JP2005153868A - 折り畳み可能な手押し車および手押し車用接続部材 - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は、従来の手押し車の様に、フレームを構成する折り畳まれた杆を展開したとき、杆の端がフレームから突き出し、その端に衣類が引っ掛かり、また、杆とヒンジの間に衣類や指を挟むことがない、安全な手押し車を提供することにある。
【解決手段】２本のサイドフレームを有し、各サイドフレームが、1つの前方ストラット手段および最上方端で該前方ストラット手段に取り付けられた1つの後方ストラット手段、並びに前方および後方ストラット手段を連結する基部ストラット手段を有する折り畳み可能な手押し車において、前記前方ストラット手段は、接続手段により回転可能に接続された上方および下方部分を有し、該上方および下方部分は、前記接続手段により、折り畳まれた状態と展開された状態の間で互いに対して回転することができ、前記上方および下方部分は、手押し車が展開された状態にある時、平行かつ同一直線上にあることを特徴とする手押し車。
【選択図】図４

Description

本発明は、手押し車、特には折畳んで収納することができる、ベビーカー等の手押し車に関する。

ベビーカ等の従来の手押し車の構造は、連結杆で連結された２本のＡフレームから構成され、それら２本のフレームの間にシート（座席）が配置されている。各Ａフレームの2つの足の各々には車輪が取付けられ、各Ａフレームの傾斜側の1つは、その上部端で延びてハンドル手段を形成し、それにより手押し車を押すことができ、またＡフレームの３つの側の内の1つ（通常、ハンドルに延びる側）は、例えばバギーを折り畳んで収納することが出来る様にヒンジが取りつけられている。手押し車のデザインには、２本のＡフレームもまた一緒に折り畳めるものがあり、これは普通「傘畳み」（umbrella fold）と呼ばれる。
従来の手押し車は、杆１０Ａおよび１０Ｂは、杆１０Ａおよび１０Ｂの端が重なり合って、杆の端がフレームから突き出した様に接合され、その結果、衣類はこの杆の端に良く捕らえられたり引っ掛けられたりする。

したがって、本発明は、従来の手押し車の様に、フレームを構成する折り畳まれた杆を展開したとき、杆の端がフレームから突き出し、その端に衣類が引っ掛かり、また、杆とヒンジの間に衣類や指を挟むことがない、安全な手押し車を提供することにある。

本発明によれば、２本のサイドフレームを有し、各サイドフレームは、1つの前方ストラット（支柱）手段および最上方端で該前方ストラット手段に取り付けられた1つの後方ストラット手段、並びに前方および後方ストラット手段を連結する基部ストラット手段を有する、折り畳み可能な手押し車が提供され、この手押し車では、前方ストラット手段は、接続手段により回転可能に接続された上方部分（上部腕）および下方部分（下部腕）を有し、この上方および下方部分は、接続手段により、折り畳まれた状態と展開された状態の間で互いに対して回転することができ、上方および下方部分は、手押し車が展開された状態にある時、平行かつ同一直線上に（コリニアー）ある。

本発明の他の特徴によれば、２本のサイドフレームを有し、各サイドフレームが、1つの前方ストラット手段および最上方端で該前方ストラット手段に取り付けられた1つの後方ストラット手段、並びに前方および後方ストラット手段を連結する基部ストラット手段を有する、折り畳み可能な手押し車が提供され、該手押し車では、前方ストラット手段は、接続手段により回転可能に接続された上方および下方部分を有し、この上方および下方部分は、接続手段により、折り畳まれた状態と展開された状態の間で互いに対して回転することができ、前記接続手段は、フード、シェードまたは他の付属物を取り付けるための取りつけ手段を有する。

本発明のさらに他の特徴によれば、接続手段により回転可能に接続された上方および下方部分を有し、この上方および下方部分は、接続手段により、折り畳まれた状態と展開された状態の間で互いに対して回転することができる手押し車用の接続部材が提供され、前記上方および下方部分は、手押し車が展開された状態にあるとき平行かつ同一直線上にある。

本発明によれば、杆が、展開された位置から十分に回転すると、各杆の段付き面が各切り欠きのフラットな面と契合して、各バーが折り畳まれた位置から更に９０°以上回転しない様にブロックすることができる。また、各杆の端部の溝の基部は、２つの湾曲した面を有し、それらにより、ヒンジ本体の末端とぴたり一致し、手押し車が展開された位置にある時、杆１０Ａおよび１０Ｂは、互いにヒンジとぴたりと契合し、杆１０Ａおよび１０Ｂはヒンジを介して同一線状の直線を形成するため、ヒンジアセンブリは、衣類が捉えられる様な突出した端部を有さず、また、杆とヒンジの間に、衣類または指が閉じ込められる様なフィンガートラップがないため、安全である。

添付図面を参照して、本発明の手押し車に付いて以下に具体的に説明する。図面中、
図１は、手押し車の主要構成部品の概略側面図であり、
図２は、折り畳まれた配置のヒンジアセンブリの斜視図であり、
図３は、展開された配置のヒンジアセンブリの斜視図であり、
図４は、ヒンジアセンブリの分解図であり、
図５は、展開された配置のヒンジアセンブリの断面図であり、
図６は、フードが取り付けられた手押し車の概略側面図である。

図１は、基本的傘型手押し車の概略側面図で、Ａフレームを示す。この手押し車は、２つのＡフレームを有し、各側のＡフレームは、横ストラット手段で連接される。このフレームは、手押し車フレームの後方での標準“ミュージックスタンド”配置により、図１に示される形状（展開された位置）にロックすることができる。

各フレームは、前方傾斜杆１０、後方傾斜杆１１および基部杆１２から構成されている。前方後方杆１０および１１は、図に示される様に、それらの下部端に車輪１３および１４が取り付けられている。前方傾斜杆１０はまた、その上部端で延びて湾曲してハンドル１９となり、これは杆または２つのＡフレームの間の1本の横杆（クロスバー）で終端部を構成しても良く、手押し車が折り畳まれるとき一緒に折り畳むことが出来る。

杆１０〜１２は、図に示される様に、ヒンジ付きピボット１５〜１７により互いに取り付けられている。さらに、前方杆１０は、ピボット１５と１７の間のおよそ真中に位置するヒンジ１８を有している。前方傾斜杆１０は、ヒンジ１８により回転可能に接続された上部前方傾斜杆１０Ａと下部前方傾斜杆１０Ｂの２本の別々の杆から作られている。フレームが展開された位置にロックされると、ヒンジ１８は、杆１０が真っ直ぐの状態で、図１に示される位置に保持される。フレームが折り畳まれると、上部前杆１０Ａと下部前杆１０Ｂは、ヒンジ１８で回転し、それにより前方杆１０が矢印２０で示される様に内側に折り畳まれて、フレームを折り畳むことが出来る。これにより、手押し車を、収納するためコンパクトな形（折り畳み位置）に折り畳むことが出来る。横杆および他の部材は、ヒンジでロック可能に取り付けることができ、その結果手押し車は、Ａフレームを個々に折り畳むことにより、あるいは、その２つのＡフレームを一緒に押すことにより折り畳むことができる。

従来の手押し車では、杆１０Ａおよび１０Ｂは、杆１０Ａおよび１０Ｂの端が重なって、杆の端がフレームから突き出した状態になる。衣類はこの杆の端に良く捕らえられたり引っ掛けられたりする。

図２は、手押し車が収納用に折り畳まれた配置にある接続ヒンジ１８を示す。この配置では、上部および下部杆１０Ａ，１０Ｂは、それらが、ヒンジの長軸ＡＡに対して大体直角で、かつ、これらの杆は、互いに実質的に平行で且つ近接するように配置される。折り畳まれた配置では、手押し車のハンドルは、手押し車の車輪と車輪の間に納まり、上部および下部１０Ａおよび１０Ｂは、ヒンジの軸ＡＡに対して互いに９０°より僅かに大きな角度である。折り畳まれた位置では、折り畳まれたシートは、杆１０Ａと１０Ｂの間のスペースに保持される。上部前方杆１０Ａおよび下部前方杆１０Ｂは、ピン５０により互いにヒンジに回転可能に接続されている。

図３は、手押し車が使用されるとき用に展開された配置の接続ヒンジ１８を示す。展開された配置では、上部および下部杆１０Ａおよび１０Ｂは、互いに一列に並び、２本の杆の角度は１８０°である。

図４は、ヒンジアセンブリーの分解図を示す。ヒンジ本体１８は、大体均一の円形または楕円形断面の中央部２３、および中央部からヒンジの長軸ＡＡに沿って反対の方向に遠ざかる様に延びる２つの平板状部２２から成る。２つの平板状部２２は、厚さｔを有する。平板状部は、その間の中央部２３と端部を接し且つ平行に配置される。平板状部２２は、中央部２３の各端面の中央から離れる様に延びる。ヒンジの長軸を横切る様に、平板状部２２の各々を貫通する孔２４があり、この孔を通ってピン５０が杆１０Ａまたは１０Ｂを枢着するために挿入される。中央部の端面２６は凹状に湾曲した面で、杆１０Ａおよび１０Ｂの湾曲端と合致する。

平板状部２２の各々の頂部角には切り欠き２８があり、この切り欠きは、せり台平面２７を有し、ヒンジの頂部面に平行で、凸状湾曲部分２５は、ヒンジの頂部面に直角である。

図４は、ヒンジ１８から分離された上部および下部杆１０Ａ，１０Ｂを示す。各杆のヒンジ契合端中には溝３０がある。溝３０の幅は、ヒンジの平板状部２２の厚さｔより僅かに大きく、その結果平板状部２２を、各杆の溝３０に挿入することができる。溝壁の各々には孔３１がある。各杆はヒンジに配置され、その結果ヒンジの平板状部２２は、杆の溝３０の中に収まり、かつピン５０は孔３１および孔２４に挿入されて、各杆をヒンジに枢着することができる。擦り板３３は、ヒンジの平板状部と溝壁の間に配置される。擦り板３３は、プラスチック製で、ヒンジ本体１８が溝壁によって傷つかない様に保護し、かつ杆がヒンジ本体に対してより滑らかに回転することができるように作用する。各擦り板は、平板状部２２と同形であり、かつ孔３４を有し、この孔３４はヒンジ本体の孔２４と一致する。

杆のヒンジ契合端は丸く形成され、その結果２つの凸状に湾曲した面３２を有し、この面は、ヒンジの中央部の凹状に湾曲した端面２６と合致し、したがって、杆は、ヒンジアセンブリが展開された位置にある時（図５参照）、凹状に湾曲した面２６とピタリ一致する。ヒンジアセンブリが展開された位置にある時、杆１０Ａと１０Ｂの凸状面３２およびヒンジの対応する凹状面２６の間の隙間は、各杆とヒンジの間のフィンガートラップがない状態である。バー１０Ａと１０Ｂの凸状面３２およびヒンジの対応する凹状面２６の間の隙間は、５ｍｍ以上であってはならず、よって各杆とヒンジの間にフィンガートラップはない。

杆がヒンジ本体に取り付けられると、各杆は、そのピンを中心に単一面内で回転することができ、かくして膝の関節の様に作用する。この杆は、図２に示される様に、手押し車が収納されるとき用に折り畳まれた配置と、図３に示される様に、手押し車が使用されるとき用に展開された配置との間で回転することができる。

図５は、手押し車が展開された位置の杆およびヒンジを示し、杆１０Ａおよび１０Ｂは、ヒンジ本体と端を接し、ヒンジ本体から繋がって延び、その間にヒンジの中央部２３がある。杆の各々は、折り畳まれた位置から展開された位置に対しておよそ９０°回転することができるが、ヒンジの各端で切り欠き２８により、それ以上回転しないようにブロックされる。各杆の端部の溝３０の基部は段付きであり、その結果、基部はヒンジの端の切り欠きに対してぴたり一致する。杆が、展開された位置から十分に回転すると、各杆の段付き面４０は、各切り欠きのフラットな面２７と契合し、各バーが折り畳まれた位置から更に９０°以上回転しない様にブロックする。溝の基部は、２つの湾曲した面４１および４２を有し、それらにより、ヒンジ本体の末端とぴたり一致し、かつ杆が、手押し車が展開された位置から折り畳まれた位置、またその逆に、滑らかに回転することができることが保証される。

ヒンジが十分に開いた時、杆１０Ａおよび１０Ｂはヒンジを介して同一線状の直線を形成する。図３では、ヒンジアセンブリが、手押し車が展開された位置にある時、杆１０Ａおよび１０Ｂは、互いにヒンジとぴたりと契合し、その結果、ヒンジアセンブリは、衣類が捉えられる様な突出した端部を有さず、また、杆とヒンジの間に、衣類または人間の指が中に閉じ込められる様なフィンガートラップがない。上部および下部前杆１０Ａおよび１０Ｂのヒンジとの契合端は、ヒンジの中央部２３により互いに間隔が空けられている。手押し車が、折り畳まれた位置にある時、折り畳まれたシート織り地は、２つの杆１０Ａおよび１０Ｂの間に形成されるスペースに保持される。

図３では、ヒンジの中央部２３は、接続部（ジョイント）の回転平面に対して直角の、ヒンジ本体の中央を通過する孔６０を有す。この孔は、手押し車のフードをフレームに取り付けるのに使用することが出来る。図６では、手押し車のフレームに取り付けられたフード６１が示され、フードの底部角を、回転可能な状態で手押し車のフレームに取り付けるため、フードと孔６０を通ってピンが挿入される。フードの頂部は、シートの頂部に取り付けることが出来る。フードは図６に示される使用位置から収納位置の間で回転することができ、図６の矢印で示される様に、収納位置ではフードはシートに抗して押し戻される。フードはシートに抗して押し戻されるので、フード部材がアコーディオン状に折り畳まれ、その結果フードを畳むことができかつ邪魔にならないようにすることができる。

折り畳み可能な手押し車は、展開された状態の手押し車をロックするための適したロック手段を有していても良く、これによりシートに負荷がかかった時にロック手段が解除されるのを防止する。

開示されたヒンジアセンブリは、“傘畳み”の手押し車との関係で記載されているが、手押し車の折り畳みのどの様なタイプにも適用できる。

手押し車の主要構成部品の概略側面図である。 手押し車が折り畳まれた配置のヒンジアセンブリの斜視図である。 手押し車が展開された配置のヒンジアセンブリの斜視図である。 ヒンジアセンブリの分解図である。 手押し車が展開された配置のヒンジアセンブリの断面図である。 フードが取り付けられた手押し車の概略側面図である。

符号の説明

１０…前方傾斜杆
１０Ａ…上部前方傾斜杆（上部前方杆）
１０Ｂ…下部前方傾斜杆（下部前方杆）
１１…後方傾斜杆
１２…基部杆
１３，１４…車輪
１５，１６，１７…ピボット
１８…ヒンジ
１９…ハンドル
２０…矢印
２２…平板状部
２３…中央部
２４…孔
２６…凹状に湾曲した端面
２７…せり台平面
２８…切り欠き
３０…溝
３１…孔
３２…凸状に湾曲した面
３３…擦り板
３４…孔
４０…段付き面
４１，４２…湾曲面
５０…ピン
６０…孔
６１…フード

Claims (10)

1. ２本のサイドフレームを有し、各サイドフレームが、1つの前方ストラット手段および最上方端で該前方ストラット手段に取り付けられた1つの後方ストラット手段、並びに前方および後方ストラット手段を連結する基部ストラット手段を有する折り畳み可能な手押し車において、前記前方ストラット手段は、接続手段により回転可能に接続された上方および下方部分を有し、該上方および下方部分は、前記接続手段により、折り畳まれた状態と展開された状態の間で互いに対して回転することができ、前記上方および下方部分は、手押し車が展開された状態にある時、平行かつ同一直線上にあることを特徴とする折り畳み可能な手押し車。
2. 上方および下方部分が、折り畳まれた状態と展開された状態の間で、およそ９０°回転することを特徴とする、請求項１に記載の手押し車。
3. 上方および下方部分が、折り畳まれた状態では、平行でかつ隣接していることを特徴とする、請求項１〜２のいずれかに記載の手押し車。
4. 接続手段が、上方および下方部分を展開された状態に保持するための係止手段を有することを特徴とする、請求項１〜３のいずれかに記載の手押し車。
5. 接続手段が、第１と第２のせり台平面２７を有し、このせり台平面は、上方および下方ストラット手段を展開された状態で保持するため、上方および下方部分の対応するせり台面４０とそれぞれ契合することを特徴とする、請求項１〜４のいずれかに記載の手押し車。
6. 接続手段が、上方および下方部分をそれぞれ支持するための第１および第２のアーチ形受け部を有し、該上部および下方部分はそれぞれ対応するアーチ形表面を有し、その結果、展開された状態では、第１のアーチ形受け部と上方部分の間および第２のアーチ形受け部と下方部分の間にフィンガートラップがないことを特徴とする、請求項１〜５のいずれかに記載の手押し車。
7. 接続手段が、接続手段と上方部分の間および接続手段と下方部分の間に配置されたベアリング部材を有することを特徴とする、請求項１〜６のいずれかに記載の手押し車。
8. ２本のサイドフレームを有し、各サイドフレームが、1つの前方ストラット手段および最上方端で該前方ストラット手段に取り付けられた1つの後方ストラット手段、並びに前方および後方ストラット手段を連結する基部ストラット手段を有する折り畳み可能な手押し車において、前記前方ストラット手段は、接続手段により回転可能に接続された上方および下方部分を有し、該上方および下方部分は、前記接続手段により、折り畳まれた状態と展開された状態の間で互いに対して回転することができ、前記接続手段は、フード、シェード、または他の付属物を取り付けるための取り付け手段を有することを特徴とする折り畳み可能な手押し車。
9. 接続手段が、取り付け部を回転可能に接続するための孔を有することを特徴とする、請求項８に記載の手押し車。
10. 接続手段により回転可能に接続された上方および下方部分を有する手押し車接続用手段であって、該接続手段により、前記上方および下方部分は、折り畳まれた状態と展開された状態の間で互いに対して回転することができ、前記上方および下方部分は、手押し車が展開された状態にあるとき、平行かつ同一直線上にあることを特徴とする手押し車用接続部材。

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