JP2005153244A - 積層性に優れたボンディングシートおよび片面金属張積層板 - Google Patents

積層性に優れたボンディングシートおよび片面金属張積層板 Download PDF

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Abstract

【課題】 熱ラミネートで金属箔を張り合わせることが可能であり、接着性に優れ、反りの抑制されたボンディングシート、および片面金属張積層板を提供する。
【解決手段】 耐熱性フィルムの一方の面に熱可塑性樹脂を含有する接着層を配し、他方の面に非熱可塑性樹脂及び熱可塑性樹脂を含有する非接着層を配してなり、非接着層面にコロナ処理もしくはプラズマ処理を施していることを特徴とするボンディングシートであって、更に非接着層に含有される非熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂の割合が、重量分率で82/18〜97/3であることを特徴とするボンディングシート。
【選択図】 なし

Description

本発明は、片面のみに接着層を有するボンディングシートおよびこれに金属箔を貼り合わせて得られるフレキシブル片面金属張積層板に関するものである。
近年、電子機器の高性能化、高機能化、小型化が急速に進んでおり、これに伴って電子機器に用いられる電子部品に対しても小型化、軽量化の要請が高まっている。上記要請を受けて電子部品に用いられる素材についても、耐熱性、機械的強度、電気特性等の諸物性が求められており、半導体素子パッケージ方法やそれらを実装する配線板にも、より高密度、高機能、かつ高性能なものが求められるようになっている。フレキシブルプリント配線板(以下、FPCという)に関しては、細線加工、多層形成等が行われるようになり、FPCに直接部品を搭載する部品実装用FPC、両面に回路を形成した両面FPC、複数のFPCを積層して層間を配線でつないだ多層FPCなどが出現してきた。一般にFPCは柔軟で薄いベースフィルム上に回路パターンを形成し、その表面にカバー層を施した構成をしており、上述のようなFPCを得るためにはその材料として用いられる絶縁接着剤や絶縁有機フィルムの高性能化が必要となっている。具体的には、高い耐熱性、機械強度を有し、加工性、接着性、低吸湿性、電気特性、寸法安定性に優れることが求められている。これに対し、現在用いられているエポキシ樹脂やアクリル樹脂は、低温加工性や作業性は優れるものの、その他の特性については不十分であるのが現状である。
上記問題を解決するために、接着層にもポリイミド材料を用いた二層FPCが提案されている(例えば、特許文献1参照)。二層FPCの作製方法については、ポリイミド共重合体もしくはポリアミド酸共重合体の溶液を導体層に流延塗布、乾燥し絶縁層を形成するキャスト法(例えば、特許文献2参照)、蒸着法やスパッタリング法で導体の薄層を形成した後、メッキ法で導体の厚層を形成するスパッタ法(例えば、特許文献3参照)、絶縁フィルムにポリイミド共重合体もしくはポリアミド酸共重合体の溶液を流延塗布、乾燥してボンディングシートを得た後、導体層を貼り合わせるラミネート法がある(例えば、特許文献4参照)。これらの方法のうち、スパッタ法は設備コストが高い、薄層形成時にピンホールが発生しやすい、絶縁層と導体層の充分な接着力を得ることが難しい等の問題がある。また、キャスト法は薄い導体層の使用が困難(溶液の荷重に耐え切れず、キャスト時に裂ける)、厚い絶縁層を作製しにくい(キャスト回数が増え、コスト増となる)といった問題がある。
特開平2−180682号公報 特開平3−104185号公報 特開平5−327207号公報 特開2001−129918号公報
これに対しラミネート法は上記の問題を有していないが、ラミネート法では片面金属張積層板を作製することが困難であるという課題を有している。具体的には、ラミネート法は接着層を設けた絶縁フィルムに、金属箔を貼り合わせるため、単に片側の金属箔を除いてラミネートした場合、剥き出しとなっている接着層がラミネートロールやプレス板等に貼り付く問題がある。一方、これを避けるために金属箔を配さない側の接着層を除くと、ボンディングシートの線膨張係数のバランスが狂うため、ボンディングシート若しくは得られる金属張積層板の状態で反りが生じる問題がある。ボンディングシートや金属張積層板の反りは、回路形成時若しくは部品実装時の障害となり、特に高密度化された配線板では、その影響が大きくなる。
また、片面FPCを積層して多層FPCとしたり、補強板を接合する場合、エポキシ樹脂やアクリル樹脂などの層間接着剤を用いるため、金属箔を配さない面には、これらの接着剤に対する接着性が必要となる。しかしながら、金属箔を配さない面に接着性を持たせると、上記の通りラミネートに支障が生じる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ラミネート法で使用可能であり、かつ反りが抑制されたボンディングシートと、それに金属箔を貼り合わせて得られる、積層性に優れたフレキシブル片面金属張積層板を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、耐熱性フィルムの一方の面に接着層を配し他方の面に非接着層を設けたボンディングシートを用いれば、ラミネート法で用いることができ、更に非接着層にコロナ処理もしくはプラズマ処理を施すことでラミネートに影響を与えずに層間接着剤に対する接着性を発現することができることを独自に見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち本発明の第1は、耐熱性フィルムの一方の面に熱可塑性樹脂を含有する接着層を配し、他方の面に非熱可塑性樹脂及び熱可塑性樹脂を含有する非接着層を配してなり、かつ非接着層にコロナ処理もしくはプラズマ処理を施していることを特徴とする、ボンディングシートに関する。
好ましい実施態様は、非接着層に含有される非熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂の割合が、重量分率で82/18〜97/3であることを特徴とする、前記のボンディングシートに関する。
更に好ましい実施態様は、耐熱性フィルムがポリイミドフィルムであることを特徴とする、前記何れかに記載のボンディングシートに関する。
更に好ましい実施態様は、接着層に含有される熱可塑性樹脂、および又は非接着層に含有される非熱可塑性樹脂および熱可塑性樹脂がポリイミドであることを特徴とする、前記何れかに記載のボンディングシートに関する。
更に好ましい実施態様は、7cm幅×20cm長サイズの長方形のボンディングシートを作製した場合、20℃、60%R.H.の環境下に12時間放置した後の四隅の反りがいずれも0.5mm以下であることを特徴とする、前記何れかに記載のボンディングシートに関する。
更に好ましい実施態様は、ボンディングシートに貼り合わせる金属箔の線膨張係数(200〜300℃)をα(ppm/℃)とした場合、ボンディングシートの線膨張係数(200〜300℃)がα±5(ppm/℃)の範囲内にあることを特徴とする、前記何れかに記載のボンディングシートに関する。
本発明の第2は、前記何れかに記載のボンディングシートの接着層に、金属箔を貼り合わせたことを特徴とする、フレキシブル片面金属張積層板に関する。
好ましい実施態様は、一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置を用いて金属箔とボンディングシートを貼り合わせることを特徴とする、前記のフレキシブル片面金属張積層板に関する。
更に好ましい実施態様は、金属箔が銅箔であることを特徴とする、前記何れかに記載のフレキシブル片面金属張積層板に関する。
更に好ましい実施態様は、7cm幅×20cm長サイズの長方形のフレキシブル片面金属張積層板を作製した場合、20℃、60%R.H.の環境下に12時間放置した後の四隅の反りがいずれも1.0mm以下であることを特徴とする、前記何れかに記載のフレキシブル片面金属張積層板に関する。
本発明に係るボンディングシートは、ボンディングシートの金属箔を配さない面はラミネート時に工程上の材料に接着性を有さないので、金属ロール等への貼り付きが回避され、熱ラミネートにより片面金属張積層板を作製することが可能である。また、接着面と非接着面で線膨張係数のバランスが取れるため、ボンディングシートの反りの発生が抑制できる。さらに該ボンディングシートを用いて得られる、フレキシブル片面金属張積層板は、高い接着強度を示すのはもちろんのこと、ボンディングシートと同様に反りの発生が抑制されている。非接着層面に表面処理が施されていることにより、積層性にも優れる。従って、本発明に係るボンディングシートならびにフレキシブル片面金属張積層板は、例えば、高密度化された電子機器の配線板等の電子機器用途に好適に用いることができる。
本発明の実施形態について、以下に説明する。
本発明にかかるボンディングシートは、耐熱性フィルムの一方の面に熱可塑性樹脂を含有する接着層を配し、他方の面に非熱可塑性樹脂及び熱可塑性樹脂を含有する非接着層を配してなることを特徴とする。
ここで「耐熱性」とは、熱ラミネート時の加熱温度での使用に耐え得ることを意味する。従って、耐熱性フィルムとしては、上記性質を満たすフィルムであれば特に制限はなく、公知の各種樹脂フィルムを用いることができる。中でも、耐熱性のみならず電気特性等の物性にも優れている点から、ポリイミドフィルムが好ましい。例えば、アピカル(鐘淵化学工業社製)、カプトン(東レ・デュポン社製)、ユーピレックス(宇部興産社製)等が例示される。なお、熱ラミネート時の加熱温度(貼り合わせ温度)は、一般に圧力、速度等のラミネート条件により変化するものであるが、既存の装置でラミネートが可能であるという点から考えると、通常150〜400℃程度の範囲で行われるのが一般的であり、後述するように接着層のガラス転位温度(Tg)+50℃以上、更にはTg+100℃以上の温度であることがより好ましい。
また、耐熱性フィルムの一方の面に配される「非接着層」とは、熱ラミネート時に、例えば金属ロール、プレス板、保護材料等の工程上の材料に対して、実質的に接着性を発現しない層のことを示す。具体的には、これらの材料に接着したり、或いは一部転写等によりコンタミの原因となる事が無い層であることを意味する。
本発明に係るボンディングシートの接着層或いは非接着層に含有される熱可塑性樹脂としては、耐熱性を有していれば特に限定されるものではないが、例えば、熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ポリアミドイミド、熱可塑性ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリエステルイミド等を好適に用いることができる。中でも、低吸湿特性の点から、熱可塑性ポリエステルイミドが特に好適に用いられる。
また、既存の装置でラミネートが可能であり、かつ得られる金属張積層板の耐熱性を損なわないという点から考えると、本発明における熱可塑性樹脂は、150〜300℃の範囲にガラス転移温度(Tg)を有していることが好ましい。なお、Tgは動的粘弾性測定装置(DMA)により測定した貯蔵弾性率の変曲点の値により求めることができる。
本発明のボンディングシートにおいて非接着層に含有される「非熱可塑性樹脂」とは、ガラス転位温度(Tg)が熱ラミネート装置でボンディングシートと金属箔とを貼り合わせることが可能な温度領域よりも高い領域にあるか、或いは実質的にTgを有していない樹脂のことを示す。
上記ボンディングシートの非接着層に用いられる非熱可塑性樹脂としては、耐熱性を有していれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド等を挙げることができる。ただし、後述するようにボンディングシート全体の線膨張係数を制御するためには、非接着層の線膨張係数と接着層の線膨張係数と同等程度にすることが好ましく、このため非接着層に含有される非熱可塑性樹脂としてできるだけ線膨張係数の値が大きいものを使用することが好ましい。中でも、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二無水物から成る、最も一般的な構成のポリイミドは、線膨張係数が約30ppmであるのに加え、ポリイミドの中では比較的安価に入手可能であるため、特に好適に用いられる。
これら非熱可塑性樹脂は単独で非接着層として使用する場合もあるが、この場合は耐熱性フィルムへの接着性も低下してしまうため、ボンディングシートとしての使用が困難となる。また、上記のように非熱可塑性樹脂としてできるだけ線膨張係数の大きい組成を選定したとしても、一般に非接着層に含有される非熱可塑性樹脂と接着層に含有される熱可塑性樹脂の線膨張係数の差は大きいため、依然として接着層と非接着層の線膨張係数のバランスを取るのは容易なことではない。
本発明者らは、ボンディングシートの非接着層に、非熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂を混合して用いることで、上記課題を解決できることを見出した。即ち、これにより、ラミネート時にロール等への貼り付きが発生しない一方で、耐熱性フィルムへの密着性が確保され、更に非接着層の線膨張係数を接着層の線膨張係数と同等程度に設定できるため、接着層と非接着層との線膨張係数のバランスを取ることが容易となる。
更に、上記組成の非接着層にコロナ処理もしくはプラズマ処理を施すことで、ラミネートには影響を与えず、層間接着剤に対する接着性を向上できることを見出した。コロナ処理は、当業者が入手可能な一般的なコロナ処理機によって行えば良く、コロナ処理密度は、50〜800w・min/mが好ましい。コロナ処理密度は以下に示す式(1)から算出される。
コロナ処理密度(w・min/m)=コロナ出力(w)/{ラインスピード(m/min)×処理幅(m)}・・・式(1)
プラズマ処理は、当業者が入手可能な一般的なプラズマ処理機によって行えば良い。プラズマ放電を減圧下で行う方式と大気圧下で行う方式とがあるが、処理装置の設備費用の点からは大気圧下で放電する方式が好ましく用いられ得る。大気圧下でのプラズマ処理のガス種類、ガス圧、処理密度は特に限定されないが、ガス圧に関しては、100〜1000Torrの範囲の圧力下で行うことが好ましい。プラズマガスを形成するのに用いられ得るガスは、例えば、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、キセノン、ネオン、ラドン、窒素等の不活性ガス、また酸素、空気、一酸化炭素、二酸化炭素、四塩化炭素、クロロホルム、水素、アンモニア、カーボンテトラフルオライド、トリクロロフルオロエタン、トリフルオロメタン等である。また、公知のフッ化ガス、上記ガスの混合ガスでも良い。好ましい混合ガスの組み合わせは、アルゴン/酸素、アルゴン/アンモニア、アルゴン/ヘリウム/酸素、アルゴン/二酸化炭素、アルゴン/窒素/二酸化炭素、アルゴン/ヘリウム/窒素、アルゴン/ヘリウム/窒素/二酸化炭素、アルゴン/ヘリウム、アルゴン/ヘリウム/アセトン、ヘリウム/アセトン、ヘリウム/空気、アルゴン/ヘリウム/シラン等が挙げられる。処理密度は、100〜20000w・min/m、特に300〜10000w・min/mが好ましい。プラズマ処理密度は以下に示す式(2)から算出される。
プラズマ処理密度(w・min/m)=プラズマ出力(w)/{ラインスピード(m/min)×処理幅(m)}・・・式(2)
コロナ処理、プラズマ処理のいずれにおいても、処理を極端に強くしすぎると工程上の材料に対する接着性が発現してしまうため、適宜調整が必要である。本発明にかかるボンディングシートの非接着層は熱可塑性樹脂も含有しているため、上記条件の範囲で処理を行えば、層間接着剤に対する接着性と、ラミネート時の貼り付き抑制を両立することが可能である。
上記非接着層における非熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂の混合割合は、ベースとなる耐熱性フィルムへの密着力を確保しつつ、金属ロール等の工程上の材料に対しては接着性を発現しない割合に設定することが好ましい。具体的には、非熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂の混合割合が重量分率で82/18〜97/3の範囲であることが好ましく、更には85/15〜95/5の範囲であることがより好ましい。熱可塑性樹脂の割合が3重量%より少ない場合は、耐熱性フィルムへの密着力が不十分となり、加工工程若しくは実際の使用で問題が生じる場合がある。逆に熱可塑性樹脂の割合が18重量%より多い場合は、非接着層に接着性が発現するため、ラミネート時に貼り付きが生じるなどの問題が生じる場合がある。用いる樹脂の組成にもよるが、上記混合割合を概ね上記範囲とすることにより、非接着層の線膨張係数は接着層の線膨張係数値に近づくため好ましい。また、非接着層の線膨張係数をα(ppm/℃)、接着層の線膨張係数をα(ppm/℃)とすると、(α―15)≦α≦αとなるように設定するのが好ましい。非接着層の線膨張係数が上記範囲内であれば、後述するボンディングシート全体の線膨張係数を制御する際に、接着層と非接着層との厚みバランスのコントロールで対応することが可能となる。非接着層の線膨張係数が上記範囲から外れてしまう、即ち、非接着層の線膨張係数が接着層のそれよりも大幅に小さくなってしまうと、非接着層の厚みを接着層よりも大幅に上げる必要があり、問題が生じる。具体的には、乾燥工程中で溶媒を除去しきれなかったり、発泡により外観が悪化する場合がある。
本発明にかかるボンディングシートの製造方法については特に限定されるものではないが、上記三層構造のボンディングシートの場合、コアフィルムとなる耐熱性フィルムに接着層と非接着層を片面毎に若しくは両面同時に形成する方法、接着層と非接着層とをそれぞれシート状に成形し、これを上記コアフィルム表面に貼り合わせる方法等が挙げられる。あるいは、接着層/コアフィルム/非接着層のそれぞれの樹脂を共押出しして、実質的に一工程で積層体を製膜しボンディングシートを作製する方法であってもよい。コロナ処理、プラズマ処理などの表面処理は、接着層と非接着層を形成し終わった後に行うことが好ましい。一方、接着層と非接着層を形成し終わった後であっても、接着層を用いたラミネートの前に前記表面処理を実施しても、接着層を用いたラミネートの後(例えば一般的に言うフレキシブル片面金属張積層板の構成を形成する為のラミネートの後)に実施しても、更には、非接着層を用いてラミネートを行う直前に実施してもよいが、接着層を用いたラミネートの後であって、非接着層を用いたラミネートを行う直前までの間に前記表面処理を行うことが、ラミネート時にラミネートロールやプレス板等に貼り付くことをより防止でき好ましい。
また、例えば、接着層にポリイミド樹脂を用いる場合には、熱可塑性ポリイミド樹脂またはこれを含む樹脂組成物を有機溶媒に溶解または分散して得られる樹脂溶液をコアフィルムの表面に塗布してもよいが、熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の溶液を調製して、これをコアフィルムの表面に塗布し、次いでイミド化してもよい。このときのポリアミド酸の合成やポリアミド酸のイミド化の条件等については特に限定されるものではないが、従来公知の原料や条件等を用いることができる(例えば、後述する実施例参照)。また、ポリアミド酸溶液には、用途に応じて、例えば、カップリング剤、フィラーのような他の材料を含んでいてもよい。
一方、例えば、非接着層の非熱可塑性樹脂及び熱可塑性樹脂にポリイミド樹脂を用いる場合には、非熱可塑性ポリイミドを有機溶媒に溶解させることは困難であるため、前駆体であるポリアミド酸の状態で熱可塑性ポリイミド若しくはその前駆体と混合し、コアフィルムに塗布した後イミド化する方法をとることが好ましい。また、イミド化の条件については特に制限されるものではないが、得られるポリイミドの線膨張係数が大きくなる点から、化学キュアよりも熱キュアの方が好ましい。なお、非接着層においても用途に応じて、例えば、カップリング剤、フィラーのような他の材料を含んでいてもよい。
また、各層の厚み構成については、用途に応じた総厚みになるように適宜調整すればよいが、ボンディングシートの状態で反りが生じないように、各層の線膨張係数を考慮しながら、接着層と非接着層の厚みバランスを調整するのが好ましい。ここで、前述のように線膨張係数が比較的大きい非熱可塑性樹脂を用いたり、イミド化条件を選択することにより、接着層と非接着層の線膨張係数がほぼ等しくなるような組成とすることが可能で、この場合は、厚みバランスを取るのが容易となる。
上記に述べた非接着層の組成ならびに接着層と非接着層の厚みバランス調整により、得られるボンディングシートの反りの発生を抑制することが可能となる。具体的には、7cm幅×20cm長サイズの長方形のボンディングシートを作製した場合、20℃、60%R.H.の環境下に12時間放置した後の四隅の反りがいずれも0.5mm以下となることが好ましい。ボンディングシートの反りが上記範囲内に収まっていれば、これを用いて作製した金属張積層板について、エッチングにより回路形成を行った後の配線板の反りについても抑制することが可能で、部品実装が容易となる。
また、本発明のボンディングシートに金属箔を貼り合わせた際の金属張積層板の反りを抑えることができる点から、ボンディングシート全体の線膨張係数(200〜300℃)が、金属箔の線膨張係数(200〜300℃)をα(ppm/℃)とした場合に、α±5(ppm/℃)の範囲に収まるように調整するのが好ましい。なお、ボンディングシート全体の線膨張係数については、例えば、特開2000−174154号公報で示されている式を用いることにより、算出することが可能である。
本発明において、金属箔としては特に限定されるものではないが、電子機器・電気機器用途に本発明のフレキシブル片面金属張積層板を用いる場合には、例えば、銅または銅合金、ステンレス鋼またはその合金、ニッケルまたはニッケル合金(42合金も含む)、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる箔を挙げることができる。一般的なフレキシブル積層板では、圧延銅箔、電解銅箔といった銅箔が多用されるが、本発明においても好ましく用いることができる。なお、これらの金属箔の表面には、防錆層や耐熱層あるいは接着層が塗布されていてもよい。また、上記金属箔の厚みについては特に限定されるものではなく、その用途に応じて、十分な機能が発揮できる厚みであればよい。
本発明にかかる片面金属張積層板は、上記ボンディングシートの接着層に金属箔を貼り合わせて得ることができる。ボンディングシートと金属箔の貼り合わせ方法としては、各種方法が使用でき、例えば、単板プレスによるバッチ処理、熱ロールラミネート或いはダブルベルトプレス(DBP)による連続処理が挙げられるが、生産性、維持費も含めた設備コストの点から、一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置を使用した方法が好ましい。ここでいう「一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置」とは、材料を加熱加圧するための金属ロールを有している装置であればよく、その具体的な装置構成は特に限定されるものではない。
上記熱ラミネートを実施する手段の具体的な構成は特に限定されるものではないが、得られる積層板の外観を良好なものとするために、加圧面と金属箔との間に保護材料を配置することが好ましい。保護材料としては、熱ラミネート工程の加熱温度に耐えるものであれば特に限定されず、非熱可塑性ポリイミドフィルム等の耐熱性プラスチック、銅箔、アルミニウム箔、SUS箔等の金属箔等を好適に用いることができる。中でも、耐熱性、リサイクル性等のバランスが優れる点から、非熱可塑性ポリイミドフィルムがより好ましく用いられる。
上記熱ラミネート手段における被積層材料の加熱方式は特に限定されるものではなく、例えば、熱循環方式、熱風加熱方式、誘導加熱方式等、所定の温度で加熱し得る従来公知の方式を採用した加熱手段を用いることができる。同様に、上記熱ラミネート手段における被積層材料の加圧方式も特に限定されるものではなく、例えば、油圧方式、空気圧方式、ギャップ間圧力方式等、所定の圧力を加えることができる従来公知の方式を採用した加圧手段を用いることができる。
上記熱ラミネート工程における加熱温度、すなわちラミネート温度は、ボンディングシートのガラス転移温度(Tg)+50℃以上の温度であることが好ましく、ボンディングシートのTg+100℃以上がより好ましい。Tg+50℃以上であれば、ボンディングシートと金属箔とを良好に熱ラミネートすることができる。またTg+100℃以上であれば、ラミネート速度を上昇させてその生産性をより向上させることができる。
上記熱ラミネート工程におけるラミネート速度は、0.5m/分以上であることが好ましく、1.0m/分以上であることがより好ましい。0.5m/分以上であれば十分な熱ラミネートが可能になり、1.0m/分以上であれば生産性をより一層向上することができる。
上記熱ラミネート工程における圧力、すなわちラミネート圧力は、高ければ高いほどラミネート温度を低く、かつラミネート速度を速くすることができる利点があるが、一般にラミネート圧力が高すぎると得られる積層板の寸法変化が悪化する傾向がある。また、逆にラミネート圧力が低すぎると得られる積層板の金属箔の接着強度が低くなる。そのためラミネート圧力は、49〜490N/cm(5〜50kgf/cm)の範囲内であることが好ましく、98〜294N/cm(10〜30kgf/cm)の範囲内であることがより好ましい。この範囲内であれば、ラミネート温度、ラミネート速度およびラミネート圧力の三条件を良好なものにすることができ、生産性をより一層向上することができる。
本発明にかかる片面金属張積層板を得るためには、連続的に被積層材料を加熱しながら圧着する熱ラミネート装置を用いればよいが、この熱ラミネート装置では、熱ラミネート手段の前段に、被積層材料を繰り出す被積層材料繰出手段を設けてもよいし、熱ラミネート手段の後段に、被積層材料を巻き取る被積層材料巻取手段を設けてもよい。これらの手段を設けることで、上記熱ラミネート装置の生産性をより一層向上させることができる。上記被積層材料繰出手段および被積層材料巻取手段の具体的な構成は特に限定されるものではなく、例えば、ボンディングシートや金属箔、あるいは得られる積層板を巻き取ることのできる公知のロール状巻取機等を挙げることができる。
さらに、保護材料を巻き取ったり繰り出したりする保護材料巻取手段や保護材料繰出手段を設けると、より好ましい。これら保護材料巻取手段・保護材料繰出手段を備えていれば、熱ラミネート工程で、一度使用された保護材料を巻き取って繰り出し側に再度設置することで、保護材料を再使用することができる。また、保護材料を巻き取る際に、保護材料の両端部を揃えるために、端部位置検出手段および巻取位置修正手段を設けてもよい。これによって、精度よく保護材料の端部を揃えて巻き取ることができるので、再使用の効率を高めることができる。なお、これら保護材料巻取手段、保護材料繰出手段、端部位置検出手段および巻取位置修正手段の具体的な構成は特に限定されるものではなく、従来公知の各種装置を用いることができる。
上述したボンディングシート全体の線膨張係数制御により、得られる片面金属張積層板の反りの発生を抑制することが可能となる。具体的には、7cm幅×20cm長サイズの長方形のフレキシブル片面金属張積層板を作製した場合、20℃、60%R.H.の環境下に12時間放置した後の四隅の反りがいずれも1.0mm以下となることが好ましい。片面金属張積層板の反りが上記範囲内に収まっていれば、工程中を搬送する際の反りならびにエッチングにより回路形成を行った後の配線板の反りを抑えることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例及び比較例における線膨張係数、金属箔引き剥し強度、非接着層密着強度および反りの評価法は次の通りである。
(線膨張係数)
線膨張係数は、セイコーインスツルメント社製熱機械的分析装置TMA120Cにより、窒素気流下、昇温速度10℃/分にて、10℃から330℃までの温度範囲で測定した後、200℃〜300℃の間における平均値を求めた。
(金属箔の引き剥がし強度)
JIS C6471の「6.5 引きはがし強さ」に従って、サンプルを作製し、5mm幅の金属箔部分を、180度の剥離角度、50mm/分の条件で剥離し、その荷重を測定した。
(非接着層の密着強度)
ポリイミドフィルム(アピカル125AHP,鐘淵化学工業社製)にアクリル系接着シート(パイララックスLF−100,デュポン社製)を重ね、更にその上に非接着層側が接するように金属張積層板を重ねた状態で160℃で1分間、30kg/cmの圧力でプレスを行った。得られた積層板を150℃で2時間キュア処理を行った後、JIS C6471の「6.5 引きはがし強さ」に従って、サンプルを作製した。但し、引き剥がす部分は金属箔でなく、125AHPとした。5mm幅の測定部分を、180度の剥離角度、50mm/分の条件で剥離し、その荷重を測定した。
(反り)
ボンディングシートならびに片面金属張積層板の反りは、以下のようにして測定した。
1)各サンプルを7cm×20cmのサイズにカット。
2)20℃、60%RHの条件下で24時間放置。
3)マイクロゲージ付き顕微鏡で、サンプルの四隅の反り高さを測定した。
なお、金属張積層板は、金属箔面が上になるように設置して測定した。
実施例1〜7および比較例1〜4において、ボンディングシートに用いられる熱可塑性ポリイミドおよび非熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸は、次の合成例1〜5のいずれかに従って合成した。
(合成例1;非熱可塑性ポリイミド前駆体の合成)
容量2000mlのガラス製フラスコにN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFという)を615g、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(以下、ODAという)を88.1g加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら、ピロメリット酸二無水物(以下、PMDAという)を93.8g添加し、氷浴下で30分間撹拌した。2.2gのPMDAを35gのDMFに溶解させた溶液を別途調製し、これを上記反応溶液に、粘度に注意しながら徐々に添加、撹拌を行った。粘度が5000poiseに達したところで添加、撹拌をやめ、ポリアミド酸溶液を得た。
(合成例2;熱可塑性ポリイミド前駆体の合成)
容量1000mlのガラス製フラスコにDMFを432g、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン(以下、BAPSという)を82.2g加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、BPDAという)を53.0g添加し、氷浴下で30分間撹拌した。2.9gのBPDAを30gのDMFに溶解させた溶液を別途調製し、これを上記反応溶液に、粘度に注意しながら徐々に添加、撹拌を行った。粘度が3000poiseに達したところで添加、撹拌をやめ、ポリアミド酸溶液を得た。
(合成例3;熱可塑性ポリイミド前駆体の合成)
容量1000mlのガラス製フラスコにDMFを650g、2,2’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン(以下、BAPPという)を82.1g加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら、3,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下、BTDAという)を22.6g徐々に添加した。続いて、3,3’,4,4’−エチレングリコールジベンゾエートテトラカルボン酸二無水物(以下、TMEGという)を49.2g添加し、氷浴下で30分間撹拌した。4.1gのTMEGを35gのDMFに溶解させた溶液を別途調製し、これを上記反応溶液に、粘度に注意しながら徐々に添加、撹拌を行った。粘度が3000poiseに達したところで添加、撹拌をやめ、ポリアミド酸溶液を得た。
(合成例4;熱可塑性ポリイミド前駆体の合成)
容量1000mlのガラス製フラスコにDMFを740g、BAPPを82.1g加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら、2,2’‐ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエートテトラカルボン酸二無水物(以下、ESDAという)を40.3g徐々に添加した。続いて、TMEGを49.2g添加し、氷浴下で30分間撹拌した。4.1gのTMEGを30gのDMFに溶解させた溶液を別途調製し、これを上記反応溶液に、粘度に注意しながら徐々に添加、撹拌を行った。粘度が3000poiseに達したところで添加、撹拌をやめ、ポリアミド酸溶液を得た。
(合成例5;熱可塑性ポリイミド前駆体の合成)
容量1000mlのガラス製フラスコにDMFを600g、BAPPを82.1g加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら、BPDAを53.0g徐々に添加した。続いて、TMEGを4.1g添加し、氷浴下で30分間撹拌した。4.1gのTMEGを20gのDMFに溶解させた溶液を別途調製し、これを上記反応溶液に、粘度に注意しながら徐々に添加、撹拌を行った。粘度が3000poiseに達したところで添加、撹拌をやめ、ポリアミド酸溶液を得た。
(実施例1)
合成例3で得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度10重量%になるまでDMFで希釈した後、ポリイミドフィルム(アピカル17HP;鐘淵化学工業株式会社製)の片面に、熱可塑性ポリイミド層の最終片面厚みが4μmとなるようにポリアミド酸を塗布した後、120℃で4分間加熱を行った(接着層面)。
一方、合成例1で得られたポリアミド酸溶液と合成例3で得られたポリアミド酸溶液を、固形分重量比が90:10となるように混合した後、固形分濃度10重量%になるまでDMFで希釈した。得られた溶液を、上記フィルムの未塗布面に最終片面厚みが4μmとなるようにポリアミド酸を塗布した後、120℃で4分間加熱を行った(非接着層面)。
続いて380℃で20秒間加熱してイミド化を行い、ボンディングシートを得た。得られたボンディングシートの非接着層面に、処理密度1000w・min/mのプラズマ処理を実施した。このボンディングシートの200〜300℃の温度範囲における線膨張係数は、20ppm/℃であった。
得られたボンディングシートの接着層面(合成例3で得られたポリアミド酸を塗布した面)に18μmの圧延銅箔(BHY−22B−T;ジャパンエナジー製、線膨張係数19ppm/℃)、さらにその両側に保護材料(アピカル125NPI;鐘淵化学工業株式会社製、線膨張係数16ppm/℃)を配して、熱ロールラミネート機を用いて、ラミネート温度300℃、ラミネート圧力196N/cm(20kgf/cm)、ラミネート速度1.5m/分の条件で熱ラミネートを行い、本発明にかかるフレキシブル片面金属張積層板を作製した。
(実施例2)
合成例3で得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度10重量%になるまでDMFで希釈した後、ポリイミドフィルム(アピカル17HP;鐘淵化学工業株式会社製)の片面に、熱可塑性ポリイミド層の最終片面厚みが4μmとなるようにポリアミド酸を塗布した後、120℃で4分間加熱を行った(接着層面)。
合成例1で得られたポリアミド酸溶液と合成例3で得られたポリアミド酸溶液を、固形分重量比が85:15となるように混合した後、固形分濃度10重量%になるまでDMFで希釈した。得られた溶液を、上記フィルムの未塗布面に最終片面厚みが4μmとなるようにポリアミド酸を塗布した後、120℃で4分間加熱を行った(非接着層面)。
続いて380℃で20秒間加熱してイミド化を行い、ボンディングシートを得た。得られたボンディングシートの非接着層面に、処理密度300w・min/mのコロナ処理を実施した。このボンディングシートの200〜300℃の温度範囲における線膨張係数は、19ppm/℃であった。得られたボンディングシートを実施例1と同様にして熱ラミネートを行い、本発明にかかるフレキシブル片面金属張積層板を作製した。
(実施例3)
合成例3で得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度10重量%になるまでDMFで希釈した後、ポリイミドフィルム(アピカル17HP;鐘淵化学工業株式会社製)の片面に、熱可塑性ポリイミド層の最終片面厚みが4μmとなるようにポリアミド酸を塗布した後、120℃で4分間加熱を行った(接着層面)。
合成例1で得られたポリアミド酸溶液と合成例3で得られたポリアミド酸溶液を、固形分重量比が95:5となるように混合した後、固形分濃度10重量%になるまでDMFで希釈した。得られた溶液を、上記フィルムの未塗布面に最終片面厚みが4μmとなるようにポリアミド酸を塗布した後、120℃で4分間加熱を行った(非接着層面)。
続いて380℃で20秒間加熱してイミド化を行い、ボンディングシートを得た。得られたボンディングシートの非接着層面に、処理密度1000w・min/m2のプラズマ処理を実施した。このボンディングシートの200〜300℃の温度範囲における線膨張係数は、20ppm/℃であった。得られたボンディングシートを実施例1と同様にして熱ラミネートを行い、本発明にかかるフレキシブル片面金属張積層板を作製した。
(実施例4)
合成例3で得られたポリアミド酸溶液の代わりに合成例4で得られたポリアミド酸溶液を使用する以外は、実施例1と同様の操作をプラズマ処理まで行い、ボンディングシートを得た。このボンディングシートの200〜300℃の温度範囲における線膨張係数は、20ppm/℃であった。得られたボンディングシートを実施例1と同様にして熱ラミネートを行い、本発明にかかるフレキシブル片面金属張積層板を作製した。
(実施例5)
合成例3で得られたポリアミド酸溶液の代わりに合成例5で得られたポリアミド酸溶液を使用する以外は、実施例1と同様の操作をプラズマ処理まで行い、ボンディングシートを得た。このボンディングシートの200〜300℃の温度範囲における線膨張係数は、19ppm/℃であった。得られたボンディングシートを、ラミネート温度を380℃とした以外は、実施例1と同様にして熱ラミネートを行い、本発明にかかるフレキシブル片面金属張積層板を作製した。
(実施例6)
合成例3で得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度10重量%になるまでDMFで希釈した後、ポリイミドフィルム(アピカル17HP;鐘淵化学工業株式会社製)の片面に、熱可塑性ポリイミド層の最終片面厚みが4μmとなるようにポリアミド酸を塗布した後、120℃で4分間加熱を行った(接着層面)。
合成例1で得られたポリアミド酸溶液と合成例3で得られたポリアミド酸溶液を、固形分重量比が80:20となるように混合した後、固形分濃度10重量%になるまでDMFで希釈した。得られた溶液を、上記フィルムの未塗布面に最終片面厚みが4μmとなるようにポリアミド酸を塗布した後、120℃で4分間加熱を行った(非接着層面)。
続いて380℃で20秒間加熱してイミド化を行い、ボンディングシートを得た。得られたボンディングシートの非接着層面に、処理密度1000w・min/mのプラズマ処理を実施した。このボンディングシートの200〜300℃の温度範囲における線膨張係数は、20ppm/℃であった。
得られたボンディングシートを実施例1と同様にして熱ラミネートを行い、本発明にかかるフレキシブル片面金属張積層板を作製した。
(実施例7)
合成例3で得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度10重量%になるまでDMFで希釈した後、ポリイミドフィルム(アピカル17HP;鐘淵化学工業株式会社製)の片面に、熱可塑性ポリイミド層の最終片面厚みが4μmとなるようにポリアミド酸を塗布した後、120℃で4分間加熱を行った(接着層面)。
合成例1で得られたポリアミド酸溶液と合成例3で得られたポリアミド酸溶液を、固形分重量比が98:2となるように混合した後、固形分濃度10重量%になるまでDMFで希釈した。得られた溶液を、上記フィルムの未塗布面に最終片面厚みが4μmとなるようにポリアミド酸を塗布した後、120℃で4分間加熱を行った(非接着層面)。
続いて380℃で20秒間加熱してイミド化を行い、ボンディングシートを得た。得られたボンディングシートの非接着層面に、処理密度1000w・min/mのプラズマ処理を実施した。このボンディングシートの200〜300℃の温度範囲における線膨張係数は、20ppm/℃であった。
得られたボンディングシートを実施例1と同様にして熱ラミネートを行い、本発明にかかるフレキシブル片面金属張積層板を作製した。
上記の実施例及び比較例で得られたボンディングシートならびに金属張積層板の評価結果を表1に示す。本発明のボンディングシートは、ボンディングシートの線膨張係数の値が制御され、特定の組成の非接着層を設けることで、熱ラミネート法においても使用可能であり、かつ反りも抑制された。また、非接着層面に表面処理を施すことで、層間接着剤に対する密着性も発現した。この結果、得られる片面金属張積層板は、反りが生じず、優れた接着性、積層性を示した。
(比較例1)
実施例1と同様にして得られたボンディングシートを、裏打ち層にプラズマ処理を施さずに実施例1と同様にして熱ラミネートを行い、フレキシブル片面金属張積層板を作製した。
(比較例2)
合成例3で得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度10重量%になるまでDMFで希釈した後、ポリイミドフィルム(アピカル17HP;鐘淵化学工業株式会社製)の両面に、熱可塑性ポリイミド層の最終片面厚みが4μmとなるようにポリアミド酸を塗布した後、120℃で4分間加熱を行い、続いて380℃で20秒間加熱してイミド化を行い、ボンディングシートを得た。得られたボンディングシートの銅箔を配さない面に、処理密度1000w・min/mのプラズマ処理を実施した。このボンディングシートの200〜300℃の温度範囲における線膨張係数は、20ppm/℃であった。
得られたボンディングシートを実施例1と同様にして熱ラミネートを行ったが、銅箔を配していない面が保護フィルムに貼り付き、剥離することができなかった。
(比較例3)
合成例5で得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度10重量%になるまでDMFで希釈した後、ポリイミドフィルム(アピカル17HP;鐘淵化学工業株式会社製)の片面に、熱可塑性ポリイミド層の最終片面厚みが4μmとなるようにポリアミド酸を塗布した後、120℃で4分間加熱を行った(接着層面)。
続いて、合成例2で得られたポリアミド酸溶液を同様の手順で反対面に塗布乾燥した後、380℃で20秒間加熱してイミド化を行い、ボンディングシートを得た。得られたボンディングシートの銅箔を配さない面に、処理密度1000w・min/mのプラズマ処理を実施した。このボンディングシートの200〜300℃の温度範囲における線膨張係数は、21ppm/℃であった。
得られたボンディングシートを、ラミネート温度を380℃とした以外は、実施例1と同様にして熱ラミネートを行ったが、銅箔を配していない面が保護フィルムに貼り付いたため、剥離することができなかった。
(比較例4)
合成例3で得られたポリアミド酸溶液を、固形分濃度10重量%になるまでDMFで希釈した後、ポリイミドフィルム(アピカル17HP;鐘淵化学工業株式会社製)の片面に、熱可塑性ポリイミド層の最終片面厚みが4μmとなるようにポリアミド酸を塗布した後、120℃で4分間加熱を行った(接着層面)。
続いて380℃で20秒間加熱してイミド化を行い、ボンディングシートを得た。このボンディングシートの200〜300℃の温度範囲における線膨張係数は、14ppm/℃であった。得られたボンディングシートを、実施例1と同様にして熱ラミネートを行い、フレキシブル片面金属張積層板を作製した。
(比較例5)
合成例3で得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度10重量%になるまでDMFで希釈した後、ポリイミドフィルム(アピカル17HP;鐘淵化学工業株式会社製)の片面に、熱可塑性ポリイミド層の最終片面厚みが4μmとなるようにポリアミド酸を塗布した後、120℃で4分間加熱を行った(接着層面)。
合成例1で得られたポリアミド酸溶液を、固形分濃度10重量%になるまでDMFで希釈した。得られた溶液を、上記フィルムの未塗布面に最終片面厚みが4μmとなるようにポリアミド酸を塗布した後、120℃で4分間加熱を行った(非接着層面)。
続いて380℃で20秒間加熱してイミド化を行い、ボンディングシートを得た。得られたボンディングシートの非接着層面に、処理密度1000w・min/m2のプラズマ処理を実施した。このボンディングシートの200〜300℃の温度範囲における線膨張係数は、20ppm/℃であった。
得られたボンディングシートを実施例1と同様にして熱ラミネートを行い、フレキシブル片面金属張積層板を得たが、この積層板は銅箔を配していない面(合成例1で得られたポリアミド酸溶液を塗布、イミド化した面)のポリイミドフィルムに対する密着性が十分ではなく、容易に剥離してしまった。
比較例1に示すように、非接着層面に表面処理を施さなかった場合は、パイララックスに対する密着性を示さなかった。また、比較例2および比較例3に示すように、両面に熱可塑性ポリイミドを設けた場合は、銅箔を配していない面がラミネート時に工程上の材料に貼り付いた。一方、比較例4に示すように、銅箔を配さない面の熱可塑性ポリイミド層を除くことで、熱ラミネートが可能となるが、得られるボンディングシートならびに積層板には反りが生じた。また、非接着層を設けても、その組成が適正でない場合、比較例5に示すように、コアフィルムへの密着性が不十分であった。
Figure 2005153244

Claims (10)

  1. 耐熱性フィルムの一方の面に熱可塑性樹脂を含有する接着層を配し、他方の面に非熱可塑性樹脂及び熱可塑性樹脂を含有する非接着層を配してなり、かつ非接着層にコロナ処理もしくはプラズマ処理を施していることを特徴とする、ボンディングシート。
  2. 非接着層に含有される非熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂の割合が、重量分率で82/18〜97/3であることを特徴とする、請求項1に記載のボンディングシート。
  3. 耐熱性フィルムがポリイミドフィルムであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のボンディングシート。
  4. 接着層に含有される熱可塑性樹脂、および又は非接着層に含有される非熱可塑性樹脂および熱可塑性樹脂がポリイミドであることを特徴とする、請求項1乃至3に記載のボンディングシート。
  5. 7cm幅×20cm長サイズの長方形のボンディングシートを作製した場合、20℃、60%R.H.の環境下に12時間放置した後の四隅の反りがいずれも0.5mm以下であることを特徴とする、請求項1乃至4に記載のボンディングシート。
  6. ボンディングシートに貼り合わせる金属箔の線膨張係数(200〜300℃)をα0(ppm/℃)とした場合、ボンディングシートの線膨張係数(200〜300℃)がα0±5(ppm/℃)の範囲内にあることを特徴とする、請求項1乃至5に記載のボンディングシート。
  7. 請求項1乃至6に記載のボンディングシートの接着層に、金属箔を貼り合わせたことを特徴とする、フレキシブル片面金属張積層板。
  8. 一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置を用いて金属箔とボンディングシートを貼り合わせることを特徴とする、請求項7に記載のフレキシブル片面金属張積層板。
  9. 金属箔が銅箔であることを特徴とする、請求項7又は8に記載のフレキシブル片面金属張積層板。
  10. 7cm幅×20cm長サイズの長方形のフレキシブル片面金属張積層板を作製した場合、20℃、60%R.H.の環境下に12時間放置した後の四隅の反りがいずれも1.0mm以下であることを特徴とする、請求項7乃至9に記載のフレキシブル片面金属張積層板。
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JP2009500200A (ja) * 2005-07-06 2009-01-08 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 被覆部材の製造方法

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