JP2005152957A - 球状黒鉛鋳鉄鋳物およびその製造方法 - Google Patents

球状黒鉛鋳鉄鋳物およびその製造方法 Download PDF

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Koichi Morioka
耕一 森岡
Takashi Noda
俊 野田
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Abstract

【課題】 押湯および冷し金型をともに不要ないし最小限とすることによって低コスト化を実現できる球状黒鉛鋳鉄鋳物およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 S0値=1.9×%P0+1.04×%Ti0+2.5×%V0+0.64×%Al0≦0.1の溶湯を、M0値=V0/A0≧5の鋳型に鋳造することを特徴とする球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方法。
ここに、%P0,%Ti0,%V0および%Al0:前記溶湯中のP,Ti,VおよびAl各成分の含有量(質量%)、V0:前記鋳型の内容積(mm3)、A0:前記鋳型の内表面積(mm2)である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造技術に関する。
球状黒鉛鋳鉄鋳物は機械的性質に優れ、種々の機械部品に使用されている。ところが、球状黒鉛鋳鉄は凝固時における収縮が大きいため引け巣が発生しやすい。このため、従来は引け巣防止のために押湯を施す必要があり(例えば、特許文献1参照)、押湯も含めた全溶湯重量に対する製品鋳物の歩留が低く、コスト高の要因となっていた。
また、球状黒鉛鋳鉄、ねずみ鋳鉄、鋳鋼等の鋳造時の凝固に伴う熱収縮性の大きい材料によるディーゼル機関用シリンダピストンの鋳造方法であって、引け巣の発生しやすい部位に冷し金型を用い、冷し金型による急冷効果による指向性凝固によって引け巣の発生を回避し押湯を不要とできるとする鋳造方法が提案されている(特許文献2参照)。しかし、この方法では、押湯を不要とできることにより製品鋳物の歩留が向上したとしても、高価な冷し金型を必要としコスト高の問題は依然として解決し得ない。
特開平8−281377号公報 特開平10−85924号公報
そこで、本発明は、押湯および冷し金型をともに不要ないしは最小限とすることによって低コスト化を実現できる球状黒鉛鋳鉄鋳物およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、球状黒鉛鋳鉄の凝固時における収縮に及ぼす微量元素の影響について鋭意研究を行った。その結果、P,Ti,VおよびAlの含有量および鋳物の単位冷却面積当たりの鋳造体積が、鋳物の凝固収縮の程度すなわち引け巣発生に密接に関係することを見出し(後述の実施例参照)、この知見に基づき以下の発明を完成させた。
なお、従来の知見によれば、Pの含有量低下により引け巣低減効果が認められるとの報告がある(吉田敏樹、川畑将秀、矢野健太郎、田村俊樹,「球状黒鉛鋳鉄の表面と内部の凝固時間比による溶湯ひけ傾向評価」,鋳造工学,vol.71(1999),p.104)ものの、Ti,VおよびAlについては引け巣に及ぼす影響については過去に報告がなく、ましてやこれらの微量元素が引け巣に及ぼす影響について定量的に効果を確認した例は見られない。
請求項1記載の発明は、下記式1で定義されるS値が0.1以下で、かつ、下記式2で定義されるM値が5以上であることを特徴とする球状黒鉛鋳鉄鋳物である。
式1:S値=1.9×%P+1.04×%Ti+2.5×%V+0.64×%Al
ここに、%P,%Ti,%Vおよび%Al:前記鋳物中のP,Ti,VおよびAl各成分の含有量(質量%)である。
式2:M値=V/A
ここに、V:前記鋳物の体積(mm3)、A:前記鋳物の表面積(mm2)である。
請求項2記載の発明は、下記式3で定義されるS0値が0.1以下の溶湯を下記式4で定義されるM0値が5以上の鋳型に鋳造することを特徴とする球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方法である。
式3:S0値=1.9×%P0+1.04×%Ti0+2.5×%V0+0.64×%Al0
ここに、%P0,%Ti0,%V0および%Al0:前記溶湯中のP,Ti,VおよびAl各成分の含有量(質量%)である。
式4:M0値=V0/A0
ここに、V0:前記鋳型の内容積(mm3)、A0:前記鋳型の内表面積(mm2)である。
請求項3記載の発明は、押湯および/または冷し金型を設けないで行う請求項2に記載の球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方法である。
本発明によれば、微量元素であるP,Ti,VおよびAlの含有量と、鋳物の単位冷却面積当たりの鋳造体積とを所定範囲に制限することにより凝固時の収縮を抑制し、通常の鋳造条件で鋳造しても引け巣の発生を防止ないし大幅に抑制できる。したがって、押湯および冷し金型をともに不要ないし最小限とすることが可能となり、低コストで球状黒鉛鋳鉄鋳物を得ることができる。
まず、上記式3で定義されるS0値が0.1以下、好ましくは0.08以下、さらに好ましくは0.06以下となるように、例えば原料銑、鋼屑等を適宜配合し、電気炉、キュポラ等により溶解した後、接種処理および球状化処理を行うことにより、本発明に係る球状黒鉛鋳鉄用の溶湯が得られる。
0値を0.1以下とするのは、後述の実施例で説明するように、S0値が0.1を超えると引け巣が過大となるため、相当量の押湯および/または広範囲の冷し金型を用いずに鋳造することが困難になるためである。(ここに、後述の実施例ではS値を用いているが、溶湯中の微量元素量と製品鋳物中の微量元素量とは実質的に変化はないと考えられるので、S0値=S値としてよい。)
なお当然のことながら、原料配合に際し、製品鋳物の機械的性質等を考慮して、各微量元素の含有量の組み合わせを、S0値≦0.1を満たす範囲内で適宜調整しうるものである。
次に、上記のようにして作製した溶湯を、押湯および冷し金型を設けないで、上記式4で定義されるM0値が5以上、好ましくは6以上、さらに好ましくは7以上の鋳型に鋳込む。ここに、前記鋳型は製品鋳物となる部分のみを指し、湯溜り部および湯道を含まないものとする。
0値を5以上とするのは、後述の実施例で説明するように、M0値が5未満となると、鋳造体積に比べ冷却面積が過大となり、S0値を0.1以下としても引け巣発生の抑制効果が得られないためである。(ここに、後述の実施例ではS値を用いているが、鋳型の内容積および内表面積と鋳物の体積および表面積とは実質的に同じと考えられるので、M0値=M値としてよい。)
このようにして鋳造された鋳物は、押湯および冷し金型を設けないで鋳造しても引け巣の発生が防止ないし大幅に抑制されることにより、製品品質を維持しつつ歩留を向上できるので、高品質でかつ低コストの球状黒鉛鋳鉄鋳物が得られる。
もちろん、上記鋳造に際し、必要に応じて押湯および/または冷し金型を設けてもよい。このような場合でも、その押湯量や冷し金型の設置範囲を必要最小限にとどめることができ、製造コストの上昇を抑制しつつ、引け巣の発生をより確実に防止して製品品質をさらに高めることができる。
本発明の効果を確認するため、以下の鋳造試験を実施した。
溶解用原料としては、表1に示す成分の原料銑と表2に示す成分の鋼屑とを用い、これらの配合物に黒鉛および各種合金鉄等を適宜添加することにより溶湯成分の調整を行った。
原料の溶解・成分調整は容量100kgの高周波溶解炉を用いて行い、1バッチ当たりの溶解量は50kgとした。溶解・成分調整後、取鍋内に出湯し、サンドイッチ法により球状化処理を行った。
溶湯成分は、質量%でC:3.7%,Si:2.3%,Mn:0.35%,S:0.01%,P:0.01%,Ti:0.004%,V:0.01%,Al:0.01%(目標値)を基準として、C,Si,Mn,Sについては一定に維持し、P,Ti,V,Alについてはそれぞれの成分ごとに所定の範囲内で数水準ずつ変更した。
高周波溶解炉からの出湯温度は1500℃(目標値)、取鍋からの注湯温度は1400℃(目標値)とした。
鋳型は生型で2種類の形状のものを用い、同一成分の溶湯について薄板試験片および厚板試験片をそれぞれ鋳造した。ここに、薄板試験片の体積は112500mm3、面積は22845mm2(すなわち、M値=4.92)であり、厚板試験片の体積は225000mm3、面積は28140mm2(すなわち、M値=8.00)であった。
鋳造後の各試験片についてX線透過写真撮影による引け巣面積の計測を行った。以下に試験結果を示す。
図1は、厚板試験片における各微量元素と引け巣面積との関係を示すグラフ図である。また、図2は、薄板試験片における各微量元素と引け巣面積との関係を示すグラフ図である。図1および図2から明らかなように、厚板試験片の場合は、P,Ti,VおよびAlの含有量が増加するにしたがい、引け巣面積が増加するのに対し、薄板試験片の場合は、P,Ti,VおよびAlの含有量が変化しても引け巣面積はほとんど変化しないことがわかった。すなわち、M値が5未満の薄板試験片では冷却効果が大きすぎて、微量元素の含有量の影響が認められないのに対し、M値が5以上、好ましくは6以上、さらに好ましくは7以上の厚板試験片では冷却効果が小さいため、微量元素の含有量の影響が顕著に現れるものと考えられる。なお、図1において、微量元素の含有量が一定含有量以上に増加すると引け巣面積が飽和する傾向が見られるが、この理由は引け巣の大きさを体積でなく面積で表しているためであり、この引け巣面積が飽和する範囲では引け巣の深さが増加する傾向を示しており、引け巣の体積は増加する傾向にある。
上記の知見に基づいて、厚板試験片のデータについて重回帰分析を行った結果、引け巣面積は上記式1で定義されるS値と強い相関関係があることがわかった。図3は厚板試験片におけるS値と引け巣面積との関係を示すグラフ図である。この図から、S値を0.1以下とすることにより引け巣面積を約800mm2以下に、S値を0.08以下とすることにより引け巣面積を約700mm2以下に、S値を0.06以下とすることにより引け巣面積を約300mm2以下に小さくできることがわかる。したがって、以上の結果より、M値が5以上、好ましくは6以上、さらに好ましくは7以上で、かつ、S値が0.1以下、好ましくは0.08以下、さらに好ましくは0.06以下とすることにより、押湯および冷し金型をともに不要ないし最小限として鋳造しても引け巣の発生が防止ないし大幅に抑制され、低コストで球状黒鉛鋳鉄鋳物を製造できることが確認できた。
厚板試験片における各微量元素と引け巣面積との関係を示すグラフ図である。 薄板試験片における各微量元素と引け巣面積との関係を示すグラフ図である。 厚板試験片におけるS値と引け巣面積との関係を示すグラフ図である。

Claims (3)

  1. 下記式1で定義されるS値が0.1以下で、かつ、下記式2で定義されるM値が5以上であることを特徴とする球状黒鉛鋳鉄鋳物。
    式1:S値=1.9×%P+1.04×%Ti+2.5×%V+0.64×%Al
    ここに、%P,%Ti,%Vおよび%Al:前記鋳物中のP,Ti,VおよびAl各成分の含有量(質量%)である。
    式2:M値=V/A
    ここに、V:前記鋳物の体積(mm3)、A:前記鋳物の表面積(mm2)である。
  2. 下記式3で定義されるS0値が0.1以下の溶湯を下記式4で定義されるM0値が5以上の鋳型に鋳造することを特徴とする球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方法。
    式3:S0値=1.9×%P0+1.04×%Ti0+2.5×%V0+0.64×%Al0
    ここに、%P0,%Ti0,%V0および%Al0:前記溶湯中のP,Ti,VおよびAl各成分の含有量(質量%)である。
    式4:M0値=V0/A0
    ここに、V0:前記鋳型の内容積(mm3)、A0:前記鋳型の内表面積(mm2)である。
  3. 押湯および/または冷し金型を設けないで行う請求項2に記載の球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方法。

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