができる。
更に、本実施例においては、二次転写ローラ51には回転駆動はかかっておらず、中間転写体35が回転することによって、中間転写体35に押圧された二次転写ローラ51が回転する従動構造となっている。
つまり、従来、二次転写ローラと中間転写体とを共に駆動することによって、二次転写ローラの駆動側と非駆動側(つまり、記録材Sの搬送方向に略直交する方向)で二次転写圧(中間転写体に対する二次転写ローラの当接圧)のアンバランスが発生する要因となったり、耐久末期で二次転写ローラの回転トルクが増大し、二次転写圧の圧バランスが崩れる結果、記録材Sが幅方向において高さが傾くこととなるために記録材Sの搬送方向に略直交する方向で部分的にトリ足画像や水玉画像が発生する要因となっていた。
これに対して、本実施例では、二次転写ローラ51を中間転写体35に対して従動にすることによって、二次転写ローラ51の長手方向(記録材Sの搬送方向に略直交する方向)の駆動側と非駆動側で、二次転写圧(中間転写体35に対する二次転写ローラ51の当接圧)のアンバランスが発生することがない。又、耐久末期で二次転写ローラ51の回転トルクが増大し、二次転写圧のバランスが崩れることで従来起こることがあった、記録材Sの搬送方向に略直交する方向において部分的に発生する水玉画像、トリ足画像を、二次転写ローラ51を中間転写体35に対して従動にすることで抑えることができる。
又、好ましくは、記録材Sの搬送方向において二次転写部T2の上流側に位置するレジストローラ対44は、中間転写体35の周速度(即ち、二次転写ローラ51の周速度(記録材搬送速度))(100%)に対して100%〜102%の周速度(記録材搬送速度)で回転するように設定する。
これによって、二次転写部T2とレジストローラ対44とで記録材Sが引っ張り合うことがなく、記録材Sが安定して中間転写体35のベルト面に沿って搬送される。その結果、二次転写部T2の下流の記録材Sの搬送軌跡aが安定し、更に良好に記録材Sを精度良く設計上の搬送軌跡aに通すこと可能となる。
尚、レジストローラ対44の周速が中間転写体35の周速度(100%)に対して100%より遅いと、レジストローラ対44が二次転写部T2との間で記録材Sを引っ張ることにより、二次転写部T2の下流の記録材Sの搬送軌跡aが安定しない。レジストローラ対44の周速が中間転写体35の周速度(100%)に対して102%を超えると、レジストローラ対44が記録材Sを二次転写部T2に押し込むこととなり部T2の下流の記録材Sの搬送軌跡aが安定しなくなる虞がある。
従来、ショートメディアの搬送性を損ねることなく、且つ、搬送ベルト痕、トリ足画像、水玉画像が発生しない用紙搬送軌跡の範囲は、非常に狭く、上流の転写手段の搬送条件も非常にシビアであった。
上述のように、レジストローラ対44と中間転写体35の周速を設定することで、二次転写部T2にて中間転写体35と二次転写ローラ51とで挟持搬送する搬送精度が向上し、安定して記録材Sを正規の搬送軌跡aを辿って搬送することができる。
尚、二次転写ローラ51を従動にしたことによる中抜け画像、画像濃度薄の発生が懸念される場合には、転写電圧や転写電流を中抜け画像、画像濃度薄の防止に有利な方向に設定することで解決することができる。又、上述のようにレジストローラ対44の周速度を、中間転写体35の周速度(100%)に対して100〜102%に設定することで、上記中抜け、画像濃度薄などの問題は発生しないことが確認された。
以上、本発明を実施例に則して説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。例えば、中間転写体を有する画像形成装置としては、それぞれ感光体を備えた複数の画像形成部を有するものに限定されるものではない。当業者には周知の通り、回転式現像装置を備え、単一の感光体に順次色分解された画像情報信号に応じて静電像を形成する毎に所望の色の現像剤を備えた現像手段でこれを現像し、順次中間転写体に一次転写して中間転写体上に複数種類の現像剤から成る多重トナー像を形成し、その後中間転写体から記録材にトナー像を二次転写する画像形成装置がある。本発明はこのような画像形成装置においても等しく適用可能であり、上記実施例と同じ効果を得ることができる。
又、上記実施例では、特に、像形成手段Gが画像形成部Pから一旦トナー像が転写される中間転写体35を有する中間転写方式の画像形成装置を例に説明したが、本発明は、像形成手段Gが、単一の像担持体を備える単色の画像形成装置においても適用し得るものであり、上記実施例と同じ効果を得ることができる。例えば、図5に示すように、像形成手段Gが像担持体としての単一の感光体21を有しており、帯電手段23で一様に帯電された感光体21の表面に画像情報に応じた光Lを照射して静電像を形成し、この静電像を現像手段22で現像剤を供給することでトナー像とする。こうして感光体21上に形成されたトナー像を転写手段51で記録材S上に転写する。トナー像が転写された記録材Sは、上記実施例と同様の分離搬送部70を経て定着器60に導入される。
本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略断面図である。 図1の画像形成装置の二次転写部、分離搬送部をより詳しく示す概略斜視図である。 図1の画像形成装置の二次転写部、分離搬送部をより詳しく示す概略断面図である。 図3中矢印α方向から見た分離搬送部の側面図である。 本発明を適用し得る画像形成装置の他の態様の概略構成を示す模式図である。 従来の画像形成装置の一例の概略構成を示す模式図である。 従来の画像形成装置の二次転写部、分離搬送部の概略断面図である。 図6中矢印β方向から見た従来の分離搬送部の側面図である。
符号の説明
21 感光体(第1の像担持体)
32 二次転写対向ローラ
33 テンションローラ
35 中間転写ベルト(第2の像担持体)
44 レジストローラ
46 転写前ガイド群
51 二次転写ローラ
60 定着器
70 分離搬送部
71 除電針
72 搬送ベルト
72a 第1の搬送ベルト
72b 第2の搬送ベルト
73 転写後ガイド
G 像形成手段
P 画像形成部
S 記録材

Claims (7)

  1. 像担持体に形成した現像剤像を転写手段にて記録材の表面に静電的に転写した後、定着手段にて定着させて記録画像を得る画像形成装置において、
    前記転写手段と前記定着手段との間に記録材の搬送方向と交差する軸線方向に沿って配置され、少なくとも前記軸線方向において記録材の搬送領域以上の範囲において所定のピッチで複数の突起部を有する、前記転写手段から搬送される記録材を除電するための除電手段と、
    前記転写手段と前記定着手段との間で前記除電手段よりも記録材の搬送方向下流側に配置され、記録材を搬送するための記録材搬送手段と、
    を有し、
    前記記録材搬送手段の記録材搬送面は、前記転写手段によって搬送される記録材の搬送軌跡よりも下方に位置し、且つ、前記軸線方向において前記除電手段の前記突起部と前記記録材搬送手段の中心部が略一致する位置に配置されることを特徴とする画像形成装置。
  2. 更に、記録材の搬送方向において前記転写手段の上流側に配置され、前記転写手段に向けて記録材を搬送するための転写前搬送手段を有し、前記転写前搬送手段の記録材搬送速度が、前記像担持体に当接してニップを形成する前記転写手段の記録材搬送速度に対して100〜102%であることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  3. 像担持体に形成した現像剤像を転写手段にて記録材の表面に静電的に転写した後、定着手段にて定着させて記録画像を得る画像形成装置において、
    記録材の搬送方向において前記転写手段の上流側に配置され、前記転写手段に向けて記録材を搬送するための転写前搬送手段と、
    前記転写手段と前記定着手段との間に記録材の搬送方向と交差する軸線方向に沿って配置され、少なくとも前記軸線方向において記録材の搬送領域以上の範囲において所定のピッチで複数の突起部を有する、前記転写手段から搬送される記録材を除電するための除電手段と、
    前記転写手段と前記定着手段との間で前記除電手段よりも記録材の搬送方向下流側に配置され、記録材を搬送するための記録材搬送手段と、
    を有し、
    前記記録材搬送手段の記録材搬送面は、前記転写手段によって搬送される記録材の搬送軌跡よりも下方に位置し、且つ、前記軸線方向において前記除電手段の前記突起部と前記記録材搬送手段の中心部が略一致する位置に配置され、前記転写前搬送手段の記録材搬送速度が、前記像担持体に当接してニップを形成する前記転写手段の記録材搬送速度に対して100〜102%であることを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記転写手段は、前記像担持体の表面移動に従動するローラであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  5. 前記記録材搬送手段は、前記軸線方向において所定のピッチで複数個配置され、該記録材搬送手段のピッチと、前記除電手段の突起部のピッチとの関係が略整数倍であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  6. 前記除電手段の前記突起部は、3mm以上7mm以下のピッチで配置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  7. 前記像担持体は、電子写真感光体又は中間転写体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の画像形成装置。
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