JP2005153616A - 昇降ドアガラスの保護構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 自動車用ドアのドアフレーム20に嵌め込まれたガラスラン10内をドアガラス4が昇降する昇降ドアガラスの保護構造において、ドアフレーム20は、少なくとも縦辺部23の上部が下方に向けて広がり傾斜するドアフレーム傾斜部24を有し、ドアフレーム縦辺部23の断面略U字形の開口部近傍に接触型センサー30を設け、接触型センサー30の検知により、ドアガラス4の昇降を制御する昇降ドアガラスの保護構造である。
【選択図】 図2
Description
ドアフレーム20の上辺部21は、その断面が下側に開口した断面略U字形をなし、その上辺部に取付けられたガラスラン110も断面略U字形をなし、車外側側壁111、底壁112と車内側側壁113からなり、車内側側壁113の開口側の先端には接触型センサー130が一体的に取付けられている。
接触型センサー130は、内部に空間を隔てて上下に導電性部材が設けられ、その導電性部材は非導電性の弾性材料で保持されている。
このようにして、ドアガラス4の上昇時に異物がドアガラス4の上縁とドアフレーム20の上辺との間に挟まれても、それを検知して、それ以上のドアガラス4の上昇をとめ、逆に下降させることにより、異物や駆動機構等を破損することを防止している。
ドアガラス4とそれに対応するドアフレーム20の縦辺部が垂直である場合や、垂直でなく少し傾いていてもドアガラス4の移動方向と平行である場合は、ドアガラス4の側端は常にドアフレーム20の縦辺部に取付けられたガラスラン110の内部に収納されて、隙間がないため、ドアフレームの縦辺部において、ガラスラン110とドアガラス4の間に異物が挟まることがない。
この隙間に異物が挟まると、ドアガラス4の上昇につれてドアフレーム20の縦辺部とドアガラス4の傾斜部の隙間は徐々に狭まり、異物が挟まれることとなる。このとき、ドアフレーム20の縦辺部には、従来、接触型センサー130が設けられていないため、異物が挟まれたことを検知することができない。
センサー保持孔に接触型センサーを取り付けたため、接触型センサーをセンサー保持孔に挿入するのみで接触型センサーを簡単に取付けることができ、製造が容易である。
接触型センサーをスポンジゴムで保護することができるため、ガラスランの先端部分に接触してもクッション性があり、ガラスランの表面に出た接触型センサー保持部分を柔軟にすることができる。
センサーカバー部はスポンジ材で形成するため、軟らかく変形しやすく、異物の接触圧力が小さくても、容易に変形して接触型センサーを働かせることができ、検知感度を向上させることができる。
ガーニッシュの先端に接触型センサーを設けたため、ガーニッシュの先端でガラスランの開口付近までカバーすることができ、車室側からの見栄えが良い。
また、車内側に接触型センサーを設けることにより、車外から進入する異物を素早く、的確に検知することができる。
ドアガラスとドアフレームの間に挟まれた場合には、異物によるドアガラスへの負荷の分力は水平方向に大きく、垂直方向には小さくなる。このため、ドアガラスの駆動機構にかかる負荷は少ないため、ドアガラスが上昇しやすく、異物を挟む全体の力は大きくなるが、ドアフレーム傾斜部に接触型センサーが設けられているため、異物を容易に検知することができ、ドアガラスの上昇を止めることができる。
本発明について、リヤドアの後縦辺部23がドアフレーム傾斜部24を有する場合の、リヤドアの後縦辺部23とドアガラス4との間の保護構造について説明するが、本発明は、リヤドアの前縦辺部22やフロントドアの前縦辺部あるいは後縦辺部が傾斜部を有する場合にも、同様に実施することができる。
ドアガラス4は、ドアフレーム20のリヤ側の縦辺部のガラスラン10内をガイドされつつ昇降し、ドアガラス4が最上部まで上昇すると、ドアガラス4の上端が上辺部のガラスラン10内に収納される。従って、上辺部のガラスラン10に接触型センサーが設けられたり、ドアガラス4の駆動機構にトルク検出機を設けて、異物の挟み込みを防止している。
ドアフレーム20は、車体のルーフに近接した上辺部21と、その上辺部21のフロント側の先端から下方に延びる前縦辺部22と、その上辺部21のリヤ側の先端から下方に延びる後縦辺部23とから形成される。後縦辺部23は、上辺部21との連結部分から下方に少し、例えば4分の1から2分の1程度の長さがリヤ側に傾斜しているドアフレーム傾斜部24を有している。
このドアフレーム傾斜部24は、ドアガラス4のリヤ側側端の傾斜部に対応して形成される。
チャンネル部25の車外側側壁11と車内側側壁13の先端がガラスラン10を嵌め込む開口部となり、ドアフレーム20の開口部20aを形成する。
ガラスラン後縦辺部10cは、ドアフレーム20のドアフレーム傾斜部24に対応する部分が下方に向けて広がり、リヤ側に傾斜したガラスラン傾斜部10dを有している。ガラスラン傾斜部10dの長さは、ガラスラン後縦辺部10cの長さの略4分の1から2分の1程度である。ドアガラス4の側端の傾斜部の形状に対応してドアフレーム20の後縦辺部23が形成され、その形状に合わせてガラスラン傾斜部10dの長さが定められる。
ドアガラス4が下降して、ドアフレーム後縦辺部23とドアガラス4の側端との間に隙間ができ、その隙間に異物が挟まれた場合に、ドアフレーム傾斜部24の傾斜角度が小さいと、異物はドアガラス4の側端の傾斜部を転がり、上方に移動しやすくドアフレーム後縦辺部23とドアガラス4の間で挟まれ難く、上辺部21とドアガラス4の上端で挟まれやすい。このときは、上辺部21に接触型センサー30等を取付けることにより対応することができる。
ドアガラス4の傾斜部とドアフレーム20の後縦辺部23の垂直部分の側縁とでなす交差角は、小さく0度以上で45度以下であるため、ドアフレーム20の後縦辺部23とドアガラス4の間で挟まれると、ドアガラス4の上昇につれて異物は、ドアフレーム20の後縦辺部23とドアガラス4の間で挟まれやすくなる。
リヤ側においては、ガラスラン後縦辺部10cは後述する接触型センサー30を有するセンサー部10gと接触型センサー30を有しない非センサー部10hの2つの部分から形成される。ガラスラン後縦辺部10cの上部にあるセンサー部10gは、ガラスラン傾斜部10dとガラスラン傾斜部10dから下方に略垂直に若干延びるガラスラン垂直部10eからなり、押出成形により略直線状に形成される。ドアフレーム20に取付けるときにガラスラン傾斜部10dとガラスラン垂直部10eの間で若干曲げて取付けられる。この断面形状については後述する。
ガラスラン10は、断面略U字形をなし、側壁車外側11、底壁12と車内側側壁13から形成される。車外側側壁11、底壁12と車内側側壁13は、それぞれチャンネル部25の車外側側部26、底部27と車内側側部28の内面に当接して、ガラスラン10が保持される。車外側側壁11と車内側側壁13の開口側先端の内面には、それぞれ車外側シールリップ16と車内側シールリップ17が、断面U字形の内部に向かって延出されている。車外側側壁11の先端の外面には車外側カバーリップ14が設けられ、車外側カバーリップ14は、ドアフレーム20の車外側側部26の先端をカバーする。
そして、車内側側壁13の先端部13bが車外側側壁11の先端部よりもドアフレーム20の開口部側に突出している。従って、車内側側壁13の先端部13bの接触型センサー30を設けると、ドアガラス4が上昇したときには、異物を素早く、的確に検知することができる。また、車内側に接触型センサー30を設けることにより、車内側から侵入する異物を素早く、的確に検知することができる。
車内側側壁13先端の外面には車内側カバーリップ15が設けられ、車内側カバーリップ15は、ドアフレーム20の車外側側部26の先端をカバーする。車外側側壁11と車内側側壁13の外面の底壁12付近には、それぞれ突条が設けられ、この突条がチャンネル部25のチャンネル突条29と係合して、ガラスラン10がドアフレーム20から抜け出ることを防止する。
接触型センサー30は、例えば、中空で押圧力により弾性変形可能な合成樹脂により形成された外皮部と、外皮部の内側に設けられ、外皮部の弾性変形により互いに接触して導通する複数の電極を有するものを使用することができる。このような接触型センサー30を使用すると、圧力を全方向から検知することができ、異物がどのように挟まれても、的確に検知することができる。
ガラスラン10は、ソリッドゴム、軟質合成樹脂、熱可塑性エラストマー等の材料で、押出成形により成形され、ガラスラン上辺部10a、ガラスラン前縦辺部10bはそれぞれ1本の押出成形品から形成され、ガラスラン後縦辺部10cは、センサー部10gと非センサー部はそれぞれ1本の押出成形品から形成され、同一または同種の材料の接合部10fで接合されている。ガラスラン10のセンサーカバー部19以外はソリッド材で形成され、センサーカバー部19はスポンジ材で形成されている。
この実施の形態は、接触型センサー30がドアフレーム20の車内側開口付近に取付けられたガーニッシュ40に取付けられた点が、先の実施の形態と異なり、他は同じである。従って、先の実施の形態と異なる部分のみ説明する。
センサー保持孔42には、断面円形の接触型センサー30が挿入されて、接触型センサー30はセンサー取付面41の中央部付近に接している。接触型センサー30は、柔軟性を有しているため、センサー保持孔18に容易に挿入することができるとともに、ガーニッシュ40がドアフレーム20の形状に応じた曲面を有していても、その曲面に柔軟に追従することができる。
センサー保持孔42を設けたため、接触型センサー30をセンサー保持孔42に挿入するのみで接触型センサー30を取付けることができ、製造が容易である。
図2の形態において、ドアガラス4が下降して開いているときは、ドアガラス4とドアフレーム20の間には空間ができる。このときドアガラス4とドアフレーム20の間には異物が存在する可能性がある。特に、図4に示すように、リヤガラスのリヤ側の側端部が傾斜部を有し、その傾斜部に対応してリヤドアの後縦辺部23のように傾斜部24を有する場合は、そのドアフレームの後縦辺部23とドアガラス4の側端との間に隙間ができ、その隙間に異物が挟まる可能性がある。
13 車内側側壁
13b 車内側側壁先端部
18 センサー保持孔
19 センサーカバー部
20 ドアフレーム
23 ドアフレーム後縦辺部
24 ドアフレーム傾斜部
30 接触型センサー
40 ガーニッシュ
Claims (9)
- 自動車用ドアの上部の上辺部と、該上辺部から下方に延びる縦辺部とを有するドアフレームと、該ドアフレームのドアガラス開口側から嵌め込まれたガラスランとを有し、ドアガラスが昇降する昇降ドアガラスの保護構造において、
上記ドアガラスは、少なくとも一方の縦辺部の上部に下方に向けて広がる傾斜部を有し、
上記ドアフレームは、上記ドアガラスに対応するドアフレーム傾斜部を有し、
該ドアフレーム傾斜部を備えた縦辺部において、その断面略U字形の開口部近傍に接触型センサーを設け、該接触型センサーの接触検知により、ドアガラス側縁とドアフレームとの間の異物を検知して上記ドアガラスの昇降を制御する昇降ドアガラスの保護構造。 - 上記接触型センサーは、上記ドアフレーム傾斜部を備えた縦辺部に位置する上記ガラスランの側壁の先端に取付けられた請求項1に記載の昇降ドアガラスの保護構造。
- 上記ガラスランの側壁の先端部に、一体に形成したセンサーカバー部を設け、該センサーカバー部と上記先端部との間にセンサー保持孔を設け、該センサー保持孔に上記接触型センサーを取付け、上記センサーカバー部はスポンジゴムで形成する請求項1又は請求項2のいずれかに記載の昇降ドアガラスの保護構造。
- 上記接触型センサーは、上記ドアフレーム傾斜部を備えた縦辺部に位置するガーニッシュの先端部に取付けられた請求項1に記載の昇降ドアガラスの保護構造。
- 上記ガーニッシュの先端部に一体に形成したセンサーカバー部を設け、該センサーカバー部と上記先端部との間にセンサー保持孔を設け、該センサー保持孔に上記接触型センサーを取付け、上記センサーカバー部はスポンジ材で形成する請求項1又は請求項4のいずれかに記載の昇降ドアガラスの保護構造。
- 上記接触型センサーが取付けられる部位は、上記ドアフレームの車内側側部の先端部である請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の昇降ドアガラスの保護構造。
- 上記ドアガラスの傾斜部の傾斜角度は水平方向に対して45度以上で90度以下であり、上記ドアガラスの傾斜部とドアフレームの縦辺部又は対応する位置のガーニッシュの側縁とでなす交差角は、0度以上で45度以下である請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の昇降ドアガラスの保護構造。
- 上記接触型センサーを、上記ドアフレームの上辺部の断面略U字形の開口部近傍にも併せて設けた請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の昇降ドアガラスの保護構造。
- 上記接触型センサーが設けられた上記ガラスラン側壁の先端部又はガーニッシュの先端部は、ソリッドゴム、熱可塑性エラストマーまたは合成樹脂等の剛性が高く変形しない材料で構成されている請求項1乃至請求項8に記載のいずれかの昇降ドアガラスの保護構造。
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